第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断した内容であります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「我々は、もの創りを通して、自然と社会と人間に必要とされる企業を目指します。」という企業方針に則って経営しております。たゆまぬ技術革新の努力により創り出す製品を通じ、地球環境、地域社会等に貢献し、あらゆるステークホルダーに必要とされる企業へと成長することが当社グループの存在意義であると考えております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2021年8月期の売上高5,849百万円、営業利益327百万円、親会社株主に帰属する当期純利益277百万円を達成することを目標としております。

 

(3) 主要製品・サービスの内容と対象となる顧客

装置関連事業

装置関連事業で当社が取り扱う主な製品・サービスは、太陽電池製造装置及びFA装置であります。

太陽電池製造装置は主に米国の太陽電池メーカーに対して、高性能かつ高効率な太陽光パネルを製造するためのハイエンドな装置を提供しています。また、自動車業界、ディスプレイ業界、電子部品業界等の国内外の様々な企業に対して、自動化・省力化のための各種FA装置を提供しています。

②環境関連事業

環境関連事業で当社が取り扱う主な製品・サービスは、太陽光発電所の検査サービス、太陽光パネルのリユース・リサイクル、パネル解体装置であります。

太陽光発電所の検査サービスは、大規模太陽光発電事業者やEPC業者等に向けてサービスを展開しています。また、太陽光発電所から排出されたパネルを回収し、再利用可能なパネルを国内外の太陽光発電事業者や企業の自家発電向けにリユース販売しています。再利用ができないパネルは、自社の解体装置で中間処理を行い回収した金属やガラス等の有価物をリサイクル業者に販売するか、産業廃棄物処理業者に適正な廃棄処理を委託します。また、パネル解体装置は国内外の産業廃棄物処理業者等に販売しています。

 

(4) 経営環境及び事業を行う市場の状況

当連結会計年度における国内経済は、当初は緩やかな景気の回復傾向にあったものの、その後発生した新型コロナウイルス感染拡大によって経済活動が大きく抑制され、雇用情勢や設備投資も弱含みになる等、極めて厳しい状況で推移しました。世界経済においても、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動への影響は長期化し、先行きが不透明な状況が続いております。

装置関連事業

太陽電池製造装置が関連する太陽電池市場は、コロナ禍で一時的に新規設置に減速が見られたものの、引き続き市場は拡大しています。また、直近では世界的な再生可能エネルギーに対する注目がさらに高まっており、今後も安定的に成長していくことが見込まれています。また、太陽電池業界以外のFA装置の市場に関しては、コロナ禍の影響により一部業界では設備投資の凍結や延長が発生した一方で、電子部品業界や半導体関連等の好調な業界においては、生産の効率化や稼働率の向上等に対するニーズが引き続き発生しています。

②環境関連事業

国内の太陽電池市場は、発電コストの低下や再生可能エネルギーへの更なる注目の高まりに加え、認定済み未稼働発電所に対する稼働期限が設定され、当面は大規模太陽光発電所の建設が継続するものと見込まれています。そのため、太陽光発電所の検査サービスにおいて、竣工前検査のニーズは底堅く発生しており、今後は定期検査の需要も拡大していくものと考えています。また、将来的なパネルの大量排出を見据え、国内のみならず欧州や米国等で引き続き排出パネルの適正なリサイクル方法や処理体制の整備の必要性が増しており、パネルリユース・リサイクルやパネル解体装置の需要は拡大していくと見込んでいます。

 

(5) 競合他社との競争優位性

装置関連事業

当社は太陽電池製造装置で25年以上の実績や経験があることから、高性能かつ高効率なパネルを製造するためのハイエンドな装置を提供することができます。そのため、当社はそのようなパネルを製造している米国の太陽電池メーカーをターゲットとしており、競合先は米国及び東南アジアの自動機メーカーのみで限定的な状況です。なお、中国にも太陽電池製造装置メーカーは存在していますが、彼らは主に中国の太陽電池メーカー向けに汎用的な装置を提供しており、当社とはターゲットが異なるため現時点では実質的に競合はしておりません。

太陽電池業界以外のFA装置では数多くの競合が存在しますが、当社には大型ラインを製造できる松山工場の生産能力や、太陽電池製造プロセスで培った様々な技術、開発から製造までの一貫体制、豊富な海外実績、カスタマイズ装置の実績と経験といった強みがあり、大手企業を中心に大型のラインや各種FA装置を受注しています。

②環境関連事業

太陽光発電所の検査サービスでは、法定点検を含めた検査サービスを提供する企業は多数存在しています。しかしながら、当社は独自技術を用いたI-V検査やEL検査により太陽光パネルの品質そのものを検査した上で解析レポートを作成しており、同様のサービスを提供できる競合先は存在していません。

パネルのリユース・リサイクルにおいては、国内に数社競合先はいますが、当社には太陽光発電所の検査サービスで構築したネットワークがあり、排出されたパネルの回収と販売において大きな優位点となっております。パネルの解体装置では、現時点において商業ベースで事業展開している有力な競合はありません。なお、当社の特許技術を活かした「ホットナイフ分離法」はリサイクル性が高くパネルを解体することができ処理能力も高いため、現在他社が発表している技術と比較しても技術的な優位性は高いものと考えております。

 

(6) 経営戦略及び会社の対処すべき課題

2020年は新型コロナウイルス感染拡大、気候変動の影響による災害の多発などにより、社会のあり方や生活様式に大きな変化がもたらされました。世界経済の先行きが依然不透明な状況である中、当社グループは既存の事業を強化・拡大し、かつ、新たな事業に積極的に取り組んでいくことにより、変化に強い企業を目指しております。そのような方針の下、それぞれの事業において以下のとおり対処すべき課題を定めております。

装置関連事業

太陽電池製造装置については、主要顧客である米国の太陽電池メーカーに対し、継続的にコストダウンを図り、顧客の要望に応じた製品を提供するとともに、納入後のサポートや改造へ対応してまいります。また、住宅用や衛星用など、特殊用途の太陽電池を製造する太陽電池メーカーへ当社が得意とするハイエンド装置を提供してまいります。

FA装置については、国内のみならず、装置納入実績のある米国において太陽電池以外のさまざまな業界へ事業の展開を図ります。以上の方針を踏まえ、米国ミシガン州に子会社であるNPC Americaの新たな拠点を設置します。この拠点に営業、サービス、技術、および製造の機能を持たせることにより、FA装置の実績を積み上げてまいります。あわせて太陽電池関連の既存顧客へのカスタマーサービスを充実させてまいります。

②環境関連事業

太陽光発電所の検査サービスについては、パートナー企業のネットワークをさらに充実させることにより、市場のニーズに合った検査メニューを広げ、安定的かつ継続的な業績を目指してまいります。

太陽光パネルのリユース・リサイクルについては、日本では、使用済みパネルの大量排出は2030年頃から見込まれております。当面は自然災害により被害を受けたパネルの排出が主になりますが、使用できるものでも廃棄されてしまう、あるいは使用できないパネルが適正に廃棄処理されていないという現状があります。そのため当社は、業界でのネットワークや保険会社との連携により、排出パネルを回収し、使用できるパネルはリユースに、使用できないパネルはリサイクルや産業廃棄物として適正な処理をする仕組みを作ってまいります。このような仕組みづくりに取り組むことにより、持続可能かつ安定的な事業を構築してまいります。
また、海外においては、環境意識の高い欧州や大規模発電所の設置が増加している米国において、日本よりも早くパネルの排出が増加しています。これらの地域に向けて、リサイクルのためのパネル解体装置を提供してまいります。

③新事業

日本では、近年、災害が原因で野菜の収穫量が不安定になり、また、新型コロナウイルスの感染拡大により安全なものが求められ室内栽培の野菜へのニーズが高まっております。そのような中、人工光植物工場での葉物野菜の栽培、及び販売を開始いたします。当社松山工場のスペースを活用し、またリユースパネルを使用した太陽光発電により低コスト化と環境負荷低減を図ります。栽培した野菜は愛媛県内で販売し、地産地消の実現によって地域に貢献しながら、当社の知名度向上に努めてまいります。また、将来のニーズ拡大に向け、大量栽培に必要となる自動化の検討を行ない、栽培ノウハウも含めた人工栽培システムを開発してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

以下において、当社グループが事業を展開していく上で、特に重要と考えるリスクを記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に対する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、本文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)太陽電池市場の停滞又は減速

a.リスクの内容

当社グループの売上高は太陽電池業界向けの割合が高く、将来何かしらの理由により、太陽電池の普及が停滞あるいは減速した場合、減損損失の発生を含め、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

b.リスクへの対応策

太陽光パネルの新規設置に影響を受ける製品やサービス(太陽電池製造装置、太陽光発電所の竣工前検査等)以外にも、既に設置されたパネルに対する製品やサービス(太陽光発電所の検査機器や検査サービスの提供等)、排出パネルに対する製品やサービス(リユース販売、パネル解体装置、中間処理業等)のように、太陽電池の製造から廃棄まで幅広く事業を展開することで、当該リスクによる影響を低減させる取り組みをしています。また、太陽電池業界以外のFA装置や新規事業にも力を入れることで、太陽電池業界以外の売上高を増やしています。

c.リスクが顕在化する可能性の程度や時期

太陽電池の経済性の向上や環境意識の高まりを受け、太陽電池の設置は世界的に広がりを見せています。中長期的にも堅調に普及することが期待されており、当該リスク発生の可能性は低いと考えています。

 

(2)為替の変動

a.リスクの内容

当社グループは数多くの海外企業と取引しており、海外売上高比率は8割を超えています。そのため、為替が円高傾向となる場合には、為替差損が発生する可能性があることや、海外の競合メーカーと比較して価格競争力が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、円安傾向となると海外調達コストが上がり、原価への影響が出る可能性がありますが、現段階では海外調達比率が低いためにリスクレベルは低いと考えます。

b.リスクへの対応策

為替差による損益への影響を抑えるため、基本的に海外顧客との取引通貨は円建てとしています。また、例外的に外貨建て取引をする場合については、ある一定の規模を超える取引については為替予約を行っています。また、競争力の高い製品やサービスを提供するため、常に品質向上に努めるとともにコストダウンを図っています。円高傾向となった場合には海外調達比率を上げることがひとつの対策となります。

c.リスクが顕在化する可能性の程度や時期

為替の変動は様々な要因により発生するものであるため、当社が将来的な動向やリスク発生の可能性を予想することは困難であります。しかしながら、過去3年間で円対ドルの為替は101円~115円の間で比較的安定した状態で推移しており、当社グループの事業にも大きな影響は発生していないことから、それらの範囲内で推移する場合においては大きな影響にはならないものと考えております。

 

(3)売上計上時期や個別案件の利益率に伴う業績変動

a.リスクの内容

顧客の都合による設計変更や検収時期の変更等が発生する場合があり、当初予定していた売上計上時期が後ろ倒しになることで短期的な業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが提供する製品やサービスは案件毎の利益率が一定ではないため、個別案件の積み上がり状況によっては短期的に利益率が変動する可能性があります。更に、開発要素を含む案件を戦略的に受注した場合や、設計や製造工数の超過等により原価が想定以上となった場合、当初想定していなかった製品の不具合等が発生した場合は、通常見込まれる利益率が確保できない場合があります。

b.リスクへの対応策

基本的に品質マネージメントシステム(ISO9001)に則して、顧客との認識の齟齬によるリスクを発生させないため、ミーティングの際には議事録を作成し、顧客から当該議事録の確認を受けています。客先要求事項を精査したうえで担当部門が試算し、精度の高い見積もりをしています。受注後は、複数回のミーティング(デザインレビュー)を実施することで、顧客の要望や当社が対応すべき事項を各部署の担当者が情報共有しています。製造段階においては、製作途中の大型案件について定例幹部会で工程の進捗状況をレビューすることで、費用の超過が発生していないか等を確認し、必要に応じて対策をしています。最終的な売上段階においては、仕様未達による検収遅れのリスクを低減するため、装置の出荷に先立って、松山工場で要求する仕様を満たしているかどうかを顧客立ち合いの下で確認しています。

c.リスクが顕在化する可能性の程度や時期

当該リスクは常に発生する可能性はありますが、当事業年度及び前事業年度の決算は概ね期初に発表した業績予想どおりとなり、年間を通じた場合には大きな業績変動は発生していません。なお、大型案件の場合には売上高が十億円を超えるものもあることから、仮に発生した場合には期初に発表した業績予想から大きく変動する可能性があります。

 

(4)大口顧客の事業環境の変動による影響について

a.リスクの内容

当社グループの売上高比率は、自ずと規模の大きい企業又は設備投資に積極的な企業に対する割合が高くなります。現在、特に米国の太陽電池メーカーであるFirst Solar, Inc.及びその子会社(以下「First Solar社」という)に対する当社グループの売上比率が高い状況でありますが、同社の事業環境が大幅に縮小した場合や、同社の信用力が低下した場合、当社との取引が減少した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

b.リスクへの対応策

First Solar社に対しては今後も安定的な取引が継続できるよう、研究開発やコストダウンに力を入れ、より高品質で低コストな装置を提供することで関係の強化を図っています。また、米国へ工場を設置して同社へのサービスを充実させると同時にハイエンドな製造装置を必要とするFirst Solar社以外の太陽電池メーカーへの販売を強化し、米国での太陽電池業界以外の様々な業界へFA装置の提供をしてまいります。また、市場の拡大が見込まれている環境関連事業を引き続き伸ばしていくことで、業績が特定顧客のみに依存する状況の解消を図っています。

c.リスクが顕在化する可能性の程度や時期

First Solar社はNASDAC上場企業であり、信用力が高く財務体質が安定しています。また、同社がメインターゲットとしている米国の太陽電池市場は非常に堅調であり、今後も継続した成長が期待されております。また、当社グループは同社と長年の取引実績があり、信頼関係も構築していることから、取引が急激に減少する可能性は低いと考えています。しかしながら、現時点における依存度は非常に高いことから、仮にリスクが顕在化した場合は当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

(5)自然災害の発生

a.リスクの内容

当社グループは、愛媛県松山市に工場を有しておりますが、同地域で想定を超える大規模な自然災害が発生し、工場の生産能力が減少もしくは無くなった場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

b.リスクへの対応策

松山工場での生産方法は製造設備を使用してライン生産するのではなく、基本セル方式で製造部員が装置を組み立てる方法であるため、工場が被災した場合でも人員とスペースが確保できれば事業を継続できる体制となっています。充分な人員とスペースが確保できない場合においても、協力工場での生産を増やすこと等で臨機応変に生産能力を確保していきます。なお、装置図面等の事業上の重要情報や会計データについては、社内ネットワークでバックアップ体制を構築しており、速やかに復旧できる体制を構築しています。

c.リスクが顕在化する可能性の程度や時期

保険会社が評価している自然災害リスクの評点において、当社松山工場の所在地で今後30年以内に震度6強を超える地震が発生する確率は23.1%とされています。また、全国を13地域に区分する場合、松山工場は四国地域に該当しますが、台風接近数は13地域中8番目となっています。しかしながら、津波被害、洪水被害、土砂災害についてはリスクが低いとされており、一般的に他地域よりリスクが顕在化する可能性は低いと考えています。

 

これらの重要なリスクに加え、訴訟リスク、知的財産を侵害される又は侵害するリスク、法的規制に伴うリスク、カントリーリスク等、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが存在しています。

なお、新型コロナウイルス感染症による当社グループへの影響につきましては、装置関連事業で顧客都合により一部案件の凍結や遅れが発生しましたが、現時点において業績に与える影響は軽微な状況であります。一方、コロナ禍において再生可能エネルギーへの注目が世界的に高まっていることもあり、当社が属する太陽電池業界は堅調に推移しています。しかしながら、新型コロナウイルスの収束時期は依然として不透明な状況であり、今後の感染状況の拡大や影響長期化等により、事業活動への制限や経済への影響等が発生する場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

イ.経営成績

当連結会計年度における国内経済は、当初は緩やかな景気の回復傾向にあったものの、その後発生した新型コロナウイルス感染拡大によって経済活動が大きく抑制され、雇用情勢や設備投資も弱含みになる等、極めて厳しい状況で推移しました。世界経済においても、今なお欧州諸国を中心に新型コロナウイルス感染症の再拡大によるロックダウンが一部で再開される等、経済活動への影響は長期化し、先行きが極めて不透明な状況が続いております。

当社の装置関連事業、特に太陽電池製造装置の関連する市場においては、新型コロナウイルス感染拡大防止のた
め、発電所設置の作業人員の手配ができず、作業が物理的に制限されたことが原因となり、高水準で継続していた市場の成長に一時的な減速が見られました。しかしながら、コロナ禍後の経済復興と、脱炭素社会への移行等、環境課題への取り組みを両立させるグリーンリカバリーの考え方の普及によって、太陽電池の需要が全世界的に一層の高まりを見せております。また、その他のFA装置に関しても、コロナ禍を受けて生産の自動化の必要性が認識されているほか、効率化、生産能力の向上、稼働率の向上等に対するニーズが継続的に存在しています。しかし、自動車業界を中心として、コロナ禍の影響により設備投資を見合わせる等一時的に大きな影響を受けています。

当社の環境関連事業が属する太陽光発電業界においては、発電コストの低下や再生可能エネルギーへの更なる注目の高まりに加え、認定済み未稼働発電所に対する稼働期限が設定され、国内の太陽光発電所の設置が進展しています。また、将来的なパネルの大量排出を見据え、引き続き排出パネルの適正なリサイクル方法や処理体制の整備の必要性が増しています。

このような状況下、当連結会計年度の売上高は7,938百万円(前期比1,059百万円の増収)と期初の計画をやや下回る結果となりました。利益面においては、販売費及び一般管理費が減少傾向になったことで期初の計画を上回り、営業利益は879百万円(前期比192百万円の増益)、経常利益は884百万円(前期比225百万円の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は749百万円(前期比68百万円の増益)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりです。

(装置関連事業)

装置関連事業におきましては、米国の主要顧客である太陽電池メーカー向け大型新規ラインの売上を予定通
り計上し、部品販売も堅調に推移しました。国内のFA装置については好調な電子部品業界に向けた販売が伸び
ました。一方、主に自動車業界で売上を見込んでいた案件についてはコロナ禍の影響を受け、低調となりまし
た。売上高は7,485百万円(前期比1,082百万円の増収)となりました。営業利益につきましては1,286百万円
(前期比136百万円の増益)となりました。

(環境関連事業)

環境関連事業におきましては、検査サービスが期初の予想を大きく上回って好調に推移した一方で、予定し
ていた国内でのパネル解体装置の販売が来期にずれ込み、売上高は453百万円(前期比23百万円の減収)となり
ました。営業利益につきましては143百万円(前期比72百万円の増益)となりました。

ロ.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は6,181百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,365百万円の増加となりました。これは主として、現金及び預金の増加1,333百万円、電子記録債権の増加103百万円、仕掛品の増加970百万円があった一方で、原材料及び貯蔵品の減少67百万円があったことによるものであります。固定資産は3,923百万円となり、前連結会計年度末に比べ183百万円の減少となりました。これは主として、建物及び構築物の減少152百万円、繰延税金資産の減少43百万円があったことによるものであります。

この結果、総資産は、10,104百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,182百万円の増加となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は3,028百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,547百万円の増加となりました。これは主として、買掛金の増加123百万円、電子記録債務の増加590百万円、前受金の増加665百万円、製品保証引当金の増加186百万円があった一方で、リース債務の減少79百万円があったことによるものであります。固定負債は32百万円となり、前連結会計年度末に比べ11百万円の増加となりました。これは、退職給付に係る負債の増加11百万円があったことによるものであります。

この結果、負債合計は、3,060百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,559百万円の増加となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は7,044百万円となり、前連結会計年度末に比べ623百万円の増加となりました。これは主として、利益剰余金の配当77百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益749百万円によるものであります。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の計上884百万円、減価償却費の計上、製品保証引当金の増加、仕入債務の増加、前受金の増加があった一方で、売上債権の増加、たな卸資産の増加、配当金の支払額、リース債務の返済による支出があったことにより、前連結会計年度末に比べ1,333百万円増加し、2,052百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果取得した資金は1,596百万円(前連結会計年度は16百万円の支出)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益の計上884百万円、減価償却費の計上198百万円、製品保証引当金の増加186百万円、仕入債務の増加716百万円、前受金の増加665百万円があった一方で、売上債権の増加137百万円、たな卸資産の増加902百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は55百万円(前連結会計年度は55百万円の支出)となりました。これは主として、関係会社の清算による収入7百万円があった一方で、有形及び無形固定資産の取得による支出68百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は206百万円(前連結会計年度は107百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額76百万円、自己株式の取得による支出49百万円、リース債務の返済による支出79百万円があったことによるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

装置関連事業

8,678,785

142.9

環境関連事業

499,820

114.8

合計

9,178,606

141.0

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ロ.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

装置関連事業

3,461,947

38.9

3,469,080

46.3

環境関連事業

361,292

94.7

197,229

68.2

合計

3,823,239

41.2

3,666,310

47.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ハ.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

装置関連事業

7,485,023

116.9

環境関連事業

453,073

95.1

合計

7,938,097

115.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年9月1日

至 2019年8月31日)

当連結会計年度

(自 2019年9月1日

至 2020年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

FIRST SOLAR MALAYSIA SDN.BHD.

4,122,782

51.9

FIRST SOLAR,INC.

4,025,324

58.5

2,103,863

26.5

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループの経営成績については、売上高は7,938百万円(前期比1,059百万円の増収)となりました。米国の主要顧客である太陽電池メーカー向け大型新規ラインの売上を予定通り計上し、部品販売も堅調に推移しました。国内のFA装置についても好調な電子部品業界に向けた販売が伸びた一方、主に自動車業界で売上を見込んでいた案件についてはコロナ禍の影響を受け、低調となりました。また、検査サービスが期初の予想を大きく上回って好調に推移した一方で、予定していた国内でのパネル解体装置の販売が来期にずれ込みましたが、売上高が前年同期と比べて増加となりました。

営業利益は879百万円(前期比192百万円の増益)となり、前年同期を上回りました。これは主に、売上高の増加、販売費及び一般管理費が減少したことが要因であります。

なお、研究開発費の総額は68百万円となり、前年同期から15百万円増加しました。当社顧客の需要動向や、太陽電池業界を中心とした様々な市場動向に合致したFA装置、太陽光発電所の検査サービス、太陽光パネルリサイクル等の研究開発活動、パネル解体装置や新規装置開発に取り組み、将来の成長に向けた投資を引き続き強化しております。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

イ.装置関連事業

当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

売上高は、前期比16.9%増の7,485百万円となりました。太陽電池製造装置の大型新規ライン、太陽電池製造装置用部品販売も堅調に推移したことにより、前年同期を上回りました。セグメント利益については、前期比11.8%増の1,286百万円となりました。売上総利益率では前期比2.2ポイントの減少となりましたが、売上高の増加及び販売費及び一般管理費の減少により、前年同期を上回りました。

ロ.環境関連事業

当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

売上高は、前期比5.0%減の453百万円となりました。検査サービスは予定を上回り好調となりましたが、太陽光パネル解体装置の販売が翌期にずれ込んだことにより、前年同期を下回りました。セグメント利益については、前期比101.8%増の143百万円となりました。高付加価値なサービスを提供したことにより売上総利益率では前期比13.9ポイントの増加となり、また販売費及び一般管理費の減少により、前年同期を上回りました。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

ロ.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要の主なものは、原材料の仕入、外注費及び労務費などの製造費用のほか、人件費、研究開発費等を中心とする販売費及び一般管理費の支出によるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金にて対応することを基本としており、必要に応じて銀行借入を行うこととしております。そのために銀行2行と総額20億円のコミットメント契約を締結しており、柔軟に資金調達できる体制を構築しております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

イ.繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収可能額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。

ロ. 製品保証引当金

販売した製品の補修等の対応費用の発生に備えるため、今後発生が見込まれる合理的な費用の見込額を製品保証引当金として計上しております。引当金の見積りにおいて想定していなかった製品の不具合の発生や、引当の額を超えて補修等の費用が発生する場合、実際の補修等の対応費用が引当金の額を下回った場合は、当社グループの業績が変動する可能性があります。

④経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発の基本姿勢は、「顧客ニーズ及び市場の動向を的確かつ迅速に捉え、当社製品に取り込んでいく」ことであります。そのため、当社顧客の需要動向や、太陽電池業界を中心とした様々な市場動向に合致したFA装置、太陽光発電所の検査サービス、太陽光パネルリサイクル等の研究開発活動に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費の総額は68百万円であり、主な研究開発の内容と成果は以下のとおりです。

 

(1) 装置関連事業

 ①太陽電池業界

現在、当社グループは米国の太陽電池メーカーを中心に事業を展開しており、彼らが開発した高効率パネルや次世代パネルに対応できるハイエンドの装置の研究開発に取り組みました。また、彼らの太陽光パネル生産ラインにおける新規装置の開発にも取り組みました。

 ②自動車業界、ディスプレイ業界、電子部品業界等

様々な業界に向けて、太陽電池業界で培った技術、および当社のコア技術である真空技術を応用した装置の開発に取り組みました。また、カスタマイズ装置の製造のため個別案件で生じた開発を行いました。

 

(2) 環境関連事業

 ①太陽光発電所の検査サービス

国内では多数の太陽光発電システムの設置が進んでおり、設置後の太陽光パネルの低コストで簡易な検査需要が高まっています。そのような状況下、当社で販売する検査機器の性能向上やコストダウンを意図した評価・検証に取り組みました。

 ②太陽光パネル解体装置

太陽電池市場が健全に成長していくためには、太陽光パネルのリサイクルプロセスの確立が必要となります。当社が開発した太陽光パネルの完全リサイクルを可能とする「ホットナイフ分離法」の解体装置について、分離技術の向上や消耗部品の耐久度向上や、持ち運び可能なセミオート型解体装置の技術向上に取り組みました。

 

(3) その他

 将来的な新事業に向けた装置開発に取り組みました。