文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
当社企業グループは、100年にわたる歴史のなかで培ってきた、工業用環縫いミシンの専業メーカーとしての確固たる技術力により、世界の「衣料文化」の発展に貢献することを目指しております。また、自動車の安全ベルトの部品製造を主な目的として2007年に立ち上げましたダイカスト部品事業は、自動車を利用される世界中の方々の生命の安全を守る事業として、最高の品質を提供することに努めております。
グローバルな事業展開により世界の人々との交流を深め、信頼される企業活動を展開することを経営理念としており、お客様に最高に満足いただける製品とサービス、品質の提供に努めてまいります。
当社企業グループは、収益性、効率性、健全性、企業価値、及び債務返済能力の観点から各種の指標を意識した経営を行ってまいります。当社企業グループでは、売上高に対する営業利益の比率を中長期的に10%以上とすること、資本効率性の指標であるROEを8.0%以上とすることを目標とし、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。また、利益還元に当たっては、配当性向30%を基本方針としております。
当社企業グループは、主力事業である工業用ミシン事業を中心として、自動車部品をはじめとするダイカスト部品事業へ参入することにより、事業の拡大発展に努めておりますが、当社企業グループの製造販売する製品、部品は全世界のユーザーを対象としていることから、世界経済の動向、多様な顧客のニーズへの対処などの様々な課題に対し、適切な対応を求められています。また、新型コロナウイルスの感染拡大、中国経済の減速や米中貿易摩擦など先行きが見えないリスクが大きくなっております。このような経営環境のもと、当社企業グループは以下の課題に取り組み、効率的なグループ経営を実現するとともに、収益性の向上に取り組んでまいります。
工業用ミシン事業は、世界中において各国のメーカーと熾烈な競争をおこなっており、それに勝ち抜くため、製品、品質、サービスの3つの差別化を徹底的に推進してまいります。製品では開発テーマを明確にし、新製品をタイムリーに開発することを目指しております。品質では、ITを駆使した品質の見える化活動を推進し、最新鋭の測定機器の導入により、日々品質向上に努めます。サービスでは、長年培われた技術を縫製業者の問題解決に活かすソリューションをタイムリーに提供いたします。
アパレル向け工業用ミシンの主力市場は、これまでの中国からバングラデシュやインド、ベトナムといった他のアジア各国に移動してきております。一方、アパレル製品に対する高付加価値化などの要求から、品質向上に貢献する高級機種や、効率化を可能にする自動化、省力化機器への需要も一段と高まっております。それらに対応すべく、地域ニーズに即応した戦略を立案し、販売網の強化や人材育成に注力してまいります。また、非アパレル向け市場に投入する新型工業用ミシンにより、自動車産業など新たな市場の創造に注力いたします。
当社企業グループは、成長戦略の第2の柱として自動車用部品を中心としたダイカスト部品事業に参入し、収益力の拡大を図ってまいりました。米大陸及び中国における顕著な自動車製造・販売の伸びに加え、新興国における富裕層の増加などにより、年々自動車生産・販売は増加しており、当事業への需要はさらに拡大していくとみております。それに対応すべく、中国とベトナムに加え、2016年にメキシコにてダイカスト部品事業を立ち上げております。今後も顧客のニーズに合致した生産能力の増強と高付加価値化への対応に併せ、自動車を構成する各部品にも範疇を広げ、セールスエンジニア投入による販路拡大を目指しながら、事業を拡大してまいります。
当社企業グループは、製造拠点によるリスク回避を目的として、工業用ミシン事業は中国及びベトナムに、ダイカスト部品事業は中国、ベトナム及びメキシコに生産拠点を稼働させてまいりました。今後は、それぞれの地域特性を活かし、新たな技術を盛り込んだ生産体制を構築するとともに、サプライチェーンの一層の強化による部品・製品在庫の適正化及び原価低減を推進してまいります。
当社企業グループは、変化の激しい経営環境にあって企業としての基礎体力を向上させるため、財務体質の強化を中期経営計画の重点課題として経営を行ってまいりました。今後もキャッシュ・フローに重点をおいた経営に注力し、財務体質の強化に努める所存であります。
当社企業グループは、昨今の新型コロナウィルス感染症による事業への影響を最小限に抑えるべく、在宅勤務の導入、時差出勤及び臨時休業の実施等の働き方の見直しや、職場内のソーシャルディスタンスを守る各種対応を行ってまいります。また、アフターコロナを見据え、縫製工場内のソーシャルディスタンスや、人手に頼らない生産ラインの編成が増えると考えられることから、効率化、省人化機器への対応にも注力してまいります。
当社企業グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
当社製品は、工業用ミシンの中でも環縫いミシンと呼ばれるミシンに特化しており、ユーザーであるアパレル産業の景況によっては、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
アパレル製品の生産はグローバル化が進んでおり、海外生産品の品質、価格、納期などの変化及びアパレル産業の生産方針の変更により、当社製品、技術がそのニーズを満たさない、あるいは市場から認められない場合には、当社の販売戦略及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、中国では2020年1月下旬から、欧州・米国等をはじめ、その他の諸国では2020年3月中旬以降に、各国政府からロックダウンなどの規制措置が実施され、当社企業グループにおきましても、一時的に製品の生産、販売及び各種サービスが実施できない状況となりました。その後、中国では2020年3月中旬から下旬にかけて、一定の条件のもと事業活動が再開され、また最近では欧州・米国等でも段階的に規制の緩和や解除が進み、事業の再開に向けた対応を進めております。しかしながら、当社企業グループの主力事業である工業用ミシンの需要が高い、東南アジア・南西アジアなどでは制限の継続や延長する国も見られ、総じて厳しい状況となっております。当社の顧客である縫製企業の一部においても、企業活動再開の目途が立たず、加えて各国の小売店舗の一時閉鎖などを受け、アパレル企業からの注文のキャンセルや延期、保留などの影響が見られます。それに伴いまして、当社企業グループへも、注文のキャンセルや納期延期などのご要望が寄せられ、当社においても販売や関連サービスを実施できない状況です。なお一部の縫製工場では、不足する医療用ガウンや一般的なマスクの生産に切り替えて事業を継続されており、それに伴い一時的に当社製品への問い合わせも増加しており、可能な限りご要望にお応えできるように順次対応しております。今後、各国の経済活動制限が順次緩和されるに伴い、当社の工業用ミシン事業も回復していくものと見込んでおりますが、本格的な需要回復には、相当な期間がかかるものと考えております。
当社は、自動車安全シートベルトを構成するリトラクター(巻き取り装置)部品等の製造子会社を嶋本ダイカスト株式会社との共同出資により、2007年1月に中国・天津市、2013年4月にベトナム・ドンナイ省に設立、また2016年2月にはメキシコ・モンテレイ市に拠点を設立いたしました。
当社部品はその安全性や世界のサプライチェーンで確固たる地位を築いておりますが、その取引先の経営状況に変化が生じた場合は、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、連結子会社の所在地である中国、ベトナム、メキシコでも各国の規制を受け、一時的に生産や販売活動に影響を受けましたが、中国では2020年3月上旬から事業活動を再開しております。ベトナムでは一部規制があるものの、政府や地方政府の要請及び指導に基づきながら事業活動を継続しており、メキシコにつきましては、2020年4月中旬より操業停止が続いておりますが、足元では事業再開に向けた準備を進めております。しかしながら、中国を除き、国内外の自動車の生産活動が一時的に休止していることから需要は減少しております。経済活動の再開におきましても、段階的な規制緩和が続くことが見込まれることから、本格的な需要回復には、ある程度の期間がかかるものと考えております。一方で、人との接触機会を抑えられる安全な移動手段として、乗用車の需要回復も期待できることから、今後の市場回復に備え、適切に準備を進めてまいります。
現在、当社企業グループは、販売の大半を海外市場に依存しておりますが、工業用ミシンを使用する縫製産業は、労働集約型産業の典型であることから、賃金水準の低い国、地域がその主要な生産地となっており、各国の縫製産業に対する政策の違いや物流面の条件などにより、生産拠点が特定の国、地域に集中する傾向も見られます。当社企業グループの販売先であるこのような国々の中には政治的、地政学的、経済的に不安定な国もあり、労働争議、テロ、戦争、内戦、通貨危機、地震等の自然災害などによっては、為替取引の凍結、債務不履行、投資資産の接収などにより、事業継続や海外拠点経営が困難になる可能性があります。
さらに、各国の繊維製品の輸出入に関する規制の強化、あるいは急激な規制緩和が実施されることにより、工業用ミシン市場の需給関係が崩れ、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、移転価格税制等をはじめとする規制・税制等の変更のような、予測できない事態の発生により、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、上記(1)工業用ミシン事業について、(2)ダイカスト部品事業についての項目をご参照ください。
工業用ミシン事業における製造拠点の中国集中によるリスク回避を目的として、ベトナム・ハイズン省に製造子会社を設立したことにより、ミシン事業の製造拠点は、日本、中国、ベトナムの3カ国に分散されることになり、製造拠点の集中リスクは緩和されております。ダイカスト部品事業におきましても、ベトナム・ドンナイ省に製造子会社を設立しており、さらには、世界的な自動車部品サプライチェーンを担う生産体制の継続・強化も視野に入れ、メキシコ・モンテレイ市に拠点を設立しております。
しかしながら、自動車用部品の製造を含め、依然として中国天津市に主力となる製造拠点が存在しているため、中国及びベトナムにおけるカントリーリスクをカバーすべく、独立行政法人日本貿易保険の海外投資保険に加入しておりますが、政治的要因による法的規則や商習慣の違いから予測不可能な事態が生じた場合、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、地震等の天変地異、電力事情の悪化、新型コロナウィルス等の感染症の拡大、その他の予測不可能な事象が発生すれば、同時に工場の操業を一時的に停止せざるを得ない事態が懸念され、併せて従業員の確保や従業員への教育が十分に行き届かなかった場合などは、当社企業グループの財政状態及び経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループは、グローバルな事業展開をしており、取引通貨の多くは円以外の通貨となっております。各地域における売上高、費用、資産等の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のため円換算しており、換算時の為替レートの変動が当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は外貨建て取引について、為替変動に対処するため、為替予約、インパクトローンによってリスクを軽減させる措置を講じておりますが、為替水準の予測を超えた変動が、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループは、他社製品と差別化できる技術の開発及び知識の蓄積に努めており、保有する独自技術については、商標権など他の知的財産権と併せ、権利取得による保護を積極的に図っております。しかしながら、出願が特許と認められない、あるいは権利保護のために講じる手段が成功しなかった場合、第三者による知的財産権の侵害や類似品・模造品の流通によって、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社企業グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないように努めておりますが、当社企業グループの認識していない知的財産権に関し訴訟等を提起される可能性があります。このような訴訟等が発生しますと、損害賠償やロイヤリティ支出が発生する、あるいは事業活動に制約が生じるなど、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループは、独自の品質管理基準にしたがって各種の製品を製造しております。過去においても製品の欠陥による重大な事故は発生しておりませんが、今後すべての製品について欠陥がなく、将来リコールが発生しないという保証はありません。すなわち、当社製品やサービスに関連した欠陥や問題に対して責任を負う可能性があります。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を充分にカバーできるという保証はありません。
さらに、経済合理性のある条件で当社企業グループがこのような保険を契約期間満了後も更新できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が生じた場合は、当社企業グループの財政状態及び経営成績のほか、ブランドイメージに影響を及ぼす可能性があります。
工業用ミシンは、アパレルの生産地域の動向やファッションの動向により、使用されるミシンの種類(本縫いミシン、環縫いミシン)に変化が生じる場合があり、環縫いミシンへの需要に変化を及ぼす場合には、当社企業グループの売上高に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社企業グループが製造している環縫いミシンにも多くの種類があり、製品ごとの単価や収益率が異なるため、製品の販売構成比が変化した場合にも、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
工業用ミシン事業におきましては、当社企業グループが製造及び販売する各製品の多くは、同業他社の類似製品と競合状態にあります。将来、これらの製品の品質が向上し、当社企業グループの製品の優位性が低下すれば、販売実績に影響を及ぼす可能性があります。一方、新興国メーカーの普及価格帯製品の価格下落が進み、価格競争に巻き込まれ当社企業グループの財政状態及び経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
ダイカスト部品事業におきましては、自動車部品業界の調達先変更や価格動向又は地理的・政治的影響を強く受けるため、特定取引先への依存度低減や取引先分散、原価低減などに取り組んでおります。しかしながら、企業努力を上回る価格抑制圧力を受けた場合や、調達先の変更に加え、取引先の経営状況によっては、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)金融市場の変動について
当社企業グループは2020年3月末で合計約42億18百万円の短期・長期の有利子負債があります。固定金利調達を行うことなどにより、金利変動リスクの影響を軽減していますが、市場金利率の上昇は、有利子負債のうち変動金利部分の支払利息を増加させ、当社企業グループの収益を減少させるリスクがあります。また、事業の拡大や技術革新を目指し、新たな投資などによる資金が必要となった際、金融市場の大幅な変化等によっては、資金調達条件が悪化する可能性があります。さらに、当社企業グループの年金資産に関しては、市場性のある証券の公正価値や金利率等、金融市場における変動が、年金制度の積立不足金額や債務を増加させ、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)人材の確保について
当社企業グループは、海外売上高比率や生産に占める海外比率が高く、成長分野として力を入れているダイカスト部品事業においてもそれは顕著であります。激しい競争の中で事業を継続的に発展させるためには、高い専門性をもった世界で活躍できる技術者や、グローバルな経営戦略や組織運営に優れた人材を確保し、育成していく必要があります。しかしながら、日本国内における少子高齢化や労働人口の減少により、人材の確保及び育成が難航した場合、長期的には当社企業グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」
という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、アメリカを中心とした保護主義的な通商政策により特に中国経済の減速が顕著になり、2020年となってからの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、深刻な景気後退に陥りました。
日本経済は、消費税率の引き上げによる消費の減速に加えて、新型コロナウイルス感染症の流行による影響で、先行きの不確実性が一層高まってきております。
このような環境のもとで、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は下記のとおりとなりました。
当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度に比べ1億33百万円減少し297億19百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度に比べ11億18百万円増加し79億82百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度に比べ12億51百万円減少し217億37百万円となりました。
当連結会計年度における売上高は149億69百万円(前連結会計年度比20.8%減)、営業利益は4億99百万円(前連結会計年度比78.3%減)、経常利益は4億84百万円(前連結会計年度比81.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は2億6百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益20億79百万円)となりました。
なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。
工業用ミシン事業
当セグメントにつきましては、戦略機種投入や上級機種の販売を進めておりますが、米中貿易摩擦の影響等により、売上高は122億63百万円(前年同期比24.3%減)、セグメント利益は16億23百万円(前年同期比52.6%減)となりました。
ダイカスト部品事業
当セグメントにつきましては、販路拡大に向けた販売活動を継続しており、売上高は27億5百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント損失は1百万円(前年同期はセグメント利益59百万円)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は56億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億53百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ11億50百万円減少し6億2百万円となりました。これは主として税金等調整前当期純利益4億73百万円、減価償却費7億64百万円、売上債権の減少額7億60百万円に対し、仕入債務の減少額3億10百万円、たな卸資産の増加額2億47百万円、法人税等の支払額7億62百万円などによります。
投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ1億23百万円減少し16億27百万円となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出15億60百万円などによります。
財務活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ5億17百万円増加し5億76百万円となりました。これは主として短期借入金の純増加額10億95百万円、長期借入による収入額6億55百万円に対し、配当金の支払額6億20百万円、長期借入金の返済による支出額3億42百万円、社債の償還による支出額1億6百万円などによります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社企業グループは、受注生産形態をとらないため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 売上高は、外部顧客に対する売上高であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定の設定を行っております。当社グループにおいて重要性の高い会計上の見積りとして以下を認識しています。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的と判断しておりますが、見積りの不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なるものとなる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載しております。
(棚卸資産の評価)
原価法(収益性の低下による簿価切り下げの方法)によっており、期末における取得原価と正味売却価額のうちいずれか低い価額を棚卸資産の貸借対照表価額としております。この正味売却価額は期末前後の販売実績に基づく価額を基礎としております。また、正味売却価額の合理的な算出が難しい滞留品については滞留期間に応じて評価減割合を設定し、保守完了予定品や過剰品については過去の消費、販売実績等に基づき将来需要予測を算出し評価しています。この評価減割合や将来需要予測は当社グループの各拠点における環境や情況を踏まえて決定していますが、実際の販売や生産状況等が変化することにより、在庫評価損の追加計上が将来において必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当期及び過去の課税所得、税務上の繰越欠損金の発生実績に応じて、繰延税金資産の回収可能性における会社分類を見直し、当該分類に応じた合理的な見積期間内の将来課税所得や将来減算一時差異等のスケジューリングに基づき繰延税金資産を計上しています。従って、当該会社分類に基づく見積期間や将来課税所得の見積額に変更が生じた場合には、繰延税金資産が増額又は減額される可能性があります。
イ.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度における資産の額は、297億19百万円と前連結会計年度に比べ1億33百万円の減少となりました。流動資産につきましては、主として受取手形及び売掛金が8億38百万円、現金及び預金が5億円それぞれ減少したこと、原材料及び貯蔵品が2億29百万円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ11億77百万円減少となりました。固定資産につきましては、主として本社ビル建替えなど有形固定資産が13億68百万円増加したこと、投資その他の資産が3億円、無形固定資産が24百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ10億44百万円増加となりました。
(負債の部)
当連結会計年度の負債の額は、79億82百万円と前連結会計年度に比べ11億18百万円の増加となりました。流動負債につきましては、主として短期借入金が10億69百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億71百万円、流動負債のその他が1億2百万円それぞれ増加したこと、未払法人税等が5億86百万円、支払手形及び買掛金が3億53百万円、1年内償還予定の社債が1億11百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ2億86百万円増加となりました。固定負債につきましては、主としてリース債務が4億60百万円、繰延税金負債が2億73百万円、長期借入金が1億41百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ8億31百万円増加となりました。また、米ドル建のインパクトローンを活用し米ドル建債権の為替変動リスクに備えております。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産の額は、217億37百万円と前連結会計年度に比べ12億51百万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び配当金の支払による利益剰余金の減少、為替換算調整勘定の減少などによるものであります。また、自己資本比率70.9%について、変化の激しいグローバルマーケットでの競争に備え、一定水準の自己資本比率は必要との認識であります。成長のための投資に必要な内部留保を確保しつつ、業績に左右されない安定的な配当政策と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。
ロ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は149億69百万円となり、前連結会計年度に比べ39億21百万円の減収となりました。主な要因は、工業用ミシン事業の販売が低調に推移したことによります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業利益は4億99百万円となり、工業用ミシン事業の販売が減少したことなどにより、前連結会計年度と比べ18億6百万円の減益となりました。営業利益率は3.3%となり指標とする10%以上を下回りました。
(経常損益)
当連結会計年度における経常利益は4億84百万円となり、前連結会計年度と比べ20億58百万円の減益となりました。主な要因は、営業利益の落ち込みに加え為替相場が円高に推移し為替差損が発生したことなどによります。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損失は2億6百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益20億79百万円)となりました。主な要因は、当期及び今後の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部を取崩したことなどによります。
2016年発表の中期経営計画は2020年3月期を最終年度とし、「お客様と共に成長するための顧客対応力強化」を中期経営計画のテーマとして掲げ、「製品・品質・サービス」の三つの差別化徹底等の基本方針に基づいた様々な施策のもと、計画の達成に向け取り組んでまいりました。
しかしながら、米中貿易摩擦の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、世界的に景気の不確実性が高まる中、当社グループの経営環境は厳しさを増しております。
このような状況のもと、環境の変化を踏まえつつ次期中期経営計画の策定を見据え、引き続き主力事業の強みを生かした成長と収益構造及び経営基盤の強化を推進してまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(工業用ミシン事業)
工業用ミシン事業は、前会計年度に引き続き、価格的戦略機種の第2弾を全世界で販売を開始し、当社主力製品の環縫いミシンの両輪である、オーバーロックミシンと偏平縫いミシンで市場拡大に努めてまいりましたが、米中貿易摩擦が長期化し、中国からの生産地移管が進む中で移管先の見極めによる設備投資の先送りや、環境問題への意識が高まったことで、アパレル企業の在庫大量廃棄が問題視されたことによる発注の減少などもあり、販売は低調に推移しました。
この結果通期では、売上高は前連結会計年度と比べ24.3%減、セグメント利益は前連結会計年度と比べ52.6%減となりました。
今後につきましては、消費電力を大幅に削減できる当社独自開発の小型ダイレクトドライブモーターを搭載した機種のラインナップを充実させ、IOTなどを活用した自動縫製の研究を推進するなど、市場ニーズを的確に捉えた製品を投入してまいります。
また、非アパレル市場向けとして自動車の内装やカーシートなどの分野への参入も視野に縫製以外の産業への参入と拡大にも注力いたします。
(ダイカスト部品事業)
ダイカスト部品事業は、世界的に自動車販売が低調に推移する中、新規取引先開拓の推進による販路拡大に注力しました。
地域別に見ますと、中国では過剰債務問題等による景気の低迷で自動車販売が低調に推移したことが影響しました。ベトナムでは自動車生産が盛んなインドネシアやタイでの新規顧客開拓を推進したことで受注獲得にいたり、業績に貢献しました。メキシコ子会社におきましては、本格的な量産を開始いたしました。
この結果通期では、売上高は前連結会計年度と比べ0.3%増、セグメント損失は1百万円(前年同期はセグメント利益59百万円)となりました。
今後につきましては、世界三大自動車生産地に拠点を持つ強みを活かし、欧米自動車メーカー向けへの販売に取り組んでまいります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性
当社企業グループにおける主な資金需要は、営業活動や生産活動に必要な運転資本、販売費、研究開発費等があります。投資活動においては、新規設備投資や更新投資があります。必要な資金は主に営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金により調達し、資金の流動性確保のために金融機関には十分な借入枠を有しております。
なお、今後新型コロナウイルス感染症の影響で売上が急速に減少し、暫定的に手元資金が不足する場合は、金融機関からの借入により対応する予定であります。
ニ.目標とする経営指標に関する分析
当連結会計年度はミシン事業が低迷したことにより、売上高営業利益率は中長期的目標である10%以上に対して3.3%となり、ROEは前連結会計年度9.5%に対して当連結会計年度△1.0%となりました。引き続き配当性向30%を目安に、業績の変動に左右されない安定的かつ継続的な配当の実現に取り組んでまいります。
特記すべき事項はありません。
工業用ミシン事業は、主にニット衣料等の縫製に使用される環縫いミシンの有力メーカーとして研究開発に注力し、当社独自の固有技術の創出をもって他社との差別化を図ってまいりました。アパレル業界は、デザインや素材の変化が著しく、アパレルの生産現場である縫製工場では日々新しい問題に直面しております。縫製工場が抱える問題に対して、ソリューションを迅速に提供することを研究開発の使命と位置付け、専門のスタッフを配置すると共に新製品の企画から市場投入までのリードタイム短縮に取り組んでおります。開発リードタイムの短縮に向け、当社は販売部門と研究開発部門を同一傘下の本部に組織し、販売部門から得た市場ニーズを同本部内の研究開発部門に繋げ、よりスピーディーな商品開発が可能な組織としております。
そのほか、差別化の一環といたしまして、基礎研究の充実化を図るために機構研究、電子制御、縫製分野を個別に分け、専門分野としてより深く研究を重ねております。さらに、ダイレクトモーター搭載の環縫いミシンの新機種発売にともない、ダイレクトモーター搭載機種専門のモーター事業課を設立し、製品の安定化に向けて取り組んでおります。
また、新機種開発及び新たなセールスポイントの研究も行っており、蓄積した技術を体系的に管理しております。確立した技術につきましては随時、新製品に取り込んでおります。研究期間が長期に渡る将来的なテーマも取り上げ、基礎研究の継続と強化を図っております。
当連結会計年度における実績について、産業財産権(特許・実用新案・意匠)に関しては、日本国内外併せて新規出願が9件、登録が5件です。また、研究開発費の総額は、4億8百万円であります。なお、研究開発費総額には、消費税等は含まれておりません。
当社の専門分野である環縫い技術を活かし、難素材を使用した製品に対する品質の向上及び作業用途に応じた偏平縫いミシンの改良を行いました。生産性、縫い目品質に高い評価を得ており、量産化へ向けて対応しております。
当社独自のセミドライ技術を従来の針棒、上ルーパーの各メカに加え、業界初となる上送りメカにも同技術を付加して油汚れ対策を施した上下送りミシンと、縫製品の品質及び生産性向上に貢献する各種付帯省力装置の開発を行い、量産を開始してユーザーから高い評価を得ております。
フラットシーマミシンによる縫製品質の向上及びオペレーターの脱技能化の両立が可能な業界初となる特殊生地送りメカの開発を行い、量産を開始してユーザーから高い評価を得ております。
当社の専門分野である環縫い技術を応用し、ポスト型及びフラットベッド型の非アパレルミシンの開発を行いました。生産性、縫い目品質に高い評価を得ており、製品化を開始してユーザーから高い評価を得ております。
従来は市販モーターを利用していた部分につきまして、自社で新しいモーターを開発し、オーバーロックミシン本体に直結しておりましたが、ノウハウを応用して、新たに偏平縫いミシン本体にも自社のモーターを直結いたしました。操作性の向上と省電力性を実現しており、量産を開始してユーザーから高い評価を得ております。
① 研究開発活動の方針及び体制
ダイカスト部品事業は、自動車用安全ベルト関連部品や自動車用ライト部品をはじめとする、競合工場が多いなかで高度技術に到達するのが難しいアルミダイカスト部品につきまして、高品質でコストパフォーマンスに優れた製品を提供するために研究開発を行い、グローバルな事業展開をしております。具体的な方針といたしましては、製品の効率的かつ安定的な生産に向けた研究開発活動を主として、生産工程における技術の向上や、金型・治具工具及び製品素材の研究に取り組んでおります。
ダイカスト部品の最終工程において、工程の効率化による生産性の向上を目的として、「熱爆発表面処理」を用いた製造技術の研究に取り組んでおります。
完成後のダイカスト部品を3Dスキャナーで測定することで、取得した3Dデータとサプライヤー等から供給された3Dデータとの比較を瞬時に行い、従来の測定機器では測定できなかった部品内部の精度向上に活用しており、検査プログラム作成の工程削減や測定時間短縮等の品質検査の省力化を実現しております。
自動車用LEDライトに使用されているヒートシンクの機能を兼ねた回路保持部品について、平面度の精度を向上させるために「金型恒温保持装置」及び「金型極点冷却装置」等を用いた研究により、より精度の高い部品の製造を実現しております。
自動車用の配線ハーネスを結束するための部品の素材について、マグネシウムや亜鉛の配合研究やアルマイト処理の研究等を行うことで、素材の強度や軽量化を実現しております。