第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業以来、「事業の遂行を通じて広く社会の発展、人類の福祉に貢献すること」を使命とし、この使命達成のため、「品質重視の考えに立ち、常に世界に誇る技術を開発、向上させる」、「経営効率の向上に努め、企業の存続と発展に必要な利益を確保する」、「市場志向の精神に従い、市場ニーズにこたえ、需要家への奉仕に徹する」の3項目を掲げ、その実現に努力することを経営理念といたしております。このような経営理念のもと、顧客ニーズを高い次元で実現できる製品・サービスの提供や、従業員にとって働きがいのある会社づくりに取り組んでいます。これらにより、継続的な利益の創出を実現し、ステークホルダーのみなさまへの一層の還元を図ることで、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2016年度にスタートした長期経営計画「2025年ビジョン」(※1)の見直しを2019年6月に行いました。この度の見直しでは、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し直し、経営目標についても営業利益を最も重要な経営指標と定め、「質」の向上を加速させることを明確にしております。

2019年度には、この「2025年ビジョン」実現に向けた第2ステップとして、新中期経営計画(2019~2021年度)「Challenge 25」(※1)を始動いたしました。前中期経営計画で進めてきた施策をさらに加速させ、新しいソリューションコンセプトである「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」(※2)にチャレンジし、新たな価値・市場の創造に挑戦しております。

 

※1 「2025年ビジョン」および「Challenge 25」の詳細は、以下のURLからご覧いただくことができます。

2025年ビジョン:https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/Vision2025_Revision.pdf

Challenge 25   : https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/Challenge25.pdf

※2 i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス):機械工学を表すメカニズムと、電気工学を表すエレクトロニクスを融合させた「Mechatronics(メカトロニクス)」に、3つの“i”(integrated:統合的、intelligent:知能的、innovative:革新的)を重ね合わせ、お客さまの工場の生産現場から、経営課題の解決に貢献するソリューションコンセプト。2017年10月に発表。

 

■中期経営計画「Challenge 25」の基本方針/重点方策

① i3-Mechatronicsによるビジネスモデル変革

i3-Mechatronicsを実現する販売体制の構築

“モノ売り+コト売り”への変革に対応した販売スキームの進化

i3-Mechatronicsを実現する技術/製品開発の強化

“安川テクノロジーセンタ”による技術開発機能の強化

i3-Mechatronicsを実践する生産機能の強化

次世代工場“安川ソリューションファクトリ”におけるコンセプトの実践

 

② 拡大する“ロボティクス”ビジネスでの収益最大化

「3C(※3)」を中心とした中国・アジア市場の攻略

「自動車」完成車/部品メーカーとの取り組み加速

「半導体」製造装置市場での取り組み強化

※3 3C:コンシューマー向け、デジタルコミュニケーション機器の略

(Computer、Communication、Consumer Electronicsの3語の頭文字から)

 

③ “選択と集中”によるリソース強化で新領域拡大

▶ Energy Saving  省エネ機器の高機能化と高効率モータの組み合わせによる高付加価値提案を通じて省エネの応用領域を拡大

▶ Food & Agri   食品生産工程向け自動化ソリューションの取り組みを強化

▶ Clean Power   競争力のある領域・特定の地域に注力することで収益力を強化

▶ Humatronics   Humatronics機器の実証拡大によるビジネスモデルを構築

 

④ デジタル経営と品質経営を通じた経営効率の向上

 デジタル経営により「シンプルで一つの経営基盤」を確立するとともに、TQM(※4)の運用により「業務品質と現場力の向上」を実現し、経営のさらなる効率化を目指します。

※4 TQM:Total Quality Management、組織全体として統一した品質管理目標を経営戦略へ適用したもの

 

⑤ 社会の持続的成長と企業価値の向上に向けた取り組み

 事業活動を通じ、さまざまな社会的課題の解決を加速させるとともに、社会の持続的成長を実現させるESGの取り組みを通じ経営基盤の強化を図ります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、「2025年ビジョン」において、営業利益を最も重要な経営指標に据え、過去最高となる1,000億円の営業利益の創出を目指しています。このビジョン実現に向けた第2ステップとして、中期経営計画「Challenge 25」においては、更なる高収益体質の実現と資本効率の向上を目指し、2021年度をターゲットする中期戦略目標を設定しております。

 

■「Challenge 25」における主な経営目標

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[参考] 前提為替レート 1米ドル=110円、1ユーロ=125円

※5 2018年度実績の数値については、IFRSに基づき遡及変更しています。そのため、これまで開示した他資料と差異がある場合があります。

※6 ROE/Return on Equity (親会社所有者帰属持分当期利益率) = 親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分

※7 ROIC/Return on Invested Capital (投下資本利益率) = 親会社の所有者に帰属する当期利益/投下資本

 

(4) 経営環境および対処すべき課題

年初に発生した新型コロナウイルスの感染拡大によるグローバルでの生産・物流の停滞などもあり、2020年度の当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が見込まれています。

一方、労働力不足の深刻化に伴う省人化のための生産自動化や、スマートフォンを中心とした半導体関連投資の再開など需要回復の兆しも見られています。そのため、新型コロナウイルス問題の沈静化後は、市場は緩やかに回復に向かうことを見込んでいます。

このような状況下、当社グループは長期経営計画「2025年ビジョン」で掲げる「産業自動化革命の実現」に向け、中期経営計画「Challenge 25」では、新たなソリューション「i3-Mechatronics」の推進により、お客さまの経営課題の解決に貢献することを目標とした積極的な取り組みを進めていきます。

 

① 「i3-Mechatronics」とビジネスモデルの確立

 2020年度においては、「i3-Mechatronics」のソリューション提供力の強化を図るため、開発・生産・販売面での取り組みを推進していきます。

 開発では、開発力強化に向けて建設中である「安川テクノロジーセンタ」の2021年での稼動を見据え、新たな体制構築のための組織再編と機能強化を加速させます。製品開発および生産技術の機能を事業横断的に集約させ、基礎研究から量産試作の実証、そして品質管理までの一貫した開発体制の構築を目指していきます。

 また、「i3-Mechatronics」の実行力強化に向けては、当社コンポーネントとロボットの一括コントロールを可能とする「YRMコントローラ(仮称)」の開発を加速させます。具体的なソリューションの提供を拡大させ、システム実証を通じたアプリケーション技術の開発とノウハウの蓄積を図っていきます。

 生産について、2018年12月に本格稼動させた、ACサーボドライブ「Σ-7シリーズ」を生産する次世代生産工場「安川ソリューションファクトリ(埼玉県入間市)」の生産方式をグローバルで展開していきます。これにより、生産現場のデータ活用を通じた生産自動化を進めると同時に、急な需要変動に対応できるフレキシブルな生産のシステム構築を図り、生産効率化を進めることで、事業体質を強化していきます。

 販売では、トップセールスによる販売活動強化を通じ、お客さまの経営課題の把握を深化させるとともに、ワンフェースによる事業部横断的な営業の浸透・定着を図ることで、最適なソリューションの提供を強化させていきます。また、サービス部門と営業部門を一体化させることにより、お客さまの要望に迅速かつ的確に応えられる体制を整備していきます。

 

② 拡大する“ロボティクスビジネス”での収益最大化

 高い成長が見込まれる3C分野においては、トップ企業との関係・協業強化を図ることで受注拡大につなげていきます。自動車分野ではグローバルに展開する完成車・部品供給メーカーとの協業強化に向けて、ロボットを中心に製品ラインアップの拡充と機能強化を行っていきます。半導体分野では、市場の立ち上がりに対応してグローバルにおける製造装置メーカーとのリレーション強化を図っていきます。

 

③ “選択と集中”によるリソース強化で新領域拡大

 事業の持続的成長を実現するため、新規事業についてはリソースの選択と集中を進めています。Energy Saving事業では、新製品投入と新たな機能開発により拡販を進めていきます。Food & Agri事業では、中食分野におけるロボット導入による自動化を着実に進めるとともに、野菜自動生産システムについては実証フェーズを完了させ、本格的な事業拡大を進めていきます。Clean Power事業では、グローバルでの事業体制の最適化を図るべく、事務所等の再編を進めるなど徹底したコストダウンにより黒字転換を図っていきます。Humatronics機器事業では、バイオメディカルロボットによるゲノム解析分野での事業化に向けた取組みを強化していきます。

 

④ デジタル経営の基盤構築

 企業活動におけるグローバルデータの一元化と業務プロセスの標準化を加速させます。具体的には、経理をはじめ販売・生産・購買・開発・品質・人事などの社内におけるグローバルデータの一元管理に向けて、基幹システムの統合と、各システムで使われるコード統一を進めていきます。これにより、グループガバナンス強化ならびに業務品質の向上に加え、徹底した業務効率化を通じた企業体質の強化を図ります。

 

なお、各セグメントにおける具体策については、それぞれ以下のとおりです。

 

〔モーションコントロール〕

ACサーボモータ・コントローラ事業においては、2018年12月に稼動を開始した「安川ソリューションファクトリ」における生産効率の追求に加え、この生産方式をグローバルの生産工場に展開することで、さらなる体質強化を図ります。また、「i3-Mechatronics」を具現化する次期主力製品の開発加速・投入により、お客さまへのソリューション提案力を強化し、収益の拡大を図ります。

インバータ事業においては、新インバータシリーズの販売を拡大するとともに、さらなる原価低減を進め収益性の改善を図ります。また、お客さまの機械を画期的に進化させる差別化機能を拡充し、着実なシェアの向上を進めていきます。

 

〔ロボット〕

主力製品を展開する自動車産業においては、グローバルに展開する完成車・部品供給メーカーへの拡販を進めます。また、成長が期待される3Cを中心とした一般産業においては、トップセールスによる販売活動を活性化し、お客さまとの協業・連携をこれまで以上に推進させることで事業拡大を図っていきます。

また、2019年1月に稼動を開始した欧州スロベニア工場における現地生産を拡大し、最大限活用することで、グローバルで最適かつ需要変動に強い生産体制の構築と、さらなる自動化推進による収益性の改善を進めていきます。

さらに、「i3-Mechatronics」を軸とした自立分散型の生産システム実現に向けた製品開発およびデジタルデータマネージメントの強化を推進し、自動化領域を拡大していきます。

 

〔システムエンジニアリング〕

環境・エネルギー分野においては、欧州を中心とした大型風力発電市場において、主要なお客さまとの協業強化を図り、洋上風力発電案件の安定した受注拡大を目指します。また、米州を中心とした太陽光発電市場ではパワーコンディショナーの新製品による売上拡大を図ります。加えて、事務所再編を中心に経費削減をさらに進め、採算性改善を加速させます。

鉄鋼プラントシステム・社会システム分野では、グループ内で実施した事業再編により経営の効率化を進めます。また、国内の公共事業関連のビジネスにおいて、AI・IoT技術による新たな取り組みを加速させると同時に、民間ビジネスなどの獲得を通じた高収益体質化を目指します。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、発生の回避および発生したときの対応に万全を尽くす所存です。

 

(1) 経済動向

当社グループ製品の売上高は、当社グループ製品の販売先である日本国内および米州、欧州、アジア(特に中国)の経済状況ならびに主たる需要先である自動車、半導体等の各業界の設備投資および生産動向の影響を大きく受けます。これらの業界動向は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動

当社グループは、米ドルやユーロの現地通貨建ての製品輸出を行っており、為替相場の変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。想定以上の円高は、製品の競争力を弱め、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 金利の変動

当社グループは、借入金等の有利子負債の適正化を図っておりますが、今後の市場金利の動向によっては、なお当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 競争の激化

当社グループの事業分野においては、それぞれの分野で強力な競合相手が存在しています。特に価格面での競争の激化に直面し、当社グループ製品のシェアの高い分野でも、将来とも優位に競争できるという保証はありません。価格面での激しい競争は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 市場環境の変動

当社グループの主要製品であるACサーボモータおよび制御装置ならびにアーク溶接ロボット、スポット溶接ロボット、塗装ロボット等および半導体・液晶製造装置用クリーン・真空搬送ロボットは、半導体、自動車、液晶、電子部品の各関連業界の動向に大きな影響を受けます。これらの業界からの需要が減少すれば、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料の調達

当社グループは、鋼材等の原材料や各種部品を多数の取引先から調達していますが、調達価格の高騰や業界の需要増によっては継続的に必要量を入手できない場合があります。この結果、当社グループの生産に影響を与え、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 品質問題の発生

当社グループは、国内および海外の品質基準によって国内および海外生産拠点で製品の製造を行い、すべての製品につき欠陥が発生しないように万全の品質管理体制を整えております。しかしながら、すべての製品において、まったく品質に欠陥がなく、製造物賠償責任が発生しないという保証はありません。

生産物賠償責任保険に加入していますが、すべてをこの保険でカバーできずに当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報セキュリティ

当社グループは、事業活動において入手した顧客・取引先等の関係者、並びに従業員の個人情報を保有しております。これらの機密情報の安全保持・適正な取り扱いについては、最重要課題として情報管理規定と情報セキュリティ管理体制および技術的対策を構築し、あらゆるデータ侵害やインシデントを想定したセキュリティ強化に努めています。しかしながら、想定を超えた不測の事態により情報侵害が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 自然災害・社会的混乱

当社グループは国内および海外に事業展開しています。大地震や津波、台風、大雨による洪水や河川氾濫などの自然災害、テロ、戦争、新型ウイルス等の感染症が発生した場合には、生産活動をはじめとする企業活動全般や人的資源に重大な影響、損害を与え、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

特に年初に発生した新型コロナウイルスは、未だ終息の兆しが見えない状況にあります。新型コロナウイルスの影響が継続・拡大した場合は、当社やお客さまの工場稼動の悪化要因になる等、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)環境規制・問題

当社グループは、環境理念として、「経営理念に基づき、地球環境保全が人類共通の最重点課題の一つであるとの認識に立ち、企業活動のあらゆる面で環境に配慮して積極的に行動することにより、持続可能な社会の実現に貢献する」ことを明示しています。生産活動(グリーンプロセス)における環境負荷は従来以上に低減するとともに、当社技術力をもって製品の環境性能を高め、製品(グリーンプロダクツ)により世の中の環境負荷を低減することで更なる貢献を果たすことに努めております。将来、異常気象に伴う損害や環境法令・規制の強化に伴う費用の増加が、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)法制・各国規制

当社グループは、グローバルで事業活動を展開しており、各地域における各種法規の適用を受けています。遵守するための社内ルールの整備や教育に努めていますが、これらの法規等が従来よりも厳格になることにより、事業活動が制限を受けたり、罰則や法規制等に適合するための費用増加が当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、当社グループの従業員に対しては、行動規範やコンプライアンス教育を通じ、高い基準の論理規範の遵守を求めています。しかしながら、個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスクを完全に回避することはできないため、重大な法令違反等を起こした場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)訴訟・法的手続き

当社グループは、グローバルで事業展開をしており、事業活動を進めていく中で様々な訴訟等を受ける可能性があります。また、当社グループで保有し、またはライセンスを取得した知的財産権を利用しており、今後これらのライセンスを維持できる保証はありません。当社製品に係るその他の知的財産権につき第三者から権利侵害にあたるとして訴訟提起される場合があります。訴訟が提起された場合には、結果によっては、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)企業買収および他社との業務提携等に係るリスク

当社グループは、グローバルにおける競争力強化のため、企業買収および資本参加を含む投資、他社との業務提携等を積極的に進め、製品の開発、生産、販売・サービス体制の整備・拡充を中心に事業の拡大を図っています。しかしながら、その期待する効果が得られない場合、または、提携・協力関係が解消された場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)人材確保

当社グループは、従業員一人ひとりが自立して成長し、その結果として会社が成長することを表す人事理念をもとに人材の採用、育成を行っています。製造、販売、技術開発、その他の専門分野の人材は、人事理念のもとに時代のニーズを先取りして新しいことに絶えずチャレンジし、プロフェッショナルな意識を持ち、失敗を恐れず皆と協力しながら新しいことにチャレンジし続けてきました。しかし、そのような人材が、人材の獲得競争、人材の流動化による退職等により、十分な人材の採用、育成ができなかった場合、世の中の変化に対応できないことで競争力の低下に繋がり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)海外事業

当社グループは、持続的な事業の拡大を実現するため、グローバルで積極的な事業展開を図っています。このため、宗教・文化等の相違、各国の経済・市場動向の不確実性リスクに加え、政治的変動また予期できない法規の改正などにより、政治的、経済的もしくは法的な障害を伴う可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)風評リスク

当社グループは、法令を遵守して事業活動を行っておりますが、万が一法令違反などの不適切な行為が発覚した場合は、違反事項に対して可及的速やかに適切な処置を行います。しかしながら、マスコミ報道やインターネット上での書き込みなどにより、当社グループに対する悪質な風評が発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かに関わらず、当社グループの社会的信用が毀損され、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループは当連結会計年度から、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態および経営成績の状況

(a) 財政状態(B/S)

(ア) 資産  4,501億27百万円(前期末比 138億37百万円減少)

営業債権やたな卸資産等の減少により、流動資産が前期末に比べ161億96百万円減少しました。また、その他の金融資産が減少した一方で、使用権資産の増加や退職給付に係る資産の増加等によるその他の非流動資産の増加等により、非流動資産が前期末に比べ23億58百万円増加しました。

 

(イ) 負債  2,189億60百万円(前期末比  19億12百万円増加)

短期借入金等が増加したことに加え、取引先との関係強化を目的として支払サイト(期間)を短縮したことから営業債務が減少しました。この結果、流動負債は前期末に比べ211億45百万円の減少となりました。一方、長期借入金の増加等により、非流動負債は前期末に比べ230億57百万円増加しました。

 

(ウ) 資本  2,311億67百万円(前期末比 157億49百万円減少)

利益剰余金が増加した一方、自己株式の取得やその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の純変動額や在外営業活動体の換算差額の減少等によりその他の資本の構成要素が減少しました。

 

(b) 経営成績(P/L)

(ア) 概況

当連結会計年度の当社グループの経営環境は、米中貿易摩擦の長期化による影響拡大などにより、グローバルで設備投資に慎重な姿勢が強まりました。年の後半にかけては米州や韓国などアジアの一部で半導体関連需要の回復が見え始めたものの、期末に発生した新型コロナウイルスの影響もあり、総じて厳しい状況となりました。

このような環境において当社グループの業績は、堅調だった前年同期に対しモーションコントール事業やロボット事業の売上収益が減少しました。営業利益は、売上減少や在庫調整の影響などにより操業度が悪化したことから減少しました。

 

なお、当連結会計年度における当社グループの地域別の経営環境は以下のとおりです。

日 本:    自動車向けなど一部の市場が底堅く推移したものの、世界経済の減速を背景に、製造業を中心とした設備投資を抑制する動きが継続しました。

米 国:    オイル・ガス関連需要が上期に堅調な推移となったほか、下期には半導体市場の一部で回復の兆しがみられましたが、工作機・自動車市場を中心に総じて需要は低迷しました。

欧 州:    上期に大きく悪化した市況は下期にかけて底入れの兆しもみられましたが、自動車関連を中心に製造業全般において設備投資は低調に推移しました。

中 国:    米中貿易摩擦の長期化に伴う影響拡大により自動車市場を中心に市況が悪化しました。下期には回復傾向がみられたものの、期末に発生した新型コロナウイルスの影響もあり、総じて厳しい状況となりました。

中国除くアジア:韓国を中心とした半導体関連の設備投資は、期末にかけて持ち直す動きがみられたものの、市場低迷による影響を大きく受け、需要は総じて弱含みました。

 

この結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりです。

 

2018年度

(2019年2月期)

2019年度

(2020年2月期)

前年同期比

売上収益

4,746億38百万円

4,109億57百万円

△13.4%

営業利益

530億98百万円

241億98百万円

△54.4%

親会社の所有者に帰属する

当期利益

425億24百万円

155億72百万円

△63.4%

米ドル平均レート

110.49円

109.03円

△1.46円

ユーロ平均レート

128.88円

121.37円

△7.51円

中国人民元平均レート

16.56円

15.70円

△0.86円

韓国ウォン平均レート

0.099円

0.093円

△0.006円

 

(イ) セグメント別の状況

当社グループでは、事業内容を4つのセグメントに分けています。

当連結会計年度の各セグメントの経営成績は以下のとおりです。

モーションコントロール

売上収益   1,778億93百万円   (前年同期比  △16.6% )

営業損益     192億27百万円   (前年同期比  △44.6% )

モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成されています。

インバータ事業の販売が米国を中心に上期には底堅く推移したものの、ACサーボモータ・コントローラ事業において需要低迷の影響を大きく受け売上がグローバルで減少したことから、セグメント全体では減収減益となりました。

〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕

半導体関連需要が期の後半にかけて回復傾向となっているものの、長期化する米中貿易摩擦の影響や期末に発生した新型コロナウイルスの影響により前年同期比で売上収益は減少し、営業利益は操業度の悪化などにより減少しました。

〔インバータ事業〕

米国におけるオイル・ガス関連需要が上期に堅調な推移となったほか、期末にかけて欧州で回復の兆しもみられましたが、中国・アジアを中心に設備投資需要が停滞したことから、売上収益・営業利益ともに前年同期に対し伸び悩みました。

ロボット

売上収益   1,521億70百万円   (前年同期比  △14.5% )

営業損益      56億39百万円   (前年同期比  △68.6% )

セグメント全体の売上収益は、米中貿易摩擦による影響や期末に発生した新型コロナウイルスの影響などにより、前年同期から減少しました。

溶接・塗装ロボットなど自動車関連向けの売上は、日本においては堅調に推移した一方、海外では市況悪化を背景とした設備投資抑制の影響を受け低迷しました。

一般産業分野では、中国を中心に自動化投資は勢いを欠く状況が継続しました。

なお、営業利益については、売上減少や在庫調整などにより操業度が悪化したため、前年同期から減少しました。

システムエンジニアリング

売上収益     580億89百万円   (前年同期比  +12.5% )

営業損益       9億19百万円   (前年同期比  16億89百万円改善)

システムエンジニアリングセグメントは、環境・社会システム事業と、子会社である安川オートメーション・ドライブ株式会社が扱う産業用オートメーションドライブ事業で構成されています。

セグメント全体の売上収益は新規連結の影響により伸長し、営業損益は構造改革などによって黒字に転換しました。

〔環境・社会システム事業〕

環境エネルギー分野(太陽光発電・大型風力発電用電機品)の売上が伸び悩んだ一方、社会システム分野では国内における上下水道用電気システム関連の売上は底堅く推移しました。

〔産業用オートメーションドライブ事業〕

鉄鋼プラント関連が堅調だったことに加え、新規連結による売上増加の影響もあり、事業全体としては伸長しました。

その他

売上収益     228億 4百万円   (前年同期比  △28.2% )

営業損益        △20百万円   (前年同期比  1億46百万円悪化)

その他セグメントは、物流サービス事業などで構成されています。

前年同期に対し売上収益は減少し、営業損益は悪化しました。

 

② キャッシュ・フロー(C/F)の状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は403億7百万円(前期末比で10億18百万円増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

 

(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業債務が減少した一方、税引前当期利益や減価償却費、償却費及び減損損失の計上、営業債権やたな卸資産の減少等により214億80百万円の収入(前年同期比 128億66百万円の収入減)となりました。

 

(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

生産力強化やITインフラ等への成長投資による有形固定資産及び無形資産の取得による支出等により、206億45百万円の支出(前年同期比 64億65百万円の支出減)となりました。

 

(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

自己株式の取得や配当金の支払増加等の株主還元施策を行ないましたが、長期借入金の調達等により、4億91百万円の収入(前年同期比 107億60百万円の収入増)となりました。

 

※営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは8億35百万円の収入となりました。

 

③ 生産、受注および販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲にわたりかつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため、生産および受注の実績については、「①財政状態および経営成績の状況  (b)経営成績(P/L)」におけるセグメントの経営成績に関連づけて記載しております。

また、販売の実績については、「①財政状態および経営成績の状況  (b)経営成績(P/L)」におけるセグメントの経営成績に関連づけて、連結の数字を示しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針の要約 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しております。

 

② 2019年度~2021年度中期経営計画「Challenge 25」に関する認識および分析・検討内容

(a) 経営目標の状況

 当連結会計年度は、中期経営計画「Challenge 25」の初年度にあたり、本計画で掲げた3つの基本方針を中心に、グローバルにおける事業拡大を積極的に展開いたしました。一方で、米中貿易摩擦の長期化による影響拡大や期末に発生した新型コロナウイルスの影響もあり、グローバルで設備投資に慎重な姿勢が強まったことで、当社を取り巻く経営環境は総じて厳しい状況となりました。これらの結果、当連結会計年度における、当社が経営上の目標として掲げる指標は、以下のとおりとなりました。

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[参考] 前提為替レート 1米ドル=110円、1ユーロ=125円

※1 2019年度実績の数値については、IFRSに基づき遡及変更しています。そのため、これまで開示した他資料と差異がある場合があります。

※2 ROE/Return on Equity (親会社所有者帰属持分当期利益率) = 親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分

※3 ROIC/Return on Invested Capital (投下資本利益率) = 親会社の所有者に帰属する当期利益/投下資本

 

(b) 当該年度における施策の進捗状況

 中期経営計画「Challenge 25」では、以下の基本方針に沿って、持続的な成長に向けた取り組みを加速させています。

 

(ア) 「i3-Mechatronics」によるビジネスモデル変革

 当連結会計年度では、当社が掲げるソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」の推進に向けて、生産力・販売力・技術力の強化を進めました。生産力強化では、欧州スロベニアでのロボットの量産を開始し、グローバルでの供給体制の充実を図りました。販売力強化では、トップセールスを積極的に展開することで、お客さまの経営課題へのアプローチ強化を図るとともに、事業横断的な営業の定着を進めています。技術力強化では、新たな開発拠点である安川テクノロジーセンタの建設を開始しました。加えて、i3-Mechatronicsを推進する上で重要な戦略製品に位置づけている統合コントローラ「YRMコントローラ(仮称)」の開発を加速させています。

 

(イ) 拡大する“ロボティクスビジネス”での収益最大化

 当連結会計年度では、今後も成長が見込まれる3C(※4)や半導体分野におけるソリューション提供の強化に向けて、人協働ロボット、スカラロボット、半導体ウェア搬送ロボットの新製品の展開によるラインアップの拡充を図っています。

※4 3C:コンシューマー向け、デジタルコミュニケーション機器の略

(Computer、Communication、Consumer Electronicsの3語の頭文字から)

 

(ウ) “選択と集中”によるリソース強化で新領域拡大

 当社が注力するEnergy Saving事業の拡大に向けて、インバータと高効率モータの組み合わせによるソリューション提供力の強化を図りました。また、Clean Power事業の収益力強化に向けて、大型風力発電関連の大口案件獲得に向けた継続的な営業強化に加えて、太陽光発電用パワーコンディショナー事業では新製品の市場投入を図り、拡販を進めています。

 加えて、これらを推進するための経営基盤の強化として、安川版デジタルトランスフォーメーション(YDX)プロジェクトを通じ、グローバルでの各種経営データの一元化と業務プロセスの統合に向けた取り組みを加速させています。

 

③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

(a) 経営成績等の分析

(ア) 売上収益

 当連結会計年度の売上収益は、年の後半にかけて米州や韓国などアジアの一部で半導体関連需要の回復が見え始めたものの、米中貿易摩擦の長期化による影響拡大によりグローバルで設備投資に慎重な姿勢が強まったことや、期末に発生した新型コロナウイルスの影響などにより、堅調だった前年同期から減少し、4,109億57百万円となりました。海外売上収益比率は、前年同期の67%から4ポイント低下し、63%となりました。

 なお、セグメント別の内容は、「(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態および経営成績の状況  (b)経営成績(P/L)」に記載のとおりです。

 

(イ) 営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、モーションコントロール・ロボットを中心に、売上減少や在庫調整の影響などにより操業度が悪化したことから、241億98百万円となりました。売上収益営業利益率は、営業利益の減少などにより、前年同期の11.2%から5.3ポイント低下し、5.9%となりました。

 なお、セグメント別の内容は、「(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態および経営成績の状況  (b)経営成績(P/L)」に記載のとおりです。

 

(ウ) 親会社の所有者に帰属する当期利益

 当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、155億72百万円となりました。また、基本的1株当たり当期利益は、59円42銭となり、前年同期比で101円58銭減少いたしました。

 

(b) 資本の財源および資金の流動性についての分析

 当社グループは、財務体質の健全性を維持しつつ、安定的な事業運営を行なうため、グループ資金の流動性を高める等、資金調達環境を整理し、安定した資金調達体制の確立を基本方針としております。

 グループ資金は、本社および各地域の統括会社にて一括運用・調達を行なうことにより、資金の効率的な運営を図っております。手元資金を上回る設備投資等を実行する場合は、金融機関からの借入等により、規模や市場環境に応じて適した手段で調達を行なっております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は403億7百万円、有利子負債残高は815億80百万円です。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計100億円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高100億円)。

 

(3) 並行開示情報

 連結財務諸表規則(第7章および第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりです。

 なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

① 要約連結貸借対照表(日本基準)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2019年2月28日)

当連結会計年度

(2020年2月29日)

資産の部

 

 

流動資産

297,193

280,945

固定資産

 

 

有形固定資産

80,142

80,925

無形固定資産

29,050

32,738

投資その他の資産

49,276

47,718

固定資産合計

158,469

161,382

資産合計

455,663

442,327

 

 

 

負債の部

 

 

流動負債

153,632

133,855

固定負債

52,277

77,427

負債合計

205,909

211,283

 

 

 

純資産の部

 

 

株主資本

239,047

230,137

その他の包括利益累計額

7,690

△1,960

非支配株主持分

3,015

2,867

純資産合計

249,753

231,044

負債純資産合計

455,663

442,327

 

② 要約連結損益計算書および要約連結包括利益計算書(日本基準)

要約連結損益計算書

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

当連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

売上高

474,638

410,957

売上原価

317,946

286,175

売上総利益

156,692

124,782

販売費及び一般管理費

106,926

102,443

営業利益

49,766

22,339

営業外収益

3,572

3,134

営業外費用

2,494

2,111

経常利益

50,844

23,361

特別利益

6,148

2,704

特別損失

2,829

928

税金等調整前当期純利益

54,163

25,136

法人税等合計

12,497

10,521

当期純利益

41,666

14,614

非支配株主に帰属する当期純利益

501

165

親会社株主に帰属する当期純利益

41,164

14,449

 

要約連結包括利益計算書

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

当連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

当期純利益

41,666

14,614

その他の包括利益合計

△6,936

△9,820

包括利益

34,729

4,794

(内訳)

 

 

親会社株主に係る包括利益

34,291

4,798

非支配株主に係る包括利益

437

△3

 

③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

前連結会計年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)

(単位:百万円)

 

 

株主資本

その他の包括利益累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

221,301

14,563

2,761

238,626

当期変動額

17,745

△6,872

254

11,126

当期末残高

239,047

7,690

3,015

249,753

 

当連結会計年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)

(単位:百万円)

 

 

株主資本

その他の包括利益累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

239,047

7,690

3,015

249,753

当期変動額

△8,909

△9,651

△148

△18,709

当期末残高

230,137

△1,960

2,867

231,044

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

当連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

32,832

20,901

投資活動によるキャッシュ・フロー

△27,111

△20,645

財務活動によるキャッシュ・フロー

△8,754

1,071

現金及び現金同等物に係る換算差額

109

△355

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△2,924

970

現金及び現金同等物の期首残高

42,213

39,289

新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額

47

現金及び現金同等物の期末残高

39,289

40,307

 

⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)

前連結会計年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)

(会計方針の変更)

(収益認識に関する会計基準等の適用)

 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 平成30年3月30日。以下「収益認識会計基準」という。)および「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 平成30年3月30日)が2018年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用できることになったことに伴い、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、約束した財またはサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財またはサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。

 収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。ただし、収益認識会計基準第86項に定める方針を適用し、当連結会計年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に、新たな会計方針を遡及適用しておりません。

 なお、当該会計基準の適用が連結財務諸表に及ぼす影響は軽微です。

 

(IFRS第16号「リース」の適用)

 一部の在外連結子会社において、当連結会計年度の期首からIFRS第16号「リース」を適用し、借手の会計処理として原則すべてのリースについて連結貸借対照表に資産および負債を認識しております。

 当該会計基準の適用にあたり、経過措置として認められている当該会計基準の適用による累積的影響額を適用開始日に認識する方法を採用しております。

 なお、当該会計基準の適用が連結財務諸表に及ぼす影響は軽微です。

 

(表示方法の変更)

(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用)

 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更しております。

 この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」の「繰延税金資産」が8,937百万円減少し、「投資その他の資産」の「繰延税金資産」が8,643百万円増加しております。また、「固定負債」の「繰延税金負債」が293百万円減少しております。

 なお、同一納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債を相殺して表示しており、変更前と比べて総資産が293百万円減少しております。

 

(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。

前連結会計年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用」に記載のとおりです。

 

当連結会計年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)

(のれんの償却)

 日本基準の下ではのれんは5年または10年で均等償却していましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しています。これにより、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が1,270百万円減少しています。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2019年10月10日開催の取締役会において、当社完全子会社の再編を行うことを決議し、当社を存続会社、安川エンジニアリング株式会社を消滅会社とする吸収合併契約を2019年11月25日付で締結し、2020年3月1日付で吸収合併を実施いたしました。

 詳細は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。

 

5【研究開発活動】

当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、“世界初”“世界一”にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っています。前中期経営計画「Dash 25」の遂行状況を踏まえて、2015年4月20日に開示した長期経営計画「2025年ビジョン」の見直しを行い、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定しました。

「工場自動化・最適化」では、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i3-Mechatronics(※1)」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を加速しました。2018年12月より本格稼働開始した安川ソリューションファクトリ(埼玉県入間市)においては、データの収集・視える化、そして、蓄積・解析を一括して行うことができるソフトウェアツール「YASKAWA Cockpit(※2)」の実証を進めました。

「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化を見極めていきます。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(風力/太陽光発電・電気自動車)、Humatronics分野(リハビリ機器・バイオメディカル用ロボット)に焦点を当てて取り組んでいます。

さらに、お客さまの要求に対してスピーディに対応できる体制を構築するために、基礎研究から量産試作までを一貫する研究開発拠点「安川テクノロジーセンタ」の新設(2021年予定)に向けて準備を行っています。

以上の取り組みにより当連結会計年度の研究開発費は18,999百万円となりました。

 

〔研究開発分野〕

長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、2019年度はソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発、AI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めています。

また、メカトロニクスの応用領域拡大に向けて、前腕回内回外リハビリ装置「CoCoroe PR2(ココロエ ピーアールツー)」を製品化しました。本装置は、前腕の回内・回外運動のリハビリに特化した装置で、日本国内において管理医療機器(クラスⅡ)/特定保守管理医療機器として医療機器認証を取得しました。

当分野の研究開発費は4,694百万円です。

 

〔モーションコントロール分野〕

「i3-Mechatronics」の具体的なソリューションの一つとして、モーションとロボットの制御を統合しデータ収集・解析をリアルタイムに行える「YRMコントローラ(仮称)」を開発し「IIFES 2019」へ参考出展しました。また同展示会では、各種センサデータをリアルタイムで収集・解析し装置制御へフィードバックすることが可能な次期サーボドライブのコンセプトを紹介しました。インバータでは、機械・設備の状態や情報の可視化、故障予兆診断や長寿命化を実現できる新機能を搭載した汎用小型高機能インバータ“GA500”を製品化しました。

安川ソリューションファクトリでは、サーボモータなどから検出したデータを「YASKAWA Cockpit」と連携させることで、装置の予防保全や製品の品質管理への活用実現を進め、ラインの不具合発生から改善までのサイクルの大幅な短縮や生産スピードの向上を達成しました。

当分野の研究開発費は7,965百万円です。

 

〔ロボット分野〕

i3-Mechatronics」コンセプトの実現に向け、人口知能(AI)を活用したロボットによる自動搬送や研磨などのアプリケーションを2018年に設立した株式会社エイアイキューブと開発し、「2019国際ロボット展」に出展しました。デジタル空間に仮想の製造現場を再現し、現場のデータの反映による高精度なシミュレーションで開発や生産を効率化する技術「デジタルツイン」の開発も進めています。

安全柵が不要で人と並んで作業ができる人協働ロボットのさらなる用途拡大のため、新たなラインアップとして、ちりやほこり・液体などへの耐環境性を向上させた人協働ロボットMOTOMAN-HC10DT防じん・防滴仕様タイプ、食品製造ラインで求められる安全性や衛生面へ配慮した人協働ロボットMOTOMAN-HC10DTFを製品化しました。

また、環境に配慮したエコカーの開発が世界規模で進められ、自動車の材料や製造ラインの構成が大きく変化しつつある中、新しい素材の溶接や高付加価値ラインの構築に対応した新型ロボットを開発し、ラインアップの拡充を図りました。自動車分野以外の一般産業分野向けでは、高速なサイクルタイムが求められる小型部品の組立工程や搬送工程などに最適な水平多関節型スカラロボットを開発・製品化しました。

当分野の研究開発費は4,513百万円です。

 

〔システムエンジニアリング分野〕

環境・エネルギー分野においては、省エネ・創エネ技術を応用し、大型風力・太陽光発電関連機器の開発など、Clean Powerのコア事業化を進めました。米国においては、ユーティリティ規模の太陽光発電市場に対応したパワーコンディショナ「XGI1500」を開発しました。

当分野の研究開発費は1,825百万円です。

 

※1 i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス):機械工学を表すメカニズムと、電気工学を表すエレクトロニクスを融合させた「Mechatronics(メカトロニクス)」に、3つの“i”(integrated:統合的、intelligent:知能的、innovative:革新的)を重ね合わせ、お客さまの工場の生産現場から、経営課題の解決に貢献するソリューションコンセプト。2017年10月に発表。

※2 YASKAWA Cockpit(安川コックピット):「i3-Mechatronics」コンセプトを実現するソフトウェアソリューション