第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はない。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況の分析

業績の状況

 当グループの当第1四半期連結累計期間の業績は次のとおりである。

 売上収益は、ITセグメントが増収になったものの、ライフセグメントをはじめ、日立金属及び日立化成等が減収となったことから、前年同期に比べて6%減少し、2兆325億円となった。

 売上原価は、前年同期に比べて6%減少し、1兆4,883億円となり、売上収益に対する比率は、前年同期と同水準の73%となった。売上総利益は、前年同期に比べて6%減少し、5,441億円となった。

 販売費及び一般管理費は、前年同期に比べて3%減少し、4,198億円となり、売上収益に対する比率は、前年同期に比べて1%増加して21%となった。

 調整後営業利益(売上収益から、売上原価並びに販売費及び一般管理費の額を減算して算出した指標。)は、ITセグメント、モビリティセグメント及びライフセグメントが増益となったものの、日立建機、日立金属及び日立化成等が減益となったことにより、前年同期に比べて237億円減少し、1,243億円となった。

 その他の収益は、前年同期に日立国際電気株式の売却による事業再編等利益を計上していたものの、鉄道システム事業におけるAgility Trains West (Holdings) Limited株式の一部売却による事業再編等利益やリスク分担型企業年金制度への移行に伴う清算益の計上等により、前年同期に比べて40億円増加して436億円となり、その他の費用は、減損損失、競争法等関連費用及び特別退職金の減少等により、前年同期に比べて88億円減少して14億円となった。

 金融収益(受取利息を除く)は、前年同期に比べて120億円減少して23億円となり、金融費用(支払利息を除く)は、前年同期に比べて32億円増加して34億円となった。

 持分法による投資損益は、前年同期に比べて282億円改善し、170億円の利益となった。

 EBIT(受取利息及び支払利息調整後税引前四半期利益。継続事業税引前四半期利益から、受取利息の額を減算し、支払利息の額を加算して算出した指標。)は、調整後営業利益は減少したものの、Agility Trains West (Holdings) Limited株式の売却益及びリスク分担型企業年金制度への移行に伴う清算益を計上したこと等により、前年同期に比べて20億円増加し、1,825億円となった。

 受取利息は、前年同期に比べて3億円増加して49億円となり、支払利息は、前年同期に比べて10億円増加して56億円となった。

 継続事業税引前四半期利益は、前年同期に比べて14億円増加し、1,818億円となった。

 法人所得税費用は、前年同期に比べて76億円減少し、412億円となった。

 非継続事業四半期損益は、前年同期比べて62億円悪化し、4億円の損失となった。

 四半期利益は、前年同期に比べて28億円増加し、1,402億円となった。

 非支配持分に帰属する四半期利益は、前年同期に比べて122億円減少し、199億円となった。

 これらの結果、親会社株主に帰属する四半期利益は、前年同期に比べて150億円増加し、1,203億円となった。

 

セグメントごとの業績の状況

 セグメントごとに業績の状況を概観すると次のとおりである。各セグメントの売上収益は、セグメント間内部売上収益を含んでいる。また、当第1四半期連結累計期間の期首より、報告セグメントの区分を、IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフ、日立ハイテクノロジーズ、日立建機、日立金属、日立化成及びその他の10セグメントへ変更しており、比較する前年同期の数値も新区分に組み替えている。

 

(IT)

 売上収益は、産業分野や公共分野のシステムインテグレーション事業が好調に推移したことや、国内向けストレージやサーバの販売が増加したこと等により、前年同期に比べて3%増加し、4,628億円となった。

 調整後営業利益は、デジタルソリューション事業の拡大に向けた戦略投資が増加したものの、売上収益の増加等により、前年同期に比べて51億円増加し、402億円となった。

 EBITは、調整後営業利益の増加に加え、旧生産拠点である土地の売却益を計上したこと等により、前年同期に比べて136億円増加し、435億円となった。

 

(エネルギー)

 売上収益は、産業向け受変電設備事業の移管の影響や発電ソリューション事業における大型案件の減少等により、前年同期に比べて12%減少し、720億円となった。

 調整後営業利益は、売上収益の減少等により、前年同期に比べて8億円減少し、5億円となった。

 EBITは、調整後営業利益は減少したものの、持分法による投資損益の改善等により、前年同期に比べて157億円増加し、62億円となった。

 

(インダストリー)

 売上収益は、産業向け空調システム事業が増収となったものの、産業機器の販売が海外を中心に減少したこと等により、前年同期に比べて1%減少し、1,601億円となった。

 調整後営業利益は、売上収益の減少等により、前年同期に比べて4億円減少し、14億円となり、EBITは、前年同期に比べて13億円減少し、21億円となった。

 

(モビリティ)

 売上収益は、鉄道システム事業が国内及びイタリアでは増収となったものの、同事業が英国で減収となったことや為替影響等により、前年同期に比べて1%減少し、2,803億円となった。

 調整後営業利益は、売上収益が減少したものの、原価低減等による収益性の改善等により、前年同期に比べて22億円増加し、199億円となった。

 EBITは、調整後営業利益の増加に加え、Agility Trains West (Holdings) Limited株式の売却益の計上等により、前年同期に比べて263億円増加し、425億円となった。

 

(ライフ)

 売上収益は、オートモティブシステム事業における事業売却の影響等により、前年同期に比べて14%減少し、3,375億円となった。

 調整後営業利益は、売上収益は減少したものの、コスト削減による家電事業の収益性の改善等により、前年同期に比べて28億円増加し、92億円となった。

 EBITは、調整後営業利益は増加したものの、オートモティブシステム事業における事業再編関連費用の計上等により、前年同期に比べて8億円減少し、95億円となった。

 

(日立ハイテクノロジーズ)

 売上収益は、半導体製造装置の販売が増加したものの、液晶露光装置の販売が減少したこと等により、前年同期に比べて7%減少し、1,616億円となった。

 調整後営業利益は、売上収益の減少に加え、研究開発費が増加したこと等により、前年同期に比べて21億円減少し、141億円となり、EBITは、調整後営業利益の減少等により、前年同期に比べて15億円減少し、144億円となった。

 

(日立建機)

 売上収益は、為替影響等により、前年同期に比べて2%減少し、2,346億円となった。

 調整後営業利益は、間接費の増加等により、前年同期に比べて46億円減少し、226億円となり、EBITは、調整後営業利益の減少等により、前年同期に比べて28億円減少し、225億円となった。

 

(日立金属)

 売上収益は、自動車、半導体及びファクトリー・オートメーション向けの製品の需要が減少したことに加え、アルミホイール事業を譲渡した影響等により、前年同期に比べて10%減少し、2,339億円となった。

 調整後営業利益は、売上収益の減少に加え、棚卸資産の評価損を計上したこと等により、前年同期に比べて104億円減少し、55億円となった。

 EBITは、調整後営業利益の減少に加え、前年同期に事業再編等利益を計上していたこと等により、前年同期に比べて168億円減少し、51億円となった。

 

(日立化成)

 売上収益は、半導体及び自動車向けの製品の需要が減少したこと等により、前年同期に比べて8%減少し、1,559億円となった。

 調整後営業利益は、売上収益の減少等により、前年同期に比べて42億円減少し、74億円となり、EBITは、調整後営業利益の減少等により、前年同期に比べて36億円減少し、78億円となった。

 

(その他)

 売上収益は、㈱日立国際電気の再編の影響等により、前年同期に比べて29%減少し、1,074億円となった。調整後営業利益は、前年同期に比べて61億円減少し、33億円となり、EBITは、前年同期に比べて64億円減少し、47億円となった。

 

国内・海外売上収益の状況

 国内売上収益は、ITセグメント及びモビリティセグメント等が増収となったものの、オートモティブシステム事業における事業売却の影響等によるライフセグメントの減収や㈱日立国際電気の再編の影響等によるその他セグメントの減収に加え、エネルギーセグメント、日立ハイテクノロジーズ及び日立金属等も減収となったことにより、前年同期に比べて2%減少し、9,663億円となった。

 海外売上収益は、オートモティブシステム事業における事業売却や㈱日立国際電気の再編の影響による減収に加え、アジアにおける日立ハイテクノロジーズ、日立建機、日立金属及び日立化成等の減収や、北米における日立金属及びモビリティセグメント等の減収及び欧州におけるITセグメント及びモビリティセグメントの減収等により、前年同期に比べて10%減少し、1兆662億円となった

 この結果、売上収益に占める海外売上収益の比率は、前年同期に比べて3%減少し、52%となった。

(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析

流動性と資金の源泉

 当第1四半期連結累計期間において、流動性の維持及び資金の確保の方針、資金管理の効率の改善に向けた取組み並びに資金の源泉及び資金調達の考え方に重要な変更はない。

 

キャッシュ・フロー

(営業活動に関するキャッシュ・フロー)

 四半期利益は前年同期に比べて28億円増加した。棚卸資産の増減による支出が前年同期に比べて234億円減少した一方、売上債権及び契約資産の増減による収入が前年同期に比べて751億円減少したことや、買入債務の増減による支出が前年同期に比べて118億円増加したこと等により、営業活動に関するキャッシュ・フローの収入は、前年同期に比べて554億円減少し、788億円となった。

 

(投資活動に関するキャッシュ・フロー)

 固定資産関連の純投資額(注1)が前年同期に比べて240億円減少して920億円の支出となったものの、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得による支出が永大機電工業股份有限公司株式の取得等により前年同期に比べて231億円増加したほか、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の売却による収入が前年同期に比べて136億円減少したこと等により、投資活動に関するキャッシュ・フローの支出は、前年同期に比べて11億円増加し、1,051億円となった。

(注)1.有形固定資産の取得及び無形資産の取得の合計額から、有形固定資産及び無形資産の売却を差し引いた額。

 

(財務活動に関するキャッシュ・フロー)

 短期借入金の増減による収入が前年同期に比べて630億円増加したものの、長期借入債務の純支出額(注2)が前年同期に比べて662億円増加したことや配当金の支払いが96億円増加したこと等により、財務活動に関するキャッシュ・フローの収入は、前年同期に比べて148億円減少し、729億円となった。

(注)2.長期借入債務による調達から償還を差し引いた額。

 

 これらの結果、当第1四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物は、前年度末に比べて259億円増加し、8,335億円となった。また、営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローを合わせた所謂フリー・キャッシュ・フローは、前年同期に比べて566億円減少し、262億円の支出となった。

 

資産、負債及び資本

 当グループの当第1四半期連結累計期間末の資産、負債及び資本の状況は次のとおりである。

 総資産は、売上債権の回収等を行ったものの、IFRS第16号「リース」の適用の影響や棚卸資産の増加等により、前年度末に比べて1,061億円増加し、9兆7,327億円となった。

 有利子負債(短期借入金及び長期債務の合計)は、IFRS第16号の適用の影響や短期借入金の増加等により、前年度末に比べて3,727億円増加し、1兆3,774億円となった。

 親会社株主持分は、前年度末に比べて257億円増加し、3兆2,883億円となった。この結果、親会社株主持分比率は、前年度末の33.9%に対して33.8%となった。

 非支配持分は、前年度末に比べて199億円減少し、1兆1,318億円となった。

 資本合計は、前年度末に比べて57億円増加し、4兆4,201億円となり、資本合計に対する有利子負債の比率は、前年度末の0.23倍に対して0.31倍となった。

 

 

(3)経営方針

 当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はない。

 

(4)対処すべき課題

①事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はない。

 

②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当グループにおいては、将来を見据えた基礎研究や、先行的な製品及び事業の開発のために多くの経営資源を投下しており、これらの経営施策が成果をもたらすためには、経営方針の継続性を一定期間維持する必要がある。このため、当社では、各期の経営成績に加えて、将来を見通した経営施策に関しても、株主・投資家に対して、積極的に内容を開示することとしている。

 当社は、経営支配権の異動を通じた企業活動及び経済の活性化の意義を否定するものではないが、当社又はグループ会社の株式の大量取得を目的とする買付けについては、当該買付者の事業内容及び将来の事業計画並びに過去の投資行動等から、慎重に当該買付行為又は買収提案の当社企業価値・株主共同の利益への影響を判断する必要があると認識している。

 現在のところ、当社の株式を大量に取得しようとする者の存在によって、具体的な脅威が生じているわけではなく、また、当社としても、そのような買付者が出現した場合の具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策」)をあらかじめ定めるものではないが、当社としては、株主・投資家から負託された当然の責務として、当社の株式取引や異動の状況を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置をとる。具体的には、社外の専門家を含めて当該買収提案の評価や取得者との交渉を行い、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否及び内容等を速やかに決定し、実行する体制を整える。また、グループ会社の株式を大量に取得しようとする者に対しても、同様の対応をとることとしている。

 

(5)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動の状況について、重要な変更はない。当第1四半期連結累計期間における当グループの研究開発費は、売上収益の3.4%にあたる683億円であり、内訳は次のとおりである。

 

セグメントの名称

研究開発費

(億円)

 IT

122

 エネルギー

15

 インダストリー

28

 モビリティ

69

 ライフ

148

 日立ハイテクノロジーズ

65

 日立建機

60

 日立金属

39

 日立化成

81

 その他

2

 全社(本社他)

48

  合  計

683

 

 

(6)将来予想に関する記述

 「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」等は、当社又は当グループの今後の計画、見通し、戦略等の将来予想に関する記述を含んでいる。将来予想に関する記述は、当四半期報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なることがありえる。その要因のうち、主なものは以下のとおりである。

・主要市場(特に日本、アジア、米国及び欧州)における経済状況及び需要の急激な変動

・為替相場変動

・資金調達環境

・株式相場変動

・原材料・部品の不足及び価格の変動

・長期契約におけるコストの変動及び契約の解除

・信用供与を行った取引先の財政状態

・製品需給の変動

・製品需給、為替相場及び原材料価格の変動並びに原材料・部品の不足に対応する当社及び子会社の能力

・新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社及び子会社の能力

・人材の確保

・価格競争の激化

・社会イノベーション事業強化に係る戦略

・企業買収、事業の合弁及び戦略的提携の実施並びにこれらに関連する費用の発生

・事業再構築のための施策の実施

・持分法適用会社への投資に係る損失

・主要市場・事業拠点(特に日本、アジア、米国及び欧州)における社会状況及び貿易規制等各種規制

・コスト構造改革施策の実施

・自社の知的財産の保護及び他社の知的財産の利用の確保

・当社、子会社又は持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続

・製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等

・地震・津波等の自然災害、感染症の流行及びテロ・紛争等による政治的・社会的混乱

・情報システムへの依存及び機密情報の管理

・退職給付に係る負債の算定における見積り

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約等はない。