第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はない。

 

2【経営上の重要な契約等】

 

当第1四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約等はない。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

経営成績

当第1四半期連結累計期間の世界経済は、米国では、雇用環境が改善し、個人消費の回復基調が継続したが、欧州では、英国のEU離脱懸念の高まりを背景に金融・為替市場が不安定化したほか、中国や新興国の経済成長が引き続き鈍化したこと等により、世界経済全体としては足踏み状態が続いた。日本経済も、2015年末からの円高基調が継続したこと等により、足踏み状態が続いた。

 

かかる状況にあって、当グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は次のとおりである。
 売上収益は、社会・産業システムセグメントが増収となったものの、円高に伴い、グループ全体として海外子会社の売上が為替換算後の円ベースで減少するなど、情報・通信システムセグメント、建設機械セグメント、高機能材料セグメント、生活・エコシステムセグメント及びその他セグメント等が減収となったことから、前年同期に比べて8%減少し、2兆1,304億円となった。
 売上原価は、前年同期に比べて7%減少し、1兆5,842億円となり、売上収益に対する比率は、前年同期と同水準の74%となった。売上総利益は、前年同期に比べて9%減少し、5,462億円となった。
 販売費及び一般管理費は、前年同期に比べて7%減少し、4,547億円となり、売上収益に対する比率は、前年同期と同水準の21%となった。

その他の収益は、㈱日立物流株式の一部売却による事業再編等利益の計上等により、前年同期に比べて160億円増加して451億円となり、その他の費用は、減損損失の増加や固定資産損失の計上はあったものの、前年同期に計上した競争法等関連費用がなくなったことや特別退職金の減少等により、前年同期に比べて4億円減少して119億円となった。
 金融収益(受取利息を除く)は、前年同期に比べて63億円減少して34億円となり、金融費用(支払利息を除く)は、前年同期に比べて135億円増加して135億円となった。これは主として、為替差損の計上等によるものである。
 持分法による投資損益は、前年同期の45億円の利益に対し、22億円の損失となった。

EBIT(受取利息及び支払利息調整後税引前四半期利益。継続事業税引前四半期利益から、受取利息の額を減算し、支払利息の額を加算して算出した指標。)は、前年同期に比べて339億円減少し、1,124億円となった。
 受取利息は、前年同期に比べて4億円減少して25億円となり、支払利息は、前年同期に比べて15億円減少して52億円となった。
 継続事業税引前四半期利益は、前年同期に比べて329億円減少し、1,097億円となった。
 法人所得税費用は、前年同期に比べて126億円減少し、333億円となった。
 非継続事業四半期損益は、前年同期の16億円の損失に対し、4億円の利益となった。
 四半期利益は、前年同期に比べて182億円減少し、768億円となった。
 非支配持分に帰属する四半期利益は、前年同期に比べて197億円減少し、203億円となった。
 これらの結果、親会社株主に帰属する四半期利益は、前年同期に比べて14億円増加し、564億円となった。

 

セグメントごとの業績の状況

セグメントごとに業績の状況を概観すると次のとおりである。各セグメントの売上収益は、セグメント間内部売上収益を含んでいる。また、各セグメントのセグメント損益は、EBITで表示している。

 

(情報・通信システム)

売上収益は、海外子会社における為替換算影響に加え、海外向けATMの販売が減少したことや前年同期に大口案件のあった公共システム事業が減収となったこと等により、前年同期に比べて4%減少し、4,350億円となった。
 セグメント利益は、通信ネットワーク事業を中心とした事業構造改革の効果等はあったものの、同事業を中心に減損損失等の事業構造改革関連費用を計上したことや、為替差損を計上したこと等により、前年同期に比べて76億円減少し、7億円となった。

 

(社会・産業システム)

売上収益は、海外子会社における為替換算影響があったものの、イタリアのAnsaldoBreda S.p.A.の事業(一部を除く)及びAnsaldo STS S.p.A.の買収等によって鉄道システム事業が大幅な増収となったこと等により、前年同期に比べて11%増加し、4,830億円となった。

セグメント損益は、売上収益は増加したものの、電力・エネルギー事業の損益悪化や為替差損の計上等により、前年同期の86億円の利益に対し、61億円の損失となった。

 

(電子装置・システム)

売上収益は、日立工機㈱がドイツのmetabo Aktiengesellschaftを買収したことにより増収となったものの、㈱日立国際電気が半導体メーカーの積極的な設備投資の一巡により減収となったこと等から、前年同期に比べて1%減少し、2,559億円となった。
 セグメント利益は、㈱日立ハイテクノロジーズが医用分析装置の販売が堅調に推移したこと等により増益となったものの、㈱日立国際電気が減収に伴い減益となったことや為替差損の計上等により、前年同期に比べて57億円減少し、115億円となった。

 

(建設機械)

売上収益は、主にアジアやアフリカ地域における現地通貨安の影響や、中国をはじめとしたアジアや米州地域において引き続き市況が低迷したこと等から、前年同期に比べて9%減少し、1,613億円となった。
 セグメント利益は、売上収益の減少や為替差損の計上等により、前年同期に比べて38億円減少し、14億円となった。

 

(高機能材料)

売上収益は、日立金属㈱及び日立化成㈱の両社において、海外子会社における為替換算影響があったことに加え、エレクトロニクス及び自動車関連製品の販売が減少したこと等から、前年同期に比べて13%減少し、3,514億円となった。
 セグメント利益は、前年同期に日立金属㈱による日立ツール㈱の持分譲渡に伴う事業再編等利益を計上していたことや為替差損の計上等により、前年同期に比べて389億円減少し、233億円となった。

 

(オートモティブシステム)

売上収益は、自動車需要が堅調な北米や中国向けを中心に販売が伸長したものの、国内向け出荷の減少や海外子会社における為替換算影響等により、前年同期に比べて3%減少し、2,329億円となった。
 セグメント利益は、国内向け出荷の減少による減益に加え、先進運転支援システム関連の研究開発費の増加等により、前年同期に比べて38億円減少し、78億円となった。

 

(生活・エコシステム)

売上収益は、Johnson Controls Inc.との合弁会社である持分法適用会社との間で空調システム事業の再編を行った影響等により、前年同期に比べて31%減少し、1,398億円となった。
 セグメント利益は、空調事業を再編した影響等により、前年同期に比べて50億円減少し、33億円となった。

 

(その他)

売上収益は、㈱日立物流を持分法適用会社としたこと等により、前年同期に比べて30%減少し、2,131億円となった。
 セグメント利益は、売上収益の減少等により、前年同期に比べて74億円減少し、48億円となった。

 

(金融サービス)

売上収益は、米国は堅調に推移したものの、為替換算影響等により海外事業全体としては減収となったことから、前年同期に比べて2%減少し、892億円となった。
 セグメント利益は、売上収益の減少等により、前年同期に比べて14億円減少し、112億円となった。

 

国内・海外売上収益の状況

国内売上収益は、高機能材料セグメント、オートモティブシステムセグメント及びその他セグメント等が減収となったこと等により、前年同期に比べて6%減少し、1兆470億円となった。
 海外売上収益は、欧州においては社会・産業システムセグメントを中心に増収となったものの、アジアにおいて生活・エコシステムセグメントを中心に減収となったことや、北米において高機能材料セグメントを中心に減収となったこと等により、前年同期に比べて9%減少し、1兆834億円となった。
 この結果、売上収益に占める海外売上収益の比率は、前年同期に比べて1%減少し、51%となった。

 

(2)財政状態等の概要

流動性と資金の源泉

当第1四半期連結累計期間において、流動性の維持及び資金の確保の方針、資金管理の効率の改善に向けた取組み並びに資金の源泉及び資金調達の考え方に重要な変更はない。

 

キャッシュ・フロー

(営業活動に関するキャッシュ・フロー)

四半期利益は、前年同期に比べて182億円減少した。売上債権の増減に伴う収入は前年同期に比べて642億円減少した一方、買入債務の増減に伴う支出が1,192億円減少したこと等によって、運転資金は改善したものの、配当金の受取が前年同期に比べて102億円減少したこと等により、営業活動に関するキャッシュ・フローの収入は、前年同期に比べて204億円減少し、849億円となった。

 

 

(投資活動に関するキャッシュ・フロー)

固定資産関連の純投資額(注1)が前年同期に比べて133億円増加し、1,260億円となったものの、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得による支出が、Hitachi Data Systems CorporationによるPentaho Corporationの買収を実施した前年同期に比べて645億円減少したこと、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の売却による収入が、㈱日立物流株式の一部売却等によって、前年同期に比べて238億円増加したこと等により、投資活動に関するキャッシュ・フローの支出は、前年同期に比べて525億円減少し、814億円となった。

(注)1.有形固定資産の取得及び無形資産の取得並びに有形及び無形賃貸資産の取得の合計額から、有形固定資産及び無形資産の売却、有形及び無形賃貸資産の売却並びにリース債権の回収の合計額を差し引いた額。

 

(財務活動に関するキャッシュ・フロー)

短期借入金の増減による収入が前年同期に比べて170億円増加したほか、長期借入債務の純収入額(注2)が前年同期に比べて72億円増加し、214億円となったこと等により、財務活動に関するキャッシュ・フローの収入は、前年同期に比べて269億円増加し、343億円となった。
(注)2.長期借入債務による調達から償還を差し引いた額。

 

これらの結果、当第1四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物は、前年度末に比べて163億円減少し、6,829億円となった。また、営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローを合わせた所謂フリー・キャッシュ・フローは、前年同期の285億円の支出に対し、35億円の収入となった。

 

資産、負債及び資本

当グループの当第1四半期連結累計期間末の資産、負債及び資本の状況は次のとおりである。
 総資産は、為替影響に加えて、㈱日立物流を持分法適用会社としたことや前年度末に計上された売上債権の回収を進めたこと等により、前年度末に比べて8,925億円減少し、11兆6,584億円となった。
 有利子負債(短期借入金及び長期債務の合計)は、為替影響等により、前年度末に比べて1,102億円減少し、3兆4,942億円となった。
 親会社株主持分は、親会社株主に帰属する四半期利益を計上したものの、為替変動に伴うその他の包括損失の計上等により、前年度末に比べて1,386億円減少し、2兆5,964億円となった。この結果、親会社株主持分比率は、前年度末に比べて0.5%増加し、22.3%となった。
 非支配持分は、前年度末に比べて1,654億円減少し、1兆2,250億円となった。
 資本合計は、前年度末に比べて3,040億円減少し、3兆8,214億円となり、資本合計に対する有利子負債の比率は、前年度末の0.87倍に対して、0.91倍となった。

 

(3)対処すべき課題

①事業上及び財務上の対処すべき課題
 当第1四半期連結累計期間において、当グループが対処すべき課題について、重要な変更はない。

 

②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当グループにおいては、将来を見据えた基礎研究や、先行的な製品及び事業の開発のために多くの経営資源を投下しており、これらの経営施策が成果をもたらすためには、経営方針の継続性を一定期間維持する必要がある。このため、当社では、各期の経営成績に加えて、将来を見通した経営施策に関しても、株主・投資家に対して、積極的に内容を開示することとしている。

当社は、経営支配権の異動を通じた企業活動及び経済の活性化の意義を否定するものではないが、当社又はグループ会社の株式の大量取得を目的とする買付けについては、当該買付者の事業内容及び将来の事業計画並びに過去の投資行動等から、慎重に当該買付行為又は買収提案の当社企業価値・株主共同の利益への影響を判断する必要があると認識している。

現在のところ、当社の株式を大量に取得しようとする者の存在によって、具体的な脅威が生じているわけではなく、また、当社としても、そのような買付者が出現した場合の具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策」)をあらかじめ定めるものではないが、当社としては、株主・投資家から負託された当然の責務として、当社の株式取引や異動の状況を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置をとる。具体的には、社外の専門家を含めて当該買収提案の評価や取得者との交渉を行い、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否及び内容等を速やかに決定し、実行する体制を整える。また、グループ会社の株式を大量に取得しようとする者に対しても、同様の対応をとることとしている。

 

 

(4)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動の状況について、重要な変更はない。当第1四半期連結累計期間における当グループの研究開発費は、売上収益の3.6%にあたる764億円であり、内訳は次のとおりである。

 

セグメントの名称

研究開発費
(億円)

情報・通信システム

131

社会・産業システム

109

電子装置・システム

112

建設機械

41

高機能材料

112

オートモティブシステム

181

生活・エコシステム

15

その他

9

金融サービス

0

全社(本社他)

49

合  計

764

 

 

(5)設備の状況

当第1四半期連結累計期間において、著しい変動のあった主要な設備は、次のとおりである。

 

連結会社

(2016年6月30日現在)

 

セグメントの名称

帳 簿 価 額 (百万円)

従業員数
(人)

土 地
(面積千㎡)

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具、器具
及び備品

その他の
有形固定資産

建設
仮勘定

合 計

その他(注)

37,572

(2,063)

62,997

 

7,033

 

17,538

 

1,548

 

904

 

127,592

 

14,281

 

 

(注)当社の子会社であった㈱日立物流が、2016年5月19日付で、当社の持分法適用会社となったこと等により、その他セグメントの設備の帳簿価額が著しく減少した。

 

提出会社

(2016年6月30日現在)

事業所名
(主な所在地)

セグメントの名称

設備の
内容

帳 簿 価 額 (百万円)

従業員数
(人)

土 地
(面積千㎡)

建物及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

工具、
器具及び
備品

その他の
有形固定
資産

建設
仮勘定

合 計

ヘルスケアビジネスユニット(注)
(東京都台東区)

電子装置・システム

医療機器生産設備

6,614

(93)

 

5,179

 

578

 

1,701

 

669

 

567

 

15,311

 

2,986

 

 

(注)当社が、2016年4月1日を効力発生日として、㈱日立メディコ及び日立アロカメディカル㈱の製造部門以外の部門をそれぞれ吸収分割により承継したこと等により、ヘルスケアビジネスユニットの設備の帳簿価額が著しく増加したため、新たに主たる設備として記載している。なお、当社は、2016年4月1日付で、事業体制をカンパニー制からビジネスユニット制に変更している。

 

 

(6)設備の新設、除却等の計画

当グループ(当社及び連結子会社)は、多種多様な事業を国内外で行っており、連結会計年度末及び四半期連結累計期間末時点では設備の新設及び拡充の計画を個々の案件ごとに決定していない。そのため、セグメントごとの数値を開示する方法によっている。

前連結会計年度末において計画していた当連結会計年度の設備投資(新設及び拡充。有形固定資産及び投資不動産受入ベース)の金額は、当第1四半期連結累計期間末において下表のとおり変更されている。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
設備投資計画金額
(億円)

変更前

変更後

情報・通信システム

450

450

社会・産業システム

700

700

電子装置・システム

200

200

建設機械

200

200

高機能材料

1,100

1,100

オートモティブシステム

800

800

生活・エコシステム

150

150

その他

200

200

金融サービス(注4)

450

700

小  計

4,250

4,500

全社及び消去

0

0

合  計

4,250

4,500

 

(注)1.上表は、賃借中のファイナンス・リース資産の「有形固定資産」への計上額及び投資不動産の「その他の非流動資産」への計上額を含んでいる。

2.設備投資計画の今後の所要資金については、主として自己資金をもって充当する予定である。

3.経常的な設備の更新のための除却・売却を除き、重要な設備の除却・売却の計画はない。

4.当社が保有する日立キャピタル㈱株式の一部譲渡により、同社は2016年8月に当社の持分法適用会社となる予定であったが、当該譲渡の実行予定日が、同年10月以降、関連規制及び許認可等への対応が完了し次第に変更されたため、金融サービスセグメントの設備投資計画金額が変更となった。

 

(7)将来予想に関する記述

 「3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」等は、当社又は当グループの今後の計画、見通し、戦略等の将来予想に関する記述を含んでいる。将来予想に関する記述は、当社又は当グループが当四半期報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なることがありえる。その要因のうち、主なものは以下のとおりである。

・主要市場(特に日本、アジア、米国及び欧州)における経済状況及び需要の急激な変動
・為替相場変動(特に円/ドル、円/ユーロ相場)
・資金調達環境
・株式相場変動
・原材料・部品の不足及び価格の変動
・長期契約におけるコストの変動及び契約の解除
・信用供与を行った取引先の財政状態
・製品需給の変動
・製品需給、為替相場及び原材料価格の変動並びに原材料・部品の不足に対応する当社及び子会社の能力
・新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社及び子会社の能力
・価格競争の激化
・社会イノベーション事業強化に係る戦略
・企業買収、事業の合弁及び戦略的提携の実施並びにこれらに関連する費用の発生
・事業再構築のための施策の実施
・持分法適用会社への投資に係る損失
・主要市場・事業拠点(特に日本、アジア、米国及び欧州)における社会状況及び貿易規制等各種規制
・コスト構造改革施策の実施
・人材の確保
・自社特許の保護及び他社特許の利用の確保
・当社、子会社または持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続
・製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等
・地震・津波等の自然災害、感染症の流行及びテロ・紛争等による政治的・社会的混乱
・情報システムへの依存及び機密情報の管理
・退職給付に係る負債の算定における見積り