第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであり、その実現を保証するものではありません。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「SOFT(技術)・HARD(機械)・HEART(心)を創ります。人と地球に優しい製品を開発し社会に貢献します」の経営理念のもと、生産性の向上に役立つ切削工具等の開発・製造・販売に携わってまいりました。また、ブランドステートメントとして“「つくる」の先をつくる”を掲げ、お客様や社会のニーズに応える高付加価値製品を生み出し、モノづくりの夢と可能性を切り拓くことを経営の基本方針といたしております。

また、社会と共存しつつ自社の持続的成長を目指す観点から、2021年11月に「サステナビリティ基本方針」を策定し、重要課題(マテリアリティ)と共に公表しております。生産、開発、販売、管理の各部門が「サステナビリティ基本方針」に基づきKPIを設定し、高付加価値製品の創造、提供のための好循環サイクルの確立を目指してまいります。

 

<サステナビリティ基本方針>

日進工具は、経営理念である「SOFT(技術)・HARD(機械)・HEART(心)を創ります。人と地球に優しい製品を開発し、社会に貢献します。」を実践し、精密な小径エンドミルを全世界に向けて提供することにより、企業や技術者のイノベーションを支えております。また、2004年にISO14000を認証取得し、環境配慮の重要性を自覚して様々な取り組みを実践してまいりました。これからも日進工具グループは、人と社会と環境が調和した持続可能な社会の発展に貢献してまいります。

 

サステナビリティ方針

小径エンドミルのリーディングカンパニーとして、

これまでにない高付加価値製品を提供することにより、

社会と共生し、持続的成長を目指します。

 

マテリアリティ

1.環境問題への対応

人と地球にやさしい製品を、最小限の資源でつくり、環境負荷の低減に努めます。

2.人権の尊重

企業活動において、人権を尊重し、行動します。

3.地域・社会への貢献

小径エンドミルの事業を通じて、地域・社会における公益的な活動を実践します。

4.従業員の働きがい

すべての従業員に働きがいのある職場環境を提供します。

5.取引先とのパートナーシップ

取引先との相互理解を深め、公正な事業活動を通じて持続社会を目指します。

6.災害等の危機管理

いかなる状況でも安定した製品供給が可能な体制を構築します。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、不透明な経営環境の中、社会との共存と自社の持続可能性を同期させた「サステナビリティ基本方針」を新たに策定致しました。自社グループの中長期的課題と向き合い、企業としての持続的成長を継続するため、超硬小径エンドミルを中心に「人と地球にやさしい高付加価値製品を、最小限の資源でつくり、環境負荷の低減に努める」ことで、精密・微細加工用工具分野で圧倒的な№1企業を目指します。目的達成のため、当社各部門とグループ企業体が互いに連携し、製品開発サイクルの好循環をつくり出すことで、高付加価値製品の継続的な創造、提供の実現を図ります。

開発・生産・販売の各部門においては、下記戦略を実施してまいります。

① 開発部門

新製品開発では、現在の加工方法が変わるような他社に出来ない競争力のある製品の開発を目指します。新たな素材を使った工具の開発や、新たな工具の加工方法やコーティング技術の改良を推進するとともに、WebやSNSを活用して社内外における製品開発に関わる情報の収集と共有化を図り、ユーザーに支持される製品を開発してまいります。また、生産技術開発では、次世代加工技術への取り組みによる既存技術の革新を基本方針として、自社開発工具研削盤の更なる機能向上や画像処理技術による自動測定の範囲拡大を図ります。

② 生産部門

自社開発機による自動化ラインの増強、自動化範囲の拡大等により無人化・省力化を引き続き推進し、高性能(高精度、高能率、多機能、長寿命)でバラつきのない、かつ価格競争力のある製品を安定的に供給できる体制を一段と強化します。従来から行っていた小集団改善活動に、「日進工具グループが将来に向けて挑戦する改善活動」という意味を込めて、新たに「オレンジFC活動」(オレンジは当社のコーポレートカラー、FCはFuture Challenge)と名前をつけました。オレンジFC活動を通じ、品質改善のための活動を一段と強化してまいります。また、子会社工場での生産強化等による小径エンドミルのリスク分散体制の構築や、環境に配慮した生産活動を推進するため電力使用量の削減等を引き続き進めてまいります。

③ 販売部門

新規ユーザー開拓や既存ユーザーへの当社製品拡販を図るため、デジタルを活用した営業活動の可視化、情報の共有やデータの分析を進めます。環境変化に対応した営業展開として、WebセミナーやSNSでの発信、使い勝手の良いデジタルカタログの制作等のほか、昨年リリースした「NS Connect(コネクト)」(二次元コードから製品の加工事例や切削条件等のデータ画面にアクセスできるサービス)のようなWebを利用した情報発信やオンラインでの加工相談等をメニューに加えます。多面的なユーザーアプローチの展開により、当社製品の価値をユーザーに正しく伝える活動を行ってまいります。また、海外での精密・微細加工市場の開拓、拡大を目指し活動してまいります。

 

(3)経営環境について

当社グループの主力製品である超硬エンドミルは、切削工具の一種で、工作機械に取り付け、主に金型や各種部品の製作といった金属等の加工に使用されます。それらの金型や部品は様々な工業製品に用いられることから、当社グループの業績はそれら工業製品の生産動向に大きく影響されます。当社は刃径6mm以下の小径エンドミルに特化しており、自動車、半導体、電子部品、光学機器、日用品、医療機器等、多くの産業に製品を供給しております。

一昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大は、サプライチェーンの寸断や外出規制等による需要の縮小等、世界各国の製造業に大きな影響を与えました。次期は世界的に混乱・寸断したサプライチェーンが次第に正常化に向かうものと思われていたところ、ロシアによるウクライナ侵攻により安全保障上の重大な懸念事項が発生し、また長期化する中国でのロックダウンが経済に与える影響など、次期の経済の先行きについては、不透明感が一段と増しており予断を許さない状況となっております。一方で当社にとりまして、原材料となるタングステン価格、電力コストや物流コストの着実な上昇は、次期のコストアップ要因として無視できない状況であります。

このような状況のもと経営環境は厳しい状態が続くものと認識しておりますが、半導体や電子部品を中心に比較的堅調な経済セクターも存在し、円安効果も手伝って製造業は輸出ウェイトの高い業種を中心に底堅く推移するものと思われます。また新型コロナウイルス感染症は徐々に収束に向かい、それにともないサービス産業も含めて景気回復に転じるものと想定しております。

加えて、今回のコロナ禍において、働き方の常識や仕事の進め方が大きく見直され、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進展することが考えられます。日本でもサービスが開始された5Gは、テレワークや遠隔医療、遠隔授業をはじめ、今回その必要性がクローズアップされた様々な要素を円滑に行うためのインフラとして、その重要性は確実に高まっています。また5Gの普及と相まってIoTやAIの活用もより積極的に行われるとみられることから、半導体や電子部品等への需要は今後さらに拡大が見込まれ、それに伴い当社製品が強みを発揮する精密・微細加工向けの工具需要も伸びていくことが期待されます。また自動車産業におきましては、100年に1度の変革期を迎えており、電動化、自動化、コネクティッド化が進んでいます。パワートレインがエンジンからモーターへ移行することにより、切削加工が減る部分もありますが、電動化、自動化、コネクティッド化により新たに必要となる部品も多く、センサー、カメラ、通信モジュール等当社が得意とする精密・微細加工が増えてくるものと期待され、微小径工具の使用は増えるものと考えております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

我が国のモノづくりが圧倒的な強みを発揮する精密・微細加工分野を、工具の面から支えていくことが、当社グループの使命であると認識しております。その使命を果たすため、ユーザーが安心して新たな加工にチャレンジできる、高性能で品質の安定した高付加価値製品を、妥当な価格で安定的に供給していくことが当社グループにとって最も大切であると考えております。

当社グループが対処すべき課題につきましては、上記の使命とサステナビリティ基本方針を踏まえた自社グループの中長期的な経営戦略を踏まえ、各部門とグループ会社がKPIを策定し、PDCAを実施しております。なお、KPIのうち主要なものにつきましては「マテリアリティKPI」として公表しております。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上よりも利益を優先する経営を実行し、売上高経常利益率20%の確保を中長期的な目標としております。当期の売上高経常利益率は22.6%(前期比1.5ポイント増)となり、目標を達成いたしました。半導体や電子・デバイス関連において半導体や電子部品の旺盛な需要に支えられ、精密・微細加工に適した小径工具の需要が底堅く推移した結果、売上高が増加したことに加え、前期から注力してきた製造現場での強い体質づくりが奏功し原価低減を実現しております。また、展示会出展の再開や3年ぶりとなる総合カタログの刷新といった一部販売費の大幅な増加があったものの、販管費全体では売上高と比較して伸び率が抑えられたことにより、売上高経常利益率の改善につながりました。次期につきましては、ユーザー側において部材や半導体の不足が継続することに加え、ウクライナ情勢の推移、資源価格や中国の動向等、経営環境は一段と不透明感が増すと考えており、販売予想が困難な一方で、原価、費用の一部は着実な値上がりが見込まれることから、売上高経常利益率は当期を0.7ポイント下回る21.9%を予想しております。また、株主資本を効率的に活用する観点から自己資本利益率(ROE)10%の確保も経営指標として重視しておりますが、当期は9.8%となっております。次期におきましては、設備投資と研究開発費を増加させる計画であり、積極的な投資によりROE改善に努めてまいります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

製品につきましては、「中期的な会社の経営戦略」に記載の通り、生産現場での加工技術や測定技術の向上を図るとともに、自動化を推進してコストの低減を進め、製品開発のスピードアップや営業力のレベルアップ等を実現しております。一方で、CBN(立方晶窒化ホウ素)やPCD(多結晶ダイヤモンド)を使用した高付加価値製品の開発とそれらを用いた加工技術提案にも注力しております。CBN製品は、徐々にその有用性が認知され販売を拡大してまいりましたが、引き続き新製品の投入や更なる耐久性や精度の向上等により使用領域を拡げてまいりたいと存じます。PCD製品は、まだ用途が限られておりますが、製品性能の向上を図り、市場の拡大に努めてまいります。

製品の安定供給につきましては、2020年に仙台在庫センターを開設し、東京本社、香港子会社の3拠点に製品在庫を確保する体制とし、近い将来に当期設立した米国現法でも製品在庫を保有する計画であります。

 

(7)気候変動への対応(TCFDに基づく情報開示)

① ガバナンス体制

環境問題は当社グループにとって重要な課題の一つと考えており、気候変動に関する問題につきましても、専門委員会であるサステナビリティ委員会で定期的に検討を行い、取締役会に報告、議案の提出を行っております。取締役会では、同委員会の報告等を踏まえ、気候変動を含むサステナビリティ全般に関する課題を定期的に議論し、議案の審議、決議を行っております。

気候変動を含むサステナビリティに関する方針や決議内容の有効性評価やその実施状況の監視は、内部統制委員会が行っております。

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② リスク管理

当社グループのTCFDへの対応状況は以下の通りです。

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気候変動に関わるリスクの特定・評価につきましては、サステナビリティ委員会でリスクの重要度を評価し、取締役会で議論の上、最終的に認識すべきリスクの内容を確定します。リスクの検討にあたっては、IPCCやIEA等が公表している2℃シナリオ・4℃シナリオを考慮したそれぞれの世界観を参考に、当社グループにとってのリスクと機会とは何かを検討の上、行っております。

気候変動に関するリスク管理につきましては、上記の通り当社グループ内で検討し認識したリスクと機会のほか、サステナビリティ基本方針に基づく中期課題やISOマネジメントシステム規格等を踏まえ、各部門が気候変動対応を含めた「環境」に関わる課題解決の中でKPI※を策定し、他のマテリアリティに関するKPIと併せて社内で展開しております。

気候変動に関するリスク管理のモニタリングにつきましては、サステナビリティ委員会がKPIの進捗についてPDCAを実施し、取締役会に定期的に報告することで評価と監視を行っております。

※KPI=Key Performance Indicator スケジュール化、数値化された重要な事業目標

 

③ シナリオ分析と戦略

当社グループでは、前述の通り、2℃・4℃シナリオをベースとした世界観において、気候変動が自社グループの事業環境へ及ぼす影響の度合を検討するシナリオ分析を行っております。分析に際しては、サステナビリティ委員会において、気候変動に関する重要リスク・重要機会の洗い出しとそれらに対する対応策の検討を行い、各部門での「環境」に関するKPI策定の基礎としております。分析範囲としては、当社グループの事業における2030年時点での影響を考察しております。

2℃・4℃シナリオに基づく分析、世界観の構築、これに対する当社グループの戦略につきましては、サステナビリティ委員会での更なる議論を継続中であります。

 

④ 指標について

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当社グループではGHGプロトコルスタンダードに基づいて、サプライチェーンを通じたスコープ1、2の温室効果ガス排出量を算定しており、2020年度のスコープ1排出量は87トン、同スコープ2の排出量は4,785トンとなっております。スコープ3につきましては将来の排出量開示を検討しております。また、温室効果ガス排出量のうち、スコープ1、2の排出量削減目標の開示につきましては、今後検討してまいります。

 

(8)その他、会社の経営上重要な事項

① 内部管理体制の整備・運用状況

当社グループでは、社内規程や稟議制度を整備し、ルールに基づいた業務運営を実施しております。また、内部統制報告制度への対応につきましては、常務取締役を委員長とする「内部統制委員会」を設置し、内部統制の整備・運用の推進及びその評価、また監査法人により実施される内部統制監査への対応を行っております。

② 指名・報酬委員会の設置

当社グループでは、ガバナンス強化の観点から、従来の報酬委員会を改組し、指名・報酬委員会を新たに設置いたしました。指名・報酬委員会は独立社外取締役が過半を構成し、委員長は独立社外取締役から選任される任意の諮問委員会であり、取締役等の候補者の指名(監査等委員である取締役を除きます)や、取締役等の報酬(監査等委員である取締役を除きます)について取締役会より諮問を受け、審議内容を答申することで、取締役会の監督・牽制機能を果たすものであります。

③ その他

その他の取組みといたしましては、監査等委員による各部門長へのヒアリングの実施、内部監査部門による各部門への内部監査の実施等を行っております。コンプライアンスにつきましては、コンプライアンス担当役員を中心に推進を図っており、全社教育のテーマの一つとして役職員向け研修会やメール・マガジンで取り上げることにより、社内での周知に努めております。また「コンプライアンス相談窓口」を設け、内部通報制度の窓口といたしております。

 

2【事業等のリスク】

「有価証券報告書」に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたす所存であります。なお、本文中における将来に関する事項は、「有価証券報告書」提出日(2022年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 新型コロナウイルス感染症等の影響について

今般の新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックの発生により、従業員が感染した場合や建物が封鎖された場合には、製品在庫の出荷が出来ず市場への製品供給が停滞する可能性や、生産体制に影響が出る可能性があります。

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症への対応として、社員と家族の安全確保及び製品の安定供給継続の観点から、社内規程を整備しチーム分けによる分散勤務体制や在宅勤務体制を導入し、併せて本社・工場・各事業所に抗原検査キットを常備して社内クラスターの発生防止に努める一方、仙台在庫センターの開設により、製品在庫を仙台・東京・一部は海外現法に分散保有し、また新潟工場の生産能力増強により、仙台・新潟での分散生産体制を推進するなど、複合的な対策を講じております。

 

(2) 生産・開発拠点の集中について

これまで当社グループでは、生産・開発拠点を宮城県の仙台北部中核工業団地内に集約することで、効率的な生産・開発体制を構築し、製品の品質、精度、価格競争力等を高める一方で、生産・開発拠点における震災対策の強化・徹底にも注力してまいりました。また、前述の通り在庫の複数拠点での保有や新潟工場での生産拡充など、リスク分散のための対策も並行して行ってまいりました。しかしながら、当該地域にて大地震等の災害が発生した場合には当社グループの生産・開発体制全体が影響を受ける可能性があるほか、場合によっては市場への製品供給が滞る可能性があります。

当社グループでは特に仙台工場での地震対策に重点を置いて取り組んでおり、現場における日頃の対策の一段の工夫、徹底に加えて、新開発センターで採用した「オールラウンド免震®」機構など、新たな技術を取り込むことで、より高度な地震対策が可能となっております。この結果、2021年2月、2022年3月に東北地方で発生した震度6強の地震に際しては、いずれも1両日で完全に生産復旧できており、一定の成果を生んでいると考えております。引き続き仙台地区での地震対策の充実と、在庫、生産拠点の分散による複合的な取り組みを推進してまいります。

 

(3) 小径エンドミルへの集中について

当社グループは超硬小径エンドミルの製造販売に経営資源を集中しております。超硬小径エンドミルは、主に電子機器、民生機器、自動車部品等の精密金型製作や部品の精密・微細加工に広く使用されており、今後も様々な分野で精密・微細加工技術を使った部材や金型の需要が大きく増加すると考えております。精密・微細加工の方法としては、超硬小径エンドミルを使った切削加工が一般的ですが、将来は他の素材を使った製品や新たな加工方法に代替される可能性があり、この場合当社の事業に影響が出ることが予想されます。

素材につきましては、現時点で超硬素材に全面的に取って代わる素材の出現の可能性は低いと考えておりますが、今後他の素材に代替される可能性はございます。

当社グループでは以前より、CBN(立方晶窒化ホウ素)やPCD(多結晶ダイヤモンド)といった超硬合金以外の素材を使用した製品の開発・製造等も行っており、他の素材についても鋭意研究を進めております。

加工方法につきましては、ここ数年3Dプリンターの普及が進み、金属の積層焼結成形が可能な製品も出てきており、またレーザー加工等、技術革新によりエンドミルを全く使用しない新たな精密・微細加工技術が開発される可能性もございます。

当社グループでは、高性能(高精度、高能率、多機能、長寿命)でバラつきのない、環境にやさしい小径エンドミルを合理的な価格で提供してゆくことにより、エンドミルを使った精密・微細加工の優位性をアピールしてまいります。

 

(4) 競合について

当社グループが事業展開している小径エンドミル市場では、国内大手の工具メーカーや超硬メーカーがその成長性に着目して生産・販売体制を強化しており、また中国市場などでも、中国国内で製造された製品が徐々に出回ってきていることから、今後ますます競争が激化していくものと考えられます。

当社グループでは、小径エンドミルに経営資源を集中し、専用加工機の自社開発をはじめ、小径エンドミルに特化した開発・生産・販売体制を強化、充実することにより、高付加価値製品を低コストで創造、提供する事業モデルを構築できていると考えており、一段の体制強化を図ってまいります。

 

(5) 原材料の調達及び資源価格の上昇について

当社グループの主要製品である超硬エンドミルの主要素材は超硬合金であり、その主要成分となるタングステンは国際市況商品で、供給量の8割強を中国が占めていることから、その価格は世界的な需給関係や産出国の思惑等によって大きく影響を受けます。また超硬合金で結合剤として使用されるコバルトはスマートフォンや電気自動車(EV)の電池にも使用されており、その需要拡大により需給逼迫が懸念されております。加えてタングステン、コバルトとも「紛争鉱物」として、以前より一部の生産地域において、その採掘過程での若年者労働や過酷労働による人権蹂躙が問題となっている経緯があります。

当社グループにおきましては、まず原材料のトレーサビリティーを徹底し、調達先から証明書の提出や原料調達方法の説明を受けるなどの方法により紛争鉱物の混入を排除しつつ、長期安定調達が可能な取引先を選んで材料の調達を行っております。また昨今の資源価格上昇に伴う材料価格や電気代、運賃等の上昇に関しましては、主力製品である小径製品においては材料費が製品原価に占める割合が比較的小さいことから、生産工程の効率化追求や製造経費の削減等、原価低減活動によりある程度までは吸収可能であると考えております。

 

(6) 特定の仕入先・協力会社への依存について

当社グループは、超硬エンドミルの主要素材である超硬合金の大半を特定の仕入先より仕入れております。また、超硬エンドミル生産の主要工程の一つであるコーティングにおきましては、内製化を進めているものの一部を特定の協力会社に委託しております。これは、増産時の対応又は万が一のためのリスク対応等を狙いとするものであります。

当社グループと当該仕入先・協力会社とは、長年にわたり極めて緊密な関係にあり、今後ともこれまでの取引関係を維持発展していく方針でありますが、災害や不測の事態によるサプライチェーンの混乱等に備えるため、安全在庫の積み増しや、設備の増強による内製化比率の引き上げ等、製品の安定供給の観点から対策を講じております。

 

(7) 製品の品質確保について

当社グループは、製造工程に自社開発専用機を投入し、独自の製造プロセスを創りあげることにより、当社特有の生産体制を構築し、この結果高性能でバラツキのない高付加価値製品を安定生産しておりますが、製造ラインが自社独自のものであり、市販の製造設備等での代替ができません。従って、製品の品質維持・確保のためには外部に頼らず自社のみで対応する必要があります。

当社グループは、ISO9001及び14001等の世界的に認められている品質管理及び環境管理基準に従って製品を製造することに加え、当社独自の「ものづくり行動指針」に基づき、社員自らが社内で不断に自社開発機や製造プロセスの見直しと改善を行うことで、高い品質確保のため盤石の体制を維持、発展させてまいります。

 

(8) 環境問題について

当社グループでは、ISOの環境管理基準や「サステナビリティ基本方針」に従って、「人と地球にやさしい製品を、最小限の資源でつくり、環境負荷の低減に努めます」を目標に掲げ活動しております。一方で、環境に対する配慮を求める社会の要請は日々高まっており、GHGの排出削減、資源の3Rや再生可能エネルギーの利用など、販売先、仕入先や株主等の様々なステークホルダーから、より高い目線での対応が求められております。ステークホルダーからの様々な要請、期待に応えられない場合、企業としての社会的信用や事業の成長に影響が出る可能性があります。

当社グループでは、サステナビリティ委員会を設置して当社グループの環境問題について定期的に討議して報告を作成し、これを取締役会で審議することといたしました。また、各部門のKPIを「サステナビリティ基本方針」に基づき策定することで、環境についても経営目標に織り込んで対応することとしております。気候変動への対応につきましては、今期よりTCFDに基づく情報開示を開始し、将来的にはこの中で2℃シナリオを中心に対応策を検討し公表してゆく予定です。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種は進んだものの、変異株による感染再拡大等により感染者数は一進一退となり、経済活動の状況は1年間を通じてまだら模様のまま推移しました。また、サプライチェーンの寸断による一部部材の不足や世界的な原材料価格の上昇が続いたことも、景気回復に水を差す結果となりました。

当社グループ製品の主要需要先の状況といたしましては、自動車関連では需要の戻りはあったものの、半導体や部品供給停滞から減産が長期化し、低調な状況が続きました。一方で、電子・デバイス関連では、半導体市場の活況や電子部品の旺盛な需要から、好調を維持しています。また、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要の高まりから、食品や日用品の容器の金型関連も好調でありました。

このような環境の中、当社グループでは、久しぶりのリアル展示会となる「インターモールド2021」への出展によるユーザーへのアプローチに加え、「総合カタログ」を刷新するなど、様々な営業施策を展開してまいりました。また、2021年11月には精密・微細加工の需要拡大を見込み、今後の販売拡大への足掛かりとして、米国に現地法人である「NS TOOL USA, INC.」を設立いたしました。

製品面では、5軸MC(マシニングセンタ)加工において、より高精度で高能率な加工を可能にすることで、生産性の飛躍的な向上をサポートする3枚刃ボールエンドミル「MSBSH330-5X」を発売しました。本製品では、新たなサービスである「NS Connect(コネクト)」を導入しました。同サービスは、工具ケース裏面に印刷された二次元コードを読み込ませることで、専用サイトにつながり製品の特長や加工条件等の様々な情報を閲覧できるサービスであり、開発部門と営業部門の連携により製品の性能のみならずサービス面でも評価されたことで、「超モノづくり部品大賞(主催:モノづくり日本会議/日刊工業新聞社)機械・ロボット部品賞」の2年連続の受賞につながりました。

生産面では、製品精度や生産性の向上を図る小集団改善活動を継続して推進しており、生産の回復に伴いコストダウンを実現しております。また、中期で対処すべきテーマごとに立ち上げたプロジェクトチームが活動を続けております。

これらの結果、当連結会計年度における売上高は9,524百万円(前期比17.6%増)、営業利益は2,111百万円(同39.6%増)、経常利益は2,156百万円(同25.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,522百万円(同25.4%増)となりました。

なおKPIとしている売上高経常利益率20%の目標につきましては、22.6%と目標を達成いたしました。コロナ禍からの回復や半導体・電子部品の旺盛な需要による売上の増加に伴い、前期の21.1%からの改善となりました。もう一つの目標であるROE10%につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比25.4%と大きく増加いたしましたが、ROEは9.8%に止まり、前期の8.2%からは改善したものの目標の10%を僅かに下回る結果となりました。

製品区分別の売上高では、「エンドミル(6mm以下)」が7,449百万円(前期比17.5%増)、「エンドミル(6mm超)」が909百万円(同23.0%増)、「エンドミル(その他)」が488百万円(同2.0%増)、「その他」が677百万円(同24.7%増)となりました。

(注)報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分別の「その他」に含めております。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度における財政状態は、資産合計が17,874百万円(前期末比937百万円増)、負債合計が1,708百万円(同98百万円増)、純資産合計が16,165百万円(同839百万円増)となりました。各資産・負債の増減要因は以下のとおりであります。

<流動資産>

当連結会計年度末における流動資産の残高は11,807百万円で、前期比912百万円、8.4%の増加となりました。これは主に、業績回復に伴う現金及び預金の増加及び在庫の積み増しから生じた棚卸資産の増加によるものであります。

<固定資産>

当連結会計年度末における固定資産の残高は6,066百万円で、前期比25百万円、0.4%の増加となりました。これは主に、減価償却費を僅かに上回る設備投資によるものであります。

<資産合計>

上記により、資産合計は前期に比べ937百万円、5.5%増加し17,874百万円となりました。

<負債合計>

当連結会計年度末における負債の残高は、1,708百万円と前期に比べ98百万円、6.1%の増加となりました。これは主に、未払法人税等の増加等によるものであります。

<純資産合計>

当連結会計年度末における純資産の残高は16,165百万円と前期に比べ839百万円、5.5%の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当社は足元の業績に左右されず、今後の成長に必要な投資を継続的に行うこととしており、毎期5%程度の売上高の増加に対応できる設備投資を基本としております。具体的には、工具研削盤等の機械設備を中心に実施いたしておりますが、その計画において設置スペースのキャパシティーが不足すると判断された場合に、工場建設等大がかりな投資を行っております。資金の調達につきましては、無借金を前提としておりますことから、基本的には自己資金の範囲内とし、通常は営業活動により得られた資金を上回ることはありません。しかしながら、今後は製品開発や技術開発、生産設備増強の必要があると認識しており、従来に比べ投資活動による資金の使用は増える見込みであります。

また運転資本につきましては、販売、仕入れともに原則翌月決済とさせていただいており、当連結会計年度における売上債権回転期間は1.7ヶ月となっております。

手許資金につきましては、不測の事態に陥った場合でも雇用や設備を維持し、企業活動を継続できる資金を蓄えておく必要があると考えており、その額は現時点で40~50億円程度と想定しております。

株主還元につきましては、安定的な経営基盤の確保並びに事業展開のための内部留保を勘案しながら、業績に応じた利益還元策を実施していくことを基本方針としておりますが、安定性・継続性にも配慮しつつ、業績動向や配当性向等を総合的に勘案して実施いたしております。

なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。連結ベースでの現金及び現金同等物(以下(資金)という)は、前連結会計年度末に比較し、1,169百万円増加し8,443百万円(前期比16.1%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,261百万円(前期比10.5%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,147百万円による資金の増加と、法人税等の支払いによる資金の流出などを反映したものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は348百万円(同86.3%増)となりました。これは主に設備投資の増加と定期預金の払い戻しによる収入を反映したものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は763百万円(同74.1%増)となりました。これは主に配当金の支払及び自己株式の取得によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分の「その他」に含めております。

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

製品別の名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

エンドミル(6mm以下)

8,556,497

37.8

エンドミル(6mm超)

1,011,430

54.1

エンドミル(その他)

270,166

29.0

その他

611,069

53.6

合計

10,449,164

39.8

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

製品別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

エンドミル(6mm以下)

7,516,271

16.6

518,778

14.8

エンドミル(6mm超)

922,194

22.4

107,047

13.0

エンドミル(その他)

526,312

13.6

159,705

31.2

その他

655,999

14.2

34,495

△38.3

合計

9,620,778

16.8

820,026

13.2

(注)金額は販売価格によっております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

製品別の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

エンドミル(6mm以下)

7,449,317

17.5

エンドミル(6mm超)

909,853

23.0

エンドミル(その他)

488,363

2.0

その他

677,401

24.7

合計

9,524,936

17.6

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社サカイ

1,227,941

15.2

1,434,125

15.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容

 当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

●経営成績等

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が前期比17.6%増加の9,524百万円、営業利益は同39.6%増加の2,111百万円となりました。新型コロナウイルスの変異株による感染再拡大やサプライチェーンの寸断による一部部材の不足等により、経済活動の状況は1年間を通じてまだら模様のまま推移し、景気回復は緩やかなものとなりました。当社グループの主要需要先においては、自動車関連では半導体や部品供給停滞から低調な状況が続きましたが、電子・デバイス関連では、半導体市場の活況や電子部品の旺盛な需要から好調を維持しております。また、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要の高まりから、食品や日用品の容器の金型関連も好調でありました。

 

●重要な影響を与える要因

当社グループの製品はそれ自体が人々の暮らしを支えるものではなく、人々の暮らしを支える様々な工業製品を作る際に必要となるものです。従いまして、その需要動向は精密・微細加工を必要とする製品群にリンクしています。例えば、スマートフォンのようにこれまでになかった新たな製品が登場し、それを世界中の非常に多くの人が持つようになると、大きな需要が生まれます。また景気が上向き、人々の所得が増えると自動車が売れるようになったり、より高い機能を持った高級品が売れるようになったりすることによって需要が膨らみます。このように当社の製品需要は世界の景気動向や新たな製品の登場等によって大きく影響を受けています。

当連結会計年度における状況は、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)に記載のとおりでありますが、経済の先行きについては、不透明感が一段と増しており予断を許さない状況となっております。

その一方、半導体や電子部品等への需要は今後さらに拡大が見込まれるものと想定され、当社グループでは、それら最先端の需要をいかにして取りこぼすことなく対応できるかが重要であると考えており、引き続き高精度、高能率、多機能、長寿命を実現する高機能・高付加価値製品の普及を図るとともに、CBNやPCDを用いた製品など、ユーザー様の多様なニーズに応え得る製品をご提供できるよう努めてまいります。

 

●資本の財源及び資金の流動性

当社グループでは、運転資金及び設備資金につきましては、原則内部留保で賄うこととしております。運転資金につきましては、売上に係る決済を原則締め日の翌月応当日とさせていただいており、当連結会計年度における売上債権回転期間は1.7ヶ月となっています。また今期は増産により棚卸資産が82百万円増加しましたが、販売規模に見合った対応であり、棚卸資産回転期間は4.7ヶ月となりました。当社グループにおいては、標準品の販売比率が高く欠品するとユーザー様にご迷惑をおかけしてしまうほか、失注に結び付く可能性もあるため、一定水準の製品在庫を揃えておく必要があります。設備資金につきましては、機械設備の継続的な投資を行いつつ、必要に応じて工場建設等の大きな投資を行っており、通常は営業活動により得られた資金を上回ることはありません。なお、当連結会計年度における設備投資は、生産設備を中心に659百万円と、前期に比べ197百万円増加いたしました。

 

●経営上の目標の達成状況

当社グループでは売上高よりも利益水準や効率性を重視しており、売上高経常利益率20%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上を維持することを目標としております。なお、当連結会計年度における売上高経常利益率は22.6%(前期比1.5ポイント増加)、ROEは9.8%(同1.6ポイント増加)となっております。次期につきましては、工具需要は半導体や電子部品関連で引続き堅調に推移するものと想定されますが、原材料となるタングステン価格、電力コストや物流コストの着実な上昇は、次期のコストアップ要因として無視できない状況であります。そのため、売上高経常利益率は21.9%と当期に比べ0.7ポイント減少を想定しております。また、自己資本利益率(ROE)10%の確保につきましては、次期におきましても達成は厳しい状況であると考えておりますが、資本の有効活用を進め、改善のための努力を行ってまいります。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、当社経営陣は資産、負債及び収益・費用の各報告数値に影響を与える見積りの仮定を過去の実績や状況に応じて合理的に設定し、算定しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループは、今回のコロナウイルス感染症の影響やロシアによるウクライナ侵攻等今後の見通しを含め、重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項であるかを検討いたしましたが、合理的な見積り及びその影響額等を勘案した結果、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項は無いと判断いたしました。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)販売代理店契約

相手方の名称

契約内容

契約期間

株式会社サカイ

売買基本契約

2021年9月1日から

2023年8月31日まで

株式会社東京山勝

売買基本契約

2021年9月1日から

2023年8月31日まで

株式会社山勝商会

売買基本契約

2021年9月1日から

2023年8月31日まで

(注)上記契約については、契約当事者双方から期間満了の3ヶ月前までに契約終了の申出がない場合、当初の契約期間が更に2年間延長され、以後も同様であります。

(2)仕入契約

相手方の名称

契約内容

契約期間

MMCリョウテック株式会社

商品売買基本契約

2021年4月1日から

2022年3月31日まで

(注)上記契約については、契約当事者双方から期間満了の6ヶ月前までに契約終了の申出がない場合、当初の契約期間が更に1年間延長され、以後も同様であります。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発活動は、(1)他社にできない高付加価値新製品の開発、(2)ユーザーへの有益な技術情報提供、(3)高精度生産体制に対応した生産設備の自動化、(4)開発人材の育成強化を主な活動目標として、工具素材やコーティング、工具形状等の研究を進めるとともに、Webを活用した情報提供や検査装置の自動化等に取り組みました。

2021年6月に発売した新製品「MSBSH330-5X」は、「超モノづくり部品大賞(主催:モノづくり日本会議/日刊工業新聞社)機械・ロボット部品賞」を受賞いたしました。本製品は、5軸MC(マシニングセンタ)加工において、より高精度で高能率な加工を可能にすることで、生産性の飛躍的な向上をサポートする3枚刃ボールエンドミルであり、製品のケースに貼付した二次元コードによって、加工条件や加工事例など製品にかかわる様々な情報にアクセスできる新サービス「NS Connect(コネクト)」を導入しております。製品の性能のみならずサービス面でも評価されたことで、同賞の2年連続の受賞につながりました。

また、ユーザーの技術者の皆様と個別に意見交換を行う場として、Webによる「技術交流会」を実施いたしました。ユーザーの抱える課題やニーズの深掘りに加え、今後の製品開発につながるヒントをいただくこともある、貴重な機会となっております。

なお、仙台開発センターの「オールラウンド免震®」構造については、今年3月に発生した福島県沖地震(マグニチュード7.3)の際にも想定どおりの免震効果を発揮しており、安全性・事業継続性の確保と精密・微細加工を行う環境を両立させる上で非常に有効であることを確認しております。今後、同地域において新たな建屋を建設する場合には、同構造の導入を積極的に検討してまいります。

当連結会計年度における研究開発費は428百万円であります。