第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「義の心」という経営理念のもと、創業以来直動機器の専門メーカーとして常に新しいテクノロジーを追求し、多様化する顧客ニーズに適応する高品質・高付加価値製品を提供するとともに、経営の効率性と業績の向上を図ることで社会に貢献し、株主、取引先、従業員など全てのステークホルダーのご期待にお応えすることを基本方針としております。

 

①「経営理念」

「義の心」 仕事とは、先に義を尽くして後から利益がくる「先義後利」だと考えます。自分たちの都合でモノを作るのではなく、お客様が何を望み、何に困っているのかをつかみ、それに真摯に応える「義の心」こそ、当社グループの経営理念です。 

経営理念「義の心」を実践するために以下の方針を掲げています。

a社会貢献 新たな価値の創造を通じて、社会に貢献できる企業を目指す。

b社員共生 社員と共に生き、喜びを分かち合う企業を目指す。

c安定成長 上記方針の目標を達成するため、安定した収益を生み続ける企業を目指す。

 

②「経営方針」

「不易流行」

「不易」とは、どのような時代や環境になろうとも、変えてはならないこと。

「流行」とは、その時代、時代の環境の変化に順応していかなければならないこと。

例えば、

・人の役に立つ(人の使命)、社会の役に立つ(企業の使命)、企業スピリッツ、経営理念等は「不易」。戦略、戦術、組織、技術、生産方法、システム(仕組み)等は「流行」。

 

・各部門間の互いの「リスペクト(価値を認めること)」が当社の強み、信頼とリスペクトがあっての「共存共栄」(「不易」変えてはならないこと)

・スマート生産(注)こそが「働き方改革」(「流行」環境や変化に順応)

(注)スマート生産=中長期のトレンドを見極めて設備を揃え、生産能力を活かした計画を立て、計画通りに出来高を毎日達成する当社の考え。また、効率のよいスマートな生産を目指し、かつ、労働時間の平準化・改善意欲を高め、従業員の満足度やモチベーションを高めることも目的としている。

 

(2) 経営環境

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症対策の緩和、行動制限の緩和などにより、経済活動の正常化に向けた動きは継続していくものと想定されます。一方で、ウクライナ情勢の長期化による原材料価格及び物流費の高騰や為替動向など不透明な状況が継続することが予想されます。

このような状況の中、2023年4月の新工場棟の完成を受け、自動化関連の需要に向けて、直動機器のスマート生産体制を確立して、生産の増強及び販売の拡大を図って参ります。

当社グループの品目別の経営環境の認識は以下のとおりであります。

① 直動機器

2022年度前半は、半導体業界を中心に引き合いがあるものの、中国ロックダウンによる販売の減少や、国内での原材料の調達遅延による生産高の減少が影響したことにより売上高が減少しました。2022年度後半は、産業用機械業界全体及び中国市場の受注減少の影響により売上高が減少しました。2023年度は、将来的には直動機器の需要が伸長することが予想されることに伴い、これに対応した直動機器の生産増強のために埼玉工場内に新工場棟の建設等、生産設備投資を継続して参ります。

② 精密部品加工 

2022年度は、レース用部品の供給は予定より増加したものの、前期より売上高は減少しました。

2023年度は、一部レース用部品の減少が見込まれております。

③ ユニット製品

2022年度は、前期の受注残高が多かったことに加え、半導体、自動車業界をはじめとする各生産設備向けのリピート需要の増加により販売が増加しました。

2023年度は、中国市場をはじめ、各産業用製造装置の設備投資が期待されます。

 

(3) 中期経営戦略

当社グループでは、主力の直動機器において「小径リニアボールブッシュ世界NO.1」を目標に掲げ、製品の原価低減・品揃え拡充に取り組んで参ります。

また、継続して成長し続けるため、産業用機械、電子部品産業及び民生分野の顧客ニーズに対応していき、主力の直動機器の製品力強化による売上・利益確保を土台とし、ユニット製品の製品力強化による売上・利益の拡大及び精密部品加工における加工技術力の維持・向上による売上・利益の維持拡大により、収益性の向上、財務体質強化、企業価値の向上を図って参ります。

品目別の中期経営戦略は、以下のとおりであります。

① 直動機器

製品力強化については、新製品の市場投入及び既存製品の設備投資による生産体制強化により、お客様の需要に応えるための増強を図り、国内及び海外への販売を展開していきます。更に、徹底したコスト削減を追求することを軸に、小径リニアボールブッシュの拡販を目指し、QCD(注)追求による収益向上、顧客ニーズを満足する付加価値の高い応用製品の開発に注力して参ります。コロナ禍の後の国内回帰の販売製品シェア率向上を目指します。

(注)QCDとは、高品質(Quality)、低価格(Cost)、短納期(Delivery)の略。

② 精密部品加工

強みの固有技術を一段と高度に磨き上げ、また、同時に迅速かつ丁寧な顧客対応力を追求することにより差別化を図り、高度化する顧客ニーズに対応し続け、顧客満足のさらなる向上を目指して参ります。レース用部品から他の精密部品加工への対応力強化も図って参ります。

③ ユニット製品

製品力強化については、国内及び中国市場をはじめとする海外に展開し、当社グループが得意とする位置決めステージにおいて、小型化、薄型化、高精度化等の性能向上を徹底的に追求して行きます。また、ユーザーへの提案力を高めて他社との差別化を図る一方、中国市場でも価格競争力を高めるため工法改善等でコスト削減を徹底的に追求することにより、位置決めステージにおける当社製品の優位性の一層の強化を図って参ります。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下、「KPI」という。)は、売上高、営業利益、売上高営業利益率であります。2024年度3月期の目標値は売上高2,456,878千円、営業利益15,601千円、売上高営業利益率0.6%であります。2027年3月期の目標値は売上高3,044,410千円、営業利益383,208千円、売上高営業利益率12.6%としております。当該KPIの各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)及び(3)に記載の経営方針及び中期経営戦略を実行して行く上で、当社グループが、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

① コスト削減による利益率の改善

当社グループは、海外を含めた競合他社との価格競争を展開しており、今後も継続することは確実視されております。それに対応すべく当社グループは、当連結会計年度も引き続きコスト削減を徹底することに致しており、具体的には部品加工等の内製化、部材購入費の洗い直し、残業等の労務費の削減、一般経費の削減等を徹底して参ります。

② 直動機器の特定製品への設備投資による生産能力増強

当社グループは、産業用機械において欠かすことのできない直動機器を製造しており、その範囲は新型コロナウイルス感染症対策でも需要がひっ迫した医療機器や、マスク製造装置等の産業用機械装置にも多くの部品を供給しており、その供給を継続して行く使命があります。その必要性が認められる製品に対しては、設備投資をして生産能力を増強して供給して参ります。

 

(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

① コスト削減による利益率の改善

② 直動機器の特定製品への設備投資による生産能力増強

③ 顧客ニーズに適合した応用製品の開発と販売

④ 提案型技術営業による新規顧客開拓

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

⑴ ガバナンス

当社では、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役社長尾崎浩太氏がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。

当社は、「企業倫理綱領」にCSR(企業の社会的責任)を規定し、環境保護、人権擁護・従業員満足、社会貢献を掲げており、このCSRを果たすために「ヒーハイスト 企業行動憲章」を制定し、環境・人権・社会に配慮した事業活動を行うことで、持続可能な社会の実現に貢献しております。

当社は取締役会及び監査役会を設置し、毎月の取締役会等の重要会議でサステナビリティに係る情報を共有化する等、持続可能な社会の実現のための企業統治体制を確保しております。

また、サステナビリティを実践するための検討や決定を迅速かつ適切に行えるよう、取締役及び監査役並びにその他検討事項に応じて責任者が出席する経営会議を毎月1回開催しております。

環境保全への取り組みを推進する体制としては、代表取締役社長尾崎浩太氏を事務局長とするエコアクション事務局を設置するとともに環境マネジメントシステム「エコアクション21」を導入しており、エコアクション21の運用活動による継続的な改善を行うことで、持続可能な社会の実現と企業価値向上を図っております。

持続可能性の観点で当社の企業価値向上を妨げるリスクに対応する体制として、代表取締役社長尾崎浩太氏を委員長とし、常勤監査役及び各部門長を委員とするリスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置し、内部統制事務局がリスクマネジメント・コンプライアンス委員会運営に際しての総括的な事務局機能を担うことにより、リスク管理に関するガバナンス体制を構築しております。

取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。取締役会には、経営会議、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会及びエコアクション21の運用活動の中で検討・協議された課題等が報告され、必要に応じて対応の指示を行っております。

 

⑵ 戦略

当社における人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

① 人材育成方針

当社は、性別や年齢や国籍等を問わず、すべての従業員に平等な機会を与えるという考えに基づき、本人の能力やスキル等を公正に評価したうえで、採用や登用を行っております。

この様な考えのもと、企業倫理を遵守し、企業理念及び経営方針を誠実に実践することによりもってCSRを果たすため、ヒーハイスト企業行動憲章を制定し、安全で働きやすい職場環境を確保するとともに、従業員の能力、活力を引き出し、人格、個性を尊重することを宣言しており、性別、年齢、国籍による差別を行わないことを掲げております。

具体的には、性別や年齢や国籍等を問わず、採用した人材に必要なスキルを身につけさせ能力を最大化させるため、入社時教育、配属時教育、部門毎教育及び年度毎教育といった従業員一人一人のキャリア構築を支援する多彩な教育研修制度を導入し、職位や職能毎に求められる能力や専門知識の習得を図っております。

 

② 社内環境整備

中長期的な企業価値向上のためにはイノベーションを生み出すことが重要であり、そのためには、多様な人材が個々の能力を充分に発揮できる人事制度を構築することが必要と考えております。

当社では、労働者不足への対応、生産性向上の観点から、性別や年齢や国籍等に関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進して行くとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用、及び外国籍の技能実習生受け入れや特定技能人材の雇用も積極的に行っております。

具体的には、以下の社内環境を整備しております。

 

a.従業員が仕事と子育てを両立することができ、従業員全員が働きやすい環境を作ることによって、すべての社員がその能力を十分に発揮できるようにするため、育児・介護休業を取得しやすい環境づくり、育児短時間勤務制度、次世代育児支援対策に関する環境づくりを導入しております。

b.人事評価制度においては、あらかじめ設定した目標の達成度合を評価基準にした成果評価に加え、経営理念を具体的に表現して評価基準としたヒーハイストバリュー評価を導入し、「社員共生」という経営基本方針の実現を目指しております。

 

⑶ リスク管理

当社では、さまざまなリスクを想定して「リスクマネジメント基本規程」と「危機管理基本規程」を制定し、リスクへの対応を図っております。サステナビリティに係るリスクを含む全般的なリスク管理はリスクマネジメント・コンプライアンス委員会において行っており、委員会の運営に際して総括的な事務局機能を有する内部統制事務局とともに、リスク全般を管理しております。

取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会を監督する責任と権限を有しており、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会で検討・協議された課題等は取締役会に報告され、必要に応じて対応の指示を行っております。

 

⑷ 指標及び目標

当社では、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

労働者に占める外国人労働者の割合

2026年3月までに20%

15%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 直動機器への高い依存度

当社グループでは、直動機器は売上の約63.2%を占めております。産業用機械装置には欠かせない要素部品であると認識しており、今後も安定的に需要が見込まれるものと推測しておりますが、将来、諸外国の安価な製品や代替品等の流入により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主な用途である産業用機械装置の設備投資需要変動により、直動機器の需要が急激に変化して当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、販売体制や生産体制の改善による小径リニアブッシュ市場シェアの維持に加え、製品の改良や用途開発等の付加価値のある製品開発(魚釣りのルアー商品とのコラボや樹脂で軽量化を図った製品での民生品への応用)を進めて市場シェアの拡大に努めております。

 

(2) 特定販売先への高い依存度について

当社グループ製品の販売先のうち、THK株式会社及び本田技研工業株式会社(以下「ホンダグループ」)に対する当社グループの売上高に占める比率は高いものとなっております。

THK株式会社及びホンダグループとは、長年安定した取引関係を維持しておりますが、同社の受注動向や経営戦略の如何によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ホンダグループ向けのレース用部品は、そのレース参戦の動向により売上高に影響いたします。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、THK株式会社及びホンダグループの取引先との関係を良好に維持しつつ、新市場・新規顧客の開拓を進めることで、取引上のリスク回避に努めております。

 

(3) 知的財産権について

当社グループは、特許権等の知的財産権の重要性を強く認識しており、自社が保有する技術等については、特許権等の取得による保護を推進しております。しかしながら、出願した全ての技術等について知的財産権が取得できる保証はなく、また、取得したとしても特許期間満了により他社が類似品を市場に投入することで価格競争に陥り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

更に、当社製品が他社の特許等に抵触して事業展開の制約となる可能性に加え、その情報を知らずに市場に投入してしまった場合には特許権の侵害による賠償金の発生等により、当社グループの業績への影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、技術人員のスキルアップ、顧問弁理士による支援体制、技術情報の秘密管理体制等、により知的財産権や技術情報の保護に努めております。

 

(4) 原材料価格の変動について

当社グループの製品は、鋼材及び樹脂製品からなる部分があり、その仕入価格は市場価格の変動の影響を受けることがあります。需給関係の動向等が原材料価格の上昇を引き起こし販売価格への転嫁がうまく進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、材料の市場価格変動を踏まえた発注のコントロールにより価格上昇の影響を最小限に抑える取組み、一部の樹脂部品を内製化することに加え、外注加工費や人件費等の諸経費の削減活動を進めて安定した収益を確保する体制に努めております。

 

(5) 自然災害、事故災害について

当社グループは、製造ラインの中断による影響を最小限にするために、埼玉と秋田で分散して製造しております。しかしながら、地震、台風等の自然災害や火災等の人為災害の発生により、従業員や生産設備等が大きな被害を被り、部分的又は全面的に操業停止となり、生産及び出荷が長期にわたり停止した場合には、当社グループの業績が重大な影響を被る可能性があります。また、被害を被った場合には従業員への補償や生産設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、日常からハザードマップによる危険地域の確認、安全面のインフラ整備等の予防対策、供給元の精査・確認をして、BCP(注)対策をして災害による被害低減に努めております。

(注)BCPとは、Business Continuity Plan(事業継続計画)の略であり、災害等の際に事業活動を中断させないための又は万一中断しても早期に復旧させるための計画のことをいいます。

 

(6) 海外での事業活動について

当社グループは、中国での事業活動を行っております。この海外での事業活動において、予期しえない自然災害や景気変動、テロ・戦争・内乱等による政治的・社会的混乱、並びに法規制や租税制度の変更等、及び、外貨建ての取引等において急激な為替レートの変動がある場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、中国子会社との連携や密な情報共有、各金融機関や取引先等からの情報収集等により、速やかに海外情勢を把握し、被害を最小限にするように努めております。また、為替変動に対しては、為替予約によりリスクを回避しております。

 

(7) 重要な訴訟等について

当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等はありませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、定期的に顧問弁護士からのアドバイスや監査役及び会計監査人の監査を受けることで法令遵守及び財務報告の適法性を確保することや、コンプライアンス活動による従業員への法令遵守の教育指導で法令違反や不祥事の発生防止に努めております。

 

(8) 情報セキュリティについて

当社グループは、顧客・取引先等についての個人情報及び事業に関連する営業機密を保有しております。当社グループでは、これらの情報の管理に努めておりますが、コンピューターウイルスや情報システムの不具合等により情報が流出した場合には、当社グループに対する信頼低下につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、ハード面及びソフト面でのセキュリティ対策によるコンピューターウイルス被害の防止、重要情報のバックアップ取得によるシステム障害のリスク回避、従業員への教育による情報管理の徹底、等により情報流出リスク防止に努めております。

 

(9) 特定供給元への依存について

当社グループは、製品の原材料、一部の構成部品や工程を特定の供給元や外注先に依存しております。従って、供給元で超過需要となった場合や、災害・事故等による供給停止により生産が停滞した場合は、機会損失の発生や、供給責任を果たせずに取引先からの信用低下にもつながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、代替の供給元の開拓や内製化を進めることで、災害・事故等による生産停滞を回避するように努めております。

 

 

(10) 不適合品の市場流出について

当社グループは、あらゆる産業機械をはじめ、民生分野などへの多用途に向け、製品を供給しております。不適合品の市場流出が発生した場合に、その補償等にかかる費用の発生や、取引先からの信用低下にもつながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、ISO9001品質マネジメントシステムの構築・運用等で品質保証体制の構築に努め、万が一不適合品が発生した場合に備えた対策の実施等による不適合品の市場流出防止に努めております。

 

(11) 人材の確保について

当社グループでは、専門性を有した技術者を必要としており、優秀な人材の確保と育成、定着率が重要な課題となります。しかしながら、少子高齢化に労働人口の減少、製造業への就職人材の減少により、人材確保が難しくなっており、計画通りに適切な人材を採用できなかった場合や成長途中で退職に至った場合には、技術・技能の承継にも支障をきたし、当社グループの事業の遂行に制約が生じる可能性があります。

当社グループでは、地域に密着した優秀な人材を採用するほか、海外からも優秀な人材も採用しております。従業員の意欲向上のため、若手社員にも活躍の場を提供しており、定期的な表彰(ファイスター表彰制度)や、インセンティブ報酬制度により従業員満足につなげております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化に向け景気の持ち直し動きがみられるものの、ウクライナ情勢の長期化による原材料価格及び光熱費・物流費の高騰、加えて円安基調の為替動向による物価上昇傾向など、引き続き不安定な状況が続いております。

このような状況のもと、当社グループは「不易流行」を経営方針に掲げ、経営理念等のいつまでも変化しない本質的な「不易」に、時代や環境に合わせて変えるべき「流行」を取り入れ、継続的に現場改善等に取り組んで参りました。

 

a.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高は2,414,060千円(前年同期比12.0%減)となりました。

利益面につきましては、生産設備投資・効率的な生産でスマート生産体制を進めて参りましたが、売上高の減少、原材料価格・物流費等の上昇及び特に光熱費の高騰による製造原価が増加したことにより、営業損失5,613千円(前年同期は、営業利益228,832千円)、経常利益3,658千円(前年同期比98.6%減)、親会社株主に帰属する当期純損失2,482千円(前年同期は、親会社株主に帰属する当期純利益217,712千円)となりました。

 品目別の経営成績は、次のとおりとなります。

 

(a)直動機器

 主力製品であります直動機器につきましては、産業用機械業界全体及び中国市場の受注減少の影響により、当連結会計年度の売上高は1,525,979千円と前年同期と比べ218,155千円の減少(前年同期比12.5%減)となりました。しかしながら、将来的には直動機器の需要が伸長することが予想されることに伴い、これに対応した直動機器の生産増強のために埼玉工場内に新工場棟の建設等、生産設備投資を継続しております。

(b)精密部品加工

 精密部品加工につきましては、レース用部品の売上は予定より増加したものの、前期より減少しており、売上高は674,107千円と前年同期と比べ114,224千円の減少(前年同期比14.5%減)となりました。

(c)ユニット製品

 ユニット製品につきましては、前期の受注残高が多かったことに加え、半導体、自動車業界をはじめとする各生産設備向けのリピート需要が増加したことにより、売上高は213,974千円と前年同期と比べ4,167千円の増加(前年同期比2.0%増)となりました。

 

b.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ249,619千円増加し、5,146,601千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ258,121千円増加し、1,916,689千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ8,501千円減少し、3,229,912千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、864,462千円となり、前連結会計年度末と比べ108,992千円の減少となりました。
 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費199,124千円及び売上債権の減少額147,544千円による資金の増加に対し、棚卸資産の増加額151,502千円及び仕入債務の減少額103,201千円に加え法人税等の支払額99,459千円による資金の減少により、使用した資金は39,996千円(前連結会計年度は417,356千円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出411,279千円により、使用した資金は430,903千円(前連結会計年度は207,558千円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金による収入540,000千円による資金の増加に対し、借入金の返済による支出117,298千円により、得られた資金は354,686千円(前連結会計年度は203,101千円の支出)となりました。

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、精密機器製造事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

 

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

品目の名称

生産高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

直動機器

1,576,602

63.4

87.7

精密部品加工

674,107

27.1

85.5

ユニット製品

236,824

9.5

196.5

合計

2,487,533

100.0

91.9

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

品目の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

直動機器

1,116,985

46.7

481,027

57.6

精密部品加工

613,310

84.6

32,778

34.7

ユニット製品

218,976

149.7

75,556

139.8

合計

1,949,272

59.7

589,362

59.9

 

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

品目の名称

販売高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

直動機器

1,525,979

63.2

87.5

精密部品加工

674,107

27.9

85.5

ユニット製品

213,974

8.9

102.0

合計

2,414,060

100.0

88.0

 

(注) 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

THK株式会社

1,398,040

51.0

1,280,140

53.0

本田技研工業株式会社及び

株式会社本田技術研究所

682,924

24.9

529,313

21.9

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)
 当連結会計年度における売上高は2,414,060千円(前年同期比12.0%減)となり、前年同期と比べて328,212千円減少いたしました。
品目別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

(a)直動機器

 当連結会計年度の売上高は1,525,979千円と前年同期と比べ218,155千円の減少(前年同期比12.5%減)となりました。中国ロックダウンによる中国市場の受注の減少や国内での原材料の調達遅延による生産高の減少により、当連結会計年度前半は売上高が減少しましたが、当連結会計年度後半になり、中国市場の新型コロナウイルス感染症による影響に改善が見られたことや、半導体業界を中心に市場からの引き合いが強まり、自動化、省人化の流れがコロナ禍で更に加速したことにより売上高が回復基調に転じました。直動機器のスマート生産体制を確立させ、生産設備投資を継続し生産増強を図り効率的な生産を行い原価低減を推し進め、利益確保に努める所存であります。

(b)精密部品加工

 当連結会計年度の売上高は674,107千円と前年同期と比べ114,224千円の減少(前年同期比14.5%減)となりました。レース用部品を中心に、一時的な減少が見込まれますが、最終的には需要の回復が見込まれるため、顧客の要望に真摯に応え、品数が増加しても精密加工を短納期で対応し、顧客と連携して自動車レースでも成果に貢献し、新たな製品への対応にも努めて参ります。

(c)ユニット製品

 当連結会計年度の売上高は213,974千円と前年同期と比べ4,167千円の増加(前年同期比2.0%増)となりました。精密位置決め製品では、日本・中国でシェアを伸ばしてきており、国内市場での検査・測定器向けのリピート需要がありました。中国市場では、液晶貼合わせ・検査・測定器向け設備投資の需要に対応してきました。顧客ニーズに合わせた製品対応を継続し、様々な用途へ対応して参ります。

 

(売上総利益)
 当連結会計年度における売上総利益は477,903千円(前年同期比32.2%減)となり、前連結会計年度と比べて227,157千円減少いたしました。売上総利益率は前連結会計年度比5.9ポイント減少し、19.8%となりました。これは主に生産高の減少に加え、原材料価格の上昇と光熱費の高騰による製造原価の増加によりますが、設備投資による内製化を進めるとともに、安定生産することにより固定費率の低減を図ることで粗利率の向上を図って参ります。

 

(営業損失)
 当連結会計年度における営業損失は5,613千円(前連結会計年度は228,832千円の利益)となりました。営業利益率は前連結会計年度比8.5%減少し、マイナス0.2%となりました。これは主に売上総利益の減少に加え、物流費等の上昇によるものです。

 

b.財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は、5,146,601千円となり、前連結会計年度末と比べて249,619千円の増加となりました。主な要因は、現金及び預金108,992千円の減少に対して、棚卸資産153,801千円及び、機械装置及び運搬具198,457千円の増加によるものであります。

負債は、1,916,689千円となり、前連結会計年度末と比べて258,121千円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金61,214千円及び未払法人税等74,951千円の減少に対して、借入金422,702千円及び営業外電子記録債務51,799千円の増加によるものであります。

純資産は、3,229,912千円となり、前連結会計年度末と比べて8,501千円の減少となりました。主な要因は、利益剰余金27,533千円の減少によるものであります。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は62.8%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、864,462千円となり、前連結会計年度末と比べ108,992千円の減少となりました。

 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費199,124千円及び売上債権の減少額147,544千円による資金の増加に対し、棚卸資産の増加額151,502千円及び仕入債務の減少額103,201千円に加え法人税等の支払額99,459千円による資金の減少により、使用した資金は39,996千円(前連結会計年度は417,356千円の収入)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出411,279千円により、使用した資金は430,903千円(前連結会計年度は207,558千円の支出)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金による収入540,000千円による資金の増加に対し、借入金の返済による支出117,298千円により、得られた資金は354,686千円(前連結会計年度は203,101千円の支出)となりました。

 

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に以下の会計上の見積りが重要な影響を及ぼすものと考えております。

 

a.固定資産

当社グループは、拠点別品目別に独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位として固定資産のグルーピングを行っております。固定資産に減損の兆候がある資産グループが識別された場合には、資産グループごとの中期経営計画に基づき将来キャッシュ・フローを見積り、割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産グループごとの固定資産の帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。また、回収可能価額は正味売却価額又は使用価値のいずれか高い価額によっております。

割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる中期経営計画の策定においては、市場の動向や主要販売先からの情報を踏まえて受注計画を立案し、売上高成長率、将来の原価低減効果を踏まえた原価率等を考慮しております。

固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合、固定資産の減損損失が計上され、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

当連結会計年度においては、埼玉工場の直動機器及びユニット製品において減損の兆候があることから、これらの資産グループごとに固定資産の減損の要否を検討しております。現時点で入手可能な情報に基づき策定した中期経営計画等を基礎として見積った割引前将来キャッシュ・フローの総額と固定資産の帳簿価額を比較した結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回っていることから、減損損失の認識は不要と判断しております。

 

b.繰延税金資産

繰延税金資産は、一時差異が解消するときに課税所得を減額する効果を有するものについて認識しております。繰延税金資産の回収可能性の判断においては、取締役会決議の承認を得た中期事業計画に基づいて、将来獲得し得る課税所得の時期及び金額を合理的に見積っております。中期事業計画の策定に際しては、市場の動向や主要販売先からの情報を踏まえて受注計画を立て、売上高成長率、将来の原価低減を踏まえた原価率及び売上高総利益率を考慮しております。そのため、見積りの仮定又は予測に変化が生じ、将来の課税所得の時期及び金額が当連結会計年度の見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、主要取引先と以下の契約を締結しております。

契約先

契約

契約内容

契約期間

THK株式会社

取引基本契約

製品等の取引に関する契約

自  2022年4月1日
至  2023年3月31日

本田技研工業株式会社及び

株式会社本田技術研究所

部品取引基本契約

部品等の取引に関する契約

自  2022年4月1日
至  2023年3月31日

 

(注)  上記契約については1年毎の更新となっております。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、技術部門が中心となり、営業・技術・製造の三位一体でDR(注)活動を進め、主に、主力製品である直動機器及び直動技術を応用したユニット製品の開発を進めて参りました。

当連結会計年度では、ユニット応用製品の開発を継続しております。

当連結会計年度における主な研究開発項目は以下のとおりであり、研究開発費の総額は5,666千円であります。

(注)デザインレビューの略称・・・開発における成果物を複数の人でチェックする設計審査を言う。

 

(直動機器)

・新機構リニアボールブッシュの量産準備活動

 

(ユニット製品)

・直動機器を応用したユニット製品の開発