① 経営方針
当社グループは、「我々は勇敢に技術革新を追求し 人格を養い能力を高め 社会の発展に寄与する」という綱領に基づき、当社グループに関わるすべての人を幸福にするとともに、社会に技術で貢献することを目指しています。1951年の創業以来、時代時代で生まれてくるお客様の商品と同様に、当社グループも常に、新しい技術への挑戦と革新を続けることで、時代の変化に対応してきました。また、新しい市場、新しい顧客、新しい商品技術に関わることで、当社グループは成長し、人格を養い自己の能力を高めてきました。これからも世界市場、世界中の顧客、世界中の商品技術に関わることで、世界で競争できる能力を高めていきます。
② 前中期経営計画の振返り
2021年3月期を最終年度とする前中期経営計画(2018-2020年度)では、経営基盤の強化と継続的な成長に向けて、「受注・生産・開発体制強化」、「既存事業の深耕と拡大」、「成長市場への進出」、「量産型ビジネスの確保と商品化」を基本戦略に掲げ、最終年度に向けた数値目標として、連結売上高1000億円台の定着および営業利益率10%以上を目指しました。実績として、連結売上高は600億円台から700億円台、営業利益率は4%台から8%台で推移し、目標に対して大幅な未達となりました。
「受注・生産・開発体制強化」に対しては、本社新工場建設に伴う生産エリア拡張、生物遺伝資源を用いたビジネス展開に向けた研究と共同研究開発に関する契約などを進めましたが、今後は、生産における稼働率の向上、生物遺伝資源ビジネスの事業化に向けた推進体制の強化が課題と認識しております。
「既存事業の深耕と拡大」「成長市場への進出」に対しては、半導体搬送分野での事業規模拡大、EV分野での大手・新興企業からの受注などを進めましたが、収益性の向上に向けては、案件採算管理のさらなる徹底、顧客ニーズを捉えた技術開発、グループ会社間の協力体制の強化に取り組みます。
「量産型ビジネスの確保と商品化」に対しては、自社開発の小型・高効率DCブラシレスモータ「HIRATA BLUE MOTOR」を採用したエコ電動シリーズ商品のラインアップ拡充を進めました。自動車トップティアメーカーで標準品登録されるなど自動車業界での採用が進みました。環境負荷低減により社会貢献する商品として、生産設備での採用をさらに拡大するには、商品ラインアップ拡充を継続するとともに、自動車業界のメーカー以外にも新たな販路を開拓することが課題と認識しております。
コーポレートガバナンス・コードへの対応につきましては、グループコンプライアンス専任部署の新設により内部統制の充実を進めました。今後は、中長期的な経営戦略等に関して取締役会議論を充実させるとともに、グループ会社を含めた内部統制システムの構築およびリスク管理体制の強化に取り組みます。
③ 外部環境認識
世界的な新型コロナウイルス感染拡大につきましては、国や地域によるばらつきがありながらも、ワクチン普及に伴い総じて回復に向かっております。しかしながら、いまだに感染力の強い変異株が次々と確認されるなど完全な収束には至っておりません。また、エネルギー資源大国であるロシアによるウクライナ侵攻は、今後のエネルギー価格、各国エネルギー政策、カーボンニュートラル社会達成に向けた国際間協力などに影響を及ぼす可能性があり注視すべき状況にあります。
このような不透明な状況下において、確実に見通せる未来として、電気自動車(EV)市場の長期的な拡大があります。世界の政府と自動車業界のリーダーが、地球の気温上昇を抑えるために、電気自動車の普及拡大を約束しており、関連して半導体市場も拡大することが見込まれております。
④ 新中期経営計画の策定
当社グループでは、前中期経営計画(2018-2020年度)の業績未達と、世界的な新型コロナウイルス感染拡大などによる先行き不透明な状況を受けて、当社の目指すべき方向性の検討および課題の振り返りに時間をかけるべきと判断し、新中期経営計画の開示を2021年度から1年先送りし、2022年度を開始年度とする新中期経営計画(2022-2024年度)を策定しました。
新中期経営計画では、グループとしての経営基盤を固め、既存事業で利益を出しながら、成長市場でのビジネス拡大を図る3年間と位置付け、2025年3月期の売上高1000億円、営業利益100億円、営業利益率10%、ROE11%を数値目標に掲げました。資本効率の向上に向けては、資本コスト(WACC)を上回るROICを確保することに取り組みます。
新中期経営計画の策定にあたっては、創業の精神である綱領と経営理念を見つめ直し、「Hirataに関わるすべての人を幸福にするとともに、社会に技術で貢献する」ことこそ当社グループの使命であると考えました。その考え方に基づき、中期的に事業活動を通じて社会課題を解決するための4つの基本方針とその施策を次のように定めました。収益性の強化に向けては、(1)成長市場でのビジネス拡大、(2)グローバル企業としての競争力強化、また、経営基盤の強化に向けては、(3)ESG経営の取り組み強化、(4)ニューノーマル時代に即した経営の実現に取り組みます。
(1)成長市場でのビジネス拡大
・事業ポートフォリオの見直しによる、事業の選択と集中の実施:
-EV市場と半導体市場を成長市場に位置付け資源集中
-FPD、家電、産業用ロボット、搬送設備・自動倉庫、医療・理化学機器、自動車内燃などの既存事業は効率化
の追求
-新規の生物遺伝資源ビジネスを挑戦事業と位置付け社内体制の構築
・EV関連設備事業の戦略・施策:
-バッテリー関連分野の強化に向けた、特化工程の選別、キーデバイスの開発・改良、標準化による商品力強化
など
・半導体関連設備事業の戦略・施策:
-最適な生産体制の実現に向けた、ターゲット分野の明確化、新生産管理システムの導入、生産能力向上、EFEM
の標準品採用
・新規事業創出や事業領域拡充への取り組み:
-生物遺伝資源を活用した研究開発へ継続して取り組み2023年頃に研究開発ラボを本格稼働開始
-オープンイノベーションの活用により既存事業における新領域への進出を加速
-シナジー効果を徹底的に分析し買収後の統合効果を最大化するための統合プロセスを意識したM&Aを本格検討
(2)グローバル企業としての競争力強化
・グローバル対応課題に対しては、グループ内の開発・生産体制の最適化、グループ内の連携強化
・事業取り組み課題に対しては、DXを活用した更なる採算管理の徹底、製品競争力の強化
(3)ESG経営の取り組み強化
企業価値向上に向けたサステナビリティの取り組みにおいては、自社の存在意義・目的である綱領および経営
理念に基づき、サステナビリティ基本方針を策定しました。
加えて、サステナビリティ基本方針に基づき、具体的に取り組むマテリアリティ(重要課題)の特定を進めま
した。E(環境)・S(社会)・G(企業統治)の側面で、「気候変動への対応」「持続可能な社会の構築」「人を
活かす」「経営基盤の強化」の4つの活動テーマを設定し、それぞれのテーマに関連する10のマテリアリティを
特定しました。
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カテゴリー |
4つのテーマ |
10のマテリアリティ(重要課題) |
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E(環境) |
Ⅰ.気候変動 への対応 |
①自社およびサプライチェーン上 の環境負荷低減 |
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②製品・サービスによる カーボンニュートラルへの貢献 |
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S(社会) |
Ⅱ.持続可能な 社会の構築 |
③社会変化に伴う新たな顧客ニーズの創出 |
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④デジタル化の進展への対応 |
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Ⅲ.人を活かす |
⑤人材確保・育成 |
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⑥多様で安全安心な職場づくり |
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Ⅳ.経営基盤の強化 |
⑦製品安全・品質の向上 |
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⑧サプライチェーンマネジメント |
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G(企業統治) |
⑨コーポレート・ガバナンスの強化 |
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⑩リスクマネジメント |
新中期経営計画と連動しながら、このようなマテリアリティに取り組むことで、ステークホルダーの皆さまにお
ける価値を向上させてまいります。サステナビリティ基本方針を含めたサステナビリティの取り組みの詳細は2022
年度中に統合報告書での報告を予定しております。
(4)ニューノーマル時代に即した経営の実現
・業務のDX推進により提供価値を拡大する:
エミュレータを活用したバーチャルコミッショニング、新技術(XR・AI)の活用、リモート立ち合い/リモート
メンテナンス、帳票関連の電子化・クラウド化、工場稼働状況の見える化などへの取り組み
[リスク管理の方針・概要]
当社グループは、全てのステークホルダーのご期待に応えるため、また企業としての社会的責任に応えるため、事業活動に関わる種々のリスクを的確に把握し、適時適切に対応することで経営への影響を低減することが肝要と考えております。
なお、リスク管理の概要につきましては、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項」に記載しております。
[主要なリスク]
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(2022年6月27日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)市場環境等の変化に係るリスク
当社グループは、自動車をはじめとするEV関連・半導体・家電関連企業など多分野にわたる製品の生産企業から生産設備を受注しております。そのため、国内外の経済情勢の変動や新型コロナウイルスによる経済動向の変化、顧客製品のライフサイクルが下降トレンドに入ること等によって、これら取引先企業の設備投資状況に変化が生じた場合、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
また、半導体を中心とする原材料不足による生産計画の遅延、資源価格や原材料価格の上昇、人材不足による労務コスト上昇などが発生した場合、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社の技術力は顧客から高い信頼を得ておりますが、予想を超える急激な技術革新に対応できないような事態が発生した場合、受注が確保できないおそれがあり当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクへの対策として、あるひとつの事業分野が好調であっても、その事業のみに資本を集中させることを避け、複数の事業を並行して推進することによって、特定の事業分野における製品のライフサイクルの循環等による経営への影響を低減させております。
また、常に技術革新を図る意識を活性化するため、各事業部門による技術交流会の実施や技術賞の授与等によって技術者の意識の活性化を図るとともに、改善提案等によるコスト低減に取組み、顧客ニーズに見合う製品の開発、他社との競争に勝ち抜く体質の強化を進めております。
(2)法規制等に係るリスク
当社グループは、事業活動を展開するにあたり、種々の法規制に適切に対応するよう努めております。
しかし、特に海外での事業活動においては、行政当局等との法令解釈の相違等、意図せぬ形での違反行為を犯すリスクを完全には排除しきれません。違反行為との判断が下された場合、多額の費用負担の発生および企業イメージに悪影響を与える可能性があります。
また、新たな法規制等に対応するにあたり、多額の費用が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンス憲章において、「あらゆる企業活動において、関係法令および社内規程を常に遵守し、すべての企業活動が社会倫理に適合したものとなるよう努める」旨を明記するとともに、リスク管理委員会の運用、コンプライアンスに関する各種研修の実施、実態調査による確認等により、会社や従業員の法令違反の可能性を低減する取組みをおこなっております。
(3)重要な訴訟の発生に係るリスク
①知的財産権に係るリスク
当社グループが知的財産権を保有する製品等について、他社がその権利を侵害するリスクは常時存在し、それを完全に排除することは困難であります。同時に他社が保有する知的財産権を完全に把握することもまた困難であり、意図せずして当社グループが他社の権利を侵害する可能性も否定しきれません。当社では、知的財産権の保護および他社所有の権利侵害の防止に努めておりますが、損害賠償請求や当該知的財産権に基づく使用差止め等の訴訟が発生する可能性を無くすことはできず、訴訟の結果、敗訴となった場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社は法務部門から知的財産権管理の専任部署を知財部として独立させ、特許や登録商標等の出願や維持業務をおこなうとともに、係争への対応に備えることで損失の最小化に努めております。
具体策としては、設備受注前の引合段階や、受注後の企画、設計および製造等の各段階において、事業部や開発部門と知的部とで連携して先願調査をおこない、当社の製品や製造方法が他社の知的財産権を侵害していないことを確認するなどによって、他社が保有する知的財産権の侵害を未然に防いでおります。
②製造物責任に係るリスク
当社は、国際標準化機構(ISO)が定める品質管理基準に基づいて生産設備の生産をおこなっており、当該設備を使用する作業者の安全面についても、ハード・ソフトの両面における配慮に努めております。
しかし、当該設備の誤操作や誤作動等により、作業者の安全を完全には確保しきれないおそれがあり、製造物責任を追及される可能性を排除しきれません。
その結果、製造物責任訴訟等を提起される可能性があり、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
なお、当社は製造物責任賠償保険に加入しておりますが、事故の内容等によっては賠償額を十分に補填できない可能性があります。
当社では、前記の取組みの他、製品の納入先の国や地域が定めるCEマーキング、UL508A等の安全関連の基準を満たす設備を納入するとともに、社員や顧客に対しても安全面にも十分配慮した操作やメンテナンス方法の説明をおこなうことで、事故の発生を未然に防止する取組みをおこなっております。
(4)情報管理に係るリスク
当社グループおよび取引先等の機密情報および個人情報の情報漏洩を防止するため、社内LANへの不正アクセスを防止するシステムの導入や社内規程の整備、従業員への教育等の施策を適宜実施しております。しかし、強力なマルウェア(コンピュータウィルス等)の侵入等、予期せぬ事態によって情報漏洩が起こる可能性を完全に排除することはできません。万が一、情報漏洩が起きた場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社においては、2021年11月および2022年3月に情報セキュリティインシデントが発生し、従業員情報の一部が漏洩しましたが、大きな損害にはつながっていません。このように高度化する情報セキュリティの脅威に対応するため、情報セキュリティ基本方針、社内規程や対応マニュアルの見直し、役員や従業員への教育、サイバー攻撃を想定した訓練、およびマルウェア感染対策の強化を実施し、再発防止に努めています。万が一、マルウェア感染などの情報セキュリティインシデントが発生したとしても、迅速で適切な対応ができるようマニュアルを整備しています。
また、当社グループでは、情報セキュリティ統括責任者を委員長とする情報セキュリティ委員会にて情報セキュリティ管理を推進する体制を構築し、定期的なアセスメントを通して、情報セキュリティ管理レベルの維持・向上に努めています。
(5)環境問題に係るリスク
当社は、製品の省電力化を通し、設備稼働時のCO2排出量の削減を実現させるなど、環境に配慮した製品開発をおこなうとともに、品質や環境についても国際標準化機構が定める管理基準に基づいた生産活動をおこなっており、環境基本法等の関連法令を遵守して汚染物質の漏洩防止や廃棄物の減量等、環境負荷の低減に努めております。この取組みの結果、現在までに、当社が周辺環境に対して重大な問題を生じさせたことは一切ありません。
しかし、恒久的に環境問題が発生しないとの保証はなく、それが生じた場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社は独自に定めた環境方針のもと、経営者、環境管理責任者をトップとした環境マネジメントシステム(EMS)推進体制を構築しております。この体制の下、環境負荷の把握・低減を進めるべく、地球温暖化対策、資源の有効活用、化学物質管理等について目標を定め、それぞれの目標に沿ってエネルギー投入量、水資源投入量、PRTR法対象物質使用量、CO2排出量、産業廃棄物排出量等の環境負荷を測定し、当社ウェブサイトにも結果を掲載しております。
なお、EUの有害物質規制であるRoHS指令、REACH規則などの国内外の化学物質関連法規制に対応するため、半導体関連・医療関連製品や量産品を中心に製品に含まれる化学物質の管理強化を進めております。
なお、当社および子会社タイヘイテクノス株式会社においては、敷地内にそれぞれ1,000kw以上の電力容量を持ついわゆるメガソーラーと呼ばれる規模の太陽光発電システムを設置しており、環境負荷低減などの面から社会に貢献しております。
(6)為替相場変動によるリスク
当社は、海外企業との取引に際し、契約条件によっては米ドルもしくは現地通貨にて会計処理をおこなう場合があり、その結果、円換算時の為替レートにより、為替差損益が発生する場合があり、為替相場の変動が当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、海外の顧客との取引開始時点において円貨での取引を提案し、為替相場変動によるリスク回避に努めており、円貨での取引ができない場合には受注時点で為替予約等によるリスクヘッジの取組みをおこなっております。
(7)海外での事業活動に係るリスク
当社グループは、北米、欧州、アジアに子会社を置き、世界的な事業展開を推進しております。これらの子会社では、現地国の政治動向の急激な変化、予想しない法律または規制の変更、テロ・戦争、感染症等による社会的混乱等の影響を受ける可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
新型コロナウイルスによる感染症防止策に伴う物的、人的移動が困難になったことで、顧客の設備投資が一時的に変更されたケースもありましたが、当社グループでは、定期的に、また必要に応じて当社と国内外の子会社との間で情報交換をおこない、各社の経営状況の他、周辺環境の変化等についても積極的に情報の共有を図り、問題の早期把握と対応に注力しております。
(8)労使関係に係るリスク
当社グループにおける労使関係は正常かつ円満に推移しております。しかし、将来において、特に海外の国または地域では、日本国内と異なる労使慣行の相違等により、予期せぬ労使関係の悪化、労働争議等が発生する可能性を否定できません。それが発生した場合、一部の子会社については事業展開に悪影響をおよぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では労使協議制に基づき、定期的に労使協議会等を実施しております。この協議会では会社側より時間外労働の状況や業績の動向の説明をおこなうとともに、労働組合側からの意見や要望等に基づく協議をおこない、課題については改善、改革を進めることで今後も健全な労使関係を維持してまいります。
(9)災害等に係るリスク
それぞれの事業拠点において大規模な災害等が発生した場合には、工場設備や情報機器の損壊、電力・水道等インフラの停止、物流網の寸断等により事業活動の停止を余儀なくされる可能性があり、その場合、当社グループの業績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、予期せぬ災害や大規模な事故発生等の問題が事業の継続を危うくするような事態を避けるために、事前に想定されるリスクを抽出し、そのリスクの防止、防衛、低減を図ることで事業継続、さらに顧客への影響を緩和するとともに短期間での事業回復を図るため、いわゆるBCP(事業継続計画)を設定し、災害等への対応に備えております。
BCP方針に基づき、平常時には、法規制に基づく設備の点検、危険物の適切な保管管理、消火設備の充実、避難・防災訓練、各種の安全教育活動による啓発活動、各地区の安全衛生委員会による安全パトロール、緊急用備蓄品の保管等をおこなうとともに、災害発生時にはモバイル機器等で即時に社員の安否確認がおこなえるシステムを導入しており、また対策本部の設置、緊急連絡等がおこなえる体制を整備しております。また、BCP方針を見直すとともに、状況に合わせて適時運用マニュアルを改訂する体制を構築しております。
2020年年初からの新型コロナウイルス感染症拡大につきましては、BCP対策本部を立ち上げ、在宅勤務の実施、国内外の出張の制限、WEBによる社内会議および研修の実施等の対策を講じ、感染防止の徹底を図っております。
(10)財務制限条項に係るリスク
当社は2022年3月末日現在、多通貨での借入および海外関係会社の安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額45億円のグローバル・コミットメントラインの契約を締結しております。2022年3月末日の実行残高はありません。
同契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①国内借入人に関し、当事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、
(i)2020年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額、または(ⅱ)直近の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。
②国内借入人に関し、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
また、当社は2022年3月末日現在、多通貨での安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額15億円のコミットメントライン契約を締結しております。2022年3月末日の実行残高はありません。
同契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①借入人は、当事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額を、直前の事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の80%以上に維持すること。
②借入人は、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
さらに、当社は2022年3月末日現在、資金調達の安定性を高めることを目的として、銀行2行を貸付人として、それぞれ総貸付極度額10億円と20億円のコミットメントライン契約(特定融資枠)を締結しております。2022年3月末日の実行残高はそれぞれ6億円と5億円であります。
上記の2つの契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①借入人は、当事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額を、直前の事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の70%以上に維持すること。
②借入人は、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
当社が仮に上記のコミットメントライン契約およびグローバル・コミットメントライン契約の制限条項に抵触し、上記の契約による融資を受けられなくなった場合でも、同契約以外での融資を受けられる環境にあり、ただちに資金繰りが逼迫する事態となる可能性は低いと考えております。
しかし、資金運用の効率性や、資金的な緊急事態の発生可能性を考慮すれば、上記の契約による融資は重要であり、それが受けられなくなった場合、当社グループの財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループの事業展開において、海外関係会社の安定した資金調達のためにはグローバル・コミットメントラインの契約は重要であり、財務制限条項に抵触する事態が発生しないよう、更なる営業利益の確保、財務体質の強化を図ってまいります。
(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済情勢は、各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進展したことにより、先進国を中心に経済活動の正常化が進みましたが、新たな変異株による感染再拡大により、活動制限やサプライチェーンの混乱等の影響を受けました。また、資源価格の高騰や深刻な半導体不足などに加え、ロシアのウクライナ侵攻による世界経済への影響が懸念され、景気の先行きは、依然として、不透明感を払拭できない状況が続いております。米国におきましては、供給制約が続くものの、製造業の景況感は改善し、設備投資も底堅く推移しました。また、堅調な雇用情勢を背景に個人消費も回復基調が継続しました。欧州におきましては、ワクチン接種の普及による活動制限の緩和で経済活動が再開しましたが、変異株による感染再拡大により、再び個人消費が冷え込みました。中国におきましては、外需が堅調に推移しましたが、ゼロコロナ政策に伴う活動制限の強化により、景気は減速傾向となりました。わが国におきましては、先送りしていた設備投資を再開する動きが見られましたが、半導体不足の影響を受けた自動車減産等により輸出が減少し、度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による活動自粛により、個人消費は伸び悩みました。
このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、在宅勤務やWEB会議システムなどの活用に加え、国内ではワクチンの職域接種を実施するなど、新型コロナウイルスの感染拡大防止策を講じながら、海外子会社と連携し、現地調達・現地生産の推進、内製化の拡大など、グローバルな受注の拡大やコスト競争力の強化に取組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は670億87百万円(前期は652億55百万円)となり、営業利益は38億56百万円(前期は49億95百万円)、経常利益は42億58百万円(前期は51億76百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億82百万円(前期は40億75百万円)となりました。
なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、当連結会計年度における売上高は、従来の会計処理方法に比べて増加しております。そのため、当連結会計年度における売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益については前期比(%)を記載しておりません。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきまして、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループの経営方針・経営戦略および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
事業部門別の営業概況は以下のとおりであります。
①自動車関連生産設備事業
自動車関連生産設備事業におきましては、グローバルなカーボンニュートラルに向けた取組みを背景に、電気自動車(EV)などの次世代車への設備投資が旺盛だったことで、売上高は堅調に推移しました。この結果、売上高は261億9百万円(前期は235億43百万円)となりました。
②半導体関連生産設備事業
半導体関連生産設備事業におきましては、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)関連の売上高は高水準であった前期と比べると大きく減少しましたが、第5世代移動通信システム(5G)の本格化や在宅勤務の普及などを背景とした半導体需要の高まりに伴い、半導体メーカーによる積極的な設備投資がおこなわれたことで、シリコンウェーハ搬送設備などの売上高が堅調に推移しました。この結果、売上高は301億25百万円(前期は294億9百万円)となりました。
③家電関連およびその他生産設備事業
家電関連およびその他生産設備事業におきましては、白物家電生産設備の売上高は堅調に推移しましたが、タイヤ関連の設備投資が一巡したことで、売上高は前期を下回りました。この結果、売上高は88億6百万円(前期は103億24百万円)となりました。
セグメントの状況は以下のとおりであります。
①日本
日本におきましては、前期まで牽引していた有機EL関連の売上高が減少しましたが、EV関連やシリコンウェーハ搬送関連などの売上高が堅調に推移しました。一方、一部の案件の悪化や高採算案件の売上減少が利益率低下の要因となりました。この結果、売上高は566億35百万円(前期は547億73百万円)、営業利益は32億59百万円(前期は47億84百万円)となりました。
②アジア
アジアにおきましては、旺盛な半導体需要を背景に、半導体メーカーの設備投資が増加したことで、シリコンウェーハ搬送関連の売上高が底堅く推移しましたが、利益面では、一部の新興国で新型コロナウイルスの影響による経済活動の停滞に加え、原材料値上がりの影響で原価が悪化したことで、利益率は低下しました。この結果、売上高は63億64百万円(前期は53億75百万円)、営業利益は2億73百万円(前期は2億73百万円)となりました。
③北米
北米におきましては、EV関連やシリコンウェーハ搬送関連を中心に売上高を計上しましたが、コロナ禍による活動制限の影響もあり、前期から減収となりました。利益面では、収益性の高い案件を受注できたことで、前期から改善しました。この結果、売上高は31億69百万円(前期は40億50百万円)、営業利益は4億54百万円(前期は31百万円)となりました。
④欧州
欧州におきましては、自動車関連の売上高が減少しましたことに伴いまして、利益も厳しい状況となりました。この結果、売上高は9億18百万円(前期は10億56百万円)、営業損失は53百万円(前期は1億6百万円の営業損失)となりました。
財政状態の概況は以下のとおりであります。
(資産)
当社グループの当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて66億91百万円増加し、994億85百万円となりました。その主な内訳は、売上債権等(受取手形、電子記録債権、売掛金、契約資産)の増加19億22百万円、棚卸資産の増加35億64百万円、退職給付に係る資産の増加12億10百万円であります。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて37億51百万円増加し、445億47百万円となりました。その主な内訳は、仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)の減少14億40百万円、有利子負債(短期借入金、長期借入金)の増加50億46百万円であります。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて29億39百万円増加し、549億38百万円となりました。その主な内訳は、会計方針の変更による期首利益剰余金の増加3億17百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上26億82百万円および配当金の支払い6億74百万円により利益剰余金の増加23億24百万円であります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末の55.5%から54.8%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2億53百万円増加し、129億39百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、34億44百万円の支出(前年同期は6億90百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益42億66百万円に対して、棚卸資産の増加42億60百万円、仕入債務の減少26億86百万円等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、熊本工場の研究設備や関西工場の新棟建設に伴う有形固定資産の取得による支出9億25百万円等により、10億82百万円の支出(前年同期は23億78百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、41億50百万円の収入(前年同期は35億36百万円の収入)となりました。主な要因は、生産の高まりを受けて、資金需要が増加したことによる短期借入金の増加51億円、配当金の支払い6億75百万円等によります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、建物及び機械装置等の設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関の長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における借入金の残高は237億41百万円、ならびに当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は129億39百万円となっております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(2022年6月27日)現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りの仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
|
日本 (千円) |
60,985,403 |
- |
|
アジア(千円) |
7,259,973 |
- |
|
北米 (千円) |
3,421,290 |
- |
|
欧州 (千円) |
834,354 |
- |
|
合計(千円) |
72,501,021 |
- |
(注)1.金額は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、前期比は記載しておりません。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
日本 |
73,440,663 |
- |
37,193,872 |
- |
|
アジア |
8,586,017 |
- |
5,237,426 |
- |
|
北米 |
3,360,760 |
- |
3,235,160 |
- |
|
欧州 |
1,721,367 |
- |
1,024,061 |
- |
|
合計 |
87,108,808 |
- |
46,690,521 |
- |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、前期比は記載しておりません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
|
日本 (千円) |
56,635,853 |
- |
|
アジア(千円) |
6,364,221 |
- |
|
北米 (千円) |
3,169,037 |
- |
|
欧州 (千円) |
918,320 |
- |
|
合計(千円) |
67,087,433 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
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相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
キヤノントッキ株式会社 |
11,058,092 |
16.9 |
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
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相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社デンソー |
7,537,643 |
11.2 |
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、前期比は記載しておりません。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、自動車関連分野や半導体関連分野等の生産システムの開発、搬送コンベアや操作盤等の汎用性の高いFA機器の開発、当社生産システムへの組込みや外販向けの産業用ロボットの開発、新規事業分野に向けた研究開発活動等に関するものであります。
当連結会計年度における研究開発費は、総額
自動車関連分野では、日本、北米、欧州、中国の自動車メーカーからのさらなる受注獲得のための競争優位性の向上を目指し、製品開発に取組んでおります。特に需要の拡大が見込まれる電気自動車(EV)向けバッテリー分野の各種製造工程において、キーデバイスを開発・改良に注力しております。
半導体関連分野では、IoTの普及拡大、第5世代移動通信システム(5G)への移行に伴い、半導体製品の需要は増加傾向にあり、このような市場環境の変化を見据えた装置開発に取組んでおります。ロードポート、大気・真空対応のウェーハ搬送ロボット、それらを統合したEFEMなどにおいて、お客様ごとの仕様やニーズ、さらにはSEMI規格等にも対応した付加価値の高い製品の開発に注力しております。
医療・理化学分野では、病理標本を自動作製する装置やがん治療装置などの量産化開発に取組んでおります。がん治療装置につきましては、薬事承認を得る目的で、法令及び安全規格に適合した治験用の装置開発をお客様と共同で進めております。
商品開発分野では、お客様工場の環境負荷低減を実現するエコ電動シリーズの商品開発および商品ラインアップの拡充に取組んでおります。エコ電動シリーズにおいては、独自開発の小型・高効率のDCブラシレスモータに加え、制御基板、各種アクチュエータにつきましても開発・改良を進めております。
産業用ロボット分野では、高可搬垂直多関節ロボットや作業ロボット、ロボットコントローラ製品、医療向けロボットアームの開発・改良などに取組んでおります。特に、成長市場である電気自動車(EV)・半導体関連分野の生産システムで使われるロボットコントローラにつきましては、性能をより一層向上させることにより、内製化率をさらに高めてまいります。
新規事業分野では、生物遺伝資源を活用したヘルスケア産業への事業化を見据えた研究開発を進めております。液体クロマトグラフィー連結型質量分析装置(LCMS)を用いて、植物遺伝資源由来の機能性成分を網羅的に検出する分析機器および包括的なデータ処理と統計解析などをおこなうメタボローム解析技術を、従来のターゲット分析とは全く異なる視点から活用した応用例として、植物由来の機能性二次代謝産物の代謝経路の探索の成果報告が得られました。当社は、これまでにインドネシア農業研究開発庁およびアルゼンチン国立農牧技術院と、機能性食品、化粧品、トイレタリー、医療品開発のための植物遺伝資源の探索・利用のための契約を締結しております。2ヵ国の稀有な植物資源は、有用植物遺伝資源探査に最適であり、LCMSメタボローム解析技術が、新しい機能性食品素材、化粧品素材、トイレタリー素材、および医薬品など、世界市場で受け入れられる先進的かつ革新的な製品の開発を加速すると考えております。