(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資の増加や企業収益及び雇用情勢が改善するなど、緩やかな回復基調が続いた一方、中国をはじめとする新興国経済の成長鈍化などの景気下振れ懸念とともに、年明け以降の円高・株安の進展など、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループの業績に影響を及ぼす半導体業界は、Semiconductor Equipment and Materials International(SEMI)が発表した世界半導体製造装置統計によると、2015年の半導体製造装置販売額は、台湾・韓国・日本・中国が前年比増加の一方、北アメリカ・ヨーロッパが減少となり、全体では前年比3%のマイナスとなりました。また、液晶ディスプレイ市場では、パネル価格の下落と需給悪化が懸念される一方、中国での大型パネル向け投資が継続いたしました。
このような状況下、当社グループは海外では半導体・液晶関連企業、国内では製薬関連企業を中心に積極的な営業活動を展開するとともに、中国貴州省の浄水・汚水処理事業においては事業化に向けた準備を進めてまいりました。
これらの事業活動により、水処理装置については韓国及び中国・台湾での受注が堅調に推移し、受注済み工事の進捗と併せ、売上高は106億7百万円(前期比101.6%増)となりました。メンテナンス及び消耗品については国内、中国・台湾、アメリカにおいて増収となったことから、売上高は61億9千4百万円(同3.7%増)、その他の事業についてはPVDF配管材料等の受注により、売上高は9億6千5百万円(同10.5%増)となりました。
利益面については、水処理装置の増収に加え、メンテナンス及び消耗品の利益率向上により、営業段階で利益を確保いたしました。
以上の結果、売上高は177億6千7百万円(同46.7%増)、営業利益は3億1千6百万円(前期は5億4千9百万円の営業損失)、経常利益は1億9千3百万円(前期は2億5千7百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5千1百万円(前期は9億8千3百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 日本
国内のメンテナンス及び消耗品販売が堅調に推移するとともに、中国及び韓国の半導体・液晶関連企業から受注した超純水製造装置工事が進捗したこと等により、売上高は112億6百万円(前期比39.9%増)となり、営業利益は5千2百万円(前期は3億6百万円の営業損失)となりました。
② アジア
中国及び韓国の半導体・液晶関連企業から受注した超純水製造装置工事並びに台湾の液晶関連企業から受注した廃水回収装置工事が進捗したこと等により、売上高は63億6千万円(前期比64.5%増)となり、営業利益は1億6千6百万円(前期は2億3千3百万円の営業損失)となりました。
③ アメリカ
半導体関連企業への消耗品販売を中心に、売上高は2億円(前期比15.3%減)となり、営業利益は9千7百万円(前期は9百万円の営業損失)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益及び当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純損失」としております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加等により、営業活動によるキャッシュ・フローが2億5千6百万円の減少、有形固定資産の取得等により投資活動によるキャッシュ・フローが6億4千9百万円の減少、短期借入れによる収入等により財務活動によるキャッシュ・フローが3億8千8百万円の増加となり、前連結会計年度末に比べ6億9千1百万円減少し、当連結会計年度末には36億8千2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、2億5千6百万円(前期は7億5千3百万円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加が15億5千1百万円となった一方で、仕入債務の増加が5億3千万円、前受金の増加が3億9千9百万円となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、6億4千9百万円(前期は1千9百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が5億8千万円となったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、3億8千8百万円(前期は2億7千万円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の借入による収入が21億3千1百万円となった一方で、短期借入金の返済による支出が17億2千4百万円となったこと等によるものであります。
(1)生産実績
当社グループは、受注した超純水製造装置及び排水処理装置の据付工事につきまして、当社グループの基準をクリアした施工技術と安定的な施工能力を有する協力工事会社に全て外注しており、生産実績がないため、記載しておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。
|
事業の種類別の名称 |
受注高 |
前年同期比(%) |
受注残高 |
前年同期比(%) |
|
水処理装置事業(千円) |
15,246,311 |
139.0 |
4,525,611 |
74.4 |
|
その他の事業(千円) |
965,422 |
110.5 |
- |
- |
|
合計(千円) |
16,211,734 |
136.9 |
4,525,611 |
74.4 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、事業間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。
|
事業の種類別の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
水処理装置事業(千円) |
16,802,396 |
149.5 |
|
その他の事業(千円) |
965,422 |
110.5 |
|
合計(千円) |
17,767,819 |
146.7 |
(注)1.事業間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
AU Optronics Corporation |
1,194,264 |
9.9 |
3,449,250 |
19.4 |
|
三星電子(株) |
1,461,503 |
12.1 |
2,728,213 |
15.4 |
|
三星エンジニアリング(株) |
2,148,889 |
17.7 |
1,595,708 |
9.0 |
3.当連結会計年度の水処理装置事業の売上の内訳は次のとおりであります。
|
区分 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
水処理装置(千円) |
10,607,871 |
201.6 |
|
メンテナンス等(千円) |
6,194,525 |
103.7 |
|
合計(千円) |
16,802,396 |
149.5 |
4.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)当面の対処すべき課題の内容
当社グループは、水処理の研究開発、技術力の向上に積極的に取り組むことにより、半導体並びに液晶を中心とする世界の最先端産業の発展・向上に貢献するとともに、超純水分野で培った技術をベースに近年ニーズが高まっている環境関連分野を強化することで、中期経営目標の達成に向けた経営活動をグループ一丸となって推進しております。
これを実現させるための当社グループの課題としましては、①営業力の強化、②受注採算改善及び為替リスクの回避、③継続的な研究開発による他社との差別化及び新商品の市場投入、④優秀な人材の確保と育成、⑤一般水処理事業への事業領域拡大が重要な経営課題であると認識しております。
(2)具体的な取り組みの状況等
① 営業力の強化
水質の維持及びトラブル発生時の迅速な対応等顧客ニーズの的確な把握ときめ細かな対応を通じ、競争力の高い販売先を確保していくため、必要に応じて新たな拠点展開を図ってまいります。
この観点から、超純水製造装置の納入場所の近接地域への進出が営業強化には不可欠であるとの認識に基づき、平成5年12月に株式会社野村テクノ(現株式会社野村マイクロ・サイエンス コリア)、平成18年1月に上海野村水処理工程有限公司、平成18年2月に野村マイクロ・サイエンス USA Ltd.,Co、平成23年1月に台湾に野村微科學工程股份有限公司をそれぞれ設立し、受注活動を展開しております。
また、平成25年3月には、韓国企業の中国進出に伴い、上海野村水処理工程有限公司が中国に西安支店、同年5月には広州支店をそれぞれ開設いたしました。
さらに、平成23年11月には海外における研究開発体制を構築し、顧客から求められる研究課題の解決を図るとともに、当社の技術力の向上と併せてコストダウンに資する提案を行うことを目的として、韓国に研究開発機能を有する株式会社NADを設立いたしましたが、同国における経営資源を集約することにより、グループ経営の一層の効率化・合理化を図るため、株式会社野村コリアと株式会社NADは、平成26年1月1日付で株式会社野村コリアを存続会社とする吸収合併を行い、存続会社の商号を株式会社野村マイクロ・サイエンス コリアに変更しております。
一方、国内におきましては、プラスチック製配管材料の販売強化を図る目的で、平成21年4月にアグループラスチック株式会社を設立しております。
② 受注採算改善及び為替リスクの回避
当社グループの海外売上高比率は概ね60%となっており、今後においてもアジア市場の成長が見込まれることから、外貨建て受注の増加による為替リスク回避を図るため、前述の拠点展開と並行して現地企業からの調達比率を引き上げ、コストダウンを図る等受注採算の改善及び為替リスクの回避に取り組んでおります。
③ 継続的な研究開発による他社との差別化及び新商品の市場投入
「超純水の更なる高度化」、「環境規制への対応」、「省エネ」等の多様化・高度化する顧客ニーズに迅速かつ的確に対応するため、民間企業・大学等との共同研究に積極的に取り組んでおり、将来展望のある新商品の開発並びにRSシリーズ(レジスト剥離剤)、金属除去モジュール、シリコン回収リサイクル装置等の超純水製造装置以外の市場投入により、他産業・他用途向けの拡販等を図っております。
④ 優秀な人材の確保と育成
人材の確保と育成につきましては、従来から実施している大学の研究機関への派遣研修制度を継続するほか、エンジニア及び研究開発部門の採用を中心に展開しており、平成28年度は8名の新卒者を採用いたしました。
⑤ 一般水処理事業への事業領域拡大
長年当社で培った超純水製造技術を活用しつつ、素材メーカーや商社など他社との協業により、半導体・液晶関連企業以外の工場の廃水処理等、従来の当社のマーケットとは異なる領域での受注確保に取り組んでおり、平成25年12月には、当社グループの事業領域の拡大及び長期安定収益の確保を図るため、中国貴州省凱里市に黔東南州凱創水資源環保科技工程有限公司(当社出資比率99%)を設立し、浄水並びに汚水処理事業に参画いたしました。同社は、中国貴州省と30年のBOT契約を締結し、平成26年7月に浄水並びに汚水処理施設の工事に着工し、平成27年11月より排水の受け入れを開始いたしました。なお、平成28年度中には現地の病院、学校、工場等へ浄水の供給を開始し、本格的な事業展開を図る予定であります。
以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項につきましては、投資者に対する情報開示の観点から記載しております。
なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に判断した上で行われる必要があると考えております。また、文中の将来に関する事項は、提出日(平成28年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の変動要因について
当社グループの主要な事業は、水処理装置の設計・施工・販売、及び納入した装置に付随したメンテナンス等(当該装置に使用する消耗品販売を含む)を行う水処理装置事業であり、平成28年3月期において売上の94.6%を占めております。
水処理装置の中心である超純水装置につきましては、主要顧客企業である半導体及び液晶関連産業の設備投資動向により、需要の変動が避けられない状況にあり、半導体及び液晶関連産業の設備投資動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年では半導体及び液晶パネル価格の下落に伴い、半導体及び液晶関連産業における競争が激化しており、当社グループの主要顧客企業の事業採算性が悪化し、新規設備への投資需要が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)業績の季節変動について
当社グループの販売先は、その多くが3月決算のため、決算期末にあたる9月及び3月には、特に消耗品の販売が増加する傾向にあることから、これに伴い営業利益が第2四半期と第4四半期に偏る傾向にあります。
平成27年3月期は第1四半期及び第2四半期において営業損失を計上したことにより、従来とは異なる傾向となっておりますが、当社グループの業績は第2四半期及び第4四半期の受注状況、販売状況等により影響を受ける可能性があります。
|
平成27年 3月期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
||||
|
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
||
|
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
|
売上高 |
2,263 |
18.7 |
2,378 |
19.6 |
3,224 |
26.6 |
4,244 |
35.1 |
12,111 |
|
営業利益 |
△446 |
- |
△374 |
- |
32 |
- |
238 |
- |
△549 |
|
平成28年 3月期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
||||
|
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
||
|
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
|
売上高 |
2,212 |
12.5 |
5,603 |
31.5 |
4,437 |
25.0 |
5,514 |
31.0 |
17,767 |
|
営業利益 |
△249 |
△78.7 |
473 |
149.6 |
54 |
17.2 |
37 |
11.9 |
316 |
(3)特定製品への依存について
超純水装置は、当社グループの主力製品となっておりますが、近年は競争の激化により、特に中国・台湾におきまして、大型装置の低採算での受注が避けられない状況となっております。また、その他の地域におきましても装置の受注採算が厳しさを増しており、今後の競争激化や受注の採算性低下が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、装置に次いで売上のウェイトが高いメンテナンス並びに消耗品の販売は、装置に付随するサービスであるため、装置の販売動向がメンテナンス等の受注に影響を与える可能性があります。
(4)海外売上高及び為替変動リスクについて
当社グループの海外売上高比率は、平成28年3月期におきまして71%を占めており、今後もアジアを中心とした海外市場に注力していく方針であります。
また、当社グループが受注する水処理装置案件につきましては、売上高の計上基準に工事進行基準を採用しておりますが、特に海外での受注は金額的にも大型工事が多く、かつ売上の計上から債権の回収までの期間が長期にわたることがあるため、為替相場の動向・回収条件により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)受注エリアの拡大について
当社グループの海外売上は、従来の韓国・台湾を中心とするエリアから、中国・アメリカ等へと広域化しており、多様化・高度化する顧客ニーズへの的確かつ迅速な対応による顧客満足の向上と、これに伴う継続的な受注を実現させるためには、広域化した現場管理を担う技術者の確保と人材育成が急務となっております。
技術者の確保及び人材育成が困難な場合には、広域化に伴う受注拡大が十分に進まず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外売上の増加に伴い、為替リスク・カントリーリスク等により代金回収面にリスクが生じる場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)許認可について
当社グループは、水処理装置・排水処理装置の施工・販売におきまして、管工事及び機械器具設置工事も行っており、これにつきましては国土交通大臣による許可を受ける必要があります。
当社は、平成27年5月に国土交通大臣より特定建設業の許可(許可番号:特-27第16162号)を受けており、有効期限は平成32年5月でありますが、今後も更新をする予定であります。
しかしながら、建設業法第29条第1項各号、同条第2項に該当する場合は、建設業の許可を取り消されることがあります。
当社グループは、当該許可の諸条件や各法令の遵守に努めており、現状におきましては、当該許可が取り消しとなる事由は認識しておりませんが、万一法令違反等により当該許可が取り消された場合、当社の受注及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)外注先への依存について
当社グループは、受注した超純水製造装置及び排水処理装置の据付工事につきまして、当社グループの基準をクリアした安定的な施工能力を有する協力工事会社に全て外注しておりますが、当社グループが外注する工事は技術面に依存したものではなく、品質維持及び工期遅延防止のため、施工監理並びに工事の進捗管理を行っております。しかしながら、外注先に経営困難等不測の事態が発生した場合、工事の遅延等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)減損会計の導入による影響について
当社グループでは、固定資産及びリース資産の減損会計を平成18年3月期から適用しております。
今後も当該資産につきまして減損の兆候が発生した場合には、将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を実施いたします。その結果、当該資産の減損損失を計上する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(9)知的財産権について
当社グループは、特許権をはじめとする知的財産権の重要性を強く認識しており、当社グループ独自の技術及び研究成果につきましては、可能な範囲において知的財産権の出願を行い、権利保護に努める方針であります。
しかしながら、出願した特許権・商標権等の知的財産権の登録査定が得られない場合、または当社グループが取得した技術を凌駕する技術が開発され、その技術についての特許権等が登録された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新商品開発に際しては、各種データベースや文献調査により、当社グループ製品に係る特許権・商標権等の知的財産権の調査を行っております。
今後におきましても知的財産権の調査体制を充実させ、関連する訴訟問題やクレームを可能な限り回避する方針であります。
ただし、将来当社グループの認識していない知的財産権が成立し、第三者が侵害を主張する等の可能性は否定できず、裁判などの紛争に至った場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、今後の受注拡大を図るためには、継続的な研究開発による競合他社との差別化、並びに新商品の開発強化が不可欠であるとの観点から、水処理装置事業を中心に水処理の研究開発及び技術力の向上に積極的に取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、主力商品である超純水に関する研究開発と、それ以外の研究開発に大別され、さらに、既に実用化されている技術、装置及び商品の改良や改善に関する研究開発と、新規及び応用に関する研究開発に分けて活動を行っております。
研究開発した技術、装置及び製品は、直ちに設計に反映するとともに、営業活動にも対応できるようにしております。具体的には、超純水装置関連では開発と基本設計の双方の業務内容を把握しつつ、情報交換を密にしながら、顧客ニーズ直結型の研究開発を行うことを特徴としております。
また、高度化並びに多様化する顧客ニーズに的確かつ迅速に対応することが不可欠であるとの観点から、①現場主義、②スピード、③チャレンジ、④研究者の能力アップ、⑤産学官共同開発を主眼として、研究開発活動に取り組んでおります。
これらの研究開発の一環として、民間企業・大学等との共同研究にも積極的に参画しており、高度化・多様化する顧客ニーズへの的確かつ迅速な対応のみならず、将来展望のある新商品の開発並びにRSシリーズ(レジスト剥離剤)、金属除去モジュール、シリコン回収リサイクル装置、汚泥減容化等の超純水製造装置以外の商品開発にも取り組んでおります。
当連結会計年度末の研究開発スタッフは43名で構成されており、同年度の研究開発費総額は3億6千万円となっております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、見積りや仮定によることが必要になります。経営者は、過去の実績や状況及び現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点でもっとも合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に採用しております。当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資の増加や企業収益及び雇用情勢が改善するなど、緩やかな回復基調が続いた一方、中国をはじめとする新興国経済の成長鈍化などの景気下振れ懸念とともに、年明け以降の円高・株安の進展など、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループの業績に影響を及ぼす半導体業界は、Semiconductor Equipment and Materials International(SEMI)が発表した世界半導体製造装置統計によると、2015年の半導体製造装置販売額は、台湾・韓国・日本・中国が前年比増加の一方、北アメリカ・ヨーロッパが減少となり、全体で3%のマイナスとなりました。また、液晶ディスプレイ市場では、パネル価格の下落と需給悪化が懸念される一方、中国での大型パネル向け投資が継続いたしました。
このような状況下、当社グループは海外では半導体・液晶関連企業、国内では製薬関連企業を中心に積極的な営業活動を展開するとともに、中国貴州省の浄水・汚水処理事業においては事業化に向けた準備を進めてまいりました。
これらの事業活動により、水処理装置については韓国及び中国・台湾での受注が堅調に推移し、受注済み工事の進捗と併せ、売上高は106億7百万円(前期比101.6%増)となりました。メンテナンス及び消耗品については国内、中国・台湾、アメリカにおいて増収となったことから、売上高は61億9千4百万円(同3.7%増)、その他の事業についてはPVDF配管材料等の受注により、売上高は9億6千5百万円(同10.5%増)となりました。
利益面については、水処理装置の増収に加え、メンテナンス及び消耗品の利益率向上により、営業段階で利益を確保いたしました。
以上の結果、売上高は177億6千7百万円(前期比46.7%増)、営業利益は3億1千6百万円(前期は5億4千9百万円の営業損失)、経常利益は1億9千3百万円(前期は2億5千7百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5千1百万円(前期は9億8千3百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益及び当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純損失」としております。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比6.5%増の152億1千3百万円、自己資本比率は45.4%となっております。
① 流動資産
当連結会計年度末の流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ11億4千3百万円増加の112億8千8百万円(前期比11.3%増)となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加が13億7千9百万円、仕掛品の増加が1億9千2百万円となった一方で、現金及び預金の減少が4億9千1百万円となったこと等によるものであります。
当連結会計年度末の流動資産の主な内訳は、現金及び預金40億2千5百万円、受取手形及び売掛金54億5千6百万円、仕掛品7億9千1百万円等であります。
② 固定資産
当連結会計年度末の固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ2億8百万円減少の39億2千5百万円(同5.0%減)となりました。主な要因は、建設仮勘定の増加が3億7千9百万円となった一方で、機械装置及び運搬具(純額)の減少が1億8千9百万円、投資有価証券の減少が1億8百万円、投資その他の資産のその他の減少が1億3百万円となったこと等によるものであります。
当連結会計年度末の固定資産の主な内訳は、建物及び構築物4億5千2百万円、機械装置及び運搬具3億9千3百万円、土地10億4千4百万円、建設仮勘定9億5千6百万円等であります。
③ 流動負債
当連結会計年度末の流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ12億4千7百万円増加の77億9千5百万円(同19.1%増)となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加が4億3千1百万円、前受金の増加が3億5千5百万円、短期借入金の増加が3億3千4百万円となったこと等によるものであります。
当連結会計年度末の流動負債の主な内訳は、支払手形及び買掛金18億1千5百万円、短期借入金40億3百万円、前受金7億1千8百万円等であります。
④ 固定負債
当連結会計年度末の固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ6千7百万円減少の4億5千4百万円(同12.9%減)となりました。主な要因は、繰延税金負債の減少が5千万円となったこと等によるものであります。
当連結会計年度末の固定負債の主な内訳は、役員退職慰労引当金1億8千万円、長期未払金1億4千6百万円等であります。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ2億4千5百万円減少の69億6千3百万円(同3.4%減)となりました。主な要因は、利益剰余金の増加が1億5千5百万円となった一方で、為替換算調整勘定の減少が3億2千8百万円となったこと等によるものであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、主要顧客企業である半導体及び液晶関連産業の設備投資動向により、需要の変動が避けられない状況にあり、また、近年では半導体価格の下落に伴う事業採算の悪化から、投資競争の激化とも相俟って、事業の選択と集中による半導体・液晶メーカーの優劣が鮮明となりつつあり、主要販売先の競争力により経営成績に影響を受ける可能性があります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえて、顧客ニーズへのきめ細かな対応を通じて、競争力の高い販売先を確保するとともに、営業力の強化及び受注採算の維持・改善が重要な経営課題であると認識しております。
加えて、今後の受注拡大を図るためには、継続的な研究開発による競合他社との差別化、新商品の開発を強化するとともに、優秀な人材の確保と育成が急務となっております。
また、当社グループは海外売上高比率が平成28年3月期におきまして71%を占めておりますが、従来の韓国・台湾を中心とするエリアから、中国・アメリカ等へと広域化しており、顧客満足の向上による継続的な受注と迅速な対応を実現させるためには、広域化した現場管理を担う技術者の確保と人材育成が重要であると認識しております。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度より10億9百万円減少し、2億5千6百万円の使用(前期は7億5千3百万円の獲得)となりましたが、これは主に、売上債権の増加が15億5千1百万円となった一方で、仕入債務の増加が5億3千万円、前受金の増加が3億9千9百万円となったこと等によるものであります。
なお、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が5億8千万円となったこと等により、6億4千9百万円の資金を使用いたしました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出が17億2千4百万円となった一方で、短期借入金の借入による収入が21億3千1百万円となったこと等により、3億8千8百万円の資金を獲得いたしました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末比6億9千1百万円減少の36億8千2百万円となりました。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境、顧客ニーズ及び入手可能な情報に基づき、最善な経営方針を立案するよう努めており、アジアの純水市場でリーディング・カンパニーの地位に立つことを中長期的な目標としております。
しかしながら、水処理装置の中心である超純水装置は、既述のとおり主要顧客企業である半導体及び液晶関連産業の設備投資動向により需要の変動が避けられないことに加え、近年では半導体及び液晶パネル価格の下落に伴う事業採算の悪化から、事業の選択と集中による半導体及び液晶メーカーの優劣が鮮明になっているため、今後も持続的な成長が見込まれる韓国、中国及び台湾を中心とするアジアでの競争力強化、並びに超純水以外の一般水処理の強化が不可欠であると認識しております。
また、顧客の環境に対するニーズを的確に捉え、環境関連分野を強化することが急務であるとの認識から、これまでに培ってきた超純水に関する技術・ノウハウを活かし、半導体及び液晶周辺事業に関わるRSシリーズ(レジスト剥離剤)、金属除去モジュール、シリコン回収リサイクル装置等超純水製造装置以外の商品の市場投入に加え、環境に配慮した高付加価値製品の投入に積極的に取り組んでいく所存であります。
この観点から、近年アジアを中心に海外での拠点展開により営業力の強化を図っておりますが、併せて優秀な人材の確保と育成による同業他社との差別化が急務であると認識しております。