文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(2020年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、常に最新のテクノロジーに対応した生産エンジニアリングとものづくり力という総合力から、世界の様々な業界のお客様に生産システムを核としたトータルソリューションを提供し、全てのステークホルダーにおける価値の向上とその適正な還元をもって社会貢献を果たすことを使命としております。その使命を果たすために、より一層のグループ一体経営「One Hirata」により経営基盤の安定化に取組んでまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループの事業が立脚する生産設備市場は、国内外の経済情勢や政策、法規制の動向など外部環境の変化によって大きな影響を受ける傾向があります。米中貿易協議の長期化、世界景気減速に加え、深刻な新型コロナウイルス感染症の流行による世界経済の先行き不透明感からの、顧客工場の稼働停止・閉鎖、設備投資計画の先送りなどは、当社グループの経営環境にも多大な影響をおよぼしております。
2020年3月期においては、グローバルな設備投資が抑制される中、個別案件の高採算性を確保した選択的な受注が厳しい状況から、中期経営計画で目標とする売上高・営業利益から著しい乖離が発生しております。2021年3月期においては、新型コロナウイルス感染症による影響が依然収まらない厳しい状況下に対して、複数の事業組織をビジネスユニットで束ねた新組織体制にて、より一層の経営資源の有効活用を図りながら、中期経営計画の狙いである継続的な成長に向けて取組んでまいります。
主力事業では、CASE(注)を意識したスピーディなグローバル対応、現地対応に加え、既存顧客との関係維持・深耕、新規顧客獲得のための技術提案力、価格競争力の向上などに、グループ一丸となって取組んでいきます。その一環として、生産設備の電動化を推進する「エコ電動シリーズ」およびモーターの開発・販売を進めております。一方で、既存事業の収益モデルの将来的な変化に備え、新規事業の創出に向けた研究開発に継続して取組んでいきます。
(注)CASE:自動車における技術・社会的な変化を示すキーワードで、Connected(つながる)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動化)を意味する言葉です。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「中期経営計画(2018-2020年度)」において、最終年度に向けた目標として、連結売上高1,000億円台の定着、営業利益率10%以上、設備投資等の3年間累計額150億円、研究開発費の3年間累計額50億円を掲げております。
[リスク管理の方針・概要]
当社グループは、全てのステークホルダーのご期待に応えるため、また企業としての社会的責任に応えるため、事業活動に関わる種々のリスクを的確に把握し、適時適切に対応することで経営への影響を低減することが肝要と考えております。
なお、リスク管理の概要につきましては、「4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項」に記載しております。
[主要なリスク]
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(2020年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)市場環境等の変化に係るリスク
当社グループは、自動車・半導体・家電関連企業およびそれ以外の多分野にわたる製品の生産企業から生産設備を受注しております。国内外の経済情勢の変動や顧客製品のライフサイクルが下降トレンドに入ること等によって、これら取引先企業の設備投資状況に変化があれば、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
また、当社の技術力は顧客から高い信頼を得ておりますが、仮に急激な技術革新の進歩に遅れるような事態が発生した場合、受注が確保できない恐れがあり当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクへの対策として、あるひとつの事業分野が好調であっても、その事業のみに資本を集中させることを避け、複数の事業を並行して推進することによって、特定の事業分野における製品のライフサイクルの循環等による経営への影響を低減させております。
また、常に技術革新を図る意識を活性化するため、各事業部門による技術交流会の実施や技術賞の授与等によって技術者の意識の活性化を図ると共に、改善提案等によるコスト低減に取組み、顧客ニーズに見合う製品の開発、他社との競争に勝ち抜く体質の強化を進めております。
(2)法規制等に係るリスク
当社グループは、事業活動を展開するにあたり、種々の法規制に適切に対応するよう努めております。
しかし、特に海外での事業活動においては、行政当局等との法令解釈の相違等、意図せぬ形での違反行為を犯すリスクを完全には排除しきれません。違反行為との判断が下された場合、多額の費用負担の発生および企業イメージに悪影響を与える可能性があります。
また、新たな法規制等に対応するにあたり、多額の費用が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンス憲章において、「あらゆる企業活動において、関係法令および社内規程を常に遵守し、すべての企業活動が社会倫理に適合したものとなるよう努める」旨を明記するとともに、リスク管理委員会の設置を始め、コンプライアンスに関する各種研修の実施等により、会社や従業員の法令違反の可能性を低減する取組みをおこなっております。
(3)重要な訴訟の発生に係るリスク
①知的財産権に係るリスク
当社グループが知的財産権を保有する製品等について、他社がその権利を侵害するリスクは常時存在し、それを完全に排除することは困難であります。同時に他社が保有する知的財産権を完全に把握することもまた困難であり、意図せずして当社グループが他社の権利を侵害する可能性も否定しきれません。当社では、知的財産権の保護および他社所有の権利侵害の防止に努めておりますが、損害賠償請求や当該知的財産権に基づく使用差止め等の訴訟が発生する可能性を無くすことはできず、訴訟の結果、敗訴となった場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社は法務部門内に知的財産権管理の専任担当部署を置き、特許や登録商標等の出願や維持業務をおこなうと共に、係争への対応に備えることで損失の最小化に努めております。
具体策としては、設備受注前の引合段階や、受注後の企画、設計および製造等の各段階において、事業部や開発部門と知的財産権管理の専任担当部署とで連携して先願調査をおこない、当社の製品や製造方法が他社の知的財産権を侵害していないことを確認するなどによって、他社が保有する知的財産権の侵害を未然に防いでおります。
②製造物責任に係るリスク
当社は、国際標準化機構(ISO)が定める品質管理基準に基づいて生産設備の生産をおこなっており、当該設備を使用する作業者の安全面についても、ハード・ソフトの両面における配慮に努めております。
しかし、機械の誤操作や誤作動等により、作業者の安全を完全には確保しきれないおそれがあり、瑕疵担保責任を追及される可能性を排除しきれません。
なお、当社は製造物責任賠償保険に加入しておりますが、事故の内容等によっては賠償額を十分に補填できない可能性があります。
その結果、製造物責任訴訟等を提起される可能性があり、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、前記の取組みの他、製品の納入先の国や地域が定めるCEマーキング、UL508A等の安全関連の基準を満たす設備を納入すると共に、社員や顧客に対しても安全面にも十分配慮した操作やメンテナンス方法の説明をおこなうことで、事故の発生を未然に防止する取組みをおこなっております。
(4)情報管理に係るリスク
当社グループおよび取引先等の機密情報および個人情報の情報漏洩を防止するため、社内LANへの不正アクセスを防止するシステムの導入や社内規程の整備、従業員への教育等の施策を適宜実施しております。しかし、強力なコンピュータ・ウィルスの侵入等、予期せぬ事態によって情報漏洩が起こる可能性を完全に除去することはできません。万が一、情報漏洩が起きた場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、電子情報の取り扱いや情報機器の管理等に関して規程上に定めると共に、情報総括管理責任者を委員長として情報セキュリティ事故についての対応や関連規程の改廃等に関する事項等の審議、検討をおこなうことを目的とした情報セキュリティ委員会を設置して、リスクの回避および問題発生時の対応に備えております。
(5)環境問題に係るリスク
当社は、品質と共に、環境についても国際標準化機構が定める管理基準に基づいた生産活動をおこなっており、環境基本法等の関連法令を遵守して汚染物質の漏洩防止や廃棄物の減量等、環境負荷の低減に努めております。この取組みの結果、現在までに、当社が周辺環境に対して重大な問題を生じさせたことは一切ありません。
しかし、恒久的に環境問題が発生しないとの保証はなく、それが生じた場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社は独自に定めた環境方針のもと、経営者、環境管理責任者をトップとした環境マネジメントシステム(EMS)推進体制を構築しております。この体制の下、環境負荷の把握・低減を進めるべく、地球温暖化対策、資源の有効活用、化学物質管理等について目標を定め、それぞれの目標に沿ってエネルギー投入量、水資源投入量、PRTR法対象物質使用量、CO2排出量、産業廃棄物排出量等の環境負荷を測定し、当社ウェブサイトにも結果を掲載しております。
なお、EUの有害物質規制であるRoHS指令、REACH規則などの国内外の化学物質関連法規制に対応するため、半導体関連・医療関連製品や量産品を中心に製品に含まれる化学物質の管理強化を進めております。
また、2019年度より、製品含有化学物質管理システムの導入および運用を開始し、これに伴い従来に比べ、対象を拡大しての調査が可能になり、取引先のご協力により化学物質含有状況の把握を進めることができました。
なお、当社および子会社タイヘイテクノス株式会社においては、敷地内にそれぞれ1,000kw以上の電力容量を持ついわゆるメガソーラーと呼ばれる規模の太陽光発電システムを設置しており、環境負荷低減などの面から社会に貢献しております。
(6)為替相場変動によるリスク
当社は、海外企業との取引に際し、契約条件によっては米ドルもしくは現地通貨にて会計処理をおこなう場合があり、その結果、円換算時の為替レートにより、為替差損益が発生する場合があり、為替相場の変動が当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、海外の顧客との取引開始時点において円貨での取引を提案し、為替相場変動によるリスク回避に努めており、円貨での取引ができない場合には受注時点で為替予約等によるリスクヘッジの取組みをおこなっております。
(7)海外での事業活動に係るリスク
当社グループは、北米、欧州、アジアに子会社を置き、世界的な事業展開を推進しております。これらの子会社では、現地国の政治動向の急激な変化、予想しない法律または規制の変更、テロ・戦争、感染症等による社会的混乱等の影響を受ける可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、定期的に、また必要に応じて当社と国内外の子会社との間で情報交換をおこない、各社の経営状況の他、周辺環境の変化等についても積極的に情報の共有を図り、問題の早期把握と対応に注力しております。
(8)労使関係に係るリスク
当社グループにおける労使関係は正常かつ円満に推移しております。しかし、将来において、特に海外の国または地域では、日本国内と異なる労使慣行の相違等により、予期せぬ労使関係の悪化、労働争議等が発生する可能性を否定できません。それが発生した場合、一部の子会社については事業展開に悪影響をおよぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では労使協議制に基づき、定期的に労使協議会等を実施しております。この協議会では会社側より時間外労働の状況や業績の動向の説明をおこなうと共に、労働組合側からの意見や要望等に基づく協議をおこない、課題については改善、改革を進めることで今後も健全な労使関係を維持してまいります。
(9)災害等に係るリスク
それぞれの事業拠点において大規模な災害等が発生した場合には、工場設備や情報機器の損壊、電力・水道等インフラの停止、物流網の寸断等により事業活動の停止を余儀なくされる可能性があり、その場合、当社グループの業績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、予期せぬ災害や大規模な事故発生等の問題が事業の継続を危うくするような事態を避けるために、事前に想定されるリスクを抽出し、そのリスクの防止、防衛、低減を図ることで事業継続、さらに顧客へのリスクを緩和すると共に短期間での事業回復を図るため、いわゆるBCP(事業継続計画)を設定し、災害等への対応に備えております。
平常時には、法規制に基づく設備の点検、危険物の適切な保管管理、消火設備の充実、避難・防災訓練、各種の安全教育活動による啓発活動、各地区の安全衛生委員会による安全パトロール、緊急用備蓄品の保管等をおこなうと共に、災害発生時にはモバイル機器等で即時に社員の安否確認がおこなえるシステムを導入しており、また対策本部の設置、緊急連絡等がおこなえる体制を整備しております。
2020年年初からの世界的な新型コロナウイルスによる感染症拡大につきましては、1月中に感染症拡大地域への渡航禁止措置をとる等した上、2月には正式にBCP対策本部を立ち上げました。BCP対策本部は、責任者を代表取締役社長、指揮者を常務執行役員管理本部長として、各部署で指名した担当者との連携により、感染防止の対策にあたっております。具体的な対策例としましては、在宅勤務の実施、国内外の出張の制限、20名以上での会議の禁止、食堂の食事提供の停止、不要不急の来訪のお断り、来訪者の検温、各職場の換気および定期的な消毒、各事業所へのマスクの配備、海外出張者の帰国時の宿泊先確保等のサポート、社員等に感染者が出た場合の情報ルートおよび開示方法の確認、これら対策に関する社員への通知、社内イントラネット上での情報開示等、各種感染予防および社員へのサポートに注力いたしております。
また、取締役会においても2月から毎月、これらの対策状況の報告により役員間で情報を共有した上、更なる対策の必要性や当期業績への影響について議論をおこなっております。当期業績予想につきましては、当社顧客が世界各国の様々な業種に渡っており、各市場の動向や顧客の設備投資計画等について見通しが困難であることから、当報告書発行時点においては発表しておりません。今後、情報のさらなる収集と分析により、見通しが可能となった時点で速やかに業績予想を発表する予定です。
(10)財務制限条項に係るリスク
当社は2020年3月末日現在、多通貨での借入および海外関係会社の安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額45億円のグローバル・コミットメントラインの契約を締結しております。2020年3月末日の実行残高はありません。
同契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①国内借入人に関し、当事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、
(i)2017年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額、または(ii)直前の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。
②国内借入人に関し、連結損益計算書に記載される営業損益を2期連続して損失としないこと。
また、当社は2020年3月末日現在、多通貨での安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額15億円のコミットメントライン契約を締結しております。2020年3月末日の実行残高はありません。
同契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①借入人は、当事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額を、直前の事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の80%以上に維持すること。
②借入人は、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
さらに、当社は2020年3月末日現在、資金調達の安定性を高めることを目的として、銀行2行を貸付人として、それぞれ総貸付極度額10億円と20億円のコミットメントライン契約(特定融資枠)を締結しております。2020年3月末日の実行残高はそれぞれ2億円であります。
上記の2つの契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①借入人は、当事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額を、直前の事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の70%以上に維持すること。
②借入人は、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
当社が仮に上記のコミットメントライン契約およびグローバル・コミットメントライン契約の制限条項に抵触し、上記の契約による融資を受けられなくなった場合でも、同契約以外での融資を受けられる環境にあり、ただちに資金繰りが逼迫する事態となる可能性は低いと考えております。
しかし、資金運用の効率性や、資金的な緊急事態の発生可能性を考慮すれば、上記の契約による融資は重要であり、それが受けられなくなった場合、当社グループの財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループの事業展開において、海外関係会社の安定した資金調達のためにはグローバル・コミットメントラインの契約は重要であり、財務制限条項に抵触する事態が発生しないよう、更なる営業利益の確保、財務体質の強化を図ってまいります。
(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済情勢は、米国におきましては、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費は底堅く推移したものの、通商政策を巡る不確実性の高まりから外需や設備投資が弱含み、景気は減速傾向となりました。欧州におきましては、自動車関連を中心に製造業の低迷が長期化する中、企業の投資マインドが低下し、景気回復が鈍化しました。中国におきましては、米中貿易摩擦の影響で設備投資が伸び悩み、個人消費も落ち込みました。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、世界的に景気の下押しリスクが強まりました。わが国の経済におきましては、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に設備投資や個人消費は緩やかに回復しましたが、世界経済の減速などの影響を受け輸出や生産が弱含んだことにより、総じて景気は横ばいで推移しました。一方、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱問題などに加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による経済活動への影響が懸念されており、景気の先行きは不透明感を強めております。
このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、成長市場・分野における事業拡大に向けて、グループ各社と連携しながら積極的な営業活動を展開し、内製化の拡大やグローバルな生産体制の整備など、コスト競争力の強化に全力で取組んでまいりましたが、世界経済の減速を背景に主に海外顧客の設備投資に対する抑制の動きが強まったことで、売上高は前期を下回る水準で推移しました。この結果、当連結会計年度における売上高は656億12百万円(前期比15.1%減)となり、営業利益は27億36百万円(前期比56.2%減)、経常利益は28億61百万円(前期比54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億44百万円(前期比62.4%減)となりました。なお、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は軽微でありました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきまして、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループの経営方針・経営戦略および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
事業部門別の営業概況は以下のとおりであります。
①自動車関連生産設備事業
自動車関連生産設備事業におきましては、自動車の電動化に伴う電子部品の需要拡大を背景に国内の自動車部品メーカー向け案件の売上高が堅調に推移しましたが、北米や欧州の完成車メーカーで設備投資への慎重姿勢が強まったことで、売上高は低調に推移しました。この結果、売上高は232億25百万円(前期比29.1%減)となりました。
②半導体関連生産設備事業
半導体関連生産設備事業におきましては、中国を中心に液晶パネル関連への設備投資が一巡した影響から液晶パネル関連生産設備の売上高が弱含んだものの、第5世代移動通信システム(5G)の実用化に向けた需要増などを背景にシリコンウェーハ搬送設備案件は堅調に推移しました。また、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)関連の需要が中国や韓国で回復したことで有機EL蒸着装置案件の売上高は前期を上回る水準で推移しました。この結果、売上高は261億66百万円(前期比0.9%増)となりました。
③家電関連およびその他生産設備事業
家電関連およびその他生産設備事業におきましては、タイヤ関連生産設備は堅調に推移したものの、白物家電関連の設備投資が一服したことで売上高は低調に推移しました。この結果、売上高は132億40百万円(前期比21.1%減)となりました。
セグメントの状況は以下のとおりであります。
①日本
日本におきましては、完成車メーカーに設備投資を抑制する動きが強まったことやタイヤ関連の生産時期が後ろ倒しになったことなどにより売上高、利益ともに前期を下回りました。この結果、売上高は535億9百万円(前期比8.0%減)、営業利益は30億82百万円(前期比39.4%減)となりました。
②アジア
アジアにおきましては、白物家電関連の設備投資が一巡したことで売上高が減少したことに加え、価格競争が激化したことなどにより原価率が上昇しました。この結果、売上高は74億61百万円(前期比7.1%減)、営業利益は8億66百万円(前期比21.7%減)となりました。
③北米
北米におきましては、完成車メーカーによる設備投資への手控えが継続したことで、売上高、利益ともに厳しい状況で推移しました。この結果、売上高は40億14百万円(前期比48.5%減)、営業損失は10億47百万円(前期は1億69百万円の営業損失)となりました。
④欧州
欧州におきましては、自動車関連を中心とした製造業の業績悪化等を背景に投資抑制が強まったことで受注が伸びず、売上高、利益ともに低調に推移しました。この結果、売上高は6億26百万円(前期比81.2%減)、営業損失は1億25百万円(前期は1億29百万円の営業利益)となりました。
財政状態の概況は以下のとおりであります。
(資産)
当社グループの当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて51億64百万円減少し、854億9百万円となりました。その主な内訳は、売上高の減少および売上債権の回収が進んだことによる受取手形及び売掛金の減少64億45百万円、新本社工場建設による建設仮勘定の増加17億78百万円であります。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて55億46百万円減少し、384億16百万円となりました。その主な内訳は、生産減少による電子記録債務の減少10億26百万円、売上債権の回収が進み、かつ、資金需要が落ち着いたことによる短期借入金の減少12億44百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少55億97百万円、長期借入金の増加25億16百万円であります。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて3億82百万円増加し、469億93百万円となりました。その主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上17億44百万円および配当金の支払い12億97百万円による利益剰余金の増加4億48百万円であります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末の50.9%から54.4%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて3億65百万円減少し、109億72百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、80億94百万円の増加となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益28億81百万円に対して、売上高の減少および売上債権の回収が進んだことによる売上債権の減少56億79百万円、生産減少による仕入債務の減少15億3百万円、法人税等の支払額9億88百万円等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、新本社工場建設に伴う有形固定資産の取得による支出25億80百万円等により、26億29百万円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、57億19百万円の減少となりました。主な要因は、売上債権の回収が進み、かつ、資金需要が落ち着いたことによる短期借入金の減少12億27百万円、長期借入れによる収入48億円、長期借入金の返済による支出78億80百万円等によります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、建物及び機械装置等の設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関の長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における借入金の残高は145億37百万円、ならびに当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は109億72百万円となっております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(2020年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたり、見積もりが必要となる事項につきましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りをおこなっております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しをおこなっておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
工事進行基準
進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準を適用しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額および連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、案件ごとの原価見積りを使用しておりますが、原価見積りの策定にあたっては、工事等の完成のために必要となる作業内容および工数の見積りに不確実性を伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による業績への影響は軽微でありました。
また、2021年3月期の連結財務諸表につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しが立っておらず、顧客の設備投資の動向が不透明な状況の中、現時点で合理的に見積りおよび予測をおこなうことは困難な状況であります。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
|
日本 (千円) |
54,041,240 |
92.1 |
|
アジア(千円) |
7,429,135 |
91.4 |
|
北米 (千円) |
4,564,487 |
71.1 |
|
欧州 (千円) |
718,207 |
22.3 |
|
合計(千円) |
66,753,071 |
87.3 |
(注)1.金額は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
日本 |
59,336,202 |
128.5 |
26,449,342 |
128.3 |
|
アジア |
5,649,509 |
85.3 |
2,512,482 |
58.1 |
|
北米 |
5,751,598 |
95.5 |
5,560,408 |
145.4 |
|
欧州 |
663,744 |
18.5 |
852,742 |
104.6 |
|
合計 |
71,401,055 |
114.4 |
35,374,976 |
119.6 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
|
日本 (千円) |
53,509,836 |
92.0 |
|
アジア(千円) |
7,461,544 |
92.9 |
|
北米 (千円) |
4,014,818 |
51.5 |
|
欧州 (千円) |
626,106 |
18.8 |
|
合計(千円) |
65,612,306 |
84.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
|
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
キヤノントッキ株式会社 |
9,395,561 |
14.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
当社グループは、中期経営計画(2018-2020年度)の基本的な原則に基づき、当社製品の競争力および付加価値を高めるために、新たな市場への進出や事業分野の拡大、新商品販売や新規事業創出を目指し、研究開発活動に積極的に取組んでいます。
当社グループの研究開発活動は、自動車関連分野や半導体関連分野等の生産システムの開発、搬送コンベアや操作盤等のユニット商品や基幹部品の開発、当社生産システムへの組込みや外販向けロボットの開発、新規事業分野に向けた研究開発活動等に関するものであります。
当連結会計年度における研究開発費は、総額
自動車関連分野では、日本、北米、欧州、中国の自動車メーカーおよび新規参入メーカーからのさらなる受注獲得を目指し、EVおよび自動車部品関連設備の研究開発に注力しております。
半導体関連分野では、有機EL製造装置など半導体業界におけるお客様ごとの仕様やニーズに柔軟に対応した付加価値の高い製品の開発を進めております。また、IoTやAIの活用、第5世代移動通信システム(5G)への移行に伴い、半導体製品の需要は増加傾向にあり、このような市場環境の変化を見据えた装置開発をおこないます。
商品開発分野では、エアーレス化・低推力化・DC24V化・コントローラーレス化を商品開発コンセプトとして、関係部門で協業しながら、市場ニーズにマッチしたコンベアや電動化ユニット、標準制御ユニット、モーターなどの開発を継続しておこない、商品ラインナップを拡大します。
ロボット分野では、前年度の3Dピッキングや垂直多関節、IoTやシミュレーション機能への取組みに加え、生産設備システムインテグレーターとしての当社グループの知見を生かした高可搬垂直多関節ロボットやコントローラー、付加価値の高いロボット応用製品等の開発を進めていきます。
研究開発分野では、新規事業の創出を目指し、研究開発活動を進めてきました。2019年12月、アルゼンチン国立農牧技術院と、機能性食品、化粧品、トイレタリー、医薬品の開発を目的とし、アルゼンチンに自生または入手可能な植物遺伝資源を、共同で収集し評価、共同研究開発、日本への素材移転およびグローバルな商品化を目指す契約を締結しました。2020年4月には、インドネシア農業研究開発庁との間に、植物遺伝資源の探索・利用に関する共同研究開発に関する契約を締結しました。インドネシア共和国の研究機関との共同探索事業を実施し、インドネシア固有の植物および関連した伝承的かつ伝統的な知識を利用して、効率的に生理活性物質を探求し、新しい機能性食品素材、化粧品素材、トイレタリー素材、および医薬品などの開発を目指します。