第5【経理の状況】

1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について

(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たすことから、第312条の規定により、国際財務報告基準(以下、IFRS)に準拠して作成しています。

 

(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号、以下「財務諸表等規則」)に基づいて作成しています。また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。

 

2.監査証明について

   金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人の監査を受け、監査報告書を受領しています。

 

3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて

   当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っています。具体的には、国際会計基準審議会、金融庁及び会計専門家等が提供する情報の継続的な入手、並びに公益財団法人財務会計基準機構への加入等、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備しています。

1【連結財務諸表等】

(1)【連結財務諸表】

①【連結財政状態計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

番号

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

現金及び現金同等物

25

705,367

866,242

売上債権及び契約資産

6、20、25

2,991,316

3,496,340

棚卸資産

7

1,510,647

1,566,282

有価証券及びその他の金融資産

11、25

331,280

318,421

その他の流動資産

 

315,987

350,558

流動資産合計

 

5,854,597

6,597,843

非流動資産

 

 

 

持分法で会計処理されている投資

5、8

816,434

836,231

有価証券及びその他の金融資産

11、25

320,101

349,567

有形固定資産

9

1,221,842

1,341,537

のれん

5、10

2,371,678

2,486,823

その他の無形資産

10

1,178,750

1,199,996

その他の非流動資産

12、20

457,882

472,816

非流動資産合計

 

6,366,687

6,686,970

資産の部合計

 

12,221,284

13,284,813

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

短期借入金

25

37,827

73,146

償還期長期債務

25

187,486

368,818

その他の金融負債

25

266,245

280,227

買入債務

13

1,399,699

1,572,764

未払費用

 

697,471

736,286

契約負債

20

1,658,435

2,196,193

その他の流動負債

14

555,437

680,411

流動負債合計

 

4,802,600

5,907,845

非流動負債

 

 

 

長期債務

25

954,709

764,152

退職給付に係る負債

15

246,231

247,497

その他の非流動負債

8、12、14、20、25

358,141

333,902

非流動負債合計

 

1,559,081

1,345,551

負債の部合計

 

6,361,681

7,253,396

資本の部

 

 

 

親会社株主持分

 

 

 

資本金

16、19

463,417

464,384

資本剰余金

16、19、25

利益剰余金

16、18

4,084,729

4,350,503

その他の包括利益累計額

17

1,160,550

1,040,791

自己株式

16

4,991

8,587

親会社株主持分合計

 

5,703,705

5,847,091

非支配持分

5、25

155,898

184,326

資本の部合計

 

5,859,603

6,031,417

負債・資本の部合計

 

12,221,284

13,284,813

 

②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

番号

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

売上収益

20

9,728,716

9,783,370

売上原価

 

7,146,629

6,962,527

売上総利益

 

2,582,087

2,820,843

販売費及び一般管理費

 

1,826,271

1,849,237

その他の収益

5、21

116,653

49,665

その他の費用

5、15、21

97,184

143,023

金融収益

22

17,388

53,944

金融費用

22

10,015

12,905

持分法による投資損益

8

75,284

58,320

受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益

 

857,942

977,607

受取利息

 

38,781

32,038

支払利息

 

70,922

46,912

税引前当期利益

 

825,801

962,733

法人所得税費用

12

199,053

305,868

当期利益

 

626,748

656,865

当期利益の帰属

 

 

 

親会社株主持分

 

589,896

615,724

非支配持分

 

36,852

41,141

 

 

 

 

1株当たり親会社株主に帰属する当期利益

23

 

 

基本

 

126.91

133.85

希薄化後

 

126.75

133.72

 

【連結包括利益計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

番号

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

当期利益

 

626,748

656,865

 

 

 

 

その他の包括利益

17

 

 

純損益に組み替えられない項目

 

 

 

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

45,156

6,577

確定給付制度の再測定

 

13,872

9,001

持分法のその他の包括利益

 

1,437

830

純損益に組み替えられない項目合計

 

60,465

1,594

 

 

 

 

純損益に組み替えられる可能性がある項目

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

354,395

86,628

キャッシュ・フロー・ヘッジの

公正価値の純変動額

 

14,915

4,771

持分法のその他の包括利益

 

22,025

3,906

純損益に組み替えられる可能性がある項目合計

 

391,335

95,305

 

 

 

 

その他の包括利益合計

 

451,800

93,711

当期包括利益

 

1,078,548

563,154

当期包括利益の帰属

 

 

 

親会社株主持分

 

1,013,811

523,435

非支配持分

 

64,737

39,719

 

③【連結持分変動計算書】

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資本金

(注16)

資本

剰余金

(注16)

利益

剰余金

 (注16  

 及び18)

その他の

包括利益

累計額

(注17)

自己株式

(注16)

親会社

株主持分

合計

非支配

持分

(注5)

資本の部

合計

期首残高

462,817

3,637,184

846,392

3,539

4,942,854

392,713

5,335,567

変動額

 

 

 

 

 

 

 

 

利益剰余金への振替

110,653

110,653

当期利益

589,896

589,896

36,852

626,748

その他の包括利益

423,915

423,915

27,885

451,800

親会社株主に対する

配当金

144,461

144,461

144,461

非支配持分に対する

配当金

30,580

30,580

自己株式の取得

100,458

100,458

100,458

自己株式の売却

151

213

62

62

自己株式の消却

98,793

98,793

新株の発行(注19)

600

600

1,200

1,200

利益剰余金から

資本剰余金への振替

105,689

105,689

非支配持分との取引等

7,345

2,854

896

9,303

270,972

280,275

変動額合計

600

447,545

314,158

1,452

760,851

236,815

524,036

期末残高

463,417

4,084,729

1,160,550

4,991

5,703,705

155,898

5,859,603

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資本金

(注16)

資本

剰余金

(注16)

利益

剰余金

 (注16  

 及び18)

その他の

包括利益

累計額

(注17)

自己株式(注16)

親会社

株主持分

合計

非支配

持分

資本の部

合計

期首残高

463,417

4,084,729

1,160,550

4,991

5,703,705

155,898

5,859,603

変動額

 

 

 

 

 

 

 

 

利益剰余金への振替

1,668

1,668

当期利益

615,724

615,724

41,141

656,865

その他の包括利益

92,289

92,289

1,422

93,711

親会社株主に対する

配当金

189,207

189,207

189,207

非支配持分に対する

配当金

28,608

28,608

自己株式の取得

200,285

200,285

200,285

自己株式の売却

843

1,091

248

248

自己株式の消却

195,598

195,598

新株の発行(注19)

967

966

1,933

1,933

利益剰余金から

資本剰余金への振替

162,411

162,411

非支配持分との取引等

33,064

25,802

7,262

17,317

24,579

変動額合計

967

265,774

119,759

3,596

143,386

28,428

171,814

期末残高

464,384

4,350,503

1,040,791

8,587

5,847,091

184,326

6,031,417

 

④【連結キャッシュ・フロー計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

番号

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

営業活動に関するキャッシュ・フロー

 

 

 

当期利益

 

626,748

656,865

 

 

 

 

当期利益から営業活動に関する

キャッシュ・フローへの調整

 

 

 

減価償却費及び無形資産償却費

 

451,525

431,534

減損損失

 

29,668

92,135

法人所得税費用

 

199,053

305,868

持分法による投資損益

 

75,284

58,320

金融収益及び金融費用

 

21,824

8,485

事業再編等損益

 

97,048

29,638

固定資産売却等損益

 

17,857

18,891

売上債権及び契約資産の増減(△は増加)

 

40,206

80,043

棚卸資産の増減(△は増加)

 

88,320

42,775

買入債務の増減(△は減少)

 

7,327

66,257

未払費用の増減(△は減少)

 

54,016

46,675

退職給付に係る負債の増減(△は減少)

 

5,193

39,858

その他

 

34,598

35,769

小計

 

1,112,067

1,462,611

利息の受取

 

38,655

28,467

配当金の受取

 

29,963

35,854

利息の支払

 

69,165

50,093

法人所得税の支払

 

154,908

304,599

営業活動に関するキャッシュ・フロー

 

956,612

1,172,240

 

 

 

 

投資活動に関するキャッシュ・フロー

 

 

 

有形固定資産の取得

 

232,874

246,847

無形資産の取得

 

152,271

144,801

有形固定資産及び無形資産の売却

 

45,048

46,379

有価証券及びその他の金融資産(子会社及

び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得

5

70,622

292,420

有価証券及びその他の金融資産(子会社及

び持分法で会計処理されている投資を含む)の売却

 

265,693

73,395

その他

 

13,483

9,356

投資活動に関するキャッシュ・フロー

 

131,543

573,650

 

 

 

 

財務活動に関するキャッシュ・フロー

24

 

 

短期借入金の純増減

 

550,170

31,992

長期借入債務による調達

 

105,130

92,768

長期借入債務の償還

 

301,507

174,532

非支配持分からの払込み

 

487

43,591

配当金の支払

 

144,343

189,057

非支配持分株主への配当金の支払

 

32,345

28,569

自己株式の取得

 

100,458

200,285

自己株式の売却

 

62

8

非支配持分株主からの子会社持分取得

 

1,763

38

財務活動に関するキャッシュ・フロー

 

1,024,907

424,122

 

 

 

 

現金及び現金同等物に係る為替変動による影響

 

71,922

13,593

現金及び現金同等物の増減

 

127,916

160,875

 

 

 

 

現金及び現金同等物の期首残高

 

833,283

705,367

現金及び現金同等物の期末残高

 

705,367

866,242

 

【連結財務諸表注記】

 

注1. 報告企業

 株式会社日立製作所(以下、当社)は日本に拠点を置く株式会社であり、その株式を公開しています。当社の連結財務諸表は、当社及び子会社並びにその関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されています。当社及び子会社からなる企業集団は、デジタルシステム&サービス、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズ、その他の4セグメントにわたって、製品の開発、生産、販売、サービス等、グローバルに幅広い事業活動を展開しています。

 

注2. 作成の基礎

 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たしていることから、同第312条の規定により、国際会計基準審議会(以下、IASB)によって公表されたIFRSに準拠して作成しています。当社の連結会計年度は、4月1日から翌年3月31日までです。

 当社の連結財務諸表は、デリバティブ金融資産及び金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、確定給付制度にかかる資産又は負債を除き、取得原価を基礎として作成しています。また、連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円により百万円単位で表示しています。

 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、当社の経営者は会計方針の適用並びに資産及び負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられています。実際の業績はこれらの見積り等とは異なる場合があります。

 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識しています。

 連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に関する判断に関する情報は、以下の注記に含まれています。

・注3.(1) 連結の基礎

・注3.(4) 金融商品及び注25.金融商品及び関連する開示

 

 翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある、仮定及び見積りの不確実性に関する情報は、以下の注記等に含まれています。

・注3.(4) 金融商品及び注25.金融商品及び関連する開示

・注3.(10)非金融資産の減損、注9.有形固定資産及び注10.のれん及びその他の無形資産

・注3.(11)退職後給付及び注15.従業員給付

・注3.(12)引当金、注3.(14)収益認識、注14.引当金及び注20.売上収益

・注3.(15)法人所得税費用及び注12.繰延税金及び法人所得税

 

注3. 重要性がある会計方針の概要

 (1) 連結の基礎

① 子会社

 子会社とは、当社が支配を有する事業体をいいます。支配とは、その事業体への関与により生じる変動リターンに対するリスク又は権利を有し、かつ当該事業体に対するパワーを通じてその変動リターンに影響を及ぼす能力をいいます。

 子会社は全て、取得日すなわち当社が支配を獲得した日から、当社が支配を喪失する日まで連結しています。子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じ当該子会社の財務諸表の調整を行っています。

 支配の喪失を伴わない子会社に対する持分変動があった場合には、資本取引として会計処理しています。一方、支配の喪失を伴う子会社に対する持分変動があった場合には、子会社の資産及び負債、子会社に関連する非支配持分及びその他の包括利益累計額の認識を中止しています。

 

② 関連会社及び共同支配企業

 関連会社とは、当社が支配を有していないものの、その企業の経営方針や財務方針に重要な影響力を行使できる事業体をいいます。

 共同支配企業とは、契約上の取決めにより当社を含む複数の当事者が共同して支配をしており、その活動に関連する財務上及び経営上の決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。

 

 当社は、関連会社及び共同支配企業への投資について、持分法を用いて会計処理しています。(以下、持分法適用会社)

 連結財務諸表には、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失するまでの持分法適用会社の純損益及びその他の包括利益に対する当社の持分を含めています。

 持分法適用会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じ持分法適用会社の財務諸表を調整しています。

 

③ 組成された事業体

 当社は、組成された事業体への関与から生じる変動リターンに対するリスク又は権利を有している場合で、当該事業体に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合、当該事業体に対し支配を有していると判断し連結しています。

 

 (2) 現金同等物

現金同等物は、流動性が高く、元本の価値変動のリスクが極めて低い、取得日から3か月以内に満期となる短期投資からなります。

 

 (3) 外貨換算

当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しています。

① 外貨建取引

 外貨建取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより当社及び子会社の各機能通貨に換算しています。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しています。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。ただし、発生する損益がその他の包括利益で認識される資産及び負債に関しては、それらから生じる換算差額はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の包括利益累計額に認識しています。

 

② 在外営業活動体の財務諸表の換算

 在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替相場により、収益及び費用は期中平均為替相場により円換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算により発生する換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の包括利益累計額に認識しています。

 

 (4) 金融商品

① 非デリバティブ金融資産

 当社は、売上債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しています。その他の金融資産は、当社が当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しています。

 当社は、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合又は金融資産の所有にかかるリスクと経済的便益を実質的に全て移転する取引において、当該金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転した時に当該金融資産の認識を中止しています。金融資産の所有に伴う実質的に全てのリスク及び経済価値を留保も移転もしない取引においては、当社は当該金融資産への支配を保持していない場合にその資産の認識を中止するものとしています。

 

 非デリバティブ金融資産の分類及び測定方法の概要は、下記のとおりです。

 

償却原価で測定する金融資産

 以下の要件を満たす金融資産を償却原価で測定する金融資産として分類しています。

・当社のビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合

・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高にかかる利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合

 償却原価で測定する金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で当初認識しています。当初認識後は、実効金利法を用いて帳簿価額を算定しています。また、償却原価で測定する金融資産にかかる利息発生額は連結損益計算書の受取利息に含まれます。

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 当社は、主に投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的として保有している資本性金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として分類しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で当初認識し、それ以降も連結決算日の公正価値で測定しています。公正価値の変動は連結会計期間のその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の包括利益累計額に認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産から生じる配当金については、明らかに投資の払い戻しの場合を除き、純損益として認識しています。

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として分類されない資本性金融資産及び償却原価で測定する金融資産に分類されない負債性金融資産は、全て純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識後、公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で測定し、その公正価値の変動は純損益として認識しています。

 

金融資産の減損

 当社は、売上債権及び契約資産並びにその他の債権に関する予想信用損失に係る貸倒引当金について、信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かに応じて、少なくとも四半期毎に継続的評価を実施しています。

 

 信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、金融資産の予想残存期間の全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、期末日後12か月以内に生じる予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。ただし、売上債権、契約資産及びリース債権については、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。

 

 信用リスクの著しい増大の有無は、債務不履行発生のリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行とは、債務者による契約上のキャッシュ・フローの支払いに重大な問題が生じ、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない状態と定義しています。債務不履行発生のリスクに変化があるかどうかの判断においては、主に外部信用格付け、期日経過の情報等を考慮しています。

 

 予想信用損失は、金融資産に関して契約上支払われるキャッシュ・フロー総額と、受取りが見込まれる将来キャッシュ・フロー総額との差額の割引現在価値を発生確率により加重平均して測定します。支払遅延の存在、支払期日の延長、外部信用調査機関による否定的評価、債務超過等悪化した財政状況や経営成績の評価を含む、一つ又は複数の事象が発生している場合には、信用減損が生じた金融資産として個別的評価を行い、主に過去の貸倒実績や将来の回収可能額等に基づき予想信用損失を測定しています。信用減損が生じていない金融資産については、主に過去の貸倒実績に必要に応じて現在及び将来の経済状況等を踏まえて調整した引当率等に基づく集合的評価により予想信用損失を測定しています。

 

 売上債権及び契約資産並びにその他の債権に関する予想信用損失については、帳簿価額を直接減額せず、貸倒引当金を計上しています。予想信用損失の変動額は減損損失として純損益に認識しており、連結損益計算書の販売費及び一般管理費に含まれます。なお、金融資産について、全ての回収手段がなくなり、回収可能性がほぼ尽きたと考えられる時点で、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していないと判断し、直接償却しています。

 

② 非デリバティブ金融負債

 当社は、発行した負債性金融商品を、その発行日に当初認識しています。その他の金融負債は全て、当社が当該金融商品の契約の当事者になる取引日に認識しています。金融負債が消滅した場合、つまり契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合に、認識を中止しています。

 当社は、非デリバティブ金融負債として、社債、借入金、買入債務及びその他の金融負債を有しており、それらを公正価値(直接帰属する取引費用を控除後)で当初認識しています。また、社債及び借入金については当初認識後、実効金利法を用いた償却原価により測定しており、利息発生額は連結損益計算書の支払利息に含まれます。

 当社は、サプライヤー・ファイナンス契約の対象となる金融負債を、取引の内容や性質に応じて、連結財政状態計算書上の短期借入金又は買入債務に分類しています。

 

③ デリバティブ及びヘッジ会計

 当社は、為替リスク及び金利リスクをヘッジするために、先物為替予約契約、通貨スワップ契約及び金利スワップ契約といったデリバティブ商品を利用しています。これらのデリバティブはその保有目的、保有意思にかかわらず全て公正価値で計上しています。

 当社が利用しているヘッジの会計処理は、下記のとおりです。

・「公正価値ヘッジ」は、既に認識された資産又は負債もしくは未認識の確定契約の公正価値の変動に対するヘッジであり、ヘッジの効果が有効である限り、既に認識された資産又は負債もしくは未認識の確定契約とその関連するデリバティブの公正価値の変動は純損益で認識しています。

・「キャッシュ・フロー・ヘッジ」は、将来取引のヘッジ又は既に認識された資産又は負債に関連して発生する将来キャッシュ・フローの変動に対するヘッジであり、ヘッジの効果が有効である限り、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブの公正価値の変動はその他の包括利益として認識しています。この会計処理は、ヘッジ対象に指定された未認識の確定契約又は将来キャッシュ・フローの変動を純損益に認識するまで継続し、その時点でデリバティブの公正価値の変動も純損益に含めています。なお、ヘッジ対象に指定された予定取引により、非金融資産もしくは非金融負債が認識される場合、その他の包括利益として認識したデリバティブの公正価値の変動は、当該資産又は負債が認識された時点で、当該資産又は負債の取得原価その他の帳簿価額に直接含めています。

 当社は、IFRS第9号「金融商品」に定められるデリバティブを利用する目的、その戦略を含むリスク管理方針を文書化しており、それに加えて、そのデリバティブがヘッジ対象の公正価値又は将来キャッシュ・フローの変動の影響を相殺しているかどうかについて、ヘッジの開始時及び開始後も引き続き、一定期間毎に評価を行っています。ヘッジの効果が有効でなくなった場合は、ヘッジ会計を中止しています。

 

④ 金融資産と金融負債の相殺

 金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ、純額ベースで決済するかもしくは資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で報告しています。

 

 (5) 非支配持分株主に対するプット・オプション

当社及び当社の子会社において、非支配持分株主に付与している子会社持分の売建プット・オプションは、その行使価格の現在価値を金融負債として認識するとともに、非支配持分の認識を中止し、その差額を資本剰余金として認識しています。

 

 (6) 棚卸資産

棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しており、原価は、製品・半製品・仕掛品については個別法又は移動平均法により、材料については概ね移動平均法によっています。正味実現可能価額とは、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除したものをいいます。

 

 (7) 有形固定資産

有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、将来の解体、除去及び原状回復費用を含めています。各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって、主として定額法で減価償却を行っています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、下記のとおりです。

建物及び構築物     2年から60年

機械装置及び運搬具   2年から17年

工具、器具及び備品   2年から20年

使用権資産       2年から30年

なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は、各会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として扱い、将来に向かって変更しています。

 

 (8) のれん及びその他の無形資産

耐用年数を確定できるその他の無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しています。各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって、主として定額法で償却を行っています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、下記のとおりです。

自社利用ソフトウェア  2年から10年

市場販売ソフトウェア  2年から 8年

顧客関係       17年から20年

技術          7年から15年

その他         2年から20年

のれん及び耐用年数を確定できないその他の無形資産は、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示しています。

 

 (9) リース

① 借手側

 当社及び一部の子会社は、建物、機械装置及び車両等を中心とした設備を賃借しており、原資産を使用する権利である使用権資産と、リース料を支払う義務であるリース負債を認識し、リースに関する費用を使用権資産の減価償却費及びリース負債に係る支払利息として認識しています。リース期間が12か月以内である短期リースのリース料は、リース期間にわたって定額法により純損益として認識しています。

 

使用権資産

 使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、リース開始日における取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で有形固定資産及びその他の無形資産に含めて表示しています。取得原価には、リース負債の当初測定の金額、借手に発生した当初直接コスト等を含めています。各使用権資産は、リース開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、定額法で減価償却を行っています。なお、耐用年数又はリース期間に変更があった場合は、会計上の見積りの変更として扱い、将来に向かって変更しています。

 

リース負債

 リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率又は借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しており、償還期長期債務及び長期債務に含めて表示しています。リース期間中の各期間におけるリース負債に係る金利費用は、リース負債の残高に対する毎期一定の率をリース期間にわたり純損益として認識し、連結損益計算書の支払利息に含めて表示しています。

 

② 貸手側

 当社及び一部の子会社は、建物、機械装置等を中心とした設備を賃貸しており、有形固定資産のリースで、所有に伴うリスクと経済価値のほとんど全てを借手に移転する場合のリースは、ファイナンス・リースに分類され、原資産の認識の中止を行い、リース料総額の現在価値で正味リース投資未回収額を認識及び測定しています。

 所有に伴うリスクと経済価値のほとんど全てが貸手に帰属する場合のリースは、オペレーティング・リースに分類され、原資産の認識を継続し、リース収益をリース期間にわたり定額法で認識しています。

 

 (10)非金融資産の減損

各資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不可能であるような兆候がある場合、減損テストを実施しています。各資産が、他の資産からのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出さない場合、資金生成単位又は資金生成単位グループについて減損の兆候の有無を判定しています。耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産の属する資金生成単位又は資金生成単位グループごとに回収可能価額を見積り、減損テストを実施しています。

各資産及び資金生成単位又は資金生成単位グループごとの回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で算定しています。当社及び子会社は、公正価値を算定するために用いる評価技法として、主に当該資産等の使用及び最終処分価値から期待される見積将来キャッシュ・フローに基づくインカム・アプローチ(現在価値法)又は類似する公開企業との比較や当該資産等の時価総額等、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定するマーケット・アプローチを用いています。当社及び子会社は、公正価値算定上の複雑さに応じ、外部専門家を適宜利用しています。使用価値は、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割引いて算定しています。事業計画は外部情報に基づき、過去の経験を反映したものであり、原則として5年を限度としています。当社及び子会社においては、多種多様な製品の開発、生産、販売からサービスの提供等、幅広い事業活動を展開しており、各事業活動に適した外部情報を用いています。事業計画の予測の期間を超えた後のキャッシュ・フロー見積額は、当該資産等が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った成長率をもとに算定しています。なお、事業計画は、事業環境に応じて一部の事業における損益悪化を一定程度織り込んでいますが、今後の情勢変化に伴う、マーケットに係るリスク、経営環境に係るリスク等により、実際の結果が大きく異なることがあります。また、使用価値の算定に使用する割引率は、株式市場の動向や金利の変動等により影響を受けます。

各資産及び資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超える場合には、その超過額を減損損失として認識しています。

のれん以外の各資産又は資金生成単位もしくは資金生成単位グループに関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した前提事項に重要な変更が生じ、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が認められる場合に、当該資産等を対象に回収可能価額の見積りを行っています。算定した回収可能価額が当該資産等の帳簿価額を超える場合には、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額を上限として、減損損失を戻し入れています。

 

 (11)退職後給付

当社及び一部の子会社は、従業員の退職給付を行うため、確定給付型年金制度、退職一時金制度及び確定拠出型年金制度を採用しています。

 

① 確定給付制度

 確定給付制度には、確定給付型年金制度、退職一時金制度が含まれます。確定給付型年金制度を採用している会社は、確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用を予測単位積増方式により算定しています。確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値は、報告期間末に再測定し、数理計算上の差異及び制度資産の利息収益を除く公正価値の変動額はその他の包括利益で全額認識し、その後純損益に組み替えていません。また、制度改訂時に生じる過去勤務費用は発生時に全額純損益として認識しています。連結財政状態計算書上、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額を確定給付負債又は資産として非流動負債又は資産に表示しています。ただし、確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還又は制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としています。

 数理計算によって算出される多額の退職給付費用の評価には、死亡率、脱退率、退職率、給与の変更及び割引率等の様々な数理計算上の仮定が含まれています。当社及び子会社は、人員の状況、市況及び将来の金利の動向等の多くの要素を考慮に入れて、数理計算上の仮定を見積っています。数理計算上の仮定は、最善の見積りと判断により決定していますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果や関連法令の改正・交付によって影響を受ける可能性があります。

 

② 確定拠出制度

 確定拠出型年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払いについて法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度です。確定拠出型年金制度の拠出額は、従業員がサービスを提供した期間に、純損益として認識しています。

 

 (12)引当金

当社は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)が生じており、当該債務を決済するための経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、当該債務の金額の合理的な見積りが可能である場合に引当金を認識しています。引当金は、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の支払額が見積りと異なる可能性があります。

なお、債務の決済までの期間が長期となると想定され、貨幣の時間価値が重要な場合には、決済時に予測される支出額の現在価値により引当金を測定しています。

 

 (13)偶発事象

当社は国際会計基準(以下、IAS)第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に従い、(12) 引当金に記載している引当金の認識基準を満たさない債務については、当該債務の履行による経済的資源の流出の可能性がほとんどないと判断している場合を除き、偶発債務として注記をしています。なお、当社及び子会社が締結した金融保証契約は、特定の債務者が負債性金融商品の条件に従った期日の到来時に支払いを行わないことにより保証契約保有者に発生する損失を、当社又は子会社がその保有者に対し補償する契約です。

 

 (14)収益認識

当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。

ステップ1:顧客との契約を識別する。

ステップ2:契約における履行義務を識別する。

ステップ3:取引価格を算定する。

ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。

ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。

 

当社は顧客の要望に合わせて多様な取引を行っており、製品、サービス等の複数の要素を組み合わせて顧客に提供する取引が含まれています。製品及びサービス等を提供するにあたり、複数の契約を締結している場合、各契約における対価の相互依存性や各契約の締結時期等を評価し、関連する契約を結合したうえで、取引価格を独立販売価格の比率でそれぞれの履行義務に配分し、収益を認識しています。

独立販売価格は、市場の状況、競合する製品等の市場売価、製品原価や顧客の状況等の様々な要因を考慮して見積られています。

取引価格の算定においては、顧客への約束した財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額で測定しています。値引き・リベート等の変動対価は、その発生の不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ取引価格に含めています。なお、約束した対価の金額に重大な金融要素は含まれていません。

一定の期間にわたり製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサービス等の性質を考慮し、履行義務の充足に向けての進捗度を発生原価又はサービス提供期間に基づき測定し収益を認識しています。なお、当該進捗度を合理的に測定することができない場合は、発生したコストの範囲で収益を認識しています。

顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しており、当該資産が関連する製品及びサービスの収益の認識方法に従って償却を行っています。また、当該償却の期間が1年以内である場合に、契約獲得のための増分コストを資産計上せず発生時に費用として認識しています。

長期請負契約等に基づく収益認識において、見積原価総額、見積収益総額、契約に係るリスクやその他の要因について重要な仮定を用いて見積る必要があります。これらの見積りは将来の不確実な経済条件の変動の影響を受けるほか、当社のコントロールの及ばない様々な理由によって変動する場合があります。当社は、これらの見積りを継続的に見直し、会計処理に反映しています。

 

 (15)法人所得税費用

  一時差異等に起因する繰延税金資産及び負債の認識を資産負債法により行っています。のれんから生じる一時差異、企業結合以外の取引における会計上又は税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさない取引で、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識にかかる一時差異、及び子会社又は持分法適用会社に対する投資にかかる将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合においては、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識していません。繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。将来課税所得には、事業環境に応じて一部の事業における損益悪化を一定程度織り込んでいます。課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受け、実際に課税所得が生じる時期及び金額は見積りと異なる可能性があります。なお、その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金及び繰延税金は、その他の包括利益として認識しています。

  繰延税金資産及び負債は、それらの一時差異等が解消されると見込まれる連結会計年度の課税所得に対して適用される税率を使用して測定しています。税率変更による繰延税金資産及び負債への影響は、その税率変更に関する法律の制定日を含む連結会計年度の純損益及びその他の包括利益として認識しています。

  また、当社はIAS第12号「法人所得税」に基づき、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しています。

 

 (16)1株当たり利益

基本1株当たり親会社株主に帰属する当期利益は平均発行済株式数に基づいて計算し、希薄化後1株当たり親会社株主に帰属する当期利益は平均発行済株式数と希薄化効果のある証券の転換又は発行可能株式数の合計に基づいて計算しています。

 

 (17)企業結合

企業結合の会計処理は取得法を用いています。当社は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の公正価値に対する持分割合相当額のいずれかにより、被取得企業に対する非支配持分を測定するかを選択しています。また、発生した取得関連費用は、発生時に費用処理しています。

 

 (18)未適用の新会計基準

連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた主な公表済基準書及び解釈指針のうち、当連結会計年度末において未適用の主な基準書は下記のとおりです。なお、適用による連結財務諸表への影響は検討中です。

 

基準書

基準名

強制適用時期

(以降開始年度)

当社

適用年度

新設・改訂の概要

IFRS第18号

財務諸表における表示

及び開示

2027年1月1日

2027年度

財務諸表における表示及び開示に関する現行の会計基準であるIAS第1号を置き換える新基準

 

 

注4. セグメント情報

 (1) 報告セグメント情報

 事業セグメントは、独立した財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定機関が、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象とする当社の構成単位です。

 

 当社は報告セグメントを、主に市場、製品及びサービスの性質及び経済的特徴の類似性を総合的に勘案し、下記4区分に系列化しています。以下に記載する報告セグメントのうち、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズは、当社の財政状態及び経営成績の適切な理解に資するために、複数の事業セグメントを集約しています。事業セグメントの集約においては、各事業セグメントの売上収益に対するセグメント損益の利益率を用いて経済的特徴の類似性を判断しています。それぞれの報告セグメントに含まれる主な製品・サービスは下記のとおりです。

 

① デジタルシステム&サービス

デジタルソリューション(システムインテグレーション、コンサルティング、クラウドサービス)、ITプロダクツ(ストレージ、サーバ)、ソフトウェア、ATM

② グリーンエナジー&モビリティ

エネルギーソリューション(パワーグリッド、再生可能エネルギー、原子力)、鉄道システム

③ コネクティブインダストリーズ

ビルシステム(エレベーター、エスカレーター)、生活・エコシステム(家電、空調)、計測分析システム(半導体製造装置、医用分析装置)、産業・流通ソリューション、水・環境ソリューション、産業用機器

④ その他

不動産の管理・売買・賃貸、その他

 

 当社は、2023年10月に日立Astemo㈱(現Astemo㈱)の株式の一部を譲渡しており、従来オートモティブシステムセグメントに含めていた日立Astemo㈱及びその子会社は当社の持分法適用会社となりました。これに伴い、オートモティブシステムセグメントは当社の事業セグメントに該当しないこととなりましたが、明瞭性を高める観点から、前連結会計年度及び当連結会計年度に係るセグメント情報については、オートモティブシステムセグメントを引き続き別掲して表示しています。なお、株式譲渡後の日立Astemo㈱及びその子会社に係る持分法による投資損益については前連結会計年度第3四半期(2023年10月1日から2023年12月31日まで)より「全社及び消去」に含めて開示しています。

 

 デジタルをコアにした「真のOne Hitachi」への変革を実現し、デジタルセントリックな企業として社会イノベーション事業の成長を持続的に加速させるために事業体制の見直しを行い、翌連結会計年度の期首から事業群の再編を行っています。当該再編に伴い、報告セグメントの区分を、デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズ及びその他の5区分へ変更し表示する予定です。

 また、翌連結会計年度からのセグメント損益についても、最高経営意思決定機関が、セグメントの経営資源の配分の決定及び業績の検討において主として利用する損益の測定値として、従来利用していたAdjusted EBITA(Adjusted Earnings before interest, taxes and amortization)の計算方法を変更し表示する予定です。Adjusted EBITAの計算方法について、従来は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除し、企業結合により認識した無形資産等の償却費を足し戻した上で、持分法による投資損益を加算した損益としていましたが、翌連結会計年度からは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除し、企業結合により認識した無形資産等の償却費を足し戻した損益とする予定です。

 

 

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメント情報は下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

報告セグメント

 

デジタルシステム

&サービス

グリーンエナジー

&モビリティ

コネクティブ

インダストリーズ

オートモティブ

システム

売上収益

 

 

 

 

 外部顧客に対する売上収益

2,432,182

2,980,675

2,857,211

1,160,008

 セグメント間の内部売上収益

166,477

71,627

200,749

4,376

 合計

2,598,659

3,052,302

3,057,960

1,164,384

セグメント損益

333,433

199,184

320,681

50,694

総資産

3,480,331

4,719,717

3,800,781

その他の項目

 

 

 

 

 減価償却費及び無形資産償却費

131,461

138,930

81,328

58,350

 減損損失

19,133

1,860

5,021

1,636

 持分法による投資損益

2,353

17,066

19,194

497

 持分法で会計処理されている投資

49,496

104,383

175,255

 のれん

1,433,628

690,034

248,016

 資本的支出

126,057

168,337

78,080

61,533

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

報告セグメント

全社

及び

消去

合計

 

その他

小計

売上収益

 

 

 

 

 外部顧客に対する売上収益

267,395

9,697,471

31,245

9,728,716

 セグメント間の内部売上収益

240,401

683,630

683,630

 合計

507,796

10,381,101

652,385

9,728,716

セグメント損益

6,780

910,772

7,412

918,184

総資産

1,908,227

13,909,056

1,687,772

12,221,284

その他の項目

 

 

 

 

 減価償却費及び無形資産償却費

32,608

442,677

8,848

451,525

 減損損失

2,018

29,668

29,668

 持分法による投資損益

563

39,673

35,611

75,284

 持分法で会計処理されている投資

4,626

333,760

482,674

816,434

 のれん

2,371,678

2,371,678

 資本的支出

36,876

470,883

2,575

468,308

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

報告セグメント

 

デジタルシステム

&サービス

グリーンエナジー

&モビリティ

コネクティブ

インダストリーズ

オートモティブ

システム

売上収益

 

 

 

 

 外部顧客に対する売上収益

2,653,087

3,849,255

2,969,164

 セグメント間の内部売上収益

179,497

66,253

194,030

 合計

2,832,584

3,915,508

3,163,194

セグメント損益

397,369

369,049

362,047

総資産

3,506,073

6,169,284

3,813,277

その他の項目

 

 

 

 

 減価償却費及び無形資産償却費

125,650

181,281

85,597

 減損損失

65,677

20,422

5,165

 持分法による投資損益

3,299

15,106

23,684

 持分法で会計処理されている投資

64,475

124,098

162,291

 のれん

1,360,303

863,097

263,423

 資本的支出

117,614

216,863

107,318

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

報告セグメント

全社

及び

消去

合計

 

その他

小計

売上収益

 

 

 

 

 外部顧客に対する売上収益

270,915

9,742,421

40,949

9,783,370

 セグメント間の内部売上収益

226,602

666,382

666,382

 合計

497,517

10,408,803

625,433

9,783,370

セグメント損益

12,357

1,140,822

1,023

1,141,845

総資産

2,316,824

15,805,458

2,520,645

13,284,813

その他の項目

 

 

 

 

 減価償却費及び無形資産償却費

32,370

424,898

6,636

431,534

 減損損失

871

92,135

92,135

 持分法による投資損益

457

42,546

15,774

58,320

 持分法で会計処理されている投資

4,750

355,614

480,617

836,231

 のれん

2,486,823

2,486,823

 資本的支出

39,022

480,817

15,967

496,784

 

 セグメント損益はAdjusted EBITAで表示しています。Adjusted EBITAは、Adjusted Earnings before interest, taxes and amortizationの略であり、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除し、企業結合により認識した無形資産等の償却費を足し戻した上で、持分法による投資損益を加算した損益です。セグメント間取引は独立企業間価格で行っており、セグメント損益の「全社」には主として先端研究開発費等の各セグメントに配賦していない費用及び持分法による投資損益の一部等が含まれています。

 「全社」の資産の主な内容は有価証券及びその他の金融資産です。

 減価償却費は、有形固定資産及び投資不動産の減価償却費です。

 減損損失は、主に有形固定資産、のれん及びその他の無形資産の減損です。

 資本的支出は、有形固定資産、投資不動産及びその他の無形資産の受入額で表示しています。

 

 セグメント損益の合計額から税引前当期利益への調整は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

セグメント損益

918,184

1,141,845

 企業結合により認識した無形資産等の償却費

87,084

111,919

 その他の収益

116,653

49,665

 その他の費用

97,184

143,023

 金融収益

17,388

53,944

 金融費用

10,015

12,905

受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益

857,942

977,607

 受取利息

38,781

32,038

 支払利息

70,922

46,912

税引前当期利益

825,801

962,733

 

 (2) 地域別情報

 前連結会計年度及び当連結会計年度における、仕向地別の外部顧客向け売上収益は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

日本

3,773,383

3,779,203

北米

1,582,916

1,528,015

欧州

1,550,878

1,902,617

アジア

2,151,544

1,843,279

その他の地域

669,995

730,256

海外売上収益

5,955,333

6,004,167

売上収益

9,728,716

9,783,370

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、米国における外部顧客向け売上収益は、それぞれ1,426,930百万円及び1,311,308百万円であり、中国における外部顧客向け売上収益は、それぞれ1,154,781百万円及び1,015,458百万円です。前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本、米国及び中国を除き、外部顧客向け売上収益が重要な単一の国及び地域はありません。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度における、所在地別の有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の残高は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

日本

723,713

789,318

北米

2,069,604

1,990,689

欧州

1,606,086

1,863,431

アジア

296,175

290,302

その他の地域

91,206

107,539

小計

4,786,784

5,041,279

全社及び消去

19,050

18,560

合計

4,805,834

5,059,839

 

 前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、米国における有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の残高は、それぞれ2,058,257百万円及び1,971,041百万円であり、スイス連邦における有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の残高は、それぞれ1,223,641百万円及び1,178,542百万円です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、日本、米国及びスイス連邦を除き、有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の残高が重要な単一の国及び地域はありません。

 

 (3) 顧客別情報

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、単一顧客として重要な顧客に対する売上収益はありません。

 

注5. 事業再編等

 前連結会計年度に生じた主な事業再編等は下記のとおりです。

 

 (1) 日立Astemo㈱(以下、日立Astemo)株式の売却

当社は、当社の子会社でオートモティブシステムセグメントに属する日立Astemoの普通株式の一部を日立Astemo及び本田技研工業㈱(以下、本田技研工業)に譲渡し、JICキャピタル㈱(以下、JICC)を新たな共同パートナーとするために以下2つの契約書(契約書に基づき実施される一連の取引を以下、本取引とする)を2023年3月30日に締結しました。

① JICCの100%子会社であるJICC-01合同会社が運用するJICC-01投資事業有限責任組合(以下、JICC-01)との間の、日立AstemoがJICC-01に対して新たに種類株式(以下、本種類株式)を発行すること、及び日立Astemoが本種類株式発行を通じて調達した資金の一部を利用して、当社の保有する日立Astemoの普通株式の一部を対象とする自己株式取得を行うこと、などに関する株式引受契約書

② 本田技研工業との間の、本田技研工業が日立Astemoに対して日立Astemo電動機システムズ㈱の株式の現物出資を行い、新たに発行される日立Astemoの普通株式を引き受けること、及び当社が、当社の保有する日立Astemoの普通株式の一部を、本田技研工業に譲渡すること、などに関する現物出資及び株式譲渡に関する契約書

本取引は2023年10月16日に完了しました。当社の売却の対価は、157,807百万円です。

本取引の結果、日立Astemoに対する当社の所有持分の割合は66.6%から40%となり、日立Astemoは当社の持分法適用会社となりました。

当社は、日立Astemoに対する支配の喪失に伴って認識した利益121,642百万円を、前連結会計年度の連結損益計算書上、その他の収益に計上しています。上記の121,642百万円には、同社株式に対する残存持分を公正価値で再評価したことによる利益77,792百万円が含まれています。また、前連結会計年度の連結持分変動計算書の非支配持分との取引等には、日立Astemoが持分法適用会社となったことによる非支配持分の減少が含まれています。

 

2023年3月31日における日立Astemoの資産、負債及び資本は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

現金及び現金同等物

 

138,491

売上債権及び契約資産

 

341,914

棚卸資産

 

 

284,449

有価証券及びその他の金融資産

39,757

その他の流動資産

 

23,301

 流動資産合計

 

827,912

持分法で会計処理されている投資

11,406

有価証券及びその他の金融資産

12,196

有形固定資産

 

 

555,360

のれん

 

 

86,480

その他の無形資産

125,397

その他の非流動資産

 

68,325

 非流動資産合計

 

859,164

  資産の部合計

 

1,687,076

 

 

 

 

 

短期借入金

 

 

186,002

償還期長期債務

 

28,547

その他の金融負債

 

38,796

買入債務

 

 

267,933

未払費用

 

 

111,110

契約負債

 

 

676

その他の流動負債

 

30,900

 流動負債合計

 

663,964

長期負債

 

279,680

退職給付に係る負債

 

31,045

その他の非流動負債

 

14,249

 非流動負債合計

 

324,974

  負債の部合計

 

988,938

 

 

 

親会社株主持分

 

437,640

非支配持分

 

260,498

 資本の部合計

 

698,138

  負債・資本の部合計

 

1,687,076

 

上記のうち、内部取引により計上されている金額は以下のとおりです。

 

 

2023年3月31日

短期借入金

未払費用

長期負債

181,165

12,154

43,178

 

なお、日立Astemoは2025年4月1日付でAstemo㈱に商号変更しています。

 

 当連結会計年度及び連結財務諸表の承認日までに生じた主な事業再編等は下記のとおりです。

 

 (1) 鉄道信号関連事業の買収

 当社の子会社で、グリーンエナジー&モビリティセグメントに属するHitachi Rail Ltd.(以下、日立レール社)は、鉄道信号システム事業をグローバルに拡大することを目的として、2021年8月3日、フランスのThales S.A.(以下、Thales社)との間で、Thales社の鉄道信号関連事業の買収に関する契約を締結しました。2024年5月31日、本契約に基づき、Thales社から鉄道信号関連事業を承継したCENTELEC UK LIMITED(以下、CENTELEC社)の発行済株式の100%を取得し、CENTELEC社は当社の完全子会社となりました。

 

 CENTELEC社の取得の対価、取得した資産及び引継いだ負債の取得日において認識した価額、並びに取得日において認識されたのれんの価額の要約は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

現金及び現金同等物

 

85,414

売上債権及び契約資産

 

189,868

棚卸資産

 

 

46,055

その他の流動資産

 

38,558

有形固定資産

 

 

28,668

のれん(損金不算入)

188,858

その他の無形資産

 

103,797

その他の非流動資産

 

21,883

合計

 

 

703,101

 

 

 

 

 

短期借入金

 

 

25,024

買入債務

 

 

104,045

契約負債

 

 

133,199

その他の流動負債

 

97,256

長期債務

 

 

12,757

退職給付に係る負債

 

19,541

その他の非流動負債

 

30,786

合計

 

 

422,608

 

 

 

 

 

支払対価(現金)

 

280,493

 

 売上債権及び契約資産の契約上の未収金額の総額は219,412百万円であり、回収が見込まれない金額は29,544百万円です。

 のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映したものです。

 その他の無形資産には、重要な無形資産(受注残71,308百万円、技術20,374百万円)が含まれています。これらの無形資産は、売上収益成長率、EBIT率、ロイヤリティレート、割引率等の仮定に基づいて測定しています。

 取得の対価は、株式取得後における価格調整が完了し確定しており、当連結会計年度末における未収金額は24,497百万円です。

 

 取得関連費用は、前連結会計年度以前において5,420百万円を計上しており、前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書上のその他の費用に、それぞれ2,876百万円及び5,545百万円を計上しています。

 

 当該取得に加え、日立レール社はThales社からCENTELEC社に対する貸付金143百万ユーロ(24,210百万円)を引継ぎ、同額をThales社に支払っています。当該支出は、当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書上、投資活動によるキャッシュ・フローの有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得に含めています。

 

 CENTELEC社の取得日から2025年3月31日までの経営成績は重要ではありませんでした。

 2024年4月1日時点で当該取得が行われたと仮定した場合の、当連結会計年度の売上収益及び親会社株主に帰属する当期利益に与える影響額は重要ではありませんでした。

 なお、CENTELEC社は2024年6月12日付でHITACHI RAIL GTS HOLDING LIMITEDに商号変更しています。

 

 上記以外の重要な事業再編等は下記のとおりです。

 

 (1) Johnson Controls-Hitachi Air Conditioning Holding (UK) Ltd (以下、JCH)株式の売却

 当社の子会社で、コネクティブインダストリーズセグメントに属する日立グローバルライフソリューションズ㈱(以下、日立GLS)は、Johnson Controls, Inc.との共同出資で設立した空調事業持株会社で、当社の持分法適用会社であるJCHの全保有株式を、Robert Bosch GmbH(以下、Bosch)に売却することを決定し、2024年7月23日に株式譲渡契約等を締結しました。

 当該契約に基づき、日立GLSが保有するJCH株式40%の全てをBoschに譲渡し、株式譲渡完了後にJCHは当社の持分法適用会社ではなくなる予定です。株式譲渡は2025年度第2四半期(2025年7月1日から2025年9月30日まで)の完了を予定しています。

 売却の対価は14億米ドル(約2,000億円)であり、当社は、JCH株式の売却に伴って認識する利益約1,350億円を、売却が完了した連結会計年度の連結損益計算書上、その他の収益に計上する予定です。なお、最終的な売却の対価は別途調整の後決定されます。

 

注6. 売上債権及び契約資産

 前連結会計年度及び当連結会計年度における売上債権及び契約資産の内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

売掛金

1,975,770

2,277,707

契約資産

930,743

1,145,151

その他

84,803

73,482

合計

2,991,316

3,496,340

 

 貸倒引当金控除後の金額で表示しています。その他には電子記録債権及び受取手形が含まれます。

 

注7. 棚卸資産

 棚卸資産の内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

製品

439,220

413,904

半製品・仕掛品

597,357

606,119

材料

474,070

546,259

合計

1,510,647

1,566,282

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識され、売上原価に含まれている棚卸資産の金額はそれぞれ5,053,376百万円及び4,215,297百万円です。また、棚卸資産の評価減金額はそれぞれ31,954百万円及び12,095百万円です。

 

注8. 持分法で会計処理されている投資

 前連結会計年度及び当連結会計年度における、投資の帳簿価額並びに持分法適用会社の包括利益に対する当社及び一部の子会社の持分はそれぞれ下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

関連会社

共同支配企業

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

投資の帳簿価額

727,644

734,763

88,790

101,468

 

 なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、一部の共同支配企業の損失に対する持分については、その累計額が当該投資を超過しているため、その他の非流動負債にそれぞれ1,128百万円及び939百万円計上しています。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

関連会社

共同支配企業

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

当期利益

58,251

44,880

17,033

13,440

その他の包括利益

22,195

△12,164

1,267

7,428

包括利益合計

80,446

32,716

18,300

20,868

 

注9. 有形固定資産

 有形固定資産の帳簿価額の増減内容は下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

土地

建物及び

構築物

機械装置

及び

運搬具

工具、器具

及び備品

使用権資産

その他の

有形

固定資産

建設仮勘定

合計

帳簿価額

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日

141,293

522,790

493,395

158,068

242,932

12,332

129,661

1,700,471

取得

933

5,748

18,736

14,722

85,375

2,443

187,721

315,678

科目間振替

3,801

49,233

73,175

31,069

△230

586

△157,634

売却又は処分

△4,531

△3,272

△6,084

△2,339

△4,200

△81

△2,157

△22,664

減価償却費

△39,433

△92,092

△56,206

△86,476

△4,181

△278,388

減損損失

△103

△2,055

△2,384

△812

△209

△16

△620

△6,199

連結範囲の異動

△53,398

△128,697

△278,826

△26,522

△26,077

△6

△65,613

△579,139

為替換算影響額

4,573

20,034

37,457

8,645

15,295

△2,135

9,941

93,810

その他

△4,119

△599

△905

6,288

△1,514

4,226

△5,104

△1,727

2024年3月31日

88,449

423,749

242,472

132,913

224,896

13,168

96,195

1,221,842

取得

767

5,543

24,475

22,103

100,088

1,492

197,387

351,855

科目間振替

3,401

59,999

35,871

30,840

258

441

△130,810

売却又は処分

△1,146

△4,120

△2,076

△2,046

△5,686

△96

△1,552

△16,722

減価償却費

△36,296

△59,903

△50,788

△86,169

△4,501

△237,657

減損損失

△47

△1,200

△596

△597

△473

△492

△3,405

連結範囲の異動

658

309

△484

5,531

21,556

23

27,593

為替換算影響額

1

△1,458

△389

△769

△4,580

△524

△4,328

△12,047

その他

1,870

6,248

2,787

4,531

327

△420

△5,265

10,078

2025年3月31日

93,953

452,774

242,157

141,718

250,217

9,560

151,158

1,341,537

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において認識された減価償却費の金額は、連結損益計算書の売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれています。また、減損損失の金額は、連結損益計算書のその他の費用に含まれています。

 

 有形固定資産の取得原価並びに減価償却累計額及び減損損失累計額は下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

土地

建物及び

構築物

機械装置

及び

運搬具

工具、器具

及び備品

使用権資産

その他の

有形

固定資産

建設仮勘定

合計

取得原価

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日

210,288

1,302,106

2,186,968

865,630

526,665

26,543

313,586

5,431,786

2024年3月31日

92,229

999,856

1,092,588

657,139

519,870

29,237

305,575

3,696,494

2025年3月31日

98,467

1,064,578

1,083,121

697,815

557,022

28,755

363,415

3,893,173

減価償却累計額及び

減損損失累計額

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日

△68,995

△779,316

△1,693,573

△707,562

△283,733

△14,211

△183,925

△3,731,315

2024年3月31日

3,780

576,107

850,116

524,226

294,974

16,069

209,380

2,474,652

2025年3月31日

4,514

611,804

840,964

556,097

306,805

19,195

212,257

2,551,636

 

 前連結会計年度に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。

 コネクティブインダストリーズセグメントにおいて、2,641百万円の損失を計上しています。主な内容は、ヘルスケア事業における収益性低下による機械装置等の事業用資産にかかる減損損失です。

 

 当連結会計年度に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。

 コネクティブインダストリーズセグメントにおいて、1,382百万円の損失を計上しています。主な内容は、ヘルスケア事業における収益性低下による機械装置等の事業用資産にかかる減損損失です。

 

注10.のれん及びその他の無形資産

 のれん及びその他の無形資産の帳簿価額の増減は下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

その他の無形資産

 

のれん

自社利用

ソフト

ウェア

市場販売

ソフト

ウェア

顧客関係

技術

その他

帳簿価額

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日

2,165,350

158,844

49,450

703,685

105,148

227,561

1,244,688

内部開発

20,908

12,658

88,405

121,971

外部購入

3,378

252

26,650

30,280

科目間振替

34,952

18,586

△53,538

償却費

△49,283

△20,426

△45,185

△15,992

△40,348

△171,234

減損損失

△8,072

△5,638

△7,233

△20,943

処分

△1,338

△442

△1,995

△3,775

連結範囲の異動

△64,493

△41,423

△25

△61,800

1,742

△45,867

△147,373

為替換算影響額

275,040

5,808

5,624

79,085

12,852

22,861

126,230

その他

△4,219

1,442

△1,527

△1,009

△1,094

2024年3月31日

2,371,678

125,216

58,512

675,785

103,750

215,487

1,178,750

内部開発

3,069

12,935

115,687

131,691

外部購入

4,247

121

8,831

13,199

科目間振替

47,827

21,800

△69,627

償却費

△47,711

△22,003

△46,792

△19,553

△56,691

△192,750

減損損失

△55,564

△2,677

△4,555

△611

△289

△24,040

△32,172

処分

△2,166

△42

△883

△3,091

連結範囲の異動

208,867

△193

△1

5,419

27,770

81,972

114,967

為替換算影響額

△38,158

1,485

△1,313

△8,425

△1,810

△1,393

△11,456

その他

2,245

6,400

△7,787

858

2025年3月31日

2,486,823

131,342

71,854

625,376

109,868

261,556

1,199,996

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において認識された償却費の金額は、連結損益計算書の売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれています。また、減損損失の金額は、連結損益計算書のその他の費用に含まれています。

 

 のれん及びその他の無形資産の取得原価並びに償却累計額及び減損損失累計額は下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

その他の無形資産

 

のれん

自社利用

ソフト

ウェア

市場販売

ソフト

ウェア

顧客関係

技術

その他

取得原価

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日

2,229,739

699,414

621,620

815,503

145,470

524,418

2,806,425

2024年3月31日

2,420,134

668,350

652,857

825,438

153,967

531,825

2,832,437

2025年3月31日

2,590,843

706,638

699,403

821,300

181,771

635,851

3,044,963

償却累計額及び

減損損失累計額

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日

△64,389

△540,570

△572,170

△111,818

△40,322

△296,857

△1,561,737

2024年3月31日

48,456

543,134

594,345

149,653

50,217

316,338

1,653,687

2025年3月31日

104,020

575,296

627,549

195,924

71,903

374,295

1,844,967

 

 当社は、全額を減損損失として認識したのれんについては、取得原価と減損損失累計額の両方から除いています。

 

 前連結会計年度に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。

 デジタルシステム&サービスセグメントにおいて、18,449百万円の損失を計上しています。主な内容は、市場動向の変化等に伴う将来収益見込みの減少による自社利用ソフトウェア、市場販売ソフトウェアの減損損失の計上です。

 

 当連結会計年度に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。

 デジタルシステム&サービスセグメントにおいて、64,212百万円の損失を計上しています。主な内容は、データ利活用を可能にするプラットフォーム事業の一部を非注力分野に位置づけたことに伴う当該事業ののれんの減損損失54,874百万円です。回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値で算定しています。処分費用控除後の公正価値は、マーケット・アプローチを使用し、当該事業と比較可能な類似会社のEV/売上収益の評価倍率に基づいて算定しています。当該公正価値測定のヒエラルキーは、観察可能でない指標を用いて測定するレベル3に分類されます。上記の他、市場動向の変化等に伴う将来収益見込みの減少による自社利用ソフトウェア、市場販売ソフトウェアの減損損失を計上しています。

 グリーンエナジー&モビリティセグメントにおいて、19,823百万円の損失を計上しています。主な内容は、鉄道事業における市場動向の変化等に伴う将来収益見込みの減少により、対象資産の全額であるその他の無形資産17,442百万円を減損損失として計上したものです。

 

 研究開発活動による支出のうち、新規の科学的又は技術的な知識、及び理解を得る目的で実施される研究活動に対する支出は全て発生時に費用処理しています。また、商業生産又は使用の開始以前における、生産計画や設計等の新規又は大幅な改良を目的で実施される開発活動による支出については、関連する無形資産に起因する支出が信頼性をもって測定ができる場合において、当社が無形資産の開発を完成させることが実現可能であり、かつ、将来的な経済的便益を得られる可能性が高い場合にのみ自己創設無形資産として資産計上を行い、それ以外の支出は発生時に費用処理をしています。

 

 その他の無形資産のうち、自己創設に該当するその他の無形資産の償却累計額及び減損損失累計額控除後の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ262,555百万円及び348,465百万円であり、主に自社利用ソフトウェア及び市場販売ソフトウェアに計上しています。

 

 また、当社の前連結会計年度及び当連結会計年度における期中に費用として認識された研究開発活動による支出は290,145百万円及び259,431百万円であり、連結損益計算書の売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれています。

 

 企業結合により取得したのれんは、資金生成単位又は資金生成単位グループごとに帳簿価額と回収可能価額を比較し、減損テストを実施しています。

 

 前連結会計年度において、重要なのれんが配分されている資金生成単位グループは下記のとおりです。

 前連結会計年度末において、グリーンエナジー&モビリティセグメントに属するパワーグリッド事業に配分されたのれんの帳簿価額は623,034百万円です。前連結会計年度のパワーグリッド事業におけるのれんの減損テストに用いた回収可能価額は、使用価値で算定しています。使用価値を算定するにあたっては、5年間の事業計画を基礎とし、6年目以降については成長率3.0%を加味した将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率13.1%(税引前)で現在価値に割り引いています。事業計画における主要な仮定は、売上収益成長率及び売上総利益率であり、外部情報及び過去の経験を反映したものです。また、事業計画後の成長率は外部調査機関の公表した長期インフレ率等を考慮して設定しています。

 

 前連結会計年度末において、デジタルシステム&サービスセグメントに属するサービス&プラットフォーム事業に配分されたのれんの帳簿価額は1,397,890百万円です。前連結会計年度のサービス&プラットフォーム事業におけるのれんの減損テストに用いた回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値で算定しています。処分費用控除後の公正価値は、マーケット・アプローチを使用し、サービス&プラットフォーム事業と比較可能な類似会社のEV/EBITDAの評価倍率に基づいて算定しています。当該公正価値測定のヒエラルキーは、観察可能でない指標を用いて測定するレベル3に分類されます。

 

 

 当連結会計年度において、重要なのれんが配分されている資金生成単位グループは下記のとおりです。

 当連結会計年度末において、グリーンエナジー&モビリティセグメントに属するパワーグリッド事業に配分されたのれんの帳簿価額は615,337百万円です。当連結会計年度のパワーグリッド事業におけるのれんの減損テストに用いた回収可能価額は、使用価値で算定しています。使用価値を算定するにあたっては、5年間の事業計画を基礎とし、6年目以降については成長率3.0%を加味した将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率13.1%(税引前)で現在価値に割り引いています。事業計画における主要な仮定は、売上収益成長率及び売上総利益率であり、外部情報及び過去の経験を反映したものです。また、事業計画後の成長率は外部調査機関の公表した長期インフレ率等を考慮して設定しています。

 

 当連結会計年度末において、デジタルシステム&サービスセグメントに属するサービス&プラットフォーム事業に配分されたのれんの帳簿価額は1,316,785百万円です。当連結会計年度のサービス&プラットフォーム事業におけるのれんの減損テストに用いた回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値で算定しています。処分費用控除後の公正価値は、マーケット・アプローチを使用し、サービス&プラットフォーム事業と比較可能な類似会社のEV/EBITDAの評価倍率に基づいて算定しています。当該公正価値測定のヒエラルキーは、観察可能でない指標を用いて測定するレベル3に分類されます。

 

 なお、各資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんについて、減損テストに用いた主要な仮定が合理的な範囲で変動があった場合にも、帳簿価額が回収可能価額を上回る可能性は低いと判断しています。

 

注11.リース

  (1) 借手側

当社及び一部の子会社は、リースとして、建物、機械装置及び車両等を中心とした設備を使用しています。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の原資産の種類別の帳簿価額は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

原資産の種類

合計

建物及び

構築物

機械装置及び

運搬具

工具、器具

及び備品

土地

その他

前連結会計年度

(2024年3月31日)

168,457

27,798

17,186

11,192

604

225,237

当連結会計年度

(2025年3月31日)

192,406

28,622

18,055

10,906

500

250,489

 

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに関連する費用及びキャッシュ・アウトフローは、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

使用権資産の減価償却費

 

 

建物及び構築物

68,823

68,364

機械装置及び運搬具

9,895

9,945

工具、器具及び備品

6,950

7,022

土地

787

759

その他

306

235

 合計

86,761

86,325

リース負債に係る支払利息

5,483

7,449

短期リースに係る費用等

21,059

22,855

リースに関連する費用合計

113,303

116,629

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

リースに係るキャッシュ・アウトフロー合計

118,607

120,301

 

前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、注9.有形固定資産に記載しています。

また、前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリース負債の満期分析は、注25.金融商品及び関連する開示に記載しています。

 

  (2) 貸手側

当社及び一部の子会社は、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースとして、建物、機械装置等を中心とした設備を賃貸しています。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係る収益は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

ファイナンス・リースに係るリース収益

399

568

オペレーティング・リースに係るリース収益

251

305

リースに係る収益合計

650

873

 

なお、ファイナンス・リースに係るリース収益の主な内訳は、正味リース投資未回収額に係る金融収益です。

 

① ファイナンス・リース

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるファイナンス・リースに係るリース料債権の満期分析は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

割引前受取リース料

 

 

1年以内

13,755

7,709

1年超5年以内

11,529

11,309

5年超

4,909

5,108

 合計

30,193

24,126

リース料債権に係る未稼得金融収益

△2,338

△2,323

正味リース投資未回収額

27,855

21,803

 

② オペレーティング・リース

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるオペレーティング・リースに係る割引前受取リース料の満期分析は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

1年以内

175

252

1年超5年以内

67

585

5年超

246

合計

242

1,083

 

注12.繰延税金及び法人所得税

 法人所得税費用及びその他の包括利益純額に係る繰延税金の内訳は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

法人所得税費用

 

 

当期分

254,207

314,010

繰延税金

 

 

一時差異等の発生と解消

△46,690

59,078

未認識の繰延税金資産の増減

△8,464

△67,220

合計

199,053

305,868

その他の包括利益に係る繰延税金

 

 

その他の包括利益を通じて測定する金融資産の

公正価値の純変動額

19,609

△1,675

確定給付制度の再測定

910

4,094

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動額

5,973

65

在外営業活動体の換算差額

△2,587

△2,009

合計

23,905

475

 

 当社及び国内の子会社は、課税所得に対して、主に法人税、住民税及び事業税が課されており、前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率はおよそ30.5%です。

 

 2025年3月31日に、「所得税法等の一部を改正する法律」が国会で成立しました。これに伴い、当連結会計年度において、当社及び国内の子会社の2026年4月1日以降に解消が見込まれる一時差異について、繰延税金資産及び繰延税金負債の算定に使用した法定実効税率は従来のおよそ30.5%から、31.4%に変更されています。当該変更に伴う、当社の連結財務諸表への重要な影響はありません。

 

 当社及び一部の国内子会社は、グループ通算制度を適用しています。また、一部の海外子会社は連結納税制度を適用しています。

 

 当社が事業活動を営む一定の国・地域において、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するための税法が制定又は実質的に制定されています。第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税につき、その見積り金額を当連結会計年度の法人所得税費用に認識していますが、当社の連結財務諸表への重要な影響はありません。

 

 税率差異の調整は、下記のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

法定実効税率

30.5%

30.5%

持分法による投資損益

△2.8

△1.8

子会社投資及び持分法で会計処理されている投資の

税務上の簿価に対する超過額

0.6

5.6

子会社投資及び持分法で会計処理されている投資等

の売却に係る損益

△4.7

2.5

損金不算入の費用

1.1

1.2

のれんの減損

1.8

未認識の繰延税金資産の増減

△1.0

△7.0

国内会社の法定実効税率と海外会社の税率差

△3.2

△3.2

その他(純額)

3.6

2.2

税金充当率

24.1%

31.8%

 

 繰延税金資産及び負債の増減内容は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

期首残高(繰延税金資産-純額)

116,387

173,210

純損益として認識

55,154

8,142

その他の包括利益として認識

△23,905

△475

連結範囲の異動他

25,574

△650

期末残高(繰延税金資産-純額)

173,210

180,227

 

 繰延税金資産及び負債の主な内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

連結財政状態計算書

連結損益計算書

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

繰延税金資産

 

 

 

 

退職給付に係る負債

49,403

37,099

△5,421

△3,705

未払費用

187,635

190,085

9,873

6,503

有形固定資産に係る減価償却

10,029

13,120

1,526

1,149

繰越欠損金

41,712

46,432

7,162

5,208

棚卸資産及び固定資産未実現利益

29,137

26,333

5,844

△2,533

繰延収益

27,915

34,040

2,254

6,442

その他

163,040

175,216

25,695

15,909

繰延税金資産総額

508,871

522,325

46,933

28,973

繰延税金負債

 

 

 

 

圧縮記帳

△853

△1,108

81

53

有価証券

△79,932

△92,387

△2,285

△22,109

無形資産

△193,214

△175,119

13,564

15,415

その他

△61,662

△73,484

△3,139

△14,190

繰延税金負債総額

△335,661

△342,098

8,221

△20,831

繰延税金資産純額

173,210

180,227

55,154

8,142

 

 繰延税金資産純額は、連結財政状態計算書の下記区分に含めて表示しています。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

 その他の非流動資産

285,337

282,525

 その他の非流動負債

△112,127

△102,298

 合計

173,210

180,227

 

 当社は、予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いため、再投資されると考えられる子会社又は持分法適用会社に対する投資の税務上の簿価を超過する部分については、繰延税金負債を計上していません。

 前連結会計年度末及び当連結会計年度末の繰延税金負債として認識されていない子会社の未分配利益に関連する一時差異の総額は、それぞれ1,055,601百万円及び1,027,793百万円です。

 

 繰延税金資産の実現可能性を評価するにあたり、当社は、同資産の一部又は全部が実現しない蓋然性の検討を行っています。同資産が最終的に実現するか否かは、これらの一時差異等が、将来、それぞれの納税地域における納税額の計算上、課税所得の減額あるいは税額控除が可能となる会計期間において、課税所得を計上しうるか否かによります。実現可能性は確定的ではないですが、実現可能性の評価において、当社は、繰延税金負債の振り戻しの予定及び予想される将来の課税所得を考慮しています。これらの諸要素に基づき当社は、当連結会計年度末において認識可能と判断された繰延税金資産が実現する蓋然性は高いと判断しています。

 

 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

将来減算一時差異

761,522

512,829

繰越欠損金

423,982

377,048

合計

1,185,504

889,877

 

 繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の繰越期限は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

5年以内

52,754

42,298

5年超10年以内

31,464

20,913

10年超及び繰越期限なし

339,764

313,837

合計

423,982

377,048

 

注13.買入債務

 前連結会計年度及び当連結会計年度における買入債務の内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

買掛金

1,343,234

1,506,205

その他

56,465

66,559

合計

1,399,699

1,572,764

 

 その他には電子記録債務及び支払手形が含まれます。

 

 当社及び一部の子会社は、金融機関とサプライヤー・ファイナンス契約を締結しています。当該契約においては、当社及び一部の子会社がサプライヤーに対して負っている買入債務を、金融機関がサプライヤーに対して支払い、当社及び一部の子会社が金融機関に対し、当該契約の契約条件に従って支払いを行います。また、一部の契約においては、当社及び一部の子会社がサプライヤーに対して負っている買入債務の支払代行を金融機関に委託しています。サプライヤー・ファイナンス契約を締結している当社及び一部の子会社は、通常の営業取引においては主に180日以内で買入債務の決済をしており、サプライヤー・ファイナンス契約を締結した場合、支払期日は主に30日から90日延伸されます。なお、サプライヤー・ファイナンス契約に関連して金融機関に対して提供している保証及び担保はありません。

 サプライヤー・ファイナンス契約の対象となる金融負債は、連結財政状態計算書上は短期借入金及び買入債務に含まれ、上記買入債務の内訳のうち、買掛金及びその他に計上されています。

 サプライヤー・ファイナンス契約の対象となる金融負債の帳簿価額は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

 

帳簿価額

帳簿価額

内、既に金融機関からサプライヤーへ支払いが完了しているもの

短期借入金

954

3,948

3,948

買入債務

48,238

77,820

42,065

合計

49,192

81,768

46,013

 

 当連結会計年度において、当社及び一部の子会社のサプライヤー・ファイナンス契約に含まれる金融負債の帳簿価額に、重要な非資金変動はありません。

注14.引当金

 当連結会計年度の引当金の内訳及び増減は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

資産除去債務

事業構造改革

関連引当金

製品保証引当金

工事損失引当金

その他の引当金

2024年3月31日残高

27,791

8,494

77,646

97,921

134,981

期中増加額

3,672

10,524

42,180

83,162

135,607

目的取崩による減少

△698

△14,314

△22,297

△93,748

△98,794

連結範囲の異動

2

1,070

8,046

24,999

25,053

為替換算影響額他

△719

△231

△3,295

△2,421

△5,293

2025年3月31日残高

30,048

5,543

102,280

109,913

191,554

流動負債

406

5,236

94,516

109,356

177,417

非流動負債

29,642

307

7,764

557

14,137

 

資産除去債務

 当社及び子会社が使用する工場設備や敷地等の賃貸借契約に付随する原状回復義務等、通常の使用に供する固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務を有する場合には、主に過去の実績等に基づき算出した将来支出の見積額に基づき資産除去債務を認識しています。

 

事業構造改革関連引当金

 当社及び子会社における事業の全部又は一部に関する事業構造改革に関する詳細な公式計画を有し、かつ、計画の実施や公表を通じて影響を受ける関係者に当該事業構造改革が確実に実施されることについて妥当な期待を生じさせた時点で、事業構造改革に関連して発生する直接支出の見積額に基づき引当金を認識しています。

 事業構造改革関連引当金には、主に事業構造改革に伴う特別退職金を計上しています。

 

製品保証引当金

 当社及び子会社は、一部の製品及びサービスに対する保証を行っているため、主に過去の保証実績に基づき算定した将来支出の見積額に基づき引当金を認識しています。

 

工事損失引当金

 当社及び子会社は、請負工事等の長期請負契約等の履行に伴い、将来において発生する損失の見積額に基づき引当金を認識しています。

 

注15.従業員給付

(1) 退職後給付

 当社及び一部の子会社は、従業員の退職給付に備え、確定給付型の年金制度及び退職一時金制度、並びに確定拠出型の年金制度を設けており、ほぼ全ての従業員が対象となっています。

 

 確定給付型年金制度の主なものは、確定給付企業年金法に基づく企業年金制度であり、その一部についてキャッシュバランスプラン制度を採用しています。キャッシュバランスプランにおける給付は、加入者毎に仮想個人口座を設け、給付水準等に基づく拠出クレジット及び市場金利動向に基づく利息クレジットにより算定されます。

 確定給付企業年金法に基づき、当社には企業年金制度を運営する日立企業年金基金(以下、「基金」)への掛金の拠出等の義務が課されています。基金の理事には、法令、法令に基づく厚生労働大臣又は地方厚生局長による処分、基金の規約及び代議員会の決議を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務が課されています。また、理事に対しては、自己又は第三者の利益を図る目的をもって、給付に充てるべき積立金(以下、「積立金」)の管理及び運用の適正を害する行為をしてはならないこと、積立金の管理及び運用に関する基金の業務について、その任務を怠った場合には、基金に対して連帯責任を負うことが規定されています。

 基金は、当社より法的に独立した機関であり、基金の代議員会は、雇用主側において選定された代表者(選定代議員)及び従業員側において選出された代表者(互選代議員)の同一人数にて構成され、代議員会の議事は出席した代議員の過半数で決定していますが、可否同数の場合は、特段重要な事項の議事を除き、議長が決定します。

 積立金の運用については、代議員会の決議を経た運用管理規定により定められている契約内容に基づき、運用受託機関が行います。基金は運用に関する基本方針を作成するとともに、基本方針に整合した運用指針を作成し運用受託機関に交付すること等により、積立金の運用を安全かつ効率的に行う義務を果たしています。

 当社は、将来にわたり基金が定める積立金の掛金の拠出義務を負っています。掛金の額は法令が認める範囲で定期的に見直されます。

 

 退職一時金制度は、退職者に対し一時金を支給するもので、給付は退職時の給与水準及び勤続年数等に基づき算定されます。退職一時金制度については、当社及び一部の子会社が直接退職者への支給義務を負っています。

 

 確定拠出年金制度は、加入期間にわたり会社が掛金を拠出し、加入者自らが積立金の運用を行う制度です。給付は受託機関が行うものであり、当社及び一部の子会社の義務は掛金の拠出に限定されます。

 

 2023年4月1日に日立企業年金基金に加入する全ての会社の年金制度が、加入者を対象に確定給付型年金制度からリスク分担型企業年金制度へ移行完了しました。当該制度は、標準掛金相当額の他に、リスク対応掛金相当額があらかじめ規約に定められており、毎連結会計年度におけるリスク分担型企業年金の財政状況に応じて給付額が増減し、年金財政上の均衡が図られます。

 なお、当社及び当社の子会社が導入したリスク分担型企業年金は労使でリスクを分担する仕組みであり、雇用主は当該制度への移行時点で労使合意によりあらかじめ定められたリスクへの対応分(リスク対応掛金)を含む固定の掛金を拠出することにより一定のリスクを負い、加入者も財政バランスが崩れた場合には給付調整が行われることで一定のリスクを負っています。確定給付型年金制度は、積立不足が生じた時に雇用主に追加の掛金負担が生じますが、リスク分担型企業年金は、あらかじめ将来発生するリスクを測定し労使合意によりその範囲内でリスク対応掛金を拠出し平準的な拠出とするものです。移行時に算定された財政悪化リスク相当額の水準を踏まえ定めたリスク対応掛金相当額を制度改訂日以降5年定額で拠出し、これら拠出の完了後、追加的な掛金は発生しません。

 退職後給付に係る会計処理において、リスク分担型企業年金のうち、企業の拠出義務が規約に定められた掛金の拠出に限定され、企業が当該掛金相当額の他に、追加掛金の拠出義務を実質的に負っていないものは確定拠出制度に分類されます。当社及び当社の子会社が導入したリスク分担型企業年金制度は追加掛金の拠出義務を実質的に負っておらず、確定拠出型年金制度に分類されます。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度の確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の変動は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

確定給付制度債務の変動

 

 

確定給付制度債務期首残高

1,053,570

996,035

勤務費用

25,166

25,290

利息費用

12,367

16,604

制度改訂影響額

△2,086

△847

数理計算上の差異

△955

△45,854

退職給付支払額

△73,436

△68,623

連結範囲の異動

△42,103

16,487

確定拠出年金制度移行影響額

△10

△3

制度の清算・縮小

△1,538

△21

リスク分担型企業年金制度移行影響額

△5,780

為替換算影響額

30,840

2,278

確定給付制度債務期末残高

996,035

941,346

制度資産の変動

 

 

制度資産の期首公正価値

800,064

842,504

利息収益

10,032

10,726

制度資産に係る収益

 (利息収益除く)

62,714

△19,277

会社拠出額

10,176

12,341

従業員拠出額

4,440

5,941

退職給付支払額

△55,105

△51,920

連結範囲の異動

△9,985

△1,624

確定拠出年金制度移行影響額

制度の清算・縮小

△2,287

リスク分担型企業年金制度移行影響額

△6,960

為替換算影響額

29,415

11,893

制度資産の期末公正価値

842,504

810,584

資産上限額の影響

58,510

72,704

連結財政状態計算書に計上した純額

212,041

203,466

 

 資産上限額の影響の変動は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

資産上限額の影響の期首残高

8,186

58,510

利息収益

242

633

再測定による増減

 資産上限額の影響の変動

48,773

13,410

為替換算影響額

1,309

151

資産上限額の影響の期末残高

58,510

72,704

 

 数理計算上の差異発生額の内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

財務上の仮定の変化により生じるもの

1,337

50,102

人口統計上の仮定の変化により生じるもの

△143

1,883

その他

△239

△6,131

 

 当社及び一部の子会社は、確定給付制度債務及び制度資産の測定日を連結会計年度末日としています。数理計算に使用した割引率の仮定は、下記のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

割引率

1.2%

1.9%

 

 当連結会計年度末において、割引率が0.5%変化した場合に想定される確定給付制度債務に与える影響は、仮に割引率が0.5%増加した場合は37,287百万円減少し、割引率が0.5%減少した場合39,995百万円増加します。

 感応度分析は、他の前提条件を一定であることを前提としていますが、実際は、他の前提条件の変化が感応度分析に影響する可能性があります。

 

 基金における制度資産の運用は、積立金の安全かつ効率的な運用、分散投資及び長期にわたり持続的に維持すべき資産の構成割合の決定が基本方針として定められています。将来にわたり、年金給付に必要かつ十分な時価資産の蓄積を図り、また長期的に安定した収益を確保するための目標収益率を定め、その目標収益率を達成するために政策的資産構成割合を策定の上、各資産に分散投資を行っています。政策的資産構成割合は、各資産区分の期待収益率、収益率の標準偏差及び資産間の相関係数を考慮しています。また、一定以上の時価変動があった場合は、資産構成割合を政策的資産構成割合に調整する等の適切なリスク管理を行っています。

 運用受託機関及び資産管理機関の選定にあたっては、適切な定量評価、定性評価に基づき行っています。また、運用受託機関に対し運用方針等を明示し、定期的な運用状況の報告を受ける等の適切な監督を行っています。

 

 前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、制度資産の公正価値は下記のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度 (2024年3月31日)

活発な市場における公表市場価格

合計

あるもの

ないもの

資本性証券

1,643

1,643

公債

3,367

218

3,585

社債及びその他の負債証券

6,785

6,785

ヘッジファンド

32,526

32,526

プライベートエクイティ

33,901

33,901

現金及び現金同等物

22,827

22,827

生保一般勘定

117,539

117,539

合同運用投資

596,252

596,252

その他

1,063

26,383

27,446

合計

28,900

813,604

842,504

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度 (2025年3月31日)

活発な市場における公表市場価格

合計

あるもの

ないもの

資本性証券

1,305

1,305

公債

3,410

213

3,623

社債及びその他の負債証券

6,934

6,934

ヘッジファンド

28,617

28,617

プライベートエクイティ

30,954

30,954

現金及び現金同等物

12,417

12,417

生保一般勘定

107,773

107,773

合同運用投資

589,108

589,108

その他

2,535

27,318

29,853

合計

19,667

790,917

810,584

 

 (注)当連結会計年度より、制度資産に占める構成割合の変化に応じて内訳表示を変更しています。従来、「その他」に含めていた「プライベートエクイティ」を個別に表示し、重要性が乏しくなった「証券化商品」(前連結会計年度末14,762百万円 当連結会計年度末14,635百万円)を「その他」に含めています。なお、前連結会計年度の表示も、この変更を反映したものに修正して表示しています。

 

 資本性証券は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において海外上場株式が100%を占めています。

 公債は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において海外の公債が100%を占め、その主な内訳は外国国債です。

 社債及びその他の負債証券は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において海外が100%を占めています。

 ヘッジファンドは、主に株式ロングショート型ヘッジファンド、マルチストラテジー型ヘッジファンド、クレジット型ヘッジファンド及びグローバルマクロ型ヘッジファンドに投資しています。

 プライベートエクイティは、主にPEセカンダリーファンド、ダイレクトレンティングファンド、不動産、不動産デッドファンド及び不動産セカンダリーファンドに投資しています。

 合同運用投資は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において上場株式が約30%、公債が約40%、社債及びその他の負債証券が約10%、現金及び現金同等物が約10%、その他の資産が約10%を占めています。

 

 日立企業年金基金における年金積立は、年金制度資産の積立状況、数理計算等の様々な要因を考慮の上行われます。また、日立企業年金基金の規約においては、確定給付企業年金法の規定に従い、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、5年毎に事業年度末日を基準日として掛金の額の再計算を行うことが規定されています。再計算では、基金財政上の基礎率(予定利率、死亡率、脱退率等)を見直し、掛金を見直しています。

 

 翌連結会計年度の確定給付年金制度における拠出の見込額は10,837百万円です。

 前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーション(平均支払見込期間)は、それぞれ10.0年及び10.2年です。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度の当社及び子会社における確定拠出年金制度への拠出に係る費用認識額は、それぞれ42,718百万円及び36,413百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度の当社及び子会社におけるリスク分担型企業年金制度への拠出に係る費用認識額は、それぞれ37,778百万円及び28,695百万円です。なお、翌連結会計年度以降に拠出するリスク対応掛金の見込み額は2,665百万円です。

 

(2) 従業員給付費用

 前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書上に含まれる従業員給付費用の合計金額は、それぞれ2,868,049百万円及び2,996,501百万円です。

 

注16.資本

 (1) 普通株式

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

発行可能株式総数

2,000,000,000

10,000,000,000

 

(注)当社は、2024年7月1日付で、普通株式1株につき5株の割合で株式分割(以下、本株式分割)及び発行可能株式総数を変更する定款の一部変更を行い、発行可能株式総数は10,000,000,000株となりました。

 

 

 

(単位:百万円)

 

発行済株式の総数

資本金額

2023年3月31日

938,083,077

462,817

2024年3月31日

927,167,877

463,417

2025年3月31日

4,580,341,685

464,384

 

(注)前連結会計年度において、当社は譲渡制限付株式報酬として新株式を発行し、当社の発行済株式総数は、2023年5月31日付で158,200株増加しました。また、自己株式の消却により、当社の発行済株式総数は、2023年10月18日付で11,073,400株減少し、927,167,877株となりました。

当連結会計年度において、当社は譲渡制限付株式報酬として新株式を発行し、当社の発行済株式総数は、2024年6月3日付で146,000株増加しました。また、本株式分割により、発行済株式総数は、2024年7月1日付で3,709,255,508株増加し、4,636,569,385株となりました。さらに、自己株式の消却により、当社の発行済株式総数は、2025年1月27日付で56,227,700株減少し、4,580,341,685株となりました。

 

 当社が発行する株式は無額面の普通株式です。また、上記の発行済株式の総数には自己株式が含まれています。前連結会計年度及び当連結会計年度における自己株式の増減は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

自己株式数

自己株式

2023年3月31日

510,830

3,539

自己株式の取得

11,139,272

 

100,458

自己株式の売却

△30,529

 

△213

自己株式の消却

△11,073,400

 

△98,793

2024年3月31日

546,173

4,991

自己株式の取得

58,283,311

 

200,285

自己株式の売却

△134,675

 

△1,091

自己株式の消却

△56,227,700

 

△195,598

2025年3月31日

2,467,109

8,587

 

(注)当連結会計年度における自己株式の取得には、本株式分割による自己株式数の増加が含まれており、2024年7月1日付で増加した自己株式数は10,728,252株となります。

 

 なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における関連会社が保有する当社株式数は、それぞれ31,100株及び67,500株です。

 

 (2) 剰余金

① 資本剰余金

 日本における会社法(以下、会社法)では、株式の発行に対して払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されています。

 資本剰余金の増減には、当社の子会社に対する持分の変動による影響及び自己株式の消却による減少等が含まれています。前連結会計年度における増減のうち、主なものは、自己株式の消却による減少です。当連結会計年度における増減のうち、主なものは、自己株式の消却による減少及び当社の子会社が第三者割当増資を実施したことによる増加です。

 なお、資本剰余金の期末残高が負の値になる場合は、利益剰余金から振替を行い、資本剰余金をゼロとしています。

 

② 利益剰余金

 会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本剰余金に含まれている資本準備金及び利益剰余金に含まれている利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。

 

注17.その他の包括利益累計額及びその他の包括利益

 前連結会計年度及び当連結会計年度の連結持分変動計算書に計上された、関連する税効果影響額控除後のその他の包括利益累計額は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

在外営業活動体の換算差額

 

 

期首残高

635,260

984,432

その他の包括利益純額

349,404

△93,582

非支配持分振替額

△232

△691

期末残高

984,432

890,159

確定給付制度の再測定

 

 

期首残高

87,967

103,039

その他の包括利益純額

12,647

10,820

非支配持分振替額

2,707

70

利益剰余金への振替額

△282

238

期末残高

103,039

114,167

その他の包括利益を通じて測定する金融資産の

公正価値の純変動額

 

 

期首残高

115,355

50,378

その他の包括利益純額

45,389

△8,977

非支配持分振替額

5

1

利益剰余金への振替額

△110,371

△1,906

期末残高

50,378

39,496

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動額

 

 

期首残高

7,810

22,701

その他の包括利益純額

16,475

△550

非支配持分振替額

△2

その他

△1,582

△25,182

期末残高

22,701

△3,031

その他の包括利益累計額合計

 

 

期首残高

846,392

1,160,550

その他の包括利益純額

423,915

△92,289

非支配持分振替額

2,478

△620

利益剰余金への振替額

△110,653

△1,668

その他

△1,582

△25,182

期末残高

1,160,550

1,040,791

 

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度の非支配持分を含むその他の包括利益の各区分の当期損益項目との調整額及び各項目の税効果影響額は、下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

税効果影響額控除前

税効果影響額

税効果影響額控除後

 

その他の包括利益

 

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

460,465

△37

460,428

 

確定給付制度の再測定

14,782

△910

13,872

 

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

64,765

△19,609

45,156

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

18,847

△5,294

13,553

 

持分法のその他の包括利益

24,941

△1,280

23,661

 

合計

583,800

△27,130

556,670

 

その他の包括利益と

当期損益項目との調整額

 

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

△108,657

2,624

△106,033

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

2,041

△679

1,362

 

持分法のその他の包括利益

△199

△199

 

合計

△106,815

1,945

△104,870

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

351,808

2,587

354,395

確定給付制度の再測定

14,782

△910

13,872

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

64,765

△19,609

45,156

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

20,888

△5,973

14,915

持分法のその他の包括利益

24,742

△1,280

23,462

合計

476,985

△25,185

451,800

非支配持分に帰属する

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

 

25,471

確定給付制度の再測定

 

 

1,320

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

 

1,109

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

 

 

△15

合計

 

 

27,885

親会社株主持分に帰属する

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

 

328,924

確定給付制度の再測定

 

 

12,552

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

 

44,047

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

 

 

14,930

持分法のその他の包括利益

 

 

23,462

合計

 

 

423,915

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

税効果影響額控除前

税効果影響額

税効果影響額控除後

 

その他の包括利益

 

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

△88,396

2,009

△86,387

 

確定給付制度の再測定

13,095

△4,094

9,001

 

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

△8,252

1,675

△6,577

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

5,420

△3,223

2,197

 

持分法のその他の包括利益

△1,391

△3,346

△4,737

 

合計

△79,524

△6,979

△86,503

 

その他の包括利益と

当期損益項目との調整額

 

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

△241

△241

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

△10,126

3,158

△6,968

 

持分法のその他の包括利益

1

1

 

合計

△10,366

3,158

△7,208

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

△88,637

2,009

△86,628

確定給付制度の再測定

13,095

△4,094

9,001

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

△8,252

1,675

△6,577

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

△4,706

△65

△4,771

持分法のその他の包括利益

△1,390

△3,346

△4,736

合計

△89,890

△3,821

△93,711

非支配持分に帰属する

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

 

△1,164

確定給付制度の再測定

 

 

△249

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

 

 

△9

合計

 

 

△1,422

親会社株主持分に帰属する

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

 

△85,464

確定給付制度の再測定

 

 

9,250

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

 

△6,577

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

 

 

△4,762

持分法のその他の包括利益

 

 

△4,736

合計

 

 

△92,289

 

注18.剰余金の配当

 前連結会計年度及び当連結会計年度の配当金は下記のとおりです。

 

決議

配当金の総額

(百万円)

配当の原資

1株当たり

 配当額(円)

基準日

効力発生日

2023年5月12日

取締役会

70,317

利益剰余金

75.0

2023年3月31日

2023年6月2日

2023年10月27日

取締役会

74,144

利益剰余金

80.0

2023年9月30日

2023年11月27日

2024年5月13日

取締役会

92,662

利益剰余金

100.0

2024年3月31日

2024年6月4日

2024年10月30日

取締役会

96,545

利益剰余金

21.0

2024年9月30日

2024年11月27日

 

 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるものは、下記のとおりです。

 

決議

配当金の総額

(百万円)

配当の原資

1株当たり

 配当額(円)

基準日

効力発生日

2025年5月13日

取締役会

100,713

利益剰余金

22.0

2025年3月31日

2025年6月5日

 

 (注)当社は、2024年7月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。基準日が2024年9月30日以降の1株当たり配当額については、当該株式分割後の実際の配当金の金額を記載しています。基準日が2024年6月30日以前の1株当たり配当額については、当該株式分割前の実際の配当金の金額を記載しています。

 

注19.株式に基づく報酬

 当社は、株式に基づく報酬として、2019年度より、ストックオプション制度に代えて、譲渡制限付株式報酬制度を導入し、従来の株式報酬型ストックオプションに代えて、譲渡制限付株式を付与しており、2020年度より、譲渡制限付株式報酬ユニット制度を導入し、譲渡制限付株式報酬ユニットを付与しています。また、2023年度より、譲渡制限付株式報酬制度の一部に代えて、業績連動型譲渡制限付株式報酬ユニット制度を導入し、業績連動型譲渡制限付株式報酬ユニットを付与しています。

 

 (注)当社は、2024年7月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。前連結会計年度の期首に当該株式分割が実施されたと仮定して、株式に基づく報酬の状況を記載しています。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において計上された株式に基づく報酬費用は、それぞれ2,260百万円及び3,451百万円です。

 

 (1) 譲渡制限付株式報酬

当社の譲渡制限付株式報酬制度は、当社の執行役、理事及び子会社の役員の一部(以下、対象者)に対して、譲渡制限付株式(以下、本譲渡制限付株式)を割り当てるために、金銭報酬債権を付与し、対象者は当該金銭報酬債権を現物出資することで、当社の普通株式の発行又は処分を受けるものです。また、本制度に基づき当社の普通株式の発行又は処分をするにあたり、当社と各対象者との間で譲渡制限付株式割当契約を締結しています。

 

譲渡制限付株式割当契約の概要

① 譲渡制限期間

付与日から、対象者が当社の執行役、取締役、理事及び子会社の役員のいずれの地位からも退任する日まで

② 当社による無償取得

本割当契約に定める一定の事由に該当した場合は、当社が対象者に通知した日以降速やかに本譲渡制限付株式を無償取得する。また、当社は、譲渡制限が解除されない本譲渡制限付株式について譲渡制限が解除されないことが確定した時点をもって、当然に無償で取得する。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度に発行した譲渡制限付株式の内容は以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

発行日

2023年5月31日

2024年6月3日

発行株式数

519,000株

247,500株

1株当たり発行価額 (a) (b)

1,517.2円

2,647.0円

 

(a)前連結会計年度に付与した譲渡制限付株式の発行価額については、2023年4月26日(本新株発行に係る当社執行役社長の決定日の前営業日)の東京証券取引所プライム市場の終値としています。

(b)当連結会計年度に付与した譲渡制限付株式の発行価額については、2024年4月25日(本新株発行に係る当社執行役社長の決定日の前営業日)の東京証券取引所プライム市場の終値としています。

 

 (2) 業績連動型譲渡制限付株式報酬ユニット(以下、PSU)

 当社のPSU制度は、当社の執行役、理事及び子会社の役員の一部(以下、対象者)に対して、当社が対象者毎にあらかじめ定める数の当社普通株式に相当するPSUを付与し、一定の評価期間におけるKPIの達成度に応じて権利確定するPSUに対して、評価期間経過後に譲渡制限付株式(以下、本交付譲渡制限付株式)を交付する制度です。PSUには、株価条件を付した株式報酬ユニットと中期経営計画目標達成条件を付した株式報酬ユニットがあり、それぞれのPSUに対して本交付譲渡制限付株式を交付する条件については以下のとおりです。

 

本交付譲渡制限付株式の交付条件

① 株価条件付株式報酬ユニットは、ユニットが付与された日の属する連結会計年度の期首から3連結会計年度における当社株式のTotal Shareholder Return(株主総利回り)成長率とTOPIX成長率を比較した結果及び報酬委員会が定めるグローバル競合比較対象企業群の株価成長率を比較した結果に応じて、付与された株式報酬ユニットの0~200%相当分の譲渡制限付株式が付与されます。

② 中期経営計画目標達成条件付株式報酬ユニットは、ユニットが付与された日の属する連結会計年度を対象に含む中期経営計画の最終連結会計年度までの期間におけるROIC及びサステナビリティ指標の目標達成時に、付与された株式報酬ユニット相当分の譲渡制限付株式が付与されます。

 

 本交付譲渡制限付株式の交付について、当社は、各連結会計年度終了後、対象者に対して金銭報酬債権を付与し、対象者は、当該金銭報酬債権を現物出資することで、本交付譲渡制限付株式の発行又は処分を受けます。

 

 (3) 譲渡制限付株式報酬ユニット(以下、RSU)

 当社のRSU制度は、当社の取締役、外国人の執行役及び理事(以下、対象者)に対して、取締役においては、当社普通株式(以下、本交付株式)に相当するRSUを付与し、付与から3連結会計年度終了後に権利確定した上で、本交付株式又は現金を交付し、外国人の執行役及び理事においては、当社が対象者毎にあらかじめ定める数の本交付株式に相当するRSUを付与し、付与後3連結会計年度にわたり、3分の1ずつ権利確定するRSUに対して、各連結会計年度終了後、本交付株式又は現金を交付する制度です。

 本交付株式の交付について、当社は、各連結会計年度終了後、対象者に対して金銭報酬債権を付与し、対象者は、当該金銭報酬債権を現物出資することで、本交付株式の発行又は処分を受けます。

 対象者が任期満了、死亡、その他当社の報酬委員会が認める正当な理由により退任する場合は、対象者に付与されたRSUのうち、原則、付与から当該退任した時点までに相当する分の本交付株式又は現金のみが交付されます。

 

 

 (4) ストックオプション

当社のストックオプション制度においては、執行役及び理事に対して、当社の普通株式を購入できる権利(以下、新株予約権)が与えられています。

前連結会計年度及び当連結会計年度における当社のストックオプション制度は以下のとおりです。

 

発行年度・名称

 

付与日

 

行使期間

2016年度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社日立製作所 第1回新株予約権

 

2016年6月29日

 

自2016年7月15日

 

 

 

至2046年7月14日

2017年度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社日立製作所 第2回新株予約権

 

2017年4月6日

 

自2017年4月27日

 

 

 

至2047年4月26日

2018年度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社日立製作所 第3回新株予約権

 

2018年4月11日

 

自2018年4月27日

 

 

 

至2048年4月26日

 

新株予約権の行使条件

① 新株予約権者は、上記の行使期間内において、当社の執行役、取締役及び理事のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までの間に限り、②又は③の規定により確定した新株予約権を一括してのみ行使できる。

② 新株予約権者が行使できる新株予約権の個数は、割当日の属する連結会計年度の期首から3年間(以下、待機期間)における当社株式に係る株主総利回りを同期間における東証株価指数の成長率と比較し、その割合(以下、対TOPIX成長率)に応じて確定する(以下、株式市場条件)。

③ 待機期間終了前に退任した新株予約権者(以下、退任者)が行使できる新株予約権の個数は、当該退任者の割当個数を待機期間のうちに占める当該退任者の在任期間の割合を乗じて得た個数に減算し、上記②に準じ割当日の属する連結会計年度の期首から退任時までの期間における対TOPIX成長率に応じて確定する。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度のストックオプションの状況は以下のとおりです。なお、ストックオプションの個数は株式数に換算(ストックオプション1個あたり100株)して記載しています。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

株式数

加重平均行使価格

株式数

加重平均行使価格

(株)

(円)

(株)

(円)

期首未行使残高

2,086,700

1

1,938,100

1

権利付与

権利失効 (a)

権利行使

△148,600

1

△551,000

1

満期消滅

期末未行使残高

1,938,100

1

1,387,100

1

期末行使可能残高

 

(a)株式市場条件を満たさないことによる行使不能分も含まれます。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度に権利行使されたストックオプションの加重平均株価は、それぞれ1,460.0円及び2,825.0円です。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度における未行使ストックオプションの行使価格の範囲は1円であり、加重平均残存契約年数は、それぞれ23.2年及び22.2年です。

 

注20.売上収益

 (1) 収益の分解

当社の売上収益は、主に顧客との契約から認識された収益であり、当社の報告セグメントを地域別に分解した場合の内訳は、下記のとおりです。

当社は当連結会計年度の期首から報告セグメントの区分を変更しています。報告セグメントの区分変更に係る詳細は注4.セグメント情報に記載しています。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本

北米

欧州

アジア

その他

海外

売上収益

売上収益

デジタルシステム

&サービス

1,731,209

344,412

235,460

227,920

59,658

867,450

2,598,659

グリーンエナジー

&モビリティ

426,098

665,049

1,009,260

466,546

485,349

2,626,204

3,052,302

コネクティブ

インダストリーズ

1,519,738

267,199

204,838

1,030,523

35,662

1,538,222

3,057,960

オートモティブシステム

273,069

305,639

100,803

395,538

89,335

891,315

1,164,384

その他

427,956

7,029

9,751

60,131

2,929

79,840

507,796

小計

4,378,070

1,589,328

1,560,112

2,180,658

672,933

6,003,031

10,381,101

全社及び消去

△604,687

△6,412

△9,234

△29,114

△2,938

△47,698

△652,385

合計

3,773,383

1,582,916

1,550,878

2,151,544

669,995

5,955,333

9,728,716

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本

北米

欧州

アジア

その他

海外

売上収益

売上収益

デジタルシステム

&サービス

1,929,584

378,078

234,813

231,348

58,761

903,000

2,832,584

グリーンエナジー

&モビリティ

435,892

863,996

1,445,726

537,788

632,106

3,479,616

3,915,508

コネクティブ

インダストリーズ

1,582,505

284,583

220,626

1,037,458

38,022

1,580,689

3,163,194

オートモティブシステム

その他

414,819

8,625

11,793

60,605

1,675

82,698

497,517

小計

4,362,800

1,535,282

1,912,958

1,867,199

730,564

6,046,003

10,408,803

全社及び消去

△583,597

△7,267

△10,341

△23,920

△308

△41,836

△625,433

合計

3,779,203

1,528,015

1,902,617

1,843,279

730,256

6,004,167

9,783,370

 

 

 

デジタルシステム&サービスセグメントは、フロントビジネス、ITサービス及びサービス&プラットフォームで構成され、それぞれの売上収益は前連結会計年度においては、1,111,193百万円、969,816百万円、983,456百万円であり、当連結会計年度においては、1,228,037百万円、1,058,645百万円、1,069,776百万円です(内部取引を含む)。フロントビジネス及びITサービスは主に日本で、サービス&プラットフォームは主に日本、北米及び欧州で展開されています。

 

当社の売上収益には、長期請負契約等から生じた費用の発生態様に応じて認識された収益が含まれています。前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益のうち、長期請負契約等から生じた費用の発生態様に応じて認識された収益の額は、それぞれ2,255,703百万円及び3,029,280百万円です。

 

 (2) 履行義務の充足に関する情報

各報告セグメントの主な製品・サービスに対する履行義務に関する情報は下記のとおりです。

① デジタルシステム&サービス

フロントビジネス及びITサービスにおいては、主にシステムインテグレーション、コンサルティング及びクラウドサービスが提供されており、サービス&プラットフォームにおいては、主にITプロダクツ及びソフトウェアが提供されています。

システムインテグレーション、コンサルティング及びクラウドサービス事業における長期請負契約等は顧客仕様に応じた製品及びサービスを顧客に対して一定期間にわたり提供しており、一定期間にわたって履行義務が充足されるため、主に、費用の発生態様(見積原価総額に対する実際発生原価の割合で測定される進捗度等)もしくは時の経過に応じて収益を認識しています。多くの契約はマイルストーンに基づく請求となっており、履行義務充足前に入金される場合もあります。

ITプロダクツ及びソフトウェア事業は、顧客に製品を販売し引渡を完了した時点で履行義務が充足されるため、支配が移転した時点において収益を認識しています。支払条件は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条件となっており、延払等の支払条件となっている取引で重要なものはありません。

 

② グリーンエナジー&モビリティ及びコネクティブインダストリーズ

グリーンエナジー&モビリティセグメントにはエネルギーソリューション事業、鉄道システム事業等の売上収益が含まれており、エネルギーソリューション事業はアジア、北米や欧州を中心に、鉄道システム事業は主に欧州でそれぞれ展開されています。

コネクティブインダストリーズセグメントにはビルシステム事業、生活・エコシステム事業、計測分析システム事業、産業・流通ソリューション事業等の売上収益が含まれており、ビルシステム事業は主に中国で、生活・エコシステム事業は主に日本で、計測分析システム事業は日本、アジア、北米や欧州を中心に、産業・流通ソリューション事業は主に日本でそれぞれ展開されています。

これらのセグメントにおける請負工事等に係る長期請負契約等は顧客仕様に基づいた製品等を一定期間にわたり製造し顧客に提供することにより、履行義務が充足されるため、主に、費用の発生態様(見積原価総額に対する実際発生原価の割合で測定される進捗度等)に応じて収益を認識しています。また、契約期間に応じて均一のサービスを提供しているメンテナンスサービス等は、時の経過に応じて収益を認識しています。多くの契約の支払条件は、マイルストーンに基づく請求となっており、履行義務充足前に入金される場合もあります。

また、コネクティブインダストリーズセグメントにおけるエレベーター、家電製品、計測分析装置及び産業用機器の販売等は、顧客に製品を販売し引渡を完了した時点において履行義務が充足されるため、支配が移転した時点において収益を認識しています。支払条件は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条件となっており、延払等の支払条件となっている取引で重要なものはありません。

 

 

 (3) 契約残高に関する情報

前連結会計年度及び当連結会計年度における当社の顧客との契約から計上された売上債権、契約資産及び契約負債の期首及び期末残高は下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

期首残高

期末残高

期首残高

期末残高

売上債権

2,072,238

2,063,056

2,063,056

2,352,963

契約資産

849,402

971,988

971,988

1,196,580

契約負債

1,314,799

1,739,770

1,739,770

2,272,034

 

前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益のうち、期首時点で契約負債に含まれていた金額は、それぞれ800,909百万円及び1,059,123百万円であり、過去の期間に充足された履行義務に係る金額は重要ではありません。

 

 (4) 残存する履行義務に配分された取引価格

前連結会計年度末及び当連結会計年度末における報告セグメント別の未履行の履行義務残高は下記のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

うち、セグメント間

内部取引

未履行の

履行義務残高

うち、セグメント間

内部取引

未履行の

履行義務残高

デジタルシステム

&サービス

69,825

1,446,972

78,234

1,544,338

グリーンエナジー

&モビリティ

50,743

10,189,630

52,569

13,490,014

コネクティブ

インダストリーズ

107,453

2,019,113

120,358

1,828,964

 

当社及び子会社において、長期にわたり収益が認識される契約を有するセグメントは、主にデジタルシステム&サービスセグメント、グリーンエナジー&モビリティセグメント、コネクティブインダストリーズセグメントです。

 

前連結会計年度末における未履行の履行義務残高の履行時期の見込みは下記のとおりです。

デジタルシステム&サービスセグメントの残高のうち約9割は3年以内に、約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。グリーンエナジー&モビリティセグメントの残高のうち約6割は3年以内に、約2割は3年超5年以内に履行される見込みです。コネクティブインダストリーズセグメントの残高のうち約9割は3年以内に履行される見込みです。

 

当連結会計年度末における未履行の履行義務残高の履行時期の見込みは下記のとおりです。

デジタルシステム&サービスセグメントの残高のうち約9割は3年以内に、約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。グリーンエナジー&モビリティセグメントの残高のうち約7割は3年以内に、約2割は3年超5年以内に履行される見込みです。コネクティブインダストリーズセグメントの残高のうち約9割は3年以内に履行される見込みです。

 

なお、その他セグメントについては、主に当初の予想期間が1年以内の契約であるため、実務上の便法の規定を適用し当該開示には含めていません。

 

 (5) 資産化した、顧客との契約の獲得又は履行するために生じたコスト

当社及び子会社は、顧客との契約を獲得又は履行するために発生したコストのうち、回収すると見込まれるものについて資産計上しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、資産計上している金額は重要ではありません。

 

注21.その他の収益及び費用

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の収益及び費用の主な内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

固定資産損益

17,056

18,692

減損損失

29,668

92,135

事業再編等損益

97,048

29,638

特別退職金

19,443

10,524

 

 減損損失は、主に有形固定資産、のれん及びその他の無形資産に係る減損です。事業再編等損益には、支配の獲得及び喪失に関連する損益、投資先への重要な影響力の獲得及び喪失に関連する損益等が含まれています。

 減損損失の詳細は注9.有形固定資産及び注10.のれん及びその他の無形資産に記載しています。

 その他の費用に含まれている前連結会計年度及び当連結会計年度における事業構造改革関連費用は、それぞれ49,111百万円及び102,659百万円です。事業構造改革関連費用には、減損損失及び特別退職金が含まれています。

 

注22.金融収益及び費用

 前連結会計年度及び当連結会計年度における金融収益及び費用の主な内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

受取配当金

9,875

2,472

為替差損益

7,068

47,555

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度における受取配当金はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係るものです。

 

注23.1株当たり利益情報

 基本1株当たり親会社株主に帰属する当期利益及び希薄化後1株当たり親会社株主に帰属する当期利益の計算は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

平均発行済株式数

4,648,026,505

4,599,967,449

希薄化効果のある証券

 

 

 

 

ストックオプション

1,938,100

 

1,387,100

 

譲渡制限付株式

3,924,160

 

3,157,288

 

譲渡制限付株式ユニット

122,025

 

85,857

 

希薄化後発行済株式数

4,654,010,790

4,604,597,694

親会社株主に帰属する当期利益

 

 

 

 

基本

589,896

615,724

希薄化効果のある証券

希薄化後親会社株主に帰属する当期利益

589,896

615,724

1株当たり親会社株主に帰属する当期利益

 

 

 

 

基本

126.91

133.85

希薄化後

126.75

133.72

 

 (注)当社は、2024年7月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。前連結会計年度の期首に当該株式分割が実施されたと仮定して、基本1株当たり親会社株主に帰属する当期利益及び希薄化後1株当たり親会社株主に帰属する当期利益を算定しています。

 

注24.連結キャッシュ・フロー計算書の補足説明

 財務活動から生じた負債の増減内容は、下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

短期借入金

社債

長期借入金

リース負債

合計

2023年3月31日

777,650

160,000

1,022,994

252,704

2,213,348

キャッシュ・フローを伴う増減

△550,170

60,000

△158,829

△97,548

△746,547

キャッシュ・フローを伴わない増減

 

 

 

 

 

リース負債の新規計上額

85,528

85,528

連結範囲の異動

△249,991

△243,994

△12,953

△506,938

為替換算影響額他

60,338

59,184

15,109

134,631

2024年3月31日

37,827

220,000

679,355

242,840

1,180,022

キャッシュ・フローを伴う増減

31,092

△19,122

△97,446

△85,476

キャッシュ・フローを伴わない増減

 

 

 

 

 

リース負債の新規計上額

99,696

99,696

連結範囲の異動

1,979

21,986

23,965

為替換算影響額他

2,248

△6,436

△7,903

△12,091

2025年3月31日

73,146

220,000

653,797

259,173

1,206,116

 

 当連結会計年度のキャッシュ・フローを伴う増減として、上表に加え、長期借入金に関連するデリバティブの決済によるキャッシュ・アウトフローの減少影響34,804百万円が生じています。

 

 

注25.金融商品及び関連する開示

 (1) 資本管理

当社は、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の資産、負債及び資本を維持することに加えて、事業活動における資本効率の最適化を図ることを重要な方針として資本を管理しています。

当社は資本管理において、親会社株主持分比率を重要な指標として用いており、継続的にモニタリングしています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における親会社株主持分比率は、それぞれ46.7%及び44.0%です。

なお、会社法等の一般的な規制を除き、当社が適用を受ける資本規制はありません。

 

 (2) 財務上のリスク

当社は、国際的に事業活動を行っており、その過程において、常に市場リスク(主に為替リスク及び金利リスク)、信用リスク、流動性リスク等の様々なリスクに晒されています。当社ではこれらの財務上のリスクを回避もしくは低減するためにリスク管理を行っています。

① 為替リスク

 当社及び子会社は、外国為替相場の変動リスクに晒されている金融資産及び金融負債を保有しており、外国為替相場の変動リスクをヘッジするために、先物為替予約契約あるいは通貨スワップ契約を利用しています。

 売上及び仕入に係る為替変動リスクについては、毎月通貨毎に将来キャッシュ・フローを決済期日毎に測定し、この一定割合に対して主に先物為替予約契約を締結することにより、外貨建債権債務及び外貨建予定取引から発生する将来キャッシュ・フローを固定化しています。先物為替予約の期間は、概ね1年以内です。なお、当社及び子会社は、事業特性、収支構造、契約内容等を確認し、必要に応じて個別案件に適応した為替リスク管理方針を作成し、案件毎のリスク管理体制を整備した上でヘッジ取引を行っています。

 また、外貨建の長期債務から生じる将来キャッシュ・フローを固定化するために負債元本の償還期限と同じ期限の通貨スワップ契約を締結しています。先物為替予約契約及び通貨スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係は高度に有効であり、ヘッジ対象外貨建資産・負債の為替相場の変動の影響を相殺しています。

 

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において当社及び子会社が保有する外貨建金融商品につき、その他全ての変数を一定とすることを前提に、当社の機能通貨である日本円が1%円安となった場合の連結損益計算書上の税引前当期利益への影響額は、下記のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

通貨

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

税引前当期利益への影響

米ドル

2,336

293

ユーロ

52

△34

 

② 金利リスク

 当社及び一部の子会社は、主に長期債務に関連する金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結してキャッシュ・フローの変動リスクを管理しています。金利スワップ契約は主に受取変動・支払固定の契約であり、長期債務の変動金利支払分を受取り、固定金利を支払うことによって、変動金利の長期債務を固定金利の長期債務としています。

 また、一部の金融子会社は、主に固定金利で資金調達を行い、変動金利での貸付等を行っているため金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結して公正価値の変動を管理しています。

 金利スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係は高度に有効であり、金利変動リスクから生じるキャッシュ・フロー及び公正価値の変動の影響を相殺しています。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において当社及び子会社が保有する金融商品(償却原価で測定する金融資産及び金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債、並びにデリバティブ資産及び負債)につき、その他全ての変数を一定とすることを前提に、金利が1%上昇した場合の連結損益計算書上の税引前当期利益に与える影響額は、下記のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

税引前当期利益への影響

△2,736

△1,611

 

③ 信用リスク

 当社及び子会社の営業活動から生じる売上債権及び契約資産並びにその他の債権は顧客の信用リスクに晒されています。また、余剰資金の運用のために保有している債券等及び政策的な目的のために保有している株式等は、発行体の信用リスクに晒されています。さらに市場リスクを軽減する目的で行うデリバティブ取引については、取引相手先である金融機関の信用リスクに晒されています。

 顧客の信用リスクに対しては、取引対象商品及び取引先の財務状態や信用格付等により定期的に信用調査を行い、信用リスクに応じた取引限度額を設定しています。余剰資金については、安全性の高い債券等での資金運用に限定し、デリバティブ取引先については、格付の高い金融機関に限定して取引を行っています。

 当社及び子会社は、世界各地で多業種にわたり事業を行っており、特定の地域や取引先に対する信用リスクの集中は発生していません。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度の売上債権及び契約資産並びにその他の債権に係る貸倒引当金の増減内容と、貸倒引当金に対応する売上債権及び契約資産並びにその他の債権の総額での帳簿価額の増減内容は、下記のとおりです。なお、その他の債権には、主にリース債権並びに短期貸付金、未収入金、償却原価で測定する負債性証券及び長期貸付金等の償却原価で測定される金融資産が含まれます。

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

売上債権及び契約資産

貸倒引当金

総額での帳簿価額

 

集合的評価

個別的評価

合計

集合的評価

個別的評価

合計

 

2023年3月31日

28,300

55,541

83,841

2,898,481

107,000

3,005,481

 

期中増減(純額)

3,631

28,158

31,789

389,431

7,847

397,278

 

信用減損(a)

△4,405

4,405

△21,304

21,304

 

直接償却(b)

△4,085

△1,959

△6,044

△7,533

△6,125

△13,658

 

その他(c)

451

5,317

5,768

△244,619

5,916

△238,703

 

2024年3月31日

23,892

91,462

115,354

3,014,456

135,942

3,150,398

 

期中増減(純額)

12,359

△2,046

10,313

340,380

△2,637

337,743

 

信用減損(a)

△372

372

△676

676

 

直接償却(b)

△3,545

△1,616

△5,161

△12,344

△2,379

△14,723

 

その他(c)

4,660

15,309

19,969

195,991

20,609

216,600

 

2025年3月31日

36,994

103,481

140,475

3,537,807

152,211

3,690,018

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

その他の債権

貸倒引当金

総額での帳簿価額

 

集合的評価

個別的評価

合計

集合的評価

個別的評価

合計

 

2023年3月31日

389

1,412

1,801

368,448

2,367

370,815

 

期中増減(純額)

84

△286

△202

29,287

△421

28,866

 

信用減損(a)

△122

122

△355

355

 

直接償却(b)

△1

△4

△5

△1,381

△11

△1,392

 

その他(c)

23

92

115

△29,764

115

△29,649

 

2024年3月31日

373

1,336

1,709

366,235

2,405

368,640

 

期中増減(純額)

990

424

1,414

25,522

943

26,465

 

信用減損(a)

△1

1

 

直接償却(b)

△101

△416

△517

△928

△423

△1,351

 

その他(c)

△4

△11

△15

△6,036

△31

△6,067

 

2025年3月31日

1,258

1,333

2,591

384,792

2,895

387,687

 

(a)信用減損が生じた金融資産に関する貸倒引当金については、個別的評価により貸倒引当金を測定するため、集合的評価から振替えています。

(b)金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していないと判断された場合、直接償却として認識を中止しています。

(c)主に連結範囲の異動、為替換算影響等が含まれています。

 

 保有する担保を考慮に入れない場合の当社及び子会社の金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている貸倒引当金控除後の帳簿価額です。また、貸出コミットメントの信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注29.コミットメント及び偶発事象に記載している貸出コミットメントの総額であり、債務保証契約の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注29.コミットメント及び偶発事象に記載している債務保証残高です。

 

④ 流動性リスク

 当社及び子会社の買入債務、長期債務等の金融負債は流動性リスクに晒されています。当該リスクに関し、当社及び子会社は運転資金の効率的な管理による資本効率の最適化、当社及び金融子会社による資金の集中管理等により資金管理の維持に努めています。また需要に応じ、資本市場における債券発行、株式発行及びコミットメントラインを含む金融機関からの借入による資金調達が可能です。当連結会計年度末における当社のコミットメントライン契約に係る借入未実行残高は、注29.コミットメント及び偶発事象に記載しています。

 

 デリバティブ負債を除く金融負債の期日別残高は、下記のとおりです。なお、買入債務の簿価と契約上のキャッシュ・フローは一致しており、支払期日は全て1年以内であるため下表に含めていません。

 

前連結会計年度 (2024年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上のキャッ

シュ・フロー

1年以内

1年超5年以内

5年超

短期借入金

37,827

38,051

38,051

長期債務

 

 

 

 

 

リース負債

242,840

257,076

79,559

140,850

36,667

社債

220,000

231,072

1,479

55,852

173,741

長期借入金

679,355

709,884

124,916

564,885

20,083

 

当連結会計年度 (2025年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上のキャッ

シュ・フロー

1年以内

1年超5年以内

5年超

短期借入金

73,146

73,210

73,210

長期債務

 

 

 

 

 

リース負債

259,173

283,488

79,116

160,980

43,392

社債

220,000

229,593

1,479

145,486

82,628

長期借入金

653,797

664,476

301,049

338,676

24,751

 

 短期借入金の加重平均利率は4.1%であり、長期借入金の加重平均利率は1.1%、返済期限は2025年から2039年までです。

 

 社債の銘柄別明細は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

発行

会社

銘柄

発行年

前連結

会計年度

(2024年

  3月31日)

当連結

会計年度

(2025年

  3月31日)

担保

利率(%)

償還期限

当社

国内公募第17回普通社債

2013年

20,000

20,000

無担保

1.4

2028年

当社

国内公募第19回普通社債

2020年

20,000

20,000

無担保

0.2

2027年

当社

国内公募第20回普通社債

2020年

90,000

90,000

無担保

0.3

2030年

当社

国内公募第21回普通社債

2023年

10,000

10,000

無担保

0.6

2028年

当社

国内公募第22回普通社債

2023年

30,000

30,000

無担保

0.9

2030年

当社

国内公募第23回普通社債

2023年

50,000

50,000

無担保

1.2

2033年

合計

220,000

220,000

 

 

 主なデリバティブの流動性分析は、下記のとおりです。なお、他の契約と純額決済するデリバティブについても総額で表示しています。

 

前連結会計年度 (2024年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

1年以内

1年超5年以内

5年超

合計

為替予約

収入

45,636

8,188

89

53,913

 

支出

39,090

14,908

755

54,753

通貨スワップ

収入

57,347

684

58,031

 

支出

9,562

89

9,651

金利スワップ

収入

440

18,985

19,425

 

支出

オプション

収入

2,171

2,171

 

支出

 

当連結会計年度 (2025年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

1年以内

1年超5年以内

5年超

合計

為替予約

収入

38,080

29,845

3,105

71,030

 

支出

30,157

19,915

138

50,210

通貨スワップ

収入

33,589

6,222

39,811

 

支出

27,165

1,178

28,343

金利スワップ

収入

12,616

12,616

 

支出

366

366

オプション

収入

1,856

1,856

 

支出

 

(3) 金融商品の公正価値

① 公正価値の測定方法

 金融資産及び金融負債の公正価値は、以下のとおり決定しています。

 

現金及び現金同等物、売上債権、短期貸付金、未収入金、短期借入金、未払金、買入債務

 満期までの期間が短いため、公正価値は帳簿価額とほぼ同額です。

 

有価証券及びその他の金融資産

 リース債権の公正価値は、一定の期間毎に区分した債権毎に、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しています。

 市場性のある有価証券の公正価値は、市場価格を用いて見積っています。市場性のない有価証券の公正価値は、類似の有価証券の市場価格及び同一又は類似の有価証券に対する投げ売りでない市場価格、観察可能な金利及び利回り曲線、クレジット・スプレッド又はデフォルト率を含むその他関連情報によって見積っています。重要な指標が観察不能である場合、金融機関により提供された価格情報を用いて評価しています。提供された価格情報は、独自の評価モデルを用いたインカム・アプローチあるいは類似金融商品の価格との比較といったマーケット・アプローチにより検証しています。

 長期貸付金の公正価値は、同様の貸付形態での追加貸付に係る利率を使用した将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて見積っています。

 デリバティブ資産の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定しています。また、重要な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機関が提供する関連情報等を検証しています。

 

長期債務

 長期債務の公正価値は、当該負債の市場価格、又は同様の契約条項での市場金利を使用した将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて見積っています。

 

その他の金融負債

 デリバティブ負債の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定しています。また、重要な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機関が提供する関連情報等を検証しています。

 

② 償却原価で測定する金融商品

 前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の帳簿価額及び公正価値は下記のとおりです。なお、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の見積公正価値は、主に下記③に示されるレベル2に分類しています。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

区分

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

リース債権

27,414

28,810

21,512

21,922

負債性証券

46,486

46,162

46,892

46,295

長期貸付金

8,840

8,840

9,515

10,428

負債

 

 

 

 

長期債務(a)

 

 

 

 

社債

220,000

218,586

220,000

211,220

長期借入金

679,355

677,633

653,797

650,127

 

(a)長期債務は、連結財政状態計算書上の償還期長期債務及び長期債務に含まれます。

 

③ 公正価値で測定する金融商品

 経常的に公正価値で測定する金融商品は、当該商品の測定に際し使用した指標により以下の3つのレベル(公正価値ヒエラルキー)に分類しています。

レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)市場価格により測定した公正価値

レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能な指標を用いて測定した公正価値

レベル3:重要な観察可能でない指標を用いて測定した公正価値

 なお、公正価値の測定に複数の指標を使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルの指標に基づいてレベルを決定しています。

 レベル間の振替は各四半期の期首時点で発生したものとして認識しています。

 

 前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は下記のとおりです。

 

前連結会計年度 (2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

区分

レベル1

レベル2

レベル3

合計

純損益を通じて公正価値で測定する

金融資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

資本性証券

510

35,404

35,914

負債性証券

10,523

5,648

2,901

19,072

デリバティブ資産

132,410

2,171

134,581

その他の包括利益を通じて公正価値

で測定する金融資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

資本性証券

58,929

105,910

164,839

合計

69,962

138,058

146,386

354,406

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

その他の金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

64,659

64,659

合計

64,659

64,659

 

当連結会計年度 (2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

区分

レベル1

レベル2

レベル3

合計

純損益を通じて公正価値で測定する

金融資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

資本性証券

373

47,118

47,491

負債性証券

9,881

5,941

2,979

18,801

デリバティブ資産

124,615

1,856

126,471

その他の包括利益を通じて公正価値

で測定する金融資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

資本性証券

47,382

103,593

150,975

合計

57,636

130,556

155,546

343,738

純損益を通じて公正価値で測定する

金融負債

 

 

 

 

その他の金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

79,614

79,614

合計

79,614

79,614

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル3に分類される経常的に公正価値で測定する金融商品の増減は下記のとおりです。

 

前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

レベル3金融資産

資本性証券

負債性証券

デリバティブ資産

合計

期首残高

132,797

4,959

137,756

当期利益に認識した

利得及び損失(a)

512

△47

465

その他の包括利益に認識した

利得(b)

4,375

4,375

購入及び取得

10,408

39

2,095

12,542

売却及び償還

△8,176

△746

△8,922

連結範囲の異動による影響

△2,170

△14

△2,184

その他

3,568

△1,290

76

2,354

期末残高

141,314

2,901

2,171

146,386

期末に保有する金融商品に係る

未実現の利得及び損失(c)

480

△7

473

 

当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

レベル3金融資産

資本性証券

負債性証券

デリバティブ資産

合計

期首残高

141,314

2,901

2,171

146,386

当期利益に認識した

利得及び損失(a)

1,929

△48

△293

1,588

その他の包括利益に認識した

損失(b)

△3,385

△3,385

購入及び取得

10,940

27

10,967

売却及び償還

△1,099

△205

△1,304

連結範囲の異動による影響

83

17

100

その他

929

287

△22

1,194

期末残高

150,711

2,979

1,856

155,546

期末に保有する金融商品に係る

未実現の利得及び損失(c)

1,929

△33

△293

1,603

 

(a)当期利益に認識した利得及び損失は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結損益計算書上の金融収益及び金融費用に含まれます。

(b)その他の包括利益に認識した利得及び損失は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書上のその他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動額に含まれます。

(c)各期末に保有する金融商品に係る未実現の利得及び損失は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結損益計算書上の金融収益及び金融費用に含まれます。

 

 公正価値の測定は、当社の評価方針及び手続に従って、財務部門により行われており、金融商品の個々の性質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しています。また、財務部門は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移を継続的に検証しています。検証の結果、金融商品の公正価値の毀損が著しい際は、部門管理者のレビューと承認を行っています。

 

④ その他

 公正価値で測定する金融商品のうち、取引関係の維持、強化を目的として保有する資本性証券については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として分類しています。主な資本性証券の株式銘柄及び公正価値は下記のとおりです。

 

前連結会計年度 (2024年3月31日)

(単位:百万円)

銘柄

金額

JECC

22,298

東海旅客鉄道

16,767

日鉄興和不動産

10,265

ロジスティードホールディングス

9,993

中央日本土地建物グループ

5,643

Invivoscribe

4,845

第一三共

4,299

千葉銀行

3,784

日本原燃

3,667

サッポロホールディングス

3,628

 

当連結会計年度 (2025年3月31日)

(単位:百万円)

銘柄

金額

JECC

23,063

東海旅客鉄道

12,843

日鉄興和不動産

12,141

ロジスティードホールディングス

8,177

Invivoscribe

4,785

西武ホールディングス

4,249

日本原燃

3,667

Metro C

3,365

第一三共

3,159

千葉銀行

2,798

 

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される有価証券に係る受取配当金は、注22.金融収益及び費用に記載しています。

 

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される有価証券に係る評価損益の累計額は、連結会計期間に認識の中止を行ったものに係る部分を利益剰余金に振り替えています。前連結会計年度及び当連結会計年度における税引後の振替額は純額でそれぞれ、110,371百万円(利益)及び1,906百万円(利益)です。

 これらは主として、取引関係の見直しにより売却したもの、連結範囲の異動によるものです。

 前連結会計年度及び当連結会計年度において認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類している有価証券の公正価値及び累計利得・損失は下記のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

認識中止時点の公正価値

246,758

7,598

認識中止時点の累計利得・損失

148,808

3,623

 

 (4) デリバティブとヘッジ活動

① 公正価値ヘッジ

 既に認識している資産又は負債とそれに対する公正価値ヘッジに指定したデリバティブの公正価値の変動は、発生した連結会計年度の純損益に計上しています。公正価値ヘッジとして指定したデリバティブには、営業活動に関連する先物為替予約契約と、資金調達活動に関連する通貨スワップ契約及び金利スワップ契約等があります。

 

② キャッシュ・フロー・ヘッジ

為替変動リスク

 将来の外貨建取引の有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定した先物為替予約契約の公正価値の変動のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上しています。ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で、その他の包括利益累計額に認識した金額を純損益に組み替えています。なお、ヘッジ対象に指定された予定取引により、非金融資産もしくは非金融負債が認識される場合、その他の包括利益として認識したデリバティブの公正価値の変動は、当該資産又は負債が認識された時点で、当該資産又は負債の取得原価その他の帳簿価額に直接含めています。

金利変動リスク

 長期性負債に関連したキャッシュ・フローの変動に対し指定した金利スワップ契約の公正価値の変動のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上しています。その他の包括利益累計額は、その後、負債の利息が純損益に影響を与える期間にわたって支払利息に組み替えています。

 

当社は、ヘッジ会計を適用する際は、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しており、ヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動と、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動とが相殺し合うかどうかの定性的な評価を通じてヘッジの有効性を評価しています。また、ヘッジ対象とヘッジ手段の経済的関係及びリスク管理方針に基づき適切なヘッジ比率を設定しています。なお、当連結会計年度において、純損益に認識したヘッジ非有効部分は重要ではありません。

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段の想定元本及び帳簿価額は下記のとおりです。なお、ヘッジ手段の帳簿価額は、連結財政状態計算書において「有価証券及びその他の金融資産」及び「その他の金融負債」又は「その他の非流動負債」に含まれています。

 

前連結会計年度 (2024年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

ヘッジ手段

想定元本

帳簿価額

 

内、1年超

資産

負債

公正価値ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

515,005

5,964

39,357

642

金利リスク

46,458

15,141

515

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

511,522

53,517

22,713

6,638

金利リスク

196,833

196,833

18,910

合計

1,269,818

271,455

81,495

7,280

 

 

当連結会計年度 (2025年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

ヘッジ手段

想定元本

帳簿価額

 

内、1年超

資産

負債

公正価値ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

829,664

143

2,295

15,131

金利リスク

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

713,534

173,049

6,022

11,663

金利リスク

194,376

194,376

10,157

合計

1,737,574

367,568

18,474

26,794

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ対象の帳簿価額は下記のとおりです。

 

前連結会計年度 (2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

公正価値ヘッジの

ヘッジ対象

連結財政状態計算書

表示科目

帳簿価額

資産

負債

為替リスク

売上債権及び契約資産、有価証券及びその他の金融資産、償還期長期債務、買入債務

344,572

170,433

金利リスク

有価証券及びその他の金融資産

46,458

合計

 

391,030

170,433

 

当連結会計年度 (2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

公正価値ヘッジの

ヘッジ対象

連結財政状態計算書

表示科目

帳簿価額

資産

負債

為替リスク

売上債権及び契約資産、有価証券及びその他の金融資産、短期借入金、償還期長期債務、買入債務

217,248

612,416

金利リスク

 -

合計

 

217,248

612,416

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ手段及びヘッジ対象の公正価値の変動並びにヘッジ対象の帳簿価額に含められたヘッジ対象に係る公正価値ヘッジ調整の累計額は重要ではありません。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度においてその他の包括利益累計額に計上されたキャッシュ・フロー・ヘッジを適用しているヘッジ手段の公正価値の増減内容は下記のとおりです。

 

前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

期首残高

その他の包括利益に認識したヘッジ手段の公正価値の変動

ヘッジ対象資産及び負債の帳簿価額へ直接含めた金額

純損益への

振替額(a)

期末残高

為替リスク

△3,682

18,702

△2,220

2,041

14,841

金利リスク

18,765

145

18,910

合計

15,083

18,847

△2,220

2,041

33,751

 

 

当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

期首残高

その他の包括利益に認識したヘッジ手段の公正価値の変動

ヘッジ対象資産及び負債の帳簿価額へ直接含めた金額

純損益への

振替額(a)

期末残高

為替リスク

14,841

4,859

△36,252

△812

△17,364

金利リスク

18,910

561

△9,314

10,157

合計

33,751

5,420

△36,252

△10,126

△7,207

 

(a)純損益への振替額は、連結損益計算書において、為替リスクについては主に「売上収益」「金融費用」に、金利リスクについては主に「支払利息」に含まれています。

 

(5) 金融資産の証券化

当社及び一部の子会社は、資金調達の多様化を図り、安定的に資金を調達することを目的として、金融資産の証券化を実施しており、売上債権、リース債権等の金融資産を第三者である金融機関又は当該金融機関によって組成された事業体に譲渡しています。当社はこれらの証券化目的で組成された事業体に対する支配を有していないと判断し、連結していません。

これらの非連結の証券化目的で組成された事業体は、第三者である金融機関が事業の一環として運営しており、コマーシャル・ペーパーや借入といった手段で資金調達を行っています。当該事業体の投資家は、原則として、債務者の不履行に際して、当該事業体の保有する資産に対してのみ遡求でき、当社及び一部の子会社の他の資産に対しては遡求できません。当該事業体は当社及び子会社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社及び一部の子会社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社及び子会社の関連性は低くなっています。証券化を実施している当社及び一部の子会社による当該事業体に対する関与の内容は、主に債権の回収代行であり、契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意は行っていません。

当社及び一部の子会社による金融資産の証券化で、金融資産全体の認識が中止された譲渡に関して重要な継続的関与はありません。また、当社及び一部の子会社による証券化のうち、劣後の権益の保有等を通じ、金融資産に関連する信用リスクと経済価値の実質的に全てを保持している金融資産の譲渡については、金融資産全体の認識を中止していませんが、その残高は重要ではありません。

 

注26.担保資産

 長期及び短期借入金の一般的な契約条項として、銀行の要請がある場合には現在及び将来の負債に対し担保差入及び債務保証をすること並びに銀行は返済期日において又は債務不履行が生じた場合に、債務を預金と相殺する権利を有していることが規定されています。

 担保付社債の受託契約及び特定の担保付あるいは無担保の借入契約により、一般的に、受託者又は貸手は、配当の支払い及び新株式の発行を含む利益の分配に関し事前に承認を与える権利及び追加の担保又は抵当を要求する権利を有しています。

 当社及び一部の子会社は、主に銀行借入に対して下記のとおり、資産の一部を担保に供しています。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

現金及び現金同等物

253

売上債権及び契約資産

310

249

その他の流動資産

235

有価証券及びその他の金融資産

311

290

土地

2,167

2,061

建物及び構築物

3

2

機械装置及び運搬具

6,918

5,443

合計

9,709

8,533

 

注27.主要な子会社

 当社の連結財務諸表には以下の子会社の財務諸表が含まれます。

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

報告セグメント

名    称

住  所

議決権

に対する

所有割合

 

 

 

デジタルシステム&サービス

日立チャネルソリューションズ㈱

東京都品川区

100.0

デジタルシステム&サービス

㈱日立情報通信エンジニアリング

神奈川県横浜市

100.0

デジタルシステム&サービス

㈱日立ソリューションズ

東京都品川区

100.0

デジタルシステム&サービス

㈱日立システムズ

東京都品川区

100.0

デジタルシステム&サービス

日立ヴァンタラ㈱

神奈川県横浜市

100.0

デジタルシステム&サービス

GlobalLogic Worldwide Holdings, Inc.

アメリカ

カリフォルニア

100.0

デジタルシステム&サービス

Hitachi Computer Products (America), Inc.

アメリカ

オクラホマ

100.0

デジタルシステム&サービス

Hitachi Digital LLC

アメリカ

カリフォルニア

100.0

デジタルシステム&サービス

Hitachi Digital Services LLC

アメリカ

カリフォルニア

100.0

デジタルシステム&サービス

Hitachi Payment Services Private Limited

インド

チェンナイ

100.0

デジタルシステム&サービス

Hitachi Vantara LLC

アメリカ

カリフォルニア

100.0

グリーンエナジー&モビリティ

日立GEニュークリア・エナジー㈱

茨城県日立市

80.0

グリーンエナジー&モビリティ

㈱日立プラントコンストラクション

東京都豊島区

100.0

グリーンエナジー&モビリティ

㈱日立パワーソリューションズ

茨城県日立市

100.0

グリーンエナジー&モビリティ

Hitachi Energy Ltd

スイス

チューリッヒ

100.0

グリーンエナジー&モビリティ

Hitachi Rail Ltd.

イギリス

ロンドン

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立ビルシステム

東京都千代田区

100.0

コネクティブインダストリーズ

日立グローバルライフソリューションズ㈱

東京都港区

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立ハイテク

東京都港区

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立産機システム

東京都千代田区

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立インダストリアルプロダクツ

東京都千代田区

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立産業制御ソリューションズ

東京都台東区

100.0

 

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

報告セグメント

名    称

住  所

議決権

に対する

所有割合

 

 

 

コネクティブインダストリーズ

㈱日立プラントサービス

東京都豊島区

100.0

コネクティブインダストリーズ

日立電梯(中国)有限公司

中国

広州市

70.0

コネクティブインダストリーズ

Hitachi Global Air Power US, LLC

アメリカ

インディアナ

100.0

コネクティブインダストリーズ

Hitachi Industrial Holdings Americas, Inc.

アメリカ

イリノイ

100.0

コネクティブインダストリーズ

JR Technology Group, LLC

アメリカ

ミシガン

100.0

その他

㈱日立リアルエステートパートナーズ

東京都千代田区

100.0

その他

Hitachi America, Ltd.

アメリカ

カリフォルニア

100.0

その他

Hitachi Asia Ltd.

シンガポール

100.0

その他

日立(中国)有限公司

中国

北京市

100.0

その他

Hitachi Europe Ltd.

イギリス

ダチェット

100.0

その他

Hitachi India Pvt. Ltd.

インド

ニューデリー

100.0

その他    585社

 

注28.関連当事者取引

 (1) 関連会社及び共同支配企業との取引

関連会社及び共同支配企業に対する当社及び子会社の債権債務残高は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

関連会社

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

売上債権及び契約資産

75,562

75,828

買入債務

37,128

42,663

契約負債

38,201

42,712

 

 

 

(単位:百万円)

共同支配企業

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

売上債権及び契約資産

70,882

92,771

 

関連会社及び共同支配企業に対する当社及び子会社の取引高は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

関連会社

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

売上収益

163,852

202,196

仕入高

183,023

191,023

 

 

 

(単位:百万円)

共同支配企業

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

売上収益

81,156

89,471

仕入高

8,754

23,868

 

 (2) 当社の役員の報酬等の額

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

基本報酬及び短期インセンティブ報酬

3,780

3,466

中長期インセンティブ報酬

1,888

2,383

合計

5,668

5,849

 

注29.コミットメント及び偶発事象

 (1) 貸出コミットメント

① 持分法適用会社等に対する貸出コミットメント

 当連結会計年度末において、当社は、持分法適用会社等に対する貸出コミットメントを行っています。当該業務等における貸出コミットメントに係る貸出未実行残高は、下記のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

(2025年3月31日)

貸出コミットメントの総額

130

貸出実行残高

-

差引額

130

 

 なお、上記貸出コミットメント契約においては、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも全額が貸出実行されるものではありません。

 

② 金融機関と締結したコミットメント

 当社は、事業活動の効率的な資金調達を行うため金融機関との間で貸出コミットメント契約を締結しています。当連結会計年度末における貸出コミットメントに係る借入未実行残高は505,000百万円です。当社は、複数の銀行とコミットメントライン契約を結んでおり、対価として手数料を支払っています。契約期間は通常1年単位で、期間終了時には契約を更新しています。当連結会計年度末におけるこれらの契約に関する借入未実行残高は305,000百万円です。その他に当社は、契約期間が3年で2025年7月を期限としたコミットメントライン契約を複数の金融機関と結んでおり、当連結会計年度末における本契約に関する借入未実行残高は、200,000百万円です。

 

 (2) 資産の取得契約

当連結会計年度末における有形固定資産購入契約残高は、65,206百万円です。

 

 (3) 債務保証契約

当社及び一部の子会社は、第三者に関する債務保証を行っています。当連結会計年度末における債務保証残高は4,396百万円です。

 

 (4) 訴訟等

2017年11月に、日本の子会社は、一次下請けとして請け負ったマンション(以下、本件マンション)の杭工事において一部不具合が懸念されることにより生じた費用等につき、日本の発注者から、本件マンション施工会社、日本の子会社及び杭工事二次下請施工会社の3社に対し、損害賠償として約459億円を支払うよう求める訴訟の提起を受けました。その後、2018年7月に請求額を約510億円に変更する旨の申立てを受け、2022年9月に請求額を約505億円に変更する旨の申立てを受けました。

これに関連して、2018年4月に、本件マンション施工会社から、日本の子会社及び杭工事二次下請施工会社に対し、上記訴訟において損害賠償責任を負担した場合に被る損害につき、損害賠償として約496億円を支払うよう求める訴訟の提起を受け、2018年7月に請求額を約548億円に変更する旨の申立てを受けました。日本の子会社は、これらの請求に対し見解を主張していく方針ですが、一切の支払義務を負わないとの確証はありません。

 

2017年12月に、欧州の子会社は、欧州の顧客から、発電プラントの性能不良による逸失利益等として263百万ユーロ(42,634百万円)及びこれに対する利息の支払いを請求する旨の訴状を受領しました。また、当連結会計年度末において、損害賠償等請求額は270百万ユーロ(43,767百万円)に変更となっています。欧州の子会社は、この訴えに対して争う方針ですが、請求額について一切の支払義務を負わないとの確証はありません。

 

当社及び子会社が実施する事業再編等において、事業再編後に契約条件に基づき価格が調整されるプロセスが含まれる場合があります。また、当社及び子会社が提供した製品及びサービスに関し欠陥や瑕疵等が発生する場合があります。これらの事業再編における価格調整並びに、製品及びサービスに関する補償等の結果、支払いが生じる可能性があります。

 

上記の訴訟等の結果によっては、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点においてその影響額は未確定であり、罰金、課徴金又は訴訟等に基づく支払額は引当計上した金額と異なる可能性があります。

 

上記の他、当社及び子会社に対し、訴訟を起こされています。当社の経営者は、これらの訴訟から債務の発生があるとしても連結財務諸表に重要な影響を与えるものではないと考えています。

 

注30.後発事象

      重要な自己株式の取得

 当社は、2025年4月28日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法第459条第1項及び当社定款第32条の規定に基づき、自己株式の取得枠を設定することを決議しました。

① 取得の理由

 当社は、中長期的な企業価値の向上と、継続的な配当及び機動的な自己株式の取得の実施を通じて、株主へ利益を還元していくことを重要な経営課題と位置づけています。この度、当社の財務状況及び資産売却の進捗等に鑑み、株主への利益還元の拡充のため、自己株式の取得を実施することを決定しました。

② 取得に係る事項の内容

(ⅰ) 取得対象株式の種類

普通株式

(ⅱ) 取得し得る株式の総数

1億4,000万株(上限)

(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合3.06%)

(ⅲ) 株式の取得価額の総額

3,000億円(上限)

(ⅳ) 取得期間

2025年4月30日~2026年3月31日

(ⅴ) 取得方法

東京証券取引所における市場買付を予定

 

注31.連結財務諸表の承認

 連結財務諸表は、2025年6月25日に執行役社長兼CEO德永俊昭により承認されています。

 

(2)【その他】

 

① 当連結会計年度における半期情報等

 

  中間連結会計期間

 (自 2024年4月 1日

 至 2024年9月30日)

   当連結会計年度

 (自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

売上収益(百万円)

4,545,982

9,783,370

税引前中間(当期)利益

(百万円)

439,335

962,733

親会社株主に帰属する

中間(当期)利益(百万円)

292,273

615,724

1株当たり親会社株主に帰属する中間(当期)利益(円)

63.29

133.85

 

 

 

(注)当社は、2024年7月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。当連結会計年度の期首に当該株式分割が実施されたと仮定して、1株当たり親会社株主に帰属する中間(当期)利益を算定しています。