第5【経理の状況】

1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について

(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たすことから、第93条の規定により、国際財務報告基準に準拠して作成しています。

 

(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号、以下「財務諸表等規則」)に基づいて作成しています。また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。

 

2.監査証明について

 金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人の監査を受け、監査報告書を受領しています。

 

3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて

 当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っています。具体的には、国際会計基準審議会、金融庁及び会計専門家等が提供する情報の継続的な入手、並びに公益財団法人財務会計基準機構への加入等、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備しています。

 

1【連結財務諸表等】

(1)【連結財務諸表】

①【連結財政状態計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

番号

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

現金及び現金同等物

25

968,827

833,283

売上債権及び契約資産

6、20、25

2,978,149

2,874,987

棚卸資産

2,042,432

1,646,188

有価証券及びその他の金融資産

11、25

376,315

346,916

その他の流動資産

 

233,708

227,161

流動資産合計

 

6,599,431

5,928,535

非流動資産

 

 

 

持分法で会計処理されている投資

5、8

411,201

478,620

有価証券及びその他の金融資産

11、25

584,806

496,897

有形固定資産

2,478,901

1,700,471

のれん

5、10

2,153,706

2,165,350

その他の無形資産

5、10

1,257,128

1,244,688

その他の非流動資産

12

402,329

486,853

非流動資産合計

 

7,288,071

6,572,879

資産の部合計

 

13,887,502

12,501,414

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

短期借入金

25

1,234,119

777,650

償還期長期債務

25

336,418

141,861

その他の金融負債

25

294,047

263,748

買入債務

13

1,754,633

1,548,497

未払費用

 

738,030

720,961

契約負債

20

1,069,732

1,241,366

その他の流動負債

14

427,087

472,095

流動負債合計

 

5,854,066

5,166,178

非流動負債

 

 

 

長期債務

25

1,556,175

1,293,837

退職給付に係る負債

15

414,839

323,264

その他の非流動負債

8、12、14、25

707,145

382,568

非流動負債合計

 

2,678,159

1,999,669

負債の部合計

 

8,532,225

7,165,847

資本の部

 

 

 

親会社株主持分

 

 

 

資本金

16、19

461,731

462,817

資本剰余金

5、16、19、25

46,119

利益剰余金

16、18

3,197,725

3,637,184

その他の包括利益累計額

17

639,263

846,392

自己株式

16

3,002

3,539

親会社株主持分合計

 

4,341,836

4,942,854

非支配持分

5、25

1,013,441

392,713

資本の部合計

 

5,355,277

5,335,567

負債・資本の部合計

 

13,887,502

12,501,414

 

②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

番号

 前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上収益

20

10,264,602

10,881,150

売上原価

 

7,705,981

8,192,063

売上総利益

 

2,558,621

2,689,087

販売費及び一般管理費

 

1,820,385

1,940,943

その他の収益

5、21

128,354

302,196

その他の費用

5、15、21

83,965

245,016

金融収益

22

27,938

7,878

金融費用

22

97

20,417

持分法による投資損益

40,485

52,847

受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益

 

850,951

845,632

受取利息

 

15,492

25,652

支払利息

 

27,110

51,313

税引前当期利益

 

839,333

819,971

法人所得税費用

12

168,469

116,101

当期利益

 

670,864

703,870

当期利益の帰属

 

 

 

親会社株主持分

 

583,470

649,124

非支配持分

 

87,394

54,746

 

 

 

 

1株当たり親会社株主に帰属する当期利益

23

 

 

基本

 

603.75

684.55

希薄化後

 

602.96

683.89

 

【連結包括利益計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

番号

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

当期利益

 

670,864

703,870

 

 

 

 

その他の包括利益

17

 

 

純損益に組み替えられない項目

 

 

 

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

11,224

21,484

確定給付制度の再測定

 

30,795

40,202

持分法のその他の包括利益

 

403

1,511

純損益に組み替えられない項目合計

 

19,168

63,197

 

 

 

 

純損益に組み替えられる可能性がある項目

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

391,489

232,360

キャッシュ・フロー・ヘッジの

公正価値の純変動額

 

8,172

7,265

持分法のその他の包括利益

 

41,207

14,595

純損益に組み替えられる可能性がある項目合計

 

440,868

254,220

 

 

 

 

その他の包括利益合計

 

460,036

317,417

当期包括利益

 

1,130,900

1,021,287

当期包括利益の帰属

 

 

 

親会社株主持分

 

958,008

905,819

非支配持分

 

172,892

115,468

 

③【連結持分変動計算書】

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資本金

(注16)

資本

剰余金

(注16  

 及び25)

利益

剰余金

(注16  

 及び18)

その他の

包括利益

累計額

(注17)

自己株式

(注16)

親会社

株主持分

合計

非支配

持分

(注25)

資本の部

合計

期首残高

460,790

84,040

2,710,604

273,561

3,493

3,525,502

932,730

4,458,232

変動額

 

 

 

 

 

 

 

 

利益剰余金への振替

14,861

14,861

当期利益

583,470

583,470

87,394

670,864

その他の包括利益

374,538

374,538

85,498

460,036

親会社株主に対する

配当金

111,210

111,210

111,210

非支配持分に対する

配当金

63,647

63,647

自己株式の取得

251

251

251

自己株式の売却

291

742

451

451

新株の発行(注19)

941

941

1,882

1,882

非支配持分との取引等

38,571

6,025

32,546

28,534

61,080

変動額合計

941

37,921

487,121

365,702

491

816,334

80,711

897,045

期末残高

461,731

46,119

3,197,725

639,263

3,002

4,341,836

1,013,441

5,355,277

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資本金

(注16)

資本

剰余金

(注5  

 及び16)

利益

剰余金

(注16  

 及び18)

その他の

包括利益

累計額

(注17)

自己株式

(注16)

親会社

株主持分

合計

非支配

持分

(注5)

資本の部

合計

期首残高

461,731

46,119

3,197,725

639,263

3,002

4,341,836

1,013,441

5,355,277

変動額

 

 

 

 

 

 

 

 

利益剰余金への振替

72,970

72,970

当期利益

649,124

649,124

54,746

703,870

その他の包括利益

256,695

256,695

60,722

317,417

親会社株主に対する

配当金

129,148

129,148

129,148

非支配持分に対する

配当金

34,828

34,828

自己株式の取得

200,212

200,212

200,212

自己株式の売却

94

258

164

164

自己株式の消却

199,417

199,417

新株の発行(注19)

1,086

1,086

2,172

2,172

利益剰余金から

資本剰余金への振替

153,487

153,487

非支配持分との取引等

1,181

23,404

22,223

701,368

679,145

変動額合計

1,086

46,119

439,459

207,129

537

601,018

620,728

19,710

期末残高

462,817

3,637,184

846,392

3,539

4,942,854

392,713

5,335,567

 

④【連結キャッシュ・フロー計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

番号

 前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

営業活動に関するキャッシュ・フロー

 

 

 

当期利益

 

670,864

703,870

 

 

 

 

当期利益から営業活動に関する

キャッシュ・フローへの調整

 

 

 

減価償却費及び無形資産償却費

 

540,252

526,310

減損損失

 

35,091

129,894

法人所得税費用

 

168,469

116,101

持分法による投資損益

 

40,485

52,847

金融収益及び金融費用

 

2,012

18,204

事業再編等損益

 

102,135

297,351

固定資産売却等損益

 

21,066

2,465

売上債権及び契約資産の増減(△は増加)

 

33,292

60,673

棚卸資産の増減(△は増加)

 

330,187

244,346

買入債務の増減(△は減少)

 

156,475

43,964

未払費用の増減(△は減少)

 

9,679

36,826

退職給付に係る負債の増減(△は減少)

 

29,122

49,935

その他

 

52,596

28,182

小計

 

969,935

995,604

利息の受取

 

16,372

25,675

配当金の受取

 

18,824

26,419

利息の支払

 

26,698

49,770

法人所得税の支払

24

248,490

170,883

営業活動に関するキャッシュ・フロー

 

729,943

827,045

 

 

 

 

投資活動に関するキャッシュ・フロー

 

 

 

有形固定資産の取得

 

296,968

252,638

無形資産の取得

 

142,893

157,947

有形固定資産及び無形資産の売却

 

109,836

55,580

有価証券及びその他の金融資産(子会社及

び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得

 

933,200

106,069

有価証券及びその他の金融資産(子会社及

び持分法で会計処理されている投資を含む)の売却

 

168,892

616,317

その他

 

45,467

4,180

投資活動に関するキャッシュ・フロー

 

1,048,866

151,063

 

 

 

 

財務活動に関するキャッシュ・フロー

24

 

 

短期借入金の純増減

 

653,244

277,685

長期借入債務による調達

 

44,798

80,062

長期借入債務の償還

 

305,943

288,795

非支配持分からの払込み

 

310

配当金の支払

 

111,149

129,005

非支配持分株主への配当金の支払

 

56,338

52,217

自己株式の取得

 

251

200,212

自己株式の売却

 

451

164

非支配持分株主からの子会社持分取得

 

22,009

274,687

その他

 

64

901

財務活動に関するキャッシュ・フロー

 

202,739

1,142,966

 

 

 

 

現金及び現金同等物に係る為替変動による影響

 

69,125

29,314

現金及び現金同等物の増減

 

47,059

135,544

 

 

 

 

現金及び現金同等物の期首残高

 

1,015,886

968,827

現金及び現金同等物の期末残高

 

968,827

833,283

 

【連結財務諸表注記】

 

注1.報告企業

 株式会社日立製作所(以下、当社)は日本に拠点を置く株式会社であり、その株式を公開しています。当社の連結財務諸表は、当社及び子会社並びにその関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されています。当社及び子会社からなる企業集団は、デジタルシステム&サービス、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズ、オートモティブシステム、日立建機、日立金属、その他の7セグメントにわたって、製品の開発、生産、販売、サービス等、グローバルに幅広い事業活動を展開しています。

 

注2.作成の基礎

 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たしていることから、同第93条の規定により、国際会計基準審議会(以下、IASB)によって公表された国際財務報告基準(以下、IFRS)に準拠して作成しています。当社の連結会計年度は、4月1日から翌年3月31日までです。

 当社の連結財務諸表は、デリバティブ金融資産及び金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、確定給付制度にかかる資産又は負債を除き、取得原価を基礎として作成しています。また、連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円により百万円単位で表示しています。

 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、当社の経営者は会計方針の適用並びに資産及び負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられています。実際の業績はこれらの見積り等とは異なる場合があります。

 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識しています。

 連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に関する判断に関する情報は、以下の注記に含まれています。

・注3.(1)連結の基礎

・注3.(4)金融商品及び注25.金融商品及び関連する開示

 

 翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある、仮定及び見積りの不確実性に関する情報は、以下の注記等に含まれています。

・注3.(10)非金融資産の減損、注9.有形固定資産及び注10.のれん及びその他の無形資産

・注3.(11)退職後給付及び注15.従業員給付

・注3.(12)引当金、注3.(14)収益認識、注14.引当金及び注20.売上収益

・注3.(15)法人所得税費用及び注12.繰延税金及び法人所得税

 

注3.主要な会計方針の概要

(1)連結の基礎

① 子会社

 子会社とは、当社が支配を有する事業体をいいます。支配とは、その事業体への関与により生じる変動リターンに対するリスク又は権利を有し、かつ当該事業体に対するパワーを通じてその変動リターンに影響を及ぼす能力をいいます。

 子会社は全て、取得日すなわち当社が支配を獲得した日から、当社が支配を喪失する日まで連結しています。

 子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じ当該子会社の財務諸表の調整を行っています。

 支配の喪失を伴わない子会社に対する持分変動があった場合には、資本取引として会計処理しています。一方、支配の喪失を伴う子会社に対する持分変動があった場合には、子会社の資産及び負債、子会社に関連する非支配持分及びその他の包括利益累計額の認識を中止しています。

 

② 関連会社及び共同支配企業

 関連会社とは、当社が支配を有していないものの、その企業の経営方針や財務方針に重要な影響力を行使できる事業体をいいます。

 共同支配企業とは、契約上の取決めにより当社を含む複数の当事者が共同して支配をしており、その活動に関連する財務上及び経営上の決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。

 

 当社は、関連会社及び共同支配企業への投資について、持分法を用いて会計処理しています。(以下、持分法適用会社)

 連結財務諸表には、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失するまでの持分法適用会社の純損益及びその他の包括利益に対する当社の持分を含めています。

 持分法適用会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じ持分法適用会社の財務諸表を調整しています。

 

③ 組成された事業体

 当社は、組成された事業体への関与から生じる変動リターンに対するリスク又は権利を有している場合で、当該事業体に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合、当該事業体に対し支配を有していると判断し連結しています。

 

(2)現金同等物

 現金同等物は、流動性が高く、元本の価値変動のリスクが極めて低い、取得日から3ヵ月以内に満期となる短期投資からなります。

 

(3)外貨換算

 当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しています。

① 外貨建取引

 外貨建取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより当社及び子会社の各機能通貨に換算しています。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しています。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。但し、発生する損益がその他の包括利益で認識される資産及び負債に関しては、それらから生じる換算差額はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の包括利益累計額に認識しています。

 

② 在外営業活動体の財務諸表の換算

 在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替相場により、収益及び費用は期中平均為替相場により円換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算により発生する換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の包括利益累計額に認識しています。

 

(4)金融商品

① 非デリバティブ金融資産

 当社は、売上債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しています。その他の金融資産は、当社が当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しています。

 当社は、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合又は金融資産の所有にかかるリスクと経済的便益を実質的に全て移転する取引において、当該金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転した時に当該金融資産の認識を中止しています。金融資産の所有に伴う実質的に全てのリスク及び経済価値を留保も移転もしない取引においては、当社は当該金融資産への支配を保持していない場合にその資産の認識を中止するものとしています。

 

 非デリバティブ金融資産の分類及び測定方法の概要は、下記のとおりです。

 

償却原価で測定する金融資産

 以下の要件を満たす金融資産を償却原価で測定する金融資産として分類しています。

・当社のビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合

・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高にかかる利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合

 償却原価で測定する金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で当初認識しています。当初認識後は、実効金利法を用いて帳簿価額を算定しています。また、償却原価で測定する金融資産にかかる利息発生額は連結損益計算書の受取利息に含まれます。

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 当社は、主に投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的として保有している資本性金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として分類しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で当初認識し、それ以降も連結決算日の公正価値で測定しています。公正価値の変動は連結会計期間のその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の包括利益累計額に認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産から生じる配当金については、明らかに投資の払い戻しの場合を除き、純損益として認識しています。

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として分類されない資本性金融資産及び償却原価で測定する金融資産に分類されない負債性金融資産は、全て純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識後、公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で測定し、その公正価値の変動は純損益として認識しています。

 

金融資産の減損

 当社は、売上債権及び契約資産並びにその他の債権に関する予想信用損失に係る貸倒引当金について、信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かに応じて、少なくとも四半期毎に継続的評価を実施しています。

 

 信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、金融資産の予想残存期間の全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、期末日後12か月以内に生じる予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。ただし、売上債権、契約資産及びリース債権については、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。

 

 信用リスクの著しい増大の有無は、債務不履行発生のリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行とは、債務者による契約上のキャッシュ・フローの支払いに重大な問題が生じ、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない状態と定義しています。債務不履行発生のリスクに変化があるかどうかの判断においては、主に外部信用格付け、期日経過の情報等を考慮しています。

 

 予想信用損失は、金融資産に関して契約上支払われるキャッシュ・フロー総額と、受取りが見込まれる将来キャッシュ・フロー総額との差額の割引現在価値を発生確率により加重平均して測定します。支払遅延の存在、支払期日の延長、外部信用調査機関による否定的評価、債務超過等悪化した財政状況や経営成績の評価を含む、一つ又は複数の事象が発生している場合には、信用減損が生じた金融資産として個別的評価を行い、主に過去の貸倒実績や将来の回収可能額等に基づき予想信用損失を測定しています。信用減損が生じていない金融資産については、主に過去の貸倒実績に必要に応じて現在及び将来の経済状況等を踏まえて調整した引当率等に基づく集合的評価により予想信用損失を測定しています。

 

 売上債権及び契約資産並びにその他の債権に関する予想信用損失については、帳簿価額を直接減額せず、貸倒引当金を計上しています。予想信用損失の変動額は減損損失として純損益に認識しており、連結損益計算書の販売費及び一般管理費に含まれます。なお、金融資産について、全ての回収手段がなくなり、回収可能性がほぼ尽きたと考えられる時点で、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していないと判断し、直接償却しています。

 

② 非デリバティブ金融負債

 当社は、発行した負債性金融商品を、その発行日に当初認識しています。その他の金融負債は全て、当社が当該金融商品の契約の当事者になる取引日に認識しています。

 当社は、金融負債が消滅した場合、つまり契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合に、認識を中止しています。

 当社は、非デリバティブ金融負債として、社債、借入金、買入債務及びその他の金融負債を有しており、それらを公正価値(直接帰属する取引費用を控除後)で当初認識しています。また、社債及び借入金については当初認識後、実効金利法を用いた償却原価により測定しており、利息発生額は連結損益計算書の支払利息に含まれます。

 

③ デリバティブ及びヘッジ会計

 当社は、為替リスク及び金利リスクをヘッジするために、先物為替予約契約、通貨スワップ契約及び金利スワップ契約といったデリバティブ商品を利用しています。これらのデリバティブはその保有目的、保有意思にかかわらず全て公正価値で計上しています。

 当社が利用しているヘッジの会計処理は、下記のとおりです。

・「公正価値ヘッジ」は、既に認識された資産又は負債もしくは未認識の確定契約の公正価値の変動に対するヘッジであり、ヘッジの効果が有効である限り、既に認識された資産又は負債もしくは未認識の確定契約とその関連するデリバティブの公正価値の変動は純損益で認識しています。

・「キャッシュ・フロー・ヘッジ」は、将来取引のヘッジ又は既に認識された資産又は負債に関連して発生する将来キャッシュ・フローの変動に対するヘッジであり、ヘッジの効果が有効である限り、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブの公正価値の変動はその他の包括利益として認識しています。この会計処理は、ヘッジ対象に指定された未認識の確定契約又は将来キャッシュ・フローの変動を純損益に認識するまで継続し、その時点でデリバティブの公正価値の変動も純損益に含めています。なお、ヘッジ対象に指定された予定取引により、非金融資産もしくは非金融負債が認識される場合、その他の包括利益として認識したデリバティブの公正価値の変動は、当該資産又は負債が認識された時点で、当該資産又は負債の取得原価その他の帳簿価額に直接含めています。

 当社は、IFRS第9号「金融商品」に定められるデリバティブを利用する目的、その戦略を含むリスク管理方針を文書化しており、それに加えて、そのデリバティブがヘッジ対象の公正価値又は将来キャッシュ・フローの変動の影響を相殺しているかどうかについて、ヘッジの開始時及び開始後も引き続き、一定期間毎に評価を行っています。ヘッジの効果が有効でなくなった場合は、ヘッジ会計を中止しています。

 

④ 金融資産と金融負債の相殺

 金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ、純額ベースで決済するかもしくは資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で報告しています。

 

(5)非支配持分株主に対するプット・オプション

 当社及び当社の子会社において、非支配持分株主に付与している子会社持分の売建プット・オプションは、その行使価格の現在価値を金融負債として認識するとともに、非支配持分の認識を中止し、その差額を資本剰余金として認識しています。

 

(6)棚卸資産

 棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しており、原価は、製品・半製品・仕掛品については個別法又は移動平均法により、材料については概ね移動平均法によっています。正味実現可能価額とは、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除したものをいいます。

 

(7)有形固定資産

 有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、将来の解体、除去及び原状回復費用を含めています。各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって、主として定額法で減価償却を行っています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、下記のとおりです。

建物及び構築物    2年から60年

機械装置及び運搬具  2年から17年

工具、器具及び備品  2年から20年

使用権資産      2年から40年

 なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は、各会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として扱い、将来に向かって変更しています。

 

(8)のれん及びその他の無形資産

 耐用年数を確定できるその他の無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しています。各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって、主として定額法で償却を行っています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、下記のとおりです。

自社利用ソフトウェア 2年から10年

市場販売ソフトウェア 2年から10年

その他        2年から20年

 のれん及び耐用年数を確定できないその他の無形資産は、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示しています。

 

(9)リース

① 借手側

 当社及び一部の子会社は、建物、機械装置及び車両等を中心とした設備を賃借しており、原資産を使用する権利である使用権資産と、リース料を支払う義務であるリース負債を認識し、リースに関する費用を使用権資産の減価償却費及びリース負債に係る支払利息として認識しています。リース期間が12か月以内である短期リースのリース料は、リース期間にわたって定額法により純損益として認識しています。

 

使用権資産

 使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、リース開始日における取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で有形固定資産及びその他の無形資産に含めて表示しています。取得原価には、リース負債の当初測定の金額、借手に発生した当初直接コスト等を含めています。各使用権資産は、リース開始日から使用権資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、定額法で減価償却を行っています。なお、耐用年数またはリース期間に変更があった場合は、会計上の見積りの変更として扱い、将来に向かって変更しています。

 

リース負債

 リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率または借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しており、償還期長期債務及び長期債務に含めて表示しています。リース期間中の各期間におけるリース負債に係る金利費用は、リース負債の残高に対する毎期一定の率をリース期間にわたり純損益として認識し、連結損益計算書の支払利息に含めて表示しています。

 

② 貸手側

 当社及び一部の子会社は、建物、機械装置等を中心とした設備を賃貸しており、有形固定資産のリースで、所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを借手に移転する場合のリースは、ファイナンス・リースに分類され、原資産の認識の中止を行い、リース料総額の現在価値で正味リース投資未回収額を認識及び測定しています。

 所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてが貸手に帰属する場合のリースは、オペレーティング・リースに分類され、原資産の認識を継続し、リース収益をリース期間にわたり定額法で認識しています。

 

(10)非金融資産の減損

 各資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不可能であるような兆候がある場合、減損テストを実施しています。各資産が、他の資産からのキャッシュ・フローからおおむね独立したキャッシュ・フローを生み出さない場合、資金生成単位又は資金生成単位グループについて減損の兆候の有無を判定しています。耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産の属する資金生成単位又は資金生成単位グループごとに回収可能価額を見積り、減損テストを実施しています。

 各資産及び資金生成単位又は資金生成単位グループごとの回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で算定しています。当社及び子会社は、公正価値を算定するために用いる評価技法として、主に当該資産等の使用及び最終処分価値から期待される見積将来キャッシュ・フローに基づくインカム・アプローチ(現在価値法)又は類似する公開企業との比較や当該資産等の時価総額等、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定するマーケット・アプローチを用いています。当社及び子会社は、公正価値算定上の複雑さに応じ、外部専門家を適宜利用しています。使用価値は、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割引いて算定しています。事業計画は外部情報に基づき、過去の経験を反映したものであり、原則として5年を限度としています。当社及び子会社においては、多種多様な製品の開発、生産、販売からサービスの提供等、幅広い事業活動を展開しており、各事業活動に適した外部情報を用いています。事業計画の予測の期間を超えた後のキャッシュ・フロー見積額は、当該資産等が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った成長率をもとに算定しています。なお、事業計画は、部材価格の高騰、半導体不足の影響などによる一部の事業における損益悪化を一定程度織り込んでいますが、今後の情勢変化に伴う、マーケットに係るリスク、経営環境に係るリスク等により、実際の結果が大きく異なることがあります。また、使用価値の算定に使用する割引率は、株式市場の動向や金利の変動等により影響を受けます。

 各資産及び資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超える場合には、その超過額を減損損失として認識しています。

 のれん以外の各資産又は資金生成単位もしくは資金生成単位グループに関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した前提事項に重要な変更が生じ、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が認められる場合に、当該資産等を対象に回収可能価額の見積りを行っています。算定した回収可能価額が当該資産等の帳簿価額を超える場合には、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額を上限として、減損損失を戻し入れています。

 

(11)退職後給付

 当社及び一部の子会社は、従業員の退職給付を行うため、確定給付型年金制度、退職一時金制度及び確定拠出型年金制度を採用しています。

 

① 確定給付制度

 確定給付制度には、確定給付型年金制度、退職一時金制度が含まれます。確定給付型年金制度を採用している会社は、確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用を予測単位積増方式により算定しています。確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値は、報告期間末に再測定し、数理計算上の差異及び制度資産の利息収益を除く公正価値の変動額はその他の包括利益で全額認識し、その後純損益に組み替えていません。また、制度改訂時に生じる過去勤務費用は発生時に全額純損益として認識しています。連結財政状態計算書上、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額を確定給付負債又は資産として非流動負債又は資産に表示しています。

 数理計算によって算出される多額の退職給付費用の評価には、死亡率、脱退率、退職率、給与の変更及び割引率等の様々な数理計算上の仮定が含まれています。当社及び子会社は、人員の状況、市況及び将来の金利の動向等の多くの要素を考慮に入れて、数理計算上の仮定を見積もっています。数理計算上の仮定は、最善の見積りと判断により決定していますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果や関連法令の改正・交付によって影響を受ける可能性があります。

 

② 確定拠出制度

 確定拠出型年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払いについて法的または推定的債務を負わない退職後給付制度です。確定拠出型年金制度の拠出額は、従業員がサービスを提供した期間に、純損益として認識しています。

 

(12)引当金

 当社は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)が生じており、当該債務を決済するための経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、当該債務の金額の合理的な見積りが可能である場合に引当金を認識しています。引当金は、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の支払額が見積
りと異なる可能性があります。

 なお、債務の決済までの期間が長期となると想定され、貨幣の時間価値が重要な場合には、決済時に予測される支出額の現在価値により引当金を測定しています。

 

(13)偶発事象

 当社は国際会計基準(以下、IAS)第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に従い、(12)引当金に記載している引当金の認識基準を満たさない債務については、当該債務の履行による経済的資源の流出の可能性がほとんどないと判断している場合を除き、偶発債務として注記をしています。なお、当社及び子会社が締結した金融保証契約は、特定の債務者が負債性金融商品の条件に従った期日の到来時に支払を行わないことにより保証契約保有者に発生する損失を、当社又は子会社がその保有者に対し補償する契約です。

 

(14)収益認識

 当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。

ステップ1:顧客との契約を識別する。

ステップ2:契約における履行義務を識別する。

ステップ3:取引価格を算定する。

ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。

ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。

 

 当社は顧客の要望に合わせて多様な取引を行っており、製品、サービス等の複数の要素を組み合わせて顧客に提供する取引が含まれています。製品及びサービス等を提供するにあたり、複数の契約を締結している場合、各契約における対価の相互依存性や各契約の締結時期等を評価し、関連する契約を結合したうえで、取引価格を独立販売価格の比率でそれぞれの履行義務に配分し、収益を認識しています。

 独立販売価格は、市場の状況、競合する製品等の市場売価、製品原価や顧客の状況等の様々な要因を考慮して見積もられています。

 取引価格の算定においては、顧客への約束した財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額で測定しています。値引き・リベート等の変動対価は、その発生の不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ取引価格に含めています。なお、約束した対価の金額に重大な金融要素は含まれていません。

 一定の期間にわたり製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサービス等の性質を考慮し、履行義務の充足に向けての進捗度を発生原価又はサービス提供期間に基づき測定し収益を認識しています。なお、当該進捗度を合理的に測定することができない場合は、発生したコストの範囲で収益を認識しています。

 顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しており、当該資産が関連する製品及びサービスの収益の認識方法に従って償却を行っています。また、当該償却の期間が1年以内である場合に、契約獲得のための増分コストを資産計上せず発生時に費用として認識しています。

 長期請負契約等に基づく収益認識において、見積原価総額、見積収益総額、契約に係るリスクやその他の要因について重要な仮定を行う必要があります。これらの見積りは将来の不確実な経済条件の変動の影響を受けるほか、当社のコントロールの及ばない様々な理由によって変動する場合があります。当社は、これらの見積りを継続的に見直し、会計処理に反映しています。

 

(15)法人所得税費用

 一時差異等に起因する繰延税金資産及び負債の認識を資産負債法により行っています。のれんから生じる一時差異、企業結合以外の取引における会計上又は税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさない取引によって発生する資産又は負債の当初認識による差異及び子会社又は持分法適用会社に対する投資にかかる将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合においては、繰延税金負債を認識していません。繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。将来課税所得には、部材価格の高騰、半導体不足の影響などによる一部の事業における損益悪化を一定程度織り込んでいます。課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受け、実際に課税所得が生じる時期及び金額は見積りと異なる可能性があります。なお、その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金及び繰延税金は、その他の包括利益として認識しています。

 繰延税金資産及び負債は、それらの一時差異等が解消されると見込まれる連結会計年度の課税所得に対して適用される税率を使用して測定しています。税率変更による繰延税金資産及び負債への影響は、その税率変更に関する法律の制定日を含む連結会計年度の純損益及びその他の包括利益として認識しています。

 また、当社は、連結財務諸表の承認日までに改訂が行われたIAS第12号「法人所得税」に基づき、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しています。

 

(16)1株当たり利益

 基本1株当たり親会社株主に帰属する当期利益は平均発行済株式数に基づいて計算し、希薄化後1株当たり親会社株主に帰属する当期利益は平均発行済株式数と希薄化効果のある証券の転換又は発行可能株式数の合計に基づいて計算しています。

 

(17)企業結合

 企業結合の会計処理は取得法を用いています。当社は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の公正価値に対する持分割合相当額のいずれかにより、被取得企業に対する非支配持分を測定するかを選択しています。また、発生した取得関連費用は、発生時に費用処理しています。

 

(18)未適用の新会計基準

 連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた主な公表済基準書及び解釈指針のうち、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすものはありません。

 

注4.セグメント情報

(報告セグメント情報)

 事業セグメントは、独立した財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定機関が、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象とする当社の構成単位です。

 

 当社は報告セグメントを、主に市場、製品及びサービスの性質及び経済的特徴の類似性を総合的に勘案し、下記7区分に系列化しています。以下に記載する報告セグメントのうち、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズは、当社の財政状態及び経営成績の適切な理解に資するために、複数の事業セグメントを集約しています。事業セグメントの集約においては、各事業セグメントの売上収益に対するセグメント損益の利益率を用いて経済的特徴の類似性を判断しています。それぞれの報告セグメントに含まれる主な製品・サービスは下記のとおりです。

 

(1)デジタルシステム&サービス

デジタルソリューション(システムインテグレーション、コンサルティング、クラウドサービス)、ITプロダクツ(ストレージ、サーバ)、ソフトウェア、ATM

(2)グリーンエナジー&モビリティ

エネルギーソリューション(パワーグリッド、再生可能エネルギー、原子力)、鉄道システム

(3)コネクティブインダストリーズ

ビルシステム(エレベーター、エスカレーター)、生活・エコシステム(家電、空調)、計測分析システム(医用・バイオ、半導体、産業)、産業・流通ソリューション、水・環境ソリューション、産業用機器

(4)オートモティブシステム

パワートレイン、シャシー、先進運転支援、二輪車用システム

(5)日立建機

油圧ショベル、ホイールローダ、マイニング機械、保守・サービス、土木施工ソリューション、鉱山運行管理システム

(6)日立金属

特殊鋼製品、素形材製品、磁性材料・パワーエレクトロニクス、電線材料

(7)その他

光ディスクドライブ、不動産の管理・売買・賃貸、その他

 

 当社は、社会イノベーション事業のさらなる進化と成長を実現し、サステナブルな社会の実現をめざすために事業体制の見直しを行い、当連結会計年度の期首から事業群の再編を行っています。当該再編に伴い、報告セグメントの区分を、デジタルシステム&サービス、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズ、オートモティブシステム、日立建機、日立金属及びその他の7区分へ変更しています。当該区分変更により、前連結会計年度を変更後の区分にて表示しています。

 また、セグメント損益についても、最高経営意思決定機関が、セグメントの経営資源の配分の決定及び業績の検討において主として利用する損益の測定値として、従来利用していた受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益(EBIT)から、Adjusted EBITAに変更し表示しています。Adjusted EBITAは、Adjusted Earnings before interest, taxes and amortizationの略であり、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除し、企業結合により認識した無形資産等の償却費を足し戻した上で、持分法による投資損益を加算した損益です。

 当社は、2022年8月に日立建機㈱(日立建機)の株式の一部を譲渡しており、従来日立建機セグメントに含めていた日立建機及びその子会社は当社の持分法適用会社となりました。これに伴い、日立建機セグメントは当社の事業セグメントに該当しないこととなり、当第2四半期より株式譲渡後の日立建機及びその子会社に係る持分法による投資損益については「全社及び消去」に含めて開示しています。

 当社は、2023年1月に日立金属㈱(現㈱プロテリアル)の全ての株式を譲渡し、日立金属㈱は当社の連結範囲から除外されました。これに伴い、当第4四半期より日立金属セグメントは当社の事業セグメントに該当しないこととなりました。

 

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメント情報は下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

 

報告セグメント

 

デジタルシステム

&サービス

グリーンエナジー

&モビリティ

コネクティブ

インダストリーズ

オートモティブ

システム

売上収益

 

 

 

 

 外部顧客に対する売上収益

1,988,339

1,991,566

2,521,695

1,591,093

 セグメント間の内部売上収益

165,286

59,457

231,203

6,625

 合計

2,153,625

2,051,023

2,752,898

1,597,718

セグメント損益

281,403

92,312

257,808

62,346

総資産

2,987,359

3,327,198

3,456,161

1,612,438

その他の項目

 

 

 

 

 減価償却費及び無形資産償却費

118,080

109,649

73,451

93,933

 減損損失

20,575

1,766

5,508

4,594

 持分法による投資損益

2,286

6,403

18,943

526

 持分法で会計処理されている投資

50,397

74,848

154,600

10,271

 のれん

1,137,719

573,763

194,427

97,154

 資本的支出

122,789

108,977

78,291

100,006

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

 

報告セグメント

全社

及び

消去

合計

 

日立建機

日立金属

その他

小計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 外部顧客に対する売上収益

1,022,793

915,250

223,401

10,254,137

10,465

10,264,602

 セグメント間の内部売上収益

2,168

27,451

232,904

725,094

725,094

 合計

1,024,961

942,701

456,305

10,979,231

714,629

10,264,602

セグメント損益

100,163

30,705

23,623

848,360

7,020

855,380

総資産

1,440,674

1,072,025

2,058,239

15,954,094

2,066,592

13,887,502

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 減価償却費及び無形資産償却費

56,549

46,531

32,857

531,050

9,202

540,252

 減損損失

196

1,009

1,865

35,513

422

35,091

 持分法による投資損益

6,224

1,152

134

35,668

4,817

40,485

 持分法で会計処理されている投資

26,661

11,611

3,778

332,166

79,035

411,201

 のれん

55,367

95,276

2,153,706

2,153,706

 資本的支出

49,119

34,354

22,722

516,258

15,769

532,027

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2023年3月31日

 

報告セグメント

 

デジタルシステム

&サービス

グリーンエナジー

&モビリティ

コネクティブ

インダストリーズ

オートモティブ

システム

売上収益

 

 

 

 

 外部顧客に対する売上収益

2,217,973

2,432,204

2,759,660

1,915,254

 セグメント間の内部売上収益

171,122

60,318

215,612

4,813

 合計

2,389,095

2,492,522

2,975,272

1,920,067

セグメント損益

293,729

132,737

312,183

73,447

総資産

3,140,933

3,788,025

3,552,848

1,687,076

その他の項目

 

 

 

 

 減価償却費及び無形資産償却費

129,741

117,870

78,530

105,040

 減損損失

52,163

49,707

3,502

24,160

 持分法による投資損益

2,597

10,120

19,855

706

 持分法で会計処理されている投資

51,997

88,003

162,248

11,406

 のれん

1,269,171

589,011

220,688

86,480

 資本的支出

132,754

118,254

75,451

87,916

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2023年3月31日

 

報告セグメント

全社

及び

消去

合計

 

日立建機

日立金属

その他

小計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 外部顧客に対する売上収益

474,168

825,588

238,631

10,863,478

17,672

10,881,150

 セグメント間の内部売上収益

946

22,138

234,384

709,333

709,333

 合計

475,114

847,726

473,015

11,572,811

691,661

10,881,150

セグメント損益

43,226

43,054

15,553

913,929

29,323

884,606

総資産

2,121,718

14,290,600

1,789,186

12,501,414

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 減価償却費及び無形資産償却費

25,664

27,903

32,240

516,988

9,322

526,310

 減損損失

93

74

195

129,894

129,894

 持分法による投資損益

1,171

1,265

169

35,883

16,964

52,847

 持分法で会計処理されている投資

4,017

317,671

160,949

478,620

 のれん

2,165,350

2,165,350

 資本的支出

32,372

20,763

33,073

500,583

7,459

508,042

 

 セグメント損益はAdjusted EBITAで表示しています。セグメント間取引は独立企業間価格で行っており、セグメント損益の「全社」には主として先端研究開発費等の各セグメントに配賦していない費用及び持分法による投資損益の一部等が含まれています。

 「全社」の資産の主な内容は有価証券及びその他の金融資産です。

 減価償却費は、有形固定資産及び投資不動産の減価償却費です。

 減損損失は、主に有形固定資産、のれん及びその他の無形資産の減損です。

 資本的支出は、有形固定資産、投資不動産及びその他の無形資産の受入額で表示しています。

 

セグメント損益の合計額から税引前当期利益への調整は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

セグメント損益

855,380

884,606

 企業結合により認識した無形資産等の償却費

76,659

83,615

 その他の収益

128,354

302,196

 その他の費用

83,965

245,016

 金融収益

27,938

7,878

 金融費用

97

20,417

受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益

850,951

845,632

 受取利息

15,492

25,652

 支払利息

27,110

51,313

税引前当期利益

839,333

819,971

 

(地域別情報)

 前連結会計年度及び当連結会計年度における、仕向地別の外部顧客向け売上収益は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

日本

4,187,077

4,118,244

アジア

2,514,843

2,635,114

北米

1,555,142

1,877,992

欧州

1,299,413

1,535,948

その他の地域

708,127

713,852

海外売上収益

6,077,525

6,762,906

売上収益

10,264,602

10,881,150

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、中国における外部顧客向け売上収益は、それぞれ1,331,618百万円及び1,345,223百万円であり、米国における外部顧客向け売上収益は、それぞれ1,411,681百万円及び1,732,535百万円です。前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本、中国及び米国を除き、外部顧客向け売上収益が重要な単一の国及び地域はありません。

 

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在における、所在地別の有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の残高は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

日本

1,689,869

1,097,816

アジア

606,730

520,213

北米

1,895,835

1,896,359

欧州

1,468,064

1,501,367

その他の地域

262,535

137,077

小計

5,923,033

5,152,832

全社及び消去

7,756

△5,606

合計

5,930,789

5,147,226

 

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在において、米国における有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の残高は、それぞれ1,880,653百万円及び1,886,723百万円であり、スイス連邦における有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の残高は、それぞれ1,124,510百万円及び1,065,498百万円です。2022年3月31日及び2023年3月31日現在において、日本、米国及びスイス連邦を除き、有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の残高が重要な単一の国及び地域はありません。

 

(顧客別情報)

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、単一顧客として重要な顧客に対する売上収益はありません。

 

注5.事業再編等

 前連結会計年度に生じた主な事業再編等は下記のとおりです。

 

(1)日本国外の白物家電事業の再編

 当社の子会社で、コネクティブインダストリーズセグメントに属する日立グローバルライフソリューションズ㈱(以下、日立GLS)とArçelik A.S.(以下、アルチェリク)は、2020年12月16日に合弁会社の設立に合意し、株式譲渡契約を締結しました。

 本契約に基づき、日立GLSは新会社を設立し、日本国外の白物家電事業を移管するとともに、2021年7月1日に新会社の株式の60%をアルチェリクに譲渡しました。売却の対価は、350百万米ドル(38,797百万円)です。株式譲渡後、新会社に対する日立GLSの所有持分の割合は100%から40%となり、新会社は当社の持分法適用会社となりました。

 

(2)GlobalLogic Inc.(以下、GlobalLogic社)の買収

 当社は、「Lumada」のデジタルポートフォリオ強化を目的として、2021年3月31日にデジタルエンジニアリングサービスのリーディングカンパニーであるGlobalLogic社の買収を決定し、当社の米国子会社Hitachi Global Digital Holdings LLC(以下、HGDH社)及びHGDH社が本買収のために設立した子会社であるMergeCo H Global Inc.(以下、SPC社)ならびにGlobalLogic社の親会社であるGlobalLogic Worldwide Holdings, Inc.(以下、GlobalLogic Worldwide Holdings社)との間で買収に関する契約を締結しました。2021年7月13日、本契約に基づくGlobalLogic Worldwide Holdings社を存続会社としたSPC社の吸収合併を含む一連の手続の結果、HGDH社はGlobalLogic Worldwide Holdings社の発行済株式の100%を取得し、GlobalLogic Worldwide Holdings社及びGlobalLogic社は当社の完全子会社となりました。

 

 GlobalLogic社の取得の対価、取得した資産及び引継いだ負債の取得日において認識した価額及び取得日において認識されたのれんの価額の要約は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

現金及び現金同等物

 

11,391

売上債権及び契約資産

 

30,266

その他の流動資産

 

2,692

非流動資産(無形資産を除く)

4,324

無形資産

 

 

 

 

のれん(損金不算入)

 

822,173

 

その他の無形資産

 

231,130

合計

 

 

1,101,976

 

 

 

 

 

流動負債

 

 

134,272

非流動負債

 

 

45,454

合計

 

 

179,726

 

 

 

 

 

支払対価(現金)

 

922,250

 

 のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映したものです。

 その他の無形資産には、顧客関係に係る無形資産227,424百万円が含まれています。顧客関係に係る無形資産は、売上収益成長率、EBITDA率、既存顧客の売上収益成長率、既存顧客の逓減率、割引率等の仮定に基づいて測定しています。

 

 取得関連費用は、前連結会計年度の連結損益計算書上のその他の費用に3,874百万円計上しています。

当該取得に加え、当社の米国子会社Hitachi America Capital, Ltd.は、GlobalLogic社の借入金1,074百万米ドル(118,554百万円)の返済を行っています。

 

 GlobalLogic社の取得日から2022年3月31日までの経営成績は重要ではありませんでした。

 2021年4月1日時点で当該取得が行われたと仮定した場合の、前連結会計年度の売上収益及び親会社株主に帰属する当期利益に与える影響額は重要ではありませんでした。

 

 なお、HGDH社は2022年4月1日付でHitachi Digital LLCに商号変更しています。

 

 当連結会計年度及び連結財務諸表の承認日までに生じた主な事業再編等は下記のとおりです。

 

(1)日立建機㈱(以下、日立建機)株式の売却

 当社は、日本産業パートナーズ㈱が管理・運営・情報提供等を行うファンドがその持分の全てを保有する特別目的会社であるHCJホールディングス㈱と、伊藤忠商事㈱がその持分の全てを保有する特別目的会社であるシトラスインベストメント合同会社が共同で出資する特別目的会社であるHCJIホールディングス合同会社との間で、当社の子会社で日立建機セグメントに属する日立建機の普通株式について、当社が保有する株式の一部を譲渡する契約を2022年1月14日に締結し、当該譲渡契約に基づく株式譲渡を2022年8月23日に完了しました。

 その結果、日立建機に対する当社の所有持分の割合は51.4%から25.4%となり、日立建機は当社の持分法適用会社となりました。当社の売却の対価は、182,457百万円です。当社は、日立建機に対する支配の喪失に伴って認識した利益39,211百万円を、当連結会計年度の連結損益計算書上、その他の収益に計上しています。また、当連結会計年度の連結持分変動計算書の非支配持分との取引等には、日立建機が持分法適用会社となったことによる非支配持分の減少が含まれています。

 前連結会計年度末日における日立建機の資産、負債及び資本は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

現金及び現金同等物

 

87,583

売上債権及び契約資産

 

237,792

棚卸資産

 

 

368,267

有価証券及びその他の金融資産

62,193

その他の流動資産

 

8,421

 流動資産合計

 

764,256

持分法で会計処理されている投資

26,662

有価証券及びその他の金融資産

63,197

有形固定資産

 

 

442,904

のれん

 

 

55,367

その他の無形資産

58,967

その他の非流動資産

 

29,321

 非流動資産合計

 

676,418

  資産の部合計

 

1,440,674

 

 

 

 

 

短期借入金

 

 

103,320

償還期長期債務

 

81,731

その他の金融負債

 

51,239

買入債務

 

 

144,531

未払費用

 

 

37,965

契約負債

 

 

9,967

その他の流動負債

 

24,893

 流動負債合計

 

453,646

長期負債

 

229,487

退職給付に係る負債

 

17,622

その他の非流動負債

 

50,607

 非流動負債合計

 

297,716

  負債の部合計

 

751,362

 

 

 

親会社株主持分

 

318,069

非支配持分

 

371,243

 資本の部合計

 

689,312

  負債・資本の部合計

 

1,440,674

 

 

(2)Hitachi Energy Ltd(以下、日立エナジー)株式の追加取得

 当社は、2022年9月30日にABB Ltd(以下、ABB社)との間で、当社の子会社でグリーンエナジー&モビリティセグメントに属する日立エナジーについて、当社が保有するコール・オプションの行使により、ABB社が保有する日立エナジーの発行済株式の19.9%を取得する株式譲渡契約を締結しました。

 2022年12月28日、本契約に基づく株式の取得により、日立エナジーに対する所有持分の割合は80.1%から100%となり、日立エナジーは当社の完全子会社となりました。取得の対価は1,679百万米ドル(243,200百万円)です。

 当該追加取得の結果、非支配持分の認識を中止し、取得の対価との差額を資本剰余金として認識しています。

 

(3)日立金属㈱(以下、日立金属)株式の売却

 当社は、Bain Capital Private Equity, LP及びそのグループが投資助言を行う投資ファンドが持分の全てを間接的に所有する合同会社BCJ-51の完全子会社である㈱BCJ-52(以下、公開買付者)との間で、当社の子会社で、日立金属セグメントに属する日立金属の普通株式に対して、以下の4点に関する公開買付不応募契約(以下、本不応募契約とし、一連の取引を本取引とする)を、2021年4月28日に締結しました。

①公開買付者は、本不応募契約に定める前提条件が充足された場合、日立金属の普通株式に対して公開買付け(以下、本公開買付け)を実施し、当社は、当社が保有する日立金属株式の全て(以下、当社売却予定株式)について本公開買付けに応募しないこと。

②本公開買付けが成立し、公開買付者が本公開買付けにおいて日立金属株式の全て(ただし、日立金属が所有する自己株式及び当社売却予定株式を除く)を取得できなかった場合に、公開買付者及び当社は、日立金属に対して株式併合(以下、本株式併合)の実施に必要な事項を議案とする株主総会の開催を要請し、当該議案に賛成の議決権を行使すること。

③本株式併合の結果として公開買付者及び当社が日立金属株式の全て(ただし、日立金属が所有する自己株式を除く)を所有することになった後、実務上可能な限り速やかに、日立金属が、自己株式取得(以下、本自己株式取得)を行うために必要な分配可能額を確保するため、日立金属が減資等(以下、本減資等)を実施すること。

④本減資等の効力発生後速やかに、当社は、本自己株式取得により、当社売却予定株式を日立金属に譲渡すること。

 公開買付者は2022年9月27日に本公開買付けを開始し、本公開買付けは2022年10月25日に成立しました。本公開買付けが成立したことにより、上記株式併合等の関連する取引が実施され、2023年1月5日に売却が完了しました。当社の売却の対価は、382,042百万円です。

 本取引の結果、日立金属に対する当社の所有持分の割合は、53.4%から0%となり、日立金属は当社の連結範囲から除外されました。当社は、日立金属に対する支配の喪失に伴って認識した利益95,324百万円を、当連結会計年度の連結損益計算書上、その他の収益に計上しています。また、当連結会計年度の連結持分変動計算書の非支配持分との取引等には、日立金属が連結範囲から除外されたことによる非支配持分の減少が含まれています。

 

 日立金属は2023年1月4日付で㈱プロテリアルに商号変更しています。

 

 

 前連結会計年度末日における日立金属の資産、負債及び資本は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

現金及び現金同等物

 

100,936

売上債権及び契約資産

 

187,264

棚卸資産

 

 

227,615

有価証券及びその他の金融資産

44,821

その他の流動資産

 

9,028

 流動資産合計

 

569,664

持分法で会計処理されている投資

11,612

有価証券及びその他の金融資産

9,885

有形固定資産

 

 

334,603

のれん

 

 

95,276

その他の無形資産

23,610

その他の非流動資産

 

27,375

 非流動資産合計

 

502,361

  資産の部合計

 

1,072,025

 

 

 

 

 

短期借入金

 

 

100,316

償還期長期債務

 

21,907

その他の金融負債

 

26,121

買入債務

 

 

200,659

未払費用

 

 

41,161

契約負債

 

 

787

その他の流動負債

 

3,849

 流動負債合計

 

394,800

長期負債

 

74,686

退職給付に係る負債

 

63,775

その他の非流動負債

 

3,045

 非流動負債合計

 

141,506

  負債の部合計

 

536,306

 

 

 

親会社株主持分

 

284,484

非支配持分

 

251,235

 資本の部合計

 

535,719

  負債・資本の部合計

 

1,072,025

 

(4)㈱日立物流(以下、日立物流)株式の売却

 当社は、Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.が間接的に保有・運営するHTSK Investment L.P.が発行済株式の全てを所有しているHTSKホールディングス㈱(以下、公開買付者親会社)の完全子会社であるHTSK㈱(以下、公開買付者)との間で、当社の持分法適用会社で、セグメント情報に含まれる「全社」に属する日立物流の普通株式(以下、日立物流株式)に対して、以下の3点等に関する基本契約(以下、基本契約に定めた一連の取引を本取引とする)を、2022年4月28日に締結しました。

①公開買付者により、日立物流株式に対して実施される公開買付け(以下、本公開買付け)の際に、当社は、当社が保有する日立物流株式の全て(以下、当社売却予定株式)について本公開買付けに応募しないこと。

②日立物流が実施する自己株式取得に応じて当社売却予定株式を売却すること。

③当社は総額100億円の公開買付者親会社の議決権付き株式を取得(議決権比率10%)すること。

 公開買付者は2022年10月28日に本公開買付けを開始し、本公開買付けは2022年11月29日に成立しました。2023年3月1日に当社は日立物流が実施する自己株式取得に応じて日立物流株式を売却しました。当社の売却の対価は、221,983百万円です。

 本取引の結果、日立物流は当社の持分法適用会社ではなくなりました。当社は、日立物流株式の売却に伴って認識した利益140,293百万円を、当連結会計年度の連結損益計算書上、その他の収益に計上しています。

 

 なお、日立物流は2023年4月1日付でロジスティード㈱に商号変更しています。

 

(5)日立Astemo㈱(以下、日立Astemo)株式の売却

 当社は、当社の子会社でオートモティブシステムセグメントに属する日立Astemoの普通株式の一部を日立Astemo及び本田技研工業㈱(以下、本田技研工業)に譲渡し、JICキャピタル㈱(以下、JICC)を新たな共同パートナーとするために以下2つの契約書(契約書に基づき実施される一連の取引を以下、本取引とする)を2023年3月30日に締結しました。

①JICCの100%子会社であるJICC-01合同会社が運用するJICC-01投資事業有限責任組合(以下、JICC-01)との間の、日立AstemoがJICC-01に対して新たに種類株式(以下、本種類株式)を発行すること、及び日立Astemoが本種類株式発行を通じて調達した資金の一部を利用して、当社の保有する日立Astemoの普通株式の一部を対象とする自己株式取得を行うこと、などに関する株式引受契約書

②本田技研工業との間の、本田技研工業が日立Astemoに対して日立Astemo電動機システムズ㈱の株式の現物出資を行い、新たに発行される日立Astemoの普通株式を引き受けること、及び当社が、当社の保有する日立Astemoの普通株式の一部を、本田技研工業に譲渡すること、などに関する現物出資及び株式譲渡に関する契約書

 売却の対価は約1,580億円を予定しています。

 本取引の実施後、日立Astemoに対する当社の所有持分の割合は66.6%から40%となり、日立Astemoは当社の持分法適用会社となる予定です。

 当社は、日立Astemoに対する支配の喪失に伴って認識する利益約1,070億円を、翌連結会計年度の連結損益計算書上、その他の収益に計上する予定です。また、翌連結会計年度の連結持分変動計算書上、非支配持分が約2,580億円減少する予定です。

 

 上記以外の重要な事業再編等は下記のとおりです。

 

(1)鉄道信号関連事業の買収

 当社の子会社で、グリーンエナジー&モビリティセグメントに属するHitachi Rail Ltd.(以下、日立レール社)は、鉄道信号システム事業をグローバルに拡大することを目的として、2021年8月3日、フランスのThales S.A.(以下、Thales社)との間で、Thales社の鉄道信号関連事業の買収に関する契約を締結しました。日立レール社は、競争法その他の法令等に基づき必要なクリアランス・許認可等の取得を前提として、Thales社からカーブアウトされる鉄道信号関連事業の取得を、2023年後半に完了する予定です。対象事業の事業価値について、16億6,000万ユーロ(約2,418億円)で合意しており、最終的な取得の対価は別途調整の後決定されます。当該取引による財政状態及び経営成績に与える影響については、現在算定中です。

 

 

注6.売上債権及び契約資産

 売上債権及び契約資産の内訳は下記のとおりであり、貸倒引当金控除後の金額で表示しています。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

売掛金

2,210,590

1,972,168

契約資産

623,766

804,500

その他

143,793

98,319

合計

2,978,149

2,874,987

 

 その他には受取手形及び電子記録債権が含まれます。

 

注7.棚卸資産

 棚卸資産の内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

製品

713,421

469,770

半製品・仕掛品

772,881

592,860

材料

556,130

583,558

合計

2,042,432

1,646,188

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識され、売上原価に含まれている棚卸資産の金額はそれぞれ6,398,165百万円及び6,560,038百万円です。また、棚卸資産の評価減金額はそれぞれ54,615百万円及び60,278百万円です。

 

注8.持分法で会計処理されている投資

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在の連結財務諸表に含まれる、投資の帳簿価額並びに前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財務諸表に含まれる、持分法適用会社の包括利益に対する当社及び一部の子会社の持分はそれぞれ下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

関連会社

共同支配企業

2022年3月31日

2023年3月31日

2022年3月31日

2023年3月31日

投資の帳簿価額

342,190

396,626

69,011

81,994

 

 なお、2022年3月31日及び2023年3月31日現在において、一部の共同支配企業の損失に対する持分については、その累計額が当該投資を超過しているため、その他の非流動負債にそれぞれ17,067百万円及び1,126百万円計上しています。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

関連会社

共同支配企業

2022年3月31日

2023年3月31日

2022年3月31日

2023年3月31日

当期利益

34,576

40,911

5,909

11,936

その他の包括利益

9,887

△5,857

30,917

21,963

包括利益合計

44,463

35,054

36,826

33,899

 

 

 

注9.有形固定資産

 有形固定資産の帳簿価額の増減内容は下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

土地

建物及び

構築物

機械装置

及び

運搬具

工具、器具

及び備品

使用権資産

その他の

有形

固定資産

建設仮勘定

合計

帳簿価額

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月31日

278,114

718,181

664,173

187,459

303,327

121,552

136,081

2,408,887

取得

2,184

8,471

34,213

18,924

98,788

1,879

224,288

388,747

科目間振替

△1,024

48,107

91,498

40,279

△1,849

6,439

△183,450

売却又は処分

△20,441

△15,460

△5,441

△2,814

△11,634

△16,676

△1,907

△74,373

減価償却費

△55,337

△137,659

△67,363

△98,514

△21,722

△380,595

減損損失

△3,858

△2,313

△5,231

△1,595

△3,254

△46

△1,093

△17,390

連結範囲の異動

△1,497

△2,597

△688

△3,971

△709

3,837

△366

△5,991

為替換算影響額

3,720

26,462

37,617

5,805

15,324

3,806

10,929

103,663

その他

△806

△2,447

852

7,097

10,941

49,405

△9,089

55,953

2022年3月31日

256,392

723,067

679,334

183,821

312,420

148,474

175,393

2,478,901

取得

376

7,000

29,963

19,573

98,585

3,270

190,979

349,746

科目間振替

178

42,212

116,644

37,064

△4,163

7,319

△199,254

売却又は処分

△4,536

△9,584

△4,366

△2,641

△7,020

△11,355

△3,305

△42,807

減価償却費

△50,060

△135,592

△66,387

△91,971

△12,794

△356,804

減損損失

△788

△7,643

△9,618

△1,339

△371

△50

△1,846

△21,655

連結範囲の異動

△113,663

△202,652

△209,118

△25,091

△73,035

△142,155

△33,616

△799,330

為替換算影響額

2,868

15,559

25,234

3,838

6,992

△428

4,028

58,091

その他

466

4,891

914

9,230

1,495

20,051

△2,718

34,329

2023年3月31日

141,293

522,790

493,395

158,068

242,932

12,332

129,661

1,700,471

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において認識された減価償却費の金額は、連結損益計算書の売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれています。また、減損損失の金額は、連結損益計算書のその他の費用に含まれています。

 

 有形固定資産の取得原価並びに減価償却累計額及び減損損失累計額は下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

土地

建物及び

構築物

機械装置

及び

運搬具

工具、器具

及び備品

使用権資産

その他の

有形

固定資産

建設仮勘定

合計

取得原価

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月31日

359,702

1,822,715

2,861,627

996,172

615,323

207,058

305,835

7,168,432

2022年3月31日

329,445

1,852,873

3,024,650

1,001,685

657,010

246,691

353,891

7,466,245

2023年3月31日

210,288

1,302,106

2,186,968

865,630

526,665

26,543

313,586

5,431,786

減価償却累計額及び

減損損失累計額

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月31日

△81,588

△1,104,534

△2,197,454

△808,713

△311,996

△85,506

△169,754

△4,759,545

2022年3月31日

73,053

1,129,806

2,345,316

817,864

344,590

98,217

178,498

4,987,344

2023年3月31日

68,995

779,316

1,693,573

707,562

283,733

14,211

183,925

3,731,315

 

 前連結会計年度中に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。

 IT(現デジタルシステム&サービス)セグメントにおいて、4,071百万円の損失を計上しています。主な内容は、サービス&プラットフォーム事業における一部の国内子会社において計上した、拠点集約に伴う土地等の処分確定資産にかかる減損損失です。

 インダストリー(現コネクティブインダストリーズ)セグメントにおいて、4,406百万円の損失を計上しています。主な内容は、産業・流通ソリューション事業における一部事業撤退に伴う使用権資産の事業用資産にかかる減損損失です。

 オートモティブシステムセグメントにおいて、4,362百万円の損失を計上しています。主な内容は、オートモティブシステム事業における海外子会社の一部工場において計上した、収益性の低下による機械装置等の事業用資産にかかる減損損失です。

 

 当連結会計年度中に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。

 グリーンエナジー&モビリティセグメントにおいて、11,292百万円の損失を計上しています。主な内容は、鉄道事業の英国子会社における車両製造工場の収益性低下に伴い計上した、建物及び構築物5,834百万円、機械装置4,548百万円、土地190百万円の減損損失です。

 

注10.のれん及びその他の無形資産

 のれん及びその他の無形資産の帳簿価額の増減は下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

その他の無形資産

 

のれん

自社利用

ソフト

ウェア

市場販売

ソフト

ウェア

顧客関係

技術

その他

帳簿価額

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月31日

1,161,210

134,770

44,819

459,211

119,567

206,463

964,830

内部開発

20,346

6,102

78,657

105,105

外部購入

4,634

126

33,415

38,175

科目間振替

44,100

24,600

△68,700

償却費

△46,431

△22,469

△37,244

△14,384

△36,802

△157,330

減損損失

△6,117

△1,744

△5,750

△3,940

△11,434

処分

△3,348

△53

△780

△4,181

連結範囲の異動

824,914

190

116

227,424

739

1,783

230,252

為替換算影響額

173,699

3,481

1,761

62,262

11,250

14,057

92,811

その他

△1,190

306

△216

△1,100

2022年3月31日

2,153,706

154,808

49,558

711,653

117,172

223,937

1,257,128

内部開発

24,833

10,515

88,573

123,921

外部購入

4,167

86

30,112

34,365

科目間振替

56,620

15,141

△71,761

償却費

△51,787

△21,052

△45,687

△15,703

△33,669

△167,898

減損損失

△84,126

△10,886

△6,164

△6,694

△23,744

処分

△1,696

△30

△1,865

△3,591

連結範囲の異動

△87,966

△20,229

△322

△15,534

△6,426

△14,927

△57,438

為替換算影響額

183,736

2,522

1,707

53,253

10,105

12,139

79,726

その他

492

11

1,716

2,219

2023年3月31日

2,165,350

158,844

49,450

703,685

105,148

227,561

1,244,688

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において認識された償却費の金額は、連結損益計算書の売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれています。また、減損損失の金額は、連結損益計算書のその他の費用に含まれています。

 

 のれん及びその他の無形資産の取得原価並びに償却累計額及び減損損失累計額は下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

その他の無形資産

 

のれん

自社利用

ソフト

ウェア

市場販売

ソフト

ウェア

顧客関係

技術

その他

取得原価

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月31日

1,218,173

650,657

569,118

526,285

140,995

551,304

2,438,359

2022年3月31日

2,210,512

696,925

602,142

801,610

149,743

636,471

2,886,891

2023年3月31日

2,229,739

699,414

621,620

815,503

145,470

524,418

2,806,425

償却累計額及び

減損損失累計額

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月31日

△56,963

△515,887

△524,299

△67,074

△21,428

△344,841

△1,473,529

2022年3月31日

56,806

542,117

552,584

89,957

32,571

412,534

1,629,763

2023年3月31日

64,389

540,570

572,170

111,818

40,322

296,857

1,561,737

 

 当社は、全額を減損損失として認識したのれんについては、取得原価と減損損失累計額の両方から除いています。

 

 前連結会計年度中に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。

 IT(現デジタルシステム&サービス)セグメントにおいて、16,503百万円の損失を計上しています。主な内容は、市場動向の変化等に伴う将来収益見込みの減少によるのれん及び市場販売ソフトウェア等の減損損失です。

 

 当連結会計年度中に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。

 デジタルシステム&サービスセグメントにおいて、52,036百万円の損失を計上しています。主な内容は、ERPオンプレミス型事業を非注力分野に位置付けたことに伴う当該事業ののれん31,917百万円全額の減損損失の計上、及び市場動向の変化等に伴う将来収益見込みの減少による自社利用ソフトウェア9,599百万円、市場販売ソフトウェア6,164百万円の減損損失の計上です。

 グリーンエナジー&モビリティセグメントにおいて、38,411百万円の損失を計上しています。主な内容は、パワーグリッド事業において当第2四半期連結会計期間に計上したのれんに係る減損損失38,394百万円です。これは急激な金利上昇等による割引率の上昇に伴い計上したもので、回収可能価額は使用価値に基づき、減損損失を認識した2022年9月30日時点で10,600百万米ドル(1,534,986百万円)と評価しています。当該使用価値を算出するにあたっては、5年間の事業計画を基礎とし、6年目以降については成長率2.8%を加味した将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率13.2%(税引前)で現在価値に割引いています。事業計画における主要な仮定は、売上収益成長率及び売上総利益率であり、外部情報及び過去の経験を反映したものです。事業計画後の成長率は外部調査機関の公表した長期インフレ率及び割引率に織り込まれた減損テスト時点の金利の影響を考慮して設定しています。

 

 耐用年数を確定することのできないその他の無形資産の帳簿価額は、2022年3月31日において23,530百万円です。このうち、主な内容はブランドであり、これらは事業が存続する限り永続的にキャッシュ・インフローを創出するものであることから耐用年数の確定ができないと判断しています。

 

 研究開発活動による支出のうち、新規の科学的又は技術的な知識、及び理解を得る目的で実施される研究活動に対する支出は全て発生時に費用処理しています。また、商業生産または使用の開始以前における、生産計画や設計等の新規又は大幅な改良を目的で実施される開発活動による支出については、関連する無形資産に起因する支出が信頼性をもって測定ができる場合において、当社が無形資産の開発を完成させることが実現可能であり、かつ、将来的な経済的便益を得られる可能性が高い場合にのみ自己創設無形資産として資産計上を行い、それ以外の支出は発生時に費用処理をしています。

 

 その他の無形資産のうち、自己創設に該当するその他の無形資産の償却累計額及び減損損失累計額控除後の帳簿価額は、2022年3月31日及び2023年3月31日現在において、それぞれ260,189百万円及び286,839百万円であり、主に自社利用ソフトウェア及び市場販売ソフトウェアに計上しています。

 

 また、当社の前連結会計年度及び当連結会計年度における期中に費用として認識された研究開発活動による支出は317,383百万円及び316,280百万円であり、連結損益計算書の売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれています。

 

 企業結合により取得したのれんは、資金生成単位又は資金生成単位グループごとに帳簿価額と回収可能価額を比較し、減損テストを実施しています。

 

 前連結会計年度において、重要なのれんが配分されている資金生成単位グループは下記のとおりです。

 2022年3月31日において、エネルギー(現グリーンエナジー&モビリティ)セグメントに属するパワーグリッド事業に配分されたのれんの帳簿価額は513,616百万円です。前連結会計年度のパワーグリッド事業におけるのれんの減損テストに用いた回収可能価額は、使用価値で算定しています。使用価値を算定するにあたっては、5年間の事業計画を基礎とし、6年目以降については成長率2.3%を加味した将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率10.6%(税引前)で現在価値に割り引いています。事業計画における主要な仮定は、売上収益成長率及び売上総利益率であり、外部情報及び過去の経験を反映したものです。

 

 2022年3月31日において、IT(現デジタルシステム&サービス)セグメントに属するサービス&プラットフォームBUに配分されたのれんの帳簿価額は1,107,575百万円です。前連結会計年度のサービス&プラットフォームBUにおけるのれんの減損テストに用いた回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値で算定しています。処分費用控除後の公正価値は、マーケット・アプローチを使用し、サービス&プラットフォームBUと比較可能な類似会社のEV/EBITDAの評価倍率に基づいて算定しています。当該公正価値測定のヒエラルキーは、観察可能でない指標を用いて測定するレベル3に分類されます。

 

 当連結会計年度において、重要なのれんが配分されている資金生成単位グループは下記のとおりです。

 2023年3月31日現在において、グリーンエナジー&モビリティセグメントに属するパワーグリッド事業に配分されたのれんの帳簿価額は524,951百万円です。当第2四半期連結会計期間において、当該のれんに係る減損損失を計上しています。当第2四半期連結会計期間における減損テストの詳細は、上記の当連結会計年度中に計上した減損損失の主な内容に記載しています。当第2四半期連結会計期間の減損テストに加え、パワーグリッド事業では当第4四半期連結会計期間において年次減損テストを実施しました。当連結会計年度のパワーグリッド事業におけるのれんの年次減損テストに用いた回収可能価額は、使用価値で算定しています。使用価値を算定するにあたっては、5年間の事業計画を基礎とし、6年目以降については成長率2.9%を加味した将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率13.2%(税引前)で現在価値に割り引いています。事業計画における主要な仮定は、売上収益成長率及び売上総利益率であり、外部情報及び過去の経験を反映したものです。また、事業計画後の成長率は外部調査機関の公表した長期インフレ率及び割引率に織り込まれた減損テスト時点の金利の影響を考慮して設定しています。年次減損テストの結果、追加の減損損失は計上されませんでした。

 

 2023年3月31日現在において、デジタルシステム&サービスセグメントに属するサービス&プラットフォームBUに配分されたのれんの帳簿価額は1,238,239百万円です。当連結会計年度のサービス&プラットフォームBUにおけるのれんの減損テストに用いた回収可能価額は、使用価値で算定しています。使用価値を算定するにあたっては、8年間の事業計画を基礎とし、9年目以降については成長率2.9%を加味した将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率11.1%(税引前)で現在価値に割り引いています。事業計画における主要な仮定は、売上収益成長率及びEBITDA率であり、外部情報及び過去の経験を反映したものです。サービス&プラットフォームBUの主要な事業特有の中長期的な成長率を反映させることが適切と判断し、事業計画の対象期間を8年間として策定しています。

 

 なお、各資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんについて、減損テストに用いた主要な仮定が合理的な範囲で変動があった場合にも、帳簿価額が回収可能価額を上回る可能性は低いと判断しています。

 

注11.リース

(1)借手側

 当社及び一部の子会社は、リースとして、建物、機械装置及び車両等を中心とした設備を使用しています。

 

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在における使用権資産の原資産の種類別の帳簿価額は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

原資産の種類

合計

建物及び

構築物

機械装置及び

運搬具

工具、器具

及び備品

土地

その他

2022年3月31日

224,393

32,019

16,094

39,492

1,081

313,079

2023年3月31日

179,878

22,200

16,813

22,468

2,001

243,360

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに関連する費用及びキャッシュ・アウトフローは、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

使用権資産の減価償却費

 

 

建物及び構築物

76,495

74,229

機械装置及び運搬具

12,194

9,449

工具、器具及び備品

7,382

6,928

土地

2,389

1,328

その他

220

284

 合計

98,680

92,218

リース負債に係る支払利息

5,606

5,151

短期リースに係る費用等

26,416

26,192

リースに関連する費用合計

130,702

123,561

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

リースに係るキャッシュ・アウトフロー合計

141,292

128,590

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、注9.有形固定資産に記載しています。

 また、2022年3月31日及び2023年3月31日現在におけるリース負債の満期分析は、注25.金融商品及び関連する開示に記載しています。

 

(2)貸手側

 当社及び一部の子会社は、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースとして、建物、機械装置等を中心とした設備を賃貸しています。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係る収益は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

ファイナンス・リースに係るリース収益

1,021

718

オペレーティング・リースに係るリース収益

55,777

32,460

リースに係る収益合計

56,798

33,178

 

なお、ファイナンス・リースに係るリース収益の主な内訳は、正味リース投資未回収額に係る金融収益です。

 

① ファイナンス・リース

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在のファイナンス・リースに係るリース料債権の満期分析は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

割引前受取リース料

 

 

1年以内

43,007

10,055

1年超5年以内

32,237

10,090

5年超

3,871

6,225

 合計

79,115

26,370

リース料債権に係る未稼得金融収益

△5,231

△3,087

正味リース投資未回収額

73,884

23,283

 

② オペレーティング・リース

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在のオペレーティング・リースに係る割引前受取リース料の満期分析は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

1年以内

2,554

198

1年超5年以内

3,040

24

5年超

178

合計

5,772

222

 

注12.繰延税金及び法人所得税

 法人所得税費用及びその他の包括利益純額に係る繰延税金の内訳は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

法人所得税費用

 

 

当期分

158,988

280,420

繰延税金

 

 

一時差異等の発生と解消

89,603

△76,126

未認識の繰延税金資産の増減

△80,122

△88,193

合計

168,469

116,101

その他の包括利益に係る繰延税金

 

 

その他の包括利益を通じて測定する金融資産の

公正価値の純変動額

△5,834

13,528

確定給付制度の再測定

9,466

△23,224

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動額

5,254

3,899

在外営業活動体の換算差額

3,702

△2,782

合計

12,588

△8,579

 

 当社及び国内の子会社は、課税所得に対して、主に法人税、住民税及び事業税が課されており、前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率はおよそ30.5%です。

 

 当社及び一部の国内子会社は、当連結会計年度からグループ通算制度を適用しています。また、一部の海外子会社は連結納税制度を適用しています。

 

 前連結会計年度における未認識の繰延税金資産の増減には、GlobalLogic社の買収に伴い、未使用の税務上の繰越欠損

金等に対する繰延税金資産を認識したことによる減少が37,136百万円含まれています。また、当連結会計年度において、グループ通算制度を適用している当社および国内の一部の子会社において、将来の課税所得の計上に関する長期的な見通しが改善したことを踏まえ、繰延税金資産の実現可能性を見直した結果、将来減算一時差異のうち過去に認識されていなかった部分の一部に対して繰延税金資産を認識しました。

 

 

 税率差異の調整は、下記のとおりです。

 

 

2022年3月31日

2023年3月31日

法定実効税率

30.5%

30.5%

持分法による投資損益

△1.5

△2.0

子会社投資及び持分法で会計処理されている投資の

税務上の簿価に対する超過額

2.6

0.9

子会社投資及び持分法で会計処理されている投資の

売却に係る損益

△0.6

△9.4

損金不算入の費用

0.7

1.2

のれんの減損

0.2

3.1

未認識の繰延税金資産の増減

△9.5

△9.1

国内会社の法定実効税率と海外会社の税率差

△3.1

△3.1

その他(純額)

0.8

2.1

税金充当率

20.1%

14.2%

 

 繰延税金資産及び負債の増減内容は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

期首残高(繰延税金資産-純額)

10,879

△44,897

純損益として認識

△9,481

164,319

その他の包括利益として認識

△12,588

8,579

連結範囲の異動他

△33,707

△11,614

期末残高(繰延税金資産-純額)

△44,897

116,387

 

 繰延税金資産及び負債の主な内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

連結財政状態計算書

連結損益計算書

2022年

3月31日

2023年

3月31日

2022年

3月31日

2023年

3月31日

繰延税金資産

 

 

 

 

退職給付に係る負債

19,537

65,082

△15,959

45,642

未払費用

142,349

180,488

10,192

43,833

有形固定資産に係る減価償却

5,868

12,253

△4,546

2,290

繰越欠損金

74,316

62,981

24,694

△4,478

棚卸資産及び固定資産未実現利益

25,340

23,955

602

3,221

繰延収益

17,745

22,917

1,449

4,379

その他

61,928

57,964

16,424

20,669

繰延税金資産総額

347,083

425,640

32,856

115,556

繰延税金負債

 

 

 

 

圧縮記帳

△6,480

△1,489

190

90

有価証券

△152,766

△102,897

△42,609

33,423

無形資産

△213,715

△196,534

14,046

19,114

その他

△19,019

△8,333

△13,964

△3,864

繰延税金負債総額

△391,980

△309,253

△42,337

48,763

繰延税金資産純額

△44,897

116,387

△9,481

164,319

 

 

 繰延税金資産純額は、連結財政状態計算書の下記区分に含めて表示しています。

 

(単位:百万円)

 

2022年

3月31日

2023年

3月31日

その他の非流動資産

128,347

271,567

その他の非流動負債

△173,244

△155,180

合計

△44,897

116,387

 

 当社は、予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いため、再投資されると考えられる子会社又は持分法適用会社に対する投資の税務上の簿価を超過する部分については、繰延税金負債を計上していません。

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在の繰延税金負債として認識されていない子会社の未分配利益に関連する一時差異の総額は、それぞれ853,870百万円及び849,240百万円です。

 

 繰延税金資産の実現可能性を評価するにあたり、当社は、同資産の一部または全部が実現しない蓋然性の検討を行っています。同資産が最終的に実現するか否かは、これらの一時差異等が、将来、それぞれの納税地域における納税額の計算上、課税所得の減額あるいは税額控除が可能となる会計期間において、課税所得を計上しうるか否かによります。実現可能性は確定的ではないですが、実現可能性の評価において、当社は、繰延税金負債の振り戻しの予定及び予想される将来の課税所得を考慮しています。これらの諸要素に基づき当社は、2023年3月31日現在の認識可能と判断された繰延税金資産が実現する蓋然性は高いと判断しています。

 

 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

将来減算一時差異

1,472,491

1,012,587

繰越欠損金

639,614

623,273

合計

2,112,105

1,635,860

 

 繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の繰越期限は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

5年以内

148,530

119,265

5年超10年以内

195,641

201,007

10年超及び繰越期限なし

295,443

303,001

合計

639,614

623,273

 

注13.買入債務

 買入債務の内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

買掛金

1,606,006

1,463,971

その他

148,627

84,526

合計

1,754,633

1,548,497

 

 その他には電子記録債務及び支払手形が含まれます。

 

注14.引当金

 当連結会計年度の引当金の内訳及び増減は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

資産除去債務

事業構造改革

関連引当金

製品保証引当金

工事損失引当金

その他の引当金

2022年3月31日残高

32,685

8,182

69,647

90,758

132,388

期中増加額

2,406

9,323

24,746

70,715

26,964

目的取崩による減少

△1,547

△10,211

△19,666

△68,113

△26,646

連結範囲の異動

△3,293

△31

△3,924

△5,794

為替換算影響額他

△208

659

537

1,592

3,544

2023年3月31日残高

30,043

7,922

71,340

94,952

130,456

流動負債

1,429

7,582

59,734

93,412

115,800

非流動負債

28,614

340

11,606

1,540

14,656

 

資産除去債務

 当社及び子会社が使用する工場設備や敷地等の賃貸借契約に付随する原状回復義務等、通常の使用に供する固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務を有する場合には、主に過去の実績等に基づき算出した将来支出の見積額に基づき資産除去債務を認識しています。

 

事業構造改革関連引当金

 当社及び子会社における事業の全部又は一部に関する事業構造改革に関する詳細な公式計画を有し、かつ、計画の実施や公表を通じて影響を受ける関係者に当該事業構造改革が確実に実施されることについて妥当な期待を生じさせた時点で、事業構造改革に関連して発生する直接支出の見積額に基づき引当金を認識しています。

 事業構造改革関連引当金には、主に事業構造改革に伴う特別退職金を計上しています。

 

製品保証引当金

 当社及び子会社は、一部の製品及びサービスに対する保証を行っているため、主に過去の保証実績に基づき算定した将来支出の見積額に基づき引当金を認識しています。

 

工事損失引当金

 当社及び子会社は、請負工事等の長期請負契約等の履行に伴い、将来において発生する損失の見積額に基づき引当金を認識しています。

 

注15.従業員給付

(1)退職後給付

 当社及び一部の子会社は、従業員の退職給付に備え、確定給付型の年金制度及び退職一時金制度、並びに確定拠出型の年金制度を設けており、ほぼ全ての従業員が対象となっています。

 

 確定給付型年金制度の主なものは、確定給付企業年金法に基づく企業年金制度であり、その一部についてキャッシュバランスプラン制度を採用しています。キャッシュバランスプランにおける給付は、加入者毎に仮想個人口座を設け、給付水準等に基づく拠出クレジット及び市場金利動向に基づく利息クレジットにより算定されます。

 確定給付企業年金法に基づき、当社には企業年金制度を運営する日立企業年金基金(以下、「基金」)への掛金の拠出等の義務が課されています。基金の理事には、法令、法令に基づく厚生労働大臣又は地方厚生局長による処分、基金の規約及び代議員会の決議を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務が課されています。また、理事に対しては、自己又は第三者の利益を図る目的をもって、給付に充てるべき積立金(以下、「積立金」)の管理及び運用の適正を害する行為をしてはならないこと、積立金の管理及び運用に関する基金の業務について、その任務を怠った場合には、基金に対して連帯責任を負うことが規定されています。

 基金は、当社より法的に独立した機関であり、基金の代議員会は、雇用主側において選定された代表者(選定代議員)及び従業員側において選出された代表者(互選代議員)の同一人数にて構成され、代議員会の議事は出席した代議員の過半数で決定していますが、可否同数の場合は、特段重要な事項の議事を除き、議長が決定します。

 積立金の運用については、代議員会の決議を経た運用管理規定により定められている契約内容に基づき、運用受託機関が行います。基金は運用に関する基本方針を作成するとともに、基本方針に整合した運用指針を作成し運用受託機関に交付すること等により、積立金の運用を安全かつ効率的に行う義務を果たしています。

 当社は、将来にわたり基金が定める積立金の掛金の拠出義務を負っています。掛金の額は法令が認める範囲で定期的に見直されます。

 

 2019年4月1日に当社及び当社の子会社が日立企業年金基金の年金制度の加入者を対象にリスク分担型企業年金制度を導入して以降、日立企業年金基金に加入する他の子会社についてもリスク分担型企業年金制度への移行を進めており、2022年4月1日に43社が日立企業年金基金の年金制度の加入者を対象として、リスク分担型企業年金制度を導入しました。これにより、日立企業年金基金に加入するほぼ全ての会社の年金制度が、確定給付型年金制度からリスク分担型企業年金制度へと移行したことになります。当該制度は、標準掛金相当額の他に、リスク対応掛金相当額があらかじめ規約に定められており、毎連結会計年度におけるリスク分担型企業年金の財政状況に応じて給付額が増減し、年金財政上の均衡が図られることとなります。

 なお、当社及び当社の子会社が導入したリスク分担型企業年金は労使でリスクを分担する仕組みであり、雇用主は当該制度への移行時点で労使合意により予め定められたリスクへの対応分(リスク対応掛金)を含む固定の掛金を拠出することにより一定のリスクを負い、加入者も財政バランスが崩れた場合には給付調整が行われることで一定のリスクを負っています。従来型の確定給付型年金制度は、積立不足が生じた時に雇用主に追加の掛金負担が生じますが、リスク分担型企業年金は、予め将来発生するリスクを測定し労使合意によりその範囲内でリスク対応掛金を拠出し平準的な拠出とするものです。移行時に算定された財政悪化リスク相当額の水準を踏まえ定めたリスク対応掛金相当額を制度改訂日以降5年定額で拠出し、これら拠出の完了後、追加的な掛金は発生しません。

 退職後給付に係る会計処理において、リスク分担型企業年金のうち、企業の拠出義務が規約に定められた掛金の拠出に限定され、企業が当該掛金相当額の他に、追加掛金の拠出義務を実質的に負っていないものは確定拠出制度に分類されます。当社及び当社の子会社が導入したリスク分担型企業年金制度は追加掛金の拠出義務を実質的に負っておらず、確定拠出型年金制度に分類されます。そのため、2022年4月1日に43社が新たにリスク分担型企業年金制度を導入したことに伴い、当連結会計年度において、制度移行した部分に係る退職給付債務とその減少分相当額に係る当該制度に移行した資産の額との差額51,185百万円を、制度移行に伴う清算損として連結損益計算書のその他の費用に計上しています。また、当該制度移行により連結財政状態計算書のその他の非流動資産が49,334百万円減少し、退職給付に係る負債が1,851百万円増加しています。その他、当該制度移行が当連結会計年度の損益に与える影響は重要ではありません。

 

 退職一時金制度は、退職者に対し一時金を支給するもので、給付は退職時の給与水準及び勤続年数等に基づき算定されます。退職一時金制度については、当社及び一部の子会社が直接退職者への支給義務を負っています。

 

 確定拠出年金制度は、加入期間にわたり会社が掛金を拠出し、加入者自らが積立金の運用を行う制度です。給付は受託機関が行うものであり、当社及び一部の子会社の義務は掛金の拠出に限定されます。

 

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度の確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の変動は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

確定給付制度債務の変動

 

 

確定給付制度債務期首残高

1,934,204

1,879,432

勤務費用

64,728

33,847

利息費用

11,654

10,629

制度改訂影響額

△523

△85

数理計算上の差異

△35,223

△32,352

退職給付支払額

△100,347

△89,487

連結範囲の異動

△3,053

△272,034

確定拠出年金制度移行影響額

△589

△3,114

制度の清算・縮小

△4,788

△3,901

リスク分担型企業年金制度移行影響額

△10,448

△498,477

為替換算影響額

23,817

29,112

確定給付制度債務期末残高

1,879,432

1,053,570

制度資産の変動

 

 

制度資産の期首公正価値

1,584,799

1,598,966

利息収益

9,542

7,845

制度資産に係る収益

(利息収益除く)

11,456

△15,176

会社拠出額

66,986

14,265

従業員拠出額

2,754

3,580

退職給付支払額

△73,796

△66,084

連結範囲の異動

△3,569

△208,104

確定拠出年金制度移行影響額

△14

△830

制度の清算・縮小

△5,134

△3,886

リスク分担型企業年金制度移行影響額

△10,201

△549,662

為替換算影響額

16,143

19,150

制度資産の期末公正価値

1,598,966

800,064

資産上限額の影響

8,692

8,186

連結財政状態計算書に計上した純額

289,158

261,692

 

 数理計算上の差異発生額の内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

財務上の仮定の変化により生じるもの

33,091

35,015

人口統計上の仮定の変化により生じるもの

△2,799

140

その他

4,931

△2,803

 

 当社及び一部の子会社は、確定給付制度債務及び制度資産の測定日を連結会計年度末日としています。数理計算に使用した割引率の仮定は、下記のとおりです。

 

 

2022年3月31日

2023年3月31日

割引率

0.8%

1.2%

 

 2023年3月31日現在において、割引率が0.5%変化した場合に想定される確定給付制度債務に与える影響は、仮に割引率が0.5%増加した場合は44,496百万円減少し、割引率が0.5%減少した場合48,584百万円増加します。

 感応度分析は、他の前提条件を一定であることを前提としていますが、実際は、他の前提条件の変化が感応度分析に影響する可能性があります。

 

 基金における制度資産の運用は、積立金の安全かつ効率的な運用、分散投資及び長期にわたり持続的に維持すべき資産の構成割合の決定が基本方針として定められています。将来にわたり、年金給付に必要かつ十分な時価資産の蓄積を図り、また長期的に安定した収益を確保するための目標収益率を定め、その目標収益率を達成するために政策的資産構成割合を策定の上、各資産に分散投資を行っています。政策的資産構成割合は、各資産区分の期待収益率、収益率の標準偏差及び資産間の相関係数を考慮しています。また、一定以上の時価変動があった場合は、資産構成割合を政策的資産構成割合に調整する等の適切なリスク管理を行っています。

 運用受託機関及び資産管理機関の選定にあたっては、適切な定量評価、定性評価に基づき行っています。また、運用受託機関に対し運用方針等を明示し、定期的な運用状況の報告を受ける等の適切な監督を行っています。

 

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在における、制度資産の公正価値は下記のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

活発な市場における公表市場価格

合計

あるもの

ないもの

資本性証券

10,631

339

10,970

公債

4,821

1,011

5,832

社債及びその他の負債証券

13,844

13,844

ヘッジファンド

45,243

45,243

証券化商品

44,205

44,205

現金及び現金同等物

34,279

34,279

生保一般勘定

155,627

155,627

合同運用投資

1,255,021

1,255,021

その他

1,869

32,076

33,945

合計

51,600

1,547,366

1,598,966

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2023年3月31日

活発な市場における公表市場価格

合計

あるもの

ないもの

資本性証券

1,178

168

1,346

公債

3,203

200

3,403

社債及びその他の負債証券

5,783

5,783

ヘッジファンド

23,426

23,426

証券化商品

13,963

13,963

現金及び現金同等物

30,694

30,694

生保一般勘定

79,720

79,720

合同運用投資

604,746

604,746

その他

3,085

33,898

36,983

合計

38,160

761,904

800,064

 

 資本性証券は、前連結会計年度において国内上場株式が約40%、海外上場株式が約60%、当連結会計年度においては国内上場株式が約10%、海外上場株式が約90%を占めています。

 公債は、国内の公債が前連結会計年度において約1%を占め、その主な内訳は日本国債であり、当連結会計年度においては約2%を占め、その主な内訳は日本国債です。海外の公債は、前連結会計年度において約99%を占め、その主な内訳は外国国債であり、当連結会計年度においては約98%を占め、その主な内訳は外国国債です。

 社債及びその他の負債証券は、前連結会計年度においては、国内が約4%、海外が約96%を占めており、当連結会計年度においては海外が100%を占めています。

 ヘッジファンドは、主に相対価値戦略型ヘッジファンド、イベントドリブン型ヘッジファンド、株式ロングショート型ヘッジファンド、マクロ及びコモディティ・トレーディング・アドバイザー(CTA)型ヘッジファンドに投資しています。

 証券化商品は、主に国内不動産私募ファンドへの出資や、海外シニアローンを担保資産とする証券化商品の債券及び劣後証券に投資しています。

 合同運用投資は、前連結会計年度及び当連結会計年度において上場株式が約30%、公債が約40%、社債及びその他の負債証券が約10%、現金及び現金同等物が約10%、その他の資産が約10%を占めています。

 

 日立企業年金基金における年金積立は、年金制度資産の積立状況、数理計算等の様々な要因を考慮の上行われます。また、日立企業年金基金の規約においては、確定給付企業年金法の規定に従い、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、5年毎に事業年度末日を基準日として掛金の額の再計算を行うことが規定されています。再計算では、基金財政上の基礎率(予定利率、死亡率、脱退率等)を見直し、掛金を見直しています。

 

 翌連結会計年度の確定給付年金制度における拠出の見込額は11,742百万円です。

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在における確定給付制度債務の加重平均デュレーション(平均支払見込期間)は、それぞれ12.1年及び9.8年です。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度の当社及び子会社における確定拠出年金制度への拠出に係る費用認識額は、それぞれ44,123百万円及び44,087百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度の当社及び子会社におけるリスク分担型企業年金制度への拠出に係る費用認識額は、それぞれ18,011百万円及び39,629百万円です。なお、翌連結会計年度以降に拠出するリスク対応掛金の見込み額は12,308百万円です。

 

(2)従業員給付費用

 前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書上に含まれる従業員給付費用の合計金額は、それぞれ2,742,701百万円及び2,937,094百万円です。

 

注16.資本

(1)普通株式

 

2022年3月31日

2023年3月31日

発行可能株式総数

2,000,000,000

2,000,000,000

 

 

 

(単位:百万円)

 

発行済株式の総数

資本金額

2021年3月31日

967,885,277

460,790

2022年3月31日

968,234,877

461,731

2023年3月31日

938,083,077

462,817

(注)前連結会計年度において、当社は譲渡制限付株式報酬として新株式を発行し、当社の発行済株式総数は、2021年6月15日付で349,600株増加しました。

当連結会計年度において、当社は譲渡制限付株式報酬として新株式を発行し、当社の発行済株式総数は、2022年6月15日付で337,000株増加しました。また、自己株式の消却により、当社の発行済株式総数は、2022年12月14日付で30,488,800株減少し、938,083,077株となりました。

 

 当社が発行する株式は無額面の普通株式です。また、上記の発行済株式の総数には自己株式が含まれています。前連結会計年度及び当連結会計年度における自己株式の増減は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

自己株式数

自己株式

2021年3月31日

1,055,799

3,493

自己株式の取得

178,413

 

251

自己株式の売却

△235,491

 

△742

2022年3月31日

998,721

3,002

自己株式の取得

30,084,761

 

200,212

自己株式の売却

△83,852

 

△258

自己株式の消却

△30,488,800

 

△199,417

2023年3月31日

510,830

3,539

 

 なお、2022年3月31日及び2023年3月31日現在における関連会社が保有する当社株式数は、それぞれ33,200株及び31,100株です。

 

(2)剰余金

① 資本剰余金

 日本における会社法(以下、会社法)では、株式の発行に対して払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されています。

 資本剰余金の増減には、当社の子会社に対する持分の変動による影響及び自己株式の消却による減少等が含まれています。前連結会計年度における増減のうち、主なものは、当社及び当社の子会社が非支配持分株主に対して付与した売建プット・オプションによる減少です。当連結会計年度における増減のうち、主なものは、自己株式の消却による減少です。

 なお、資本剰余金の期末残高が負の値になる場合は、利益剰余金から振替を行い、資本剰余金をゼロとしています。

 

② 利益剰余金

 会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本剰余金に含まれている資本準備金及び利益剰余金に含まれている利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。

 

注17.その他の包括利益累計額及びその他の包括利益

 前連結会計年度及び当連結会計年度の連結持分変動計算書に計上された、関連する税効果影響額控除後のその他の包括利益累計額は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

在外営業活動体の換算差額

 

 

期首残高

110,727

444,651

その他の包括利益純額

322,062

166,238

非支配持分振替額

11,862

24,371

期末残高

444,651

635,260

確定給付制度の再測定

 

 

期首残高

80,300

105,675

その他の包括利益純額

26,092

38,254

非支配持分振替額

264

41

利益剰余金への振替額

△981

△56,003

期末残高

105,675

87,967

その他の包括利益を通じて測定する金融資産の

公正価値の純変動額

 

 

期首残高

135,022

110,109

その他の包括利益純額

△11,461

22,260

非支配持分振替額

428

△47

利益剰余金への振替額

△13,880

△16,967

期末残高

110,109

115,355

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動額

 

 

期首残高

△52,488

△21,172

その他の包括利益純額

37,845

29,943

その他

△6,529

△961

期末残高

△21,172

7,810

その他の包括利益累計額合計

 

 

期首残高

273,561

639,263

その他の包括利益純額

374,538

256,695

非支配持分振替額

12,554

24,365

利益剰余金への振替額

△14,861

△72,970

その他

△6,529

△961

期末残高

639,263

846,392

 

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度の非支配持分を含むその他の包括利益の各区分の当期損益項目との調整額及び各項目の税効果影響額は、下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

2022年3月31日

税効果影響額控除前

税効果影響額

税効果影響額控除後

 

その他の包括利益

 

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

396,113

△3,702

392,411

 

確定給付制度の再測定

40,261

△9,466

30,795

 

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

△17,058

5,834

△11,224

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

13,426

△5,213

8,213

 

持分法のその他の包括利益

32,730

△2,881

29,849

 

合計

465,472

△15,428

450,044

 

その他の包括利益と

当期損益項目との調整額

 

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

△922

△922

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

0

△41

△41

 

持分法のその他の包括利益

12,126

△1,171

10,955

 

合計

11,204

△1,212

9,992

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

395,191

△3,702

391,489

確定給付制度の再測定

40,261

△9,466

30,795

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

△17,058

5,834

△11,224

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

13,426

△5,254

8,172

持分法のその他の包括利益

44,856

△4,052

40,804

合計

476,676

△16,640

460,036

非支配持分に帰属する

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

 

81,063

確定給付制度の再測定

 

 

4,595

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

 

△58

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

 

 

△102

合計

 

 

85,498

親会社株主持分に帰属する

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

 

310,426

確定給付制度の再測定

 

 

26,200

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

 

△11,166

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

 

 

8,274

持分法のその他の包括利益

 

 

40,804

合計

 

 

374,538

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

2023年3月31日

税効果影響額控除前

税効果影響額

税効果影響額控除後

 

その他の包括利益

 

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

308,396

△2,276

306,120

 

確定給付制度の再測定

16,978

23,224

40,202

 

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

35,012

△13,528

21,484

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

△4,584

6

△4,578

 

持分法のその他の包括利益

27,996

△6,747

21,249

 

合計

383,798

679

384,477

 

その他の包括利益と

当期損益項目との調整額

 

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

△78,818

5,058

△73,760

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

15,748

△3,905

11,843

 

持分法のその他の包括利益

△5,150

7

△5,143

 

合計

△68,220

1,160

△67,060

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

229,578

2,782

232,360

確定給付制度の再測定

16,978

23,224

40,202

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

35,012

△13,528

21,484

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

11,164

△3,899

7,265

持分法のその他の包括利益

22,846

△6,740

16,106

合計

315,578

1,839

317,417

非支配持分に帰属する

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

 

58,178

確定給付制度の再測定

 

 

2,627

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

 

56

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

 

 

△139

合計

 

 

60,722

親会社株主持分に帰属する

その他の包括利益純額

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

 

174,182

確定給付制度の再測定

 

 

37,575

その他の包括利益を通じて測定する

金融資産の公正価値の純変動額

 

 

21,428

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値

の純変動額

 

 

7,404

持分法のその他の包括利益

 

 

16,106

合計

 

 

256,695

 

注18.剰余金の配当

 前連結会計年度及び当連結会計年度の配当金は下記のとおりです。

 

決議

配当金の総額

(百万円)

配当の原資

1株当たり

 配当額(円)

基準日

効力発生日

2021年5月12日

取締役会

53,175

利益剰余金

55.0

2021年3月31日

2021年6月2日

2021年10月27日

取締役会

58,035

利益剰余金

60.0

2021年9月30日

2021年11月29日

2022年5月13日

取締役会

62,870

利益剰余金

65.0

2022年3月31日

2022年6月2日

2022年10月28日

取締役会

66,277

利益剰余金

70.0

2022年9月30日

2022年11月29日

 

 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるものは、下記のとおりです。

 

決議

配当金の総額

(百万円)

配当の原資

1株当たり

 配当額(円)

基準日

効力発生日

2023年5月12日

取締役会

70,317

利益剰余金

75.0

2023年3月31日

2023年6月2日

 

注19.株式に基づく報酬

 当社は、株式に基づく報酬として、2019年度より、ストックオプション制度に代えて、譲渡制限付株式報酬制度を導入し、従来の株式報酬型ストックオプションに代えて、譲渡制限付株式を付与しています。また、2020年度より、譲渡制限付株式報酬ユニット制度を導入し、譲渡制限付株式報酬ユニットを付与しています。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において計上された株式に基づく報酬費用は、それぞれ1,404百万円及び1,699百万円です。

 

(1)譲渡制限付株式報酬

 当社の譲渡制限付株式報酬制度は、当社及び子会社の執行役及び理事(以下、対象者)に対して、譲渡制限付株式(以下、本譲渡制限付株式)を割り当てるために、金銭報酬債権を付与し、対象者は当該金銭報酬債権を現物出資することで、当社の普通株式の発行または処分を受けるものです。また、本制度に基づき当社の普通株式の発行または処分をするにあたり、当社と各対象者との間で譲渡制限付株式割当契約を締結しています。

 

譲渡制限付株式割当契約の概要

 ① 譲渡制限期間

   付与日から、対象者が当社及び子会社の執行役、取締役及び理事のいずれの地位からも退任する日まで

 ② 当社による無償取得

   本割当契約に定める一定の事由に該当した場合は、当社が対象者に通知した日以降速やかに本譲渡制限付株式を無償取得する。また、当社は、譲渡制限が解除されない本譲渡制限付株式について譲渡制限が解除されないことが確定した時点をもって、当然に無償で取得する。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度に発行した譲渡制限付株式の内容は以下のとおりです。

 

2022年3月31日

2023年3月31日

発行日

2021年6月15日

2022年6月15日

発行株式数

332,000株

303,000株

1株当たり発行価額 (a) (b)

5,384円

6,448円

 

 (a)前連結会計年度に付与した譲渡制限付株式の発行価額については、2021年5月17日(本新株発行に係る当社執行役社長の決定日の前営業日)の東京証券取引所市場第一部の終値としています。

 (b)当連結会計年度に付与した譲渡制限付株式の発行価額については、2022年5月10日(本新株発行に係る当社執行役社長の決定日の前営業日)の東京証券取引所プライム市場の終値としています。

 

(2)譲渡制限付株式報酬ユニット(以下、RSU)

 当社のRSU制度は、当社の外国人の執行役及び理事(以下、対象者)に対して、当社が対象者毎に予め定める数の当社普通株式(以下、本交付株式)に相当するRSUを付与し、付与後3連結会計年度にわたり、3分の1ずつ権利確定するRSUに対して、各連結会計年度終了後、本交付株式及び現金を交付する制度です。

 本交付株式の交付について、当社は、各連結会計年度終了後、対象者に対して金銭報酬債権を付与し、対象者は、当該金銭報酬債権を現物出資することで、本交付株式の発行または処分を受けます。

 対象者が任期満了、死亡、その他当社の報酬委員会が認める正当な理由により退任する場合は、対象者に付与されたRSUのうち、付与から当該退任した時点までに相当する分の本交付株式及び現金のみが交付されます。

 

 

(3)ストックオプション

 当社のストックオプション制度においては、執行役及び理事に対して、当社の普通株式を購入できる権利(以下、新株予約権)が与えられています。

 前連結会計年度及び当連結会計年度における当社のストックオプション制度は以下のとおりです。

 

発行年度・名称

 

付与日

 

行使期間

2016年度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社日立製作所 第1回新株予約権

 

2016年6月29日

 

自2016年7月15日

 

 

 

至2046年7月14日

2017年度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社日立製作所 第2回新株予約権

 

2017年4月6日

 

自2017年4月27日

 

 

 

至2047年4月26日

2018年度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社日立製作所 第3回新株予約権

 

2018年4月11日

 

自2018年4月27日

 

 

 

至2048年4月26日

 

新株予約権の行使条件

 ① 新株予約権者は、上記の行使期間内において、当社の執行役、取締役及び理事のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までの間に限り、②又は③の規定により確定した新株予約権を一括してのみ行使できる。

 ② 新株予約権者が行使できる新株予約権の個数は、割当日の属する連結会計年度の期首から3年間(以下、待機期間)における当社株式に係る株主総利回りを同期間における東証株価指数の成長率と比較し、その割合(以下、対TOPIX成長率)に応じて確定する(以下、株式市場条件)。

 ③ 待機期間終了前に退任した新株予約権者(以下、退任者)が行使できる新株予約権の個数は、当該退任者の割当個数を待機期間のうちに占める当該退任者の在任期間の割合を乗じて得た個数に減算し、上記②に準じ割当日の属する連結会計年度の期首から退任時までの期間における対TOPIX成長率に応じて確定する。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度のストックオプションの状況は以下のとおりです。なお、ストックオプションの個数は株式数に換算(ストックオプション1個あたり20株)して記載しています。

 

2022年3月31日

2023年3月31日

株式数

加重平均行使価格

株式数

加重平均行使価格

(株)

(円)

(株)

(円)

期首未行使残高

731,540

1

499,000

1

権利付与

権利失効(a)

△60

1

権利行使

△232,480

1

△81,660

1

満期消滅

期末未行使残高

499,000

1

417,340

1

期末行使可能残高

 

(a)株式市場条件を満たさないことによる行使不能分も含まれます。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度に権利行使されたストックオプションの加重平均株価は、それぞれ5,358.5円及び5,849.0円です。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度における未行使ストックオプションの行使価格の範囲は1円であり、加重平均残存契約年数は、それぞれ25.2年及び24.2年です。

 

注20.売上収益

(1)収益の分解

 当社の売上収益は、主に顧客との契約から認識された収益であり、当社の報告セグメントを地域別に分解した場合の内訳は、下記のとおりです。

 当社は当連結会計年度の期首から報告セグメントの区分を変更しています。当該区分変更に伴い、前連結会計年度を変更後の区分にて表示しています。報告セグメントの区分変更に係る詳細は注4.セグメント情報に記載しています。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

2022年3月31日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本

アジア

北米

欧州

その他

海外

売上収益

売上収益

デジタルシステム

&サービス

1,527,657

180,128

231,011

173,764

41,065

625,968

2,153,625

グリーンエナジー

&モビリティ

420,020

402,930

324,190

656,925

246,958

1,631,003

2,051,023

コネクティブ

インダストリーズ

1,449,180

903,110

211,039

132,692

56,877

1,303,718

2,752,898

オートモティブシステム

455,282

606,321

316,216

130,012

89,887

1,142,436

1,597,718

日立建機

216,922

195,722

196,425

162,798

253,094

808,039

1,024,961

日立金属

402,155

204,913

274,458

42,268

18,907

540,546

942,701

その他

384,058

53,768

6,749

8,076

3,654

72,247

456,305

小計

4,855,274

2,546,892

1,560,088

1,306,535

710,442

6,123,957

10,979,231

全社及び消去

△668,197

△32,049

△4,946

△7,122

△2,315

△46,432

△714,629

合計

4,187,077

2,514,843

1,555,142

1,299,413

708,127

6,077,525

10,264,602

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

2023年3月31日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本

アジア

北米

欧州

その他

海外

売上収益

売上収益

デジタルシステム

&サービス

1,555,208

236,443

321,996

222,346

53,102

833,887

2,389,095

グリーンエナジー

&モビリティ

444,499

413,579

458,978

829,339

346,127

2,048,023

2,492,522

コネクティブ

インダストリーズ

1,480,942

994,751

259,907

201,803

37,869

1,494,330

2,975,272

オートモティブシステム

485,774

699,256

455,255

161,012

118,770

1,434,293

1,920,067

日立建機

80,640

83,040

94,671

80,460

136,303

394,474

475,114

日立金属

323,193

181,280

283,606

41,547

18,100

524,533

847,726

その他

391,886

62,748

6,121

8,140

4,120

81,129

473,015

小計

4,762,142

2,671,097

1,880,534

1,544,647

714,391

6,810,669

11,572,811

全社及び消去

△643,898

△35,983

△2,542

△8,699

△539

△47,763

△691,661

合計

4,118,244

2,635,114

1,877,992

1,535,948

713,852

6,762,906

10,881,150

 

 

 

 デジタルシステム&サービスセグメントは、フロントビジネス、ITサービス及びサービス&プラットフォームで構成され、それぞれの売上収益は前連結会計年度においては、948,031百万円、842,733百万円、776,391百万円であり、当連結会計年度においては、982,541百万円、898,298百万円、938,130百万円です(内部取引を含む)。フロントビジネス及びITサービスは主に日本で、サービス&プラットフォームは主に日本、北米及び欧州で展開されています。

 

 当社の売上収益には、長期請負契約等から生じた費用の発生態様に応じて認識された収益が含まれています。前連結会計年度中及び当連結会計年度中に認識された収益のうち、長期請負契約等から生じた費用の発生態様に応じて認識された収益の額は、それぞれ1,578,613百万円及び1,805,588百万円です。

 

(2)履行義務の充足に関する情報

 各報告セグメントの主な製品・サービスに対する履行義務に関する情報は下記のとおりです。

(デジタルシステム&サービス)

 フロントビジネス及びITサービスにおいては、主にシステムインテグレーション、コンサルティング及びクラウドサービスが提供されており、サービス&プラットフォームにおいては、主にITプロダクツ及びソフトウェアが提供されています。

 システムインテグレーション、コンサルティング及びクラウドサービス事業における長期請負契約等は顧客仕様に応じた製品及びサービスを顧客に対して一定期間にわたり提供しており、一定期間にわたって履行義務が充足されるため、主に、費用の発生態様(見積原価総額に対する実際発生原価の割合で測定される進捗度等)もしくは時の経過に応じて収益を認識しています。多くの契約はマイルストーンに基づく請求となっており、履行義務充足前に入金される場合もあります。

 ITプロダクツ及びソフトウェア事業は、顧客に製品を販売し引渡を完了した時点で履行義務が充足されるため、支配が移転した時点において収益を認識しています。支払条件は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条件となっており、延払等の支払条件となっている取引で重要なものはありません。

 

(グリーンエナジー&モビリティ及びコネクティブインダストリーズ)

 グリーンエナジー&モビリティセグメントにはエネルギーソリューション事業、鉄道システム事業等の売上収益が含まれており、エネルギーソリューション事業はアジア、北米や欧州を中心に、鉄道システム事業は主に欧州でそれぞれ展開されています。

 コネクティブインダストリーズセグメントにはビルシステム事業、生活・エコシステム事業、計測分析システム事業、産業・流通ソリューション事業等の売上収益が含まれており、ビルシステム事業は主に中国で、生活・エコシステム事業は主に日本で、計測分析システム事業は日本、アジア、北米や欧州を中心に、産業・流通ソリューション事業は主に日本でそれぞれ展開されています。

 これらのセグメントにおける請負工事等に係る長期請負契約等は顧客仕様に基づいた製品等を一定期間にわたり製造し顧客に提供することにより、履行義務が充足されるため、主に、費用の発生態様(見積原価総額に対する実際発生原価の割合で測定される進捗度等)に応じて収益を認識しています。また、契約期間に応じて均一のサービスを提供しているメンテナンスサービス等は、時の経過に応じて収益を認識しています。多くの契約の支払条件は、マイルストーンに基づく請求となっており、履行義務充足前に入金される場合もあります。

 また、コネクティブインダストリーズセグメントにおけるエレベーター、家電製品、計測分析装置及び産業用機器の販売等は、顧客に製品を販売し引渡を完了した時点において履行義務が充足されるため、支配が移転した時点において収益を認識しています。支払条件は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条件となっており、延払等の支払条件となっている取引で重要なものはありません。

 

(その他)

 オートモティブシステム、日立建機、日立金属セグメントにおける製品は、主に顧客に製品を販売し引渡が完了した時点において履行義務が充足されるため、支配が移転した時点において収益を認識しています。支払条件は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条件となっており、延払等の支払条件となっている取引で重要なものはありません。

 これらのセグメントでのメンテナンスサービス等は、契約期間に応じて均一のサービスを提供しているため、時の経過に応じて収益を認識しています。支払条件は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条件となっており、延払等の支払条件となっている取引で重要なものはありません。

 

(3)契約残高に関する情報

 前連結会計年度及び当連結会計年度における当社の顧客との契約から計上された売上債権、契約資産及び契約負債の期首及び期末残高は下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

 

期首残高

期末残高

期首残高

期末残高

売上債権

2,115,973

2,381,832

2,381,832

2,072,238

契約資産

676,524

665,627

665,627

849,402

契約負債

1,016,207

1,150,592

1,150,592

1,314,799

 

 前連結会計年度中及び当連結会計年度中に認識された収益のうち、期首時点で契約負債に含まれていた金額は、それぞれ604,800百万円及び745,452百万円であり、過去の期間に充足された履行義務に係る金額は重要ではありません。

 

(4)残存する履行義務に配分された取引価格

 前連結会計年度及び当連結会計年度末時点における報告セグメント別の未履行の履行義務残高は下記のとおりです。

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

 

うち、セグメント間

内部取引

未履行の

履行義務残高

うち、セグメント間

内部取引

未履行の

履行義務残高

デジタルシステム

&サービス

58,982

1,141,343

52,481

1,253,318

グリーンエナジー

&モビリティ

37,208

5,909,221

45,801

7,554,950

コネクティブ

インダストリーズ

102,790

1,682,357

106,653

1,825,227

 

 当社及び子会社において、長期にわたり収益が認識される契約を有するセグメントは、主にデジタルシステム&サービスセグメント、グリーンエナジー&モビリティセグメント、コネクティブインダストリーズセグメントです。

 

 前連結会計年度末時点における未履行の履行義務残高の履行時期の見込みは下記のとおりです。

 デジタルシステム&サービスセグメントの残高のうち約9割は3年以内に、約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。グリーンエナジー&モビリティセグメントの残高のうち約6割は3年以内に、約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。コネクティブインダストリーズセグメントの残高のうち約9割は3年以内に履行される見込みです。

 

 当連結会計年度末時点における未履行の履行義務残高の履行時期の見込みは下記のとおりです。

 デジタルシステム&サービスセグメントの残高のうち約9割は3年以内に、約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。グリーンエナジー&モビリティセグメントの残高のうち約6割は3年以内に、約4割は3年超5年以内に履行される見込みです。コネクティブインダストリーズセグメントの残高のうち約9割は3年以内に履行される見込みです。

 

 なお、上記以外のセグメントについては、主に当初の予想期間が1年以内の契約であるため、実務上の便法の規定を適用し当該開示には含めていません。

 

(5)資産化した、顧客との契約の獲得または履行するために生じたコスト

 当社及び子会社は、顧客との契約を獲得または履行するために発生したコストのうち、回収すると見込まれるものについて資産計上しています。前連結会計年度及び当連結会計年度末において、資産計上している金額は重要ではありません。

 

注21.その他の収益及び費用

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の収益及び費用の主な内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

固定資産損益

18,068

2,285

減損損失

35,091

129,894

事業再編等損益

102,135

297,351

特別退職金

8,770

9,323

 

 減損損失は、主に有形固定資産、のれん及びその他の無形資産に係る減損です。事業再編等損益には、支配の獲得及び喪失に関連する損益、投資先への重要な影響力の獲得及び喪失に関連する損益等が含まれています。

 当連結会計年度における減損損失には、デジタルシステム&サービスセグメントにおいて計上した減損損失52,163百万円及びグリーンエナジー&モビリティセグメントにおいて計上した減損損失49,707百万円が含まれています。詳細は注9. 有形固定資産及び注10.のれん及びその他の無形資産に記載しています。

 その他の費用に含まれている前連結会計年度及び当連結会計年度における事業構造改革関連費用は、それぞれ43,861百万円及び139,217百万円です。事業構造改革関連費用には、減損損失及び特別退職金が含まれています。また、当連結会計年度のその他の費用には、子会社のリスク分担型企業年金制度への移行に伴う清算損51,185百万円が含まれています。詳細は注15.従業員給付に記載しています。

 

注22.金融収益及び費用

 前連結会計年度及び当連結会計年度における金融収益及び費用の主な内訳は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

受取配当金

6,454

7,878

為替差損益

11,870

11,911

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度における受取配当金はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係るものです。

 

注23.1株当たり利益情報

 基本1株当たり親会社株主に帰属する当期利益及び希薄化後1株当たり親会社株主に帰属する当期利益の計算は、下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

平均発行済株式数

966,413,255

948,247,986

希薄化効果のある証券

 

 

 

 

ストックオプション

512,108

 

417,340

 

譲渡制限付株式

715,736

 

493,790

 

譲渡制限付株式ユニット

37,232

 

5,419

 

希薄化後発行済株式数

967,678,331

949,164,535

親会社株主に帰属する当期利益

 

 

 

 

基本

583,470

649,124

希薄化効果のある証券

希薄化後親会社株主に帰属する当期利益

583,470

649,124

1株当たり親会社株主に帰属する当期利益

 

 

 

 

基本

603.75

684.55

希薄化後

602.96

683.89

 

 

注24.連結キャッシュ・フロー計算書の補足説明

(1)財務活動から生じた負債

  財務活動から生じた負債の増減内容は、下記のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

短期借入金

社債

長期借入金

リース

負債

合計

2021年3月31日

416,635

365,959

1,295,609

319,153

2,397,356

キャッシュ・フローを伴う増減

653,244

△10,028

△136,241

△114,876

392,099

キャッシュ・フローを伴わない増減

 

 

 

 

 

リース負債の新規計上額

99,175

99,175

連結範囲の異動

118,554

2,344

△704

120,194

為替換算影響額他

45,686

1,617

46,113

24,472

117,888

2022年3月31日

1,234,119

357,548

1,207,825

327,220

3,126,712

キャッシュ・フローを伴う増減

△277,685

△108,918

2,583

△102,398

△486,418

キャッシュ・フローを伴わない増減

 

 

 

 

 

リース負債の新規計上額

98,925

98,925

連結範囲の異動

△205,217

△89,787

△230,229

△76,455

△601,688

為替換算影響額他

26,433

1,157

42,815

5,412

75,817

2023年3月31日

777,650

160,000

1,022,994

252,704

2,213,348

 

(2)法人所得税の支払

 日立金属及び日立物流株式の売却に係るキャッシュ・フローは、みなし配当に係る源泉税額控除後の純額を、投資活動に関するキャッシュ・フローの有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の売却に計上しています。

当該源泉税額を含めた、当連結会計年度の法人所得税の支払の合計は、284,265百万円です。

 

注25.金融商品及び関連する開示

(1)資本管理

 当社は、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の資産、負債及び資本を維持することに加えて、事業活動における資本効率の最適化を図ることを重要な方針として資本を管理しています。

 当社は資本管理において、親会社株主持分比率を重要な指標として用いており、継続的にモニタリングしています。2022年3月31日及び2023年3月31日現在における親会社株主持分比率は、それぞれ31.3%及び39.5%です。

 なお、会社法等の一般的な規制を除き、当社が適用を受ける資本規制はありません。

 

(2)財務上のリスク

 当社は、国際的に事業活動を行っており、その過程において、常に市場リスク(主に為替リスク及び金利リスク)、信用リスク、流動性リスク等の様々なリスクに晒されています。当社ではこれらの財務上のリスクを回避もしくは低減するためにリスク管理を行っています。

① 為替リスク

 当社及び子会社は、外国為替相場の変動リスクに晒されている金融資産及び金融負債を保有しており、外国為替相場の変動リスクをヘッジするために、先物為替予約契約あるいは通貨スワップ契約を利用しています。

 売上及び仕入に係る為替変動リスクについては、毎月通貨毎に将来キャッシュ・フローを決済期日毎に測定し、この一定割合に対して主に先物為替予約契約を締結することにより、外貨建債権債務及び外貨建予定取引から発生する将来キャッシュ・フローを固定化しています。先物為替予約の期間は、概ね1年以内です。なお、当社及び子会社は、事業特性、収支構造、契約内容等を確認し、必要に応じて個別案件に適応した為替リスク管理方針を作成し、案件毎のリスク管理体制を整備した上でヘッジ取引を行っています。

 また、外貨建の長期債務から生じる将来キャッシュ・フローを固定化するために負債元本の償還期限と同じ期限の通貨スワップ契約を締結しています。先物為替予約契約及び通貨スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係は高度に有効であり、ヘッジ対象外貨建資産・負債の為替相場の変動の影響を相殺しています。

 

 

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在において当社及び子会社が保有する外貨建金融商品につき、その他全ての変数を一定とすることを前提に、当社の機能通貨である日本円が1%円安となった場合の前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書上の税引前当期利益への影響額は、下記のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

税引前当期利益への影響

通貨

2022年3月31日

2023年3月31日

米ドル

2,852

2,447

ユーロ

76

16

 

② 金利リスク

 当社及び一部の子会社は、主に長期債務に関連する金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結してキャッシュ・フローの変動リスクを管理しています。金利スワップ契約は主に受取変動・支払固定の契約であり、長期債務の変動金利支払分を受取り、固定金利を支払うことによって、変動金利の長期債務を固定金利の長期債務としています。

 また、一部の金融子会社は、主に固定金利で資金調達を行い、変動金利での貸付等を行っているため金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結して公正価値の変動を管理しています。

 金利スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係は高度に有効であり、金利変動リスクから生じるキャッシュ・フロー及び公正価値の変動の影響を相殺しています。

 

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在において当社及び子会社が保有する金融商品(償却原価で測定する金融資産及び金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債、並びにデリバティブ資産及び負債)につき、その他全ての変数を一定とすることを前提に、金利が1%上昇した場合の前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書上の税引前当期利益に与える影響額は、下記のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

税引前当期利益への影響

△11,722

△5,662

 

③ 信用リスク

 当社及び子会社の営業活動から生じる売上債権及び契約資産並びにその他の債権は顧客の信用リスクに晒されています。また、余剰資金の運用のために保有している債券等及び政策的な目的のために保有している株式等は、発行体の信用リスクに晒されています。さらに市場リスクを軽減する目的で行うデリバティブ取引については、取引相手先である金融機関の信用リスクに晒されています。

 顧客の信用リスクに対しては、取引対象商品及び取引先の財務状態や信用格付等により定期的に信用調査を行い、信用リスクに応じた取引限度額を設定しています。余剰資金については、安全性の高い債券等での資金運用に限定し、デリバティブ取引先については、格付の高い金融機関に限定して取引を行っています。

 当社及び子会社は、世界各地で多業種にわたり事業を行っており、特定の地域や取引先に対する信用リスクの集中は発生していません。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度の売上債権及び契約資産並びにその他の債権に係る貸倒引当金の増減内容と、貸倒引当金に対応する売上債権及び契約資産並びにその他の債権の総額での帳簿価額の増減内容は、下記のとおりです。なお、その他の債権には、主にリース債権並びに短期貸付金、未収入金、償却原価で測定する負債性証券及び長期貸付金等の償却原価で測定される金融資産が含まれます。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

売上債権及び契約資産

貸倒引当金

総額での帳簿価額

集合的評価

個別的評価

合計

集合的評価

個別的評価

合計

2021年3月31日

33,233

29,453

62,686

2,713,379

141,804

2,855,183

期中増減(純額)

3,476

18,907

22,383

246,931

△49,651

197,280

信用減損(a)

△1,252

1,252

△8,962

8,962

直接償却(b)

△7,934

△2,534

△10,468

△47,996

△3,069

△51,065

その他(c)

1,437

4,907

6,344

117,741

9,265

127,006

2022年3月31日

28,960

51,985

80,945

3,021,093

107,311

3,128,404

期中増減(純額)

5,091

6,930

12,021

321,035

2,716

323,751

信用減損(a)

△350

350

△2,226

2,226

直接償却(b)

△2,182

△2,274

△4,456

△50,896

△2,520

△53,416

その他(c)

△3,219

△1,450

△4,669

△390,525

△2,733

△393,258

2023年3月31日

28,300

55,541

83,841

2,898,481

107,000

3,005,481

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

その他の債権

貸倒引当金

総額での帳簿価額

集合的評価

個別的評価

合計

集合的評価

個別的評価

合計

2021年3月31日

301

4,030

4,331

405,468

35,823

441,291

期中増減(純額)

△26

539

513

56,193

△25,432

30,761

信用減損(a)

△1,253

1,253

直接償却(b)

△1

△1

△2

△6,980

△905

△7,885

その他(c)

18

165

183

△34,496

△1,603

△36,099

2022年3月31日

292

4,733

5,025

418,932

9,136

428,068

期中増減(純額)

77

567

644

38,650

1,462

40,112

信用減損(a)

△137

137

直接償却(b)

△1

△1,296

△1,297

△3,557

△1,398

△4,955

その他(c)

21

△2,592

△2,571

△85,440

△6,970

△92,410

2023年3月31日

389

1,412

1,801

368,448

2,367

370,815

 

(a)信用減損が生じた金融資産に関する貸倒引当金については、個別的評価により貸倒引当金を測定するため、集合的評価から振替えています。

(b)金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していないと判断された場合、直接償却として認識を中止しています。

(c)主に連結範囲の異動、為替換算影響等が含まれています。

 

 保有する担保を考慮に入れない場合の当社及び子会社の金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている貸倒引当金控除後の帳簿価額です。また、貸出コミットメントの信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注29.コミットメント及び偶発事象に記載している貸出コミットメントの総額であり、債務保証契約の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注29.コミットメント及び偶発事象に記載している債務保証残高です。

 

④ 流動性リスク

 当社及び子会社の買入債務、長期債務等の金融負債は流動性リスクに晒されています。当該リスクに関し、当社及び子会社は運転資金の効率的な管理による資本効率の最適化、当社及び金融子会社による資金の集中管理等により資金管理の維持に努めています。また需要に応じ、資本市場における債券発行、株式発行及びコミットメントラインを含む金融機関からの借入による資金調達が可能です。当連結会計年度末日における当社のコミットメントライン契約に係る借入未実行残高は、注29.コミットメント及び偶発事象に記載しています。

 

 デリバティブ負債を除く金融負債の期日別残高は、下記のとおりです。なお、買入債務の簿価と契約上の

キャッシュ・フローは一致しており、支払期日は全て1年以内であるため下表に含めていません。

 

 2022年3月31日

 

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上のキャッ

シュ・フロー

1年以内

1年超5年以内

5年超

短期借入金

1,234,119

1,236,688

1,236,688

長期債務

 

 

 

 

 

リース負債

327,220

346,010

93,799

177,561

74,650

社債

357,548

363,858

119,021

123,449

121,388

長期借入金

1,207,825

1,224,628

134,319

1,060,944

29,365

その他の非流動負債

 

 

 

 

 

非支配持分株主に対するプット・オプション

268,851

274,701

274,701

 

 2023年3月31日

 

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上のキャッ

シュ・フロー

1年以内

1年超5年以内

5年超

短期借入金

777,650

778,586

778,586

長期債務

 

 

 

 

 

リース負債

252,704

265,017

80,785

149,329

34,903

社債

160,000

163,843

30,811

22,236

110,796

長期借入金

1,022,994

1,063,672

45,657

940,611

77,404

 短期借入金の加重平均利率は3.6%であり、長期借入金の加重平均利率は1.3%、返済期限は2023年から2039年までです。

 

 社債の銘柄別明細は、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

発行

会社

銘柄

発行年

2022年

3月31日

2023年

3月31日

担保

利率(%)

償還期限

当社

国内公募第16回普通社債

2013年

30,000

30,000

無担保

0.8

2023年

当社

国内公募第17回普通社債

2013年

20,000

20,000

無担保

1.4

2028年

当社

国内公募第18回普通社債

2020年

90,000

無担保

0.1

当社

国内公募第19回普通社債

2020年

20,000

20,000

無担保

0.2

2027年

当社

国内公募第20回普通社債

2020年

90,000

90,000

無担保

0.3

2030年

子会社

普通社債

2017年

107,548

 

 

2021年

 

 

合計

357,548

160,000

 

 

 主なデリバティブの流動性分析は、下記のとおりです。なお、他の契約と純額決済するデリバティブについても総額で表示しています。

 

 2022年3月31日

 

 

(単位:百万円)

 

1年以内

1年超5年以内

5年超

合計

為替予約

収入

4,670

1,684

6,354

 

支出

19,491

847

20,338

通貨スワップ

収入

408

19,916

20,324

 

支出

783

3,224

4,007

金利スワップ

収入

564

13,772

14,336

 

支出

79

18

97

 

 2023年3月31日

 

 

(単位:百万円)

 

1年以内

1年超5年以内

5年超

合計

為替予約

収入

21,367

4,806

26,173

 

支出

24,765

13,775

38,540

通貨スワップ

収入

6,031

24,531

30,562

 

支出

9,251

495

9,746

金利スワップ

収入

128

19,702

19,830

 

支出

8

8

 

(3)金融商品の公正価値

① 公正価値の測定方法

 金融資産及び金融負債の公正価値は、以下のとおり決定しています。

 

現金及び現金同等物、売上債権、短期貸付金、未収入金、短期借入金、未払金、買入債務

 満期までの期間が短いため、公正価値は帳簿価額とほぼ同額です。

 

有価証券及びその他の金融資産

 リース債権の公正価値は、一定の期間毎に区分した債権毎に、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しています。

 市場性のある有価証券の公正価値は、市場価格を用いて見積っています。市場性のない有価証券の公正価値は、類似の有価証券の市場価格及び同一又は類似の有価証券に対する投げ売りでない市場価格、観察可能な金利及び利回り曲線、クレジット・スプレッド又はデフォルト率を含むその他関連情報によって見積っています。重要な指標が観察不能である場合、金融機関により提供された価格情報を用いて評価しています。提供された価格情報は、独自の評価モデルを用いたインカム・アプローチあるいは類似金融商品の価格との比較といったマーケット・アプローチにより検証しています。

 長期貸付金の公正価値は、同様の貸付形態での追加貸付に係る利率を使用した将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて見積っています。

 デリバティブ資産の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定しています。また、重要な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機関が提供する関連情報等を検証しています。

 

長期債務

 長期債務の公正価値は、当該負債の市場価格、又は同様の契約条項での市場金利を使用した将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて見積っています。

 

その他の金融負債

 デリバティブ負債の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定しています。また、重要な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機関が提供する関連情報等を検証しています。

 

② 償却原価で測定する金融商品

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在において、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の帳簿価額及び公正価値は下記のとおりです。なお、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の見積公正価値は、下記③に示されるレベル2に分類しています。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

区分

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

リース債権

70,227

71,648

22,858

22,858

負債性証券

55,057

55,058

46,729

46,729

長期貸付金

1,650

1,650

385

385

負債

 

 

 

 

長期債務(a)

 

 

 

 

社債

357,548

357,468

160,000

159,250

長期借入金

1,207,825

1,207,727

1,022,994

1,022,130

 

(a) 長期債務は、連結財政状態計算書上の償還期長期債務及び長期債務に含まれます。

 

③ 公正価値で測定する金融商品

 経常的に公正価値で測定する金融商品は、当該商品の測定に際し使用した指標により以下の3つのレベル(公正価値ヒエラルキー)に分類しています。

レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)市場価格により測定した公正価値

レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能な指標を用いて測定した公正価値

レベル3:重要な観察可能でない指標を用いて測定した公正価値

 なお、公正価値の測定に複数の指標を使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルの指標に基づいてレベルを決定しています。

 レベル間の振替は各四半期の期首時点で発生したものとして認識しています。

 

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在において、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は下記のとおりです。

 

2022年3月31日

 

 

(単位:百万円)

区分

レベル1

レベル2

レベル3

合計

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

資本性証券

1,364

17,591

18,955

負債性証券

9,521

4,692

5,686

19,899

デリバティブ資産

63,596

63,596

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

資本性証券

282,025

2,144

106,041

390,210

合計

292,910

70,432

129,318

492,660

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

その他の金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

47,145

47,145

合計

47,145

47,145

 

2023年3月31日

 

 

(単位:百万円)

区分

レベル1

レベル2

レベル3

合計

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

資本性証券

335

28,352

28,687

負債性証券

8,684

4,145

4,959

17,788

デリバティブ資産

78,327

78,327

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

有価証券及びその他の金融資産

 

 

 

 

資本性証券

234,175

104,445

338,620

合計

243,194

82,472

137,756

463,422

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

その他の金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

49,385

49,385

合計

49,385

49,385

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル3に分類される経常的に公正価値で測定する金融商品の増減は下記のとおりです。

 

2022年3月31日

 

 

(単位:百万円)

レベル3金融資産

資本性証券

負債性証券

デリバティブ資産

合計

期首残高

120,718

6,054

87

126,859

当期利益に認識した

利得及び損失(a)

3,830

279

△87

4,022

その他の包括利益に認識した

損失(b)

△1,342

△1,342

購入及び取得

9,010

567

9,577

売却及び償還

△7,721

△993

△8,714

連結範囲の異動による影響

△25

△239

△264

レベル3からの振替(c)

△1,278

△1,278

その他

440

18

458

期末残高

123,632

5,686

129,318

期末に保有する金融商品に係る

未実現の利得(d)

3,780

294

3,987

 

2023年3月31日

 

 

(単位:百万円)

レベル3金融資産

資本性証券

負債性証券

デリバティブ資産

合計

期首残高

123,632

5,686

129,318

当期利益に認識した

利得(a)

777

96

873

その他の包括利益に認識した

損失(b)

△1,213

△1,213

購入及び取得

33,762

529

34,291

売却及び償還

△13,513

△521

△14,034

連結範囲の異動による影響

△13,964

△846

△14,810

その他

3,316

15

3,331

期末残高

132,797

4,959

137,756

期末に保有する金融商品に係る

未実現の利得(d)

766

96

862

 

(a)当期利益に認識した利得及び損失は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結損益計算書上の金融収益及び金融費用に含まれます。

(b)その他の包括利益に認識した損失は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書上のその他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動額に含まれます。

(c)レベル3からの振替は、主として投資先が取引所に上場されたことに起因するものです。

(d)各期末に保有する金融商品に係る未実現の利得は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結損益計算書上の金融収益に含まれます。

 

 公正価値の測定は、当社の評価方針及び手続に従って、財務部門により行われており、金融商品の個々の性質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しています。また、財務部門は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移を継続的に検証しています。検証の結果、金融商品の公正価値の毀損が著しい際は、部門管理者のレビューと承認を行っています。

 

④ その他

 当社及び当社の子会社において、非支配持分株主に付与している子会社持分の売建プット・オプションは、その行使価格の現在価値を金融負債として認識するとともに、非支配持分の認識を中止し、その差額を資本剰余金として認識しています。

 当社及び当社の子会社が非支配持分株主に対して付与した子会社持分の売建プット・オプションは、行使価格の現在価値で測定されており、2022年3月31日現在における帳簿価額は、268,851百万円であり、連結財政状態計算書上のその他の非流動負債に含まれています。

 

 公正価値で測定する金融商品のうち、取引関係の維持、強化を目的として保有する資本性証券については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として分類しています。主な資本性証券の株式銘柄及び公正価値は下記のとおりです。

 

 2022年3月31日

(単位:百万円)

銘柄

金額

三菱HCキャピタル

95,577

ルネサスエレクトロニクス

88,770

JECC

21,591

Western Digital

18,990

東海旅客鉄道

14,369

信越化学工業

12,405

日鉄興和不動産

11,749

本田技研工業

6,974

日本土地建物

5,241

大連華信計算機技術

3,849

 

 2023年3月31日

(単位:百万円)

銘柄

金額

ルネサスエレクトロニクス

118,619

三菱HCキャピタル

39,459

JECC

22,298

Western Digital

15,556

東海旅客鉄道

14,229

日鉄興和不動産

9,810

本田技研工業

7,020

日本土地建物

5,438

Invivoscribe

5,341

第一三共

4,340

 

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される有価証券に係る受取配当金は、注22.金融収益及び費用に記載しています。

 

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される有価証券に係る評価損益の累計額は、連結会計年度中に認識の中止を行ったものに係る部分を利益剰余金に振り替えています。前連結会計年度及び当連結会計年度における税引後の振替額は純額でそれぞれ、13,880百万円(利益)及び16,967百万円(利益)です。

 これらは主として、取引関係の見直しにより売却したもの、連結範囲の異動によるものです。

 前連結会計年度及び当連結会計年度において認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類している有価証券の公正価値及び累計利得・損失は下記のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

認識中止時点の公正価値

80,722

111,441

認識中止時点の累計利得・損失

22,339

23,754

 

(4)デリバティブとヘッジ活動

① 公正価値ヘッジ

 既に認識している資産又は負債とそれに対する公正価値ヘッジに指定したデリバティブの公正価値の変動は、発生した連結会計年度の純損益に計上しています。公正価値ヘッジとして指定したデリバティブには、営業活動に関連する先物為替予約契約と、資金調達活動に関連する通貨スワップ契約及び金利スワップ契約等があります。

 

② キャッシュ・フロー・ヘッジ

為替変動リスク

 将来の外貨建取引の有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定した先物為替予約契約の公正価値の変動のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上しています。ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で、その他の包括利益累計額に認識した金額を純損益に組み替えています。なお、ヘッジ対象に指定された予定取引により、非金融資産もしくは非金融負債が認識される場合、その他の包括利益として認識したデリバティブの公正価値の変動は、当該資産又は負債が認識された時点で、当該資産又は負債の取得原価その他の帳簿価額に直接含めています。

金利変動リスク

 長期性負債に関連したキャッシュ・フローの変動に対し指定した金利スワップ契約の公正価値の変動のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上しています。その他の包括利益累計額は、その後、負債の利息が純損益に影響を与える期間にわたって支払利息に組み替えています。

 

 当社は、ヘッジ会計を適用する際は、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しており、ヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動と、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動とが相殺し合うかどうかの定性的な評価を通じてヘッジの有効性を評価しています。また、ヘッジ対象とヘッジ手段の経済的関係及びリスク管理方針に基づき適切なヘッジ比率を設定しています。なお、当連結会計年度において、純損益に認識したヘッジ非有効部分は重要ではありません。

 

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在におけるヘッジ手段の想定元本及び帳簿価額は下記のとおりです。なお、ヘッジ手段の帳簿価額は、連結財政状態計算書において「有価証券及びその他の金融資産」及び「その他の金融負債」又は「その他の非流動負債」に含まれています。

 

2022年3月31日

 

 

 

(単位:百万円)

ヘッジ手段

想定元本

帳簿価額

 

内、1年超

資産

負債

公正価値ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

363,354

75,154

17,670

12,552

金利リスク

93,271

38,071

1,137

70

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

313,575

163,392

4,538

6,990

金利リスク

179,107

159,107

13,199

10

合計

949,307

435,724

36,544

19,622

 

2023年3月31日

 

 

 

(単位:百万円)

ヘッジ手段

想定元本

帳簿価額

 

内、1年超

資産

負債

公正価値ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

196,388

76,303

25,192

553

金利リスク

41,120

27,767

1,048

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

234,313

31,136

8,375

5,561

金利リスク

173,589

173,589

18,765

合計

645,410

308,795

53,380

6,114

 

 2022年3月31日及び2023年3月31日現在において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ対象の帳簿価額は下記のとおりです。

 

2022年3月31日

 

 

(単位:百万円)

公正価値ヘッジの

ヘッジ対象

連結財政状態計算書

表示科目

帳簿価額

資産

負債

為替リスク

売上債権及び契約資産、有価証券及びその他の金融資産、短期借入金、買入債務、長期債務

231,838

131,516

金利リスク

有価証券及びその他の金融資産、償還期長期債務

75,524

17,747

合計

 

307,362

149,263

 

2023年3月31日

 

 

(単位:百万円)

公正価値ヘッジの

ヘッジ対象

連結財政状態計算書

表示科目

帳簿価額

資産

負債

為替リスク

売上債権及び契約資産、有価証券及びその他の金融資産、買入債務、長期債務

58,872

137,516

金利リスク

有価証券及びその他の金融資産

41,120

合計

 

99,992

137,516

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ手段及びヘッジ対象の公正価値の変動並びにヘッジ対象の帳簿価額に含められたヘッジ対象に係る公正価値ヘッジ調整の累計額は重要ではありません。

 

 前連結会計年度及び当連結会計年度においてその他の包括利益累計額に計上されたキャッシュ・フロー・ヘッジを適用しているヘッジ手段の公正価値の増減内容は下記のとおりです。

 

前連結会計年度

 

 

(単位:百万円)

 

期首残高

その他の包括利益に認識したヘッジ手段の公正価値の変動

ヘッジ対象資産及び負債の帳簿価額へ直接含めた金額

純損益への

振替額(a)

期末残高

為替リスク

△2,209

3,679

△9,312

△97

△7,939

金利リスク

3,336

9,747

97

13,180

合計

1,127

13,426

△9,312

0

5,241

 

当連結会計年度

 

 

(単位:百万円)

 

期首残高

その他の包括利益に認識したヘッジ手段の公正価値の変動

ヘッジ対象資産及び負債の帳簿価額へ直接含めた金額

純損益への

振替額(a)

期末残高

為替リスク

△7,939

△10,150

△1,322

15,729

△3,682

金利リスク

13,180

5,566

19

18,765

合計

5,241

△4,584

△1,322

15,748

15,083

(a)純損益への振替額は、連結損益計算書において、為替リスクについては主に「売上収益」「金融費用」に、金利リスクについては主に「支払利息」に含まれています。

 

 

(5)金融資産の証券化

 当社及び一部の子会社は、資金調達の多様化を図り、安定的に資金を調達することを目的として、金融資産の証券化を実施しており、売上債権、リース債権等の金融資産を第三者である金融機関又は当該金融機関によって組成された事業体に譲渡しています。当社はこれらの証券化目的で組成された事業体に対する支配を有していないと判断し、連結していません。

 これらの非連結の証券化目的で組成された事業体は、第三者である金融機関が事業の一環として運営しており、コマーシャル・ペーパーや借入といった手段で資金調達を行っています。当該事業体の投資家は、原則として、債務者の不履行に際して、当該事業体の保有する資産に対してのみ遡求でき、当社及び一部の子会社の他の資産に対しては遡求できません。当該事業体は当社及び子会社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社及び一部の子会社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社及び子会社の関連性は低くなっています。証券化を実施している当社及び一部の子会社による当該事業体に対する関与の内容は、主に債権の回収代行であり、契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意は行っていません。

 当社及び一部の子会社による金融資産の証券化で、金融資産全体の認識が中止された譲渡に関して重要な継続的関与はありません。また、当社及び一部の子会社による証券化のうち、劣後の権益の保有等を通じ、金融資産に関連する信用リスクと経済価値の実質的に全てを保持している金融資産の譲渡については、金融資産全体の認識を中止していませんが、その残高は重要ではありません。

 

注26.担保資産

 長期及び短期借入金の一般的な契約条項として、銀行の要請がある場合には現在及び将来の負債に対し担保差入及び債務保証をすること並びに銀行は返済期日において又は債務不履行が生じた場合に、債務を預金と相殺する権利を有していることが規定されています。

 担保付社債の受託契約及び特定の担保付あるいは無担保の借入契約により、一般的に、受託者又は貸手は、配当の支払い及び新株式の発行を含む利益の分配に関し事前に承認を与える権利及び追加の担保又は抵当を要求する権利を有しています。

 当社及び一部の子会社は、主に銀行借入に対して下記のとおり、資産の一部を担保に供しています。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

売上債権及び契約資産

7,205

349

棚卸資産

12,529

有価証券及びその他の金融資産

327

319

土地

1,951

2,002

建物及び構築物

5

2

機械装置及びその他の有形固定資産

62,717

合計

84,734

2,672

 

注27.主要な子会社

 当社の連結財務諸表には以下の子会社の財務諸表が含まれます。

 

 

(2023年3月31日現在)

報告セグメント

名    称

住  所

議決権

に対する

所有割合

 

 

 

デジタルシステム&サービス

㈱日立情報通信エンジニアリング

神奈川県横浜市

100.0

デジタルシステム&サービス

日立チャネルソリューションズ㈱

東京都品川区

100.0

デジタルシステム&サービス

㈱日立ソリューションズ

東京都品川区

100.0

デジタルシステム&サービス

㈱日立システムズ

東京都品川区

100.0

デジタルシステム&サービス

GlobalLogic Worldwide Holdings, Inc.

アメリカ

カリフォルニア

100.0

デジタルシステム&サービス

Hitachi Computer Products (America), Inc.

アメリカ

オクラホマ

100.0

デジタルシステム&サービス

Hitachi Digital LLC

アメリカ

カリフォルニア

100.0

デジタルシステム&サービス

Hitachi Payment Services Private Limited

インド

チェンナイ

100.0

デジタルシステム&サービス

Hitachi Vantara LLC

アメリカ

カリフォルニア

100.0

グリーンエナジー&モビリティ

日立GEニュークリア・エナジー㈱

茨城県日立市

80.0

グリーンエナジー&モビリティ

㈱日立プラントコンストラクション

東京都豊島区

100.0

グリーンエナジー&モビリティ

㈱日立パワーデバイス

茨城県日立市

100.0

グリーンエナジー&モビリティ

㈱日立パワーソリューションズ

茨城県日立市

100.0

グリーンエナジー&モビリティ

Hitachi Energy Ltd

スイス

チューリッヒ

100.0

グリーンエナジー&モビリティ

Hitachi Rail Ltd.

イギリス

ロンドン

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立ビルシステム

東京都千代田区

100.0

コネクティブインダストリーズ

日立グローバルライフソリューションズ㈱

東京都港区

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立ハイテク

東京都港区

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立産機システム

東京都千代田区

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立インダストリアルプロダクツ

東京都千代田区

100.0

コネクティブインダストリーズ

㈱日立産業制御ソリューションズ

東京都台東区

100.0

 

 

 

 

(2023年3月31日現在)

報告セグメント

名    称

住  所

議決権

に対する

所有割合

 

 

 

コネクティブインダストリーズ

㈱日立プラントサービス

東京都豊島区

100.0

コネクティブインダストリーズ

日立電梯(中国)有限公司

中国

広州市

70.0

コネクティブインダストリーズ

Hitachi Industrial Holdings Americas, Inc.

アメリカ

イリノイ

100.0

コネクティブインダストリーズ

JR Technology Group, LLC

アメリカ

ミシガン

100.0

コネクティブインダストリーズ

Sullair, LLC

アメリカ

インディアナ

100.0

オートモティブシステム

日立Astemo㈱

茨城県ひたちなか市

66.6

オートモティブシステム

Hitachi Astemo Americas, Inc.

アメリカ

ケンタッキー

100.0

その他

㈱日立エルジーデータストレージ

東京都港区

51.0

その他

㈱日立リアルエステートパートナーズ

東京都千代田区

100.0

その他

Hitachi America, Ltd.

アメリカ

カリフォルニア

100.0

その他

Hitachi Asia Ltd.

シンガポール

100.0

その他

日立(中国)有限公司

中国

北京市

100.0

その他

Hitachi Europe Ltd.

イギリス

ストーク ポージス

100.0

その他

Hitachi India Pvt. Ltd.

インド

ニューデリー

100.0

その他    661社

 

注28.関連当事者取引

(1)関連会社及び共同支配企業との取引

 関連会社及び共同支配企業に対する当社及び子会社の債権債務残高は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

関連会社

2022年3月31日

2023年3月31日

売上債権及び契約資産

42,146

39,762

買入債務

49,997

40,398

契約負債

588

20,078

 

 

 

(単位:百万円)

共同支配企業

2022年3月31日

2023年3月31日

売上債権及び契約資産

35,160

59,742

 

 関連会社及び共同支配企業に対する当社及び子会社の取引高は下記のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

関連会社

2022年3月31日

2023年3月31日

売上収益

232,811

164,164

仕入高

267,364

270,287

 

 

 

(単位:百万円)

共同支配企業

2022年3月31日

2023年3月31日

売上収益

56,969

76,980

仕入高

9,035

9,534

 

(2)当社の役員の報酬等の額

 

 

(単位:百万円)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

基本報酬、期末手当及び業績連動報酬

3,221

3,687

中長期インセンティブ報酬

(株式報酬型ストックオプション等)

1,195

1,279

合計

4,417

4,967

 

注29.コミットメント及び偶発事象

(1)貸出コミットメント

① 持分法適用会社等に対する貸出コミットメント

 2023年3月31日現在、当社は、持分法適用会社等に対する貸出コミットメントを行っています。当該業務等における貸出コミットメントに係る貸出未実行残高は、下記のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

2023年3月31日

貸出コミットメントの総額

130

貸出実行残高

差引額

130

 

 なお、上記貸出コミットメント契約においては、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも全額が貸出実行されるものではありません。

 

② 金融機関と締結したコミットメント

 当社及び一部の子会社は、事業活動の効率的な資金調達を行うため金融機関との間で貸出コミットメント契約を締結しています。2023年3月31日現在における貸出コミットメントに係る借入未実行残高は513,012百万円であり、その大部分は当社の借入未実行残高です。当社は、複数の銀行とコミットメントライン契約を結んでおり、対価として手数料を支払っています。契約期間は通常1年単位で、期間終了時には契約を更新しています。2023年3月31日現在のこれらの契約に関する借入未実行残高は305,000百万円です。その他に当社は、契約期間が3年で2025年7月を期限としたコミットメントライン契約を複数の金融機関と結んでおり、2023年3月31日現在の本契約に関する借入未実行残高は、200,000百万円です。

 

(2)資産の取得契約

 2023年3月31日現在の有形固定資産購入契約残高は、57,578百万円です。

 

(3)債務保証契約

 当社及び一部の子会社は、第三者に関する債務保証を行っています。2023年3月31日現在の債務保証残高は11,337百万円です。

 

(4)訴訟等

 2017年11月に、日本の子会社は、一次下請けとして請け負ったマンション(以下、本件マンション)の杭工事において一部不具合が懸念されることにより生じた費用等につき、日本の発注者から、本件マンション施工会社、日本の子会社及び杭工事二次下請施工会社の3社に対し、損害賠償として約459億円を支払うよう求める訴訟の提起を受けました。その後、2018年7月に請求額を約510億円に変更する旨の申立てを受け、2022年9月に請求額を約505億円に変更する旨

の申立てを受けました。

 これに関連して、2018年4月に、本件マンション施工会社から、日本の子会社及び杭工事二次下請施工会社に対し、上記訴訟において損害賠償責任を負担した場合に被る損害につき、損害賠償として約496億円を支払うよう求める訴訟の提起を受け、2018年7月に請求額を約548億円に変更する旨の申立てを受けました。日本の子会社は、これらの請求に対し見解を主張していく方針ですが、一切の支払義務を負わないとの確証はありません。

 

 2017年12月に、欧州の子会社は、欧州の顧客から、発電プラントの性能不良による逸失利益等として263百万ユーロ(38,331百万円)及びこれに対する利息の支払いを請求する旨の訴状を受領しました。また、2023年3月31日現在、損害賠償等請求額は270百万ユーロ(39,349百万円)に変更となっています。欧州の子会社は、この訴えに対して争う方針ですが、請求額について一切の支払義務を負わないとの確証はありません。

 

 当社及び子会社が実施する事業再編等において、事業再編後に契約条件に基づき価格が調整されるプロセスが含まれる場合があります。また、当社及び子会社が提供した製品及びサービスに関し欠陥や瑕疵等が発生する場合があります。これらの事業再編における価格調整並びに、製品及びサービスに関する補償等の結果、支払が生じる可能性があります。

 

 上記の訴訟等の結果によっては、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点においてその影響額は未確定であり、罰金、課徴金又は訴訟等に基づく支払額は引当計上した金額と異なる可能性があります。

 

 上記の他、当社及び子会社に対し、訴訟を起こされています。当社の経営者は、これらの訴訟から債務の発生があるとしても連結財務諸表に重要な影響を与えるものではないと考えています。

 

注30.後発事象

(1)重要な自己株式の取得

 当社は、2023年4月27日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法第459条第1項及び当社定款第32条の規定に基づき、自己株式の取得枠を設定することを決議しました。

① 取得の理由

 当社は、中長期的な企業価値の向上と継続的な配当の実施を通じて、株主へ利益を還元していくことを重要な経営課題と位置づけています。この度、当社の財務状況及び株価の状況、事業ポートフォリオ見直しの進捗等に鑑み、株主への利益還元の拡充のため、自己株式の取得を実施することを決定しました。

② 取得に係る事項の内容

(ⅰ)取得対象株式の種類

普通株式

(ⅱ)取得する株式の総数

2,000万株(上限)

(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合2.13%)

(ⅲ)株式の取得価額の総額

1,000億円(上限)

(ⅳ)取得期間

2023年4月28日~2024年3月31日

(ⅴ)取得方法

東京証券取引所における市場買付を予定

 

注31.連結財務諸表の承認

 連結財務諸表は、2023年6月21日に執行役社長兼CEO小島啓二により承認されています。

 

(2)【その他】

 

① 当連結会計年度における四半期情報等

 

   第1四半期

  連結累計期間

(自2022年4月1日

 至2022年6月30日)

   第2四半期

  連結累計期間

(自2022年4月1日

 至2022年9月30日)

   第3四半期

  連結累計期間

(自2022年4月1日

 至2022年12月31日)

    第154期

 

(自2022年4月1日

 至2023年3月31日)

売上収益(百万円)

2,569,816

5,416,779

8,108,796

10,881,150

税引前四半期(当期)利益

(百万円)

76,606

282,145

456,819

819,971

親会社株主に帰属する

四半期(当期)利益

(百万円)

37,158

172,515

292,232

649,124

1株当たり親会社株主に帰属する四半期

(当期)利益(円)

38.53

180.01

306.99

684.55

 

 

 

 

 

 

   第1四半期

  連結会計期間

(自2022年4月1日

 至2022年6月30日)

   第2四半期

  連結会計期間

(自2022年7月1日

 至2022年9月30日)

   第3四半期

  連結会計期間

(自2022年10月1日

 至2022年12月31日)

   第4四半期

  連結会計期間

(自2023年1月1日

 至2023年3月31日)

1株当たり親会社株主に帰属する四半期利益(円)

38.53

142.17

127.48

380.88