第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はない。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約等はない。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

経営成績

 当第1四半期連結累計期間の世界経済は、全体として緩やかな景気回復が継続した。米国では、引き続き個人消費と設備投資が堅調に推移し、欧州では、ドイツを中心に緩やかな景気の回復基調が続いた。中国では、政府による財政支出が景気拡大を下支えし、新興国では、東南アジアやインドにおける輸出の持ち直しなどにより、回復基調となった。日本経済は、雇用・所得環境の改善により個人消費が堅調に推移し、設備投資も増加傾向にあり、緩やかな回復基調が続いた。

 

 かかる状況にあって、当グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は次のとおりである。

 売上収益は、前連結会計年度に㈱日立物流及び日立キャピタル㈱を持分法適用会社としたことに加え、日立工機㈱が連結対象から外れたこと等により、前年同期に比べて2%減少し、2兆886億円となった。

 売上原価は、前年同期に比べて3%減少し、1兆5,298億円となり、売上収益に対する比率は、前年同期に比べて1%減少し、73%となった。売上総利益は、前年同期に比べて2%増加し、5,587億円となった。

 販売費及び一般管理費は、前年同期に比べて6%減少し、4,269億円となり、売上収益に対する比率は、前年同期に比べて1%減少し、20%となった。

 その他の収益は、前年同期に㈱日立物流株式の一部売却による事業再編等利益を計上していたこと等により、前年同期に比べて445億円減少して6億円となり、その他の費用は、競争法等関連費用を計上したものの、減損損失が減少したこと等により、前年同期に比べて10億円減少して109億円となった。

 金融収益(受取利息を除く)は、前年同期に比べて11億円増加して46億円となり、金融費用(支払利息を除く)は、前年同期に比べて130億円減少して4億円となった。これは主として、為替差損益の改善等によるものである。

 持分法による投資損益は、前年同期の22億円の損失に対し、175億円の利益となった。

 EBIT(受取利息及び支払利息調整後税引前四半期利益。継続事業税引前四半期利益から、受取利息の額を減算し、支払利息の額を加算して算出した指標。)は、前年同期に比べて308億円増加し、1,432億円となった。

 受取利息は、前年同期に比べて6億円増加し、31億円となり、支払利息は、前年同期に比べて3億円減少して49億円となった。

 継続事業税引前四半期利益は、前年同期に比べて317億円増加し、1,415億円となった。

 法人所得税費用は、前年同期に比べて18億円増加し、351億円となった。

 非継続事業四半期損益は、前年同期の4億円の利益に対し、70百万円の損失となった。

 四半期利益は、前年同期に比べて294億円増加し、1,062億円となった。

 非支配持分に帰属する四半期利益は、前年同期に比べて108億円増加し、312億円となった。

 これらの結果、親会社株主に帰属する四半期利益は、前年同期に比べて186億円増加し、750億円となった。

 

セグメントごとの業績の状況

 セグメントごとに業績の状況を概観すると次のとおりである。各セグメントの売上収益は、セグメント間内部売上収益を含んでいる。また、各セグメントのセグメント損益は、EBITで表示している。なお、2016年10月に日立キャピタル㈱を持分法適用会社としたことにより、当連結会計年度から金融サービスセグメントの区分表示は行っていない。

 

(情報・通信システム)

 売上収益は、ストレージや国内ATMの販売が減少したものの、国内のシステムインテグレーション事業が増収となったこと等により、前年同期と同水準の4,347億円となった。

 セグメント利益は、ストレージ事業を中心とした事業構造改革の効果に加え、事業構造改革関連費用が前年同期に比べ減少したことや為替差損益が改善したこと等により、前年同期に比べて251億円増加し、259億円となった。

 

(社会・産業システム)

 売上収益は、鉄道システム事業が英国向け高速鉄道車両の売上拡大等により増収となったものの、産業・流通分野において低収益事業からの撤退を進めたことや原油価格下落に伴う市況低迷によって大型産業機器事業が減収となったこと等により、前年同期と同水準の4,787億円となった。

 セグメント損益は、産業・流通分野において低収益事業からの撤退を進めたことや産業機器事業の収益性の改善に加え、鉄道システム事業が増収に伴い増益となったこと及び持分法損益が改善したこと等により前年同期の61億円の損失に対し、165億円の利益となった。

 

(電子装置・システム)

 売上収益は、㈱日立国際電気及び㈱日立ハイテクノロジーズが半導体製造装置の販売増加により増収となったものの、前連結会計年度に日立工機㈱株式を全て売却したことに伴い同社が連結対象から外れたことにより前年同期に比べて4%減少し、2,451億円となった。

 セグメント利益は、㈱日立国際電気が増収に伴い増益となったこと等により、前年同期に比べて74億円増加し、189億円となった。

 

(建設機械)

 売上収益は、日立住友重機械建機クレーン㈱を持分法適用会社にしたことによる影響があったものの、中国をはじめとする建設機械の販売増加に加え、前連結会計年度に日立建機㈱がオーストラリアのBradken Limited並びに米国のH-E Parts International LLC及びHEP Australia Holdings Pty Ltdを連結子会社化した影響等により、前年同期に比べて31%増加し、2,114億円となった。

 セグメント利益は、売上収益の増加等により、前年同期に比べて164億円増加し、178億円となった。

 

(高機能材料)

 売上収益は、日立金属㈱及び日立化成㈱の両社において、エレクトロニクス及び自動車関連製品の販売が増加したことに加え、日立化成㈱が前事業年度にイタリアのFIAMM Energy Technology S.p.A.を連結子会社化したこと等により、前年同期に比べて12%増加し、3,933億円となった。

 セグメント利益は、売上収益の増加や為替差損益の改善等により、前年同期に比べて106億円増加し、340億円となった。

 

(オートモティブシステム)

 売上収益は、新車販売が堅調な中国向けや国内向けを中心に自動車部品の販売が伸長したことにより、前年同期に比べて5%増加し、2,441億円となった。

 セグメント利益は、売上収益の増加等により、前年同期に比べて20億円増加し、98億円となった。

 

(生活・エコシステム)

 売上収益は、東南アジアにおける需要低迷の影響に加え、国内において一部家電製品の販売が減少したこと等により、前年同期に比べて6%減少し、1,311億円となった。

 セグメント利益は、コスト削減への取組みの効果や持分法利益が増加したこと等により、前年同期に比べて40億円増加し、74億円となった。

 

(その他)

 売上収益は、2016年5月に㈱日立物流を持分法適用会社としたこと等により前年同期に比べて38%減少し、1,328億円となった。

 セグメント利益は、売上収益の減少等により、前年同期に比べて20億円減少し、28億円となった。

 

 

国内・海外売上収益の状況

 国内売上収益は、高機能材料セグメント及びオートモティブシステムセグメントが増収となったものの、㈱日立物流を持分法適用会社にしたその他セグメントや日立工機㈱が連結対象から外れた電子装置・システムセグメントが減収となったこと等により、前年同期に比べて7%減少し、9,760億円となった。

 海外売上収益は、欧州や北米において減収となったものの、アジアにおいては電子装置・システムセグメントや建設機械セグメントを中心に増収となったこと等により、前年同期に比べて3%増加し、1兆1,126億円となった。

 この結果、売上収益に占める海外売上収益の比率は、前年同期に比べて2%増加し、53%となった。

 

(2)財政状態等の概要

流動性と資金の源泉

 当第1四半期連結累計期間において、流動性の維持及び資金の確保の方針、資金管理の効率の改善に向けた取組み並びに資金の源泉及び資金調達の考え方に重要な変更はない。

 

キャッシュ・フロー

(営業活動に関するキャッシュ・フロー)

 四半期利益は前年同期に比べて294億円増加した。売上債権の増減による収入が前年同期に比べて807億円増加した一方、買入債務の増減による支出が前年同期に比べ713億円増加したこと等によって、営業活動に関するキャッシュ・フローの収入は、前年同期に比べて419億円増加し、1,269億円となった。

 

(投資活動に関するキャッシュ・フロー)

 固定資産関連の純投資額(注1)が前年同期に比べて290億円減少し、969億円の支出となったものの、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得による支出が、Bradken Limitedの買収費用の支払等により前年同期に比べて230億円増加したこと、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の売却による収入が、日立物流株式の一部売却を実施した前年同期に比べて273億円減少したこと等により、投資活動に関するキャッシュ・フローの支出は、前年同期に比べて232億円増加し、1,046億円となった。

(注)1.有形固定資産の取得及び無形資産の取得並びに有形及び無形賃貸資産の取得の合計額から、有形固定資産及び無形資産の売却、有形及び無形賃貸資産の売却並びにリース債権の回収の合計額を差し引いた額。

 

(財務活動に関するキャッシュ・フロー)

 短期借入金の増加による収入が前年同期に比べて539億円増加したものの、長期借入債務の純収入額(注2)が前年同期に比べて678億円減少したこと等により、財務活動に関するキャッシュ・フローの収入は、前年同期に比べて155億円減少し、188億円となった。

(注)2.長期借入債務による調達から償還を差し引いた額。

 

 これらの結果、当第1四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物は、前年度末に比べて477億円増加し、8,130億円となった。また、営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローを合わせた所謂フリー・キャッシュ・フローは、前年同期に比べて187億円増加し、223億円の収入となった。

 

資産、負債及び資本

 当グループの当第1四半期連結累計期間末の資産、負債及び資本の状況は次のとおりである。

 総資産は、前年度末に比べて275億円増加し、9兆6,914億円となった。

 有利子負債(短期借入金及び長期債務の合計)は、前年度末に比べて915億円増加し、1兆2,681億円となった。

 親会社株主持分は、親会社株主に帰属する四半期利益の計上等により、前年度末に比べて460億円増加し、3兆130億円となった。この結果、親会社株主持分比率は、前年度末に比べて0.4%増加し、31.1%となった。

 非支配持分は、前年度末に比べて222億円増加し、1兆1,521億円となった。

 資本合計は、前年度末に比べて682億円増加し、4兆1,652億円となり、資本合計に対する有利子負債の比率は、前年度末の0.29倍に対して0.30倍となった。

 

(3)経営方針

 当第1四半期連結累計期間において、当グループの経営方針について、重要な変更はない。

 

(4)対処すべき課題

①事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当グループが対処すべき課題について、重要な変更はない。

 

②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当グループにおいては、将来を見据えた基礎研究や、先行的な製品及び事業の開発のために多くの経営資源を投下しており、これらの経営施策が成果をもたらすためには、経営方針の継続性を一定期間維持する必要がある。このため、当社では、各期の経営成績に加えて、将来を見通した経営施策に関しても、株主・投資家に対して、積極的に内容を開示することとしている。

 当社は、経営支配権の異動を通じた企業活動及び経済の活性化の意義を否定するものではないが、当社又はグループ会社の株式の大量取得を目的とする買付けについては、当該買付者の事業内容及び将来の事業計画並びに過去の投資行動等から、慎重に当該買付行為又は買収提案の当社企業価値・株主共同の利益への影響を判断する必要があると認識している。

 現在のところ、当社の株式を大量に取得しようとする者の存在によって、具体的な脅威が生じているわけではなく、また、当社としても、そのような買付者が出現した場合の具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策」)をあらかじめ定めるものではないが、当社としては、株主・投資家から負託された当然の責務として、当社の株式取引や異動の状況を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置をとる。具体的には、社外の専門家を含めて当該買収提案の評価や取得者との交渉を行い、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否及び内容等を速やかに決定し、実行する体制を整える。また、グループ会社の株式を大量に取得しようとする者に対しても、同様の対応をとることとしている。

 

(5)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動の状況について、重要な変更はない。当第1四半期連結累計期間における当グループの研究開発費は、売上収益の3.6%にあたる742億円であり、内訳は次のとおりである。

 

セグメントの名称

研究開発費

(億円)

 情報・通信システム

121

 社会・産業システム

119

 電子装置・システム

105

 建設機械

45

 高機能材料

112

 オートモティブシステム

158

 生活・エコシステム

17

 その他

7

 全社(本社他)

53

  合  計

742

 

 

 

(6)将来予想に関する記述

 「3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」等は、当社又は当グループの今後の計画、見通し、戦略等の将来予想に関する記述を含んでいる。将来予想に関する記述は、当社又は当グループが当四半期報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なることがありえる。その要因のうち、主なものは以下のとおりである。

・主要市場(特に日本、アジア、米国及び欧州)における経済状況及び需要の急激な変動

・為替相場変動

・資金調達環境

・株式相場変動

・原材料・部品の不足及び価格の変動

・長期契約におけるコストの変動及び契約の解除

・信用供与を行った取引先の財政状態

・製品需給の変動

・製品需給、為替相場及び原材料価格の変動並びに原材料・部品の不足に対応する当社及び子会社の能力

・新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社及び子会社の能力

・価格競争の激化

・人材の確保

・社会イノベーション事業強化に係る戦略

・企業買収、事業の合弁及び戦略的提携の実施並びにこれらに関連する費用の発生

・事業再構築のための施策の実施

・持分法適用会社への投資に係る損失

・主要市場・事業拠点(特に日本、アジア、米国及び欧州)における社会状況及び貿易規制等各種規制

・コスト構造改革施策の実施

・自社の知的財産の保護及び他社の知的財産の利用の確保

・当社、子会社または持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続

・製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等

・地震・津波等の自然災害、感染症の流行及びテロ・紛争等による政治的・社会的混乱

・情報システムへの依存及び機密情報の管理

・退職給付に係る負債の算定における見積り