文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 当四半期の経営成績の状況
① 2020年2月期第2四半期(2019年3月1日~2019年8月31日)の経営成績
当第2四半期の当社グループの経営環境は、期初には中国の経済政策により持ち直す動きがみられたものの、米中貿易摩擦の長期化による影響拡大や半導体関連の投資先送りなどにより、グローバルで設備投資に慎重な姿勢が強まったことから、総じて厳しい状況となりました。
このような環境において、当社グループの業績は中国・アジアのモーションコントロール事業を中心に、好調であった前年同期と比較して売上高・営業利益ともに減少しました。
なお、当期における当社グループの地域別の経営環境は以下のとおりです。
日 本: 社会インフラ関連の需要が底堅く推移したものの、半導体関連の設備投資は低迷しました。
米 国: 半導体・自動車などの市場は低調に推移したものの、底堅い経済成長を背景にオイル・ガス関連などの需要は堅調に推移しました。
欧 州: 製造業全般の景気悪化の影響を受け、自動車関連を中心に設備投資を控える動きがみられました。
中 国: 環境規制対応のための設備投資や社会インフラ関連の投資が行われたほか、期初には金融緩和などの財政政策によって持ち直す動きがみられました。しかしながら、米中貿易摩擦の長期化に伴う影響拡大により、前年同期に高水準だった生産設備の高度化・自動化に関する需要は大きく減少しました。
中国除くアジア:韓国を中心に半導体関連の設備投資減少の影響を大きく受け、需要は低迷しました。
この結果、当期の業績は以下のとおりです。
|
|
2019年2月期 第2四半期累計期間 |
2020年2月期 第2四半期累計期間 |
前年同期比 |
|
売上高 |
2,482億44百万円 |
2,117億80百万円 |
△14.7% |
|
営業利益 |
305億10百万円 |
124億57百万円 |
△59.2% |
|
経常利益 |
305億90百万円 |
127億78百万円 |
△58.2% |
|
親会社株主に帰属する 四半期純利益 |
260億63百万円 |
87億93百万円 |
△66.3% |
|
米ドル平均レート |
109.34円 |
109.22円 |
△0.12円 |
|
ユーロ平均レート |
129.87円 |
122.59円 |
△7.28円 |
|
中国人民元平均レート |
16.81円 |
15.91円 |
△0.90円 |
|
韓国ウォン平均レート |
0.100円 |
0.093円 |
△0.007円 |
② セグメント別の状況
当社グループでは、事業内容を4つのセグメントに分けています。
当期の各セグメントの経営成績は以下のとおりです。
なお、2020年2月期第1四半期連結会計期間より、当社グループにおける機能の最適化、リソースの有効活用などを目的とした組織変更を行い、セグメント区分の見直しを行っています。従来、「システムエンジニアリング」に含めていましたPMモータ事業を「モーションコントロール」のインバータ事業に含めております。
これにより各セグメントの前年同期比については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた上で算出しています。
|
モーションコントロール |
売 上 高 923億61百万円 (前年同期比 △21.6% ) |
|
営業損益 108億96百万円 (前年同期比 △51.3% ) |
|
|
モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成されています。 インバータ事業の販売が米国・中国などで底堅く推移したものの、ACサーボモータ・コントローラ事業においては需要低迷の影響を大きく受け売上がグローバルで減少したことから、セグメント全体の業績は悪化しました。 〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 スマートフォン関連需要の低迷や半導体関連の投資先送りに加え、米中貿易摩擦の長期化に伴う影響拡大により、前年同期には高水準だった生産設備の高度化・自動化に関する需要が減速したことから売上高は減少し、営業利益は操業度の悪化などにより減少しました。 〔インバータ事業〕 中国での環境規制対応のための設備投資や社会インフラ関連の投資が継続したことに加え、米国におけるオイル・ガス関連需要が堅調に推移したことなどから、売上高・営業利益はともに底堅く推移しました。 |
|
|
ロボット |
売 上 高 806億29百万円 (前年同期比 △8.6% ) |
|
営業損益 33億53百万円 (前年同期比 △63.7% ) |
|
|
溶接・塗装ロボットなど自動車関連向けの売上は日本で底堅く推移した一方、米国などで伸び悩むなど、地域ごとに強弱混在の状況となりました。特に中国においては米中貿易摩擦の影響を大きく受け、自動化投資は勢いを欠く状況が継続したことから、セグメント全体の売上高は前年同期から減少しました。 営業利益は、売上減少や在庫調整などにより操業度が悪化し、前年同期から減少しました。 |
|
|
システムエンジニアリング |
売 上 高 273億71百万円 (前年同期比 +16.6% ) |
|
営業損益 △7億25百万円 (前年同期比 38百万円悪化) |
|
|
システムエンジニアリングセグメントは、環境・社会システム事業と、子会社である安川オートメーション・ドライブ株式会社が扱う産業用オートメーションドライブ事業で構成されています。 セグメント全体の売上高は新規連結の影響もあり伸長した一方、利益面においては鉄鋼プラント関連の売上減少などにより僅かに悪化しました。 〔環境・社会システム事業〕 環境エネルギー分野においては太陽光発電用パワーコンディショナの売上が伸び悩んだ一方、社会システム分野では国内における上下水道用電気システム関連の売上が底堅く推移しました。 〔産業用オートメーションドライブ事業〕 鉄鋼プラント関連では案件の後倒しにより売上が減少したものの、港湾クレーン向けが堅調だったことから、事業全体では総じて底堅く推移しました。 |
|
|
その他 |
売 上 高 114億18百万円 (前年同期比 △39.1% ) |
|
営業損益 △1億87百万円 (前年同期比7億60百万円悪化) |
|
|
その他セグメントは、物流サービス事業などで構成されています。 組織変更に伴うセグメント区分の組み替え影響などにより、前年同期に対し売上高は減少し、営業損益は悪化しました。 |
|
(2) 財政状態の状況
① 資産 4,310億2百万円(前連結会計年度末比 246億60百万円減少)
受取手形及び売掛金、たな卸資産等の減少により、流動資産が前連結会計年度末に比べ247億98百万円減少しました。また、会計基準変更による使用権資産の計上に伴い無形固定資産が増加しました。これにより固定資産が前連結会計年度末に比べ1億38百万円増加しました。
② 負債 1,996億75百万円(前連結会計年度末比 62億34百万円減少)
取引先との関係強化を目的とした支払サイト(期間)の短縮に伴う支払手形及び買掛金の減少等により流動負債が前連結会計年度末に比べ227億73百万円減少しました。一方、長期借入金の増加や会計基準変更によるリース債務の計上により固定負債が前連結会計年度末に比べ165億39百万円増加しました。
③ 純資産 2,313億27百万円(前連結会計年度末比 184億25百万円減少)
株主資本が57億37百万円減少しました。これは利益剰余金の増加および自己株式の取得等によるものです。
その他の包括利益累計額が123億35百万円減少しました。これはその他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の減少によるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は365億50百万円(前連結会計年度末比で27億39百万円減)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
売上債権やたな卸資産の減少以上に、取引先との関係強化を目的とした支払サイト(期間)の短縮により仕入債務が一時的に大きく減少しました。更に営業利益の減少等もあり、68億90百万円の収入(前年同期比153億63百万円収入減)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
有形及び無形固定資産の取得による支出等により、104億95百万円の支出(前年同期比17億9百万円支出増)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
自己株式の取得や配当金の支払い等の支出があった一方、短期・長期借入金の増加により、17億33百万円の収入(前年同期比57億72百万円収入増)となりました。
※営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは36億4百万円の支出となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等
当社は、2015年4月に発表した長期経営計画「2025年ビジョン」(2016年度〜2025年度)の見直しを行うとともに、その実現に向けた第2ステージにあたる新中期経営計画「Challenge 25」(2019年度~2021年度)を2019年度からスタートさせました。
1.長期経営計画「2025年ビジョン」の見直し
前中期経営計画「Dash 25」(2016年度~2018年度)の遂行状況を踏まえ、長期経営計画「2025年ビジョン」(2016年度〜2025年度)の見直しを行いました。この度の見直しでは、当社が目指す姿を再確認するとともに、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し直しました。また、経営目標についても営業利益を最も重要な経営指標として、「質」の向上を加速させることを明確にしました。
(1) 目指す姿
●Respect Life: 100年の技術の蓄積を生かし、生活の質向上と持続可能な社会の実現に貢献する
●Empower Innovation: 新しい技術・領域・目標に向かい、人々の心に「わくわく」を届ける
●Deliver Result: 継続的な事業遂行力の向上により、ステークホルダーに確実な成果を届ける
(2) 「2025年ビジョン」における事業領域/重点方策
コア事業の進化により、お客さまの経営課題の解決に寄与するとともに、メカトロニクス技術を応用した新規分野の拡大により、社会に新たな付加価値を生み出していきます。
特に、「工場自動化/最適化」と「メカトロニクス応用領域」を事業領域として設定し、さらなる成長を目指します。
① 工場自動化/最適化
・i³-Mechatronics※1を軸とした産業自動化革命の実現
メカトロニクス技術とICT技術の融合により、新しい自動化ソリューションを提供します。
※1 i³-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス): 新たな産業自動化革命の実現に対する安川のソリューションコンセプト
・既存コア事業で世界一を追求
産業用ロボットとモーションコントロール分野におけるグローバルシェアNo.1を追求します。
② メカトロニクス応用領域
・新たなメカトロニクス応用領域への挑戦
メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化を見極めていきます。
特に、以下の領域の事業化に注力します。
・Energy Saving 省エネ機器による電力消費量の削減
・Food & Agri 食品生産・農業分野の自動化を促進
・Clean Power 創・蓄・活エネ事業の確立
・Humatronics 医療・福祉市場の開拓加速
(3) 「2025年ビジョン」における数値目標
この度のビジョンの見直しでは、これまで設定していた2025年度における「売上高(2015年度比2倍以上)」と「新規事業領域売上高比率(2015年度比2倍以上)」といった売上高目標をなくし、営業利益を最も重要な経営指標に据え、過去最高となる1,000億円の利益創出を目指してまいります。また、資本効率の指標としてROEに加え、新たにROICを採用し有利子負債を含む投下資本の効率性についても目標を設定しました。なお、株主還元については従来通り、配当性向を目標とし、株主のみなさまへの還元の向上に努めてまいります。
※2 ROE/Return on Equity (自己資本利益率) = 親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
※3 ROIC/Return on Invested Capital (投下資本利益率) = 親会社株主に帰属する当期純利益/投下資本
2.中期経営計画「Challenge 25」の策定について
新中期経営計画「Challenge 25」は、「2025年ビジョン」実現に向けた第2ステップとして、前中期経営計画で進めてきた施策をさらに加速させて、新しいビジネスモデルにチャレンジし、新たな価値・市場の創造に挑戦してまいります。
(1) 「Challenge 25」における数値目標
「Challenge 25」では、「2025年ビジョン」の見直しを受けて、特に営業利益の向上を最重要な経営上の目標に置くとともに、株主還元の向上をはじめすべてのステークホルダーの皆さまへバランスの良い利益還元の配分に努めてまいります。
[参考]2018年度実績為替レート 1米ドル=110円、1ユーロ=129円
2021年度前提為替レート 1米ドル=110円、1ユーロ=125円
(2) 基本方針/重点方策
① i³-Mechatronicsによるビジネスモデル変革
・i³-Mechatronicsを実現する販売体制の構築
“モノ売り+コト売り”への変革に対応した販売スキームの進化
・i³-Mechatronicsを実現する技術/製品開発の強化
“安川テクノロジーセンタ(仮称)”による技術開発機能の強化
・i³-Mechatronicsを実践する生産機能の強化
次世代工場“安川ソリューションファクトリ”におけるコンセプトの実践
② 拡大する“ロボティクス”ビジネスでの収益最大化
・「3C※4」を中心とした中国・アジア市場の攻略
・「自動車」完成車/部品メーカーとの取り組み加速
・「半導体」製造装置市場での取り組み強化
※4 3C:コンシューマー向け、デジタルコミュニケーション機器の略
(Computer、Communication、Consumer Electronicsの3語の頭文字から)
③ “選択と集中”によるリソース強化で新領域拡大
・Energy Saving:省エネ機器の高機能化と高効率モータの組み合わせによる高付加価値提案を通じた省エネの応用領域を拡大
・Food & Agri :食品生産工程向け自動化ソリューションの取り組みを強化
・Clean Power :競争力のある領域・特定の地域に注力することで収益力を強化
・Humatronics :Humatronics機器の実証拡大によるビジネスモデルを構築
④ デジタル経営を通じた経営効率の向上
デジタル経営により「シンプルで一つの経営基盤」を確立するとともに、TQM※5の運用により「業務品質と現場力の向上」を実現し、経営のさらなる効率化を目指します。
※5 TQM:Total Quality Management、組織全体として統一した品質管理目標を経営戦略へ適用したもの
⑤ 社会の持続的成長と企業価値の向上に向けた取り組み
さまざまな社会課題に対して、事業活動を通じた課題解決をさらに加速させるとともに、社会の持続的成長を実現させるESGの取り組みを通じ経営基盤の強化を図ります。
なお、「2025年ビジョン」および「Challenge 25」の詳細は、以下のURLからご覧いただくことができます。
2025年ビジョン:https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/Vision2025_Revision.pdf
Challenge 25 : https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/Challenge25.pdf
(5) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、“世界初”“世界一”にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っています。前中期経営計画「Dash 25」の遂行状況を踏まえて、2015年4月20日に開示した長期経営計画「2025年ビジョン」の見直しを行い、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定しました。
「工場自動化・最適化」では、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「 i³-Mechatronics(*1)」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションを提供します。2018年12月より本格稼働開始した安川ソリューションファクトリ(埼玉県入間市)において、データの収集・視える化、そして、蓄積・解析を一括して行うことができるソフトウェアツール「YASKAWA Cockpit(*2)」の検証を進めるとともに、IoTを軸とする新製品・新技術開発、AI技術を製品に反映させるためのオープンイノベーションもさらに強化して進めてまいります。
「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化を見極めていきます。特に、Energy Saving領域(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri領域(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power領域(風力/太陽光発電・電気自動車)、Humatronics領域(リハビリ機器・バイオメディカル用ロボット)の事業化に注力します。
さらに、お客さまの要求に対してスピーディに対応できる体制の構築を目的とした、基礎研究から量産試作までの一貫した研究開発拠点「安川テクノロジーセンタ(仮称)」の新設(2020年予定)に向けて準備を図ってまいります。
以上の取り組みにより当第2四半期連結累計期間の研究開発費は96億82百万円となりました。
|
|
2019年2月期 第2四半期連結累計期間 |
2020年2月期 第2四半期連結累計期間 |
|
研究開発費 |
99億81百万円 |
96億82百万円 |
|
売上高研究開発費比率 |
4.0% |
4.6% |
(*1) 「i³-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」:安川電機が2014年6月に商標登録
(*2) YASKAWA Cockpit(安川コックピット): 「i³-Mechatronics」コンセプトを実現するソフトウェアソリューション