第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社経営の基本方針

当社グループは、会社は株主・顧客及び取引先・社員等多数の関係者の協力のもとに成立した生命体であり、何よりも先ず継続し、健全に成長発展しなければならないとの認識にたち、以下の経営理念を掲げ実践し社業を発展させ株主及び関係者各位の付託と理解に応え、社員と喜びを共にすることを会社経営の基本方針としております。

・倫理を重んじ社会・顧客に貢献する
 ・進取創造の気風を養い未来に挑戦する
 ・品質第一に徹し信用を高める

また、これらを実現するために以下の行動指針を掲げ、事業活動を行っております。

・顧客に対しタイムリーかつスピーディーに応える
 ・何事にも先見性と創造性をもってチャレンジする
 ・常に自己啓発に励みスキルの向上に努める
 ・広い視野をもって互いに影響し合い成長する
 ・よき社会人・企業人として自覚と誇りをもって行動する
 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

当社グループは、2018年6月に「滋賀竜王製作所」を稼働するなど経営基盤の強化を進めてまいりましたが、採算の改善と製品開発や事業化へのスピード感が課題であるとの認識に立ち、2018年7月より、2022年を最終のターゲットとした4年間の中期経営計画「リ・バイタライズ2020(Revitalize2020)」を推進しております。当社は、この計画で掲げる基本方針のもと“稼ぐ力”を高め、利益を安定して生み出す“筋肉質な”事業運営体制を確立すべく、グループ一丸となって取組んでおります。中期経営計画「リ・バイタライズ2020(Revitalize2020)」にて掲げる当社の長期ビジョン、基本方針、主要施策及び目標とする経営数値は以下のとおりです。

 

<長期ビジョン>
 確固たる経営基盤のもと、創業以来の卓越したモータドライブ技術と躍進する先進技術を融合した高品質な
 製品をグローバルに提供していくことで、地球環境にやさしい社会インフラシステムの実現に貢献してまいり
 ます。
 <基本方針>
  東洋電機製造グループは、組織の力を強化し、高品質な製品を迅速に顧客に提供していくことで、利益を安定し
 て生み出す“筋肉質な”事業運営体制を確立します。
  前半の2年間(2019年5月期~2020年5月期)は足元を固める期間とし、喫緊の課題である採算の改善に注
 力します。後半の2年間(2021年5月期~2022年5月期)は売上高470億円超の達成に向けて成長を遂げる期
 間とし、新たなアライアンスやM&Aも視野に入れ、海外を含めて、事業を戦略的に展開していくことに注力
 します。

 

 

 

〔主要施策〕
(1)海外事業の拡大
  ① 相手国の経済と技術の発展状況に応じた事業戦略の見直し
  ② 東南アジアにおける産業事業の新規ビジネスの拡大
  ③ 新規都市交通プロジェクトへの戦略的な参画
(2)コア技術を活かした事業領域拡大
  ① 事業将来性と市場動向を見据えた事業化の推進
  ② 最新の技術革新成果を踏まえた新規事業の開拓
  ③ アライアンスやM&Aを活用した事業領域の拡大
(3)市場ニーズを先取りした技術開発の推進
  ① 市場分析力強化によるタイムリーな製品開発
  ② 基幹部品(製品)に対する新しい生産技術の確立
(4)安定した事業収益構造の構築
  ① 事業採算の改善に向けたコスト圧縮
  ② 全社的な活動による営業・工場体制の連携強化
  ③ “稼ぐ力”にこだわるグループ経営の推進
   a) グループ全体で“選択と集中”を推進
   b) グループ一体となった営業・生産体制の構築
(5)生産能力拡大に向けた基盤整備
  ① 基幹システムの機能を最大活用した工程管理の強化と最適な生産ラインの構築
  ② 生産ライン再構築による生産能力の拡大(横浜製作所)
  ③ 新生産ラインの稼働率向上(滋賀竜王製作所)
  ④ サプライチェーンの再構築
  ⑤ BCP(事業継続計画)のレベルアップ
(6)将来を担う人材の育成
  ① 組織活性化に向けた人事ローテーション制度の制定と実施
  ② 次世代幹部社員と海外勤務社員の育成強化
  ③ 組織のキーマンとなる若手管理職の早期育成
(7)ESGの推進
  ① 事業活動に伴う環境負荷低減の取組みを推進
  ② 働き方改革の推進
  ③ コーポレートガバナンスの充実

 

 

〔目標とする経営数値〕

 目標とする経営数値は、売上高・利益(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)のほか海外関連会社の事業拡大による持分法投資利益、経営効率の指標であるROEおよび配当性向とします。

①全社

 

 

 

 

 

(単位:億円)

 

 

2020年5月期

 

2022年5月期

(計画)

 

 

(計画)

(実績)

 

 

売上高

420

390 

 

470超 

 

営業利益

(営業利益率)

9.0 

(2.1%)

10.6

(2.7%)

 

20 

(4.3%)

 

経常利益

11.0 

12.0 

 

24 

 

純利益

9.0 

10.8 

 

16 

 

持分法投資利益

1.2

△0.3 

 

4.0 

 

ROE(自己資本当期純利益率)

3.3% 

4.4% 

 

5.0% 

 

配当性向

30.0% 

24.8% 

 

30.0% 

 

 

②セグメント売上高

 

交通事業

267

242

 

310

 

産業事業

138

130

 

150

 

情報機器事業

15

17

 

10

 

(注)2022年5月期(計画)については、新型コロナウイルス感染症が国内外で拡大していることに伴い、当社業績
   への影響も予想されることから、今後、見直しを予定しております。

 

(3) 経営環境、優先的に対処すべき課題

 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、限定的ではありますが事業環境に変化が起きております。
 交通事業では、主要顧客である国内鉄道事業者において、旅客輸送量が大きく落ち込むなどの状況にあり、一部に発注の延期などの影響が見られます。海外においては、現時点では目に見える影響は出ておりません。
 産業事業では、需要の減退により事業環境が悪化している業種において、設備投資に慎重な顧客もあることから、受注面での影響が見られます。また、対面での折衝が難しくなり、海外受注や技術提案などの営業活動面で一部支障が出ております。売上面では、海外案件を中心に、現地試運転調整の延期による検収・引渡し時期の遅れが生じるなどの影響が出てきております。なお、2019年6月に中国に設立した中稀東洋永磁電機有限公司の工場稼動時期に2~3ヶ月の遅れが出ていますが、9月の生産開始を目指して推進しております。
 情報機器事業では、現時点で特段の影響は見られません。
 
 このような状況を踏まえ、当社グループは、営業活動本格再開時に備えて、技術提案や製品開発の強化、製品品質向上活動の推進とともに、従業員の働き方を見直す活動を進めております。
 なお、現時点では、今後の当社グループの業績に与える影響を合理的に算定することが困難であることから、業績予想を未定としております。今後、業績の予想を合理的に算定することが可能となった時点で速やかに公表いたします。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは積極的な情報開示の観点からリスクを幅広く捉えて開示しています。業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。これらのリスクを十分認識した上で必要なリスク管理体制を整えてリスク発生の回避ならびに発生時の影響の極小化に努めます。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 国内外の経済動向の変化

当社グループは売上の大半を交通事業部門と産業事業部門に依存しています。当社グループのお客様は国内外において事業を展開しています。そのため、各国の景気や個人消費の動向などの経済状態が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 大規模な災害・感染症等の発生

当社グループの生産拠点は、交通事業関係では関東地区に、産業事業関係では関西地区に集中しています。いずれかの地区で大規模な災害や感染症等が発生した場合には、当社グループの生産能力に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な災害や感染症の発生等によりサプライチェーン全体に支障をきたしたり、受注動向に影響を及ぼしたりすることで、当社の生産や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
 2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症が国内外で拡大しております。当社グループでは、時差出勤や在宅勤務の実施など、従業員の安全、健康を第一に考えながら、生産への支障を可能な限り抑えつつ、感染拡大防止に寄与する取り組みを実施しており、現時点で事業運営への影響は限定的となっています。ただし、当社の受注には一部影響が見られており、2021年5月期の業績に与える影響を合理的に算定することが困難であることから、現時点では業績予想を未定としております。今後、業績の予想を合理的に算定することが可能となった時点で速やかに公表いたします。

(3) 競争の激化

交通事業部門は国内市場の成熟により競争が激化しています。また、産業事業部門は製品開発競争が激化しています。これらの競争の激化が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 大規模な損害賠償の発生

製品の欠陥等に起因して大規模な損害賠償が発生し、保険で補填できない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 製品開発の遅延

お客様にとって魅力的な製品を提供するために、お客様のニーズを収集し、将来の当社グループの成長を支える新製品の開発に努めています。しかし、急激な技術変化・環境変化に対応した製品の開発が遅れた場合には当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 資材の供給遅延等

事業の特殊性から外注先が限定されるなど調達のアベイラビリティが低い資材があり、供給遅延・製造中止により、生産に影響を及ぼす可能性があります。また、鋼材・銅など原材料価格の変動も当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 海外情勢の変化

当社グループは中国をはじめとする海外市場へ積極的に事業展開をしています。海外情勢に重大な変化が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 訴訟等の発生

当社グループに対する訴訟及びその他法的手続きが発生した場合は、当社グループの事業運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。特に、知的財産権に関しては、当社グループは知的財産権の保護に注意を払っておりますが、技術革新のスピードが速く事業のグローバル化が進展する中で、知的財産権を巡って第三者との係争が発生する可能性があります。

(9) アライアンス先との関係

当社グループは、事業の拡大と競争力の強化に向け、第三者とのアライアンスに積極的に取り組んでいます。しかし、アライアンス先との関係構築が上手く行かず想定した成果が得られない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 為替レートの変動

海外市場へ積極的に事業展開をしている当社グループにとって、外国通貨建ての取引が増加した場合には、為替レートの変動による当社グループの業績等への影響が大きくなります。

(11) 保有資産価値の変動

当社グループが保有する資産について時価の変動があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12) 金融情勢の変化

予期せぬ金融情勢の変化があった場合には、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 機密情報の流出

当社グループは事業遂行に関連してお客様から情報提供を受けております。また、当社グループ固有の技術・営業に関する機密情報を多数保有しています。予期せぬことからこれらの情報が流出した場合には当社グループの事業運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(14) 国内外の法令・規制

当社グループは中国をはじめとする海外市場へ積極的に事業展開をしており、国内法だけでなく各国の法令・規制の適用を受けています。コンプライアンスには十分な体制を整えて対応しておりますが、当社グループの事業運営や業績等に予期せぬ影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

 ①経営成績

 当連結会計年度(2019年6月1日~2020年5月31日)における我が国経済は、前半は、米中通商問題の長期化や中東情勢、日韓関係に起因する不確実性の拡大により、製造業を中心に設備投資に慎重さが見られ、後半は、本年1月半ばから急増し始めた新型コロナウイルス感染症の影響により、世界中で経済活動に停滞が見られました。一方、当社グループを取り巻く経営環境は、概ね期初想定の範囲内で推移いたしました。交通事業では、国内の鉄道車両の置き換え需要が引き続き堅調で、中国の需要も先行きに不透明感はあるものの、緩やかな回復傾向となりました。産業事業では、世界経済の下振れリスクへの懸念や経済活動の制限の影響により、4月以降、特に加工機向けや印刷機向けにおいて案件の先送りが見られました。情報機器事業では、消費税率改定が予定どおり10月に実施され、それに伴うソフトウエア改修の特別需要がありました。
 こうした中、当社グループは2018年7月にスタートさせた中期経営計画「リ・バイタライズ2020(Revitalize2020)」に基づき、組織の力を強化し、高品質な製品を迅速に顧客に提供していくことで、利益を安定して生み出す“筋肉質な”事業運営体制を確立すべく、グループ一丸となって取組んでいます。

 

 当連結会計年度における業績は次のとおりです。


 受注高は、前年同期比5.3%減の385億27百万円となりました。
 売上高は、前年同期比5.1%減の390億71百万円となりました。
 損益面では、営業利益は前年同期比91.5%増の10億68百万円、経常利益は同143.5%増の12億7百万円、親会社株主

 に帰属する当期純利益は一部の政策保有株式の圧縮に努めた結果、同56.7%増の10億81百万円となりました。

 

 報告セグメント別の状況は次のとおりです。

<交通事業>
 受注高は、民鉄向け、中国を除く海外向けが減少したことから、前年同期比1.4%減の257億12百万円となりました。
 売上高は、JR向け、民鉄向けが減少したことから、前年同期比10.9%減の242億69百万円となりました。
 セグメント利益は、原価管理の強化、経費の抑制に努めたことから、前年同期並みの24億74百万円となりました。
 

 

<産業事業>
 受注高は、昨年受注した新事業大型案件(電源関係)の反動減に加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受注活動の停滞などがあり、前年同期比12.7%減の111億98百万円となりました。
 売上高は、試験機向け、電源向けが増加したことから、前年同期比5.5%増の130億23百万円となりました。
 セグメント利益は、原価管理、工程管理の強化及び経費の圧縮に努めたことから、前年同期比55.1%増の10億8百万円となりました。
 

<情報機器事業>
 受注高は、前半は消費税率改定や春のダイヤ改正に伴うソフトウエア改修、複合発行機の増加があったものの、後半は主だった案件がなかったことにより、前年同期比8.2%減の16億11百万円となりました。
 売上高は、消費税率改定や春のダイヤ改正に伴うソフトウエア改修、複合発行機の増加があったことから、前年同期比11.9%増の17億72百万円となりました。
 セグメント利益は、売上高と同様の事由により、前年同期比58.6%増の4億60百万円となりました。
 
 (注)報告セグメント別の売上高については、「外部顧客への売上高」であり、「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含みません。

 

②財政状態

 (資産の部)

  当連結会計年度末における資産合計については、現金及び預金の増加10億53百万円がありましたが、有形固定資産の減少7億58百万円、投資有価証券の減少24億21百万円等があり、前連結会計年度末より28億36百万円減少し551億65百万円となりました。

 (負債の部)

  当連結会計年度末における負債合計については、借入債務の減少8億71百万円、繰延税金負債の減少6億23百万円などがあり、前連結会計年度末より22億15百万円減少し309億81百万円となりました。

 (純資産の部)

  当連結会計年度末における純資産合計については、その他有価証券評価差額金の減少14億48百万円などがあり、前連結会計年度末より6億20百万円減少し241億83百万円となりました。
 

 ③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より10億53百万円増加し32億93百万円となりました。各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローはたな卸資産の減少などにより、21億48百万円の増加(前年同期は37億20百万円の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは固定資産の取得6億47百万円などがありましたが、投資有価証券の売却による収入11億32百万円があり、41百万円の増加(前年同期は10億19百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

短期借入金の返済などにより11億26百万円の減少(前年同期は20億12百万円の増加)となりました。

 

  (当社グループの資本の財源及び資金の流動性)

  生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

交通事業

24,341

△9.3

産業事業

12,539

7.3

情報機器事業

2,208

47.6

その他

合計

39,089

△2.3

 

(注) 金額は販売価格により、消費税等は含まれておりません。

 

 b. 受注実績

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

交通事業

25,712

△1.4

24,108

6.7

産業事業

11,198

△12.7

5,358

△25.4

情報機器事業

1,611

△8.2

539

△23.0

その他

5

△58.8

合計

38,527

△5.3

30,006

△1.6

 

(注) 金額は販売価格により、消費税等は含まれておりません。

 

 c. 販売実績

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

交通事業

24,269

△10.9

産業事業

13,023

5.5

情報機器事業

1,772

11.9

その他

5

△58.8

合計

39,071

△5.1

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 ①財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度における経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載のとおりです。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第2 事業の状況 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (3) 経営環境、優先的に対処すべき課題」に記載のとおりです。

 

 ②資本の源泉および資金の流動性に係る情報

 当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資です。
 当社グループの資本の源泉および資金の流動性については、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、営業活動によるキャッシュ・フローおよび内部資金の活用と各事業年度における事業計画の資金計画に基づいて設定した枠内で適時適切に必要な資金を取引金融機関より調達しています。取引金融機関とは当座貸越契約を締結しており、資金流動性を確保しつつ、効率的かつ機動的な資金調達を可能としております。
 また、当社グループは国内連結子会社5社との間でCPS(キャッシュ・プーリング・システム)を導入しており、各社における余剰資金と借入金の一元管理を行うことで資金効率の向上を図っています。
 

 

 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。
 当社は、特に以下の会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております。
 a.固定資産の減損処理
 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価格を下回る場合には、帳簿価格を回収可能価格まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる場合があります。
 
 b.繰延税金資産
 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を慎重に計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当する事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っております。

なお、研究開発費は、総額で792百万円であり、その内訳は、交通事業部288百万円、産業事業部154百万円、情報機器事業部7百万円、その他(共通)342百万円であります。

 

当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 

 (1) 交通事業部門

 ① 高周波絶縁型補助電源装置(SIV)の開発

高周波絶縁型補助電源装置にSiC素子を適用し、低スイッチング損失特性を活かすことで、素子損失増加を抑えつつ変圧器印加電圧をより高周波化し、補助電源装置全体のさらなる小型・軽量化を実現いたしました。体積、質量は従来同一出力クラス品より約60%減を実現いたしました

 

 ② 空転安定化制御を適用した車両用VVVF装置の開発

空転時に再粘着のために積極的にトルクを引き下げずに、空転状態を安定的に維持して自己再粘着を期待する手法として、すべり加速度のフィードフォワード手法による空転安定化制御を提案いたしました。現車試験の結果、一部台車振動の誘発が見られたものの、加速度と乗り心地の両立を確認し、さらにブレーキ時の電空協調でも有効に安定化可能なことを確認いたしました。

 

 (2) 産業事業部門

 ① インタイヤハウスダイナモの開発

従来より、開発を進めてまいりました「扁平型ダイナモ」について、自動車のタイヤハウス内に設置し、従来からのローラ型シャーシダイナモを代替できる製品として、名称を「インタイヤハウスダイナモ」として、実際の使用を想定し、走行モードでの評価試験を進めました。試験結果を従来のローラ型シャーシダイナモでのデータの比較などにより、実用化を目指し進めております。

 

 ② EV/HEVシステム試験用スレンダー形高速モータの開発

電気自動車やハイブリッド車の駆動システムの試験用として、最高速度20000回転/分のスレンダー形高速モータを開発いたしました。従来の20000回転/分高速モータをベースに、モータのフレーム外径を小径化し、更に一部フレー ムを切欠き構造とすることにより、試験対象となる駆動システムの入力軸と出力軸の間の軸間距離に合わせたレイアウトが可能となり、実際に車載された状態と同様の構成を再現して試験することが可能となります

 

 (3) 情報機器事業部門

 ① 駅務機器の共通データ、共通プログラムの開発

各種駅務機器で使用する運賃ソフト(データ・プログラム)を共通化することによって、運賃改定の改修コストの削減が見込めます。また、運賃算出処理の品質向上も期待できます。現在は基本設計およびシステム移行の検討が完了し、今後、詳細設計及びプログラム・データの入力作業を行い、製品への適用を実現してまいります

 

 (4) 事業開発部

 ① 遠隔監視装置の機能拡充

現在、販売中の遠隔監視用端末(IORemoter)をベースに、機能拡充を行ったIORemoterⅡを開発、製品化いたしました。拡充された主な機能としては、SIMフリー、デュアルSIMに対応し、これにより監視システムの構築にあたって海外を含む複数の通信キャリアを利用することが出来るようになりました。また、監視対象のデータを収集、管理するデータロガーについても、監視対象や監視情報の増加に対応するため、小型化(第2世代)、低価格化に取り組み、開発を進めております。

 

 

 ② 車載用昇降圧コンバータの開発

車載用電子部品で構成した昇降圧コンバータを開発いたしました。電力変換回路にインターリーブ方式を採用し、スイッチングを位相差制御することにより入出力リプル電流の抑制が可能となり、リアクトル、キャパシタを小容量化することができました。インバータに使用している素子と同じパッケージ品を選定することで、部品の共通化とともにコンパクトに構成できるなど、小型化も実現いたしました

 

 (5) 研究所

 ① 角線レーザ溶接によるモータ製造コスト低減

EDモータのコイルの角線化とレーザ溶接の自動化で巻線工数の低減を目指し、中型から大型機種の範囲でモータ極数及び導体サイズの適正化を完了しております。

 

 ② 車両用歯車装置の潤滑油密閉性向上

歯車箱内の潤滑油かき上げ解析やラビリンス構造の流体解析及び潤滑油ミスト発生メカニズムの解明に取り組みました。また、やまば歯車採用とショットピーニング処理での歯車強度アップによる狭小化でラビリンス構造の改良を行い、歯車装置の潤滑油密閉性向上を進めております。