第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度の経営環境は、中国をはじめ東アジアの緩やかな景気減速が続き、日本においては個人消費に弱い動きがみられたことに加え、一部新興国の景気が低迷している一方、米国では堅調な景気拡大、欧州では緩やかな回復基調が継続した。また、為替については、対ドルでは前年度に比べ円安で推移したが、第4四半期は円高が進行した。

 かかる中、三菱電機グループは、これまでの事業競争力強化・経営体質強化に加え、自らの強みに根ざした成長戦略の推進に、従来以上に軸足を置いて取り組んできた。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は、重電システム部門、産業メカトロニクス部門、情報通信システム部門及び家庭電器部門の増収により、前連結会計年度比713億円増の4兆3,943億円となった。

 連結営業利益は、重電システム部門、情報通信システム部門及び電子デバイス部門の減益などにより、前連結会計年度比164億円減の3,011億円となった。また、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比44億円減の3,184億円、当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比62億円減の2,284億円となった。

 なお、当社単独の受注高は2兆6,505億円(前年度比102%)、売上高は2兆6,757億円(前年度比100%)となった。

 

  事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりである。

①重電システム

 社会インフラ事業は、国内の公共事業及び海外の交通事業は減少したが、国内の電力事業・交通事業の増加により、受注・売上とも前連結会計年度を上回った。

 ビルシステム事業は、海外の昇降機新設事業の増加などにより、受注は前連結会計年度を上回ったが、売上は前連結会計年度並みとなった。

 この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比3%増の1兆2,646億円、営業利益は、売上案件の変動や社会インフラ事業の採算悪化などにより、前連結会計年度比221億円減の503億円となった。

 なお、当社単独の受注高は8,106億円(前年度比110%)、売上高は7,694億円(前年度比104%)となった。

②産業メカトロニクス

 FAシステム事業は、中国を中心とした新興国での設備投資の停滞などにより、受注は前連結会計年度を下回ったが、自動車関連の設備投資及び国内製造業での設備更新の増加に加え、円安の影響もあり、売上は前連結会計年度並みとなった。

 自動車機器事業は、北米・欧州を中心に新車販売市場が好調なことに加え、円安の影響もあり、受注・売上とも前連結会計年度を上回った。

 この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比3%増の1兆3,219億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比131億円増の1,591億円となった。

 なお、当社単独の受注高は1兆278億円(前年度比100%)、売上高は1兆418億円(前年度比101%)となった。

 ③情報通信システム

 通信システム事業は、受注・売上とも前連結会計年度並みとなった

 情報システム・サービス事業は、システムインテグレーション事業等の増加により、売上は前連結会計年度を上回った

 電子システム事業は、宇宙システム事業の大口案件の増加などにより、受注は前連結会計年度を上回ったが、防衛システム事業の大口案件の変動により、売上は前連結会計年度並みとなった

 この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度並みの5,611億円、営業利益は、売上案件の変動などにより、前連結会計年度比39億円減の149億円となった

 なお、当社単独の受注高は2,936億円(前年度比117%)、売上高は3,114億円(前年度比96%)となった

④電子デバイス

 電子デバイス事業は、通信用光デバイス等は増加したが、自動車用・電鉄用・民生用・産業用パワー半導体等の需要減少により、受注・売上とも前連結会計年度を下回った

 この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比11%減の2,115億円、営業利益は、売上減少などにより、前連結会計年度比132億円減の168億円となった

 なお、当社単独の受注高は1,311億円(前年度比66%)、売上高は1,656億円(前年度比86%)となった。

⑤家庭電器

 家庭電器事業は、国内向け家庭用・業務用空調機器や欧州・アジア・北米向け空調機器の増加に加え、円安の影響もあり、売上高は前連結会計年度比4%増の9,820億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比95億円増の638億円となった

 なお、当社単独の受注高は3,873億円(前年度比101%)、売上高は3,873億円(前年度比101%)となった

⑥その他

 資材調達の関係会社での減少などにより、売上高は前連結会計年度比4%減の7,077億円、営業利益は、売上減少などにより、前連結会計年度比1億円減の236億円となった

 

 所在地別セグメントの業績は、次のとおりである。

①日本

 売上高は前連結会計年度並みの3兆5,635億円となったが、営業利益は、売上案件の変動や社会インフラ事業の採算悪化などにより前連結会計年度比528億円減の1,733億円となった

②北米

 電力事業及び自動車機器事業の増等により、売上高は前連結会計年度比15%増の4,469億円、営業利益は、前連結会計年度比42億円増の94億円となった

③アジア

 自動車機器事業及び空調機器の増等により、売上高は前連結会計年度比1%増の1兆545億円、営業利益は、前連結会計年度比85億円増の910億円となった

④欧州

 自動車機器事業及び空調機器の増等により、売上高は前連結会計年度比1%増の3,876億円、営業利益は、前連結会計年度比30億円増の148億円となった

⑤その他

 その他所在地には豪州子会社等が含まれており、売上高は502億円、営業利益は9億円となった

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度は、営業活動により増加した純キャッシュが3,666億円となった一方、投資活動に投入した純キャッシュが2,554億円となったため、フリー・キャッシュ・フローは前連結会計年度より689億円減少の1,112億円の収入となった。これに対し、財務活動により減少した純キャッシュは821億円となったこと等から、現金及び預金等期末残高は、前連結会計年度比56億円増加の5,741億円となった。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の減少があったものの、支払手形及び買掛金の減少や未払費用及び退職給付引当金の減少等により、前連結会計年度比116億円の収入減少となった

 投資活動によるキャッシュ・フローは、メルコ・ハイドロニクス&ITクーリング社株式の取得(取得現金控除後)等により、前連結会計年度比572億円の支出増加となった

 財務活動によるキャッシュ・フローは、メルコ・ハイドロニクス&ITクーリング社の非支配持分の取得や配当金の支払いの増加等により、前連結会計年度比325億円の支出増加となった

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。

事業の種類別セグメントの名称

生産高(百万円)

前連結会計年度比(%)

重電システム

899,141

105

産業メカトロニクス

1,221,176

101

情報通信システム

388,900

95

電子デバイス

168,248

70

家庭電器

703,323

97

その他

2,569

133

3,383,357

98

 (注) 上記金額は、仕込製品については仕切予定価格、注文製品については受注価格で示している。

(2) 受注状況

 当連結会計年度における受注状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載している。

(3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。

事業の種類別セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比(%)

重電システム

1,264,604

103

産業メカトロニクス

1,321,937

103

情報通信システム

561,119

100

電子デバイス

211,580

89

家庭電器

982,064

104

その他

707,746

96

消去

△654,697

-

4,394,353

102

 (注) 各種類別セグメントの金額には、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示している。

3 【対処すべき課題】

 世界経済の先行きは、中国の緩やかな景気減速の継続や、一部新興国の景気低迷の長期化に加え、日本においても個人消費の停滞の長期化が懸念されるものの、米国や欧州を中心に、総じて緩やかな景気拡大基調の継続を見込んでいる。しかしながら、円高基調の継続も懸念されるなど、当社の経営環境については必ずしも楽観視できない状況にある

 かかる中、三菱電機グループは、「バランス経営」の3つの視点(「成長性」「収益性・効率性」「健全性」)に基づく持続的成長を追求する上で、「強い事業をより強く」「新たな強い事業の創出」「強い事業を核としたソリューション事業の強化」にそれぞれ取り組み、遅くとも2020年度までに「連結売上高5兆円以上」「営業利益率8%以上」を達成すべく、もう一段高いレベルの成長を目指す。これまでと同様に、継続的に達成すべき経営指標として「ROE10%以上」「借入金比率15%以下」についても取り組んでいく

 グローバルでの更なる事業拡大に向けては、グローバル及びグループトータルでの最適な事業推進体制の構築・強化や事業間連携等を通じた新たな価値創出に取り組んでいく。あわせて、グローバル環境先進企業として「環境・エネルギー」「社会インフラシステム」関連事業の更なる展開を推進し、欧米や中国における事業力を強化するとともに、インド・東南アジア・中南米等の成長市場における需要獲得に注力していく

 また、「質のよい」成長を実現する経営基盤強化策として、成長牽引事業を中心に、開発投資や設備投資を強化するとともに、製品・技術の補完や新地域・新市場での販売網・サービス網の確保、新規顧客層の獲得を目的とした協業・M&Aなどに取り組んでいく。あわせて、事業の継続的な新陳代謝を通じた経営資源の最適な配分、「ものづくり力」の強化に資する開発・生産力の強化、開発設計段階からの品質作り込み、Just In Time改善活動をはじめとする生産性向上策、人材構造適正化及び最適配置、更なる財務体質の改善等に引き続き取り組むとともに、事業別資産効率指標として導入した三菱電機版ROIC*1を継続的に運用し、中長期視点で、総合的な事業効率性を向上させていく

 CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)については、「企業理念*2」及び「7つの行動指針*3」に基づき、三菱電機グループ一丸となった活動を推進していく。特に、企業経営の基本を成すものと位置づけてきた「倫理・遵法」については、コンプライアンス方針の徹底、内部統制の強化、教育を核とした更なるコンプライアンス活動の強化に引き続きグループ全体で取り組んでいく。あわせて、「コーポレートガバナンス」については、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応を図るなど、継続的な向上策に取り組み、「環境」についても、低炭素社会や循環型社会の形成等に向けた取り組みを推進することにより、社会・顧客・株主等とのより高い信頼関係の確立に一層努めていく

 三菱電機グループは、上記施策を着実に展開することにより、更なる企業価値の向上を目指していく。

 

  *1 三菱電機版ROIC(投下資本利益率):各事業部門での把握・改善が容易となるように、「資本」「負債」ではな

く、資産項目(固定資産・現預金等)に基づいて算出。

  *2 「企業理念」:三菱電機グループは、技術、サービス、創造力の向上を図り、活力とゆとりある社会の実現に貢献する。

  *3 「7つの行動指針」:

   ・「信頼」:社会・顧客・株主・社員・取引先等との高い信頼関係を確立する。

   ・「品質」:最良の製品・サービス、最高の品質の提供を目指す。

   ・「技術」:研究開発・技術革新を推進し、新しいマーケットを開拓する。

   ・「貢献」:グローバル企業として、地域、社会の発展に貢献する。

   ・「遵法」:全ての企業行動において規範を遵守する。

   ・「環境」:自然を尊び、環境の保全と向上に努める。

   ・「発展」:適正な利益を確保し、企業発展の基盤を構築する。

 

 

4 【事業等のリスク】

 三菱電機グループは、重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器、その他の広範囲の分野にわたり開発、製造、販売等の事業を行っており、またそれぞれの事業は国内及び北米、欧州、アジア等の海外において展開されている。そのため、様々な要素が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある

 具体的に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある要因のうち、主なものは以下のとおりだが、新たな要因が発生する可能性もある

 

(1) 世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向

 世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向は、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性がある

(2) 為替相場

 為替相場の変動は、主に当社における米ドル建てもしくはユーロ建て輸出売上や輸入部材購入、アジア地域の製造拠点における当該地国以外の通貨建て輸出売上や輸入部材購入について影響を及ぼす可能性がある

(3) 株式相場

 株式相場の下落は、当社が保有する市場性のある株式の評価減による損失の計上、年金資産公正価値の減少に伴う退職給付費用の増加をもたらす可能性がある

(4) 製品需給状況及び部材調達環境

 製品需給状況の変動による価格の下落や出荷数量の減少及び部材調達環境の悪化による原価の上昇は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある

(5) 資金調達環境

 特に円の金利上昇は、当社の支払利息の増加をもたらす

(6) 重要な特許の成立及び実施許諾並びに特許関連の係争等

 重要な特許の成立及び実施許諾並びに特許関連の係争等が起こった場合は、当該案件の関係する事業へ影響を及ぼす可能性がある

(7) 環境に関連する規制や問題の発生

 環境に関連する規制の動向や問題の発生は、損失の計上や規制に対応するための費用等の増加を伴う可能性がある。また、当社グループの生産活動をはじめとする企業活動全般に影響を及ぼす可能性がある

(8) 製品やサービスの欠陥や瑕疵等

 製品やサービスの欠陥や瑕疵等により、損失計上を伴う場合がある。また、当社グループの製品やサービスの品質に対する評価の低下は、経営全般に影響を及ぼす可能性がある

(9) 訴訟その他の法的手続き

 当社グループに対する訴訟その他の法的手続きは、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性がある

(10) 急激な技術変化や、新技術を用いた製品の開発、製造及び市場投入時期

 急激な技術変化や、新技術を用いた製品の開発、製造及び市場投入時期は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある

(11) 事業構造改革

 事業構造改革の実行内容によっては、損失計上を伴う場合がある

(12) 情報セキュリティー

 当社グループの保有する個人情報や当社グループの技術・営業等の事業に関する機密情報等が、コンピューターウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、滅失もしくは社外に漏洩した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある

(13) 地震・台風・津波・火災等の大規模災害の発生

 地震・台風・津波・火災等の大規模災害の発生は、当社グループの生産活動をはじめとする企業活動全般に影響を及ぼす可能性がある

(14) テロ・戦争、新型インフルエンザ等の感染症の流行等による社会的・政治的混乱の発生

 テロ・戦争、新型インフルエンザ等の感染症の流行等による社会的・政治的混乱の発生は、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性がある

 なお、上記における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社が判断したものである。

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術導入契約

相手方の名称

契約の内容

契約締結日

期限

ノースロップ・グラマン・

インターナショナル・

トレーディング社

航空機用電子機器の製造技術使用許諾

  平成26.10.17

平成35. 7.31

 (注) 1 上記契約は、当社を契約会社としている。

2  上記契約に基づく報償料は、所定金額を支払う。

(2) 技術供与契約

相手方の名称

契約の内容

契約締結日

期限

三菱電機コンシューマー・

プロダクツ(タイ)社

ルームエアコン・パッケージエアコン

製造技術使用許諾

  平成 2. 6. 1

自動延長

上海三菱電機

上菱空調機電器有限公司

ルームエアコン・パッケージエアコン・換気扇製造技術使用許諾

  平成22. 6.25

平成29. 6.25

三菱電機(広州)圧縮機有限公司

空調用圧縮機の製造技術使用許諾

  平成23.12.28

自動延長

三菱電機

エア・コンディショニング・

システムズ・ヨーロッパ社

空調機の製造技術使用許諾

  平成17.10. 1

自動延長

サイアム・コンプレッサー・

インダストリー社

空調用圧縮機の製造技術使用許諾

  平成14. 4. 1

自動延長

三菱エレベーター・アジア社

昇降機の製造技術使用許諾

  平成 4. 6.15

自動延長

 (注) 1 上記契約は、すべて当社を契約会社としている。

2  上記契約に基づく報償料は、売上に応じた金額を受領する。一部の契約については、所定金額を受領する。

(3) 株式譲渡契約

 当社は、平成27年8月24日の執行役会議において、イタリアの業務用空調事業会社であるメルコ・ハイドロニクス&ITクーリング社(旧デルクリマ社、MELCO Hydronics & IT Cooling S.p.A.、以下「MEHIT社」という。)の発行済株式の約74.97%を取得することを決議し、平成27年8月25日にデロンギインダストリアル社と株式譲渡契約を締結した。当社はこの契約に基づき、平成27年12月23日にMEHIT社の発行済株式を取得し、MEHIT社は当社の連結子会社となった。また、当社はMEHIT社の残り約25.03%の株式に対して公開買付けを行い、平成28年2月24日にMEHIT社は当社の完全子会社となった。

 

6 【研究開発活動】

三菱電機グループ(当社及び連結子会社)は、国内研究所、海外研究所(米・欧)及び製作所・連結子会社の開発部門において、基礎研究から応用研究、製品化開発、更には生産技術開発に至る積極的な研究開発活動を推進している。また、国内外の大学・研究機関などと連携し、広範かつ先進的な研究開発活動をグローバルに展開している。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は2,029億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)であり、事業セグメントごとの研究開発活動の目的・内容・成果及び開発費は以下のとおりである。

(1) 重電システム

発電機・電動機などの回転機、開閉機器・変圧器などの送変電機器や受配電機器、交通システム、昇降機などの基幹製品の競争力強化に向けた開発を行うとともに、監視制御システム、電力情報システム、ビル管理システム、映像情報システムなどIT応用システムの開発を行っている。主な成果は、社会インフラ向け「三菱インフラモニタリングシステム(MMSD)」、駅舎補助電源装置「S-EIV」小型高機能タイプ、高速鉄道車両用水冷方式推進制御装置、海外向けガス絶縁開閉装置の小形軽量化、大容量蓄電システム、入退室管理システム「MELSAFETY-Pχ」機能拡充、海外向け標準エレベーター「NEXIEZ-MR」アルファパッケージの競争力強化などである。当該分野における研究開発費は337億円である。

(2) 産業メカトロニクス

FA制御システム機器、サーボモータなどの駆動機器、配電制御機器、メカトロ機器、産業用ロボット、電動パワーステアリングなどの自動車用電装品、カーマルチメディア機器、予防安全(自動運転)・運転支援系システムなどの競争力強化に向けた開発を行っている。主な成果は、ファイバー二次元レーザー加工機「ML3015eX-F40」、炭酸ガス二次元レーザー加工機「ML3015SR-32XP」、安全シーケンサ「MELSEC iQ-R シリーズ」、UVレーザー加工機「GTW4-UVF20 シリーズ」、形彫放電加工機「EA12PS」、オーディオ&カーナビゲーションシステム「DIATONE SOUND. NAVI NR-MZ100シリーズ」、ETC2.0車載器「EP-E216SBG/SB」、東京モーターショー2015出展コンセプトカー「EMIRAI3 xAUTO」「EMIRAI3 xDAS」などである。当該分野における研究開発費は708億円である。

(3) 情報通信システム

情報通信インフラやネットワークソリューション機器及び宇宙関連システムなどの開発を行っている。主な成果は、モービルマッピングシステム搭載「路面性状計測車両」、モービルマッピングシステムのリアルタイムレーザー点群生成技術、映像監視システム「MELOOK3」ラインアップ強化、ビデオコンテンツ解析システムによる動線解析技術、100Gbps×88ch×8方路光クロスコネクトシステム、5G向け多素子アクティブフェーズドアレーアンテナ、Wi-Fi内蔵光回線終端装置、150MHz帯空間波デジタル列車無線システム、スマート制御クラウドサービスDIAPLANET「TOWNEMS」、ハイブリッドクラウドサービス「CloudMinder®*1」、標的型サイバー攻撃対策サービス、機密情報ファイル交換サービス「パッケージプラス®*2 トランスポーター」などである。当該分野における研究開発費は189億円である。

(4) 電子デバイス

様々な事業分野を支える半導体デバイスなどの開発を行っている。主な成果は、第7世代IGBT搭載パワー半導体モジュール、100Gbps高速光ファイバー通信用送信モジュール、高周波MOSFET「RD70HUP2」、産業用超広視野角TFT液晶モジュール「DIAFINE®*3」などである。当該分野における研究開発費は106億円である。

(5) 家庭電器

空調機器、調理家電、家事家電、照明機器、デジタル映像機器、電材住設機器、太陽光発電システムなどの開発を行っている。主な成果は、プロペラファンを搭載したルームエアコン「霧ヶ峰FZシリーズ」、店舗・事務所用パッケージエアコン「スリムエアコン」、氷点下ストッカーD搭載冷蔵庫「WX・JXシリーズ」、IHジャー炊飯器「本炭釜 KAMADO」、ビル・工場用空冷式ヒートポンプチラー「COMPACT CUBE DT-R」などである。当該分野における研究開発費は398億円である。

(6) その他・共通(先端技術・共通基盤技術)

先端技術の開発を、IoT、スマートモビリティ、快適空間、安全・安心インフラの4つの未来社会カテゴリで推進している。主な成果は、人工知能を使った漫然運転検知アルゴリズム、部分一致対応秘匿検索基盤ソフトウェア、衝突を回避する先進運転支援システム、自動車向け路面ライティングコンセプト、PM2.5の濃度を高精度に検出する空気質センサー、空中ディスプレイ、サイバー攻撃検知技術、海水アンテナ「シーエアリアル」などである。共通基盤技術については、次世代ものづくり検証技術、パッケージエアコン用高効率DCファンモータ、ルームエアコン意匠部品の塗装自動化などである。当該分野における研究開発費は287億円である。

 

*1 CloudMinderは三菱電機インフォメーションネットワーク㈱の登録商標である。

*2 パッケージプラスは㈱三菱電機ビジネスシステムの登録商標である。

*3 DIAFINEは三菱伸銅㈱の登録商標であるが、平成20年1月17日から10年間の使用許諾を得ている。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

三菱電機グループが当連結会計年度中にとった主な施策及び翌連結会計年度以降に向けての施策については、「1 業績等の概要 (1) 業績」及び「3 対処すべき課題」に記載のとおりであるが、これらの施策の実施状況を踏まえた当連結会計年度に関する財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりである。

なお、当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計原則に基づいて作成している。当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っており、それらの仮定と見積りは資産、負債、収益、費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示金額に影響を及ぼし、実際の結果がそれらの見積りと異なることもあり得る。主要な会計方針の要約は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 (平成26年度及び平成27年度連結財務諸表に対する注記)」に記載している。

事業の種類別セグメントの業績と所在地別セグメントの業績については「1 業績等の概要 (1) 業績」に、キャッシュ・フローについては「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載している。

 

(1) 資産及び負債・資本の状況分析

総資産残高は、前連結会計年度末比4億円増加の4兆599億円となった。株価下落等を背景に投資有価証券及びその他が650億円、棚卸資産が612億円減少した一方、メルコ・ハイドロニクス&ITクーリング社の取得等によりその他の資産が1,350億円増加した。

負債の部は、借入金及び社債残高が前連結会計年度末比220億円増加の4,040億円となり、借入金比率は10.0%(前連結会計年度末比+0.6ポイント)となった。また、退職給付引当金が株価下落等に伴う年金資産の減少等により474億円増加した一方、支払手形及び買掛金が335億円減少、その他の固定負債が195億円減少、その他の流動負債が175億円減少したこと等により、負債残高は前連結会計年度末比68億円減少の2兆1,224億円となった。

資本の部は、当社株主に帰属する当期純利益2,284億円の計上による増加等があったものの、配当金の支払い579億円による減少、期末日における前連結会計年度末からの株価下落及び為替円高等を背景としたその他の包括利益累計額の減少1,747億円等により、株主資本は前連結会計年度末比34億円減少の1兆8,387億円となり、株主資本比率は45.3%(前連結会計年度末比△0.1ポイント)となった。

(2) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、4兆3,943億円と前連結会計年度比713億円の増収となった。これは、重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム及び家庭電器のセグメントにおいて増収となったことによるものである。

② 売上原価及び費用並びに営業利益

売上原価は、前連結会計年度比392億円増加の3兆714億円となり、売上高に対する比率は0.2ポイント改善の69.9%となった。販売費及び一般管理費・研究開発費は、前連結会計年度比430億円増加の1兆132億円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度比0.5ポイント悪化の23.0%となった。固定資産減損損失は、前連結会計年度比53億円増加の84億円となった。

この結果、営業利益は重電システム、情報通信システム及び電子デバイスのセグメントにおいて減益となったこと等により、前連結会計年度比164億円減少の3,011億円となった。

③ 営業外収益及び営業外費用

受取利息及び受取配当金と支払利息を合わせた金融費用は、前連結会計年度比17億円の収支改善となり50億円の収入超過となった。

持分法による投資利益は、前連結会計年度比17億円増加の294億円の利益となった。

その他の収益は、前連結会計年度比207億円減少の225億円となった。その他の費用は、前連結会計年度比292億円減少の397億円となった。

④ 税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比44億円減少の3,184億円(売上高比7.2%)となった。これは、前述のとおり営業外損益が119億円改善したものの、営業利益が164億円減少したことによるものである。

⑤ 当社株主に帰属する当期純利益

当社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の減少等により、前連結会計年度比62億円減少の2,284億円(売上高比5.2%)となった。

 

(注) 「第2 事業の状況」の各記載金額には消費税等を含んでいない。