(1)経営方針
[経営理念]
富士電機は、地球社会の良き企業市民として、
地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします。
●豊かさへの貢献
●創造への挑戦
●自然との調和
[経営方針]
1.エネルギー・環境技術の革新により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献します。
2.グローバルで事業を拡大し、成長する企業を目指します。
3.多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮します。
(注)本有価証券報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社は、2023年度を最終年度とする5か年の中期経営計画「令和.Prosperity2023」を推進しています。売上高1兆円、営業利益率8%以上を経営目標とし、パワエレシステム事業、パワー半導体事業の拡大を中核とする「成長戦略の推進」、グローバルでのものつくり力強化による「収益力の更なる強化」、および、環境、社会、ガバナンス(ESG)を中心とした「経営基盤の継続的な強化」を推し進めています。
経営を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響の地域的な跛行性、長期化リスクの懸念があるものの、世界経済は徐々に回復が期待され、さらに、グリーン化、デジタル化の動きが加速しています。当社は、引き続き2023年度経営目標の達成に向け、パワエレシステム事業とパワー半導体事業の拡大に注力するとともに、市場環境変化に対応した事業展開、ならびにリスク対応力の強化に取り組みます。
1.成長戦略の推進
〔パワー半導体の売上拡大〕
パワー半導体においては、自動車分野、産業分野および再生可能エネルギー分野向けに売上拡大を図ります。とりわけ、世界的な電動車需要の急速な拡大に対応するため、生産設備の能力増強に向け積極投資を行います。
〔パワエレシステム事業の拡大〕
強いコンポーネントにエンジニアリング・サービス、最適制御技術、AI/IoTを組み合わせ、エネルギーの安定供給、省エネ、自動化に貢献するシステム事業の強化に取り組んでいます。
企業が気候変動対策を強化するなかで、発電プラント部門と連携した再生可能エネルギー向け電力安定化・蓄電制御システム、ならびに、工場・施設のエネルギーの最適制御と省エネを実現するエネルギーマネジメントシステムなどの受注拡大に注力します。
海外事業拡大に向けては、アジアでは、富士電機マニュファクチャリング(タイランド)社を中核として、現地生産の拡大、エンジニアリング体制の強化により、電力会社、データセンター、素材プラントをターゲットにシステム事業の拡大を図ります。インドにおいては、現地子会社2社を統合し、製造・販売・サービス拠点の再編・拡充、現地設計開発体制の強化により、成長が見込まれるデータセンター、再生可能エネルギー分野向けをターゲットに事業拡大を図ります。
2.収益力の更なる強化
革新的な生産性向上に向けてIoTを活用したものつくりのデジタル改革を推進します。また、設計、製造、試験まであらゆる工程の改善と品質の徹底強化に取り組みます。
海外事業の拡大を図るため、事業継続性とリスク分散も踏まえた地産地消をさらに徹底するとともに、海外生産拠点の自律化に向け、現地リーダー層の育成に継続的に取り組み、グローバルでものつくり力の更なる強化を図ります。
3.ESGを中核とした経営基盤の継続的な強化
持続的成長に向け、ガバナンスの実効性向上に取り組むとともに、2020年に発足した全社委員会「SDGs推進委員会」を核にして、「環境」「人財」に係る重要課題に取り組みます。
●環境ビジョン2050の推進
2019年に制定した「環境ビジョン2050」をもとに、エネルギー・環境事業を通じた社会のCO2排出量削減、生産活動における温室効果ガス排出量削減に取り組みます。なお、脱炭素化に向けた世界的な動きを踏まえ、2050年および2030年度目標を見直します。
●人財活躍推進と働き方改革
シニア層の処遇制度の改善や最長75歳まで働ける仕組みを構築しており、制度活用を進めていきます。また、女性の採用強化と女性役職者の計画的育成に継続的に取り組み、多様な人財の活躍を推進します。
業務品質・業務効率向上を目指す全社活動「Pro-7」により、業務のデジタル化や勤務体制の柔軟化を中心とした働き方改革を推進します。同時に、社員意識調査を毎年実施し、働きやすい職場環境作りに取り組みます。
また、事業で培った人財や技術を活用し、社会課題の解決や地域の発展、活性化に貢献します。
●ガバナンスの実効性向上
経営リスクの多様化を踏まえ、事業継続性を踏まえたサプライチェーンマネジメントや情報セキュリティなどリスク対応力の一層の強化に取り組みます。
取締役会の実効性向上に向け、第三者の関与する評価を継続的に実施するとともに、資質、専門性、経験等のバランスと多様性を重視した取締役会において長期的な企業価値向上に向けた議論をさらに活性化させます。
また、政策保有株式については、2020年度においても複数銘柄の保有上場株式の売却を実行し縮減に取り組んできましたが、2021年度以降、政策保有株式の一層の縮減を図ります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「2 事業等のリスク」、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても記載しております。
(3)2023年度中期経営計画の経営目標(連結)
当社は、創立100周年となる2023年度を最終年度とした5ヵ年中期経営計画「令和.Prosperity2023」を策定し、「持続的成長企業としての基盤確立」を基本方針に掲げ、「成長戦略の推進」、「収益力の更なる強化」、「経営基盤の継続的な強化」の重要課題に取り組んでいます。
本中期経営計画の経営目標(連結)は、次のとおりです。
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2018年度 実績 |
2023年度 中期経営計画 |
増減 |
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売上高 |
9,149億円 |
10,000億円 |
+851億円 |
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営業利益 |
600億円 |
800億円 |
+200億円 |
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営業利益率 |
6.6% |
8.0% |
+1.4pt |
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親会社株主に 帰属する当期純利益 |
403億円 |
550億円 |
+147億円 |
※前提為替レート:1US$=105円、1EURO=123円、1人民元=16円
(注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。
富士電機は、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に管理し、適切な対応を図って、影響の極小化に努めております。現在、富士電機の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のものがあります。なお、将来に関する事項につきましては、本有価証券報告書提出日(2021年6月25日)現在において、当社が判断したものであります。
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リスク項目 |
リスク内容 |
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1 |
経営戦略 事業戦略 事業環境 |
・富士電機は、成長が見込める事業に対し迅速に経営資源を集中させ、事業の拡大・発展を目指し、設備投資、研究開発投資を行っています。多額の資金を必要とする半導体の設備投資については、顧客との物量・価格面での交渉をもとに設備投資の判断を行うとともに、研究開発投資については、事業戦略との整合性や事業への貢献度を重視し、ロードマップに基づき、富士電機の将来を支える基盤・先端技術の研究開発を進め、主要な開発テーマは定期的に経営陣にて審議するとともに、市場の変化に応じてロードマップを随時見直しています。しかし、半導体分野の製品サイクルは短く、また製品需給の変動や競争が激しいことから、投資を回収できない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・富士電機は、エネルギー・環境事業を通じ持続可能な社会の実現に貢献して行くとともに、地球環境保護への取り組みを経営の重要課題と位置付け、サプライチェーン全体で脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現を目指す「環境ビジョン2050」を推し進めています。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同表明し、長期的な視点に立った気候変動によるリスク分析を行っています。しかし、パリ協定等の環境規制の強化や、ESG評価機関からの取り組み評価により、富士電機の一部事業(石炭火力発電事業)への批判が強まった場合は、富士電機の評判や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・富士電機は、世界各地に事業拠点を展開し、各地域の市場・顧客に向けて製品・サービスを提供しています。各国における新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言やロックダウン等の経済活動の制限は、営業活動の制約や工場の稼働停止、現地工事の出張規制等、富士電機の事業活動にさまざまな影響を及ぼしており、こうした制限が強化された場合には、事業活動への影響が更に拡大することが懸念され、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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2 |
コーポレート・ガバナンス |
・4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要に記載の通り、富士電機は、平時より経営の透明性や監査機能の向上を図ることにより、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいますが、予期せぬ事態の発生により、内部統制や監査機能に不備が生じ、コーポレート・ガバナンスが機能不全に陥った場合は、経営に混乱をきたす等、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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3 |
事業再編・ 提携・撤退 |
・富士電機は、各事業分野における競争力強化のため第三者とのM&A・合弁・業務提携等の協業に積極的に取り組んでおり、事業戦略、技術、製品及び人事等の統合に向け、経営理念や経営方針、企業行動基準、経営計画や事業戦略等を共有するとともに、経営会議等により緊密なコミュニケーションを図ること等により、良好な関係構築に取り組んでいますが、制度、文化面などの相違から十分な成果が得られない場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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4 |
受注・営業・ 販売促進 |
・富士電機は、国内市場のみならず海外市場への積極的な展開を図っており、特に中国をはじめとしたアジア市場向けの販売拡大に注力しています。富士電機は世界の各市場に営業拠点を展開して顧客動向を把握し、その情報を一元管理して分析と対策の検討を行う等、機会損失を回避する取り組みを行うとともに、海外及び国内の市場動向による業績影響の極小化に向け、コストダウンや総経費の圧縮に努めておりますが、民間設備投資や公共投資をはじめとする各国における市場環境の悪化、各市場における製品需給の急激な変動や競争の激化、及びそれらに伴う価格レベルの大幅な下落があった場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・富士電機は、パワエレシステム分野、発電分野等において、大型プラント案件の受注活動を行っており、各案件において適正な利益を確保できるよう、受注時における見積りの精度向上、受注後のプロジェクト管理の強化等に取り組んでおりますが、受注後の予期せぬ仕様変更、工程遅延や自然災害等による採算悪化により、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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リスク項目 |
リスク内容 |
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5 |
開発・設計 エンジニアリング |
・富士電機は、研究開発を加速するため研究開発体制を整備し、常に市場・顧客のニーズや最新の技術動向を見極めつつ、パワーエレクトロニクス技術やパワー半導体技術を中心に強いコンポーネントとシステムを創出する研究開発、及び要素技術の複合により顧客価値を生むソリューションの研究開発に注力しています。しかし、急速な技術の進歩により他社に優位性を奪われたり、計画どおりに開発が進まずに適切な時機に市場への製品投入ができない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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6 |
調達・手配 |
・富士電機は、原材料価格高騰リスクに対して商品スワップ取引を行う等、リスクの軽減に努めていますが、円安を背景とした原材料・部品価格の上昇に加え、新興国の急激な需要増等の情勢変化によっては素材・原材料の需給逼迫が見込まれ、これらの価格が大幅に上昇した場合には、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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7 |
生産・製造 出荷・物流 据付・引渡 サービス |
・富士電機は、経営会議での営業部門と事業部門の情報共有等により、常に最新の物量動向を把握するとともに、生産性向上や地産地消の推進等で物量変動に対応できる最適な生産管理体制を構築していますが、予期せぬ事態により、製品需要の増(減)など物量動向の変化への対応が遅れた場合には、在庫不足(過剰)を招き、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・富士電機は、サプライチェーン改革活動に基づく地産・地消での「地域完結型」ものつくりの推進、グローバル調達の推進等に取り組んでおりますが、予期せぬ事態により、ヒト・モノの移動が制限され物流網が寸断された場合、サプライチェーンが機能せず、納期遅延等により富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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8 |
品質保証 |
・富士電機は、生産・販売する製品について、品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めるとともに、必要な保険に加入しておりますが、予期せぬ事態により品質問題が発生した場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2021年2月12日に提出しました第3四半期報告書において記載しましたパワー半導体の特定分野向けの一部の製品の不具合につきましては、当連結会計年度において製品不具合対策費 257億円を特別損失に計上しました。当該不具合対策費は、確定している額と顧客の設備の用途及び使用条件等に基づき合理的と考えられる方法による見積り計上した額の合算であるため、当該見積りに反映されていない事象が発生した場合は、追加で損失が発生する可能性があり、富士電機の業績及び財務状況に著しい影響を及ぼす場合は適切に開示します。 |
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9 |
人的資源・ 労務 |
・富士電機の事業活動は人材に大きく依存しており、技術・生産・販売・経営管理などの各分野において優秀な人材の確保・育成に向け、グローバル競争力強化につながる「プロフェッショナルな人財の育成」に注力し、積極的に社員の教育・研修を実施するとともに、キャリア採用拡大等により、優秀人材の確保に取り組んでいますが、そうした必要な人材を確保・育成できない場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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10 |
財務・会計 |
・富士電機は、資金調達コストを最小化するべく、社債・CP・短期借入・長期借入の最適ミックスを常に検証し、機動的・安定的な資金調達が可能となるよう取り組んでいますが、金利が想定以上に上昇した場合、有利子負債に対する金利負担の増大を招くことにより、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・富士電機は、債権の長期滞留調査や取引先の財務状況のモニタリング等、与信管理強化を図ることにより、売上債権の回収促進に取り組んでいますが、経済活動制限や景気低迷等により、取引先の資金繰りが悪化して債権回収不能となった場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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リスク項目 |
リスク内容 |
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法務・倫理 |
・富士電機は、さまざまな事業分野及び世界の各地域において、各国の法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。当社は代表取締役が委員長を務める「富士電機遵法推進委員会」において法令遵守の徹底を図るとともに、規制法令毎に社内ルール、監視、監査、教育の各側面において役割・責任を明確としたコンプライアンスプログラム及び内部者通報制度等のコンプライアンス体制を整備しておりますが、法令違反等が発生した場合には、富士電機の社会的信用や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・富士電機は、訴訟等の法的紛争に備え、適切なタスクフォースの組成により、必要プロセス(事実調査、是正措置、再発防止、社内処分、開示)を迅速に行う体制を構築しておりますが、予期せぬ多額の賠償を命じられた場合、それらの決定の内容によっては、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・富士電機は、知的財産権を効果的に守り、他社の権利を尊重した製品・技術の開発を進めておりますが、技術革新のスピードが加速していること、事業活動がグローバルに展開していることから、知的財産権の係争が発生した場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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政治情勢 社会経済動向 |
・富士電機は、為替変動リスクによる業績への影響を最小限に止めることを目的として、一定の基準に従って為替予約を実施しておりますが、米ドルを中心とした対円為替相場の変動により富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・富士電機は、中国やアジアを中心に多くの海外市場で事業展開しており、地政学リスクの最新情報を常時注視するとともに、想定外のリスクに備え、生産・販売拠点の分散化を図っておりますが、海外の国々で次のような事象が発生した場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ○予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更 ○不利な政治的要因の発生 ○社会騒乱、テロ、戦争等による社会的混乱 |
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株主・投資家の動向 |
・富士電機は、財務情報に係る開示や非財務情報の積極的な開示並びに株主・機関投資家とのコミュニケーションを重視するとともに、ディスクロージャーポリシーに則った誠実且つ正確な情報開示を行う等、当社経営への理解を促す取り組みを行っておりますが、株主・投資家の意向と当社経営の意向に齟齬が生じる等により、役員選任議案に反対票を投じられたり、その他当社経営に対する株主提案を受けた場合、経営に混乱をきたす等、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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自然災害・ 事故 |
・富士電機は、世界各地に事業拠点を展開しており、災害や事故発生時において製品・サービスの供給を継続し、顧客や社会に対する責任を果たすため、社内に危機管理対応の専門チームを設置し、防火・防災の取り組み、事業継続計画(BCP)の策定及び必要な保険に加入する等、「事業継続力強化」に取り組んでおります。しかし、これら事業拠点において大規模な災害や事故等が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断、製品出荷の遅延等が生じ、富士電機の業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
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リスク項目 |
リスク内容 |
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外部からの 攻撃 |
・富士電機は、多様化・高度化するサイバーセキュリティ脅威への対応のため、対策システムの整備およびセキュリティ対応組織(CSIRT/SOC)を設置し、攻撃の監視・制御を実施するとともに、新たな脅威の出現に備え、防御、検知システムの増強、サイバー訓練などの対応力強化を継続的に進めていますが、外部攻撃(サイバーテロ等)により機能不全、情報漏洩等の問題が発生し、社会的信用を失墜させた場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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個別事象 (新型コロナウイルス感染症による影響) |
・富士電機は、経営に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクに対する、緊急事態発生時の「対応要領」を定めています。新型コロナウイルス感染症に対しては、社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染防止・事業継続推進対策本部」を「対応要領」に基づいて設置し、「人命の尊重および事態の拡大防止・被害を最小限に留めることを最優先に、迅速・的確な措置を講ずる」との方針の下、新型コロナウイルスに関わる情報の収集・集約を行い、感染拡大防止対策(手洗い・手指消毒等の励行、3密の回避、在宅勤務・時差出勤の推奨、等)の徹底と事業継続の推進の両立を図るべく取り組んでいます。しかし、職場内、もしくは顧客・取引先等において感染者が発生し、生産・販売をはじめとする各種事業活動を停止せざるを得ない状況に陥った場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当社は2019年度を起点に、創立100周年を迎える2023年度を最終年度とする5ヵ年中期経営計画「令和.
Prosperity2023」をスタートさせ、成長分野であるパワエレシステム事業、パワー半導体事業へのリソース傾注や海外事業拡大等の成長戦略を推進しています。
当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外で投資抑制傾向が継続する等、厳しい状況が続きました。こうした中で、中国では上期より経済活動の再開がいち早く進み、製造業の設備投資に持ち直しの動きが見られました。また、下期にかけては国内における工作機械関連の需要が増加したほか、自動車の電動化や再生可能エネルギーの普及拡大を背景に国内外における半導体需要の高まりが顕著となりました。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2.7%減収の8,759億27百万円となりました。部門別には、「パワエレシステム インダストリー」、「電子デバイス」は前連結会計年度を上回りましたが、「パワエレシステム エネルギー」、「食品流通」、「発電プラント」は前連結会計年度を下回りました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ3.8%減収の6,540億20百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ0.5%増収の2,219億7百万円となりました。なお、売上高に対する海外売上高の比率は、前連結会計年度に比べ0.8ポイント増加して25.3%となりました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ3.7%減少し6,546億61百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度に比べ0.8ポイント減少して74.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ3.0%減少し1,726億70百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ0.1ポイント減少して19.7%となりました。
営業利益は、売上高が減少したものの、原価低減及び固定費削減等を推進し、前連結会計年度に比べ60億80百万円増加し、485億95百万円となりました。売上高に対する営業利益の比率は、前連結会計年度に比べ0.8ポイント増加して5.5%となっております。
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の19億98百万円の収益(純額)から、18億5百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比べ1億93百万円の収益(純額)の減少となりました。これは、為替差損が前連結会計年度に比べ9億47百万円減少した一方で、関係会社貸倒引当金繰入額が4億54百万円増加したこと、関係会社投資損失引当金繰入額を4億42百万円計上したことなどによるものであります。
これらの結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ58億88百万円増加し、504億1百万円となりました。
特別利益は、固定資産売却益及び投資有価証券売却益を計上し、411億45百万円となりました。なお、主に投資有価証券売却益の計上額が増加したことにより、前連結会計年度に比べ383億74百万円増加しております。
特別損失は、固定資産処分損及び投資有価証券評価損、減損損失、製品不具合対策費を計上し、282億62百万円となりました。なお、固定資産処分損及び投資有価証券評価損の計上額が減少した一方、減損損失、製品不具合対策費を計上したことにより、前連結会計年度に比べ248億39百万円の増加となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は632億84百万円となり、前連結会計年度に比べ194億24百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税等の税金費用179億41百万円を税金等調整前当期純利益から控除し、更に、非支配株主に帰属する当期純利益34億15百万円を控除した結果、419億26百万円となり、前連結会計年度に比べ131億33百万円の増加となりました。
セグメント別の内容は、次のとおりであります。
■パワエレシステム エネルギー部門
売上高:2,092億29百万円(前期比 4.0%減少) 営業損益:140億18百万円(前期比 16億96百万円増加)
全ての分野において売上高は前期を下回りましたが、原価低減等の推進により、営業損益は前期を上回りまし
た。
・エネルギーマネジメント分野は、産業向け電源機器の前期大口案件の影響及びスマートメータの需要減少により、売上高は前期を下回りましたが、原価低減等の推進により、営業損益は前期を上回りました。
・施設・電源システム分野は、電機盤の前期大口案件影響等により、売上高は前期を下回りましたが、原価低減等の推進により、営業損益は前期を上回りました。
・器具分野は、下期より工作機械をはじめとする国内の機械セットメーカの需要が持ち直したものの、上期における需要減少により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。
なお、当連結会計年度の受注高は1,121億円(富士電機㈱のパワエレシステム エネルギー部門単独ベース)となっております。
■パワエレシステム インダストリー部門
売上高:3,458億84百万円(前期比 8.9%増加) 営業損益:217億81百万円(前期比 52億34百万円増加)
設備工事分野は顧客の設備投資計画の延伸等により売上が減少したものの、ITソリューション分野、オートメーション分野、及び社会ソリューション分野の需要が拡大し、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
・オートメーション分野は、国内の需要が低調に推移したものの、中国においてFAコンポーネントを中心として需要が拡大し、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
・社会ソリューション分野は、鉄道車両用電機品及び船舶用排ガス浄化システムの需要が拡大し、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
・設備工事分野は、顧客の設備投資計画の延伸や前期の電気設備工事の大口案件影響等により、売上高は前期を下回りましたが、原価低減等の推進により、営業損益は前期を上回りました。
・ITソリューション分野は、文教向けGIGAスクール構想の大口案件の増加により、売上高、営業損益とも
に前期を上回りました。
なお、当連結会計年度の受注高は1,377億円(富士電機㈱のパワエレシステム インダストリー部門単独ベース)となっております。
(注)第3四半期連結会計期間より、「船舶用排ガス浄化システム」を「オートメーション分野」から「社会ソリューション分野」に移管しており、前期の数値を移管後の分野に組み替えたうえで算出しております。
■電子デバイス部門
売上高:1,574億84百万円(前期比14.6%増加) 営業損益:176億52百万円(前期比 79億34百万円増加)
・電子デバイス分野は、パワー半導体生産能力増強に係る投資による費用が増加したものの、電気自動車(xEV)向け、新エネルギー市場向け及びFA向けのパワー半導体の需要増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
なお、当連結会計年度の受注高は1,232億円(富士電機㈱の電子デバイス部門単独ベース)となっております。
■食品流通部門
売上高:765億56百万円(前期比 26.7%減少) 営業損益:△52億80百万円(前期比 91億22百万円減少)
自販機分野及び店舗流通分野ともに、新型コロナウイルス感染症の影響継続に伴う設備投資抑制や納期延伸等により需要が大幅に減少し、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。
・自販機分野は、国内飲料メーカの設備投資の抑制や中国及びアジアの需要減少により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。
・店舗流通分野は、コンビニエンスストア向け店舗設備機器等の需要減少及び納期延伸により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。
なお、当連結会計年度の受注高は698億円(富士電機㈱の食品流通部門単独ベース)となっております。
■発電プラント部門
売上高:803億52百万円(前期比 26.9%減少) 営業損益:25億17百万円(前期比 2億19百万円増加)
・発電プラント分野は、前期の大型火力案件及び再生可能エネルギーの大口案件影響により、売上高は前期を下回りましたが、営業損益は新型コロナウイルス感染症影響による工程延伸に伴う工事費が増加したものの、案件差等により、前期を上回りました。
なお、当連結会計年度の受注高は806億円(富士電機㈱の発電プラント部門単独ベース)となっております。
■その他部門
売上高:526億94百万円(前期比 13.4%減少) 営業損益:22億16百万円(前期比 4億78百万円減少)
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
富士電機の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。
② 受注実績
富士電機の生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注実績については、「(1) 経営成績」におけるセグメント別の内容に関連付けて示しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
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パワエレシステム エネルギー |
209,229 |
96.0 |
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パワエレシステム インダストリー |
345,884 |
108.9 |
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電子デバイス |
157,484 |
114.6 |
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食品流通 |
76,556 |
73.3 |
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発電プラント |
80,352 |
73.1 |
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その他 |
52,694 |
86.6 |
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消去 |
△46,273 |
- |
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合計 |
875,927 |
97.3 |
(注)上記の金額には消費税等を含んでおりません。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産額は1兆519億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ551億25百万円増加しました。
流動資産は6,292億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ335億15百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べたな卸資産が49億23百万円減少した一方で、現金及び預金が124億73百万円、売上債権が251億40百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。
固定資産は4,226億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ216億36百万円増加しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は2,331億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億85百万円増加しました。また、投資その他の資産は1,894億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ149億51百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ投資有価証券が、その他有価証券の時価評価差額相当分の増加を主因として、79億93百万円、退職給付に係る資産が59億60百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は5,906億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億27百万円減少しました。
流動負債は3,564億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ667億44百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ製品保証引当金が154億79百万円増加した一方で、仕入債務が126億54百万円、コマーシャル・ペーパーが515億円、1年内償還予定の社債が150億円、それぞれ減少したことなどによるものであります。
固定負債は2,342億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ666億17百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ長期借入金が580億82百万円増加したことを主因とするものであります。
なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は2,162億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億59百万円減少しました。また、同残高の総資産に対する比率は20.6%となり、前連結会計年度末に比べ1.2ポイント減少しました。
当連結会計年度末の純資産合計は4,612億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ552億52百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ利益剰余金が304億66百万円、その他有価証券評価差額金が111億54百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。これらの結果、自己資本比率は39.6%となり、前連結会計年度末に比べ2.9ポイント増加しました。
セグメント別の内容は、次のとおりであります。
■パワエレシステム エネルギー部門
当連結会計年度末のセグメント資産は2,030億48百万円となり、有形固定資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ11億41百万円増加しました。
■パワエレシステム インダストリー部門
当連結会計年度末のセグメント資産は3,078億64百万円となり、売上債権の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ328億34百万円増加しました。
■電子デバイス部門
当連結会計年度末のセグメント資産は2,156億24百万円となり、売上債権の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ129億30百万円増加しました。
■食品流通部門
当連結会計年度末のセグメント資産は824億11百万円となり、売上債権の減少を主因として、前連結会計年度末に比べ59億25百万円減少しました。
■発電プラント部門
当連結会計年度末のセグメント資産は670億52百万円となり、売上債権の減少を主因として、前連結会計年度末に比べ69億94百万円減少しました。
■その他部門
当連結会計年度末のセグメント資産は373億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億79百万円増加しました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は、504億8百万円の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加(前連結会計年度は184億66百万円の増加)となり、前連結会計年度に対しては、319億42百万円の資金流入額の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は269億31百万円(前連結会計年度は460億87百万円の増加)となりました。これは、法人税等の支払に加え、売上債権の増加及び仕入債務が減少した一方で、税金等調整前当期純利益の計上並びにたな卸資産が減少したことなどによるものであります。
前連結会計年度に対しては、191億56百万円の資金流入額の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の増加は234億77百万円(前連結会計年度は276億21百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産を取得した一方で、投資有価証券を売却したことなどによるものであります。
前連結会計年度に対しては、510億98百万円の資金流入額の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は395億20百万円(前連結会計年度は169億17百万円の増加)となりました。これは、長期借入金が増加した一方で、コマーシャル・ペーパーの減少並びにリース債務の返済などによるものであります。
前連結会計年度に対しては、564億37百万円の資金流出額の増加となりました。
当連結会計年度における資本の財源は営業活動によるキャッシュ・フローであり、その主な内訳は、税金等調整前当期純利益632億84百万円、減価償却費361億94百万円、製品保証引当金の増加によるもの154億78百万円、たな卸資産の減少によるもの75億13百万円、投資有価証券売却損益△408億64百万円、売上債権の増加によるもの△208億52百万円、仕入債務の減少によるもの△158億81百万円、法人税等の支払額△103億74百万円、などとなっております。
なお、当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、設備投資に係る資金については、基本的に、社債、長期借入金及びファイナンス・リースに係るリース債務により調達することとしております。
これらの結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ115億85百万円(18.2%)増加し、753億32百万円となりました。
(4)経営上の目標の達成状況(連結)
当社は、創立100周年となる2023年度を最終年度とした5ヵ年中期経営計画「令和.Prosperity2023」を策定し、「持続的成長企業としての基盤確立」を基本方針に掲げ、「成長戦略の推進」及び「収益力の更なる強化」、「経営基盤の継続的な強化」に取り組むこととし、経営目標(連結)として、売上高1兆円、営業利益800億円、営業利益率8.0%、親会社株主に帰属する当期純利益550億円を掲げました。
2020年度連結実績においては、中期経営計画で掲げた2023年度の売上高、利益に係る目標値に対して、次の通りとなっております。
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2023年度 中期経営計画 |
2020年度 実績 |
増減 |
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売上高 |
10,000億円 |
8,759億円 |
△1,241億円 |
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営業利益 |
800億円 |
486億円 |
△314億円 |
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営業利益率 |
8.0% |
5.5% |
△2.5pt |
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親会社株主に 帰属する当期純利益 |
550億円 |
419億円 |
△131億円 |
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。連結財務諸表の作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。
当社が連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであると考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しているとおりであります。
①工事進行基準の適用について
当社グループは、一定の要件を満たす工事契約等の収益及び費用の計上基準として、工事進行基準を適用しています。工事進行基準の適用にあたっては、収益及び費用を認識する基となる工事原価総額及び進捗率の合理的な見積りが可能であることが前提となります。当該見積りについて将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益及び費用の金額に影響を与える可能性があります。
②固定資産(のれんを含む)の減損判定
当社グループは、保有する固定資産(のれんを含む)について減損の兆候がある場合は、当該資産又は資産グループについて減損損失を認識するかどうかの判定を行い、減損が必要と判定された場合は帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に用いられる当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見積り及び仮定等について将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
③投資有価証券の減損判定
当社グループは、時価のある株式については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合は減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。また、時価のない株式等については、財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合は、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振等、現在の見積り及び仮定に反映されていない事象が発生した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において評価損が発生する可能性があります。
④繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を認識しております。将来の課税所得の見積りについて、将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
⑤パワー半導体の特定分野向けの一部の製品の不具合対策費用に対する製品保証引当金について
当社グループは、製品の品質に関する保証費用の支出に備えるため、パワー半導体の特定分野向けの一部製品の不具合対策費用の発生見込を踏まえ、今後必要と見込まれる金額を製品保証引当金に計上しております。当該不具合は、製品内部の調達部品の問題により、製品の使用環境に依存して生じることから、当社が把握している顧客の設備の用途及び使用条件等に基づいて、本不具合が発生する範囲を仮定し、不具合対策費用を見積もっております。当該見積りについて不具合対策費用の算出の根拠とした仮定と差異が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
⑥退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務は、数理計算上の仮定を用いて算定しており、当該数理計算上の仮定には、割引率、退職率、昇給率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表における退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付に係る調整累計額の金額に影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載しているとおりであります。
当社は、2020年11月26日開催の取締役会において、当社の100%子会社である株式会社茨城富士の権利義務の全てを合併により承継する決議を行い、同日に、同社と合併契約を締結しました。
合併の概要は以下のとおりです。
1.合併の目的
配電盤や制御盤等の盤製品は、プラントシステム分野の基盤商材であり、同製品の競争力強化が同分野拡大の重要課題となっています。株式会社茨城富士は盤製品の製造・販売事業を行ってまいりましたが、当社および株式会社茨城富士に分散するリソースを当社に統合し、標準化・内製化を加速推進し製品力強化を図る目的で合併することといたしました。これにより、パワエレシステム事業の拡大を図ってまいります。
2.合併の方法
当社を存続会社、株式会社茨城富士を消滅会社とする吸収合併。
3.合併に際して発行する株式及び割当
存続会社である当社は消滅会社である株式会社茨城富士の発行済株式全部を所有しているため、合併による新株式の発行および資本金の増加ならびに合併交付金の支払いはありません。
4.合併の期日
2021年4月1日
5.合併後の存続会社の資本金・事業の内容等
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(1)商号 |
富士電機株式会社 |
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(2)事業内容 |
エネルギー、産業、輸送その他社会インフラに関する各種機器、システムおよび半導体デバイス、感光体、自動販売機の開発、製造、販売、サービスならびにこれらに関するソリューションの提供 |
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(3)本店所在地 |
川崎市川崎区田辺新田1番1号 |
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(4)代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 北澤 通宏 |
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(5)資本金 |
本合併により資本金は増加いたしません。 |
パワーエレクトロニクス技術やパワー半導体技術のシナジーを生かした強いコンポーネントとシステム並びに要素技術を複合して顧客価値を創出するソリューションを生み出す研究開発に注力しています。
メーカーとしてリアルの技術を磨くとともに、最新のデジタル技術を深化させ、アナリティクス・AIの応用拡大を加速しています。クリーンな創エネルギーからエネルギーの安定供給、需要家サイドに至る自動化、省エネ・省力化などに貢献します。
当連結会計年度における富士電機の研究開発費は
また、当連結会計年度末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は13,398件です。
■パワエレシステム エネルギー部門
電力流通分野では、経済産業省の「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業」の関西電力グループに参加しています。今年度は従来の機能に加え、1分予測値の算出機能追加による予測/実績誤差低減、サイバーセキュリティガイドラインV2.0対応などの機能を増強し、実証事業参加各社との実証において、目標機能、性能が得られることを確認しました。
施設・電源システム分野では、大型データセンター向けに、大容量無停電電源装置(UPS)「7500WX」を開発し発売しました。モジュール型構造を採用しており、600kVAのUPSユニットを4台組み合わせて単機容量で最大2,400kVAまで対応します。さらに、業界最小レベルの設置面積により、サーバなどのIT機器の設置面積を最大化します。また、UPS各機の負荷率をもとに自動で給電調整する最適負荷運転モードによりシステム全体の効率が向上し、データセンターの省エネに貢献します。
器具分野では、スプリング端子機器「F-QuiQ」シリーズとして「AR22・DR22、AR30・DR30押しボタンスイッチ」に続き「AM22・DM22、AG28・DG28押しボタンスイッチ」と「AR22/AR30非常停止押しボタンスイッチ」を開発し発売しました。端子ねじを使わずに、より線の先端に取り付けた棒状のフェルール端子を差し込むだけで固定できる「プッシュイン方式」を採用しているので、配線用の工具を使わずに誰でも簡単にばらつきなく確実に配線できます。振動や長期使用によって緩むおそれがある固定ねじがないので、信頼性が向上します。配線工数の削減と作業品質の安定化により、装置や制御盤などの生産効率の向上に大きく貢献します。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は
■パワエレシステム インダストリー部門
低圧インバータ分野では、汎用インバータ「FRENIC-MEGA(G2)シリーズ」を開発し発売しました。業界最高クラスとなる電流応答1,000Hzと速度応答200Hz(当社従来比約2倍)の実現により、工作機械などの加工品質や速度の向上に貢献します。内蔵するIGBTモジュールの異常兆候をとらえて警報を出す寿命予測機能と、冷却能力の低下兆候を検知する冷却能力低下警報機能を追加しました。装置の停止を未然に防ぐことが可能です。
制動エネルギーを電源側に回生するPWMコンバータ「FRENIC-RHCシリーズ」を開発し発売しました。様々な通信プロトコルに対応したオプションカードを揃えています。標準装備したトレースバック機能によりアラーム発生時に保持したデータを使って容易に故障解析ができます。また、最大4台まで並列接続することにより2,800kWまで容量を拡大できます。プラント設備や大容量クレーン、サーボプレスなどの省エネルギー化に貢献します。
小容量電源分野では、制御盤用のAC/DC電源を開発しています。AC100V~240Vの入力電圧に対応し、出力電圧24Vで出力電流10A、20A、40Aの3タイプに対してそれぞれ標準モデルとメンテナンスフリーモデルをラインアップしました。ラックマウントや低背構造、コネクタ接続により制御盤内の電源や配線を従来よりも最大50%省スペース化したことで、より多くの制御機器が設置できます。また、電源の信頼性が要求されるシステムに対応できるよう二重化機能を内蔵しています。2台の電源を並列接続するだけで簡単に冗長運転が可能になり、1台の電源が故障しても制御盤の稼働が継続できます。
伸長する半導体製造装置向けに3相入出力の常時商用型UPSを開発しました。出力容量は200V、7.9kVAで、IP22に準拠した筐体により半導体製造装置内で発生する水の飛散に対して追加の対策なしで設置できます。装置寿命は10年で交換が必要な部品はバッテリーだけであるためメンテナンスの手間を低減します。また、ログ機能や停電発生時の入力電源の波形記録機能などに加え、強化した通信機能によりUPSの状態を監視できます。
FAコンポーネント分野では、高速・高精度な制御が求められる包装機や印刷機、半導体製造装置などのモーションコントロールシステム向けに、多軸同期制御を実現するプログラマブルコントローラ「MICREX-SXシリーズ」の新CPUモジュール「SPH5000M」を開発し発売しました。マルチコアアーキテクチャを採用し、演算処理能力を高めることにより、同一制御周期で同期できる軸(サーボモータ)数を当社従来機種に対して倍増させました。お客様の設備の性能向上に貢献します。さらに、お客様の基幹システムやサーバなどと接続するEthernetポートの伝送速度を1Gbpsに高めることで設備のIoT化を支援し、設備の稼働データ分析や、遠隔地からのリモート監視・制御などを実現します。近年の生産設備におけるエッジコンピューティングに対する強いニーズに応えることができる新しいプログラマブル表示器「MONITOUCH X Series」を開発し発売しました。Windowsを搭載することにより、プログラマブル表示器の機能に加えて、情報処理端末で行っていた多くの作業をこのプログラマブル表示器1台で行えます。また、日本国内ならびに欧州、中国、東南アジアなどの生産現場で使用されている通信規格に幅広く対応しています。
FAシステム分野では、組立加工装置向けのデータ収集システム「OnePackEdge」の追加機能を開発しリリースしました。収集したデータを基にして、装置の異常兆候を検知するための検出モデルを自動的に作成する機能によって、装置の運転パターンが変更されても随時異常兆候を検知できるようになりました。生産ラインの安定稼働に貢献します。
高圧インバータやパワーコンディショナ(PCS)分野では、既存製品の部分更新用高圧インバータ「FRENIC4600FM4RF」を開発し発売しました。既存機種「FRENIC4600FM4」のインバータユニットや制御装置などの一部電気部品の部分更新が可能なため、設備の停止期間が短縮できます。
大容量(2,500kVA)太陽光発電用PCS「PVI1500CJ-3/2500」を開発し発売しました。日照の少ない時間帯でも発電量を確保するため、PCSの出力容量を超えた太陽光パネルを設置する過積載が一般的になってきています。PCSの定格出力容量に対して設置する太陽光パネル容量の比として定義される過積載率の限度を従来の150%から200%に増やし、さらに低出力時の変換効率を最大3.5ポイント改善することで、さらなる発電量の向上に貢献します。
ストリング形太陽光発電用PCS(21kVA)「PIS-21/210-J」を開発し発売しました。従来品は出力電圧が500Vであるため、新たに設けた変圧器を介して高圧系統に接続する必要がありましたが、本製品の出力電圧は200Vであるため、構内の200V電源系統に直接接続できます。また、BCP対策として、自立運転機能(3kVA―AC105V出力)を追加しました。
駆動制御システム分野では、鉄鋼プラントをはじめとする素材産業向けに、高い安全性を規定した新JISに準拠し、保護機能や運転時の監視機能を充実させた低圧インバータ「FRENIC4000VM6」を開発し発売しました。本機種と従来機種「FRENIC4000VM5R」のユニットに互換性を持たせたため、従来機種の部分更新が可能です。高速大容量の専用通信「E-SXバス」を新たに搭載したことで、コントローラと接続できるインバータの台数が従来の8倍に増加し、大規模プラントのシステム構築を容易にします。さらに、「XCS3000TypeE」コントローラと組み合わせることで、ループバック制御により通信線の1か所が断線しても運転継続ができるため、設備の信頼性が向上し、安定稼働を実現します。
計測制御システム分野では、産業プラント向け監視制御システムの構成機器であるI/O装置(高信頼I/O)を開発し発売しました。高信頼I/Oは、高密度実装により盤1面あたりのI/Oモジュールの最大搭載数を従来より56%増やしました。これにより、盤の設置面数が3面必要な場合には2面に削減(33%削減)でき、盤の省スペース化に貢献します。また、二重化の対象となるペアのI/Oモジュールを別々のベースボード(ノード)に実装するノード単位二重化を行いました。この構成にすると、I/Oモジュールが故障した場合はノードの電源を切断してI/Oモジュールを交換できるので、システム運用の安全性と保守性が向上します。
鉄道車両分野では、2020年7月に営業運転を開始した東海旅客鉄道株式会社のN700S系新幹線電車向けに、主回路システムとフルアクティブダンパ駆動装置を開発し納入しています。主回路システムは、当社製SiCパワー半導体モジュールを搭載した主変換装置、主電動機と主変圧器からなり、小型・軽量化により“さまざまな編成構成に対応できる標準車両”の実現と省エネに貢献しています。また、フルアクティブダンパ駆動装置は、インバータと小型モータからなり、フルアクティブ制振制御システムに組み込まれて乗り心地の向上に貢献しています。
船舶交通システム分野では、排ガス浄化システム(EGCS)のサービス向上のため衛星通信を利用した「船舶IoTシステム」を開発し発売しました。稼働データ(計測値、状態・アラーム情報)を24時間365日、30分周期で自動収集し、クラウドサーバーに蓄積することで、常時監視・情報共有ができます。また、アラームが発生するとガイダンスを自動配信してEGCSに関する経験・知識が少ない船員によるトラブルシューティングに貢献します。
放射線機器・システム分野では、海外の原子力関連施設における個人線量管理に用いる電子式個人線量計として、従来のγ線測定用のNRF50に中性子線測定機能を加えたNRF51とβ線測定機能を加えたNRF54を開発し発売しました。大型ドットディスプレイにより視認性が向上しました。標準装備の無線モジュールと汎用通信モジュールにより900MHz無線やWi‐Fi、赤外線通信、USB、Bluetoothなどの多くの通信手段が利用できます。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は
■電子デバイス部門
半導体デバイス分野の産業用モジュールでは、低損失で高温動作を保証した最新の第7世代IGBT技術を適用した製品の系列を拡大しています。電鉄向けに大容量IGBTモジュール1,700V/1,000Aの「HPnC」を開発し量産を開始しました。内部構造を最適化することで、高速スイッチングの妨げとなる内部インダクタンスを低減した新たなパッケージを開発し、さらなる低損失化と小型・軽量化を実現しました。これにより、車両機器のエネルギー消費量の低減と小型・軽量化に貢献します。
FA、工作機械、空調機器向けに第7世代「Xシリーズ」素子を搭載した650V/20A~250A、1,200V/10A~150Aの「XシリーズIGBT-IPM」を開発し、量産を開始しました。第7世代チップとパッケージ技術に加え、制御回路の改良により、さらなる低損失化と小型化を実現しました。また、従来の保護機能に加え、インバータをはじめとする電力変換装置がIPMの過熱異常により突然停止する前に、出力を抑制するなどの対応ができるようにアラーム信号を出力する予防保全機能を世界で初めて搭載しました。これらの技術や機能により、電力変換装置の小型化や高効率化、高信頼性化を可能にします。
さらに、Si(シリコン)に代わる半導体材料として注目されているSiC(炭化ケイ素)を使ったSiCモジュール製品の系列化を進めています。電鉄向けに低損失のSiC-SBDと第7世代IGBTチップを組み合わせた3,300V/1,800Aハイブリットモジュールを開発し量産を開始しました。また、医療用電源などの高周波用途向けに高速スイッチング特性を持つSi-IGBTを組み合わせた1,200V/300A、450A高速ハイブリッドモジュールを開発しました。SiCにより、電力変換装置の更なる電力効率の向上や小型化に貢献します。
車載モジュールでは、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)の2020年モデル向けに、第4世代直接水冷技術などを採用し、従来よりも電力密度を高めた直接水冷型パワーモジュールを開発し量産を開始しました。さらに、小型モータ駆動用の小容量IPM、DC/DCコンバータ用モジュールなど小容量モジュールの系列を拡大しました。これらの製品を通じて、EVやHEVシステム全体の小型軽量化や高効率化に貢献します。
ディスクリート製品では、最新の低損失設計となる第7世代IGBT技術をディスクリート用に最適化した1,200Vの低損失ディスクリートIGBT「XSシリーズ」の75A品を開発し系列に加えました。オン電圧とスイッチング損失を同時に低減したことで、小型UPSや太陽光発電用PCS、サーバ、EV充電器など各種機器の損失低減、高効率化に貢献します。
IC製品では、LED照明や液晶テレビなどの電源向けに高周波バースト制御、共振電流位相比制御などの機能を備えたLLC電流共振ICを開発しました。スイッチング周波数に下限を設けた高周波バースト制御の採用により、LLC電源の実際の使用において大半を占める軽負荷領域の変換効率が向上したので電源の省エネが図れます。また、出力電圧のリップルが抑制されるため、負荷の誤動作を防止します。さらに、新たに共振電流位相比制御機能を内蔵したことにより、安定動作のために従来必要であった位相補償用の外付け回路が不要になり、電源部品点数が削減できます。
感光体製品では、A0図面に対応できる大判ワイドフォーマット有機感光体を開発し発売しました。周辺部材との表面摩擦力を低減する潤滑性樹脂の採用や機能材比率の最適化により、長期にわたり安定した印字濃度を実現しました。
ディスク媒体分野では、データセンターなどで活用されているニアライン用ハードディスクドライブ18TB機種向け磁気記録媒体(3.5インチ、ガラス基板、2TB/枚)を開発し量産を開始しました。磁性設計およびHDI(ヘッドディスクインタフェース)に新規技術を採用することで、高記録密度と高信頼性を確保しました。これらによりビット単価低減に貢献します。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は
■食品流通部門
自販機分野では、新型コロナウイルス感染症の拡大により店舗の時短営業が常態化し、営業時間外における商品販売のニーズが高まる中、設置面積を従来比で2割削減し、多様な形状の商品を自在にディスプレイできる汎用物品自販機「マルチ君」を開発し発売しました。気密・断熱性に優れる飲料自販機の筐体を適用し、温度管理が難しい加工食品やチルドなどを販売する自販機としては、業界で初めて屋外に設置できるようにしました。小規模店舗でも設置しやすく、営業時間外でも食品や飲料、衛生用品などを冷蔵または常温で販売できます。
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、マスクなどの衛生用品が手軽に入手できる自動販売機として「マスク自販機」も開発し販売しました。手が触れる部分に抗菌処理を施し衛生面に配慮しています。加えて、非接触で手指を消毒できる大容量自動手指消毒機を開発し発売しました。一回の消毒液の補充で手指の消毒が約2,000回可能です。
東南アジア向けに、キャッシュレス決済サービスに対応し、スマートフォンによるQRコード決済ができる缶・ペットボトル自販機および大型グラスフロント自販機を開発し発売しました。大型グラスフロント自販機は、商品の収容数を15%増やしながら、消費電力量を20%削減しています。
店舗流通分野では、ショーケースの系列を拡大し量産を開始しました。また、冷蔵ユニットを内蔵したドリンクケースを開発し発売しました。いずれも省エネ性を向上させるとともに地球温暖化係数が低いグリーン冷媒を採用し環境負荷を低減します。
通貨機器分野では、小型店舗の省力化をサポートする小型釣銭機を開発しています。現行の釣銭機と比べて約1/5の占有面積で設置できます。参考出品した展示会では、好評を得ました。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は
■発電プラント部門
火力・地熱などの発電プラント分野では、発電設備のメンテナンスサービスにおける診断技術の高度化と多様化、地熱発電向け蒸気タービンにおけるスケール抑制や腐食対策技術、高効率化の技術などを開発しています。
再生可能エネルギー分野では、風力発電の系統連系でも安定した電力供給ができる高効率な出力安定化装置、太陽光パネルの出力が変動しても安定した電力供給ができるコンパクトな蓄電池併用PCSを開発しています。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は
■新技術・基盤技術部門
電力系統の安定化技術では、系統の周波数を維持する機能を開発しています。今後のCO2削減目標を達成するためには太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの導入拡大が必須です。火力発電などで従来から用いられている発電機は、電力の需給バランスが崩れても回転体のもつ慣性の作用により系統周波数の変動を緩和する機能を持っています。しかし、そのような機能がない太陽光発電設備が大量導入されると周波数の維持が困難になります。そこで、太陽光発電用PCSの制御を工夫し、周波数を維持する機能を開発しています。周波数維持機能(疑似慣性制御)を太陽光発電用PCSに実装して正常に動作することを検証しました。
アナリティクス・AIの技術では、製造現場のデジタル化を進めるIoTプラットフォームの拡充に取り組んでいます。独自の構造化Deep Learningなどに注力して、説明できるAIを実現する技術を開発しています。AIに学習させる重要データを膨大なデータから選び出すことで、AIが最適なデータを学習していることを説明する技術や、外観検査用の画像AIにおいて画像の中で注目した箇所を可視化して異常の判断根拠を説明する技術を開発しました。生産現場の画像検査装置で検証を開始しました。また、エッジ機器へ搭載可能なアナリティクス・AIを開発し、実機による性能検証を開始しました。
計算科学技術では、文部科学省の「スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム」に参加しています。SiCデバイスの特性を劣化させる欠陥がデバイスの製造工程でどのように発生するかを解析するために、酸化工程を模擬した大規模な分子動力学計算や富岳を用いた大規模な第一原理計算に取組んでいます。
■その他部門
当連結会計年度における当部門の研究開発費は24百万円です。