第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

  [経営理念]

   富士電機は、地球社会の良き企業市民として、

   地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします。

 

   ●豊かさへの貢献

   ●創造への挑戦

   ●自然との調和

 

  [経営方針]

   1.エネルギー・環境技術の革新により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献します。

   2.グローバルで事業を拡大し、成長する企業を目指します。

   3.多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮します。

 

(注)本有価証券報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。

 

(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題

 当社は、昨年6月に、2023年度売上高1兆円、営業利益率8%以上を目標とする中期経営計画「令和.Prosperity2023」を発表しました。パワエレシステム事業、パワー半導体事業の拡大を中核とする「成長戦略の推進」、グローバルでのものつくり力強化による「収益力の更なる強化」、および、環境、人財、ガバナンスを中心とした「経営基盤の継続的な強化」を推し進めるとともに、全社活動「Pro-7」の推進による業務品質・業務効率の向上に取り組んでいます。経営を取り巻く環境は複雑化し、不確実な要素が多岐に亘るものの、2020年度は、2023年度目標に向けた基盤確立の年と位置づけ、以下の施策に注力してまいります。

 

1.成長戦略の推進

〔パワー半導体の増産投資と事業拡大〕

 パワー半導体においては、搭載機器の省エネ、小型化に貢献するIGBTに注力し、従来比約30%の低損失化を実現した第7世代IGBTをベースに、産業分野や再生可能エネルギー分野向けの売上拡大、自動車分野では業界初の電動車向けRC-IGBT(逆導通IGBT)の量産化を進めます。これらのパワー半導体の需要増に対応するため、電動車向け生産設備の能力増強投資を加速するとともに、地産地消を基本に国内外の生産拠点の最適化を進めます。

 

〔パワエレシステム事業の更なる強化〕

 強いコンポーネントにエンジニアリング・サービス、最適制御技術、IoTを組み合わせたシステム事業の強化に取り組んでいます。

 とりわけ、海外事業の拡大に向け、アジアでは、価格競争力のある変圧器と開閉装置の新製品を投入し、富士電機マニュファクチャリング(タイランド)社に新設する盤システム工場およびエンジニアリングセンターを足掛かりとしてシステム事業の拡大を図ります。インドにおいては、2019年にM&Aにより設立した現地パートナーとの合弁会社と、当社のインド拠点である富士電機インド社を統合して、製造・販売・サービス拠点の再編・拡充により、インド・中東での事業拡大を図ります。

 また、電気設備丸ごとビジネスの拡大に引き続き取り組み、グローバルでネットワーク関連設備の需要が拡大するなかで、データセンターや半導体工場をターゲットにした事業拡大を目指します。さらに、鉄道・船舶分野向けに、製造並びにエンジニアリング体制の強化を図り、システム事業の拡大を図ります。

 

2.収益力の更なる強化

 中期的に海外事業を拡大していくなか、地産地消をさらに徹底し、グローバルでものつくり力強化に取り組みます。内製化、自働化、標準化に加え、IoTを活用したものつくりのデジタル改革に取り組み、設計、購買、製造、試験の情報の見える化、共有化による工程間・拠点間の連携による、革新的な生産性向上を実現します。同時に、海外生産拠点では、現地リーダー層の人財育成に継続的に取り組み、自律化を進めます。

 

 

3.経営基盤の継続的な強化

●働き方改革と人財活躍推進

 新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴い、テレワークの浸透など急速に進展しつつある働き方の変化に対し、女性活躍、ワークライフバランスの視点も加え、全社活動「Pro-7」により業務品質・業務効率の向上、働き方改革を推進します。

 

●環境ビジョン2050の推進
 地球温暖化に伴う気候変動への対応を経営の重要課題と位置づけ、昨年制定した「環境ビジョン2050」を基に環境課題への対応を推進します。なお、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同表明し、環境に係る情報開示を充実させます。

 

●ガバナンスの実効性向上

 持続的成長に向け、SDGs推進を経営レベルで議論・決定・評価できる体制を構築するとともに、環境変化に対応しうるリスクマネジメントの一層の強化を図ります。

 加えて、昨年設置した社外取締役を委員長とする指名・報酬委員会を通じ、取締役、監査役の選解任および報酬等の公正性、透明性および客観性を強化してまいります。

 

 

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「2 事業等のリスク」、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても記載しております。

 

 

(3)2023年度中期経営計画の経営目標(連結)

 当社は、創立100周年となる2023年度を最終年度とした5ヵ年中期経営計画「令和.Prosperity2023」を策定し、「持続的成長企業としての基盤確立」を基本方針に掲げ、「成長戦略の推進」、「収益力の更なる強化」、「経営基盤の継続的な強化」の重要課題に取り組んでいます。

 本中期経営計画の経営目標(連結)は、次のとおりです。

 

2018年度

実績

2023年度

中期経営計画

増減

売上高

9,149億円

10,000億円

+851億円

営業利益

600億円

800億円

+200億円

営業利益率

6.6%

8.0%

+1.4pt

親会社株主に

帰属する当期純利益

403億円

550億円

+147億円

※前提為替レート:1US$=105円、1EURO=123円、1人民元=16円

 

 (注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。

 

2【事業等のリスク】

 富士電機は、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に管理し、適切な対応を図って、影響の極小化に努めております。現在、富士電機の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のものがあります。なお、将来に関する事項につきましては、本有価証券報告書提出日(2020年8月6日)現在において、当社が判断したものであります。

 

 

リスク項目

リスク内容

経営戦略

事業戦略

事業環境

・富士電機は、成長が見込める事業に対し迅速に経営資源を集中させ、事業の拡大・発展を目指し、設備投資、研究開発投資を行っています。多額の資金を必要とする半導体の設備投資については、顧客との物量・価格面での交渉をもとに設備投資の判断を行うとともに、研究開発投資については、事業戦略との整合性や事業への貢献度を重視し、ロードマップに基づき、富士電機の将来を支える基盤・先端技術の研究開発を進め、主要な開発テーマは定期的に経営陣にて審議するとともに、市場の変化に応じてロードマップを随時見直しています。しかし、半導体分野の製品サイクルは短く、また製品需給の変動や競争が激しいことから、投資を回収できない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・富士電機は、地球環境保護への取り組みを経営の重要課題と位置付け、TCFDへの賛同を表明し、また、サプライチェーン全体の低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現を目指す「環境ビジョン2050」を制定するなど、エネルギー・環境事業を通じ持続可能な社会の実現に取り組んでいることを継続的に発信しております。しかし、パリ協定等の環境規制の強化や、ESG評価機関からの取り組み評価により、富士電機の一部事業(石炭火力発電事業)への批判が強まった場合は、富士電機の評判や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・富士電機は、世界各地に事業拠点を展開し、各地域の市場・顧客に向けて製品・サービスを提供しています。各国における新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言やロックダウン等の経済活動の制限は、営業活動の制約や工場の稼働停止、現地工事の出張規制等、富士電機の事業活動にさまざまな影響を及ぼしており、再び制限が強化された場合には、事業活動への影響が更に拡大することが懸念され、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

コーポレート・ガバナンス

・4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要に記載の通り、富士電機は、平時より経営の透明性や監査機能の向上を図ることにより、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいますが、予期せぬ事態の発生により、内部統制や監査機能に不備が生じ、コーポレート・ガバナンスが機能不全に陥った場合は、経営に混乱をきたす等、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

事業再編・

提携・撤退

・富士電機は、各事業分野における競争力強化のため第三者とのM&A・合弁・業務提携等の協業に積極的に取り組んでおり、事業戦略、技術、製品及び人事等の統合に向け、経営理念や経営方針、企業行動基準、経営計画や事業戦略等を共有するとともに、経営会議等により緊密なコミュニケーションを図ること等により、良好な関係構築に取り組んでいますが、制度、文化面などの相違から十分な成果が得られない場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

受注・営業・

販売促進

・富士電機は、国内市場のみならず海外市場への積極的な展開を図っており、特に中国をはじめとしたアジア市場向けの販売拡大に注力しています。富士電機は世界の各市場に営業拠点を展開して顧客動向を把握し、その情報を一元管理して分析と対策の検討を行う等、機会損失を回避する取り組みを行うとともに、海外及び国内の市場動向による業績影響の極小化に向け、コストダウンや総経費の圧縮に努めておりますが、民間設備投資や公共投資をはじめとする各国における市場環境の悪化、各市場における製品需給の急激な変動や競争の激化、及びそれらに伴う価格レベルの大幅な下落があった場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・富士電機は、パワエレシステム分野、発電分野等において、大型プラント案件の受注活動を行っており、各案件において適正な利益を確保できるよう、受注時における見積りの精度向上、受注後のプロジェクト管理の強化等に取り組んでおりますが、受注後の予期せぬ仕様変更、工程遅延や自然災害等による採算悪化により、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

リスク項目

リスク内容

開発・設計

エンジニアリング

・富士電機は、研究開発を加速するため研究開発体制を整備し、常に市場・顧客のニーズや最新の技術動向を見極めつつ、パワーエレクトロニクス技術やパワー半導体技術を中心に強いコンポーネントとシステムを創出する研究開発、及び要素技術の複合により顧客価値を生むソリューションの研究開発に注力しています。しかし、急速な技術の進歩により他社に優位性を奪われたり、計画どおりに開発が進まずに適切な時機に市場への製品投入ができない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

調達・手配

・富士電機は、原材料価格高騰リスクに対して商品スワップ取引を行う等、リスクの軽減に努めていますが、円安を背景とした原材料・部品価格の上昇に加え、新興国の急激な需要増等の情勢変化によっては素材・原材料の需給逼迫が見込まれ、これらの価格が大幅に上昇した場合には、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

生産・製造

出荷・物流

据付・引渡

サービス

・富士電機は、経営会議での営業部門と事業部門の情報共有等により、常に最新の物量動向を把握するとともに、生産性向上や地産地消の推進等で物量変動に対応できる最適な生産管理体制を構築していますが、予期せぬ事態により、製品需要の増(減)など物量動向の変化への対応が遅れた場合には、在庫不足(過剰)を招き、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・富士電機は、サプライチェーン改革活動に基づく地産・地消での「地域完結型」ものつくりの推進、グローバル調達の推進等に取り組んでおりますが、予期せぬ事態により、ヒト・モノの移動が制限され物流網が寸断された場合、サプライチェーンが機能せず、納期遅延等により富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

品質保証

・富士電機は、生産・販売する製品について、品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めるとともに、必要な保険に加入しておりますが、予期せぬ事態により品質問題が発生した場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、パワー半導体の特定分野向けの一部の製品について不具合の報告を受け、リスクの程度を精査中であり、富士電機の業績及び財務状況に著しい影響を及ぼす場合は適切に開示します。

人的資源・

労務

・富士電機の事業活動は人材に大きく依存しており、技術・生産・販売・経営管理などの各分野において優秀な人材の確保・育成に向け、グローバル競争力強化につながる「プロフェッショナルな人財の育成」に注力し、積極的に社員の教育・研修を実施するとともに、キャリア採用拡大等により、優秀人材の確保に取り組んでいますが、そうした必要な人材を確保・育成できない場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

10

財務・会計

・富士電機は、資金調達コストを最小化するべく、社債・CP・短期借入・長期借入の最適ミックスを常に検証し、機動的・安定的な資金調達が可能となるよう取り組んでいますが、金利が想定以上に上昇した場合、有利子負債に対する金利負担の増大を招くことにより、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・富士電機は、債権の長期滞留調査や取引先の財務状況のモニタリング等、与信管理強化を図ることにより、売上債権の回収促進に取り組んでいますが、経済活動制限や景気低迷等により、取引先の資金繰りが悪化して債権回収不能となった場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

リスク項目

リスク内容

11

法務・倫理

・富士電機は、さまざまな事業分野及び世界の各地域において、各国の法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。当社は代表取締役が委員長を務める「富士電機遵法推進委員会」において法令遵守の徹底を図るとともに、規制法令毎に社内ルール、監視、監査、教育の各側面において役割・責任を明確としたコンプライアンスプログラム及び内部者通報制度等のコンプライアンス体制を整備しておりますが、法令違反等が発生した場合には、富士電機の社会的信用や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・富士電機は、訴訟等の法的紛争に備え、適切なタスクフォースの組成により、必要プロセス(事実調査、是正措置、再発防止、社内処分、開示)を迅速に行う体制を構築しておりますが、予期せぬ多額の賠償を命じられた場合、それらの決定の内容によっては、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・富士電機は、知的財産権を効果的に守り、他社の権利を尊重した製品・技術の開発を進めておりますが、技術革新のスピードが加速していること、事業活動がグローバルに展開していることから、知的財産権の係争が発生した場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

12

政治情勢

社会経済動向

・富士電機は、為替変動リスクによる業績への影響を最小限に止めることを目的として、一定の基準に従って為替予約を実施しておりますが、米ドルを中心とした対円為替相場の変動により富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・富士電機は、中国やアジアを中心に多くの海外市場で事業展開しており、地政学リスクの最新情報を常時注視するとともに、想定外のリスクに備え、生産・販売拠点の分散化を図っておりますが、海外の国々で次のような事象が発生した場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

○予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

○不利な政治的要因の発生

○社会騒乱、テロ、戦争等による社会的混乱

13

株主・投資家の動向

・富士電機は、財務情報に係る開示や非財務情報の積極的な開示並びに株主・機関投資家とのコミュニケーションを重視するとともに、ディスクロージャーポリシーに則った誠実且つ正確な情報開示を行う等、当社経営への理解を促す取り組みを行っておりますが、株主・投資家の意向と当社経営の意向に齟齬が生じる等により、役員選任議案に反対票を投じられたり、その他当社経営に対する株主提案を受けた場合、経営に混乱をきたす等、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

14

自然災害・

事故

・富士電機は、世界各地に事業拠点を展開しており、災害や事故発生時において製品・サービスの供給を継続し、顧客や社会に対する責任を果たすため、社内に危機管理対応の専門チームを設置し、防火・防災の取り組み、事業継続計画(BCP)の策定及び必要な保険に加入する等、「事業継続力強化」に取り組んでおります。しかし、これら事業拠点において大規模な災害や事故等が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断、製品出荷の遅延等が生じ、富士電機の業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

リスク項目

リスク内容

15

外部からの

攻撃

・富士電機は、多様化・高度化するサイバーセキュリティ脅威への対応のため、対策システムの整備およびセキュリティ対応組織(CSIRT/SOC)を設置し、攻撃の監視・制御を実施するとともに、新たな脅威の出現に備え、防御、検知システムの増強、サイバー訓練などの対応力強化を継続的に進めていますが、外部攻撃(サイバーテロ等)により機能不全、情報漏洩等の問題が発生し、社会的信用を失墜させた場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

16

個別事象

(新型コロナウイルス感染症による影響)

・富士電機は、経営に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクに対する、緊急事態発生時の「対応要領」を定めています。新型コロナウイルス感染症に対しては、社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染防止・事業継続推進対策本部」を「対応要領」に基づいて設置し、「人命の尊重および事態の拡大防止・被害を最小限に留めることを最優先に、迅速・的確な措置を講ずる」との方針の下、新型コロナウイルスに関わる情報の収集・集約を行い、感染拡大防止対策(手洗い・手指消毒等の励行、3密の回避、在宅勤務・時差出勤の推奨、等)の徹底と事業継続の推進の両立を図るべく取り組んでいます。しかし、職場内、もしくは顧客・取引先等において感染者が発生し、生産・販売をはじめとする各種事業活動を停止せざるを得ない状況に陥った場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 また、当連結会計年度より、組織構造の変更に伴い、パワエレシステム事業の報告セグメントを従来の「パワエレシステム・エネルギーソリューション」及び「パワエレシステム・インダストリーソリューション」から、「パワエレシステム エネルギー」及び「パワエレシステム インダストリー」に変更しており、各セグメントの前連結会計年度比につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えたうえで算出しております。

 加えて、当連結会計年度より、従来「発電」としていた報告セグメントの名称を「発電プラント」に変更しており、前連結会計年度の報告セグメント情報についても、変更後の名称で開示しております。

 なお、報告セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

(1)経営成績

 当社は2019年度を起点に、創立100周年を迎える2023年度を最終年度とする5ヵ年中期経営計画「令和.Prosperity2023」をスタートし、成長分野であるパワエレシステム事業、パワー半導体事業へのリソース傾注や海外事業拡大等の成長戦略を推進しています。

 当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、前連結会計年度から続く米中貿易摩擦の長期化影響等により、中国を中心に投資抑制傾向が継続し、海外市場の減速を受け工作機械関連等の輸出が低調に推移する中、第4四半期には新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、各国で工場閉鎖や移動禁止をはじめ、過去に例のない規則の下で経済活動が制限される等、不透明感が強まり厳しい状況となりました。

 なお、当社は新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、国内においては、本社事務所、支社・支店等の事務所に勤務する従業員は在宅勤務を原則とし、生産拠点を含め、出社を必要とする従業員については、時差通勤や三つの密(密閉・密集・密接)を避ける等、感染拡大防止策を講じた上で業務を行いました。また、海外においては、現地政府の指導にもとづき、一部の工場で稼働を停止しました。

 

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1.6%減収の9,006億4百万円となりました。部門別には、「電子デバイス」、「発電プラント」は前連結会計年度を上回りましたが、「パワエレシステム エネルギー」、「パワエレシステム インダストリー」、「食品流通」は前連結会計年度を下回りました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ0.4%減収の6,797億19百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ5.0%減収の2,208億84百万円となりました。なお、売上高に対する海外売上高の比率は、前連結会計年度に比べ0.9ポイント減少して24.5%となりました。

 売上原価は、前連結会計年度並みの6,800億67百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度に比べ1.2ポイント増加して75.5%となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1.7%増加し1,780億20百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ0.6ポイント増加して19.8%となりました。

 営業利益は、原価低減等を推進したものの、売上高及び生産高の減少、為替変動の影響、パワー半導体事業の先行投資等により、前連結会計年度に比べ174億57百万円減少し、425億15百万円となりました。売上高に対する営業利益の比率は、前連結会計年度に比べ1.8ポイント減少して4.7%となっております。

 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の35億8百万円の収益(純額)から、19億98百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比べ15億10百万円の収益(純額)の減少となりました。これは、前連結会計年度において89百万円であった為替差益が当連結会計年度は13億26百万円の差損に転じたことなどによるものであります。

 これらの結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ189億66百万円減少し、445億13百万円となりました。

 特別利益は、固定資産売却益及び投資有価証券売却益を計上し、27億71百万円となりました。なお、前連結会計年度に為替換算調整勘定取崩益を計上していた一方、投資有価証券売却益の計上額などが増加したことにより、前連結会計年度に比べ3億20百万円増加しております。

 特別損失は、固定資産処分損及び投資有価証券評価損、損害補償損失を計上し、34億23百万円となりました。なお、投資有価証券評価損の計上額などが増加した一方、前連結会計年度に減損損失を計上していたことにより、前連結会計年度に比べ2億20百万円の減少となりました。

 以上により、税金等調整前当期純利益は438億60百万円となり、前連結会計年度に比べ184億27百万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税等の税金費用119億89百万円を税金等調整前当期純利益から控除し、更に、非支配株主に帰属する当期純利益30億78百万円を控除した結果、287億93百万円となり、前連結会計年度に比べ114億74百万円の減少となりました。

 

 

 セグメント別の内容は、次のとおりであります。

■パワエレシステム エネルギー部門

 売上高:2,180億13百万円(前期比 2.7%減少) 営業損益:123億22百万円(前期比 45億7百万円減少)

 施設・電源システム分野の需要が堅調に推移したものの、器具分野の需要減少を主因に、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。

・エネルギーマネジメント分野は、産業及び鉄道向け電源機器の需要が堅調に推移したものの、スマートメータの需要減少及び前期の海外電力向け大口案件の影響等により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。

・施設・電源システム分野は、前期の国内大口案件が影響したものの、盤事業の海外大口案件の増加等により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

・器具分野は、売上高は工作機械をはじめとする機械セットメーカの需要減少、営業損益は需要減少に加え、製品不具合発生に伴う費用増等により、ともに前期を下回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は1,326億円(富士電機㈱のパワエレシステム エネルギー部門単独ベース)となっております。

 

■パワエレシステム インダストリー部門

 売上高:3,174億82百万円(前期比 1.6%減少) 営業損益:165億47百万円(前期比 28億70百万円減少)

 ITソリューション分野の需要が堅調に推移したものの、米中貿易摩擦及び新型コロナウイルス感染症の影響によるオートメーション分野の需要減少、ならびに設備工事分野の前期の大口案件影響を主因に、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。

・オートメーション分野は、米中貿易摩擦影響により国内及び中国市場を中心に低圧インバータ、FAコンポーネント等の需要が減少したことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による中国拠点の稼働停止やアジア、欧米拠点の需要減少により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。

・社会ソリューション分野は、前期の鉄道車両用電機品の大口案件影響を主因に、売上高は前期を下回りましたが、原価低減等の推進により、営業損益は前期を上回りました。

・設備工事分野は、前期の大口案件影響を主因に、売上高は前期を下回りましたが、原価低減等の推進により、営業損益は前期を上回りました。

・ITソリューション分野は、民需分野・文教分野の大口案件の増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は1,623億円(富士電機㈱のパワエレシステム インダストリー部門単独ベース)となっております。

 

■電子デバイス部門

 売上高:1,374億21百万円(前期比同水準) 営業損益:97億18百万円(前期比 59億5百万円減少)

・電子デバイス分野は、電気自動車(xEV)向けパワー半導体の需要は増加したものの、米中貿易摩擦及び新型コロナウイルス感染症の影響による中国市場を中心とした産業分野向けの需要減少ならびに為替影響等により、売上高は前期と同水準となりました。営業損益は、電気自動車(xEV)向けパワー半導体生産能力増強等に係る先行投資による費用増及び為替影響、製品修理費増等により、前期を下回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は948億円(富士電機㈱の電子デバイス部門単独ベース)となっております。

 

■食品流通部門

 売上高:1,044億13百万円(前期比 8.1%減少) 営業損益:38億42百万円(前期比 19億14百万円減少)

・自販機分野は、国内及び中国市場の需要減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により国内及び中国の顧客設置計画が延伸し、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。

・店舗流通分野は、新型コロナウイルス感染症の影響により、コンビニエンスストア向け店舗設備機器等の需要が減少し、売上高は前期を下回りましたが、原価低減等の推進により、営業損益は前期を上回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は954億円(富士電機㈱の食品流通部門単独ベース)となっております。

 

 

■発電プラント部門

 売上高:1,098億91百万円(前期比 2.7%増加) 営業損益:22億98百万円(前期比 24億52百万円減少)

・発電プラント分野は、太陽光発電システムの大口案件が減少したものの、火力発電設備の大口案件が増加し、売上高は前期を上回りましたが、営業損益は案件差ならびに海外大口案件の費用増等により、前期を下回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は748億円(富士電機㈱の発電部門単独ベース)となっております。

 

■その他部門

 売上高:608億43百万円(前期比 2.2%減少) 営業損益:26億94百万円(前期比 71百万円減少)

 

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 生産実績

 富士電機の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。

② 受注実績

 富士電機の生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注実績については、「(1) 経営成績」におけるセグメント別の内容に関連付けて示しております。

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

パワエレシステム エネルギー

218,013

97.3

パワエレシステム インダストリー

317,482

98.4

電子デバイス

137,421

100.1

食品流通

104,413

91.9

発電プラント

109,891

102.7

その他

60,843

97.8

消去

△47,462

合計

900,604

98.4

(注)上記の金額には消費税等を含んでおりません。

 

 

(2)財政状態

 当連結会計年度末の総資産額は9,968億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ441億68百万円増加しました。

 流動資産は5,956億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ225億96百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ売上債権が143億27百万円減少した一方で、現金及び預金が347億69百万円、たな卸資産が111億41百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 固定資産は4,010億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ216億6百万円増加しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は2,264億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ265億31百万円増加しました。また、投資その他の資産は1,745億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ49億25百万円減少しました。これは、主に投資有価証券が、売却を主因として、50億59百万円減少したことによるものであります。

 当連結会計年度末の負債合計は5,908億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ302億27百万円増加しました。

 流動負債は4,231億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億34百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べコマーシャル・ペーパーが435億円、1年内償還予定の社債が150億円、それぞれ増加した一方で、短期借入金が269億54百万円、仕入債務が167億55百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。

 

 固定負債は1,676億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ329億60百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ社債が150億円減少した一方で、長期借入金が280億56百万円、リース債務が140億49百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は2,173億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ633億79百万円増加しました。また、同残高の総資産に対する比率は21.8%となり、前連結会計年度末に比べ5.6ポイント増加しました。

 

 当連結会計年度末の純資産合計は4,060億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ139億40百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ利益剰余金が173億65百万円増加したことを主因とするものであります。これらの結果、自己資本比率は36.7%となり、前連結会計年度末に比べ0.3ポイント減少しました。

 

 セグメント別の内容は、次のとおりであります。

■パワエレシステム エネルギー部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は2,019億7百万円となり、投資有価証券の減少を主因として、前連結会計年度末に比べ26億15百万円減少しました。

 

■パワエレシステム インダストリー部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は2,750億30百万円となり、無形固定資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ109億76百万円増加しました。

 

■電子デバイス部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は2,026億94百万円となり、有形固定資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ299億95百万円増加しました。

 

■食品流通部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は883億36百万円となり、たな卸資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ96億3百万円増加しました。

 

■発電プラント部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は740億46百万円となり、売上債権の減少を主因として、前連結会計年度末に比べ420億98百万円減少しました。

 

■その他部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は350億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億52百万円増加しました。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は、184億66百万円の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加(前連結会計年度は335億1百万円の増加)となり、前連結会計年度に対しては、150億35百万円の資金流入額の減少となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動による資金の増加は460億87百万円(前連結会計年度は549億49百万円の増加)となりました。これは、法人税等の支払に加え、たな卸資産の増加及び仕入債務が減少した一方で、税金等調整前当期純利益の計上並びに売上債権が減少したことなどによるものであります。
 前連結会計年度に対しては、88億62百万円の資金流入額の減少となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は276億21百万円(前連結会計年度は214億48百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得を主因とするものであります。
 前連結会計年度に対しては、61億73百万円の資金流出額の増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動による資金の増加は169億17百万円(前連結会計年度は381億74百万円の減少)となりました。これは主として、コマーシャル・ペーパーの増加によるものであります。
 前連結会計年度に対しては、550億91百万円の資金流入額の増加となりました。

 当連結会計年度における資本の財源は営業活動によるキャッシュ・フローであり、その主な内訳は、税金等調整前当期純利益438億60百万円、減価償却費323億19百万円、売上債権の減少によるもの121億27百万円、法人税等の支払額△165億82百万円、仕入債務の減少によるもの△151億59百万円、たな卸資産の増加によるもの△118億73百万円、などとなっております。
 なお、当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、設備投資に係る資金については、基本的に、社債、長期借入金及びファイナンス・リースに係るリース債務により調達することとしております。

 また、新型コロナウィルス感染症の拡大により、各国で過去に前例のない規模で経済活動が制限される中、当社グループは今後の更なる経済環境の悪化に備えて十分な手元流動性を確保しております。

 これらの結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ346億12百万円(118.8%)増加し、637億46百万円となりました。

 

(4)経営上の目標の達成状況(連結)

 当社は、創立100周年となる2023年度を最終年度とした5ヵ年中期経営計画「令和.Prosperity2023」を策定し、「持続的成長企業としての基盤確立」を基本方針に掲げ、「成長戦略の推進」及び「収益力の更なる強化」、「経営基盤の継続的な強化」に取り組むこととし、経営目標(連結)として、売上高1兆円、営業利益800億円、営業利益率8.0%、親会社株主に帰属する当期純利益550億円を掲げました。

 2019年度連結実績においては、中期経営計画で掲げた2023年度の売上高、利益に係る目標値に対して、次の通りとなっております。

 

 

2023年度

中期経営計画

2019年度

実績

増減

売上高

10,000億円

9,006億円

△994億円

営業利益

800億円

425億円

△375億円

営業利益率

8.0%

4.7%

△3.3pt

親会社株主に

帰属する当期純利益

550億円

288億円

△262億円

 

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。連結財務諸表の作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。

 当社が連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであると考えております。

 なお、新型コロナウィルス感染症の影響に関する見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しているとおりであります。

 

工事進行基準の適用について

 当社グループは、一定の要件を満たす工事契約等の収益及び費用の計上基準として、工事進行基準を適用しています。工事進行基準の適用にあたっては、収益及び費用を認識する基となる工事原価総額及び進捗率の合理的な見積りが可能であることが前提となります。当該見積りについて将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益及び費用の金額に影響を与える可能性があります。

 

固定資産(のれんを含む)の減損判定

 当社グループは、保有する固定資産(のれんを含む)について減損の兆候がある場合は、当該資産又は資産グループについて減損損失を認識するかどうかの判定を行い、減損が必要と判定された場合は帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に用いられる当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見積り及び仮定等について将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。

 

投資有価証券の減損判定

 当社グループは、時価のある株式については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合は減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。また、時価のない株式等については、財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合は、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振等、現在の見積り及び仮定に反映されていない事象が発生した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において評価損が発生する可能性があります。

 

④繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を認識しております。将来の課税所得の見積りについて、将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。

 

⑤退職給付債務の算定

 当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務は、数理計算上の仮定を用いて算定しており、当該数理計算上の仮定には、割引率、退職率、昇給率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表における退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付に係る調整累計額の金額に影響を与える可能性があります。

 なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載しているとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

5【研究開発活動】

持続的成長企業としての基盤を確立するため、パワーエレクトロニクス技術やパワー半導体技術のシナジーを生かした強いコンポーネントとシステム並びに要素技術を複合して顧客価値を創出するソリューションを生み出す研究開発に注力しています。

事業戦略に沿った新製品の開発や海外向け商材開発の現地化、技術マーケティングを活用したテーマ探索の強化、開発の生産性向上に取り組んでいます。

当連結会計年度における富士電機の研究開発費は34,457百万円であり、各部門の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。

また、当連結会計年度末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は12,956件です。

 

■パワエレシステム エネルギー部門

電力流通分野では、経済産業省の「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業」(2016年度~2020年度)の関西VPPプロジェクトに参加しています。需要家向け蓄電池システムの実証では、リアルタイムのフィードバック制御機能追加、サイバーセキュリティガイドラインV1.2対応、および、周波数制御機能の実装を行い、実証事業参加各社と試験を行い、目標機能や性能が得られたことを確認し、成果報告書としてまとめました。また、変電所におけるプロセスバスの適用に向け、「変電所保護制御システムのフルデジタル化に向けた開発研究」(2018年度~2019年度)を中部電力株式会社と共同で実施しています。IEC61850準拠の保護制御ユニットIED(Intelligent Electronic Device)およびデータ収集ユニットMU(Merging Unit)の試作と評価を完了し、量産化に向けた変電所全体のシステム構成と機能実装を検討しています。

変電分野では、海外向けに50MVAクラスの中容量変圧器を開発しました。絶縁設計の合理化、節油構造の徹底、巻線冷却の高効率化等を図り、世界最小クラスの体格を実現しました。

施設・電源システム分野では、大手クラウドプロバイダーの多い北米やアジアを中心に建設が増大しているハイパースケールデータセンター(超大型)向けに、大容量無停電電源装置(UPS)「7400WX-T3U」を開発し発売しました。本製品はモジュール型構造を採用し、1台330kVAのUPSユニットを4台組み合わせて単機容量で最大1,000kVAまで対応することができ、さらに、8機の並列運転が可能であるため最大8,000kVAの大規模システムを構築できます。また、独自開発した逆阻止IGBT(RB-IGBT)に加え、SiCパワーデバイスをUPS内の回路に採用し、業界最高レベルの97.4%の装置変換効率を実現し、負荷率25%においても96%以上の装置変換効率を達成しました。さらに本製品の最適負荷運転モードは自動でUPS各機の負荷率を判別し給電調整を行い、システム全体の効率改善に寄与し、データセンターの大容量化と省エネのニーズに応えます。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は7,088百万円です。

 

■パワエレシステム インダストリー部門

低圧インバータ分野では、耐環境インバータ「FRENIC-eFIT」シリーズを開発し発売しました。本製品はSiCパワーデバイスを採用することにより全閉自冷構造を実現しています。腐食性ガスが発生する化学系プラント、塩害が懸念される沿岸部の工場、風雨に曝される屋外設備等にインバータ本体をそのまま設置して、10年間のメンテナンスフリーが可能です。本インバータは設置・運用コストの削減に貢献いたします。

小容量電源分野では、GXシリーズ用ネットワークカード「Web/SNMPカードⅡ」を開発し発売しました。従来よりも通信セキュリティーを強化し、業界初となるネットワーク規格GbE(ギガビットイーサネット)にも対応し、仮想化システムのシャットダウン処理速度を従来比30倍に高速化しました。また、IPアドレス自動設定機能や瞬低検出機能、Auto-MDIX機能を追加し、利便性の更なる向上を図りました。

また、産業機器向けAC/DC電源「FIP06シリーズ」を開発し発売しました。AC100V~240Vの入力電圧に対応します。12Vと24Vの出力ブロック基板を組み合わせて、お客様が希望する出力数と出力電圧を自由に選択できます。オプションの外付けバッテリによって、停電時に動作継続が必要な装置にも対応します。

FAコンポーネント分野では、発売済のサーボシステムALPHA7シリーズの汎用タイプ(パルス/アナログ/位置決め/Modbus)、SXバスタイプ、EtherCAT通信タイプの容量を5kWまで拡大し、発売しました。印刷機械、巻取り装置、搬送装置などの大型の機械装置の更なる高精度化・高機能化・生産性向上に貢献します。また、主に国内のインフラ設備向けに、システムを二重化することで信頼性を高めたコントローラ「MICREX-SX SPH5000H」を開発し発売しました。CPUとCPUを上位システムにつなぐ制御ネットワークを二重化しました。さらに、CPUと入出力ユニットをつなぐI/Oネットワークは二重化かつループ化することで、インフラ設備の安定稼働に貢献します。

計測機器・センサ分野では、クランプオン式で飽和蒸気の流量計測ができる蒸気用超音波流量計を世界で初めて開発し発売しました。この流量計は、配管工事が不要であるため蒸気ラインを止めずに設置でき、圧力損失もありません。飽和蒸気流量の見える化により、効率的な利用と省エネに貢献します。

また、船舶スクラバ用レーザ方式ガス分析計を開発し発売しました。盤体への収納を不要にして世界最小サイズを実現しました。採取部、検出部と制御部の各ユニットは、個別に壁面や床に設置できるので、制約の多い既存船でも容易に設置できます。また、安定性に優れるレーザ方式を採用したことから、交換部品が少なく、さらに、校正頻度を下げることができるため、ランニングコストは従来に比べ50%以下になります。

なお、船舶向けSOxスクラバは、より大容量の機種を開発し系列を拡大しました。独自のサイクロン技術によって、小型化と排ガス浄化(脱硫)性能を両立しています。この系列の拡大により、大型船(エンジン出力16~24MW)にも対応できるようになりました。

FAシステム分野では、大連富士氷山スマート制御システム有限公司(DFBCS)と共同で、産業分野の冷却システム向けのインテリジェントコントローラを開発しました。高性能と低コストを同時に実現したエッジコントローラであり、エネルギー運用の最適化手法を適用してエネルギー消費効率を最大化します。中国向けに対応した物流センター実行管理システムWES(Warehouse Execution System)を、DFBCSのシステム事業における物流分野への参入を狙いとして開発しました。これにより現場作業の省人化と効率化が行えます。

また、IoT(Internet of Things)による製造業のデジタル化を推進するため、現場型診断装置「SignAiEdge」を開発し発売しました。タッチオペレーションが可能な表示器一体型のこのエッジコントローラは、富士電機のアナリティクス・AI(MSPC)のほかに、現場情報の解析・診断に必要な機能を全て搭載しています。現場で誰にでも使いやすいこの診断装置を使って、これまで見えなかった問題点を可視化し、生産性の改善に貢献します。

駆動制御システム分野では、主に駆動制御を行う電機高速コントローラ「MICREX-View XX XCS-3000 Type E」を開発し発売しました。伝送容量の増大と業界最速の高速データ更新(最速0.5ms)により、鉄鋼/非鉄プラントを始めとするプラント設備で性能を発揮します。また、コントローラ間ネットワークおよびI/O機器間ネットワークをそれぞれループ接続することで、ネットワークの高信頼化を図り、産業プラントの安定操業に貢献します。

工業電熱分野では、国内外の輸送用機器や工作機械等の鋳物部品の生産向けに高効率高周波誘導炉「F-MELT100G」を開発し発売しました。本製品は3次元磁界解析シミュレーションを活用し、炉体及び電源構造を大幅に見直して電力原単位の削減や小型化を実現しています。環境対策が課題の鋳造工程の省エネに貢献します。

社会ソリューション分野では、オフィスビル向けに建物の挙動の三次元計測とそのデータの収集を行う「建物構造ヘルスモニタリングシステム」を開発し発売しました。地震発生時に建物の被災度を判定する別のシステムと連携することで、建物の安全性や損傷状況が速やかに判定できます。避難指示や事業継続の判断を支援してオフィスビル利用者に安全安心を提供します。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は8,712百万円です。

 

■電子デバイス部門

パワー半導体分野では、低損失及び高温動作保証を可能とした最新の第7世代IGBT技術を適用した製品の系列を拡大しています。第7世代IGBTモジュールは、1700V,1200V,650Vの標準製品の系列化を完了しました。また、大容量IGBTモジュールとしてPrimePACKTM製品の系列化を進め、風力発電や太陽光発電などの新エネルギー分野の装置への採用が進んでいます。
注)PrimePACKTMはInfineon Technologies社の登録商標です。

第7世代IGBT製品では、駆動機能や保護機能を備えたIPM(Intelligent Power Module)の系列化を進めています。最初の製品として定格650V/75A品を開発し、電力変換装置の小型化・高効率化・高信頼性化に貢献します。また、産業用途にRC−IGBT(逆導通IGBT)チップを開発し、産業用RC-IGBTモジュール1200V/50Aと1000Aを系列に加えました。RC−IGBTの採用によりパワー密度が向上し、チップ面積が大幅に縮小できます。これによりIGBTモジュールが小型化し、パワーエレクトロニクス装置の小型・軽量化に貢献します。

さらに、シリコンに代わる半導体材料として注目されているSiC(炭化ケイ素)を使った産業向けSiCモジュール製品の系列化を進めています。電鉄向けに低損失のSiC-SBDと第7世代IGBTを組み合わせた3300V/1200A,1800Aハイブリッドモジュールを開発しました。SiCチップの採用により、パワーエレクトロニクス装置の更なる電力効率の向上や小型化に貢献します。

電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)で使用される車載用直接水冷型パワーモジュールの供給先の拡大と新規のスペックインを継続しています。また、2020年モデル向けに、従来よりもオン電圧とスイッチング損失を低減したRC−IGBTを開発し量産を開始しました。EVやHEVシステム全体の小型軽量化や高効率化に貢献します。

産業用ディスクリート製品では、最新の低損失設計となる第7世代IGBT技術をディスクリート用に最適化した1,200Vの低損失ディスクリートIGBT XSシリーズの75A品を開発し系列に加えました。オン電圧を下げつつ、定常損失とスイッチング損失を同時に低減したので、小型UPSやソーラPCS、サーバとEV充電器など各種機器の損失低減、高効率化に貢献します。また、従来30~40Aクラスを並列接続で使用していた部分を75A品に置き換えることでシステムが小型になります。

車載向けディスクリート製品では、測定圧力レンジが350kPaの第6世代圧力センサを開発しました。これにより系列を拡大し、搭載可能な車種が増えました。エンジンの過給圧制御に使用して燃費の改善に貢献します。

感光体分野では、最新のオフィス向けカラー複写機用感光体を開発し発売しました。高精度素管の採用により高い色再現性を確保すると共に、摩耗耐性を持つ樹脂の採用により周辺部材からの機械的ストレス影響を抑制し、長寿命を実現しました。これにより長期間にわたり高い印字品質の維持が可能となります。

ディスク媒体部門では、データセンター等で活用されているニアライン用ハードディスクドライブ16TB機種用媒体(3.5インチ、ガラス基板、1.78TB/枚)を開発しました。磁性およびHDI(ヘッド・ディスクインタフェース)に新規技術を採用することで、高記録密度と高い信頼性を確保しています。本製品は第4四半期に生産を開始し、更なる改善を継続しています。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は10,871百万円です。

 

■食品流通部門

自販機分野では、レギュラーコーヒーのニーズが高まる中、シロップレス・コンパクトカップ自販機「FXA2」を開発し発売しました。前面扉の一部をシースルー化し調理シーンが見える斬新なデザインを採用しました。また、利用者の操作性に配慮し、商品ラベルや選択ボタンをレイアウトしました。更に自販機用通信モジュールを搭載し、自販機のIoT化を推進しています。これによりマーケティングデータの収集やオペレーション効率が向上します。

海外向けでは、東南アジアを中心に多く流通している背の高いスリーク缶や600mlペットボトルなどの大型商品に対応した缶・ペット自販機のシリーズ化を図りました。東南アジアでニーズの高い小容量のガラス瓶(ドリンク瓶)飲料を全コラムで販売できる販売機構を開発し、この機構を搭載したドリンク瓶販売機を発売しました。また、国内と同様に前面扉の一部をシースルー化し調理シーンが見える小型のコンパクトカップ機を開発し発売しました。

フード機器分野では、病院や介護施設などで人手不足が進む中、嚥下(えんげ)障害のある人が安心して飲めるお茶を提供する「とろみ給茶機」を開発し、量産を開始しました。障害のレベルに応じて、とろみ濃度(薄い・中間・濃い)が選択できます。車椅子の利用者が操作しやすいようにユニバーサルデザインを採用しています。

金銭分野では、検銭レベルを向上するとともに、保守作業時に2次元コードを読み取って簡単にオンラインマニュアルにアクセスできる新コインメックを開発し発売しました。また、2020年2月開催のスーパーマーケット・トレードショー(SMTショー)に、小型店舗の省力化をサポートする「小型釣銭機(ECS-Light)」を参考出品しました。現行の釣銭機と比べて約1/5の占有面積で設置できます。

店舗分野では、SMTショーにおいてコンビニの24時間営業問題などを解決する提案として「2WAY販売機」を参考出品しました。自動化技術を活用し夜間は自動販売機として無人販売、昼間はショーケースとして有人販売を一台で実現します。また、人手不足に対しては、商品の陳列作業を軽減する電動可動棚や新スライド棚を提案しました。このように、小売業界の課題を解決する商品を開発しています。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は4,395百万円です。

 

■発電プラント部門

火力発電分野では、二酸化炭素の排出量を削減するため、蒸気タービンの高効率化の技術を継続的に開発しています。また、運転中の発電機から発生するオゾンとNOxガスを測定して絶縁劣化が手軽に診断できる技術を開発しました。これにより、メンテなどの適切な提案ができます。

再生可能エネルギー分野では、地熱蒸気から析出したスケールの蒸気タービンへの付着を抑制するコーティング技術を開発しています。この技術が完成すると、地熱発電の発電能力が長期間維持できます。

太陽光発電では、現状で世界最高レベルの制御品質が求められている北海道電力の連系要件(蓄電池を併設して太陽光発電所との合成出力の変動を1%/分以下に緩和すること)に対応した蓄電池併設型メガソーラー(すずらん釧路町太陽光発電所、59.4MW)のEPC(設計・調達・施工)を請け負い、商業運転を開始しました。

また、風力発電における送電系統のシミュレーションを行う仕組みを構築しました。これにより、発電所と連系点間の長距離化に伴う送電問題を解決し、設備要件が検証できます。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は3,294百万円です。

 

 

■新技術・基盤技術部門

プラントモデルを用いて将来の挙動を予測しながら、高精度な制御ができるモデル予測制御(MPC)を当社のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)に搭載できる技術を開発しました。以前は高速な計算機が必要でしたが、数式処理技術を応用して事前に解析することで、PLCで動作できるようにしました。これにより、PID制御では考慮が難しい外乱の影響を受けにくい安定した制御を実現できます。今後、化学プラントを初め様々な対象への適用を進めていく予定です。

電力の安定供給に不可欠なガス絶縁開閉装置(GIS)などの高電圧装置の信頼性の向上や小型化を実現する高絶縁性の材料の開発をNEDOの助成を受けて行っています。絶縁電界にあわせて絶縁材料の誘電率を最適に制御する材料技術(誘電率傾斜技術)を開発し、実サイズのモデルを使い、従来よりも30%高い絶縁特性を持つことを実証しました。今後は、長期絶縁寿命特性の評価や量産技術の開発を行っていきます。

 

■その他部門

当連結会計年度における当部門の研究開発費は94百万円です。