(1) 経営方針
三菱電機グループは、「企業理念*1」及び「7つの行動指針*2」に基づき、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を企業経営の基本と位置付け、「成長性」「収益性・効率性」「健全性」の3つの視点による「バランス経営」を継続し、強固な経営基盤の確立と持続的成長を追求していく。
また、コーポレートステートメント「Changes for the Better」に基づき、変革に挑戦し、常により良い明日への探求を続け、「社会」「顧客」「株主」「従業員」をはじめとするステークホルダーから信頼と満足を得られるよう取り組んでいく。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
世界経済の先行きは、米国の通商政策や英国のEU離脱影響などの不確実性はあるものの、中国の景気減速は緩やかなものにとどまることが見込まれ、米国の堅調な景気拡大、日本や欧州における回復基調の継続が期待されるなど、総じて緩やかな景気拡大が続くことを見込んでいる。
かかる中、三菱電機グループは、「企業理念」及び「7つの行動指針」に基づき、CSRを企業経営の基本として活動していく。環境問題や資源・エネルギー問題をはじめとする今日的な社会課題に対し、グローバルでの製品・システム・サービスの提供等により、持続可能性と安心・安全・快適性が両立する豊かな社会の実現に貢献する「グローバル環境先進企業」を目指して、グループ一丸となって取り組んでいく。
また、豊かな社会の実現に貢献する取り組みにおいては、「バランス経営」の3つの視点(「成長性」「収益性・効率性」「健全性」)に基づき持続的成長を追求し、もう一段高いレベルの成長を目指す。「強い事業をより強く」することに加え、強い技術資産の組合せによる「技術シナジー」や多岐にわたる事業群の連携による「事業シナジー」の創出を通じ、遅くとも2020年度までに「連結売上高5兆円以上」「営業利益率8%以上」を達成すべく、更なる価値の創出に取り組んでいく。あわせて、継続的に達成すべき経営指標として、「ROE10%以上」「借入金比率15%以下」の達成にも努めていく。なお、2017年度の業績は、売上高は4兆4,311億円、営業利益率は7.2%、ROEは12.6%、借入金比率は7.3%となった。
持続的成長に向けては、成長牽引事業を中心とした事業競争力を強化するとともに新たな強い事業を継続的に創出すべく、開発投資や設備投資などにおける高水準の資源投入の継続に加え、製品・技術の補完や新地域・新市場での販売網・サービス網の確保、新規顧客層の獲得を目的とした協業・M&Aなどに取り組み、成果を最大化していく。グローバル及びグループトータルでの最適な事業推進体制を構築・強化し、欧米や中国における事業競争力を強化するとともに、インド・東南アジア・中南米等の成長市場における需要獲得に注力していく。あわせて、事業の継続的な新陳代謝を通じた経営資源の最適な配分、「ものづくり力」の強化に資する開発・生産力の強化、開発設計段階からの品質作り込み、間接部門における業務効率化も含むJust In Time改善活動を通じた生産性向上、人材構造適正化及び最適配置、更なる財務体質の改善等に引き続き取り組むとともに、事業別資産効率指標として導入した三菱電機版ROIC*3を継続的に運用し、中長期視点で、総合的な事業効率性を向上させ、「質のよい」成長を実現していく。
かかる三菱電機グループの取り組みの中で、「環境」については、低炭素社会や循環型社会の形成等に貢献すべく、創立100周年の2021年を目標年とする「環境ビジョン2021」の下、製品使用時におけるCO2排出量の30%削減(2000年度比)と、グループ全体での製品生産時のCO2排出総量の30%削減(1990年度比*4)を目標としている。2017年度の実績は、製品使用時のCO2排出量は削減率35%、製品生産時のCO2排出総量の削減率は52%となった。引き続き、目標年での達成に向け取り組んでいく。「倫理・遵法」については、コンプライアンス方針の徹底、内部統制の強化、教育を核とした更なるコンプライアンス活動の強化に引き続きグループ全体で取り組んでいく。あわせて、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応を図るなど、「コーポレートガバナンス」の継続的な向上策に取り組み、社会・顧客・株主等とのより高い信頼関係の確立に一層努めていく。
三菱電機グループは、上記施策を着実に展開することにより、更なる企業価値の向上を目指していく。
*1 「企業理念」:三菱電機グループは、技術、サービス、創造力の向上を図り、活力とゆとりある社会の実現に貢献する。
*2 「7つの行動指針」:
・「信頼」:社会・顧客・株主・社員・取引先等との高い信頼関係を確立する。
・「品質」:最良の製品・サービス、最高の品質の提供を目指す。
・「技術」:研究開発・技術革新を推進し、新しいマーケットを開拓する。
・「貢献」:グローバル企業として、地域、社会の発展に貢献する。
・「遵法」:全ての企業行動において規範を遵守する。
・「環境」:自然を尊び、環境の保全と向上に努める。
・「発展」:適正な利益を確保し、企業発展の基盤を構築する。
*3 三菱電機版ROIC(投下資本利益率):各事業部門での把握・改善が容易となるように、「資本」「負債」ではなく、資産項目(固定資産・現預金等)に基づいて算出。
*4 削減目標の基準年度:当社単独1990年、国内関係会社2000年、海外関係会社2005年
三菱電機グループは、重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器、その他の広範囲の分野にわたり開発、製造、販売等の事業を行っており、またそれぞれの事業は国内及び北米、欧州、アジア等の海外において展開されている。そのため、様々な要素が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
具体的に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある要因のうち、主なものは以下のとおりだが、新たな要因が発生する可能性もある。
(1) 世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向
世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向は、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性がある。
(2) 為替相場
為替相場の変動は、主に当社における米ドル建てもしくはユーロ建て輸出売上や輸入部材購入、アジア地域の製造拠点における当該地国以外の通貨建て輸出売上や輸入部材購入について影響を及ぼす可能性がある。
(3) 株式相場
株式相場の下落は、当社グループが保有する市場性のある株式の価値の減少や、年金資産の減少をもたらす可能性がある。
(4) 製品需給状況及び部材調達環境
製品需給状況の変動による価格の下落や出荷数量の減少及び部材調達環境の悪化による原価の上昇は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
(5) 資金調達環境
特に円の金利上昇は、当社の支払利息の増加をもたらす。
(6) 重要な特許の成立及び実施許諾並びに特許関連の係争等
重要な特許の成立及び実施許諾並びに特許関連の係争等が起こった場合は、当該案件の関係する事業へ影響を及ぼす可能性がある。
(7) 環境に関連する規制や問題の発生
環境に関連する規制の動向や問題の発生は、損失の計上や規制に対応するための費用等の増加を伴う可能性がある。また、当社グループの生産活動をはじめとする企業活動全般に影響を及ぼす可能性がある。
(8) 製品やサービスの欠陥や瑕疵等
製品やサービスの欠陥や瑕疵等により、損失計上を伴う場合がある。また、当社グループの製品やサービスの品質に対する評価の低下は、経営全般に影響を及ぼす可能性がある。
(9) 訴訟その他の法的手続き
当社グループに対する訴訟その他の法的手続きは、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性がある。
(10) 急激な技術変化や、新技術を用いた製品の開発、製造及び市場投入時期
急激な技術変化や、新技術を用いた製品の開発、製造及び市場投入時期は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
(11) 事業構造改革
事業構造改革の実行内容によっては、損失計上を伴う場合がある。
(12) 情報セキュリティー
当社グループの保有する個人情報や当社グループの技術・営業等の事業に関する機密情報等が、コンピューターウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、滅失もしくは社外に漏洩した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
(13) 地震・台風・津波・火災等の大規模災害の発生
地震・台風・津波・火災等の大規模災害の発生は、当社グループの生産活動をはじめとする企業活動全般に影響を及ぼす可能性がある。
(14) テロ・戦争、新型インフルエンザ等の感染症の流行等による社会的・政治的混乱の発生
テロ・戦争、新型インフルエンザ等の感染症の流行等による社会的・政治的混乱の発生は、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性がある。
なお、上記における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月28日)現在において当社が判断したものである。
三菱電機グループが当連結会計年度中にとった主な施策及び翌連結会計年度以降に向けての施策については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」等に記載のとおりであるが、これらの施策の実施状況を踏まえた当連結会計年度に関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は以下のとおりである。
なお、当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計原則に基づいて作成している。当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っており、それらの仮定と見積りは資産、負債、収益、費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示金額に影響を及ぼし、実際の結果がそれらの見積りと異なることもあり得る。主要な会計方針の要約は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 (2016年度及び2017年度連結財務諸表に対する注記)」に記載している。
(1) 業績概要
当連結会計年度の国内外の景気は、中国は横ばい、米国では堅調な拡大、日本や欧州では緩やかな回復基調で推移した。また、為替については前連結会計年度と比べると、5月以降は対米ドル、対ユーロともに円安で推移したが、11月後半から対米ドルは円高となった。
かかる中、三菱電機グループは、これまでの事業競争力強化・経営体質強化に加え、自らの強みに根ざした成長戦略の推進に、従来以上に軸足を置いて取り組んできた。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は、重電システム部門、産業メカトロニクス部門、電子デバイス部門及び家庭電器部門の増収などにより、前連結会計年度比1,925億円増の4兆4,311億円となった。
営業利益は、重電システム部門、産業メカトロニクス部門及び電子デバイス部門の増益などにより、前連結会計年度比485億円増の3,186億円となった。また、税金等調整前当期純利益は、営業利益の増加に加え、ルネサス エレクトロニクス株式売却益の計上などにより、前連結会計年度比683億円増の3,645億円、当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比613億円増の2,718億円となった。
なお、当社単独の受注高は2兆7,296億円(前年度比101%)、売上高は2兆6,758億円(前年度比104%)となった。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりである。
① 重電システム
社会インフラ事業は、海外の交通事業や国内の電力事業の減少などにより、受注・売上とも前連結会計年度を下回った。
ビルシステム事業は、受注は前連結会計年度並みとなったが、国内のリニューアル事業及び海外の昇降機新設事業等が堅調に推移したことにより、売上は前連結会計年度を上回った。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比1%増の1兆2,419億円、営業利益は、売上案件の変動などにより、前連結会計年度比73億円増の517億円となった。
なお、当社単独の受注高は7,744億円(前年度比93%)、売上高は7,346億円(前年度比99%)となった。
② 産業メカトロニクス
FAシステム事業は、韓国等での有機EL関連や中国でのスマートフォン・電気自動車関連の設備投資の増加に加え、国内の機械メーカーによる輸出が堅調に推移し、受注・売上とも前連結会計年度を上回った。
自動車機器事業は、北米における新車販売台数の減少があったものの、中国での日系自動車メーカーの販売増加や円安の影響もあり、受注・売上ともに前連結会計年度を上回った。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比10%増の1兆4,449億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比507億円増の1,908億円となった。
なお、当社単独の受注高は1兆1,194億円(前年度比106%)、売上高は1兆1,322億円(前年度比111%)となった。
③ 情報通信システム
通信システム事業は、通信インフラ機器の需要減少などにより、受注・売上とも前連結会計年度を下回った。
情報システム・サービス事業は、システムインテグレーション事業等の増加により、売上は前連結会計年度を上回った。
電子システム事業は、防衛・宇宙システム事業の増加などにより、受注は前連結会計年度を上回ったが、防衛システム事業の大口案件の変動などにより、売上は前連結会計年度を下回った。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比3%減の4,360億円、営業利益は、売上減少などにより、前連結会計年度比7億円減の119億円となった。
なお、当社単独の受注高は3,069億円(前年度比107%)、売上高は2,760億円(前年度比93%)となった。
④ 電子デバイス
電子デバイス事業は、通信用光デバイスの需要減少があったが、民生用・産業用パワー半導体の需要増加などにより、受注は前連結会計年度を上回り、売上高は前連結会計年度比8%増の2,022億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比61億円増の145億円となった。
なお、当社単独の受注高は1,447億円(前年度比101%)、売上高は1,442億円(前年度比107%)となった。
⑤ 家庭電器
家庭電器事業は、欧州・中国・米国向け空調機器の増加に加え、円安の影響もあり、売上高は前連結会計年度比4%増の1兆493億円、営業利益は、素材価格の上昇や販売費用の増加などにより、前連結会計年度比136億円減の560億円となった。
なお、当社単独の受注高は3,840億円(前年度比100%)、売上高は3,885億円(前年度比101%)となった。
⑥ その他
資材調達の関係会社での増加などにより、売上高は前連結会計年度比7%増の7,643億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比6億円増の239億円となった。
所在地別セグメントの業績は、次のとおりである。
① 日本
FAシステム事業、自動車機器事業及び電子デバイス事業の増等により、売上高は前連結会計年度比3%増の3兆5,062億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比628億円増の2,148億円となった。
② 北米
電力事業及び自動車機器事業の減等により、売上高は前連結会計年度比1%減の4,179億円、営業利益は、電力事業の一部事業における固定資産減損の計上などにより、前連結会計年度比129億円悪化の39億円の損失となった。
③ アジア
ビルシステム事業、FAシステム事業及び自動車機器事業の増等により、売上高は前連結会計年度比14%増の1兆1,807億円となったが、営業利益は、空調機器における素材価格の上昇などにより前連結会計年度比51億円減の881億円となった。
④ 欧州
FAシステム事業、電子デバイス事業及び空調機器の増等により、売上高は前連結会計年度比13%増の4,765億円となったが、営業利益は、空調機器における素材価格の上昇などにより前連結会計年度比8億円減の119億円となった。
⑤ その他
その他所在地には豪州子会社等が含まれており、売上高は510億円、営業利益は28億円となった。
(2) 生産及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
事業の種類別セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
重電システム |
845,520 |
100 |
|
産業メカトロニクス |
1,379,117 |
112 |
|
情報通信システム |
368,126 |
97 |
|
電子デバイス |
171,481 |
113 |
|
家庭電器 |
758,491 |
104 |
|
その他 |
1,736 |
116 |
|
計 |
3,524,471 |
106 |
(注) 上記金額は、仕込製品については仕切予定価格、注文製品については受注価格で示している。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
事業の種類別セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
重電システム |
1,241,952 |
101 |
|
産業メカトロニクス |
1,444,928 |
110 |
|
情報通信システム |
436,068 |
97 |
|
電子デバイス |
202,294 |
108 |
|
家庭電器 |
1,049,369 |
104 |
|
その他 |
764,346 |
107 |
|
消去 |
△707,759 |
- |
|
計 |
4,431,198 |
105 |
(注) 各種類別セグメントの金額には、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示している。
(3) 資産及び負債・資本の状況分析
総資産残高は、前連結会計年度末比922億円増加の4兆2,645億円となった。現金及び預金等が632億円減少した一方、棚卸資産が受注工事の進捗等に伴い仕掛品を中心に987億円、受取手形及び売掛金と長期営業債権の合計が495億円それぞれ増加した。
負債の部は、借入金及び社債残高が前連結会計年度末比406億円減少の3,114億円となり、借入金比率は7.3%(前連結会計年度末比△1.1ポイント)となった。また、支払手形及び買掛金が607億円、退職給付引当金が株価上昇等に伴う年金資産の増加等により239億円それぞれ減少したこと等から、負債残高は前連結会計年度末比1,311億円減少の1兆9,004億円となった。
資本の部は、配当金の支払いにより686億円減少したが、当社株主に帰属する当期純利益2,718億円の計上、為替円安・株価上昇等を背景としたその他の包括利益累計額の増加165億円等により、株主資本は前連結会計年度末比2,197億円増加の2兆2,593億円となり、株主資本比率は53.0%(前連結会計年度末比+4.1ポイント)となった。
(4) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、4兆4,311億円と前連結会計年度比1,925億円の増収となった。これは、重電システム、産業メカトロニクス、電子デバイス及び家庭電器等のセグメントにおいて増収となったことによるものである。
② 売上原価及び費用並びに営業利益
売上原価は、前連結会計年度比801億円増加の3兆309億円となり、売上高に対する比率は1.2ポイント改善の68.4%となった。販売費及び一般管理費・研究開発費は、前連結会計年度比473億円増加の1兆617億円となり、売上高に対する比率は0.1ポイント悪化の24.0%となった。固定資産減損損失は、前連結会計年度比164億円増加の198億円となった。
この結果、営業利益は重電システム、産業メカトロニクス及び電子デバイス等のセグメントにおいて増益となったことにより、前連結会計年度比485億円増加の3,186億円となった。
③ 営業外収益及び営業外費用
受取利息及び受取配当金と支払利息を合わせた金融費用は、前連結会計年度比14億円の収支改善となり58億円の収入超過となった。
持分法による投資利益は、前連結会計年度比7億円増加の222億円の利益となった。
その他の収益は、前連結会計年度比22億円減少の295億円となった。その他の費用は、前連結会計年度比198億円減少の117億円となった。
④ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比683億円増加の3,645億円(売上高比8.2%)となった。これは、前述のとおり営業利益が485億円増加、営業外損益が197億円増加したことによるものである。
⑤ 当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加等により、前連結会計年度比613億円増加の2,718億円(売上高比6.1%)となった。
(5) キャッシュ・フロー
当連結会計年度は、営業活動により増加した純キャッシュが2,404億円となった一方、投資活動に投入した純キャッシュが1,782億円となったため、フリー・キャッシュ・フローは前連結会計年度比1,550億円減少の622億円の収入となった。これに対し、財務活動により減少した純キャッシュは1,282億円となったこと等から、現金及び預金等期末残高は、前連結会計年度末比632億円減少の5,991億円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加や支払手形及び買掛金の支払の増加等により、前連結会計年度比1,255億円の収入減少となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得の増加等により、前連結会計年度比295億円の支出増加となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払の増加等により、前連結会計年度比47億円の支出増加となった。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
三菱電機グループは、健全な財務体質を維持しつつ、成長資金の調達余力を確保することを基本方針としている。
運転資金需要のうち主なものは、生産に必要な材料購入費の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものである。
短期運転資金は、自己資金と金融機関からの短期借入等により、設備投資や長期運転資金は、自己資金の活用を図りつつ金融機関からの長期借入及び社債により調達を行っている。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金等残高は5,991億円、借入金及び社債残高は3,114億円であり、内訳は、短期借入金が560億円、社債及び長期借入金が2,554億円(うち、1年以内の返済予定額663億円)である。また、当連結会計年度末において、未使用のコミットメントライン残高は828億円であり、契約している金融機関から短期資金を調達することができる。
(1) 技術導入契約
|
相手方の名称 |
契約の内容 |
契約締結日 |
期限 |
|
ノースロップ・グラマン・ インターナショナル・ トレーディング社 |
航空機用電子機器の製造技術使用許諾 |
2014.10.17 |
2023. 7.31 |
(注) 1 上記契約は、当社を契約会社としている。
2 上記契約に基づく報償料は、所定金額を支払う。
(2) 技術供与契約
|
相手方の名称 |
契約の内容 |
契約締結日 |
期限 |
|
三菱電機コンシューマー・ プロダクツ(タイ)社 |
ルームエアコン・パッケージエアコン 製造技術使用許諾 |
1990. 6. 1 |
自動延長 |
|
上海三菱電機 上菱空調機電器有限公司 |
ルームエアコン・パッケージエアコン・換気扇の製造技術使用許諾 |
2010. 6.25 |
2020. 6.25 |
|
三菱電機(広州)圧縮機有限公司 |
空調用圧縮機の製造技術使用許諾 |
2011.12.28 |
自動延長 |
|
三菱電機 エア・コンディショニング・ システムズ・ヨーロッパ社 |
空調機の製造技術使用許諾 |
2005.10. 1 |
自動延長 |
|
サイアム・コンプレッサー・ インダストリー社 |
空調用圧縮機の製造技術使用許諾 |
2002. 4. 1 |
自動延長 |
|
三菱エレベーター・アジア社 |
昇降機の製造技術使用許諾 |
1992. 6.15 |
自動延長 |
|
三菱電機自動化機器製造(常熟) 有限公司 |
サーボモーター製造技術使用許諾 |
2013. 1. 1 |
自動延長 |
(注) 1 上記契約は、すべて当社を契約会社としている。
2 上記契約に基づく報償料は、売上に応じた金額を受領する。一部の契約については、所定金額を受領する。
三菱電機グループ(当社及び連結子会社)は、国内研究所、海外研究所(米・欧)および製作所・連結子会社の開発部門において、基礎研究から応用研究、製品化開発、更には生産技術開発に至る積極的な研究開発活動を推進している。また、国内外の大学・研究機関などと連携し、広範かつ先進的な研究開発活動をグローバルに展開している。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は2,103億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)であり、事業セグメントごとの研究開発活動の目的・内容・成果および開発費は以下のとおりである。
(1) 重電システム
発電機・電動機などの回転機、開閉機器・変圧器などの送変電機器や受配電機器、交通システム、昇降機などの基幹製品の競争力強化に向けた開発を行うとともに、監視制御システム、電力情報システム、ビル管理システム、映像情報システムなどIT応用システムの開発を行っている。主な成果は、社会・電力インフラ向けIoTプラットフォーム「INFOPRISM」、無線式列車制御システム(CBTCシステム)用無線装置、社会インフラ向け「三菱インフラモニタリングシステムⅡ(MMSDⅡ)」、駅舎補助電源装置「S-EIV」小型高機能タイプ400V出力機、発電機の大規模解析技術、SiCを適用したMMC型HVDC変換器セル、非常用機械室レス・エレベーター、2つの出発階に対応したエレベーター行先予報システム「エレ・ナビ」、ビル統合ソリューション「BuilUnity」などである。当該分野における研究開発費は354億円である。
(2) 産業メカトロニクス
FA制御システム機器、サーボモータなどの駆動機器、配電制御機器、メカトロ機器、産業用ロボット、電動パワーステアリングなどの自動車用電装品、カーマルチメディア機器、予防安全(自動運転)・運転支援系システムなどの競争力強化に向けた開発を行っている。主な成果は、電子式電力量計「M2PMシリーズ」、プログラマブル表示器GOT2000シリーズ「防爆形GOT」、ファイバーレーザー加工機「eX-F D-CUBESシリーズ」、「MELSEC iQ-RシリーズIEC61508 SIL2対応二重化シーケンサ」、ビジョンセンサ「MELSENSORシリーズ」、空調用送風機ストレートシロッコファン「BFS-80SUG」「BFS-80SG」、広角カメラ型ドライバーモニタリングシステム、ハイエンドオーディオ&カーナビゲーションシステム「DIATONE SOUND. NAVI NR-MZ300PREMI」、カーナビゲーション向けインタラクティブニュースリーダー、車載用DIATONEスピーカー「DS-G300」、業界初*1の48Vハイブリッド車向けエンジン出力軸直結型ISGシステムなどである。当該分野における研究開発費は695億円である。
(3) 情報通信システム
情報通信インフラやネットワークソリューション機器及び宇宙関連システムなどの開発を行っている。主な成果は、高周波数分解能と低位相雑音の両立を実現する衛星通信用Ka帯コンバータ、5G基地局向け28GHz帯超多素子アンテナ・RFモジュール、IoTシステム対応三菱通信ゲートウェイ「IoT GW」、ケーブルテレビ市場向け10G-EPONシステム、ネットワークカメラの付加価値向上技術「映紋」、「MELOOK3」同軸カメラ、電子署名サーバモジュールMistyGuard「SignedXML*2 Server」、ペーパーレス受付システム「らくかけくん®*3」、コンパクトで耐環境性に優れたネットワークカメラ用録画・配信サーバー「ネカ録®*45 NS-850」などである。当該分野における研究開発費は179億円である。
(4) 電子デバイス
様々な事業分野を支える半導体デバイスなどの開発を行っている。主な成果は、HVIGBTモジュール「XシリーズLV100タイプ」、超小型フルSiC DIPIPM 25A/600V、400Gbps 小型集積EML TOSA、産業用投影型静電容量方式タッチパネル搭載の19.0型TFT液晶モジュールなどである。当該分野における研究開発費は134億円である。
(5) 家庭電器
空調機器、調理家電、家事家電、照明機器、デジタル映像機器、電材住設機器、太陽光発電システムなどの開発を行っている。主な成果は、世界初*5の「AIで少し先の体感温度を予測」するルームエアコン「霧ヶ峰 FZシリーズ」(平成29年度省エネ大賞を受賞)、最大10時間の連続暖房運転を実現し、快適性を向上させる寒冷地向けパッケージエアコン「ズバ暖スリム」、野菜室が真ん中で、瞬冷凍室・製氷室も腰の高さに配置して使いやすい冷蔵庫「置けるスマート大容量MXシリーズ」、「ブローはたきノズル」を搭載し、高い所から低い所まで、しっかり掃除できるサイクロン式掃除機「風神TC-ZXGシリーズ」などである。当該分野における研究開発費は418億円である。
(6) その他・共通(先端技術・共通基盤技術)
先端技術の開発を、スマート生産、スマートモビリティ、快適空間、安全・安心インフラの4つの「社会課題を解決し顧客価値を創出するキーワード」に基づき推進している。主な成果は、AIを活用したロボットの力覚制御の高速化技術、電子ミラー向け物体認識技術、自動車向け「安心・安全ライティング」技術、スマート家電の機器連携技術、摩擦帯電方式の空気清浄デバイス、サイバー攻撃検知技術、新方式のアレーアンテナ「REESA」などである。共通基盤技術については、6.5kV耐圧フルSiCパワー半導体モジュール、AIを用いたインテリジェント無線通信技術、コンパクトなハードウェアAI、システム動作を見える化する評価・解析技術、三次元モデルを活用した板金の設計・製造技術、薄型ダイレクトドライブモータの製造技術などである。当該分野における研究開発費は322億円である。
*1 48Vのエンジン出力軸直結型ISGシステムとして。2017年10月26日現在、当社調べ。
*2 「SignedXML」は三菱電機インフォメーションシステムズ㈱の商標登録出願中の商標である。
*3 「らくかけくん」は三菱電機インフォメーションシステムズ㈱の登録商標である。
*4 「ネカ録」は三菱電機インフォメーションネットワーク㈱の登録商標である。
*5 2017年11月1日現在、当社調べ。
(注) 「第2 事業の状況」の各記載金額には消費税等を含んでいない。