第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

第58期

第59期

第60期

第61期

第62期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(千円)

2,319,458

2,248,947

2,742,273

2,414,060

2,310,401

経常利益又は

経常損失(△)

(千円)

25,502

93,320

258,858

3,658

156,970

親会社株主に帰属する
当期純利益

又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

342,956

41,920

217,712

2,482

221,824

包括利益

(千円)

344,317

43,104

229,690

4,592

215,210

純資産額

(千円)

2,961,903

3,005,007

3,238,414

3,229,912

3,018,403

総資産額

(千円)

4,253,756

4,589,475

4,896,982

5,146,601

5,383,445

1株当たり純資産額

(円)

480.62

487.61

517.09

515.74

483.88

1株当たり当期

純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

54.47

6.80

35.25

0.40

35.44

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

69.6

65.5

66.1

62.8

56.1

自己資本利益率

(%)

10.8

1.4

7.0

0.1

7.1

株価収益率

(倍)

3.6

62.2

9.2

612.5

7.3

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

79,081

166,889

417,356

39,996

166,302

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

134,396

133,846

207,558

430,903

322,712

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

83,738

99,932

203,101

354,686

171,656

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

819,706

953,814

973,455

864,462

884,911

従業員数

(外、平均臨時雇用者数)

(人)

115

108

102

95

94

(38)

(30)

(26)

(35)

(46)

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第59期、第60期につきましては、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。第58期、第61期、第62期につきましては、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第60期の期首から適用しており、第60期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第58期

第59期

第60期

第61期

第62期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(千円)

2,278,644

2,192,954

2,657,483

2,357,927

2,262,122

経常利益又は

経常損失(△)

(千円)

40,076

73,913

227,090

8,874

157,803

当期純利益又は

当期純損失(△)

(千円)

356,004

21,894

189,745

1,582

219,625

資本金

(千円)

732,552

732,552

732,552

732,552

732,552

発行済株式総数

(千株)

6,316

6,316

6,316

6,316

6,316

純資産額

(千円)

2,919,703

2,941,275

3,134,523

3,123,082

2,907,266

総資産額

(千円)

4,209,125

4,516,841

4,788,017

5,036,640

5,271,080

1株当たり純資産額

(円)

473.77

477.27

500.51

498.68

466.06

1株当たり配当額
(うち1株当たり
中間配当額)

(円)

1.00

4.00

1.00

1.00

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期

純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

56.55

3.55

30.72

0.25

35.09

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

69.4

65.1

65.5

62.0

55.2

自己資本利益率

(%)

11.4

0.8

6.2

0.1

7.3

株価収益率

(倍)

3.4

119.2

10.6

980.0

7.4

配当性向

(%)

28.2

13.0

400.0

2.8

従業員数

(外、平均臨時雇用者数)

(人)

109

102

96

89

88

(38)

(30)

(26)

(35)

(46)

株主総利回り

(比較指標:配当込み
TOPIX)

(%)

89.9

190.3

138.5

38.3

88.9

(%)

(90.5)

(128.6)

(131.2)

(138.8)

(196.2)

最高株価

(円)

516

475

589

321

316

最低株価

(円)

156

175

251

224

227

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第59期、第60期、第61期につきましては、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。第58期、第62期につきましては、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

2.第58期の1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

3.第60期の1株当たり配当額4円には、記念配当1円を含んでおります。

4.第62期の1株当たり配当額には、記念配当1円を含んでおります。

5.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダードにおけるものであります。

6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第60期の期首から適用しており、第60期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

 

2 【沿革】

年月

事項

1962年7月

精密部品の製造事業を目的として、資本金500万円で神奈川県川崎市にヒーハイスト精工株式
会社を設立する。
※精密研削加工の受託及びエンジンパーツの製造を開始する。

1964年9月

リニアボールブッシュの研究開発を開始する。

1965年1月

事業拡張のため、埼玉県川越市に工場を新設し、移転する。

      5月

本社を東京都板橋区小豆沢町に移転する。
※ 独創的発想による、他に類のない含油焼結合金ソリッド型保持器の開発に成功し、画期的リニアボールブッシュの製造に着手する。

1968年11月

日本精工株式会社とリニアボールブッシュのOEM供給契約を締結し、NSKブランドで販売を開始する。(1984年1月当社特許終了につき契約解除)

1978年6月

本社を東京都板橋区熊野町に移転する。

1980年4月

業務拡大に伴い、埼玉県川越市芳野台の工業団地に工場を新設し、移転する。

      6月

工作機械及び産業機械等の直動案内機構用としてアンギュラウェイを開発する。

1984年11月

本社を東京都板橋区大山金井町48番に移転する。

1987年4月

ポジショニングステージ及びパラレルメカニズムの研究開発を開始し、数々の特許を取得する。

1990年11月

秋田市豊岩工業団地に秋田工場を新設し、THK株式会社にリニアボールブッシュをOEM供給する。

1992年12月

本社を東京都板橋区大山金井町10番に移転する。

1996年7月

埼玉県知事より「彩の国工場」の指定を受ける。

1997年2月

球面軸受に関する特許を取得する。

1999年4月

球面軸受の販売を開始する。

      9月

プレス機械や金型用の高剛性直動軸受けに最適なサーキュラアークローラガイドを開発する。

2001年8月

本社を埼玉県川越市芳野台に移転する。

2004年6月

日本証券業協会へ店頭登録する。

      12月

日本証券業協会への店頭登録を取り消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場する。

2005年8月

本社工場(埼玉県川越市芳野台)を売却し、埼玉県川越市今福に本社・埼玉工場を新設し、移転する。

2007年3月

ISO9001:2000を認証取得する。

      12月

超薄型アライメントステージCHX形及びガイドボールブッシュLGを開発、THK株式会社にOEM供給する。

2010年1月

円筒直動軸受に2製品「回転ベアリング一体型ボールスプラインユニット」「ミニチュアボールねじスプライン(BSSP)」をラインアップする。

      4月

ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQに上場する。

      7月

エコアクション21(環境経営システム)を認証取得する。

小径直動ベアリング「有限ストロークボールスプライン」シリーズ12種を発表する。

2011年6月

中国上海市に販売子会社「赫菲(上海)軸承商貿有限公司」(現連結子会社)を設立する。

      11月

第23回大田区中小企業新製品・新技術コンクールにおいて「ミニチュアボールねじスプライン
(BSSP)」が「優秀賞」を受賞する。

2012年7月

中国蘇州市に直動軸受製品の生産拠点「赫菲(上海)軸承商貿有限公司 蘇州分公司」(現連結子会社の赫菲(上海)軸承商貿有限公司の分支機構)を設置する。

2013年3月

リニアボールブッシュシリーズのラインアップにロウ付けタイプのインローフランジ、センターフランジを追加する。

      6月

民生分野向け「UTB(Utility Track Ball)」を販売開始する。

      7月

東京証券取引所と大阪証券取引所の現物取引市場統合により、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場する。

2014年3月

高強度プラスチックを採用し、組付性・コストバランスを両立した「ハイブリッドフランジリニアボールブッシュ(JFKシリーズ)」を販売開始する。

 

 

年月

事項

2014年12月

メガバス株式会社と共同開発した 新可動ウエイトシステム「LBO(Linear Bearling Oscillator)」に当社の技術が採用される。

2015年4月

UTBシリーズのラインアップにスリムタイプを追加する。

2016年2月

UTBシリーズのラインアップを拡充し、スリムタイプに加えロングタイプ、ロングスリムタイプを追加する。

2018年2月

秋田工場に機械加工室を新設する。

3月

埼玉工場の倉庫を建て替える。

2020年7月

ヒーハイスト株式会社に社名を変更する。

2021年12月

川越ものづくりブランド KOEDO E-PRO大賞に選ばれる。「超精密ステージHWシリーズ」

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、スタンダード市場に移行する。

2023年4月

埼玉工場に直動機器の増産のためのA棟を増設する。

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社1社(赫菲(上海)軸承商貿有限公司)で構成されております。精密機器製造事業の単一セグメントでありますが、事業の傾向を示す品目別の事業内容は、以下のとおりであります。

当社は創業以来、一貫して直動機器及び精密部品の製造販売を行い、後にそれらの技術を応用してユニット製品の製造販売も開始しました。

直動機器のリニアボールブッシュ(注1)においては、独創的な設計思想によりミニチュア化に成功し、以来長年にわたって工作機械や精密機械等、あらゆる分野に高品質な製品として供給を行っております。更に、省エネニーズに向けた軽量タイプや、装置等の省スペースニーズに向けたスリムタイプ等、これまで蓄積してきた技術を応用して新製品開発・製品の改良にも力を入れております。

精密部品加工においては、レース用部品及び試作部品の製造を受託しており、精密な加工技術の要求にスピード感をもって対応しております。

ユニット製品においては、直動機器及び精密部品加工で培った精密加工技術を発展させ開発したものであり、スマートフォン等の液晶画面製造の位置決め装置をはじめ、国内・海外のあらゆる産業装置メーカー向けに供給しております。

 

(1) 直動機器 

主力製品リニアボールブッシュは、機械装置の可動部に用いられる部品であります。一般的に機械装置の可動部は、金属と金属が接触しお互いに擦り合いながら可動いたします。金属同士が擦れると、そこには摩擦が生じ、金属の焼きつき、摩耗、破損などの現象が生じます。リニアボールブッシュは、接触面を鋼球が転がりながら移動することで、摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っております。

リニアボールブッシュは機械装置に欠かせない要素部材であり、その種類は多岐にわたりますが、当社グループでは直線運動を実現するリニアボールブッシュ、UTB(注2)、JFK(注3)の製造販売、ボールスプライン(注4)等の製造販売を行っております。また、直動機構を応用し、ルアー用途としてLBO(注5)をメガバス株式会社と共同開発しました。

 

(2) 精密部品加工

精密部品加工は、主にレース用部品及び試作部品の受託加工を行っております。レース用部品はより精緻な加工技術が要求されており、機動力で対応するなど利便性にも強みを持っておりました。また、次世代製品(環境・エネルギー・ロボット等)の機能部品加工を行っており、当社のコア技術である球面加工技術や鏡面加工技術を駆使し、特殊材料・難切削材等の超精密部品の受託加工を行っております。

 

(3) ユニット製品

一般的な多軸ステージ(注6)は、軸を積み重ねることで複数軸を構成しますが、当社ではパラレル機構(注7)を用いております。同一平面上に複数のアクチュエータ(注8)を配置した薄型シンプル構造を実現し、装置の小型・省電力化に貢献しております。また、ステージから応用開発してプロダクトアウト製品として球面軸受(注9)を製造販売しております。

 

(注1) リニアボールブッシュ = Linear Ball Bush

ボールベアリング用鋼球を利用した、直動的に移動する軸受

(注2) UTB = Utility Track Ball

民生分野向けリニアボールブッシュ

(注3) JFK = Hybrid Flange Linear Ball Bush

高強度樹脂フランジ一体型リニアボールブッシュ

(注4) ボールスプライン = Ball Splines

リニアボールブッシュのシャフト及び外筒の内径を溝付けし、ローリング方向に保持力を持たせた軸受

(注5) LBO = Linear Bearing Oscillator

リニアボールブッシュの機構に重りを付けてルアーに内蔵し、慣性により飛距離を伸ばせる構造

(注6) ステージ = Stage

単軸又は多軸の位置決め機構

(注7) パラレル機構 = Parallel Mechanism

並列機構、並列に配置された複数のアクチュエータ(注8)を協調して動くように制御して、テーブルを目的の位置に移動させる機構

(注8) アクチュエータ = Actuator

駆動部と直線運動及び回転運動を行う被駆動部で構成された駆動機構

(注9) 球面軸受 = Spherical Rolling Joint

筐体と可動部材との間にボールを配置した構造の転がり運動をする球面軸受

 

事業の系統図は、次のとおりであります。


 

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

赫菲(上海)軸承商貿有限公司

中華人民共和国上海市

40,000

直動軸受製品及びユニット製品の製造、販売、
輸出入関連サービス提供

(所有)
100.0

製品及び部品の販売並びに仕入

役員の兼任1名

 

(注) 特定子会社に該当しておりません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(人)

94

46

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(嘱託、パートタイマー及び人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を(  )外数で記載しております。

2.当社グループは、精密機器製造事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

88

(46)

41.9

12.2

5,055

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(嘱託、パートタイマー及び人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を(  )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は、精密機器製造事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループは、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

  提出会社

当該事業年度

管理職に
 占める
 女性労働者
 の割合(%)
 (注1)

男性労働者の
 育児休業
 取得率(%)
 (注2)

労働者の男女の
 賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用
 労働者

パート・
 有期労働者

100

72.2

75.4

91.6

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。