第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 当四半期の経営成績の状況

①  2020年2月期第1四半期(2019年3月1日~2019年5月31日)の経営成績

当第1四半期における当社グループの経営環境は、米国のオイル・ガス関連など一部の市場で堅調だったものの、半導体市場全般の投資先送りに加え、米中貿易摩擦の影響拡大などによりグローバルで設備投資に慎重な姿勢がみられるなど、厳しい状況となりました。

このような市場環境において、当社グループの業績は中国・アジアを中心に売上高が前年同期比で減少し、営業利益は好調であった前年同期と比較し減少しました。

 

なお、当期における当社グループの地域別の経営環境は以下のとおりです。

日 本:        自動車関連の需要が底堅く推移したものの、前期の半ばから落ち込んだ半導体関連の設備投資は、依然として弱含んだ状況となりました。

米 国:        堅調な経済成長が持続する中、半導体市場・自動車市場関連の需要が伸び悩んだ一方、オイル・ガス関連などの需要は底堅く推移しました。

欧 州:        自動車向けの需要は堅調も、景気悪化の影響を受け全般的な設備投資は低迷しました。

中 国:        金融緩和などの財政政策により持ち直す動きがみられるものの、米中貿易摩擦の影響により設備投資が伸び悩んだことから、前年同期に高水準だった生産設備の高度化・自動化に関する需要は減少しました。

中国除くアジア:韓国を中心とした半導体市場の調整を大きく受け、需要は低迷しました。

 

この結果、当期の業績は以下のとおりです。

 

2019年2月期

第1四半期累計期間

2020年2月期

第1四半期累計期間

前年同期比

売上高

1,282億16百万円

1,074億43百万円

△16.2%

営業利益

171億90百万円

71億86百万円

△58.2%

経常利益

167億63百万円

69億33百万円

△58.6%

親会社株主に帰属する

四半期純利益

157億18百万円

47億11百万円

△70.0%

米ドル平均レート

107.76円

110.96円

+3.20円

ユーロ平均レート

130.86円

124.73円

△6.13円

中国人民元平均レート

17.05円

16.38円

△0.67円

韓国ウォン平均レート

0.101円

0.096円

△0.005円

 

②  セグメント別の状況

当社グループでは、事業内容を4つのセグメントに分けています。

当期の各セグメントの経営成績は以下のとおりです。

当第1四半期連結会計期間より、当社グループにおける機能の最適化、リソースの有効活用、生産の効率化を目的とした組織変更を行い、セグメント区分の見直しを行っています。従来、「システムエンジニアリング」に含めていましたPMモータ事業を「モーションコントロール」のインバータ事業に含めております。

これにより各セグメントの前年同期比については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた上で算出しています。

 

 

モーションコントロール

売 上 高     479億15百万円   (前年同期比  △22.5 )

営業損益      60億54百万円   (前年同期比  △51.4% )

モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成されています。

インバータ事業の販売が米国・中国などで堅調に推移したものの、ACサーボモータ・コントローラ事業では前期半ばからの需要減速の影響が続き、売上がグローバルで減少したことから、セグメント全体の業績は悪化しました。

〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕

半導体市場全般の投資先送りに加え、米中貿易摩擦の影響拡大などによりグローバルで設備投資に慎重な姿勢がみられました。この結果、前年同期には高水準だった生産設備の高度化・自動化に関する需要が減速したことから、売上高・営業利益はともに減少しました。

〔インバータ事業〕

米国におけるオイル・ガス関連や中国におけるインフラ関連の需要が底堅く推移したことから、売上高・営業利益はともに堅調に推移しました。

ロボット

売 上 高     391億41百万円   (前年同期比  △10.9 )

営業損益      17億88百万円   (前年同期比  △64.3% )

溶接・塗装ロボットなど自動車関連向けの売上が日本・欧州などで底堅く推移した反面、米州などで伸び悩みました。さらに、中国を中心とした一般産業分野での自動化投資は勢いを欠く状況が継続したことから、売上高は前年同期から減少しました。

営業利益は生産量の低下による操業度の悪化などにより、前年同期から減少しました。

システムエンジニアリング

売 上 高     146億39百万円   (前年同期比  +22.6 )

営業損益    △1億66百万円   (前年同期比2億16百万円改善)

システムエンジニアリングセグメントは、環境・社会システム事業と、子会社である安川オートメーション・ドライブ㈱が扱う産業用オートメーションドライブ事業で構成されています。

セグメント全体の売上高は新規連結の影響もあり伸長しました。利益面においては事業再編を通じた経費削減効果などにより採算性が改善しました。

〔環境・社会システム事業〕

環境エネルギー分野においては大型風力発電用電機品の売上が伸び悩んだものの、太陽光発電用パワーコンディショナの販売は堅調に推移しました。また、社会システム分野では国内における上下水道用電機システム関連の売上が底堅く推移しました。

〔産業用オートメーションドライブ事業〕

鉄鋼プラント関連は国内を中心とした更新需要を的確に捉え、堅調に推移しました。

その他

売 上 高      57億47百万円   (前年同期比  △45.6% )

営業損益        △77百万円   (前年同期比6億79百万円悪化)

その他セグメントは、情報関連事業や物流サービス事業などで構成されています。

前年同期で発生したEV関連の量産立ち上げによる一時的な需要がなくなった影響により、前年同期に対し売上高は減少し、営業損益は悪化しました。

 

 

(2) 財政状態の状況

①  資産  4,421億21百万円(前連結会計年度末比 135億41百万円減少)

受取手形及び売掛金、たな卸資産等の減少により、流動資産が前連結会計年度末に比べ179億74百万円減少しました。また、無形固定資産の増加や投資その他の資産の増加により固定資産が前連結会計年度末に比べ44億32百万円増加しました。

 

②  負債  2,089億83百万円(前連結会計年度末比  30億74百万円増加)

流動負債が前連結会計年度末に比べ3億94百万円減少した一方、固定負債が前連結会計年度末に比べ34億68百万円増加しました。

 

③  純資産 2,331億37百万円(前連結会計年度末比 166億16百万円減少)

株主資本が98億75百万円減少しました。これは配当による利益剰余金の減少および自己株式の取得等によるものです。

その他の包括利益累計額が67億52百万円減少しました。これはその他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の減少によるものです。

 

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当社は、2015年4月に発表した長期経営計画「2025年ビジョン」(2016年度〜2025年度)の見直しを行うとともに、その実現に向けた第2ステージにあたる新中期経営計画「Challenge 25」(2019年度~2021年度)を2019年度からスタートさせました。

 

1.長期経営計画「2025年ビジョン」の見直し

前中期経営計画「Dash 25」(2016年度~2018年度)の遂行状況を踏まえ、長期経営計画「2025年ビジョン」(2016年度〜2025年度)の見直しを行いました。この度の見直しでは、当社が目指す姿を再確認するとともに、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し直しました。また、経営目標についても営業利益を最も重要な経営指標として、「質」の向上を加速させることを明確にしました。

 

(1) 目指す姿

●Respect Life: 100年の技術の蓄積を生かし、生活の質向上と持続可能な社会の実現に貢献する

●Empower Innovation: 新しい技術・領域・目標に向かい、人々の心に「わくわく」を届ける

●Deliver Result: 継続的な事業遂行力の向上により、ステークホルダーに確実な成果を届ける

 

(2) 「2025年ビジョン」における事業領域/重点方策

コア事業の進化により、お客さまの経営課題の解決に寄与するとともに、メカトロニクス技術を応用した新規分野の拡大により、社会に新たな付加価値を生み出していきます。

特に、「工場自動化/最適化」と「メカトロニクス応用領域」を事業領域として設定し、さらなる成長を目指します。

 

①  工場自動化/最適化

・i³-Mechatronics※1を軸とした産業自動化革命の実現

メカトロニクス技術とICT技術の融合により、新しい自動化ソリューションを提供します。

※1 i³-Mechatronics: 新たな産業自動化革命の実現に対する安川のソリューションコンセプト

 

・既存コア事業で世界一を追求

産業用ロボットとモーションコントロール分野におけるグローバルシェアNo.1を追求します。

 

②  メカトロニクス応用領域

・新たなメカトロニクス応用領域への挑戦

メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化を見極めていきます。

特に、以下の領域の事業化に注力します。

・Energy Saving 省エネ機器による電力消費量の削減

・Food & Agri 食品生産・農業分野の自動化を促進

・Clean Power 創・蓄・活エネ事業の確立

・Humatronics 医療・福祉市場の開拓加速

 

(3) 「2025年ビジョン」における数値目標

この度のビジョンの見直しでは、これまで設定していた2025年度における「売上高(2015年度比2倍以上)」と「新規事業領域売上高比率(2015年度比2倍以上)」といった売上高目標をなくし、営業利益を最も重要な経営指標に据え、過去最高となる1,000億円の利益創出を目指してまいります。また、資本効率の指標としてROEに加え、新たにROICを採用し有利子負債を含む投下資本の効率性についても目標を設定しました。なお、株主還元については従来通り、配当性向を目標とし、株主のみなさまへの還元の向上に努めてまいります。

0102010_001.png

※2 ROE/Return on Equity (自己資本利益率) = 親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本

※3 ROIC/Return on Invested Capital (投下資本利益率) = 親会社株主に帰属する当期純利益/投下資本

 

2.中期経営計画「Challenge 25」の策定について

新中期経営計画「Challenge 25」は、「2025年ビジョン」実現に向けた第2ステップとして、前中期経営計画で進めてきた施策をさらに加速させて、新しいビジネスモデルにチャレンジし、新たな価値・市場の創造に挑戦してまいります。

 

(1) 「Challenge 25」における数値目標

「Challenge 25」では、「2025年ビジョン」の見直しを受けて、特に営業利益の向上を最重要な経営上の目標に置くとともに、株主還元の向上をはじめすべてのステークホルダーの皆さまへバランスの良い利益還元の配分に努めてまいります。

0102010_002.png

[参考]2018年度実績為替レート 1米ドル=110円、1ユーロ=129円

2021年度前提為替レート 1米ドル=110円、1ユーロ=125円

 

(2) 基本方針/重点方策

①  i³-Mechatronicsによるビジネスモデル変革

・i³-Mechatronicsを実現する販売体制の構築

“モノ売り+コト売り”への変革に対応した販売スキームの進化

 

・i³-Mechatronicsを実現する技術/製品開発の強化

“安川テクノロジーセンタ(仮称)”による技術開発機能の強化

 

・i³-Mechatronicsを実践する生産機能の強化

次世代工場“安川ソリューションファクトリ”におけるコンセプトの実践

 

②  拡大する“ロボティクス”ビジネスでの収益最大化

・「3C※4」を中心とした中国・アジア市場の攻略

 

・「自動車」完成車/部品メーカーとの取り組み加速

 

・「半導体」製造装置市場での取り組み強化

※4 3C:コンシューマー向け、デジタルコミュニケーション機器の略

(Computer、Communication、Consumer Electronicsの3語の頭文字から)

 

③  “選択と集中”によるリソース強化で新領域拡大

・Energy Saving:省エネ機器の高機能化と高効率モータの組み合わせによる高付加価値提案を通じた省エネの応用領域を拡大

 

・Food & Agri  :食品生産工程向け自動化ソリューションの取り組みを強化

 

・Clean Power  :競争力のある領域・特定の地域に注力することで収益力を強化

 

・Humatronics  :Humatronics機器の実証拡大によるビジネスモデルを構築

 

④  デジタル経営を通じた経営効率の向上

デジタル経営により「シンプルで一つの経営基盤」確立するとともに、TQM※5の運用により「業務品質と現場力の向上」を実現し、経営のさらなる効率化を目指します。

※5 TQM:Total Quality Management、組織全体として統一した品質管理目標を経営戦略へ適用したもの

 

⑤  社会の持続的成長と企業価値の向上に向けた取り組み

さまざまな社会課題に対して、事業活動を通じた課題解決をさらに加速させるとともに、社会の持続的成長を実現させるESGの取り組みを通じ経営基盤の強化を図ります。

 

なお、「2025年ビジョン」および「Challenge 25」の詳細は、以下のURLからご覧いただくことができます。

2025年ビジョン:https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/Vision2025_Revision.pdf

Challenge 25 : https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/Challenge25.pdf

 

(4) 事業上および財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、“世界初”“世界一”にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っています。前中期経営計画「Dash 25」の遂行状況を踏まえて、2015年4月20日に開示した長期経営計画「2025年ビジョン」の見直しを行い、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定しました。

「工場自動化・最適化」では、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「 i³-Mechatronics(*1)」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションを提供します。2018年12月より本格稼働開始した安川ソリューションファクトリ(埼玉県入間市)において、データの収集・視える化、そして、蓄積・解析を一括して行うことができるソフトウェアツール「YASKAWA Cockpit(*2)」の検証を進めるとともに、IoTを軸とする新製品・新技術開発、AI技術を製品に反映させるためのオープンイノベーションもさらに強化して進めてまいります。

「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化を見極めていきます。特に、Energy Saving領域(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri領域(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power領域(風力/太陽光発電・電気自動車)、Humatronics領域(リハビリ機器・バイオメディカル用ロボット)の事業化に注力します。

さらに、お客さまの要求に対してスピーディに対応できる体制の構築を目的とした、基礎研究から量産試作までの一貫した研究開発拠点「安川テクノロジーセンタ(仮称)」の新設(2020年予定)に向けて準備を図ってまいります。

以上の取り組みにより当第1四半期連結累計期間の研究開発費は46億59百万円となりました。

 

 

2019年2月期

第1四半期連結累計期間

2020年2月期

第1四半期連結累計期間

研究開発費

46億79百万円

46億59百万円

売上高研究開発費比率

3.6%

4.3%

 

(*1) 「i³-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」:安川電機が2014年6月に商標登録

(*2) YASKAWA Cockpit(安川コックピット): 「i³-Mechatronics」コンセプトを実現するソフトウェアソリューション

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。