第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

平成30年度から平成32年度を対象とする中期経営計画では「世界のお客様に選ばれるオンリーワンの生産設備システムインテグレータ」となることを目指す姿とし、Hirataグループの継続的な成長に向けて経営基盤を強化すべく、以下に取組みます。

・成長性確保のための規模(売上高・利益)拡大

・安定性確保のための収益構造の改善

 

(2)経営戦略等

以下の4項目を基本的な事業戦略上の原則として事業を推進します。

・受注・生産・開発体制強化

・既存事業の深耕と拡大

・成長市場への進出

・量産型ビジネスの確立と商品化

 

「受注・生産・開発体制強化」においては、今まで以上に設備投資や研究開発に注力し、市場の求める新しい製品(価値)を生み出せる環境を整えます。

「既存事業の深耕と拡大」では、自動車、半導体事業の新たな地域戦略として北米、欧州、中国に向けた積極的な拡大を図ります。

また、電気自動車の普及を見据えて、モーター/EDU関連設備といった「成長市場への進出」を早期に図りシェアを確保することで、大きな事業へと成長させてまいります。

さらに、事業の収益性向上を図るために、個別設計製品をモジュール化することによる量産化への展開や、これまでおこなってきたカタログ商品の開発・拡販を深化させるなど、「量産型ビジネスの確立と商品化」をおこなってまいります。

こうした経営を支える礎として、コーポレートガバナンスやコンプライアンスに対する社会的要請の高まりに応えることも非常に重要であると考えております。まずは、グループ全体が統一した内部統制の方針に基づく事業活動を推進できる仕組みを構築することで、グループコンプライアンス体制を段階的に整備してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

平成30年度から平成32年度を対象とする中期経営計画において、最終年度(平成32年度)に向けた目標として、連結売上高1,000億円台の定着、営業利益率10%以上を掲げております。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

グローバル市場でのEV・PHEV化の加速や、IoTや自動運転などの技術革新を背景とした世界半導体市場の拡大という世界経済の流れを受け、当社の主力事業である自動車や半導体分野においては今後も受注機会の増大が見込まれています。急速な生産量の拡大に対応するとともに、生産設備システムインテグレータとして企業価値を高めるべく、以下の施策を重点的に実行してまいります。

①他社との提携を含めた生産体制の増強

平成30年1月に着工しました熊本新工場では、最新設備への入替などをおこないながら生産効率と内製化率の最大化を図ります。平成29年には、当社と取引実績があり、技術力の高さに定評のある海外の協力会社と資本提携を通した関係強化を図ったことにより、設計から製造まで現地で対応できる体制を整え、自動車大型案件の受注にも成功しております。今後も、グループ内部のエンジニア力強化や生産体制の整備に留まらず、国内外の協力会社や同業他社との提携を促進し、さらなる生産能力と技術力の増強をおこないます。

②成長分野への進出

EV市場においては、北米自動車メーカーへの納入実績を受けて、EV化の緊急性が高い欧州や中国からの引き合いが活況を呈しています。今後大きく成長するEV市場に、このタイミングで確実に参入することが肝要であり、モーター/EDU、バッテリー、インバーターなど当社の得意分野を中心として、グローバルな拠点を活かした積極的な営業活動を展開します。また、お客様のニーズに合った付加価値の高い製品を提供するために、M&Aによる新しい技術やノウハウの獲得に取組みます。

③量産型ビジネスの確立と商品化

受注生産型ビジネスを通して生み出してきた、個別設計製品の「標準モジュール化」を推進します。標準モジュールの組み合わせによる、高性能・高品質な製品の量産化を実現することで、お客様のご要望に柔軟かつ迅速にお応えするとともに、事業面での収益安定を図ります。

また、こうした「標準化」の考え方をベースに進めてまいりました商品開発にも、引き続き注力します。これまで株式会社ミスミの販売サイト「inCAD Library」にて電動ストッパーなど、自社の既存製品を活かした開発商品の販売をおこなってまいりました。今後は、自社製品や技術に拘らず、優れた製品や技術を保有する会社や学術機関との技術協力と、当社の多様な産業分野における生産設備システムインテグレータとしての知見を組み合わせた、新しい製品の創造にも挑戦します。

(注)1.PHEV:「Plug-in Hybrid Electric Vehicle(プラグインハイブリッド電気自動車)」の略。

コンセントからプラグで直接バッテリーに充電できる電気自動車。

2.EDU:「Electric Drive Unit(電動ドライブユニット)」の略。

モーターやギアボックスを組合わせた電気自動車の基幹ユニット。

 

(5)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者については、当社の事業の特性や企業価値の源泉を十分に理解したうえで、中長期的な視点で当社の企業価値および株主の共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。

当社は、市場における当社株式の取引は自由におこなわれるべきものと考えており、当社株式に対する大規模な買付けがおこなわれる場合においても、当社の企業価値および株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。支配権の移動を伴う買付提案の判断についても、最終的には株主の皆様の意思に基づいて決定されるべきものと考えております。

しかしながら、大規模な買付行為の中には、対象企業の企業価値および株主共同の利益に資さないものも少なくなく、このような大規模な買付けをおこなう者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。当社は、このような大規模な買付けをおこなう者に対しては、当該買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な時間と情報の確保を求める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲において適切な措置を講じてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 また、文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(平成30年6月27日)現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)市場環境等の変化に係るリスク

 当社グループは、自動車・半導体・家電関連企業およびそれ以外の多分野にわたる製品の生産企業から生産設備を受注しております。国内外の経済情勢の変動や顧客製品のライフサイクルが下降トレンドに入ること等によって、これら取引先企業の設備投資状況に変化があれば、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 また、当社の技術力は顧客から高い信頼を得ておりますが、仮に急激な技術革新の進歩に遅れるような事態が発生した場合、受注が確保できない恐れがあり当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

(2)法規制等に係るリスク

 当社グループは、事業活動を展開するにあたり、種々の法規制に適切に対応するよう努めております。

 しかし、特に海外での事業活動においては、行政当局等との法令解釈の相違等、意図せぬ形での違反行為を犯すリスクを完全には排除しきれません。違反行為との判断が下された場合、多額の費用負担の発生および企業イメージに悪影響を与える可能性があります。

 また、新たな法規制等に対応するにあたり、多額の費用が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

(3)重要な訴訟の発生に係るリスク

①知的財産権に係るリスク

 当社グループが知的財産権を保有する製品等について、他社がその権利を侵害するリスクは常時存在し、それを完全に排除することは困難であります。同時に他社が保有する知的財産権を完全に把握することもまた困難であり、意図せずして当社グループが他社の権利を侵害する可能性も否定しきれません。当社では、知的財産権の保護および他社所有の権利侵害の防止に努めておりますが、損害賠償請求や当該知的財産権に基づく使用差止め等の訴訟が発生する可能性を無くすことはできず、訴訟の結果、敗訴となった場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

②製造物責任に係るリスク

 当社は、国際標準化機構(ISO)が定める品質管理基準に基づいて生産設備の生産をおこなっており、当該設備を使用する作業者の安全面についても、ハード・ソフトの両面において配慮に努めております。

 しかし、機械の誤操作や誤作動等により、作業者の安全を完全には確保しきれない恐れがあり、瑕疵担保責任を追及される可能性を排除しきれません。

 なお、当社は製造物責任賠償保険に加入しておりますが、事故の内容等によっては賠償額を十分に補填できない可能性があります。

 その結果として、製造物責任訴訟等の訴訟発生の可能性があり、敗訴となった場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

(4)情報管理に係るリスク

 当社グループおよび取引先等の機密情報および個人情報の情報漏洩を防止するため、社内LANへの不正アクセスを防止するシステムの導入や社内規程の整備、従業員への教育等の施策を適宜実施しております。しかし、強力なコンピュータ・ウィルスの侵入等、予期せぬ事態によって情報漏洩が起こる可能性を完全に否定することはできません。万が一、情報漏洩が起きた場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

(5)環境問題に係るリスク

 当社は、品質と共に、環境についても国際標準化機構が定める管理基準に基づいた生産活動をおこなっており、環境基本法等の関連法令を遵守して汚染物質の漏洩防止や廃棄物の減量等、環境負荷の低減に努めております。この取組みの結果、現在までに、当社が周辺環境に対して重大な問題を生じさせたことは一切ありません。

 しかし、恒久的に環境問題を発生させないとの保証はなく、それが生じた場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

(6)為替相場変動によるリスク

 当社は、海外企業との取引に際し、契約条件によっては米ドルもしくは現地通貨にて会計処理をおこなう場合があり、その結果、円換算時の為替レートにより、為替差損益が発生する場合があります。当社では、為替相場変動の影響を緩和する為、為替予約等によるリスクヘッジをおこなっておりますが、間接的な影響も含め、全ての影響を排除することは事実上不可能です。したがって、為替相場の変動が当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

(7)海外での事業活動に係るリスク

 当社グループは、北米、欧州、アジアに子会社を置き、世界的な事業展開を推進しております。これらの子会社では、現地国の政治動向の急激な変化、予想しない法律または規制の変更、テロ・戦争等による社会的混乱等の影響を受ける可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

(8)労使関係に係るリスク

 当社グループにおける労使関係は正常かつ円満に推移しております。しかし、将来において、特に海外の国または地域では、日本国内と異なる労使慣行の相違等により、予期せぬ労使関係の悪化、労働争議等が発生する可能性を否定できません。それが発生した場合、一部の子会社については事業展開に悪影響をおよぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

(9)災害等に係るリスク

 当社は、予期せぬ災害や大規模な事故発生等の問題が事業の継続を危うくするような事態を避けるために、事前に想定されるリスクを抽出し、そのリスクの防止、防衛、低減を図ることで事業継続、さらに顧客へのリスクを緩和すると共に短期間での事業回復を図るため、いわゆるBCP(事業継続計画)を設定し、災害等への対応に備えております。

 平常時には、法規制に基づく設備の点検、危険物の適切な保管管理、消火設備の充実、避難・防災訓練、各種の安全教育活動、緊急用備蓄品の保管等を行うと共に、災害発生時には即時に対策本部の設置、緊急連絡、社員の安全確認等が行えるよう体制を整備しております。

 熊本地震発生時にはこれらの対策が奏功し、被害を最小限に留めることができましたが、さらに想定を超える大規模な災害等が発生した場合には、工場設備や情報機器の損壊、電力・水道等インフラの停止、物流網の寸断等により事業活動の停止を余儀なくされる可能性があり、その場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)財務制限条項に係るリスク

 当社は平成30年3月末日現在、多通貨での借入および海外関係会社の安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額45億円のグローバル・コミットメントラインの契約を締結しております。平成30年3月末日の実行残高は1億96百万円であります。

同契約には、以下の財務制限条項が付されております。

①国内借入人に関し、2018年3月期末日、およびそれ以降の各事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、(ⅰ)2017年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額、または(ⅱ)直近の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。

②国内借入人に関し、2018年3月期末日、およびそれ以降の各事業年度末日における連結損益計算書に記載される営業損益を2期連続して損失としないこと。

 また、当社は平成30年3月末日現在、多通貨での安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額15億円のコミットメントライン契約を締結しております。平成30年3月末日の実行残高は4億14百万円であります。

 同契約には、以下の財務制限条項が付されております。

①借入人は各年度決算期の末日における借入人の連結の貸借対照表において、純資産の部の合計額を、前年度決算期の末日における純資産の部の合計額の80%以上に維持すること。

②借入人は各年度決算期の末日における借入人の連結の損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。

 さらに、当社は平成30年3月末日現在、資金調達の安定性を高めることを目的として、銀行2行を貸付人として、それぞれ総貸付極度額10億円と20億円のコミットメントライン契約(特定融資枠)を締結しております。平成30年3月末日の実行残高はそれぞれ4億円と2億円であります。

 上記の2つの契約には、以下の財務制限条項が付されております。

①借入人は各年度の決算期における連結の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期における借入人の連結の貸借対照表における純資産の部の金額の70%以上に維持すること。

②借入人の各年度の決算期に係る借入人の連結の損益計算書上の営業損益に関して、平成25年3月決算期以降、2期連続して損失を計上しないこと。

 当社が仮に上記のコミットメントライン契約およびグローバル・コミットメントライン契約の制限条項に抵触し、上記の契約による融資を受けられなくなった場合でも、同契約以外での融資を受けられる環境にあり、ただちに資金繰りが逼迫する事態となる可能性は低いと考えております。

 しかし、資金運用の効率性や、資金的な緊急事態の発生可能性を考慮すれば、上記の契約による融資は重要であり、それが受けられなくなった場合、当社グループの財務状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済情勢は、米国におきましては、良好な雇用・所得環境からの個人消費の回復や堅調な企業収益を背景とした設備投資の拡大など、内需主導での景気の拡大基調が持続しております。欧州につきましても、好調な外需を背景にした輸出の増加など、欧州全体として堅調に推移しております。中国におきましては、輸出の伸びや個人消費など、減速傾向にあるものの高水準を維持しました。国内経済におきましては、順調な企業収益を背景とした設備投資の増加や、底堅い内外需を背景として、雇用・所得環境の改善による個人消費の拡大など、穏やかな回復基調が持続しております。一方、景気の先行きについては、今後の米国政権の保護主義的な通商政策や、中国を中心とした新興国経済の不確実性の懸念など、依然として不透明感を払拭できない状況となっております。

 このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、高い生産量に対応するために、積極的な負荷調整をおこない生産リソースの最適な配分による内製化率の拡大や、サプライチェーン全体の更なる効率化を進めるなど生産体制の強化とコスト低減を図ってまいりました。また、海外子会社との連携により、国内、アジア、北米地域を中心とした既存の市場に加え、欧州市場の開拓などグローバルな営業活動を展開してまいりました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は941億63百万円(前期比16.9%増)となり、営業利益は93億71百万円(前期比13.6%増)、経常利益は92億47百万円(前期比15.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は66億66百万円(前期比13.2%増)となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。

 当社グループの経営方針・経営戦略および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきまし

しては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載されているとおりであります。

 

 事業部門別の営業概況は以下のとおりであります。

①自動車関連生産設備事業
 自動車関連生産設備事業におきましては、米国市場での自動車需要の減速や中国市場での小型車の減税措置の終了により成長が鈍化する一方で、世界的な需要については、アジアを中心とした新興国市場にけん引され、引き続き堅調に推移する中、パワートレイン関連、電気自動車(EV)関連、自動車部品関連の受注案件を予定どおり売上げました結果、売上高は349億55百万円(前期比15.5%増)となりました。

②半導体関連生産設備事業
 半導体関連生産設備事業におきましては、IoT関連の普及や自動運転技術の進歩に伴い、産業機械向けおよび車載向けなど半導体需要の増加から設備投資につきましても拡大し、シリコンウェーハ搬送設備案件を予定どおり売上げました。これに加え、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイにつきましては、スマートフォンでの採用の拡大など本格的な供給開始を背景として、有機EL関連の蒸着装置案件の売上高が堅調に推移しました。これらの結果、売上高は373億38百万円(前期比15.6%増)となりました。

③家電関連およびその他生産設備事業
 家電関連およびその他生産設備事業におきましては、白物・小型家電を中心としまして、インドや東南アジア諸国などの新興国での需要の増加や国内での高付加価値製品が堅調に推移する中、白物家電を中心とした組立設備案件を予定どおり売上げました。これらの結果、売上高は175億69百万円(前期比15.9%増)となりました。

 

 セグメントの状況は以下のとおりであります。

①日本

 日本におきましては、自動車のパワートレイン関連、EV関連、自動車部品関連設備や、有機EL関連の蒸着装置案件の売上高が堅調に推移しました。損益面におきましても、売上高の増加に加え、内部リソースの有効活用による内製化率の拡大や仕入体制の見直しなど、コスト低減活動を進めてまいりました結果、売上高は739億42百万円(前期比11.0%増)、営業利益は83億88百万円(前期比22.9%増)となりました。

②アジア

 アジアにおきましては、家電関連および半導体関連などの案件を予定どおり売上げました結果、売上高は91億56百万円(前期比48.5%増)、営業利益は6億37百万円(前期比6.8%減)となりました。

③北米

 北米におきましては、自動車メーカー向けの案件を中心として、売上高は堅調に推移しましたが、仕入高や、人件費などの固定費が増加しました結果、売上高は101億89百万円(前期比45.7%増)、営業利益は3億76百万円(前期比46.8%減)となりました。

④欧州

 欧州におきましては、欧州市場の緩やかな景気回復基調が続く中、自動車関連設備および家電関連設備を中心として受注状況は改善しておりますが、依然として厳しい状況で推移しました結果、売上高は8億74百万円(前期比10.1%増)、営業利益は10百万円(前期比79.8%減)となりました。

 

 当社グループの当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて76億56百万円増加し、959億3百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金の増加26億12百万円、受取手形及び売掛金の増加48億68百万円、電子記録債権の減少16億78百万円、たな卸資産の増加7億14百万円であります。

 負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて113億54百万円減少し、493億20百万円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金の減少19億95百万円、電子記録債務の減少20億86百万円、短期借入金の減少29億13百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少11億50百万円、未払法人税等の減少13億23百万円、前受金の減少16億31百万円、長期借入金の減少7億63百万円であります。

 純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて190億10百万円増加し、465億82百万円となりました。その主な内訳は、資本剰余金の増加118億70百万円、自己株式の減少10億81百万円であります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末の30.9%から48.1%となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて6億12百万円増加し、89億23百万円となりました。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動による資金は、19億32百万円の減少となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益92億42百万円に対して、売上債権が32億43百万円増加、仕入債務が41億94百万円減少、法人税等の支払額による支出35億16百万円等によります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出18億88百万円、定期預金の預入による支出20億円等により、44億25百万円の減少となりました。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動による資金は、69億90百万円の増加となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出45億14百万円、自己株式の売却による収入129億53百万円等によります。

 

(3)資本の財源および資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、建物及び機械装置等の設備投資によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関の長期借入を基本としております。

 当連結会計年度末における借入金の残高は209億74百万円、ならびに当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は89億23百万円となっております。

 

 

(4)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

前期比(%)

日本(千円)

73,918,566

109.0

アジア(千円)

8,695,719

145.9

北米(千円)

11,873,807

177.4

欧州(千円)

891,565

95.7

合計(千円)

95,379,658

117.2

 (注)1.金額は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  ②受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

前期比(%)

受注残高

前期比(%)

日本(千円)

73,299,699

95.8

32,602,219

98.1

アジア(千円)

11,287,368

189.7

5,728,482

159.2

北米(千円)

7,505,544

67.9

5,593,761

67.6

欧州(千円)

999,224

125.3

557,038

128.8

合計(千円)

93,091,837

98.7

44,481,502

97.6

 (注)1.金額は、販売価格によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  ③販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

前期比(%)

日本(千円)

73,942,708

111.0

アジア(千円)

9,156,458

148.5

北米(千円)

10,189,815

145.7

欧州(千円)

874,578

110.1

合計(千円)

94,163,561

116.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)

相手先

金額(千円)

割合(%)

キヤノントッキ株式会社

19,015,512

23.6

 

当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)

相手先

金額(千円)

割合(%)

キヤノントッキ株式会社

20,722,604

22.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、省エネルギー・クリーンを基本思想とした組立搬送分野において高速・高精度組立技術の強化を図ってまいります。加えて、今後の事業の中心となる戦略分野での要素技術の習得および新商品の開発を積極的におこなっております。

当社では、研究開発本部、商品事業推進部、デバイスセンターロボット部を中心とした研究開発体制に加え、受注生産型ビジネスを展開するなかで、顧客からの内示・注文により、各事業部門における生産活動を通して研究・開発をおこなうというスタイルを取っております。

当連結会計年度の研究開発費は、上記体制のもとに総額7億84百万円となりました。

研究開発本部による産学連携プロジェクトでは、平成28年8月8日には熊本大学と包括連携協定を締結し、平田機工株式会社の県内生産拠点、機械技術および生産技術等と、熊本大学の地方創生推進事業、医薬系部局および理工系部局等において人的・知的資源の融合を推進することにより、新規ビジネス創造を目指した新技術に関する研究開発をスタートいたしました。

商品事業推進部では、商品販売型社業の中で生まれてきた機能ユニットを単品外販するための商品開発もおこなっており、株式会社ミスミの販売サイトに掲載するユニット事例集「inCAD Library」を通した搬送コンベヤやエコ電動ストッパー販売、商品開発業務委託への取組みなど、単品商品販売事業を拡大しております。

デバイスセンターロボット部では、近年自社製ロボットの自社装置への組み込みに注力しており、3Dピッキングや垂直多関節、IoT機能など高付加価値なロボット応用製品の拡充に取組んでおります。また、価格競争力のあるスカラ型ロボットの開発により、中国の当社子会社である平田机工自動化設備(上海)有限公司にて平成29年7月から日本と同様にスカラ型ロボットを生産・販売できるようになりました。中長期的に中国ロボット市場の需要を取り込めるよう、さらなる開発を進めております。

半導体分野では、有機EL製造装置など半導体業界における個別クライアントの仕様やニーズに柔軟に対応した付加価値の高い製品の開発を進めております。平成29年9月からはスマートフォンのベゼルレス化(狭額縁)に対応した有機EL・液晶パネル用新型レーザーパネル切断システムの国内外への販売を開始いたしました。

今後は自動車分野でも、EV市場で必要となるプロセス装置技術を確立するために研究開発活動をおこなう予定です。