当第1四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等、新たに発生した事業等のリスクはない。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はない。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の締結、変更、解約等はない。
(1)業績
当第1四半期連結累計期間における経営環境は、中国をはじめ東アジアの緩やかな景気減速が続き、日本においては個人消費に弱い動きがみられた一方、米国では堅調な景気拡大、欧州では緩やかな回復基調で推移した。また、為替については、前年比円高で推移し、6月末にはイギリスのEU離脱に関する国民投票結果を背景として円高が急進した。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は、前年同四半期連結累計期間に対し、産業メカトロニクス部門、情報通信システム部門及び電子デバイス部門の減収などにより、613億円減収の9,270億円となった。営業利益は、前年同四半期連結累計期間に対し、重電システム部門、家庭電器部門の増益などにより、50億円増益の597億円となった。また、税金等調整前四半期純利益は、前年同四半期連結累計期間比61億円減の610億円、当社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期連結累計期間比34億円減の429億円となった。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりである。
①重電システム
社会インフラ事業は、国内・海外の交通事業の減少などにより、受注は前年同四半期連結累計期間を下回ったが、国内電力事業及び海外交通事業の増加などにより、売上は前年同四半期連結累計期間を上回った。
ビルシステム事業は、受注は前年同四半期連結累計期間並みとなったが、円高の影響などにより、売上は前年同四半期連結累計期間を下回った。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比1%増の2,380億円、営業利益は、売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比105億円増の39億円となった。
②産業メカトロニクス
FAシステム事業は、海外での製造業の設備投資の減速や、国内での製造業の設備投資等の需要停滞に加え、熊本地震や円高の影響もあり、受注・売上とも前年同四半期連結累計期間を下回った。
自動車機器事業は、欧州等の新車販売市場が好調に推移したが、円高の影響などにより、受注・売上とも前年同四半期連結累計期間を下回った。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比8%減の3,022億円、営業利益は、売上減少などにより、前年同四半期連結累計期間比104億円減の324億円となった。
③情報通信システム
通信システム事業は、当連結会計年度初めの関係会社の譲渡や通信インフラ機器の減少などにより、受注・売上とも前年同四半期連結累計期間を下回った。
情報システム・サービス事業は、ITインフラサービス事業の減少により、売上は前年同四半期連結累計期間を下回った。
電子システム事業は、防衛システム事業の減少などにより、受注・売上とも前年同四半期連結累計期間を下回った。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比23%減の735億円、営業損益は、売上減少などにより、前年同四半期連結累計期間比14億円悪化の31億円の損失となった。
④電子デバイス
電子デバイス事業は、通信用光デバイス等の需要増加により、受注は前年同四半期連結累計期間を上回ったが、パワー半導体の減少に加え、熊本地震や円高の影響もあり、売上は前年同四半期連結累計期間を下回った。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比41%減の390億円、営業利益は、売上減少などにより、前年同四半期連結累計期間比113億円減の9億円となった。
⑤家庭電器
家庭電器事業は、円高の影響はあったが、国内向け家庭用・業務用空調機器及び欧州向け空調機器の増加などにより、売上高は前年同四半期連結累計期間比3%増の2,619億円、営業利益は、売上増加などにより、前年同四半期連結累計期間比155億円増の317億円となった。
⑥その他
資材調達の関係会社での減少などにより、売上高は前年同四半期連結累計期間比4%減の1,563億円、営業利益は、コスト改善などにより、前年同四半期連結累計期間比17億円増の26億円となった。
所在地別セグメントの業績は、次のとおりである。
①日本
FAシステム事業、通信システム事業及び電子デバイス事業の減等により、売上高は前年同四半期連結累計期間比8%減の6,947億円、営業利益は、前年同四半期連結累計期間比88億円減の179億円となった。
②北米
自動車機器事業の減等により、売上高は前年同四半期連結累計期間比9%減の1,021億円となったが、営業利益は、空調機器のコスト改善などにより前年同四半期連結累計期間比25億円増の36億円となった。
③アジア
ビルシステム事業、FAシステム事業及び自動車機器事業の減等により、売上高は前年同四半期連結累計期間比10%減の2,617億円となったが、営業利益は、空調機器のコスト改善などにより前年同四半期連結累計期間比3億円増の293億円となった。
④欧州
空調機器の増等により、売上高は前年同四半期連結累計期間比6%増の1,106億円となったが、営業利益は、売上案件の変動などにより前年同四半期連結累計期間並みの41億円となった。
⑤その他
その他所在地には豪州子会社等が含まれており、売上高は110億円、営業利益は4億円となった。
(2)キャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間は、営業活動により増加した純キャッシュが1,092億円となった一方、投資活動に投入した純キャッシュが226億円となったため、フリー・キャッシュ・フローは前年同四半期連結累計期間比265億円増加の865億円の収入となった。これに対し、財務活動により減少した純キャッシュは411億円であること等から、現金及び預金等四半期末残高は前連結会計年度末比209億円増加の5,951億円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の投入額増加等があるものの、支払手形及び買掛金の支払い減少等により、前年同四半期連結累計期間比92億円の収入増加となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社の売却収入(売却時現金控除後)等により、前年同四半期連結累計期間比172億円の支出減少となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入による資金調達の増加等により、前年同四半期連結累計期間比25億円の支出減少となった。
(3)対処すべき課題
世界経済の先行きは、中国の緩やかな景気減速の継続や日本における個人消費の停滞の長期化が懸念されるものの、米国や欧州を中心に、総じて緩やかな景気拡大基調の継続を見込んでいる。しかしながら、円高基調の継続が懸念されることに加え、イギリスのEU離脱に関する国民投票結果に端を発する不確実性の高まりなどもあり、当社の経営環境については必ずしも楽観視できない状況にある。
三菱電機グループは、持続的な成長に向け、「企業理念*1」及び「7つの行動指針*2」に基づき、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の取り組みを企業経営の基本と位置付けており、今日的な社会課題の中でも環境問題や資源・エネルギー問題に対して、製品・システムの省エネ化や社会インフラの構築を通じてグローバルに解決に取り組み、「持続可能な社会」と「安心・安全・快適性」が両立する豊かな社会の実現に貢献する「グローバル環境先進企業」を目指していく。
2020年度までに達成すべき成長目標である「連結売上高5兆円以上」「営業利益率8%以上」の実現に向けては、「バランス経営」の3つの視点(「成長性」「収益性・効率性」「健全性」)に基づき成長戦略を推進することに加え、これまでと同様に、継続的に達成すべき経営指標である「ROE 10%以上」「借入金比率15%以下」についても取り組み、もう一段高いレベルの成長を目指す。
具体的には、現在、事業展開している日本・北米・欧州・中国などの地域で、強い事業の更なる強化に取り組み、個別の製品・システム・サービスにおいて、これまで以上に各市場のニーズに応じた価値を提供するとともに、広範にわたる技術資産の組み合わせによる技術シナジーや事業特性の異なる複数の事業の連携による事業シナジーを通じた更なる価値を創出し、収益の向上を図っていく。加えて、将来の成長を支える新たな強い事業の創出や、アジアなどの新興市場の開拓に向けた現地拠点と事業体制の整備にも引き続き注力していく。
また、「質のよい」成長を実現する経営基盤強化策として、成長牽引事業を中心に、開発投資や設備投資を強化するとともに、製品・技術の補完や新地域・新市場での販売網・サービス網の確保、新規顧客層の獲得を目的とした協業・M&A などに取り組んでいく。あわせて、事業の継続的な新陳代謝を通じた経営資源の最適な配分、「ものづくり力」の強化に資する開発・生産力の強化、開発設計段階からの品質作り込み、Just In Time 改善活動をはじめとする生産性向上策、人材構造適正化及び最適配置、更なる財務体質の改善等に引き続き取り組むとともに、事業別資産効率指標として導入した三菱電機版ROIC*3 を継続的に運用し、中長期視点で、総合的な事業効率性を向上させていく。
「倫理・遵法」については、コンプライアンス方針の徹底、内部統制の強化、教育を核とした更なるコンプライアンス活動の強化に引き続きグループ全体で取り組んでいく。あわせて、「コーポレートガバナンス」については、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応を図るなど、継続的な向上策に取り組み、社会・顧客・株主等とのより高い信頼関係の確立に一層努めていく。
三菱電機グループは、上記施策を着実に展開することにより、更なる企業価値の向上を目指していく。
*1 「企業理念」:三菱電機グループは、技術、サービス、創造力の向上を図り、活力とゆとりある社会の実現に貢献する。
*2 「7つの行動指針」:
・「信頼」:社会・顧客・株主・社員・取引先等との高い信頼関係を確立する。
・「品質」:最良の製品・サービス、最高の品質の提供を目指す。
・「技術」:研究開発・技術革新を推進し、新しいマーケットを開拓する。
・「貢献」:グローバル企業として、地域、社会の発展に貢献する。
・「遵法」:全ての企業行動において規範を遵守する。
・「環境」:自然を尊び、環境の保全と向上に努める。
・「発展」:適正な利益を確保し、企業発展の基盤を構築する。
*3 三菱電機版ROIC(投下資本利益率):各事業部門での把握・改善が容易となるように、「資本」「負債」ではなく、資産項目
(固定資産・現預金等)に基づいて算出。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、464億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)である。
なお、当第1四半期連結累計期間において、三菱電機グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。
(5)資産及び負債・資本の状況分析
総資産残高は、前連結会計年度末比2,126億円減少の3兆8,472億円となった。現金及び預金等が209億円増加、棚卸資産が受注工事の進捗に伴い仕掛品を中心に354億円増加した一方、売掛債権の回収等により受取手形及び売掛金と長期営業債権の合計が2,442億円減少した。
負債の部は、借入金及び社債残高が前連結会計年度末比5億円減少の4,034億円となり、借入金比率は10.5%(前連結会計年度末比+0.5ポイント)となった。また、退職給付引当金が株価下落等に伴う年金資産の減少等により219億円増加した一方、支払手形及び買掛金が818億円減少、未払費用が549億円減少したこと等により、負債残高は前連結会計年度末比1,072億円減少の2兆151億円となった。
資本の部は、当社株主に帰属する四半期純利益429億円の計上による増加はあったものの、配当金の支払い386億円による減少、為替円高・株価下落等を背景としたその他の包括利益累計額の減少1,035億円等により、株主資本は前連結会計年度末比1,002億円減少の1兆7,385億円となり、株主資本比率は45.2%(前連結会計年度末比△0.1ポイント)となった。
(6)経営成績の分析
①売上高
当第1四半期連結累計期間の売上高は、9,270億円と前年同四半期連結累計期間比613億円の減収となった。これは、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス及びその他のセグメントにおいて減収となったことによるものである。
②売上原価及び費用並びに営業利益
売上原価は、前年同四半期連結累計期間比635億円減少の6,275億円となり、売上高に対する比率は前年同四半期連結累計期間比2.2ポイント改善の67.7%となった。販売費及び一般管理費・研究開発費は、前年同四半期連結累計期間比28億円減少の2,398億円となり、売上高に対する比率は前年同四半期連結累計期間比1.3ポイント悪化の25.9%となった。
この結果、営業利益は重電システム、家庭電器及びその他のセグメントにおいて増益になったこと等により、前年同四半期連結累計期間比50億円増加の597億円となった。
③営業外収益及び営業外費用
受取利息及び受取配当金と支払利息を合わせた金融費用は、前年同四半期連結累計期間とほぼ同額の21億円の収入超過となった。
持分法による投資利益は、前年同四半期連結累計期間比14億円減少の35億円となった。
その他の収益は、前年同四半期連結累計期間比109億円増加の200億円となった。その他の費用は、前年同四半期連結累計期間比207億円増加の244億円となった。
④税金等調整前四半期純利益
税金等調整前四半期純利益は、前年同四半期連結累計期間比61億円減少の610億円(売上高比6.6%)となった。これは、前述のとおり営業利益が50億円増加したものの、営業外損益が112億円悪化したことによるものである。
⑤当社株主に帰属する四半期純利益
当社株主に帰属する四半期純利益は、税金等調整前四半期純利益の減少等により、前年同四半期連結累計期間比34億円減少の429億円(売上高比4.6%)となった。
(7)見積り及び重要な会計方針
当社の四半期連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計原則に基づいて作成している。当社は四半期連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っており、それらの仮定と見積りは資産、負債、収益、費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示金額に影響を及ぼし、実際の結果がそれらの見積りと異なることもあり得る。主要な会計方針の要約は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 (四半期連結財務諸表に対する注記)」に記載している。