第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間における当社を取り巻く市場環境は、海外においては、欧米をはじめとする世界経済の回復に支えられ、とりわけ中国における生産設備の自動化ニーズの高まりを受け工作機械やロボット向けの需要が好調に推移する等、緩やかな回復基調となりました。国内においては、老朽化設備の更新需要及び自動化、省力化投資の増加等を背景に、緩やかな回復基調となりました。

 このような環境のもと、当社は2018年度中期経営計画「Renovation2018」の基本方針に掲げた「富士電機の更なる変革」の成長戦略として、「パワエレシステム事業」の強化、ものつくり力の更なる強化を推進するとともに、事業活動に伴うあらゆるコストの見直しを行う「Pro-7活動」の再活性化により、収益力の更なる強化を推し進めています。

 当第3四半期連結累計期間の連結業績の売上高は、需要増加により、前年同期に比べ458億67百万円増加の6,011億51百万円となりました。部門別には「パワエレシステム・インダストリーソリューション」、「電子デバイス」、「食品流通」が前年同期を大きく上回りました。損益面は、需要増加及び原価低減等の推進により、営業損益は前年同期に比べ116億70百万円増加の223億86百万円、経常損益は前年同期に比べ107億86百万円増加の218億30百万円、親会社株主に帰属する四半期純損益は前年同期に比べ84億55百万円増加の133億75百万円となり、営業損益、経常損益、親会社株主に帰属する四半期純損益いずれも、第3四半期連結累計期間としては過去最高を更新しました。

 

<セグメント別状況>

■パワエレシステム・エネルギーソリューション部門

 売上高:1,479億29百万円(前年同期比 同水準) 営業損益:54億63百万円(前年同期比 5億96百万円増加)

 エネルギーマネジメント分野の需要減少及び変電システム分野における前年同期の大口案件等が影響したものの、工作機械向けの需要増加により器具分野が堅調に推移し、売上高は前年同期と同水準、営業損益は前年同期を上回りました。

エネルギーマネジメント分野は、スマートメータの物量減少を主因に、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。

・変電システム分野は、設備投資需要の高まりから堅調に推移したものの、前年同期の産業向け大口案件の影響により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。

・電源システム分野は、盤事業の前年同期大口案件の影響並びに太陽光発電システム向けパワーコンディショナの需要減少等により、売上高は前年同期を下回りましたが、原価低減等の推進により、営業損益は前年同期を上回りました。

・器具分野は、工作機械をはじめとする機械セットメーカ及び海外の需要が堅調に推移し、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。

 

■パワエレシステム・インダストリーソリューション部門

 売上高:2,008億3百万円(前年同期比 13.8%増加) 営業損益:19億98百万円(前年同期比 35億88百万円増加)

 前年同期の大口案件の影響により設備工事分野が減少したものの、国内及び中国の生産設備の自動化需要が旺盛なファクトリーオートメーション分野、国内の設備更新需要が堅調なプロセスオートメーション分野、並びにITソリューション分野が牽引し、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。

・ファクトリーオートメーション分野は、インバータ・FAコンポーネントを中心に国内及び中国の市場が堅調に推移したことにより、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。

・プロセスオートメーション分野は、国内の更新需要が堅調に推移し、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。

・環境・社会ソリューション分野は、放射線機器・システム事業の需要が減少したものの、鉄道車両用電機品の需要が増加し、売上高は前年同期を上回りましたが、案件差等により、営業損益は前年同期を下回りました。

・設備工事分野は、空調設備事業が堅調に推移したものの、前年同期の大口案件の影響により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。

・ITソリューション分野は、文教向けの案件増加により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。

 

 

■発電部門

 売上高:557億96百万円(前年同期比 同水準) 営業損益:14億7百万円(前年同期比 13億40百万円減少)

・発電分野は、水力発電設備の大口案件が減少したものの、太陽光発電システムの大口案件が増加し、売上高は前年同期と同水準となりましたが、案件差等により、営業損益は前年同期を下回りました。

 

■電子デバイス部門

 売上高:986億26百万円(前年同期比 7.8%増加) 営業損益:109億38百万円(前年同期比 51億56百万円増加)

・電子デバイス分野は、自動化、省力化ニーズの高まりにより、中国及び国内の市場において工作機械等の産業分野向けパワー半導体の需要が増加したことに加え、自動車分野向けの需要も堅調に推移し、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。

 

■食品流通部門

 売上高:862億22百万円(前年同期比 16.9%増加) 営業損益:44億35百万円(前年同期比 27億17百万円増加)

・自販機分野は、国内顧客向けの需要が増加したことに加え、中国市場が回復基調となり、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。

・店舗流通分野は、コンビニエンスストア向け店舗設備機器等の需要増加により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。

 

■その他部門

 売上高:454億82百万円(前年同期比 5.1%増加) 営業損益:22億22百万円(前年同期比 7億44百万円増加)

 

(注)第1四半期連結会計期間より、組織構造の変更に伴い、報告セグメントを従来の「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」、「パワエレ機器」、「電子デバイス」及び「食品流通」から、「パワエレシステム・エネルギーソリューション」、「パワエレシステム・インダストリーソリューション」、「発電」、「電子デバイス」及び「食品流通」に変更しており、各セグメントの前年同期比につきましては、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた上で算出しております。

 

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、対処すべき課題について重要な変更はありません。

 なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

① 基本方針の内容

 富士電機(注)は、基本理念を実践し、企業価値の持続的向上を図る過程で、独自の技術、経験及びノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員等さまざまなステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてまいりました。
 これらは、富士電機の有形・無形の貴重な財産であり、いわば“富士電機のDNA”とも呼ぶべき、富士電機の企業価値の創造を支える源泉であります。
 富士電機は、その経営理念に基づき、環境の変化に適合した経営を実践し、中長期的な視野で企業価値と株主の皆様の共同利益を一層向上させていくことが、富士電機の企業価値を損なう当社株式の買付行為に対する最も有効な対抗手段であると認識しており、その実現に努めてまいります。

 また、当社の株式価値を適正にご理解いただくようIR活動に積極的に取り組むとともに、株主の皆様には四半期毎の業績等に関する報告書の発行、工場見学会の開催等により、富士電機に対するご理解をより一層深めていただくよう努めてまいります。
 当社取締役会は、上場会社として株主の皆様の自由な売買を認める以上、特定の者による当社株式の大規模買付行為がなされる場合、これに応ずるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきと考えます。
 しかしながら、一般にも高値での売り抜け等の不当な目的による企業買収の存在は否定できないところであり、当社取締役会は、このような富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう当社株式の大規模買付行為や提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、適当ではないと考えております。
 現時点において、当社株式の大規模買付に係る具体的な脅威が生じている訳でなく、また当社としても、そのような買付者が現れた場合の具体的な取り組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありません。
 しかし、当社取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けた経営者の責務として、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なうおそれがある株式の大規模買付行為がなされた場合に適切な措置を執り得る社内体制を整備いたします。

(注)本四半期報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。

② 基本方針を実現するための当社の取り組み

1)企業価値向上の取り組み

 富士電機は、持続的成長に向けた基本戦略として、世界各国で見込まれるエネルギー・環境投資を背景として、長年培ってきた電気を自在に操る「パワーエレクトロニクス技術」をベースとし、グローバル市場で成長を成し遂げることを目指しております。

その実現に向け、迅速に経営リソースを「エネルギー・環境」事業にシフトし、「事業を通じてグローバル社会に貢献する企業」として企業価値の最大化とCSR経営の実現を目指します。

2)基本方針に照らし不適切な者による当社の支配を防止するための取り組み

 当社は、上記①の基本方針に基づき、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう、又はそのおそれのある当社株式の買付行為に備え、社内体制の整備に努めております。
 具体的には、日常より当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、平時より有事対応の初動マニュアルを整備し、外部専門家との連携体制等を整えておりますが、今後とも迅速かつ適切に具体的対抗措置を決定、実行し得る社内体制の充実に努めてまいります。
 また、いわゆる「買収防衛策」の導入につきましても、法制度や関係当局の判断・見解、社会動向やステークホルダーの意見等を踏まえ、企業価値、株主の皆様の共同利益の確保、向上の観点から、引き続き検討してまいります。

③ 上記の取り組みに対する取締役会の判断及び判断理由

 当社取締役会は、上記②.1)の取り組みが当社の企業価値を中期的に維持・拡大させるものであり、また、同②.2)の取り組みが富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を毀損するような当社株式の大規模買付行為に対応するための社内体制を整備するものであることから、そのいずれの取り組みも、上記①の基本方針に即したものであり、株主の皆様の共同利益を損なうものではなく、現経営陣の地位の維持を目的とするものでもない旨を確認し決議しました。
 また、監査役についても上記②の取り組みについてその具体的運用が適切に行われることを条件として、全員が同意しております。

 

 

(4)研究開発活動

 パワー半導体技術やパワーエレクトロニクス技術を中心に強いコンポーネントとシステムを創出する研究開発及び、要素技術の複合により顧客価値を生むソリューションの研究開発に注力しています。

 研究開発を加速するため研究開発体制を整備しました。製品開発に関わる機能は各事業部門が担い、技術マーケティング・先端研究・基礎研究は、全社の研究開発部門が担うようにしました。

 当第3四半期連結累計期間における富士電機の研究開発費は257億16百万円であり、各部門別の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。

 また、当第3四半期連結会計期間末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は11,978件です。

 

■パワエレシステム・エネルギーソリューション部門

 エネルギーマネジメント分野では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業である「環境調和型冷媒を用いた未利用排熱回収型蒸気出力ヒートポンプの研究開発」(2015年度~2018年度)により、蒸気を利用するプロセスにおける未利用エネルギーから蒸気を再生する150℃蒸気出力ヒートポンプを開発しています。環境負荷が低く高温動作に適した新冷媒を採用した2段圧縮2段膨張サイクルを一台の圧縮機で行い、高効率運転の制御手法を開発しました。このヒートポンプは、産業部門の蒸気利用プロセスにおいて捨てられていた排熱から蒸気を再生利用できるようにし約50%の省エネ(生成蒸気量基準)を可能とします。

 変電システム分野では、低損失鉄心材料を採用し巻線導体を最適化した「スーパーエコモルトラⅡ」を開発し発売しました。トップランナー方式における省エネルギー基準達成率が第二次判断基準を上回る130%を達成しました。

 電源システム分野では、国内の大規模設備向け無停電電源装置「UPS7000HX-T3シリーズ」において、従来の500kVA機と同一寸法で出力容量が20%増の600kVA機を開発し発売しました。大規模化するデータセンターにおける電源設備の省スペース化に貢献します。

 国内の大規模設備向け無停電電源装置を開発しており、リチウムイオン電池との組合せ試験を完了しました。従来の鉛蓄電池に比べて、大幅な小型・軽量化と蓄電池の長寿命化によりランニングコストの低減が図れます。また、データセンター向け間接外気空調ユニット「F-COOL NEO」において、大容量タイプ(冷房能力56kW)を開発し製品系列に加えました。系列の拡大により、お客さま設備の規模に応じて柔軟に対応できるようになりました。

 電機盤分野では、主に海外の日系企業向けのモータコントロールセンタ(MCC)「FE-Cube」を開発し発売しました。この低圧スイッチギアはIEC61439-1,2に準拠しています。海外拠点(FSMBE)で生産しますが、日系のユーザにとって使い慣れた日本製の機器を搭載しています。

 器具分野では、電気自動車、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などの環境対応車や二次電池を搭載する輸送機器、受配電装置に最適な「密閉型高電圧コンタクタ(High Voltage Contactor)135A/DC450V品」を開発し発売しました。この製品は自動車メーカに採用されています。業界最高の過電流耐量を持ち車両の安全性向上に貢献します。

 高圧真空遮断器(VCB)では新形のAUTO.Vを開発し発売しました。標準形のマルチVCBに変流器(CT)と電子式過電流継電器(OCR)を組み合わせたオールインタイプのコンパクトな遮断器です。動作特性を細かく設定して保護協調が容易に行えるとともに、高耐久油の採用や防塵性を向上したので、使いやすく、ライフサイクルコストが低減します。

 低圧受配電機器では、「G-TWINシリーズ(50AF~250AF)」ブレーカにおいてUL規格の認証を取得し、50mA~500mAの範囲で定格感度電流が切り替えられる中感度仕様の漏電遮断器を開発し発売しました。上位設備との地絡保護協調が必要な半導体製造装置などに必要なきめ細かな感度電流の設定が可能です。

 エネルギー監視システムでは、電力使用量などの計測データを一元管理する「F-MPC Web (省エネ・制御コントローラ)ユニット」の海外向け品として、CEマーキング対応品を開発し発売しました。

 当第3四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は58億96百万円です。

 

■パワエレシステム・インダストリーソリューション部門

 ファクトリーオートメーション分野では、コンパクト形PWMコンバータ「FRENIC-eRHCシリーズ」を開発し発売しました。現行のRHC-Cシリーズに比べ体積を約50%縮小し、昇降機や上下搬送装置などの電源回生による省エネの他、高調波対策、電源設備低減、省スペース化に貢献します。

 高圧インバータ「FRENIC4600FM6e」を開発し発売しました。従来機種のFRENIC4600FM5シリーズに比べ、体積を約30%縮小したので省スペース化による建設工事費などの導入コストの削減につながります。また、従来機種と同様にファン・ポンプの設備などへの省エネにも貢献します。さらに運転中にインバータセルが故障しても自動切替えにより運転が継続できるセルバイパス機能を国内メーカで初めて(当社調べ)オプション搭載しています。

 プロセスオートメーション分野では、制御装置の処理性能を大きく向上させた産業用中大容量インバータ「FRENIC4400VM6」並びに「FRENIC4800VM6」を開発し納入しました。従来に比べて処理性能や保守性が向上し、生産設備の最適運用に貢献します。

 また、中国の効率規制に対応したGB2級(効率クラスIE3)の認証を取得した高効率ブレーキモータを開発し発売しました。中国版RoHS指令への対応とともに、安全規格CCCの認証も取得しました。長時間駆動する用途ほど省エネ効果が大きく、経済性が向上します。

 環境ソリューション分野では、液体用スプール形超音波流量計「FST」に、新たにφ80mm、100mmの口径の製品を開発しラインアップに加えました。口径の選択肢が増え、幅広い分野の需要に応えます。本製品は、従来のφ50mm口径品と同様に配管内に3測線のセンサを配置するマルチパス方式のスプール(配管挟み込み)型を採用し、独自のデジタル信号処理や演算アルゴリズムによって、流速を±0.2%の高精度で計測します。また、電磁流量計では測定が困難な油類や純水等の導電性が低い液体も超音波方式なので高精度に測定できます。

 IEC規格に準拠した個人線量計「NRF50」を開発し発売しました。Wi-Fiを使い遠隔監視がリアルタイムかつ容易に行えます。さらに、ヨウ化ストロンチウムシンチレータを採用した高分解能で安価なγ線スペクトロサーベイメータを開発し発売しました。

 輸送システム分野では、東日本旅客鉄道株式会社の山手線E235系通勤型車両向けにラック・アンド・ピニオン方式のドア駆動装置を納入し、2017年5月に量産車の営業運転が開始されました。539両分(4,312台)を納入し、2020年春頃までに順次、営業運転に投入される予定です。

 当第3四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は66億73百万円です。

 

■発電部門

 発電分野では、放射線を使って火力発電設備の配管の肉厚を測定する新たな技術を東北電力株式会社と共同で開発しました。放射線が物質を透過する際の減衰特性を利用するので保温材が付いたままの状態で配管の肉厚が測定できるとともに、3方向から放射線を照射するスリービーム方式を採用し、高精度な測定が可能です。

 新エネルギー分野では、大規模太陽光設備向けに新型PCS「PVI1000BJ-3/1000」を開発し発売しました。DC1,000Vで単機容量が1,000kVAであり、高効率・屋外型・空調レスの従来機の特徴はそのままで大幅に小型・軽量化しました。

 当第3四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は21億15百万円です。

 

■電子デバイス部門

 パワー半導体分野では、トレンチゲート構造SiC-MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)を開発しました。しきい値電圧Vthが5Vで、単位面積当りのオン抵抗Ron・Aが3.5mΩc㎡と世界最高レベルの低抵抗を達成しました。この素子を搭載したオールSiCモジュールを今後製品化し、パワエレ機器の高性能化に貢献していきます。

 SiC-SBD(Schottky-Barrier-Diode)とSi-IGBT(Insulated-Gate-Bipolar-Transistor)を組み合わせたSiCハイブリッドモジュールの系列を拡大し、1,200V/200A、300A及び450A定格の2in1製品を開発し発売しました。エネルギー貯蔵システム(ESS:Energy-Storage-Systems)、高効率インバータなど、各種パワエレ機器の高性能化に貢献します。

 低損失及び高温動作の保証を可能とした最新の第7世代IGBT技術を適用した10A~50A/650Vと10A~35A/1,200Vの産業用IGBTモジュールを開発し発売しました。本製品は整流回路、インバータ回路とブレーキ回路を1つのパッケージに構成したパワー集積モジュールであり、インバータ等の各種パワエレ装置の高効率化と小型化に貢献します。さらに、はんだ付け用端子とプレスフィット(圧入)端子の2種類の外部接続端子を用意することで、多様なプリント基板実装への対応や実装効率の向上に貢献します。また、1,200V/600A、800Aの産業用2in1IGBTモジュール「DualXT」を開発し発売しました。本製品は第7世代IGBTチップとFWD(Free-Wheeling-Diode)チップ並びに新規のパッケージ技術を適用することによって、前シリーズ(第6世代IGBTモジュール)と同一形状のパッケージのまま最大定格電流をこれまでの600Aから800Aへと拡大しました。インバータ等の各種パワエレ装置の高効率化と小型化に貢献します。

 電気自動車、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車で使用される車載用直接水冷型パワーモジュールを開発し発売しました。車載用パワーモジュールでは逆導通IGBT(RC-IGBT)を初めて採用したのでチップ面積が大幅に縮小し、システム全体の小型軽量化に貢献します。

 ディスクリート製品として、第2世代スーパージャンクションMOSFETに薄型SMD(表面実装デバイス)となるDFN8×8パッケージを系列に追加し発売しました。電源の小型、薄型化と共に寄生インダクタンスの低減による更なる低損失化を実現します。

 自動車のエンジンの吸気圧や排気圧を測定する6.5世代圧力センサを開発し発売しました。CMOS制御回路とダイアフラム式センサをワンチップ化したセンサICをベースに、高温での動作保証と排ガスによる腐食防止機能や燃料による帯電防止機能を追加し、高い信頼性と精度を実現しました。自動車の排出ガスのクリーン化及び燃費の改善に貢献します。

 感光体製品では、小規模オフィス向け中速タンデムカラープリンタ用有機感光体を開発し発売しました。耐摩耗性とスクラッチ耐性に優れた高硬度樹脂に加え、周辺部材との表面摩擦力を低減する潤滑性樹脂を併用することで、機械的不具合を抑制し、高品位な画像品質を達成しています。また、小規模オフィス向けA3対応モノクロマルチファンクションプリンタ用有機感光体を開発し発売しました。高感度な電荷発生剤に加え、光減衰特性を最適化した電荷輸送剤を併用することで、高濃度と高解像度を両立した高品位な画像品質を実現しました。

 図面プロッタ用ワイドフォーマット有機感光体を開発し発売しました。耐摩耗性に優れた高硬度樹脂及び周辺部材との表面摩擦力を低減する潤滑性樹脂を採用し、さらに使用環境の温度や湿度が変化しても感度特性の変動が少ないベース層を用いることで、長期にわたり安定した画像品質を提供します。

 ディスク媒体分野では、モバイル向け2.5インチ 1TB/枚及び、データセンター向け3.5インチ 8TB/HDD向け媒体の性能を向上させました。2.5インチは、ノートPCやゲーム機に加え、大容量小型外付けHDDにも採用されました。3.5インチは、データセンターに加え、監視カメラ用のHDDへ用途を広げています。磁性層の多層化による高SNR特性の確保、また磁性層の硬度を上げ外部要因による損傷を防ぎ、データの安全性を向上させました。

 当第3四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は76億55百万円です。

 

■食品流通部門

 自販機分野では、省人化や売上向上を切り口に顧客と協業し、新しい機能を持つ自販機を開発しています。

 店舗システム分野では、新しい検銭・鑑別技術やセキュリティ技術、搬送技術を活用した新型釣銭機の開発を進めています。また、2016年度に開発したインバータ冷凍機内蔵タイプの平型アイスケースをプラットフォームとし、技術の水平展開により機種の拡大を図りました。当社の従来機種よりも30%の省エネを実現しました。

 環境に配慮したノンフロン冷媒を活用した内蔵型壁面オープンショーケース「Non Leakケース」を開発し発売しました。この製品は、高効率の冷凍機を内蔵しているため、従来の別置型で必要であった冷媒配管工事やドレン水配管工事が不要となり、設置工事の工数を大幅に削減しました。また、別置型では設置が難しかったロケーションでも、この内蔵型壁面オープンショーケースは、より容易に設定できます。設置条件を緩和し、設置工事の省力化、ノンフロン冷媒の採用による環境対応とともに店舗設置の機会拡大に貢献いたします。

 当第3四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は32億68百万円です。

 

■新技術・基盤技術部門

 火力発電のタービンの耐食性向上設計のために熱力学に基づく腐食シミュレーション技術を開発しています。材料の熱処理条件と腐食成分濃度により粒界腐食が発生する条件を推定できる技術を構築しました。今後、タービン材の強度や耐食性を最適化する設計に適用する予定です。

 引き続き主要な基盤技術の強化を図ってまいります。

 

■その他部門

 当第3四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は1億6百万円です。

 

注) 上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本四半期報告書の提出日現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。