文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
当社企業グループは、100年にわたる歴史のなかで培ってきた、工業用環縫いミシンの専業メーカーとしての確固たる技術力により、世界の「衣料文化」の発展に貢献することを目指しております。また、自動車の安全ベルトの部品製造を主な目的として2007年に立ち上げましたオートモーティヴ事業は、自動車を利用される世界中の方々の生命の安全を守る事業として、最高の品質を提供することに努めております。
グローバルな事業展開により世界の人々との交流を深め、信頼される企業活動の展開を経営理念としており、お客様に最高の満足を提供できる製品、サービス及び品質の提供に努めてまいります。
当社企業グループは、収益性、効率性、健全性、企業価値及び債務返済能力の観点から各種の指標を意識した経営を行ってまいります。当社企業グループでは、売上高に対する営業利益の比率を中長期的に10%以上とすることならびに資本効率性の指標であるROEを8.0%以上とすることを目標とし、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。また、利益還元にあたっては、配当性向30%を基本方針としております。
当社企業グループは、工業用ミシン事業を主力としておりますが、事業の拡大ならびに発展のため、自動車部品を始めとするオートモーティヴ事業へ参入しております。当社企業グループが製造販売する製品及び部品は、全世界のユーザーを対象としていることから、世界経済の動向ならびに多様な顧客ニーズへの対処などの様々な課題に対して適切な対応を求められます。さらにはロシア・ウクライナ情勢の長期化を主とした急激なインフレの進行など、当社企業グループを取り巻く環境は、今後とも不透明な状況が予想されます。
このような経営環境のもと、当社企業グループは以下の課題に取り組み、効率的なグループ経営を実現するとともに、収益性の向上に加えて、サステナビリティ委員会を立ち上げ、サステナビリティ関連課題にも引き続き取り組んでまいります。
工業用ミシン事業は、国内外の各メーカーと熾烈な競争を行っており、それに勝ち抜くための施策として、製品、品質、サービスの3つの要素に対して他メーカーとの差別化を徹底的に推進しております。製品では、開発テーマの明確化及び新製品をタイムリーに開発することを目指し、品質では、ITを駆使した品質の見える化の推進及び最新鋭の測定機器の導入による品質向上に努め、サービスでは、長年にわたり培われた技術を縫製業者の問題解決に活かすソリューションをタイムリーに提供することの注力に努めてまいります。
工業用ミシン事業の主力市場は、これまでの中国からバングラデシュ、インド及びベトナムといった他のアジア各国に移動してきております。一方、アパレル製品はデザインや素材の多様化が進み高度な縫製技術が要求されており、品質安定ならびに脱技能化に向けた自動化及び省力化機器への需要も一段と高まっております。それらの環境変化に対応すべく、地域ニーズに即応した戦略を立案し、販売網の強化及び人材育成の注力に努めてまいります。
当社企業グループは、成長戦略の第2の柱として自動車用部品を中心としたオートモーティヴ事業に参入し、収益力の拡大を図ってまいりました。そしてグローバルなマーケットに対応すべく、中国、ベトナム及びメキシコに製造拠点を設けております。今後も生産能力の増強ならびに高機能化への対応に併せ、自動車を構成するさらなる新規部品にも取り組み、セールスエンジニア投入による販路拡大に努めてまいります。
当社企業グループは、製造拠点によるカントリーリスクの回避を目的として、工業用ミシン事業は中国及びベトナムに、オートモーティヴ事業は中国、ベトナム及びメキシコに生産拠点を稼働させてまいりました。今後はそれぞれの地域特性を活かし、新たな技術を盛り込んだ生産体制を構築するとともに、サプライチェーンの一層の強化による部品・製品在庫の適正化及び原価低減の推進に努めてまいります。
当社企業グループは、変化の激しい経営環境にあって企業としての基礎体力を向上させるため、財務体質の強化を行ってまいりました。今後もキャッシュ・フローに重点をおいた経営に注力し、財務体質の強化に努めてまいります。
当社企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社企業グループが判断したものであります。
当社企業グループは、「人」と「技術」を通じて、より良い製品・サービス・品質の提供に取り組むことにより、社会発展に貢献することを企業理念に掲げており、環境・社会・経済の観点はもとより、非財務情報である人的資本及び多様性も含めた社会課題解決について企業活動を通じて取り組むことが社会の持続的発展に貢献できると考えております。
このような理念のもと、2023年5月19日開催の取締役会にて「サステナビリティ方針」を決議しており、この方針に基づき、代表取締役社長 美馬成望を委員長としたサステナビリティ委員会において、当社企業グループ一丸となって持続的に取り組んでまいります。
同委員会は、3ヶ月に1回以上の活動を原則としておりますが、日々の業務執行において常にサステナビリティ要素を加味した活動を行うことを基本とし、同委員会の事務局は、必要に応じて適宜その活動に参加する所存であります。
また、同委員会は各種ポリシー及び目標ならびに各種施策等活動内容を定期的に取締役会で報告を行い、取締役会は、それらの活動に対して審議・監督ならびに提言を行ってまいります。
当社はサステナビリティ方針の取り組みにおける項目のうち、人材の多様性の確保、人材の育成に関する方針及び社内環境設備に関する方針は次のとおりであります。
企業活動の持続性において「人材」は欠かせないものであり、性別・年齢・国籍・キャリア等にとらわれることのない積極的な採用活動のもと、人材の獲得に取り組んでおります。特に新卒を対象とした定期採用に加え、スキル及び経験を重視したキャリア採用も積極的に実施しております。また、女性活躍の推進にあわせ、文系・理系問わず、性別を問わない採用に取り組んでおります。
また、育成については、職位ごとに求められる能力の習得を目的とした研修はもとより、若手社員を年代別に分け、それぞれの年代で早い段階からの自立的なキャリア構築に向けた研修に取り組んでおります。
なお、新卒として採用したプロパー社員とスキル及び経験を重視して採用したキャリア社員がうまく融合し、イノベーションを創出できる環境作りにも取り組んでおります。
多様な社員が健康・安全・快適で働きやすい職場環境及び仕組みの整備、ならびに意欲をもって活躍できる組織の構築について、積極的に取り組んでいく所存であります。特に女性活躍の推進に向け、女性社員が自身の強みを活かして活躍できる組織及びそれを支援しうる制度づくりに取り組んでおります。
現時点において、当社は以下について取り組んでおります。
現在の育児・介護休業法における育児短時間勤務期間は子が3歳に達するまでとなっておりますが、当社は子育て期間中の社員がより働きやすい職場環境の提供をすべく、子が小学4年生に進級する前日までの連続36ヶ月間としております。
男性社員が育児休業を取得しやすいよう、職場における理解及び組織体制の構築に取り組んでおります。
入社3年までの若手社員に対して、中堅クラスの先輩社員を充て、仕事及び職場での悩みなどを相談できるブラザー・シスター制度を設け、定着率向上の仕組みづくりに取り組んでおります。
当社において、全社的なリスク管理は、各部署にて検討した内容を管理本部にて取りまとめ、最終的には取締役会で決議をしたのちにその内容について、管理本部より管理・監督・モニタリングをしております。
サステナビリティに係るリスクの絞り込みについて、まずは社員の働きやすい環境の整備及び人材確保を優先的に対応すべきリスクとして捉えており、今後さらにサステナビリティ委員会にて具現化していく予定であります。
なお、人材確保に関するリスクの内容については、
当社では、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保、人材の育成に関する方針及び社内環境設備に関する方針について、以下の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
(注)マネジメント職は管理職に相当する職位及びその一つ手前の職位者の合計であります。
当社企業グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
当社企業グループの工業用ミシン事業における製品は、工業用ミシンのなかでも環縫いミシンと呼ばれるミシンに特化しており、ユーザーであるアパレル産業の景況によっては、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
アパレル製品の生産はグローバル化が進んでおり、海外生産品の品質、価格、納期などの変化ならびにアパレル産業の生産方針の変更により、当社製品もしくは技術がそのニーズを満たさない、あるいは市場から認められない場合には、当社企業グループの販売戦略及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループのオートモーティヴ事業における製品は、その安全性ならびに世界のサプライチェーンで確固たる地位を築いておりますが、その取引先の経営状況に変化が生じた場合は、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループの販売及び製造は、大半が海外に依存しております。また、工業用ミシン事業の製品を使用する縫製産業は労働集約型産業の典型であることから、賃金水準の低い国・地域がその主要な生産地となっており、各国の縫製産業に対する政策の違い及び物流面の条件などにより、生産拠点が特定の国・地域に集中する傾向も見られます。
当社企業グループの取引先であるこのような国々のなかには、政治的、地政学的、経済的に不安定な国もあり、労働争議、テロ、戦争、内戦、通貨危機などによる為替取引の凍結、債務不履行、投資資産の接収、もしくは地震などの自然災害によっては海外拠点経営が困難になる可能性があります。
さらに、工業用ミシン事業における各国繊維製品の輸出入に関する規制の急激な強化もしくは緩和が実施されることにより、市場の需給関係が崩れ、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、移転価格税制を始めとする規制・税制などの変更による予測できない事態の発生により、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
工業用ミシン事業において製造拠点の中国集中によるリスク回避を目的として、ベトナムに製造子会社を設立したことにより、工業用ミシン事業の製造拠点が、日本、中国及びベトナムの3カ国に分散され、製造拠点の集中リスクは緩和されております。同様にオートモーティヴ事業におきましても、中国以外の拠点としてベトナムに製造子会社を設立しており、さらには世界的な自動車部品サプライチェーンを担う生産体制の継続・強化も視野に入れ、メキシコにも拠点を設立しております。
しかしながら、両事業とも、主力となる製造拠点が中国及びベトナムに存在しているため、両国におけるカントリーリスクをカバーすべく、独立行政法人日本貿易保険の海外投資保険に加入しておりますが、政治的要因による法的規則及び商習慣の違いもしくは地震などの天変地異、電力事情の悪化及びその他の予測不可能な事態が発生した場合、工場の操業を同時に停止せざるを得ない事態が懸念されます。併せて、従業員の確保ならびに教育が十分に行き届かなかった場合などは、当社企業グループの財政状態及び経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループは、グローバルな事業展開をしており、取引通貨の多くは円以外の通貨となっております。各地域における売上高、費用、資産などの現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のため円換算しており、換算時の為替レートの変動が当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は外貨建て取引について、為替変動に対処するためにインパクトローンによってリスクを軽減させる措置を講じておりますが、為替水準の予測を超えた変動が発生した場合、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループは、他社製品と差別化できる技術の開発及び知識の蓄積に努めており、保有する独自技術については、商標権などを含めたほかの知的財産権と併せ、権利取得による保護を積極的に図っております。
しかしながら、出願が特許と認められないあるいは権利保護のために講じる手段が成功しなかった場合、第三者の類似品との競合状態が発生し、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社企業グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないように努めておりますが、当社企業グループの認識していない知的財産権に関し訴訟などを提起される可能性があります。このような訴訟等が発生した場合、損害賠償及びロイヤリティ支出の発生あるいは事業活動に制約が生じるなど、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループは、独自の品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。過去においても製品の欠陥による重大な事故は発生しておりませんが、今後全ての製品について欠陥がなく、将来リコールが発生しないという保証はなく、当社企業グループの製品もしくはサービスに関連した欠陥及び問題に対して責任を負う可能性があります。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を充分にカバーできるという保証はありません。
さらに、経済合理性のある条件で当社企業グループがこのような保険を契約期間満了後も更新できるとは限らず、大規模なリコールや製造物責任賠償に繋がるような製品の欠陥が生じた場合は、当社企業グループの財政状態及び経営成績のほか、ブランドイメージに影響を及ぼす可能性があります。
工業用ミシン事業における製品は、アパレルの生産地域の動向及びファッションの動向により、使用されるミシンの種類に変化が生じる場合があり、環縫いミシンへの需要に変化を及ぼす場合には、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社企業グループが製造している環縫いミシンにも多くの種類があり、製品ごとの単価ならびに収益率が異なるため、製品の販売構成比が変化した場合にも、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
工業用ミシン事業におきましては、当社企業グループが製造及び販売する各製品の多くは、同業他社の類似製品と競合状態にあり、当社企業グループの製品の優位性が低下すれば、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新興国メーカーの普及価格帯製品の価格下落が進み、価格競争に巻き込まれた場合、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
オートモーティヴ事業におきましては、自動車部品業界の材料価格の高騰及び調達先の変更、価格変動動向ならびに地理的・政治的影響を強く受けることがあるため、特定取引先への依存度低減、取引先分散ならびに原価低減などに取り組んでおりますが、企業努力を上回る価格抑制圧力を受けた場合もしくは取引先の経営状況によっては、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループは、緩和的な金融環境を踏まえ主に変動金利調達を行っているため、市場金利の上昇が、有利子負債のうち変動金利部分の支払利息を増加させ、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらには、事業の拡大や技術革新を目指し、新たな投資などによる資金が必要となった場合、金融市場の大幅な変化などによっては、資金調達条件が悪化する可能性があり、また当社企業グループの年金資産に関しては、市場性のある証券の公正価値や利子率など、金融市場における変動が年金制度の積立不足金額や債務を増加させ、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループは、売上及び製造ともに海外比率が高く、激しい競争のなかで事業を継続的に発展させるためには、高い専門性をもった世界で活躍できる技術者ならびにグローバルな経営戦略や組織運営に優れた人材を確保し、育成していく必要がありますが、近年は少子高齢化等による労働人口の減少によって、人材の確保及び育成が難航した場合、長期的には当社企業グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和に伴い、経済活動の正常化が進んだ一方、サプライチェーンにおけるモノ不足は依然として続き、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による物資及びエネルギー不足により、急激なインフレの進行が見られました。また、欧米諸国の金融政策による企業活動や個人消費への影響など、先行きは極めて不透明な状況が続いております。
このような環境のもとで、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度に比べ43億74百万円増加し395億7百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度に比べ5億41百万円増加し103億7百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度に比べ38億33百万円増加し291億99百万円となりました。
当連結会計年度における売上高は252億88百万円(前連結会計年度比23.4%増)、営業利益は26億57百万円(前連結会計年度比43.9%増)、経常利益は29億46百万円(前連結会計年度比51.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億94百万円(前連結会計年度比46.0%増)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりであります。なお、2022年4月1日付で報告セグメントの名称を変更しております。当社企業グループ事業名称の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げる「セグメント情報等」のとおりであります。
工業用ミシン事業
工業用ミシン事業につきましては、縫製産業の設備投資需要にばらつきがあったものの、為替相場の円安効果もあり、売上高は189億22百万円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益は32億68百万円(前年同期比20.0%増)となりました。
オートモーティヴ事業
オートモーティヴ事業につきましては、新規顧客の獲得及び納期・品質を主とした顧客ニーズに応えることで収益力の強化を図り、売上高は63億66百万円(前年同期比58.5%増)、セグメント利益は5億58百万円(前年同期比219.7%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は92億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億7百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は、次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、18億59百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益29億52百万円、売上債権の減少額3億45百万円、減価償却費9億66百万円に対し、仕入債務の減少額2億89百万円、法人税等の支払額7億16百万円、棚卸資産の増加額16億21百万円などによります。
投資活動の結果支出した資金は、18億75百万円(前連結会計年度比334.0%増)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出16億26百万円、定期預金の預入及び払戻による収支の減少2億70百万円などによります。
財務活動の結果支出した資金は、11億82百万円(前連結会計年度比75.5%増)となりました。これは主として配当金の支払額6億94百万円、長期借入金の返済による支出3億74百万円などによります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は、製造原価によっております。
当社企業グループは、受注生産形態をとらないため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 売上高は、外部顧客に対する売上高であります。
2 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額及び報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断及び仮定の設定を行っております。当社企業グループにおいて重要性の高い会計上の見積りとして棚卸資産の評価及び繰延税金資産の回収可能性を認識しています。
なお、これらの会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(資産の部)
当連結会計年度における資産の額は、395億7百万円と前連結会計年度に比べ43億74百万円の増加となりました。流動資産につきましては、主として商品及び製品が23億48百万円、受取手形及び売掛金が4億65百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ29億円増加となりました。固定資産につきましては、主として有形固定資産が18億96百万円増加、無形固定資産が4億91百万円減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ14億74百万円増加となりました。
(負債の部)
当連結会計年度の負債の額は、103億7百万円と前連結会計年度に比べ5億41百万円の増加となりました。流動負債につきましては、主として支払手形及び買掛金が4億35百万円、短期借入金が3億98百万円、未払法人税等が2億91百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ11億63百万円増加となりました。固定負債につきましては、主として長期借入金が3億85百万円、繰延税金負債が2億30百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ6億21百万円減少となりました。また、米ドル建のインパクトローンを活用し米ドル建債権の為替変動リスクに備えております。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産の額は、291億99百万円と前連結会計年度に比べ38億33百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加などによるものであります。また、自己資本比率71.6%について、変化の激しいグローバルマーケットでの競争に備え、一定水準の自己資本比率は必要との認識であります。成長のための投資に必要な内部留保を確保しつつ、業績に左右されない安定的な配当政策と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は252億88百万円となり、前連結会計年度に比べ47億90百万円の増収となりました。主な要因は、工業用ミシン事業におきましては、世界的なコロナ禍からの経済活動再開を背景に上半期を中心とした活発な需要に応えたこと、オートモーティヴ事業におきましては、新規顧客の獲得や既存顧客からの受注増加などによるものであります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業利益は26億57百万円となり、前連結会計年度と比べ8億10百万円の増益となりました。ロシア・ウクライナ情勢の長期化による物資及びエネルギー不足により、急激なインフレの進行が見られ、アパレル需要の縮小や原材料価格の高止まりなどのマイナスの影響を受けましたが、顧客ニーズに沿った製品供給の対応により前連結会計年度対比で43.9%増となりました。なお、営業利益率は10.5%と指標とする10%を上回りました。
(経常損益)
当連結会計年度における経常利益は29億46百万円となり、前連結会計年度と比べ10億5百万円の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は22億94百万円となり、前連結会計年度と比べ7億22百万円の増益となりました。法人税、住民税及び事業税が所得の増加により前連結会計年度比3億73百万円増加しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(工業用ミシン事業)
工業用ミシン事業は、年前半はコロナ禍からの経済活動再開を背景に、縫製産業における工業用ミシン需要も堅調に推移いたしました。年後半は世界的なインフレ進行とともに旺盛であったアパレル需要は縮小が見られ、縫製産業の設備投資に対し慎重となる企業も出てまいりましが、通期の売上高は前連結会計年度と比べ14.8%増、セグメント利益は前連結会計年度と比べ20.0%増となり、前期に続き過去最高水準の売上げを更新することができました。
今後につきましては、ライフスタイルの変化により伸縮素材への需要が年々増加するなど、多様化する素材へ対応すべく製品ラインナップを拡充してまいります。また、未参入市場への顧客開拓による販売増強ならびにサプライチェーンの分断等、不測事態へのリスクヘッジとしてベトナムハイズン省に新規工場の建設を進めております。
(オートモーティヴ事業)
オートモーティヴ事業は、材料価格の高騰ならびに半導体不足による自動車産業減産の影響を受けたものの、新規顧客の獲得や既存顧客からの受注増加などにより、業績は順調に推移いたしました。
この結果、通期の売上高は前連結会計年度と比べ58.5%増、セグメント利益は前連結会計年度と比べ219.7%増となり、過去最高の売上高を達成することができました。
今後につきましては、2021年に設立した中国南通市の子会社での生産を開始し、その他子会社も受注増加に備えた設備投資計画のもと、販売増強に注力してまいります。
当社企業グループにおける主な資金需要は、営業活動や生産活動に必要な運転資金、販売費、研究開発費などがあります。投資活動においては、新規設備投資や更新投資があります。必要な資金は主に営業活動によるキャッシュ・フローで得られる資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入金による調達を実施しております。引き続き、事業計画に基づく資金需要、金融市場の調達環境、既存借入金の返済時期などを考慮のうえ、株式市場や金融機関からの調達を適宜判断してまいります。
なお、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計36億80百万円の当座貸越契約を締結し、資金需要に備えております(借入未実行残高21億30百万円)。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は92億25百万円を有し、資金の流動性は十分に確保しているものと認識しております。
当連結会計年度は工業用ミシン事業の回復により、売上高営業利益率は中長期的目標である10%以上に対して前連結会計年度の9.0%から当連結会計年度は10.5%となり、ROEは6.8%から8.7%となりました。引き続き配当性向30%を目安に、業績の変動に左右されない安定的かつ継続的な配当の実現に取り組んでまいります。
特記すべき事項はありません。
当社企業グループの工業用ミシン事業は、主にニット衣料などの縫製に使用される環縫いミシンの研究開発に注力し、当社独自の固有技術の創出をもって他社との差別化を図ってまいりました。アパレル業界は、デザインならびに素材の変化が著しく、アパレルの生産現場である縫製工場では日々新しい問題に直面しております。縫製工場が抱える問題に対して、ソリューションを迅速に提供することを研究開発の使命と位置付け、専門スタッフを配置するとともに新製品の企画から市場投入までのリードタイム短縮に取り組んでおります。開発リードタイムの短縮に向け、当社は販売部門と研究開発部門を同一傘下の本部に組織し、販売部門から得た市場ニーズを同本部内の研究開発部門に繋げ、よりスピーディーな商品開発が可能な組織としております。
そのほか、差別化の一環といたしまして、基礎研究の充実化を図るために機構研究、電子制御、縫製分野を各々の組織に分け、それぞれ特化した研究を重ねております。さらに、近年主流となっている工業用ミシン本体にモーターを直接接続するダイレクトモーターの研究及び開発の安定化に向けて取り組んでおります。
また、新機種開発のみならず既存機種のブラッシュアップも行っており、新たに確立した技術を既存機種に取り込み、さらなる品質の向上及びコストダウンを図っております。研究期間が長期にわたる将来的なテーマも取り上げ、基礎研究の継続及び強化を図っております。
当連結会計年度における研究開発の実績について、産業財産権(特許・実用新案・意匠)に関しては、日本国内外併せて新規出願が12件、登録が3件です。また、研究開発費の総額は、
新型シリンダー型偏平縫いミシンの開発を行いました。シリンダー先端形状を工夫・改良したことにより、縫い目の品質向上ならびにミシン自体のメンテナンスを容易にするユーザーフレンドリーを意識した設計としました。量産を開始してユーザーから高い評価を得ております。
オーバーロック安全縫いミシン及び各種省力装置の開発にて培った技術を活かし、モーターとその制御盤をミシン本体に搭載させた普及型オーバーロック安全縫いミシンにおいて、モーターとその制御盤をよりコンパクト化し、ミシン本体に埋め込んだビルトイン電装一体型ミシンの開発を行い、製品化へ向けて対応しております。
縫製時において、縫い合わせる上下の布の縫いずれを防ぐ上下送りオーバーロック安全縫いミシン及び各種省力装置の開発にて培った技術を応用し、コストパフォーマンスに優れた価格帯に抑えた普及型の開発を行いました。量産を開始してユーザーから高い評価を得ております。
オーバーロック安全縫いミシン及び各種省力装置の開発にて培った技術を活かし、高機能、高性能及び高品質を備えたハイエンドモデル機の開発、製品化へ向けて対応しております。
当社企業グループのオートモーティヴ事業は、自動車用安全ベルト関連部品を主とした車載用ダイカスト部品を高品質かつコストパフォーマンスに優れた製品を提供するための研究開発を行い、グローバルな事業展開をしております。
具体的な活動といたしましては、日々進化する合金材料への対応及び安全性部品に対する品質チェックなど、製品の効率的かつ安定的な生産に向けた研究開発活動を主として、生産工程における技術の向上に伴う先進設備導入及び金型・治具工具の研究に取り組んでおります。
アルミを始めとした各種合金に対するダイカスト製法はそれぞれ異なるため、それに対応する金型素材、抜き勾配ならびに粘着傾向への対策を行い、当社独自の技術力をさらに高めております。
自動車用LEDヘッドライトに使用されているヒートシンクの機能を兼ねた回路保持部品について、平面度の精度を向上させるために「金型恒温保持装置」及び「金型極点冷却装置」などを用いた研究により、より精度の高い部品の製造を実現しております。
自動車用の配線ハーネスを結束するための部品の素材について、マグネシウム及び亜鉛の配合研究ならびにアルマイト処理の研究などを行うことで、素材の強度や軽量化を実現しております。