(1) 経営方針
三菱電機グループは、「企業理念*1」及び「7つの行動指針*2」に基づき、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を企業経営の基本と位置付け、「成長性」「収益性・効率性」「健全性」の3つの視点による「バランス経営」を継続し、強固な経営基盤の確立と持続的成長を追求してまいります。
また、コーポレートステートメント「Changes for the Better」に基づき、変革に挑戦し、常により良い明日への探求を続け、「社会」「顧客」「株主」「従業員」をはじめとするステークホルダーから信頼と満足を得られるよう取り組んでまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
世界経済の先行きは、新型コロナウイルス感染症の影響深刻化が景気に著しい悪影響を及ぼすと考えられます。各国・地域において経済対策は実施されるものの、本格的な景気回復には至らず、年度を通じた経済成長率は前連結会計年度と比べて大幅に減速することが見込まれます。また、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化すれば、経営環境が一層厳しくなると予想されます。
かかる中、三菱電機グループの「連結売上高5兆円以上」「営業利益率8%以上」としている2020年度成長目標については、需要伸長の停滞、為替変動など外部要因や競争環境の激化、価格下落等の市場環境変化への対応不足などに加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、2020年5月11日発表の決算短信では2020年度の業績見通しを売上高4兆1,000億円、営業利益率2.9%とし、目標を下回る見込みを示しました。新型コロナウイルス感染症に対しては、雇用維持を基本としつつ、収束までの期間が長期化する場合にも、業績への影響が極小化できるよう対応してまいります。
継続的に達成すべき経営指標については、「借入金比率15%以下」は維持していますが、「ROE10%以上」については現段階で未達となる見込みであり、早期に回復できるよう努めてまいります。
なお、2019年度の業績は、売上高は4兆4,625億円、営業利益率は5.8%、ROEは9.2%、借入金比率*3は6.1%となりました。セグメント別の営業利益率については、下表を参照ください。
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2020年度成長目標 セグメント別営業利益率(目標) |
2019年度 実績 |
2020年度 見通し |
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重電システム |
8%以上 |
6.3% |
5.8% |
|
産業メカトロニクス |
13%以上 |
5.1% |
1.1% |
|
情報通信システム |
5%以上 |
5.8% |
4.5% |
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電子デバイス |
7%以上 |
4.2% |
△2.3% |
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家庭電器 |
6%以上 |
7.2% |
3.3% |
2020年度は、業績を改善して収益性を伴う「質のよい」成長を実現すべく、グローバル及びグループトータルでの最適な事業推進体制を構築・強化し、日本・欧米・中国における事業競争力を強化するとともに、インド・東南アジア等の成長市場における需要獲得に注力してまいります。そのために、製品・技術等の補完や新地域・新市場での販売網・サービス網の確保、人的資源の獲得を目的とした協業・M&Aなどにも取り組んでまいります。あわせて、資本コストを意識した経営を進めていく中で、開発投資や設備投資などを含む経営資源の最適な配分、「ものづくり力」の強化に資する開発・生産力の強化、開発設計段階からの品質作り込み、間接部門における業務効率化も含むJust In Time改善活動を通じた生産性向上、人材構造適正化及び最適配置、更なる財務体質の改善等に引き続き取り組むとともに、事業別資産効率指標として導入した三菱電機版ROIC*4を継続的に運用し、中長期視点で、総合的な事業効率性の向上を目指してまいります。
新たな中期経営計画の策定にあたっては、オープンイノベーション等の積極活用により事業モデルの変革を加速し、多様化する社会課題の解決に向けたソリューション事業を重点的に強化するとともに、収益力向上と経営資源の有効活用のための事業ポートフォリオの見直しを図り、経営基盤をより一層強化することを基本に考えています。
三菱電機グループは、環境問題や資源・エネルギー問題等の社会課題に対し、製品・システム・サービスを組み合わせたソリューションの提供に取り組み、「持続可能な社会と安心・安全・快適性の両立」をはじめとする価値創出を、ライフ、インダストリー、インフラ、モビリティの4つの領域において、より一層推進してまいります。加えて、全ての企業活動を通じて、世界共通の目標であるSDGsの17の目標達成に貢献してまいります。
価値創出の推進にあたっては、経営基盤(顧客との繋がり、技術、人材、製品、企業文化等)の強化とあらゆる連携の強化による「技術シナジー・事業シナジー」の進化に加え、事業モデルの変革を進めています。
かかる三菱電機グループの取り組みの中で、「環境」については、低炭素社会や循環型社会の形成等に貢献すべく、創立100周年の2021年を目標年とする「環境ビジョン2021」の下、製品使用時におけるCO2排出量の30%削減(2000年度比)と、グループ全体での製品生産時のCO2排出総量の30%削減(1990年度比*5)を目指してまいります。また、2030年に向けてSBTイニシアチブに認定された温室効果ガス削減目標であるスコープ1+2で18%削減(2016年度比)、スコープ3で15%削減(2018年度比)*6の達成を目指すとともに、TCFD*7の提言に基づいた気候変動に係るリスクと機会の開示に向けて取り組んでいます。2021年以降の新たな長期環境経営ビジョンとして策定した「環境ビジョン2050」を踏まえて取り組んでまいります。「倫理・遵法」については、近年三菱電機グループにおいて、様々な課題があることが明らかになっております。社員の心身の健康にかかわる労務問題やお客様との契約を守らずに製品を納入していた品質不適切行為、不正アクセスによる個人情報と企業機密の流出可能性などに対して、再発防止に真摯に取り組んでまいります。労務問題に対しては「三菱電機 職場風土改革プログラム」を中心とした施策により、「風通しよくコミュニケーションができる職場づくり」「メンタルヘルス不調者への適切なケアの徹底」などを進めてまいります。品質不適切行為に対しては、品質意識の一層の醸成に加え、迅速な初動対応を強化してまいります。不正アクセスに対しては、社長直轄の「情報セキュリティ統括室」を中心に、侵入防止、拡散防止、流出防止、グローバル対応、文書管理を強化・徹底してまいります。加えて、コンプライアンス方針の再徹底、内部統制の強化、教育を核としたコンプライアンス活動による一層の意識浸透にグループ全体で真摯に取り組んでまいります。あわせて、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応を図るなど、「コーポレート・ガバナンス」の継続的な向上策に取り組むとともに、適時適切な情報開示に努め、社会・顧客・株主・従業員等とのより高い信頼関係の確立に一層努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症に対しては、顧客・取引先をはじめとする関係者の皆さまと従業員・家族の安全・健康を最優先とし、在宅勤務の徹底や生産・工事・サービス関連部門でのソーシャルディスタンス確保等、感染防止対策を十分に講じた上で、市民生活の維持に向けた企業としての社会的責任を果たすために必要な事業を継続し、製品の安定供給やサービスの提供、顧客へのご支援等を行ってまいります。
三菱電機グループは、上記施策を着実に展開することにより、更なる企業価値の向上を目指します。
*1 「企業理念」:三菱電機グループは、技術、サービス、創造力の向上を図り、活力とゆとりある社会の実現に貢献する。
*2 「7つの行動指針」:
・「信頼」:社会・顧客・株主・社員・取引先等との高い信頼関係を確立する。
・「品質」:最良の製品・サービス、最高の品質の提供を目指す。
・「技術」:研究開発・技術革新を推進し、新しいマーケットを開拓する。
・「貢献」:グローバル企業として、地域、社会の発展に貢献する。
・「遵法」:全ての企業行動において規範を遵守する。
・「環境」:自然を尊び、環境の保全と向上に努める。
・「発展」:適正な利益を確保し、企業発展の基盤を構築する。
*3 借入金比率:リース負債を除く借入金・社債残高より算出。
*4 三菱電機版ROIC(投下資本利益率):各事業部門での把握・改善が容易となるように、「資本」「負債」ではなく、資産項目(固定資産・現預金等)に基づいて算出。
*5 削減目標の基準年度:当社単独1990年、国内関係会社2000年、海外関係会社2005年
*6 SBT(Science Based Targets)イニシアチブ:科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量削減目標を立てることを求める、国連グローバル・コンパクト (UNGC)、世界自然保護基金(WWF)、CDP、世界資源研究所(WRI)による国際的イニシアチブ。スコープ1:自社における燃料使用に伴う直接排出、スコープ2:外部から購入した電力や熱の使用に伴う間接排出、スコープ3:スコープ1、2を除くバリューチェーン全体からの間接排出
*7 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):G20の財務大臣・中央銀行総裁からの要請により設置された、民間主導による気候関連財務情報の開示に関するタスクフォース。
三菱電機グループは、重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器、その他の広範囲の分野にわたり開発、製造、販売等の事業を行っており、またそれぞれの事業は国内及び北米、欧州、アジア等の海外において展開されております。そのため、様々な要素が三菱電機グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
具体的に三菱電機グループの財政状態及び経営成績や、投資家の判断に影響を及ぼす可能性がある要因のうち、主なものは以下のとおりです。
(1) 新型コロナウイルス感染症の影響について
三菱電機グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が出ている各国・地域の拠点においても事業を遂行しています。前述のとおり、対策を講じて事業を継続してまいりますが、感染が拡大・長期化した場合には、需要減少などにより三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症に関しては、2020年度の第2四半期まで売上高や営業利益などに大きく影響することを想定して「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり業績見通しを示していますが、収束時期の遅れや各国・地域での市況低迷とその後の市況回復の状況変化、感染症を契機とした社会の価値観や行動様式の急変による需要構造の変化などで、現段階で想定している以上に業績が変化する可能性があります。
(2) 世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向について
三菱電機グループは、重電システムから家庭電器まで広範な領域で事業を展開し、売上高のおよそ40%が海外向けとなっています。また、日本国内向けの売上には国内で利用される製品だけでなく、顧客の製品に組み込まれて海外に輸出される製品も含まれています。したがって、世界の各国・地域の経済状況・社会情勢等により2020年度の第3四半期以降の経済成長が想定以上に減速し、当社製品の需要や、当社製品を組み込んだ顧客の製品の販売動向が変化した場合には、三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、海外向けの売上のおよそ半分をアジアで占めているため、米中貿易摩擦、米国国防権限法の動向等に起因した輸出産業の停滞や個人消費の低迷などでアジア各国の成長が鈍化した場合には、設備投資や耐久財の販売動向の変化により産業メカトロニクス事業を中心に三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替相場について
三菱電機グループの売上は北米、欧州、中国がおよそ10%ずつを占めていることに加え、当社における米ドル建やユーロ建てでの輸入部材購入、アジア地域の製造拠点における当該地国以外の通貨建て輸出売上や輸入部材購入があります。為替予約等で為替の変動の影響を回避するようにしていますが、為替レートの急変により、当社の想定している為替レート(米ドル 1ドル105円、ユーロ 1ユーロ115円、人民元 1元 15.0円)から大きく変動すると、三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において当社が判断したものです。
三菱電機グループが当連結会計年度中にとった主な施策及び翌連結会計年度以降に向けての施策については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」などに記載のとおりですが、これらの施策の実施状況を踏まえた当連結会計年度に関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は以下のとおりです。
なお、三菱電機グループは、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用しています。当該基準の詳細を含む主要な会計方針の要約は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表注記)」に記載しています。
(1) 業績概要
当連結会計年度の景気は、第3四半期連結会計期間までは日本、米国、欧州において総じてみれば緩やかな回復基調は維持されたものの企業部門が減速しました。また、中国では成長が鈍化し、企業部門をみると輸出や固定資産投資が減速しました。さらに、第4四半期連結会計期間以降、新型コロナウイルス感染症の拡大とともにその影響によって、各国・地域の経済は大幅に下押しされてきました。
かかる中、三菱電機グループは、これまでの事業競争力強化・経営体質強化に加え、自らの強みに根ざした成長戦略の推進に、従来以上に軸足を置いて取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなりました。
<連結決算概要>
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前連結会計年度比 |
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売上高 |
45,199億円 |
44,625億円 |
574億円減 |
|
営業利益 |
2,904億円 |
2,596億円 |
308億円減 |
|
税引前当期純利益 |
3,159億円 |
2,819億円 |
339億円減 |
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親会社株主に帰属 する当期純利益 |
2,266億円 |
2,218億円 |
48億円減 |
① 売上高
売上高は、情報通信システム部門、家庭電器部門、重電システム部門、電子デバイス部門で増収となりましたが、産業メカトロニクス部門などの減収により、前連結会計年度比574億円減少の4兆4,625億円となりました。産業メカトロニクス部門は、国内外の設備投資などの需要の停滞によるFAシステム事業の減少や、各国での新車販売の減速による自動車機器事業の減少により減収になりました。
なお、売上高の減少には円高による影響や、当年度第4四半期連結会計期間からの新型コロナウイルス感染症の影響もありました。
<売上高における為替影響額>
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前連結会計年度 期中平均レート |
当連結会計年度 期中平均レート |
当連結会計年度 売上高への影響額 |
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連結合計 |
- |
- |
約620億円減 |
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内、米ドル |
111円 |
109円 |
約90億円減 |
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内、ユーロ |
128円 |
121円 |
約200億円減 |
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内、人民元 |
16.5円 |
15.6円 |
約170億円減 |
② 営業利益
営業利益は、家庭電器部門、情報通信システム部門、電子デバイス部門などで増益となりましたが、産業メカトロニクス部門などの減益により、前連結会計年度比308億円減少の2,596億円となりました。営業利益率は、売上原価率の悪化などにより、前連結会計年度比0.6ポイント悪化の5.8%となりました。
売上原価率は、操業度低下や機種構成変動、成長事業への先行投資影響などによる産業メカトロニクス部門の悪化に加え、円高の影響もあり、前連結会計年度比1.2ポイント悪化しました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比262億円減少し、売上高比率は0.3ポイント改善しました。
その他の損益は、土地の売却などにより前連結会計年度比136億円増加し、売上高比率は0.3ポイント改善しました。
③ 税引前当期純利益
税引前当期純利益は、営業利益の減少に加え、為替差損などによる金融費用の増加、持分法による投資利益の減少などにより、前連結会計年度比339億円減少の2,819億円、売上高比率は6.3%となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、税引前当期純利益の減少はありましたが、海外の関係会社再編に伴う法人所得税費用の減少などにより、前連結会計年度比48億円減少の2,218億円、売上高比率は5.0%となりました。
なお、ROEは前連結会計年度比0.5ポイント悪化の9.2%となりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
① 重電システム
社会インフラ事業の事業環境は、国内の公共事業における防災・減災向けの投資や、国内外の鉄道事業における投資が堅調に推移し、また国内の電力システム改革に伴う需要が継続しました。このような状況の中、同事業の受注高は国内外の電力事業や国内の公共・交通事業などの増加により前連結会計年度を上回りましたが、国内外の火力発電事業の減少などにより売上高は前連結会計年度並みとなりました。
ビルシステム事業の事業環境は、海外では中国の高級・大規模オフィス案件の需要減少や、中東の市況低迷が継続しましたが、国内ではリニューアル需要が増加しました。このような状況の中、同事業の受注高は中国及び中東向けなどを中心に減少しましたが、売上高は首都圏を中心とした国内の新設事業の増加などにより前連結会計年度並みとなりました。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比101%の1兆3,073億円となりました。
営業利益は、円高の影響や売上案件の変動などにより、前連結会計年度比1億円減少の823億円となりました。
② 産業メカトロニクス
FAシステム事業の事業環境は、国内外の自動車関連、国内の半導体・工作機械関連、海外の有機EL・スマートフォン関連需要の停滞が継続しました。このような状況の中、同事業は円高の影響や国内外のFA機器・加工機・数値制御装置などの減少により、受注高・売上高とも前連結会計年度を下回りました。
自動車機器事業の事業環境は、車両電動化関連市場がグローバルで拡大しましたが、各国での新車販売が減速し、当年度第4四半期連結会計期間には新型コロナウイルス感染症の影響も顕在化しました。このような状況の中、同事業はモーター・インバーターなどの車両電動化関連製品の販売は増加しましたが、その他の自動車用電装品の減少や円高の影響などにより、受注高・売上高とも前連結会計年度を下回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比92%の1兆3,494億円となりました。
営業利益は、売上高の減少や機種構成の変動、成長事業への先行投資などにより、前連結会計年度比736億円減少の689億円となりました。
③ 情報通信システム
通信システム事業の事業環境は、5G通信ネットワークの拡大などに向けた通信トラフィックの増大に伴う通信事業者の投資が堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は通信インフラ機器の需要増加などにより、受注高・売上高とも前連結会計年度を上回りました。
情報システム・サービス事業の事業環境は、クラウド活用やサイバーセキュリティー強化、業務プロセス効率化などに関連した需要が増加しました。このような状況の中、同事業はシステムインテグレーション事業の増加などにより、受注高・売上高とも前連結会計年度を上回りました。
電子システム事業は、受注高が宇宙システム事業の大口案件の増加など、売上高が防衛システム事業の大口案件の増加などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比107%の4,555億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や売上案件の変動などにより、前連結会計年度比142億円増加の264億円となりました。
④ 電子デバイス
電子デバイス事業の事業環境は、5G通信ネットワークや次世代データセンター関連需要の立ち上がり、電動化車両の開発・市場投入の加速などがありました。このような状況の中、同事業は通信用光デバイスを中心とした高周波光デバイス、自動車用を中心としたパワー半導体の増加などにより、受注高は前連結会計年度を上回り、売上高は前連結会計年度比104%の2,087億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や機種構成の変動などにより、前連結会計年度比72億円増加の87億円となりました。
⑤ 家庭電器
家庭電器事業の事業環境は、環境意識の高まりにより、北米市場ではダクトレス空調の需要が増加し、欧州市場ではヒートポンプ式温水暖房の需要が拡大しました。また国内市場では学校向けの業務用空調の需要増加などがありました。このような状況の中、同事業は国内・北米・欧州向け空調機器の増加により、売上高が前連結会計年度比102%の1兆902億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や費用改善などにより、前連結会計年度比187億円増加の782億円となりました。
⑥ その他
売上高は、資材調達・物流の関係会社でのグループ向けの減少などにより、前連結会計年度比97%の6,596億円となりました。
営業利益は、費用改善などにより、前連結会計年度比18億円増加の260億円となりました。
顧客の所在地別の売上高の状況は、次のとおりです。
① 日本
FAシステム事業の減少などはありましたが、社会インフラ事業、電子システム事業及び空調機器の増加などにより、前連結会計年度比102%の2兆6,103億円となりました。
② 北米
FAシステム事業、自動車機器事業の減少などはありましたが、空調機器の増加などにより、前連結会計年度比101%の4,320億円となりました。
③ アジア
ビルシステム事業、FAシステム事業及び空調機器の減少などにより、前連結会計年度比91%の9,199億円となりました。
アジアのうち中国については、FAシステム事業及び空調機器の減少などにより、前連結会計年度比86%の4,205億円となりました。
④ 欧州
空調機器の増加などはありましたが、FAシステム事業及び自動車機器事業の減少などにより、前連結会計年度比96%の4,372億円となりました。
⑤ その他
その他の地域にはオセアニアなどが含まれており、前連結会計年度比95%の629億円となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
事業の種類別セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
重電システム |
869,572 |
100 |
|
産業メカトロニクス |
1,213,557 |
88 |
|
情報通信システム |
384,209 |
106 |
|
電子デバイス |
174,032 |
108 |
|
家庭電器 |
781,652 |
97 |
|
その他 |
1,465 |
81 |
|
計 |
3,424,487 |
96 |
(注) 上記金額は、仕込製品については仕切予定価格、注文製品については受注価格で示しています。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
事業の種類別セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
重電システム |
1,348,866 |
104 |
|
産業メカトロニクス |
1,358,001 |
95 |
|
情報通信システム |
448,892 |
107 |
|
電子デバイス |
221,610 |
111 |
(注) 「家庭電器」「その他」については受注生産形態をとらない製品が多いため、受注規模を金額で示していません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりです。
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事業の種類別セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
重電システム |
1,307,389 |
101 |
|
産業メカトロニクス |
1,349,429 |
92 |
|
情報通信システム |
455,596 |
107 |
|
電子デバイス |
208,750 |
104 |
|
家庭電器 |
1,090,248 |
102 |
|
その他 |
659,636 |
97 |
|
消去 |
△608,539 |
- |
|
計 |
4,462,509 |
99 |
(注) 各種類別セグメントの金額には、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しています。
(3) 資産及び負債・資本の状況分析
IFRS第16号「リース」の適用により、適用開始日にリース関連の資産930億円を主に有形固定資産へ、負債951億円を社債、借入金及びリース負債へ追加的に認識しました。
総資産残高は、前連結会計年度末比535億円増加の4兆4,097億円となりました。棚卸資産が352億円、その他の金融資産が334億円それぞれ減少した一方、有形固定資産が938億円、現金及び現金同等物が233億円それぞれ増加したことがその主な要因です。
棚卸資産の減少は、産業メカトロニクス部門での市場の減速に伴う在庫の縮小、家庭電器部門での消費増税及び学校向けの業務用空調需要増加等に対応した在庫の消化、為替円高影響等によるものです。棚卸資産回転率は、前連結会計年度末比0.23回転改善の6.43回転となりました。
負債の部は、買入債務が323億円、退職給付に係る負債が128億円それぞれ減少した一方、社債、借入金及びリース負債が785億円増加したこと等から、負債残高は前連結会計年度末比258億円増加の1兆8,709億円となりました。なお、リース負債を除く借入金・社債残高は前連結会計年度末比89億円減少の2,670億円、借入金比率は6.1%(前連結会計年度末比△0.2ポイント)となりました。
資本の部は、配当金の支払い858億円による減少及び為替円高・株価下落等を背景としたその他の包括利益累計額816億円の減少等はありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益2,218億円の計上等により、親会社株主に帰属する持分は前連結会計年度末比297億円増加の2兆4,297億円、親会社株主帰属持分比率は55.1%(前連結会計年度末に対し変動なし)となりました。
<財政状態計算書関連指標>
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前連結会計年度末 |
当連結会計年度末 |
前連結会計年度末比 |
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売掛債権回転率 |
3.66回転 |
3.59回転 |
0.07回転減 |
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棚卸資産回転率 |
6.20回転 |
6.43回転 |
0.23回転増 |
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借入金比率 |
6.3% |
6.1% |
0.2ポイント減 |
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親会社株主帰属持分比率 |
55.1% |
55.1% |
変動なし |
(注) 1 売掛債権回転率は、売上債権と契約資産の合計より算出しています。
2 借入金比率は、リース負債を除く借入金・社債残高より算出しています。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
①財務戦略に関する基本的な考え方
三菱電機グループは、健全な財務体質を維持するため、業績向上による資金収支の改善に加え、棚卸資産の縮減活動、売掛債権の回収促進といった資産の効率化、グル-プ内資金の更なる有効活用による資金の効率化に引き続き取り組んでいます。
更なる企業価値の向上を図るために、資本コストを意識した経営を推進していますが、開発投資や設備投資を含む経営資源の最適な配分などの取り組みにより、より一層の収益力改善や資本効率改善を進めてまいります。
なお、成長戦略を進めて行く中で、必要となります設備投資資金やM&A等の資金につきましては、自己資金の活用を図りつつ、必要に応じて金融機関等から機動的に資金調達を行ってまいりますが、その場合も、継続的に達成すべき経営指標のひとつとして掲げている「借入金比率15%以下」を維持していきます。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが3,958億円の収入となった一方、投資活動によるキャッシュ・フローが2,039億円の支出となったため、フリー・キャッシュ・フローは1,918億円の収入超過となり、前連結会計年度比1,626億円増加しました。これに対し、財務活動によるキャッシュ・フローは1,564億円の支出となったこと等から、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比233億円増加の5,375億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産への支出の減少や売上債権の回収の増加、IFRS第16号「リース」適用に伴う減価償却費の増加等により、前連結会計年度比1,560億円の収入増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券や有形固定資産の取得の増加等はありましたが、固定資産売却収入の増加等により、前連結会計年度比66億円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、IFRS第16号「リース」適用に伴うリース負債の返済の増加等により、前連結会計年度比443億円の支出増加となりました。
③財源及び流動性
運転資金需要のうち主なものは、生産に必要な材料購入費の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものです。
短期運転資金は、自己資金と金融機関からの短期借入等により、設備投資や長期運転資金は、自己資金の活用を図りつつ金融機関からの長期借入及び社債により調達を行っています。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,375億円、社債、借入金及びリース負債残高は3,770億円です。社債、借入金及びリース負債の内訳は、短期借入金が529億円、社債及び長期借入金が2,140億円、リース負債が1,099億円です。
また、当連結会計年度末において、未使用のコミットメントライン残高は827億円ですが、足元では新型コロナウイルス感染症の影響による売上高の減少等に伴う資金収支の悪化に備え、支出の抑制を図るとともに、借入実行による手許流動性の確保や、未使用のコミットメントライン残高の3,000億円程度までの増枠等を行っています。
(5) 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しています。これらの連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を使用する必要があります。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の連結財務諸表の金額に重要な影響を与える可能性のある主要な会計上の見積り及び仮定は以下のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関して、期末日時点では各国・地域での市況低迷とその後の市況回復過程により、翌年度第2四半期連結会計期間まで売上高や営業利益などに大きく影響すると仮定して、「有形固定資産、のれん及び無形資産の回収可能価額」等の会計上の見積りを行っていますが、収束時期の遅れや各国・地域での市況低迷とその後の市況回復の状況変化、感染症を契機とした社会の価値観や行動様式の急変による需要構造の変化などが生じた場合、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
①一定の期間にわたり履行義務を充足する契約における収益認識
重電システム部門及び情報通信システム部門における一定の要件を満たす特定の工事請負契約については、当該工事請負契約の当期末時点の進捗度に応じて収益を計上しています。進捗度は、当期までの発生費用を工事完了までの見積総費用と比較することにより測定しています。
見積総費用は、契約ごとに当該工事請負契約の契約内容、要求仕様、技術面における新規開発要素の有無、過去の類似契約における発生原価実績などのさまざまな情報に基づいて算定しています。
工事請負契約は、契約仕様や作業内容が顧客の要求に基づき定められており契約内容の個別性が強く、また比較的長期にわたる契約が多いことから、作業工程の遅れ等による当初見積りに対する原価の増加や、新規開発技術を利用した工事遂行における当初想定していない事象の発生による原価の変動など、工事の進行途中の環境の変化によって、見積総費用が変動することがあります。
経営者は、四半期ごとに当四半期までの発生費用と事前の見積りとの比較や、その時点での工事の進捗状況等を踏まえた最新の情報に基づいて見直した工事請負契約の見積総費用を妥当なものと考えていますが、将来の状況の変化によって見積りと実績が乖離した場合は、三菱電機グループが認識する収益の金額に影響を与える可能性があります。
②引当金の認識及び測定
受注工事損失引当金は、重電システム部門及び情報通信システム部門における個別受注工事において、当該工事の見積総費用が請負受注金額を超える可能性が高く、かつ予想される損失額を合理的に見積もることができる場合に、将来の損失見込額を引当金として計上しています。当連結会計年度末における受注工事損失引当金の残高は、40,181百万円です。
見積総費用は、契約ごとに当該工事請負契約の契約内容、要求仕様、技術面における新規開発要素の有無、過去の類似契約における発生原価実績などのさまざまな情報に基づいて算定していますが、個別受注工事は契約仕様や作業内容が顧客の要求に基づき定められており契約内容の個別性が強く、また比較的長期にわたる契約が多いことから、作業工程の遅れ等による当初見積りに対する原価の増加や、新規開発技術を利用した工事遂行における当初想定していない事象の発生による原価の変動など、工事の進行途中の環境の変化によって、見積総費用が変動することがあります。
経営者は、四半期ごとに当四半期までの発生費用と事前の見積りとの比較や、その時点での工事の進捗状況等を踏まえた最新の情報に基づいて見直した将来工事損失見込額を妥当なものと考えていますが、将来の状況の変化によって見積りと実績が乖離した場合は、三菱電機グループの損益に影響を与える可能性があります。
製造上やその他の不具合に対し、製品の種類や販売地域及びその他の要因ごとに定められた期間又は一定の使用条件に応じて製品保証を行っており、期末日現在において将来の費用発生の可能性が高く、その金額を合理的に見積もることができる場合に、製品保証引当金を計上しています。将来の発生費用は、主に過去の無償工事実績を基に見積っています。当連結会計年度末における製品保証引当金の残高は、53,999百万円です。
経営者は、発生費用の見積り額を妥当なものと考えていますが、将来の状況の変化によって見積りと実績が乖離した場合は、三菱電機グループの損益に影響を与える可能性があります。
③有形固定資産
有形固定資産は、減損の兆候の有無を判断しており、減損の兆候が存在する場合は、減損テストを実施しています。
資産又は資金生成単位の見積回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。使用価値の算定における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合には、当期の純損益において減損損失を認識しています。
経営者は、使用価値の算定における見積将来キャッシュ・フロー及び売却費用控除後の公正価値の見積りはいずれも妥当なものと考えていますが、三菱電機グループのビジネスや前提条件の変化等によって見積りが変更となることにより資産又は資金生成単位の見積回収可能価額が変動し、結果として、将来において有形固定資産の減損損失の認識に影響を与える可能性があります。
④のれん及び無形資産
耐用年数を確定できる無形資産は、減損の兆候の有無を判断しており、減損の兆候が存在する場合は、減損テストを実施しています。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については少なくとも1年に一度、同時期に減損テストを実施しています。
重要なのれんは家庭電器部門に配分されたのれんであり、減損テストの回収可能価額は、主として経営者が承認した今後5年度分の事業計画及び成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積り額を現在価値に割り引いた使用価値で算定しています。割引率は、税引前の加重平均資本コストを基に算定しており、当連結会計年度における割引率は、9.3%です。成長率は、のれんが配分されている資金生成単位グループが属する市場の長期期待成長率を参考に算定しており、当連結会計年度における成長率は0.8%です。
経営者は、事業計画や成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積り額や割引率は妥当なものと考えていますが、三菱電機グループのビジネスや前提条件の変化等によってキャッシュ・フローの見積り額や割引率が変更となることにより使用価値が変動し、結果として、将来においてのれん及び無形資産の減損損失の認識に影響を与える可能性があります。
⑤繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰延税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くない場合は、繰延税金資産の計上額を減額しています。
三菱電機グループは繰延税金資産の実現可能性の評価にあたり、繰延税金資産の一部又は全部が実現する可能性が実現しない可能性より高いかどうかを考慮しています。繰延税金資産の実現は、最終的には将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除が減算可能な期間における将来課税所得によって決定されます。その評価にあたり、予定される繰延税金負債の戻入、予測される将来課税所得及び税務戦略を考慮しています。
経営者は、当連結会計年度末の認識可能と判断された繰延税金資産が実現する蓋然性は高いと考えていますが、繰延期間における将来の見積課税所得が減少した場合には、実現する可能性が高いと考えられる繰延税金資産は減少することとなります。
⑥確定給付制度債務の測定
三菱電機グループは、従業員を対象とする従業員非拠出制及び拠出制の確定給付型退職給付制度を採用しています。従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率、退職率、一時金選択率や死亡率など年金数理計算上の基礎率に基づき算定しています。確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の再測定による変動は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しており、当連結会計年度末の割引率は0.5%です。
経営者は、年金数理計算上の基礎率の算定は妥当なものと考えていますが、実績との差異または基礎率自体の変更により、確定給付費用や確定給付制度債務の金額に影響を与える可能性があります。
⑦金融商品の公正価値
三菱電機グループは、主に取引関係維持・強化を目的として保有している資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。このうち非上場株式の公正価値については、投資先の純資産等に関する定量的な情報及び投資先の将来キャッシュ・フローに関する予想等を総合的に勘案して算定しています。
経営者は、公正価値の見積りは妥当なものと考えていますが、投資先の業績や将来キャッシュ・フロー等の見積りの前提条件が変動した場合は、三菱電機グループのその他の包括利益の金額に影響を与える可能性があります。
(1) 技術供与契約
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相手方の名称 |
契約の内容 |
契約締結日 |
期限 |
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三菱電機コンシューマー・ プロダクツ(タイ)社 |
ルームエアコン・パッケージエアコン 製造技術使用許諾 |
1990. 6. 1 |
自動延長 |
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上海三菱電機・ 上菱空調機電器有限公司 |
ルームエアコン・パッケージエアコン・換気扇の製造技術使用許諾 |
2010. 6.25 |
2025.12.27 |
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三菱電機(広州)圧縮機有限公司 |
空調用圧縮機の製造技術使用許諾 |
2011.12.28 |
2024.12.31 |
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三菱電機 エア・コンディショニング・ システムズ・ヨーロッパ社 |
空調機の製造技術使用許諾 |
2005.10. 1 |
自動延長 |
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サイアム・コンプレッサー・ インダストリー社 |
空調用圧縮機の製造技術使用許諾 |
2002. 4. 1 |
自動延長 |
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三菱エレベーター・アジア社 |
昇降機の製造技術使用許諾 |
1992. 6.15 |
自動延長 |
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三菱電機自動化機器製造(常熟) 有限公司 |
サーボモーター製造技術使用許諾 |
2013. 1. 1 |
2022.12.31 |
(注) 1 上記契約は、すべて当社を契約会社としています。
2 上記契約に基づく報償料は、売上に応じた金額を受領します。一部の契約については所定金額を受領します。
研究開発については、成長戦略を推進する要として、短期・中期・長期のテーマをバランスよく遂行してまいります。
現在の事業の徹底強化と変革及び共通基盤技術の継続的深化に資する研究開発を推進するとともに、多様化する社会課題を解決するための統合ソリューションの提供に向けた技術・事業シナジーの進化、未来技術の開発による持続的成長の実現に取り組んでまいります。
また、大学など社外研究機関とのオープンイノベーションで外にある技術を積極的に活用し、開発効率化とともに、新たな価値の創出に繋げてまいります。
当連結会計年度における三菱電機グループ全体の研究開発費の総額は
(1) 重電システム
発電機・電動機などの回転機、開閉機器・変圧器などの送変電機器や受配電機器、交通システム、昇降機などの基幹製品の競争力強化に向けた開発を行うとともに、監視制御システム、電力情報システム、ビル管理システム、映像情報システムなどIT応用システムの開発を行っています。当該分野における研究開発費は
① センサーネットワーク向け電池駆動無線端末「BLEnDer ICE*1」
ガス・水道メーターや各種センサー機器につなげることで、センサーネットワークへのワイヤレス接続を実現する電池駆動無線端末「BLEnDer ICE」を開発しました。さまざまなフィールド実証にて安定的な通信が可能であることを確認しており、広域通信による検針の自動化やセンサー機器の遠隔監視・制御を実現し、インフラ事業者の業務効率化に貢献します。
② 次世代鉄道車両用VVVFインバーター装置
SiC(炭化ケイ素)を採用した新たなパワー半導体を適用した鉄道車両用インバーター装置の開発を進めています。従来の高効率化のメリットに加え、制御回路やセンサー及びユニットの設計最適化により、更なる省エネ・省保守、小型・軽量や低騒音を実現しました。次世代推進制御システムとして安全・安定輸送に貢献します。
③ エレベーターのグローバル遠隔保守サービス「M's BRIDGE」
独自のIoTプラットフォームを活用してエレベーターの常時監視・点検、データ解析を行うグローバル遠隔保守サービス「M's BRIDGE」を開発し、香港、シンガポールにて提供を開始しました。今後当サービスを世界に広く提供し、エレベーター利用者の安全・安心、利便性の向上に貢献します。
(2) 産業メカトロニクス
FA制御システム機器、サーボモーターなどの駆動機器、配電制御機器、メカトロ機器、産業用ロボット、電動パワーステアリングなどの自動車用電装品、カーマルチメディア機器、予防安全(自動運転)・運転支援系システムなどの競争力強化に向けた開発を行っています。当該分野における研究開発費は
① 電子ビーム3Dプリンター
国内で初めて*2、電子ビームを熱源とする粉末床溶融結合方式を用いた金属3Dプリンター「EZ300」を開発しました。業界最高*2の加工速度毎時250ccと独自の棒状陰極の採用による業界最長*2の加熱寿命*31,000時間を実現し、製造現場の生産性向上に貢献します。
② ADAS統合ボディコントロールユニット
ミリ波レーダ等で把握した周辺状況に基づき、レーンキープやオートクルーズ等のADAS*4制御の演算結果を「走る、曲がる、止まる」を制御するアクセル、ハンドル、ブレーキユニット等に送信することで、自車両を安全・快適に制御するコントロールユニットを開発しました。自動運転レベル2に対応し、走行時の安全性向上に貢献します。
(3) 情報通信システム
情報通信インフラやネットワークソリューション機器及び宇宙関連システムなどの開発を行っています。当該分野における研究開発費は
① 準天頂衛星システムCLAS対応高精度測位端末「AQLOC-Light」
準天頂衛星システムによるセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)対応の新しいセンチメータ級高精度測位端末で、小型軽量化によりドローンなどの小型移動体への搭載可能、衛星からの信号が受信できないトンネル内や高架下でも自律測位可能な「AQLOC-Light」を開発しました。さまざまな事業分野における高精度測位情報の利用拡大に貢献します。
② 俯瞰映像合成技術「Fairyview」
監視システムにおける複数のカメラ映像をリアルタイムで1つの映像に合成し、俯瞰映像やパノラマ映像を生成する「Fairyview」を開発しました。監視エリア全体を1つの映像として確認でき、壁などの障害物による死角を排除した映像合成が可能なため、ショッピングモールや屋外駐車場など、広範囲で死角の多い環境での視認性向上に貢献します。
③ 映像解析ソリューション開発環境「kizkia Lite on Cloud*5」
「kizkia*6」は、独自のAI技術「Maisart*7」を搭載し、予めAIに学習させたヒト・モノ・コトを、監視カメラの映像から検知するシステムです。そのシステムに必要な学習モデルを容易に効率よく作成できるAIサービス開発環境をクラウド上で構築した「kizkia Lite on Cloud」を開発しました。
(4) 電子デバイス
様々な事業分野を支える半導体デバイスなどの開発を行っています。当該分野における研究開発費は
① 高性能パワー半導体モジュール
最新のSiパワー半導体チップ搭載により低ノイズ化と低電力損失を実現し、白物家電の省エネ・騒音低減・小型化に貢献する「SLIMDIP-W」や、白物家電や産業用モーターの低ノイズ化・省エネに貢献する「超小型DIPIPM Ver.7」を開発しました。
② サーマルダイオード赤外線センサー「MelDIR*8」
高画素化・高温度分解能化*9により、防犯機器や空調機器、人数カウントソリューション、スマートビルなどの幅広い分野において、人・物の識別や行動把握を高精度に実現するサーマルダイオード赤外線センサー「MelDIR」を開発しました。
(5) 家庭電器
空調機器、調理家電、家事家電、照明機器、デジタル映像機器、電材住設機器などの開発を行っています。当該分野における研究開発費は
① 三菱ルームエアコン「霧ヶ峰 FZシリーズ」
人工衛星にも搭載されたセンサー技術を活用し、高解像度・高感度の「サーマルダイオード赤外線センサー」を搭載した「ムーブアイmirA.I.+(ミライプラス)」を開発しました。世界で初めて*10気流が到達した先の微小な温度変化を検知し、気流の到達範囲を正確に把握できるようになりました。「ムーブアイmirA.I.+」のAIが気流の最適位置を探索する「気流制御」を行い、家具や間取りにかかわらず、エアコンの気流を目標に届け、快適性を向上するとともに、消費電力を8.6%削減*11しました。こうした本件技術が評価され、2019年度省エネ大賞や第69回電機工業技術功績者表彰最優秀賞を受賞しました。
② 三菱冷蔵庫「置けるスマート大容量」MX・MBシリーズ
冷蔵庫「置けるスマート大容量・野菜室が真ん中」シリーズとして、AI(人工知能)が庫内の温度を最適に制御することで、肉や魚などの生鮮食品の鮮度を長持ちさせる技術を開発しました。まとめ買いした食材をおいしく長く保存でき、また、取り出して必要な分だけすぐに使えるので、家事時間の短縮に貢献します。
(6) その他・共通(先端技術・共通基盤技術)
社会課題解決による顧客価値の創出を目的として、先端技術の研究開発を推進しています。当該分野における研究開発費は
① ビル内ダイナミックマップを用いた「モビリティ・ビル設備連携制御技術」
ビル内ダイナミックマップ*12を用いて、サービスロボットやパーソナルモビリティと、エレベーターや入退室管理システムといったビル設備を連携制御する技術を開発するとともに、アニメーションライティング誘導システム*13と連携するシステムを構築しました。これによりモビリティと人の効率的かつ安全なビル内縦横移動が可能になり、ビル管理の省力化と人とロボットが安全に共存する「スマートビル*14」を実現します。
② 世界最薄クラスの航空機用電子走査アレイアンテナ技術
NICT*15と共同で、厚み3cm以下となる世界最薄クラス*16のKa帯*17対応航空機用電子走査アレイアンテナ技術を開発し、衛星通信用アンテナの薄型化・小型化と、100Mbps以上の大容量・高速通信への対応を実現しました。機体サイズに左右されず搭載可能で、高緯度地域にも対応しており、世界中の航空路で、オンデマンド動画再生など高速インターネットサービスの実現に貢献します。
③ 曖昧な命令を理解する「コンパクトな知識処理に基づくHMI制御技術」
独自のAI技術「Maisart」を用いて、人の曖昧な命令を、状況に応じて機器単体で不足情報を自動補完して理解する「コンパクトな知識処理に基づくHMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)制御技術」を開発しました。知識処理の演算量とメモリー使用量を削減することで、家電製品やカーナビなどの機器単体のHMIに適用でき、素早い機器操作を実現します。
④ 大型製品の木枠梱包の設計技術
環境に配慮して木材使用量を削減するため、木枠強度の計算精度を改善する技術を開発しました。柱と梁の釘締結部の変形まで考慮した計算モデルを構築し設計に活用することで、柱や梁の木材使用量を約10%削減しました。
⑤ 熟練作業の形式知化とセンシングの高度化による組立て・検査の自動化
少量生産品・個別受注生産品において、熟練作業者の作業ノウハウを丹念に分析して形式知化し、カメラ・センサから得られた情報を基に多関節ロボットで作業者の動作を模擬することで、従来できなかった熟練作業を自動化し、生産現場へ導入しました。
*1 BLEnDer Intelligent Communication Edgeの略
BLEnDer:エネルギー政策に対応して開発した電力市場向けパッケージ型ソフトウエア
*2 2019年8月22日現在(当社調べ)
*3 加熱された陰極が、安定的に電子を出力できる状態を持続できる時間
*4 Advanced Driving Assistant Systemの略(先進運転支援システム)
*5 「kizkia Lite on Cloud」は、三菱電機インフォメーションシステムズ㈱の登録商標です
*6 「kizkia」は、三菱電機インフォメーションシステムズ㈱の登録商標です
*7 Mitsubishi Electric’s AI creates the State-of-the-ART in technologyの略。全ての機器をより賢くすることを目指した当社のAI 技術ブランド
*8 Mitsubishi Electric Diode InfraRed sensorの略
*9 どれだけ細かい温度差を見分けられるかの指標
*10 2019年11月1日現在(当社調べ)。家庭用エアコンにおいて。部屋の中を360°センシングして、目標への温風・冷風の到達度を判定する技術
*11 MSZ-FZ6320S、当社環境試験室(20畳)、外気温度7℃、同一体感温度運転時の消費電力量は、通常気流の場合は546Wh、AIを活用した気流制御の場合は499Wh
*12 当社が開発した、エレベーターや入退室管理システムなどのビル設備の状態、モビリティの位置情報、通行可能な経路情報などの動的な情報を付加したビル内の三次元地図
*13 床面に投影する光のアニメーションにより、施設利用者が直感的に案内や注意喚起を理解できる、アニメーションライティング誘導システム「てらすガイド」(2020年4月発売)
*14 IoTを活用し、省エネ/省人化を実現しながら人が安心できる環境で効率的な仕事を行える空間を提供するビル
*15 国立研究開発法人情報通信研究機構
*16 2020年2月6日現在(当社調べ)
*17 周波数27GHz~40GHzの電波
(注) 「第2 事業の状況」の各記載金額には消費税等を含んでいません。