第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

 業績等の概要については、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に含めて記載している。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額又は数量で示すことはしていない。

 販売の状況については、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における各セグメントの業績に関連付けて示している。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当グループは、グローバルな市場競争が激化するなかで、当社及び関係会社(子会社及び持分法適用会社)各社の発展により事業を拡大してきており、顧客に対し、より高い価値をもたらす競争力のある製品・サービスを提供することで、一層の発展を遂げることをめざしている。当グループでは、グループ内の多様な経営資源を最大限に活用するとともに、事業の見直しや再編を図ることで、競争力を強化し、グローバル市場での成長を実現し、顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えることにより、株主価値の向上を図っていくことを基本方針としている。

 「2018中期経営計画」において、当グループは、これまで培ってきた事業基盤を最大限に活用し、電力・エネルギー、産業・流通・水、アーバン、金融・公共・ヘルスケア等の分野において、顧客との協創によりソリューションを提供する社会イノベーション事業をグローバルに展開することにより、持続的な成長を図る。また、継続的な事業ポートフォリオの見直しやコスト構造改革の推進による安定的経営基盤の確立に向けて取り組んでいく。当該中期経営計画においては、売上収益、調整後営業利益(率)(注1)、EBIT(率)(注2)、親会社株主に帰属する当期利益、フロント売上比率(注3)、海外売上比率、営業キャッシュ・フロー・マージン(注4)及びROA(注5)を経営上の目標として用いている。

(注)1.調整後営業利益は、売上収益から、売上原価並びに販売費及び一般管理費の額を減算して算出した指標であり、調整後営業利益率は、調整後営業利益を売上収益の額で除して算出した指標である。

2.EBITは、受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益であり、継続事業税引前当期利益から、受取利息の額を減算し、支払利息の額を加算して算出した指標である。EBIT率は、EBITを売上収益の額で除して算出した指標である

3.フロント部門の売上収益を、売上収益の額で除して算出した指標である。

4.営業キャッシュ・フローを、売上収益の額で除して算出した指標である。

5.総資産当期利益率であり、当期利益を総資産(連結会計年度の期首と期末の平均)の額で除して算出した指標である。

 

(2)経営環境

 当グループは、世界各地において製造、販売、研究開発等の事業活動を行っている。日本、アジア、北米、欧州及び当グループが事業活動を行うその他の主要な市場における経済の動向は、当グループの売上収益や収益性に影響を及ぼす可能性がある。

 当連結会計年度の世界経済は、米国では、雇用環境の改善により個人消費及び住宅投資が引き続き堅調に推移したほか、設備投資も持ち直した。欧州では、英国国民投票におけるEU離脱決定等の影響により為替相場の不安定な動きは続いたものの、堅調な個人消費が下支えとなり緩やかな経済成長が続いた。中国経済は、政府のインフラ投資等が景気を下支えし、安定的な成長が続いた。新興国経済は、原油や資源価格がやや回復したものの、為替市場の混乱の影響を受け成長が停滞し、厳しい環境が続いた。日本経済は、11月上旬までは円高等により足踏み状態が続いていたものの、その後の円高の是正や個人消費の回復等により回復基調となった。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 世界経済の先行きは不透明な状況が続くが、グループでは、あらゆるモノがインターネットで繋がるIoT(Internet of Things)時代に顧客の課題を解決するパートナーとして、更なる成長を実現すべく、「2018中期経営計画」の下、以下の施策を推進する。

 

グループの事業を①「電力・エネルギー」、②産業系プロダクツ・ソリューション事業を含めた「産業・流通・水」、③鉄道やビルシステムに加えて生活・エコシステム及びオートモティブシステム事業を含めた「アーバン」、④ITを軸とした「金融・公共・ヘルスケア」の4分野にグループ分けし、各分野を一体的に運営することで、より広い視野での成長戦略を実行するとともに、各分野におけるシナジー創出を図る。

 

・新たなソリューション開発のためのプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」を活用しながら、複雑化する社会や顧客の課題を解決に導くためのきめ細かなサービスを提供する。

 

・地域・国ごとに異なる顧客のニーズや事業環境に合わせ、最適なサービス・製品を迅速に提供できるフロント体制を確立し、グローバル市場における事業の成長を加速する。

 

・成長戦略に沿った集中投資を実施するとともに、資産効率の改善と人工知能など中長期的な強化分野の開拓を図る。

 

・事業の成長性・収益性や競争力強化の観点から、他社との提携、撤退・売却を含めた再編を行い、事業ポートフォリオの最適化を継続的に図っていく。

 

グループの成長に必要な資金を確保するため、固定費の削減などを通じたコスト構造改革を一層深化させ、キャッシュ創出力を強化する。

 

・顧客と課題を共有し、新たなソリューションを共に創り上げる研究開発を強化することで、研究開発がグループの収益向上に果たす役割を一層強めていく。

 

・多様な人財が最大限に力を発揮できるよう、柔軟な働き方を選択できる就業環境の整備や業務の効率化を通じた生産性の向上を進め、働き方改革を断行する。

 

・顧客に高品質で安全性の高い製品とサービスを提供することで、グループに対する社会からの信頼をより確実なものとし、日立ブランドの価値の向上を図る。

 

グループ内の不正行為を根絶するとの強い決意の下、法令や国際的な社会規範の遵守、企業倫理の徹底を図るとともに、引き続き環境や地域社会への貢献に努めていく。

 

(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当グループにおいては、将来を見据えた基礎研究や、先行的な製品及び事業の開発のために多くの経営資源を投下しており、これらの経営施策が成果をもたらすためには、経営方針の継続性を一定期間維持する必要がある。このため、当社では、各期の経営成績に加えて、将来を見通した経営施策に関しても、株主・投資家に対して、積極的に内容を開示することとしている。

 当社は、経営支配権の異動を通じた企業活動及び経済の活性化の意義を否定するものではないが、当社又はグループ会社の株式の大量取得を目的とする買付けについては、当該買付者の事業内容及び将来の事業計画並びに過去の投資行動等から、慎重に当該買付行為又は買収提案の当社企業価値・株主共同の利益への影響を判断する必要があると認識している。

 現在のところ、当社の株式を大量に取得しようとする者の存在によって、具体的な脅威が生じているわけではなく、また、当社としても、そのような買付者が出現した場合の具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策」)をあらかじめ定めるものではないが、当社としては、株主・投資家から負託された当然の責務として、当社の株式取引や異動の状況を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置をとる。具体的には、社外の専門家を含めて当該買収提案の評価や取得者との交渉を行い、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否及び内容等を速やかに決定し、実行する体制を整える。また、グループ会社の株式を大量に取得しようとする者に対しても、同様の対応をとることとしている。

 

4【事業等のリスク】

 

 当グループは、幅広い事業分野にわたり、世界各地において事業活動を行っている。また、事業を遂行するために高度で専門的な技術を利用している。そのため、当グループの事業活動は、多岐にわたる要因の影響を受ける。その要因の主なものは、次のとおりである。なお、これらは当有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいている。

 

経済の動向

 当グループの事業活動は、世界経済及び特定の国・地域の経済情勢の影響を受ける。米国、欧州、中国、新興国や日本の景気が減速・後退する場合は、個人消費や設備投資の低下等をもたらし、その結果、当グループが提供する製品又はサービスに対する需要が減少するなど、当グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

為替相場の変動

 当グループは、取引先及び取引地域が世界各地にわたっているため、為替相場の変動リスクにさらされている。当グループは、現地通貨建てで製品・サービスの販売・提供及び原材料・部品の購入を行っていることから、為替相場の変動は、円建てでの売上の低下やコストの上昇を招き、円建てで報告される当グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。当グループが、売上の低下を埋め合わせるために現地通貨建ての価格を上げた場合やコストの上昇分を吸収するために円建ての価格を上げた場合、当グループの価格競争力及び経営成績は悪影響を受ける可能性がある。また、当グループは、現地通貨で表示された資産及び負債を保有していることから、為替相場の変動は、円建てで報告される当グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。当グループでは、為替相場の変動リスクを軽減するための施策を実行しているが、有効な手段とはならない可能性がある。

 

資金調達環境

 当グループの主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入並びにコマーシャル・ペーパー及びその他の債券、株式の発行等による資本市場からの資金調達である。当グループは、事業活動のための費用、負債の元本及び利子並びに株式に対する配当を支払うために、流動資金を必要とする。また、当グループは、設備投資及び研究開発費等のために長期的な資金調達を必要としている。当グループは、営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入及び資本市場からの資金調達により、当グループの事業活動やその他の流動資金の需要を充足できると考えているが、世界経済が悪化した場合、当グループの営業活動によるキャッシュ・フロー、業績及び財政状態に悪影響を及ぼし、これに伴い当社の債券格付けにも悪影響を及ぼす可能性がある。債券格付けが引き下げられた場合、当社が有利と考える条件による追加的な資金調達の実行力に悪影響を及ぼす可能性がある。

 当社は、資金調達を銀行等の金融機関からの借入に依存することにより金利上昇のリスクにさらされている。また、外部の資金源への依存を高めなければならなくなる可能性がある。負債への依存を高めることにより、当社の債券格付けは悪影響を受けることがあり、当社が有利と考える条件による追加的な資金調達の実行力にも影響を及ぼす可能性がある。かかる資金調達ができない場合、当グループの資金調達コストが上昇し、当グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 また、当グループの主要な取引金融機関が倒産した場合又は当該取引金融機関が当グループに対して融資条件の変更や融資の停止を決定した場合、当グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

株式等の価格の下落

 当グループは、他社との事業上の関係等を維持又は促進するため、株式等の市場性のある有価証券を保有している。かかる市場性のある有価証券は、市場価格の下落リスクにさらされている。株式の市場価格の下落に伴い、当社及び連結子会社は、保有する株式の評価損を計上しなければならない可能性がある。さらに、当社及び連結子会社は、契約その他の義務により、株価の下落にかかわらず、株式を保有し続けなくてはならない可能性があり、このことにより多額の損失を被る可能性もある。

 

原材料・部品の調達

 当グループの生産活動は、サプライヤーが時宜に適った方法により、合理的な価格で適切な品質及び量の原材料、部品及びサービスを当グループに供給する能力に依存している。需要過剰の場合、サプライヤーは当グループの全ての要求を満たすための十分な供給能力を有しない可能性がある。原材料、部品及びサービスの不足は、急激な価格の高騰を引き起こす可能性がある。また、米ドルやユーロをはじめとする現地通貨建てで購入を行っている原材料及び部品については、為替相場の変動の影響を受ける。石油、銅、鉄鋼、合成樹脂、レアメタル、レアアース等の市況価格の上昇は当グループの製造コストの上昇要因であり、当グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、原材料及び部品等の商品価格が下落した場合には、棚卸資産の評価損等の損失が発生する可能性がある。
 さらに、自然災害等により、サプライヤーの事業活動やサプライチェーンが被害を受けた場合、当グループの生産活動に悪影響を及ぼす可能性がある。当グループは、通常、調達に関連する問題の発生を回避するため、複数のサプライヤーを確保し、サプライヤーと緊密な関係を築くよう努めているが、供給不足や納入遅延等の問題が継続又は新たに発生した場合、当グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

長期契約に係る見積り、コストの変動及び契約の解除

 当グループは、インフラシステムの建設に係る請負契約をはじめ多数の長期契約を締結しており、かかる長期契約に基づく収益を認識するために、当該契約の成果が信頼性をもって見積ることができる場合、工事契約の進捗に応じて収益及び費用を認識している。収益については、直近の見積総売価に、直近の見積総原価に対する発生原価の割合を乗じて算定している。また、当該契約の成果が信頼性をもって見積ることができない場合には、発生した工事契約原価のうち、回収される可能性が高い範囲でのみ収益を認識し、工事契約原価は発生した期間に費用として認識している。長期契約に基づく収益認識において、見積総原価、完成までの残存費用、見積総売価、契約に係るリスクやその他の要因について重要な仮定を行う必要があるが、かかる見積りが正確である保証はない。当グループは、これらの見積りを継続的に見直し、必要と考える場合には調整を行っている。当グループは、価格が確定している契約の予測損失は、その損失が見積られた時点で費用計上しているが、かかる見積りが正確である保証はない。また、コストの変動は、当グループのコントロールの及ばない様々な理由によって発生する可能性がある。さらに、当グループ又はその取引相手が契約を解除する可能性もある。このような場合、当グループは、当該契約に関する当初の見積りを見直す必要が生じ、かかる見直しは、当グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

取引先の信用リスク

 当グループは、国内外の様々な顧客及びサプライヤーと取引を行っており、売掛金、前渡金などの信用供与を行っている。当グループでは、定期的な信用調査や信用リスクに応じた取引限度額の設定など、信用リスクの管理のための施策を講じているが、取引相手の財政状態の悪化や経営破綻等が生じた場合、当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。

 

需要と供給のバランス

 当グループが他社と競合する市場における急激な需要の減少と供給過剰は、販売価格の下落、ひいては売上の減少及び収益性の低下を招く可能性がある。加えて、当グループは、需要と供給のバランスを取るため、過剰在庫や陳腐化した設備の処分又は生産調整を強いられる場合があり、これにより損失が発生する可能性がある。例えば、建設機械、自動車機器及び半導体製造装置等の市場における需要と供給のバランスが崩れ、市況が低迷した場合、当グループの関連事業の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

急速な技術革新

 当グループの事業分野においては、新しい技術が急速に発展している。先端技術の開発に加えて、先端技術を継続的に、迅速かつ優れた費用効率で製品・サービスに適用し、これらの製品・サービスのマーケティングを効果的に行うことは、競争力を維持するために不可欠である。このような製品・サービスを生み出すためには、研究開発に対する多くの経営資源の投入が必要になるが、当グループの研究開発が常に成功する保証はない。当グループの先端技術の開発又は製品・サービスへの適用が予定どおり進展しなかった場合、当グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

競争の激化

 当グループの事業分野においては、大規模な国際的企業から専業企業に至るまで、多様な競合相手が存在している。先端的なエレクトロニクス製品においても汎用品化や低コストの地域における製造が進んでおり、価格競争を激化させている。かかる状況下で競争力を維持するためには、当グループは、その製品及びサービスが価格競争力を有するものでなければならないと考えている。かかる製品の汎用品化は、当グループの製品の価格決定力に影響を及ぼす。当グループが競合相手の価格と対等な価格を設定できない場合、当グループの競争力及び収益性が低下する可能性がある。一方で、競合相手の価格と対等な価格を設定することにより、その製品の販売が損失をもたらす可能性がある。また、当グループの製品は、技術、品質及びブランド価値の面においても競争力を有するものでなければならない。また、当グループは、かかる製品やサービスを適時に市場に投入する必要があるが、当グループが提供する製品又はサービスが競争力を有する保証はなく、かかる製品又はサービスが競争力を有していない場合、当グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

人材確保

 当グループの競争力を維持するためには、事業遂行に必要な優秀な人材を採用し、確保し続ける必要がある。しかしながら、優秀な人材は限られており、かかる人材の採用及び確保の競争は激化している。当グループがこのような優秀な人材を新たに採用し、又は雇用し続けることができる保証はない。

 

社会イノベーション事業強化に係る戦略

 当グループは事業戦略として、主に社会イノベーション事業の強化によって、安定的かつ収益性の高い事業構造を確立することをめざしている。当グループは社会イノベーション事業を強化するため、設備投資や研究開発等の経営資源を重点的に配分することを計画しているほか、企業買収・新規プロジェクトへの投資も行っている。また、市場の変化に応じて社会イノベーション事業を効果的に展開するため、適切な事業体制の構築を図っている。かかる戦略を実行するため、当グループは、多額の費用を支出しており、今後も継続する予定である。かかる戦略のための当グループの取組みは、成功しない、又は当グループが現在期待している効果を得られない可能性がある。また、かかる取組みによって、当グループが収益性の維持又は向上を実現できる保証はない。

 

企業買収、合弁事業及び戦略的提携

 当グループは、各事業分野において、重要な新技術や新製品の設計・開発、事業規模拡大による市場競争力の強化及び新たな地域への事業進出のための拠点や販路の獲得等のため、他企業の買収、事業の合弁や外部パートナーとの戦略的提携に一定程度依存している。このような施策は、事業遂行、技術、製品及び人事上の統合又は投資の回収が容易でないことから、本質的にリスクを伴っている。統合は、時間と費用がかかる複雑な問題を含んでおり、適切な計画の下で実行されない場合、当グループの事業に悪影響を及ぼす可能性もある。また、事業提携は、当グループがコントロールできない提携先の決定や能力又は市場の動向によって影響を受ける可能性がある。これらの施策に関連して、統合に関する費用や買収事業の再構築に関する費用など、買収、運営その他に係る多額の費用が当グループに発生する可能性がある。また、投資先事業の収益性が低下し、投資額の回収が見込めない場合、のれんの減損など、多額の損失が発生する可能性がある。これらの施策が当グループの事業及び財政状態に有益なものとなる保証はなく、これらの施策が有益であるとしても、当グループが買収した事業の統合に成功し、又は当該施策の当初の目的の全部又は一部を達成できる保証はない。

 

事業再構築

 当グループは、以下の取組み等により、事業ポートフォリオの再構築並びに安定的かつ収益性の高い事業構造の確立を図っている。

・不採算事業からの撤退

・当社の子会社及び関連会社の売却

・製造拠点及び販売網の再編

・資産の売却

 当グループによる事業再構築の取組みは、各国政府の規制、雇用問題又は当グループが売却を検討している事業に対するM&A市場における需要不足等により、時宜に適った方法によって実行されないか、又は全く実行されない可能性がある。また、当社は、複数の上場子会社を有しており、これらの上場子会社の株主の利害と当グループの利害が衝突する可能性もある。かかる利害衝突によって、これらの上場子会社が当事者となる合併、会社分割その他のこれに類する取引を含むグループ全体の方針を適時に実行することが困難になる可能性がある。事業再構築の取組みは、顧客又は従業員からの評価の低下等、予期せぬ結果をもたらす可能性もあり、また、過去に生じた有形固定資産や無形資産の減損、在庫の評価減、有形固定資産の処分及び有価証券の売却に関連する損失など、多額の費用が将来も発生する可能性がある。現在及び将来における再編の取組みは、成功しない、又は当グループが現在期待している効果を得られず、当グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

持分法適用会社の業績の悪化

 当社及び連結子会社は、多数の持分法適用会社を有している。持分法適用会社の損失は、当社及び連結子会社の持分比率に応じて、連結財務諸表に計上される。また、当社及び連結子会社は、持分法適用会社の回収可能価額が取得原価又は帳簿価額を下回る場合、当該持分法適用会社の株式について減損損失を計上しなければならない可能性もある。

 

海外における事業活動

 当グループは、事業戦略の一環として海外市場における事業の拡大を図っており、これを通じて、売上の増加、コストの削減及び収益性の向上等の実現をめざしている。これらの多くの市場において、当グループは、潜在的な顧客と現地企業との間の長期にわたる関係等の障壁に直面することがある。さらに、当グループの海外事業は、事業を行う海外の各国において、以下を含む様々な要因による悪影響を受ける可能性がある。

・投資、輸出、関税、公正な競争、贈賄禁止、消費者及び企業に関する税制、知的財産、外国貿易及び外国為替に関する規制、環境及びリサイクルに関する規制の変更

・契約条項等の商慣習の相違

・労使関係

・対日感情、地域住民感情

・その他の政治的及び社会的要因、経済の動向並びに為替相場の変動

 これらの要因により、当グループが、海外における成長戦略の目的を達成できる保証はなく、当グループの事業の成長見通し及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

コスト構造改革への取組み

 当グループは、調達、生産及び間接業務について、グループ横断でコスト構造を抜本的に改革する「Hitachi Smart Transformation Project」を実施している。当グループは、かかる施策により、経営基盤強化による収益性の安定化とキャッシュ・フローの創出をめざしているが、かかる施策は、当グループが現在期待している効果を得られない可能性がある。また、かかる取組みによって、当グループが収益性の維持又は向上を実現できる保証はない。

 

 

知的財産

 当グループの事業は、製品、製品のデザイン、製造過程及び製品・ソフトウェアを組み合わせてサービスの提供を行うシステム等に関する特許権、商標権及びその他の知的財産権を日本及び各国において取得できるか否かに依存する側面がある。当グループがかかる知的財産権を保有しているとしても、競争上優位に立てるという保証はない。様々な当事者が当グループの特許権、商標権及びその他の知的財産権について異議を申し立て、無効とし、又はその使用を避ける可能性がある。また、将来取得する特許権に関する特許請求の範囲が当グループの技術を保護するために十分に広範なものである保証はない。当グループが事業を行っている国において、特許権、著作権及び企業秘密に対する有効な保護手段が整備されていないか、又は不十分である可能性があり、当グループの企業秘密が従業員、契約先等によって開示又は不正流用される可能性がある。

 当グループの多くの製品には、第三者からライセンスを受けたソフトウェア又はその他の知的財産が含まれている。当グループは、競合他社の保護された技術を使用することができない、又は不利な条件の下でのみ使用しうることとなる可能性がある。かかる知的財産に関するライセンスを取得したとしても経済的理由等からこれを維持できる保証はなく、また、かかる知的財産が当グループの期待する商業上の優位性をもたらす保証もない。

 当グループは、特許権及びその他の知的財産に関して、提訴され、又は権利侵害を主張する旨の通知を受け取ることがある。これらの請求に正当性があるか否かにかかわらず、応訴するためには多額の費用等が必要となる可能性があり、また、経営陣が当グループの事業運営に専念できない可能性や当グループの評判を損ねる可能性がある。さらに、権利侵害の主張が成功し、侵害の対象となった技術のライセンスを当グループが取得することができない場合、又は他の権利侵害を行っていない代替技術を使用することができない場合、当グループの事業は悪影響を受ける可能性がある。

 

訴訟その他の法的手続

 当グループは、事業を遂行する上で、訴訟や規制当局による調査及び処分等に関するリスクを有している。訴訟その他の法的手続により、当グループに対して巨額又は算定困難な金銭支払いの請求又は命令がなされ、また、事業の遂行に対する制限が加えられる可能性があり、これらの内容や規模は長期間にわたって知り得ない可能性がある。過去数年、当グループは、一部の製品において、競争法違反の可能性に関する日本、欧州及び北米等の規制当局による調査の対象となり、また、顧客等から損害賠償等の請求を受けている(当グループの経営成績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある案件について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 注30」参照)。これらの調査や紛争の結果、複数の法域において多額の課徴金や損害賠償金等の支払いが課される可能性がある。かかる重大な法的責任又は規制当局による処分は、当グループの事業、経営成績、財政状態、キャッシュ・フロー、評判及び信用に悪影響を及ぼす可能性がある。

 さらに、当グループの事業活動は、当グループが事業を行う国々で様々な政府による規制の対象となる。かかる政府による規制は、投資認可、輸出規制、関税、公正な競争、贈賄禁止、知的財産、消費者及び事業に関する税、外国為替及び外国貿易に関する管理並びに環境及びリサイクルに関する規制を含む。これらの規制は、当グループの事業活動を制限し又はコストを増加させ、また、新たな規制又は規制の変更は、当グループの事業活動をさらに制限し又はコストを増加させる可能性もある。さらに、規制違反に係る罰金又は課徴金など、規制の執行が、当グループの経営成績、財政状態、キャッシュ・フロー、評判及び信用に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

製品の品質と責任

 当グループの製品・サービスには、発電所の構成部品等をはじめ、高度で複雑な技術を利用したものが増えている。また、部品等を外部のサプライヤーから調達することにより、品質確保へのコントロールが低下する。当グループの製品・サービスに欠陥等が生じた場合、当グループの製品・サービスの質に対する信頼が悪影響を受け、当該欠陥等から生じた損害について当グループが責任を負う可能性があるとともに、当グループの製品の販売能力に悪影響を及ぼす可能性があり、当グループの経営成績、財政状態及び将来の業績見通しに悪影響を及ぼす可能性がある。

 

大規模災害等

 当グループは、日本国内において、研究開発拠点、製造拠点及び当社の本社部門を含む多くの主要施設を有している。過去において、日本は、地震、津波、台風等多くの自然災害に見舞われており、今後も、大規模な自然災害により当グループの生産から販売に至る一連の事業活動が大きな影響を受ける可能性がある。また、海外においても、アジア、米国及び欧州等に拠点を有しており、各地の自然災害によって、当グループの事業拠点のほか、サプライチェーンや顧客の事業活動にも被害が生じる可能性がある。かかる大規模な自然災害により当グループの施設が直接損傷を受けたり破壊された場合、当グループの事業活動が中断したり、新たな生産や在庫品の出荷が遅延する可能性があるほか、多額の修理費、交換費用その他の費用が生じる可能性があり、これらの要因により多額の損失が発生する可能性がある。大規模な自然災害により当グループの施設が直接の影響を受けない場合であっても、流通網又は供給網が混乱する可能性がある。また、感染症の流行や、テロ、犯罪、騒乱及び紛争等の各国・地域の不安定な政治的及び社会的状況により、当グループの事業活動が混乱する可能性があり、当グループの従業員が就労不能となったり、当グループの製品に対する消費者需要の低下や販売網及び供給網に混乱が生じる可能性がある。さらに、全ての潜在的損失に対して保険が付保されているわけではなく、保険の対象となる損失であってもその全てが対象とはならない可能性があり、また、保険金の支払いについて異議が申し立てられたり遅延が生じる可能性がある。自然災害その他の事象により当グループの事業遂行に直接的又は間接的な混乱が生じた場合、当グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

情報システムへの依存

 当グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大している。コンピュータウイルスその他の要因によってかかる情報システムの機能に支障が生じた場合、当グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

機密情報の管理

 当グループは、顧客から入手した個人情報並びに当グループ及び顧客の技術、研究開発、製造、販売及び営業活動等に関する機密情報を様々な形態で保持及び管理している。当グループにおいてはこれらの機密情報を保護するためにその管理を行っているが、かかる管理が有効である保証はない。かかる情報が権限なく開示された場合、当グループが損害賠償を請求され又は訴訟を提起される可能性があり、また、当グループの事業、財政状態、経営成績、評判及び信用に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

退職給付に係る負債

 当グループは、数理計算によって算出される多額の退職給付費用を負担している。この評価には、死亡率、脱退率、退職率、給与の変更及び割引率等の年金費用を見積る上で利用される重要な前提条件が含まれている。当グループは、人員の状況、市況及び将来の金利の動向等の多くの要素を考慮に入れて、主要な前提条件を見積る必要がある。主要な前提条件の見積りは、基礎となる要素に基づき、合理的なものであると考えているが、実際の結果と合致する保証はない。主要な前提条件が実際の結果と異なった場合、その結果として実際の年金費用が見積費用から乖離して、当グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。割引率の低下は、数理上の退職給付に係る負債の増加をもたらす可能性がある。また、当グループは、割引率等の主要な前提条件を変更する可能性がある。主要な前提条件の変更も、当グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

株式の追加発行に伴う希薄化

 当社は、将来、株式の払込金額が時価を大幅に下回らない限り、株主総会決議によらずに、発行可能株式総数のうち未発行の範囲において、株式を追加的に発行する可能性がある。将来における株式の発行は、その時点の時価を下回る価格で行われ、かつ、株式の希薄化を生じさせる可能性がある。

 

5【経営上の重要な契約等】

 

相互技術援助契約

 

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

株式会社日立製作所

(当社)

International Business

Machines Corp.

アメリカ

インフォメーションハンドリングシステム

特許実施権の交換

自 2008年1月1日

至 契約対象特許の

終了日

HP Inc.

Hewlett Packard Enterprise Company

アメリカ

全製品・サービス

特許実施権の交換

自 2010年3月31日

至 2014年12月31日

までに出願された

特許の終了日

EMC Corporation

アメリカ

インフォメーションハンドリングシステム

特許実施権の交換

自 2003年1月1日

至 2002年12月31日

までに出願された

特許の終了日

日立GEニュークリア・エナジー株式

会社(連結子会社)

GE-Hitachi Nuclear

Energy Americas LLC

アメリカ

原子炉システム

特許実施権の交換

技術情報の交換

自 1991年10月30日

至 2023年6月30日

 

6【研究開発活動】

 当グループ(当社及び連結子会社)は、情報・通信システムから金融サービス等に至る幅広い分野で事業活動を展開しており、注力事業である社会イノベーション事業に対して重点的に研究開発資源を配分し、事業の継続と発展に努めている。

 事業活動のグローバル競争力強化のため、顧客の課題を発掘・共有し、解決する研究開発に取り組むとともに、事業のグローバル化を先導する強いプロダクト・サービスの開発等を重点分野として研究開発強化に取り組んでいる。加えて、将来の中核事業を開拓するための先端研究にも取り組んでいる。

 当グループの研究開発においては、当社及びグループ各社の研究開発部門が相互に緊密な連携をとりながら、研究開発効率の向上に努めている。また、大学その他の研究機関や外部企業との交流の拡大にも積極的に取り組んでいる。

 当社は、社会イノベーション事業によるグローバルな成長の加速に向けて、北米、欧州、中国、アジア、インド及び南米の研究開発拠点・人員の拡充及び現地主導型研究の拡大により、現地のニーズに迅速に対応できる研究開発の推進を図っている。また、国内外の研究開発拠点を再編し、顧客とともに課題を見出し、新たなソリューションを協創する「社会イノベーション協創センタ」、注力分野の技術基盤を応用・融合することにより革新的な製品やサービスを創出し、新たなソリューション開発を支援する「テクノロジーイノベーションセンタ」、オープンイノベーションを活用し、独創的なビジョンに基づく探索型基礎研究で新領域を開拓する「基礎研究センタ」とする体制としている。かかる体制によって、顧客の課題解決に資する研究開発の更なる推進を図っている。

 当連結会計年度における当グループの研究開発費は、売上収益の3.5%にあたる3,239億円であり、セグメントごとの研究開発費は、次のとおりである。

 

セグメントの名称

研究開発費

(億円)

 情報・通信システム

501

 社会・産業システム

487

 電子装置・システム

536

 建設機械

190

 高機能材料

461

 オートモティブシステム

706

 生活・エコシステム

69

 その他

54

 金融サービス

0

 全社(本社他)

230

  合  計

3,239

 

 なお、当連結会計年度における研究開発活動の主要な成果は、次のとおりである。

・日本語での論理的な対話を可能とする人工知能の基礎技術の開発(情報・通信システムセグメント)

 人工知能の基礎技術の分野において、大量の記事等の分析に基づいて特定の議題に対し賛成・反対双方の意見を提示する機能について、ディープラーニング(多層構造のニューラル・ネットワークを用いた機械学習)を用いることによって、従来から可能であった英語のみならず、日本語を含む他の言語への展開を可能とする技術を開発した。

 

・乳がん患者及び大腸がん患者の尿検体を識別する基礎技術の開発(その他セグメント)

 尿中に含まれる糖や脂質等の代謝物の網羅的な解析により、特定の代謝物の含有量の違いから、健常者、乳がん患者及び大腸がん患者を識別する技術の開発に成功した(国立研究開発法人日本医療研究開発機構産学連携医療イノベーション創出プログラムの支援によって得られた成果)。

 

・接客や案内を行うヒューマノイドロボットとロボットIT基盤の開発(社会・産業システムセグメント)

 ロボットによる接客・案内サービスを効果的に行うため、転倒しても自ら復帰する機能を新たに追加したヒューマノイドロボット(EMIEW3)を開発した。また、音声・画像・言語処理等の知能処理を遠隔で行い、多拠点に配置された複数ロボットを監視・制御し、サポートが必要な人の発見及び複数台のロボット間での情報共有・サービスの引継ぎを可能とするロボットIT基盤を開発した。

 

・スマートフォンのカメラで指静脈認証を実現する技術を開発(情報・通信システムセグメント)

 スマートフォンに標準搭載されたカメラで撮影した指の色情報から、指静脈に特有の色合いを強調して静脈パターンを抽出する画像処理技術と、指の位置や向きを検出して各指の傾きや大きさを補正し、複数の指の静脈パターンを用いる認証の高精度化技術を開発することで、専用の赤外線センサを使用することなく、スマートフォンでの指静脈認証を実現する技術を開発した。

 

・動画撮影後に容易にピント調整ができるレンズレスカメラ技術の開発(情報・通信システムセグメント)

 レンズの代わりに同心円パターンを印刷した薄いフィルムと、画像処理で良く利用される2次元の高速フーリエ変換を用いて、動画撮影後のピント調整を可能としつつ、カメラの低コスト化かつ薄型軽量化を実現し、モバイル機器や車、ロボットを始めとした幅広い用途への適用を可能とするカメラ技術を開発した。

 

・人工知能(AI)を活用した映像解析による、リアルタイムな人物発見・追跡技術の開発(情報・通信システムセグメント)

 監視カメラの映像解析にAIを活用し、人物の性別・年齢・所持品・服装等の12種類100項目以上の外見に関する特徴と10項目の動作に加え、全身の特徴をリアルタイムで把握することで、特定の人物の早期発見及び追跡性能の向上を実現した映像解析技術を開発した。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営環境及び事業戦略等の概要

①経営環境

 「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載している。

 

②事業戦略

 「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載している。

 

③事業再編成

 当グループは、社会イノベーション事業への経営資源の重点的配分を推進するため、継続的に事業の再編成に取り組んでいる。主な取組みは、次のとおりである。

 当社は、2016年3月、保有する㈱日立物流の株式の一部をSGホールディングス㈱へ譲渡する契約を締結し、同年5月に譲渡を実施した。当該株式譲渡により、㈱日立物流は、当社の持分法適用会社となった。

 当社は、2016年5月、保有する日立キャピタル㈱の株式の一部を、㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ及び三菱UFJリース㈱へ譲渡する契約を締結し、同年10月に譲渡を実施した。当該株式譲渡により、日立キャピタル㈱は、当社の持分法適用会社となった。

 当社は、2017年1月、保有する日立工機㈱の株式の全てを、Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.によって間接的に保有・運営されている関連投資ファンドが持分の全てを所有するHKホールディングス㈱が日立工機㈱の普通株式等に対して実施する公開買付けに一定の条件の下で応募する契約を締結し、同年3月に当該公開買付けへの応募による株式譲渡を実施した。当該株式譲渡により、日立工機㈱は、当社の子会社ではなくなった。

 当社は、2017年4月、Accudyne Industries Borrower, S.C.A.(以下「アキュダイン社」という。)と、アキュダイン社の子会社及び保有資産で運営され、Sullairブランドの空気圧縮機の製造・販売を手がけるSullair事業を日立が買収する契約を締結した。当該事業買収は、許認可等の必要な手続を経た上で実施される予定である。

 当社は、2017年4月、Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.によって間接的に保有・運営されている関連投資ファンドが持分の全てを所有するHKEホールディングス合同会社(以下「HKE」という。)及び日本産業パートナーズ株式会社が管理・運営・情報提供等を行うファンドが出資するHVJホールディングス株式会社(以下「HVJ」という。)との間で、(i)HKEが実施する予定である株式会社日立国際電気(以下「日立国際電気」という。)の普通株式(以下「日立国際電気株式」という。)に対する公開買付け及び株式併合等並びに日立国際電気による自己株式の取得を通じた日立国際電気の完全子会社化、(ⅱ)当該完全子会社化後にHKE及び日立国際電気が予定しているHKEを承継法人とする日立国際電気の成膜プロセスソリューション事業の吸収分割(以下「本会社分割」という。)、並びに(ⅲ)本会社分割後のHKEによる日立国際電気株式の20%ずつの当社及びHVJへの譲渡、その他これらに付随又は関連する取引等に関して基本契約書を締結した。なお、上記(i)乃至(ⅲ)の取引については、2018年3月31日までに完了する予定である。

 

(2)当連結会計年度における変更事項

 当連結会計年度の期首から、「その他(物流・サービス他)」セグメントの名称を「その他」に変更している。

 

(3)経営成績の概要

 

前連結会計年度

(億円)

当連結会計年度

(億円)

前年度比

(%)

売上収益

100,343

91,622

91

EBIT(注)

5,310

4,751

89

継続事業税引前当期利益

5,170

4,690

91

親会社株主に帰属する当期利益

1,721

2,312

134

(注)受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益。継続事業税引前当期利益から、受取利息の額を減算し、支払利息の額を加算して算出した指標である。

 

①業績の状況

 売上収益は、前年度に比べて9%減少し、9兆1,622億円となった。電子装置・システムセグメントが増収となったものの、情報・通信システムセグメント、高機能材料セグメント、生活・エコシステムセグメント、その他セグメント及び金融サービスセグメント等が減収となったことによる。

 売上原価は、前年度に比べて9%減少し、6兆7,826億円となり、売上収益に対する比率は、前年度と同水準の74%となった。売上総利益は、前年度に比べて8%減少し、2兆3,795億円となった。

 販売費及び一般管理費は、前年度に比べて1,480億円減少し、1兆7,922億円となり、売上収益に対する比率は、前年度の19%に対して、20%となった。

 その他の収益は、前年度に比べて432億円増加1,007億円となり、その他の費用は、前年度に比べて46億円増加して1,465億円となった。

 主な内訳は、以下のとおりである。固定資産損益は、前年度に比べて195億円改善し、150億円の利益となった。減損損失は、前年度に比べて238億円増加し、685億円となった。主な内容は、情報・通信システムセグメントにおいて計上した市場販売ソフトウェア及びその他の無形資産等の減損損失である。事業再編等利益は、その他セグメントにおける㈱日立物流株式の一部売却や電子装置・システムセグメントにおける日立工機㈱株式の売却等により、前年度に比べて261億円増加し、813億円となった。特別退職金は、前年度に比べて208億円減少し、246億円となった。競争法等関連費用は、前年度に比べて155億円減少し、67億円となった。

 金融収益(受取利息を除く)は、前年度に比べて35億円減少して70億円となり、金融費用(支払利息を除く)は、前年度に比べて40億円減少して262億円となった。

 持分法による投資損益は、社会・産業システムセグメントにおいて、米国の持分法適用会社が取り組むウラン濃縮事業に関する減損損失を計上したこと等により、前年度に比べて473億円悪化して471億円の損失となった。

 これらの結果、EBITは、前年度に比べて558億円減少し、4,751億円となった。

 受取利息は、前年度に比べて8億円増加して129億円となり、支払利息は、前年度に比べて69億円減少して190億円となった。

 継続事業税引前当期利益は、前年度に比べて479億円減少し、4,690億円となった。

 法人所得税費用は、前年度に㈱日立物流及び日立キャピタル㈱の株式の一部譲渡に伴う税金費用を計上していたこと等により、前年度に比べて400億円減少し、1,251億円となった。

 非継続事業当期損失は、前年度に比べて511億円減少し、59億円となった。

 当期利益は、前年度に比べて432億円増加し、3,380億円となった。

 非支配持分に帰属する当期利益は、前年度に比べて158億円減少し、1,067億円となった。

 これらの結果、親会社株主に帰属する当期利益は、前年度に比べて591億円増加し、2,312億円となった。

 

②セグメントごとの業績の状況

 セグメントごとに業績の状況を概観すると次のとおりである。各セグメントの売上収益は、セグメント間内部売上収益を含んでいる。また、各セグメントのセグメント損益は、EBITで表示している。

 

(情報・通信システム)

 売上収益は、前年度に比べて6%減少し、1兆9,828億円となった。これは主として、為替換算影響により海外子会社の売上が減少したことに加え、海外向けATMの販売が減少したこと等によるものである。

 セグメント利益は、前年度に比べて326億円減少し、764億円となった。これは主として、通信ネットワーク事業を中心とした事業構造改革の効果や社会インフラ分野向けシステムの収益性改善等はあったものの、事業構造改革関連費用を計上したこと等によるものである。

 

(社会・産業システム)

 売上収益は、前年度と同水準の2兆3,319億円となった。これは主として、イタリアのAnsaldoBreda S.p.A.の事業(一部を除く)及びAnsaldo STS S.p.A.の買収や英国向け売上の拡大等によって鉄道システム事業が大幅な増収となったものの、為替換算影響を受けた昇降機事業や前年度に大型案件の計上があった電力・エネルギー事業等が減収となったこと等によるものである。

 セグメント損益は、前年度に比べて491億円悪化し、199億円の損失となった。これは主として、米国の持分法適用会社におけるウラン濃縮事業に関する減損損失を計上したことや昇降機事業が為替換算影響等により減益となったこと等によるものである。

 

(電子装置・システム)

 売上収益は、前年度に比べて4%増加し、1兆1,703億円となった。これは主として、㈱日立国際電気が国内の通信機器や映像監視システムの販売減少等により減収となったものの、日立工機㈱がドイツのmetabo Aktiengesellschaftの買収により増収となったこと等によるものである。

 セグメント利益は、前年度に比べて24億円増加し、667億円となった。これは主として、㈱日立国際電気は売上収益の減少や事業構造改革関連費用の計上等によって減益となったものの、㈱日立ハイテクノロジーズが半導体製造装置の販売が堅調に推移したこと等により増益となったほか、日立工機㈱も売上収益の増加等に伴い増益となったこと等によるものである

 

(建設機械)

 売上収益は、前年度に比べて1%減少し、7,539億円となった。これは主として、中国やインドにおける油圧ショベル需要は持ち直したものの、円高による為替影響を大きく受けたこと等によるものである。

 セグメント利益は、前年度に比べて31億円減少し、227億円となった。これは主として、事業構造改革効果や事業構造改革関連費用の減少、為替差損益の改善等はあったものの、前年度にユニキャリアホールディングス㈱の株式売却に伴う事業再編等利益を計上していたこと等によるものである。

 

(高機能材料)

 売上収益は、前年度に比べて6%減少し、1兆4,646億円となった。これは主として、日立金属㈱が為替換算影響による海外子会社の売上減少や中国及びアジアをはじめとする新興国の経済成長の減速に伴う需要減少等により減収となったこと等によるものである。

 セグメント利益は、前年度に比べて302億円減少し、1,233億円となった。これは主として、売上収益の減少に加え、前年度に日立金属㈱による日立ツール㈱の持分譲渡に伴う事業再編等利益を計上していたこと等によるものである。

 

(オートモティブシステム)

 売上収益は、前年度に比べて1%減少し、9,922億円となった。これは主として、自動車需要が堅調な北米や中国向けを中心に販売が伸長したものの、為替換算影響があったこと等によるものである。

 セグメント利益は、前年度に比べて118億円増加し、658億円となった。これは主として、売上収益は減少したものの、固定資産利益を計上したこと等によるものである。

 

(生活・エコシステム)

 売上収益は、前年度に比べて18%減少し、5,573億円となった。これは主として、Johnson Controls Inc.との合弁会社である持分法適用会社との間で空調システム事業の再編を行った影響等によるものである。

 セグメント利益は、前年度に比べて101億円減少し、318億円となった。これは主として、空調システム事業再編による売上収益の減少の影響や前年度に空調システム事業再編に伴う事業再編等利益を計上していたこと等によるものである。

 

(その他)

 売上収益は、前年度に比べて48%減少し、6,537億円となり、セグメント利益は、前年度に比べて199億円減少し、206億円となった。これは主として、2016年5月に㈱日立物流を持分法適用会社としたこと等によるものである。

 

(金融サービス)

 2016年10月に日立キャピタル㈱を持分法適用会社としたことにより、当セグメントに属する会社はなくなったため、同社が連結子会社であった期間の実績のみを計上していることから、売上収益は、前年度に比べて51%減少し、1,792億円となり、セグメント利益は、前年度に比べて238億円減少し、228億円となった。

 

③地域ごとの売上収益の状況

 仕向地別に外部顧客向け売上収益の状況を概観すると次のとおりである。

 

国内

 前年度に比べて9%減少し、4兆7,576億円となった。㈱日立物流を持分法適用会社としたその他セグメントや日立キャピタル㈱を持分法適用会社とした金融サービスセグメントをはじめとして、全てのセグメントが減収となったことによるものである。

 

海外

(アジア)

 前年度に比べて12%減少し、1兆8,607億円となった。電子装置・システムセグメント及び建設機械セグメントは増収となったものの、中国を中心に昇降機事業が減収となった社会・産業システムセグメントや㈱日立物流を持分法適用会社としたその他セグメント、空調システム事業を再編した生活・エコシステムセグメント等が減収となったことによるものである。

 

(北米)

 前年度に比べて11%減少し、1兆1,440億円となった。社会・産業システムセグメントは増収となったものの、情報・通信システムセグメント、高機能材料セグメント及びその他セグメント等が減収となったことによるものである。

 

(欧州)

 前年度に比べて2%増加し、9,726億円となった。その他セグメントや金融サービスセグメント等が減収となったものの、鉄道システム事業が大きく増加した社会・産業システムセグメントや、日立工機㈱がmetabo Aktiengesellschaftの買収に伴い増収となった電子装置・システムセグメント等が増収となったことによるものである。

 

(その他の地域)

 前年度に比べて7%減少し、4,271億円となった。鉄道システム事業が増収となった社会・産業システムセグメントや㈱日立ハイテクノロジーズが増収となった電子装置・システムセグメントが増収となったものの、生活・エコシステムセグメントやその他セグメント等が減収となったことによるものである。

 

 これらの結果、海外売上収益は、前年度に比べて8%減少し、4兆4,045億円となり、売上収益に占める比率は、前年度と同水準の48%となった。

 

(4)財政状態等の概要

①流動性と資金の源泉

 当社は、現在及び将来の事業活動のための適切な水準の流動性の維持及び機動的・効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としている。当社は、運転資金の効率的な管理を通じて、事業活動における資本効率の最適化を図るとともに、グループ内の資金の管理を当社や海外の金融子会社に集中させることを推進しており、グループ内の資金管理の効率改善に努めている。当社は、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を内部的な資金の主な源泉と考えており、短期投資についても、直ちに利用できる財源となりうると考えている。また、資金需要に応じて、国内及び海外の資本市場における債券の発行及び株式等の資本性証券の発行並びに金融機関からの借入により資金を調達することが可能である。設備投資のための資金については、主として内部資金により充当することとしており、必要に応じて社債や株式等の発行により資金を調達することとしている。当社は、機動的な資金調達を可能とするため、3,000億円を上限とする社債の発行登録を行っている。

 当社及び一部の子会社は、資金需要に応じた効率的な資金の調達を確保するため、複数の金融機関との間でコミットメントラインを設定している。当社においては、契約期間1年で期間満了時に更新するコミットメントライン契約と、契約期間3年で2019年7月29日を期限とするコミットメントライン契約を締結している。2017年3月31日現在における当社及び子会社のコミットメントライン契約に係る借入未実行残高の合計は5,990億円であり、このうち当社は4,000億円である。

 当社は、ムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱(S&P)及び㈱格付投資情報センター(R&I)から債券格付けを取得している。2017年3月31日現在における格付けの状況は、次のとおりである。

格付会社

長期会社格付け

短期会社格付け

ムーディーズ

A3

P-2

S&P

A-

A-2

R&I

A+

a-1

 当社は、現在の格付け水準の下で、引き続き、国内及び海外の資本市場から必要な資金調達が可能であると考えており、格付け水準の維持・向上を図っていく。

 

②キャッシュ・フロー

(営業活動に関するキャッシュ・フロー)

 当期利益が前年度に比べて432億円増加したことに加え、買入債務が前年度の16億円の減少に対して、1,115億円の増加となったものの、売上債権の増減によって1,437億円、棚卸資産の増減によって670億円前年度と比べてそれぞれ減少したこと等により、営業活動に関するキャッシュ・フローは、前年度に比べて1,826億円減少し、6,295億円の収入となった。

 

(投資活動に関するキャッシュ・フロー)

 固定資産関連の純投資額(注1)が前年度に比べて1,897億円減少し、4,626億円となったことに加えて、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の売却による収入が、㈱日立物流及び日立キャピタル㈱株式の一部売却や日立工機㈱株式の全部売却に伴い、前年度に比べて1,111億円増加し、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得による支出が、AnsaldoBreda S.p.A.の事業(一部を除く)及びAnsaldo STS S.p.A.の買収やPentaho Corporationの買収を実施した前年度に比べて193億円減少し、1,773億円となったこと等により、投資活動に関するキャッシュ・フローの支出は、前年度に比べて3,928億円減少し、3,379億円となった。

(注)1.有形固定資産の取得及び無形資産の取得並びに有形及び無形賃貸資産の取得の合計額から、有形固定資産及び無形資産の売却、有形及び無形賃貸資産の売却並びにリース債権の回収の合計額を差し引いた額。

 

(財務活動に関するキャッシュ・フロー)

 短期借入金の増減による支出が、前年度に比べて1,640億円増加したほか、長期借入債務の純収入額(注2)が前年度に比べて651億円減少し、1,155億円となったこと等により、財務活動に関するキャッシュ・フローの支出は、前年度に比べて1,830億円増加し、2,095億円となった。

(注)2.長期借入債務による調達から償還を差し引いた額。

 

 これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年度末に比べて659億円増加し、7,652億円となった。また、営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローを合わせた所謂フリー・キャッシュ・フローは、前年度に比べて2,102億円増加し、2,916億円の収入となった。

③資産、負債及び資本

 当連結会計年度末の総資産は、前年度末に比べて2兆8,870億円減少し、9兆6,639億円となった。これは主として、日立キャピタル㈱及び㈱日立物流を持分法適用会社としたことや日立工機㈱の売却等によるものである。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年度末に比べて659億円増加し、7,652億円となった。

 当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金及び長期債務の合計)は、日立キャピタル㈱を持分法適用会社としたこと等により、前年度末に比べて2兆4,278億円減少し、1兆1,766億円となった。金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー等から成る短期借入金は、前年度末に比べて6,750億円減少し、1,963億円となった。償還期長期債務は、前年度末に比べて4,612億円減少し、1,902億円となった。社債及び銀行や保険会社からの借入等から成る長期債務(償還期を除く)は、前年度末に比べて1兆2,915億円減少し、7,900億円となった。

 当連結会計年度末の親会社株主持分は、前年度末に比べて2,320億円増加し、2兆9,670億円となった。日立キャピタル㈱を持分法適用会社としたことによる影響はあったものの、親会社株主に帰属する当期利益を計上したこと等によるものである。この結果、当連結会計年度末の親会社株主持分比率は、前年度末の21.8%に対して、30.7%となった。

 当連結会計年度末の非支配持分は、前年度末に比べて2,605億円減少し、1兆1,299億円となった。

 当連結会計年度末の資本合計は、前年度末に比べて285億円減少し、4兆969億円となり、資本合計に対する有利子負債の比率は、前年度末の0.87倍に対して、0.29倍となった。

 

(5)重要な会計方針及び見積り

 IFRSに基づく連結財務諸表の作成においては、期末日における資産・負債の報告金額及び偶発的資産・債務の開示並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響するような見積り及び仮定が必要となる。いくつかの会計上の見積りは、次の二つの理由により、連結財務諸表に与える重要性及びその見積りに影響する将来の事象が現在の判断と著しく異なる可能性があり、当社の財政状態、財政状態の変化又は業績の表示に重大な影響を及ぼす可能性がある。第一は、会計上の見積りがなされる時点においては、不確実性がきわめて高い事項についての仮定が必要になるため、第二は、当連結会計年度における会計上の見積りに合理的に用いることがありえた別の見積りが存在し、又は時間の経過により会計上の見積りの変化が合理的に起こりうるためである。重要な会計方針及び見積りの内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 注3.主要な会計方針の概要」に記載している。

 

(6)将来予想に関する記述

 「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「4 事業等のリスク」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」等は、当社又は当グループの今後の計画、見通し、戦略等の将来予想に関する記述を含んでいる。将来予想に関する記述は、当社又は当グループが当有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なることがありえる。その要因のうち、主なものは以下のとおりである。

・主要市場(特に日本、アジア、米国及び欧州)における経済状況及び需要の急激な変動

・為替相場変動

・資金調達環境

・株式相場変動

・原材料・部品の不足及び価格の変動

・長期契約におけるコストの変動及び契約の解除

・信用供与を行った取引先の財政状態

・製品需給の変動

・製品需給、為替相場及び原材料価格の変動並びに原材料・部品の不足に対応する当社及び子会社の能力

・新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社及び子会社の能力

・価格競争の激化

・人材の確保

・社会イノベーション事業強化に係る戦略

・企業買収、事業の合弁及び戦略的提携の実施並びにこれらに関連する費用の発生

・事業再構築のための施策の実施

・持分法適用会社への投資に係る損失

・主要市場・事業拠点(特に日本、アジア、米国及び欧州)における社会状況及び貿易規制等各種規制

・コスト構造改革施策の実施

・自社の知的財産の保護及び他社の知的財産の利用の確保

・当社、子会社または持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続

・製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等

・地震・津波等の自然災害、感染症の流行及びテロ・紛争等による政治的・社会的混乱

・情報システムへの依存及び機密情報の管理

・退職給付に係る負債の算定における見積り