第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社経営の基本方針

当社グループは、会社は株主・顧客及び取引先・社員等多数の関係者の協力のもとに成立した生命体であり、何よりも先ず継続し、健全に成長発展しなければならないとの認識にたち、以下の経営理念を掲げ実践し社業を発展させ株主及び関係者各位の付託と理解に応え、社員と喜びを共にすることを会社経営の基本方針としております。

・倫理を重んじ社会・顧客に貢献する
 ・進取創造の気風を養い未来に挑戦する
 ・品質第一に徹し信用を高める

また、これらを実現するために以下の行動指針を掲げ、事業活動を行っております。

・顧客に対しタイムリーかつスピーディーに応える
 ・何事にも先見性と創造性をもってチャレンジする
 ・常に自己啓発に励みスキルの向上に努める
 ・広い視野をもって互いに影響し合い成長する
 ・よき社会人・企業人として自覚と誇りをもって行動する
 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

当社グループは、「滋賀竜王製作所」の稼働など経営基盤の強化を進めてまいりましたが、採算の改善と製品開発や事業化へのスピード感が課題であるとの認識に立ち、2018年7月より、2020年を直近のターゲットとした4年間の中期経営計画「リ・バイタライズ2020(Revitalize2020)」を推進しております。当社は、この計画で掲げる基本方針のもと“稼ぐ力”を高め、利益を安定して生み出す“筋肉質な”事業運営体制を確立すべく、グループ一丸となって取組んでいます。

 

<長期ビジョン>
 確固たる経営基盤のもと、創業以来の卓越したモータドライブ技術と躍進する先進技術を融合した高品質な
 製品をグローバルに提供していくことで、地球環境にやさしい社会インフラシステムの実現に貢献してまいり
 ます。
 <基本方針>
  東洋電機グループは、組織の力を強化し、高品質な製品を迅速に顧客に提供していくことで、利益を安定し
 て生み出す“筋肉質な”事業運営体制を確立します。
 前半の2年間(2019年5月期~2020年5月期)は足元を固める期間とし、喫緊の課題である採算の改善に注
 力します。後半の2年間(2021年5月期~2022年5月期)は売上高470億円超の達成に向けて成長を遂げる期
 間とし、新たなアライアンスやM&Aも視野に入れ、海外を含めて、事業を戦略的に展開していくことに注力
 します。

 

 

 

〔主要施策〕
(1)海外事業の拡大
  ① 相手国の経済と技術の発展状況に応じた事業戦略の見直し
  ② 東南アジアにおける産業事業の新規ビジネスの拡大
  ③ 新規都市交通プロジェクトへの戦略的な参画
(2)コア技術を活かした事業領域拡大
  ① 事業将来性と市場動向を見据えた事業化の推進
  ② 最新の技術革新成果を踏まえた新規事業の開拓
  ③ アライアンスやM&Aを活用した事業領域の拡大
(3)市場ニーズを先取りした技術開発の推進
  ① 市場分析力強化によるタイムリーな製品開発
  ② 基幹部品(製品)に対する新しい生産技術の確立
(4)安定した事業収益構造の構築
  ① 事業採算の改善に向けたコスト圧縮
  ② 全社的な活動による営業・工場体制の連携強化
  ③ “稼ぐ力”にこだわるグループ経営の推進
   a) グループ全体で“選択と集中”を推進
   b) グループ一体となった営業・生産体制の構築
(5)生産能力拡大に向けた基盤整備
  ① 基幹システムの機能を最大活用した工程管理の強化と最適な生産ラインの構築
  ② 生産ライン再構築による生産能力の拡大(横浜製作所)
  ③ 新生産ラインの稼働率向上(滋賀竜王製作所)
  ④ サプライチェーンの再構築
  ⑤ BCP(事業継続計画)のレベルアップ
(6)将来を担う人材の育成
  ① 組織活性化に向けた人事ローテーション制度の制定と実施
  ② 次世代幹部社員と海外勤務社員の育成強化
  ③ 組織のキーマンとなる若手管理職の早期育成
(7)ESGの推進
  ① 事業活動に伴う環境負荷低減の取組みを推進
  ② 働き方改革の推進
  ③ コーポレートガバナンスの充実

 

 

〔目標とする経営数値〕

 目標とする経営数値は、売上高・利益(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)のほか海外関連会社の事業拡大による持分法投資利益、経営効率の指標であるROEおよび配当性向とします。

(1)全社

 

 

 

 

 

 

(単位:億円)

 

 

2019年5月期

(実績)

 

2020年5月期

(計画)

 

2022年5月期

(計画)

 

売上高

411.72 

 

420 

 

470超 

 

営業利益

(営業利益率)

5.57 

(1.4%)

 

9.0 

(2.1%)

 

20 

(4.3%)

 

経常利益

4.95 

 

11.0 

 

24 

 

純利益

6.90 

 

9.0 

 

16 

 

持分法投資利益

0.10 

 

1.2 

 

4.0 

 

ROE(自己資本当期純利益率)

2.7% 

 

3.3% 

 

5.0% 

 

配当性向

39.9% 

 

30.0% 

 

30.0% 

 

 

(2)セグメント売上高

 

交通事業

272.35

 

267

 

310

 

産業事業

123.39

 

138

 

150

 

情報機器事業

15.83

 

15

 

10

 

(注)2020年5月期(計画)については、最新の事業環境分析により、見直ししております。

 

(3) 会社の支配に関する基本方針について

当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は、次のとおりです。

①財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。

 ただし、株式の大規模買付提案の中には、例えばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない
 可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なう虞のあるものや、当社グループの価
 値を十分に反映しているとはいえないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分
 に提供されないものもありえます。

 そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、
 必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。

②基本方針の実現に資する取組みについて

 当社は、上記記載の中期経営計画の基本方針に基づく具体的な諸施策を着実に推進、実行していくことにより、
 グループ全体の業績と企業価値の向上を図っております。

③基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取組み

 当社は、2008年7月14日開催の取締役会において、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上さ
 せることを目的として、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)を決定し、2008年8月26日開
 催の第147回定時株主総会における株主様のご承認を得て導入いたしました。その後、所要の変更を行ったうえ、
 直近では2017年8月29日開催の第156回定時株主総会における株主様のご承認を得て継続いたしました(以下、
 「本プラン」といいます。)。

 本プランは、当社株式等に対して大規模な買付行為等が行われようとした場合に、株主の皆様が適切な判断をす
 るために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが、企
 業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一
 定のルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定しております。

 大規模買付者がこの大規模買付ルールを遵守しなかった場合、またはルールが遵守されている場合であっても、
 当該行為が株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律
 および当社定款が認める対抗措置をとることとしております。

 本対抗措置の発動に当たっては、当社取締役会はその決定の合理性・公正性を担保するため、独立委員会を設置
 しており、上記判断における独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、必要に応じて株主総会の承認を得て対抗措
 置の発動を決議します。

 また、その判断の概要については適宜、開示いたします。

 本プランの詳細につきましては、2017年7月12日付『当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛
 策)の継続について』においてその全文を公表しており、また、当社ホームページ(https://www.toyodenki.co.jp)
 上にも掲載しておりますので、ご参照ください。

 なお、本プランは、「企業価値、株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める
 三原則を充足し、株主総会の承認を得て導入していることなどから、株主共同の利益を損なうものでなく、当社役
 員の地位の維持を目的とするものでもありません。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは積極的な情報開示の観点からリスクを幅広く捉えて開示しています。業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。これらのリスクを十分認識した上で必要なリスク管理体制を整えてリスク発生の回避ならびに発生時の影響の極小化に努めます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 事業内容・事業構造、経済状況の動向等について

当社グループは売上の大半を交通事業部門と産業事業部門に依存しています。当社グループのお客様は国内外において事業を展開しています。そのため、各国の景気や個人消費の動向などの経済状態が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 生産拠点について

当社グループの生産拠点は、交通事業関係では関東地区に、産業事業関係では関西地区に集中しています。上記いずれかの地区で大規模な災害が発生した場合には、当社グループの生産能力に重大な影響を受ける可能性があります。

(3) 競争激化について

交通事業部門は国内市場が成熟しており競争が激化しています。産業事業部門は製品開発競争が激化しております。これらの競争激化の影響を受ける可能性があります。

(4) 製品品質について

製品の欠陥に起因して大規模な損害賠償につながるリスクが現実化し、保険で補填できない場合には影響を受ける可能性があります。

(5) 製品開発について

お客様にとって魅力的な製品を提供するために、お客様のニーズを収集し、将来の当社グループの成長を支える新製品の開発に努めています。しかし、急激な技術変化・環境変化に対応した製品の開発が遅れた場合には影響を受ける可能性があります。

(6) 資材調達について

事業の特殊性から外注先が限定されるなど調達のアベイラビリティが低い資材があり、供給遅延・製造中止による影響を受ける可能性があります。また、大規模災害の発生等によりサプライチェーン全体に支障をきたすことで、影響を受ける可能性があります。さらに、鋼材・銅など原材料価格の変動の影響を受ける可能性があります。

(7) 海外展開について

当社グループは中国を始めとする海外市場へ積極的に展開しています。海外情勢に重大な変化が生じた場合には影響を受ける可能性があります。

(8) 知的財産権について

当社グループは知的財産権の保護に注意を払っております。しかしながら、技術革新のスピードが速く事業のグローバル化が進展するなかで、知的財産権を巡って第三者との係争が発生する可能性があります。その場合には当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

(9) アライアンスについて

当社グループは、事業の拡大と競争力の強化に向け、第三者とのアライアンスに積極的に取り組んでいます。しかしながら、アライアンス先との関係構築が上手く行かず想定した成果が得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 為替レートの変動について

海外市場への積極的な展開により外国通貨建ての取引が増加した場合には、為替レート変動の影響が大きくなります。

(11) 保有資産について

当社グループが保有する資産について時価の変動があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12) 資金調達について

予期せぬ金融情勢の変化があった場合には、資金調達面で影響を受ける可能性があります。

(13) 情報セキュリティーについて

当社グループは事業遂行に関連してお客様から情報提供を受けております。また、当社グループ固有の技術・営業に関する秘密情報を多数保有しています。予期せぬことからこれらの情報が流出した場合には影響を受ける可能性があります。

(14) コンプライアンスについて

当社グループは中国を始めとする海外市場へ積極的に展開しており、各国の法令・規制の適用を受けます。コンプライアンスには十分な体制を整えて運用しておりますが、予期せぬ影響を受ける可能性があります。

(15) 訴訟について

当社グループに対する訴訟及びその他法的手続きが発生した場合は、事業に影響を受ける可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 (1) 経営成績

 当連結会計年度(2018年6月1日~2019年5月31日)における我が国経済は、米中通商問題の動向が世界経済に与える影響が懸念され、先行きに不透明感があるものの、企業収益は依然高い水準にあり、設備投資は堅調で、6年連続してベースアップが実施され個人消費も堅調に推移するなど緩やかな回復基調が続いてきました。また海外は、米国経済が好調で、中国経済は減速しつつも世界のインフラ投資は拡大方向であり、新興国経済も堅調に推移してきました。

 こうした中、当社グループは2018年7月にスタートさせた中期経営計画「リ・バイタライズ2020(Revitalize2020)」に基づき、組織の力を強化し、高品質な製品を迅速に顧客に提供していくことで、利益を安定して生み出す“筋肉質な”事業運営体制を確立すべく、グループ一丸となって取組んでいます。
 なお、中期経営計画1年目の当連結会計年度は、創立100周年を機に建設した滋賀竜王製作所の本格稼働を始め、事業運営体制の強化に取り組んだ結果、想定より早くその効果が表れ、産業事業の収益構造を改善し、着実に足元を固めることができました。

 

 当連結会計年度における業績は次のとおりです。
 受注高は、前年同期比2.7%増の406億84百万円となりました。
 売上高は、前年同期比3.2%減の411億72百万円となりました。
 損益面では、営業利益は前年同期比52.0%増の5億57百万円、経常利益は同3.8%減の4億95百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、一部の政策保有株式の圧縮に努めたものの、創立100周年記念事業費用の計上もあり、同0.3%減の6億90百万円となりました。

 

 報告セグメント別の状況は次のとおりです。

<交通事業>
 受注高は、中国向けが高速鉄道の車種切替による生産端境期の影響により減少したものの、国内民鉄向け、中国を除く海外向けが増加したことから、前年同期比0.8%増の260億80百万円となりました。
 売上高は、中国向けや中国を除く海外向けが減少したことから、前年同期比2.5%減の272億35百万円となりました。
 セグメント利益は、国内向けが増加したものの中国向けが減少したことから、前年同期比5.9%減の24億27百万円となりました。

 
<産業事業>
 受注高は、試験機向け及び加工機向けが増加したことから、前年同期比13.5%増の128億33百万円となりました。
 売上高は、受注高と同様の事由により、前年同期比4.8%増の123億39百万円となりました。
 セグメント利益は、原価管理、工程管理の強化及び経費の圧縮に努めたことから、前年同期比135.2%増の6億50百万円となりました。
 
<情報機器事業>
 受注高は、前年に受注した大型案件の反動減により、前年同期比27.3%減の17億56百万円となりました。
 売上高は、受注高と同様の事由により、前年同期比43.5%減の15億83百万円となりました。
 セグメント利益は、売上高減少の影響により、前年同期比7.7%減の2億90百万円となりました。
 
 (注)報告セグメント別の売上高については、「外部顧客への売上高」であり、「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含みません。

 

  生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。

a. 生産実績

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

交通事業

26,825

△2.8

産業事業

11,685

△1.7

情報機器事業

1,496

△44.8

その他

合計

40,008

△5.2

 

(注) 金額は販売価格により、消費税等は含まれておりません。

 

 b. 受注実績

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

交通事業

26,080

0.8

22,599

△4.9

産業事業

12,833

13.5

7,184

7.4

情報機器事業

1,756

△27.3

700

32.6

その他

13

114.7

合計

40,684

2.7

30,483

△1.6

 

(注) 金額は販売価格により、消費税等は含まれておりません。

 

 c. 販売実績

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

交通事業

27,235

△2.6

産業事業

12,339

4.8

情報機器事業

1,583

△43.5

その他

13

114.7

合計

41,172

△3.2

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 (2) 財政状態

 (資産の部)

  当連結会計年度末における資産合計については、売上債権の減少24億77百万円、投資有価証券の減少18億25百万円等があり、前連結会計年度末より52億89百万円減少し580億1百万円となりました。

 (負債の部)

  当連結会計年度末における負債合計については、仕入債務の減少17億37百万円等があり、前連結会計年度末より37億66百万円減少し331億97百万円となりました。

 (純資産の部)

  当連結会計年度末における純資産合計については、その他有価証券評価差額金の減少9億34百万円、自己株式の取得による純資産の減少8億円等があり、前連結会計年度末より15億23百万円減少し248億4百万円となりました。
 

 (3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より6億85百万円増加し22億40百万円となりました。各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは売上債権の減少、減価償却費計上などにより37億20百万円の増加(前年同期は15億72百万円の減少)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは投資有価証券の売却による収入の増加がありましたが、有形固定資産の取得による支出などにより10億19百万円の減少(前年同期は30億87百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

短期借入金の返済などにより20億12百万円の減少(前年同期は41億40百万円の増加)となりました。

  (当社グループの資本の財源及び資金の流動性)

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を資金調達の基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は154億29百万円となっております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当する事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っています。

なお、研究開発費は、総額で731百万円であり、その内訳は、交通事業部311百万円、産業事業部110百万円、情報機器事業部4百万円、その他(共通)304百万円となっています。

 

当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 

 (1) 交通事業部門

 ① ECN規格に基づく列車情報システムの開発

  IEC61375 part3-4 ECN規格に準拠するシステムとしてジャカルタMRT車両用列車情報システムを開発しました。基本
 的なアーキテクチャは,広島電鉄1000形電車向け列車情報システムを踏襲し,対象機器範囲の拡大や取り扱うデータ
 量の増大,多様な機能の実装に対応するため,ハードウェアのマイナーチェンジを行いました。

 

 ② 電力貯蔵装置の開発

  リチウムイオン電池を用いた電力貯蔵装置を用いて,抵抗制御電車の非常走行試験を実施しました。また,非常走
 行結果の解析を行い,今後の非常走行が必要な状況に備えて,SOC が低下した状態でも非常走行ができるように消費
 電力量を抑制する運転方法を検討しました。

 

 (2) 産業事業部門

 ① 扁平型ダイナモの開発

  自動車試験機用ダイナモとして、自動車のハブに直接取り付けタイヤハウス内に収納できる構造とした扁平型ダイ
 ナモについて、ダイナモ用モータおよびステアリング機能を具備した専用架台の開発を行いました。小型で簡易な車
 両試験用試験装置の他、タイヤハウス内に収納できることから、自動運転用の試験装置への使用も想定しておりま
 す。今後、このダイナモを用いた試験装置としての制御を確立し、製品化してまいります。

 

 ② 小型軽量型インバータの開発

  狭小なスペースに設置されるインバータ装置に対して、設置スペースを最小とし、交換等のメンテナンス作業が容
 易な小型軽量型のインバータを開発いたしました。従来製品との互換性を見直し、構成部品配置や銅ブスバーを最適
 化したシンプルな構成とし、冷却構造やブスバー電流密度を見直すことで、75kWクラスで従来品から体積比で約39%
 減、質量比で約25%減を実現しました。

 

 (3) 情報機器事業部門

 ① IC専用発行機の開発

  小型・卓上型のIC専用発行機の開発を行いました。省スペースでの設置が可能となります。磁気券を無くし、交通
 系ICカードのみの運用とする事業者が増えています。また、小型発券機(磁気券対応)との組み合わせで、ICカード
 と磁気券の併用運用することも可能で、事業者の選択肢が広がります。

 

 (4) 事業開発部

 ① 遠隔監視装置の機能拡充

 販売中であるIORemoterの拡販を目的として、インドネシアにおける通信機器認証を取得いたしました。これにより
 インドネシアにおける遠隔監視システムの受注・販売が可能となり、生産ラインのインフラシステム等の監視システ
 ムへの展開が可能となります。

 また、新たな拡販アイテムとしてIoTスターターキットを開発し、IoTへの取り組み易さを強調した製品となってい
 ます。

 

 ② EDモータの小型化・量産化に向けた取り組み

  EDモータの更なる小型化・軽量化に向けて、固定子巻線へ平角線を適用した製品開発を行い、実用化いたしまし 
 た。従来方式では実現が困難であった大電流化に成功し、小型でありながら大トルク出力モータを可能にいたしまし
 た。

 

 (5) 研究所

 ① 主電動機用低コスト含浸樹脂の開発

 鉄道車両主電動機用に使用される高耐熱性の含浸樹脂材料は、その特殊性もあり、高コストが課題でありました。
 そのような背景から、高耐熱性とコストを両立すべく新規の含浸樹脂材料を研究中で、グローバル化も視野に入れ、
 幅広い視点で、汎用性の高い材料から物性の調査を実施し、有望な樹脂材料を探索しております。一日も早く実用化
 して性能、コスト両面で競争力の高い主電動機を実現してまいります。

 

 ② 角線レーザ溶接によるモータ製造コスト低減

  EDモータの固定子コイルの角線化、レーザ溶接採用による自動化を検討し、巻線工数の低減を目指しております。
 また、モータ極数及び導体サイズの適正化を行い、成立性の検討を行っております。

 

 ③ ワイヤレス電力伝送の研究

  電車の架線レスを目的として、ワイヤレスによる高効率な走行中電力伝送システムの研究を行っております。95%以
 上の効率で30kWの静止状態での電力伝送と、地上からのワイヤレス給電のみによるミニモデル電車の連続走行が実現
 できており、更なる効率アップと大容量化を図ってまいります。