(1) 会社経営の基本方針
当社グループは、以下に示す経営理念およびサステナビリティ方針を会社経営の基本方針として取り組んでおります。
①経営理念
東洋電機グループは下記の経営理念を掲げ社業を発展させ株主及び関係者各位の付託と理解に応え社員と喜びを共にする
・倫理を重んじ社会・顧客に貢献する
・進取創造の気風を養い未来に挑戦する
・品質第一に徹し信用を高める
<行動指針>
1 顧客に対しタイムリーかつスピーディーに応える
2 何事にも先見性と創造性をもってチャレンジする
3 常に自己啓発に励みスキルの向上に努める
4 広い視野をもって互いに影響し合い成長する
5 よき社会人・企業人として自覚と誇りをもって行動する
②サステナビリティ方針
当社グループは、鉄道車両電機品の国産化を目的に1918年に創立されて以来、鉄道を始めとした社会インフラや生産設備へ電機設備やサービスを提供することで、広く社会の発展に貢献をしてきました。一方、近年では、気候変動を始めとする地球環境の悪化や、貧困・格差などの社会のひずみが大きな問題となり、これらの解決が、持続的に社会を発展させるために重要な課題となってきています。
当社グループは、経営理念において社会への貢献を掲げ、環境理念において重要課題として地球環境保全への取組みを掲げておりますが、これらの理念を実現し、社会の持続的な発展に貢献するための取組みの指針として、2021年4月にサステナビリティ方針として制定いたしました。
当社グループの経営理念、環境理念を基本とし、当社の取組みと、2015年の国連サミットにて採択された国際目標であるSDGsの実現とのかかわりを、「製品・サービスにおける取組み」、「生産活動における取組み」、「人と地域を大切にする取組み」の3つの視点から整理し、当社グループの事業や活動が生み出す様々な影響を評価しながら、進めてまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
①「リ・バイタライズ2020(Revitalize2020)」前半2年間の成果と後半2年間の課題
2019年5月期よりスタートした中期経営計画「リ・バイタライズ2020(Revitalize2020)」は、利益を安定して生み出す“筋肉質な”事業運営体制の確立を目指し、前半の2年間(2019年5月期~2020年5月期)は、足元を固める期間と位置付け、後半の2年間(2021年5月期~2022年5月期)は、売上高470億円超の達成やROE5%の水準を確保することなどを目指した成長を遂げる期間とし取組みを進めていくことにしておりました。
前半2年間については、喫緊の課題であった採算の改善に注力した結果、当初目指した利益の目標やROEの改善等、所期する成果を挙げることができましたが、2021年5月期より始まった後半2年間においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大などによる経営環境の大幅な変化により、当初の計画を見直す必要が生じました。
②経営環境の変化
2021年5月期における経営環境は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う緊急事態宣言発出の影響等により年度を通じて厳しい状況が続きました。国内外の経済活動が制限される中、観光需要が大きく減少したことに加え、テレワークの普及などもあり、鉄道事業者の輸送人員は大きく減少し鉄道車両の新造や置換計画の一部延期、製造業においても先行き不透明感により設備投資の見合わせなどがありました。また、顧客への直接の訪問や海外への渡航が制限を受けたことなどにより、営業活動自体にも制約を受けました。後半においては、国内外において感染拡大の防止策や大規模な経済対策などの効果もあり、一定の回復も見られました。中でも中国においては、いち早く新型コロナウイルス感染症の影響が収束したことから、景気の回復が続いています。国内外の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念も残る等、依然として先行き不透明感は強いものの、ワクチン接種を始めとする各種政策の効果や中国をはじめとする海外経済の回復の動きもあり、設備投資に持ち直しの兆しも見られます。特に中国における鉄道インフラ需要の回復、中でも高速鉄道、都市交通のメンテナンス需要については今後の回復に向けた動きも出始めております。
また、「ポストコロナ」に向けた新たな顧客ニーズが顕在化しつつある中、日本政府が「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表するなど、サステナビリティを巡る課題に対する取組みが本格化してきました。鉄道や生産設備、電源装置などの社会インフラを提供する当社は、IoT技術のメンテナンス分野への活用や、脱炭素社会の実現に資する製品・サービスの提供などで、貢献ができると考えております。
③「リ・バイタライズ2022(Revitalize2022)」の概要
こうした経営環境の大きな変化を受けて、当社は2021年1月に中期経営計画を見直し、「リ・バイタライズ2022(Revitalize2022)」として発表いたしました。
ア、位置付け
当初、前半2年間の採算改善の成果の上に立って後半2年間(2021年5月期~2022年5月期)を「成長を遂げる期間」としていましたが、経営環境の大きな変化を踏まえ「稼ぐ力を蓄積し成長軌道に戻す期間」と位置付け直し、当初の目標であった「売上高470億円超、営業利益20億円、ROE5%確保」を2023年5月期から始まる次期中期経営計画期間において2年以内に達成するための基盤を整備します。
イ、基本的な考え方
当初の「組織の力を強化し、高品質な製品を迅速に顧客に提供していくことで、利益を安定して生み出す“筋肉質な”事業運営体制を確立する」ため、7つの基本方針は継続し、一部の主要施策を経営環境の変化を踏まえて見直しました。引き続き売上規模の拡大や採算改善に向け、継続的な取組みを進めてまいります。
ウ、基本方針と主要施策
(1)海外事業の拡大
① 相手国の経済と技術の発展状況に応じた事業戦略の見直し
② 東南アジアにおける産業事業の新規ビジネスの拡大
③ 新規都市交通プロジェクトへの戦略的な参画
④ 産業用モータ中国市場への展開
(2)コア技術を活かした事業領域拡大
① 事業将来性と市場動向を見据えた事業化の推進
② IoT技術のメンテナンス分野への活用推進
③ アライアンスやM&Aを活用した事業領域の拡大
(3)市場ニーズを先取りした技術開発の推進
① 脱炭素社会の実現に貢献する製品開発と早期市場投入
② 自動車の電動化、自動運転に資する試験装置開発の推進
③ ワイヤレス給電技術の早期製品化
④ 基幹部品(製品)に対する新しい生産技術の確立
(4)安定した事業収益構造の構築
① 営業利益を意識した事業採算の改善
② 管理・営業・工場が一体の固定費の削減
③ “稼ぐ力”にこだわるグループ経営の推進
a) グループ全体で“選択と集中”を推進
b) グループ一体となった営業・生産体制の構築
(5)生産能力拡大に向けた基盤整備
① 基幹システムの機能を最大活用した工程管理の強化と最適な生産ラインの構築
② 生産ライン再構築による生産能力の拡大(横浜製作所)
③ エネルギー効率を意識した生産方法の検討
④ サプライチェーンの再構築
⑤ コロナ禍にも対応できるBCPの確立
(6)将来を担う人材の育成
① 組織活性化に向けた人事ローテーションの推進
② 次世代幹部社員と海外勤務社員の育成強化
③ 組織のキーマンとなる若手管理職の早期育成
(7)ESGの推進
① サスティナビリティ方針とロードマップの制定
② 働き方改革の推進
③ コーポレートガバナンスの充実
〔目標とする経営数値〕
新型コロナウイルス感染症による受注活動への影響のほか、2022年5月期までの期間を「稼ぐ力を蓄積し成長軌道に戻す期間」として基盤を整備すべく、次のとおりといたしました。なお、当初の目標であった「売上高470億円超、営業利益20億円、ROE5%確保」については、2023年5月期から始まる次期中期経営計画期間において2年以内に達成することを目指します。
①全社
②セグメント売上高
(3) 経営環境、優先的に対処すべき課題
国内外の経済状況は、変異株による感染症の再拡大の懸念など、依然として厳しい状況にあるものの、各種政策の効果や中国をはじめとする海外経済に回復の動きもあり、持ち直しの兆しも見られます。国内外で感染拡大の防止策やワクチン接種が促進される中で、今後、新型コロナウイルス感染症の収束による移動制限の緩和が進むことで、個人消費や設備投資の回復が期待されます。
交通事業においては、移動需要の減少に加えて、一層の人口減少や高齢化の進展等により、国内の鉄道利用者は、以前の水準には戻らないと予想されているものの、中国においては、高速鉄道の旅客数が概ね以前の水準に回復しており、高速鉄道や都市交通のメンテナンス需要の回復が期待できます。また、東南アジア等中国以外の海外案件についても活発な動きが出始めています。産業事業においては、生産設備や印刷機は以前の水準に戻りつつあり、米国や中国、韓国からの引合いも増加してきています。また、脱炭素を始めとするサステナブルな社会の実現に向けた取組みが加速しており、自動車の電動化や自動運転に対応した試験装置、分散電源装置や非常用発電装置などインフラ設備の増強などが期待されます。情報機器事業においても、デジタル化や非接触の要求への高まりから、ローカル線も含めたIC乗車券対応が求められてきており、IC車載端末などの拡大が期待されています。
このような状況を踏まえ、当社グループは、中期経営計画「リ・バイタライズ2022(Revitalize2022)」の主要施策として掲げた、技術提案や製品開発の強化、事業採算の改善、人材の育成を進めるとともにサステナビリティの具体的な目標としてロードマップの検討活動を進めてまいります。
当社グループは積極的な情報開示の観点からリスクを幅広く捉えて開示しています。業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。これらのリスクを十分認識した上で必要なリスク管理体制を整えてリスク発生の回避ならびに発生時の影響の極小化に努めます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 国内外の経済動向の変化
当社グループは売上の大半を交通事業部門と産業事業部門に依存しています。当社グループのお客様は国内外において事業を展開しています。そのため、各国の景気や個人消費の動向などの経済状態が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 大規模な災害・感染症等の発生
当社グループの生産拠点は、交通事業関係では関東地区に、産業事業関係では関西地区に集中しています。いずれかの地区で大規模な災害や感染症等が発生した場合には、当社グループの生産能力に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な災害や感染症の発生等によりサプライチェーン全体に支障をきたしたり、受注動向に影響を及ぼしたりすることで、当社の生産や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症が国内外で拡大しております。当社グループでは、時差出勤や在宅勤務の実施など、従業員の安全、健康を第一に考えながら、生産への支障を可能な限り抑えつつ、感染拡大防止に寄与する取り組みを実施しており、全体として事業運営への影響は限定的となっていますが、移動や海外渡航の制限を受けていることから、受注や売上に一部影響が見られております。現在公表している当社の業績予想はこれらの影響を考慮しておりますが、今後想定以上の感染再拡大などが発生した場合、更なる影響を受ける可能性があります。
(3) 競争の激化
交通事業部門は国内市場の成熟により競争が激化しています。また、産業事業部門は製品開発競争が激化しています。これらの競争の激化が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 大規模な損害賠償の発生
製品の欠陥等に起因して大規模な損害賠償が発生し、保険で補填できない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 製品開発の遅延
お客様にとって魅力的な製品を提供するために、お客様のニーズを収集し、将来の当社グループの成長を支える新製品の開発に努めています。しかし、急激な技術変化・環境変化に対応した製品の開発が遅れた場合には当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 資材の供給遅延等
事業の特殊性から外注先が限定されるなど調達のアベイラビリティが低い資材があり、供給遅延・製造中止により、生産に影響を及ぼす可能性があります。また、鋼材・銅など原材料価格の変動も当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 海外情勢の変化
当社グループは中国をはじめとする海外市場へ積極的に事業展開をしています。海外情勢に重大な変化が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟等の発生
当社グループに対する訴訟及びその他法的手続きが発生した場合は、当社グループの事業運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。特に、知的財産権に関しては、当社グループは知的財産権の保護に注意を払っておりますが、技術革新のスピードが速く事業のグローバル化が進展する中で、知的財産権を巡って第三者との係争が発生する可能性があります。
(9) アライアンス先との関係
当社グループは、事業の拡大と競争力の強化に向け、第三者とのアライアンスに積極的に取り組んでいます。しかし、アライアンス先との関係構築が上手く行かず想定した成果が得られない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 為替レートの変動
海外市場へ積極的に事業展開をしている当社グループにとって、外国通貨建ての取引が増加した場合には、為替レートの変動による当社グループの業績等への影響が大きくなります。
(11) 保有資産価値の変動
当社グループが保有する資産について時価の変動があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 金融情勢の変化
予期せぬ金融情勢の変化があった場合には、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 機密情報の流出
当社グループは事業遂行に関連してお客様から情報提供を受けております。また、当社グループ固有の技術・営業に関する機密情報を多数保有しています。予期せぬことからこれらの情報が流出した場合には当社グループの事業運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 国内外の法令・規制
当社グループは中国をはじめとする海外市場へ積極的に事業展開をしており、国内法だけでなく各国の法令・規制の適用を受けています。コンプライアンスには十分な体制を整えて対応しておりますが、当社グループの事業運営や業績等に予期せぬ影響を及ぼす可能性があります。
①経営成績
当連結会計年度(2020年6月1日~2021年5月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響とそれに伴う3度にわたる緊急事態宣言発出の影響等により年度を通じて厳しい状況が続きました。国内外の経済活動が制限される中、観光需要が大きく減少したことに加え、テレワークの普及などもあり、鉄道事業者の輸送人員は大きく減少しました。また、製造業においても先行き不透明感により設備投資の見合わせなどがありました。後半においては、国内外において感染拡大の防止策や大規模な経済対策などの効果もあり、一定の回復も見られました。中でも中国においては、いち早く新型コロナウイルス感染症の影響が収束したことから、景気の回復が続いています。
このような環境の中、当社グループは鉄道事業者における車両の新造・置換計画や製造業における設備更新計画の見直し・先送りが一部で見られるなど、受注及び売上に影響を受けました。
この結果、当連結会計年度における業績は次のとおりです。
受注高は、前期比22.0%減の300億55百万円となりました。
売上高は、前期比15.2%減の331億43百万円となりました。
損益面では、営業利益は、前期比60.3%減の4億23百万円、経常利益は同37.3%減の7億57百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同9.6%減の9億77百万円となりました。
報告セグメント別の状況は次のとおりです。
<交通事業>
新型コロナウイルス感染症の影響により、鉄道事業者の車両の新造・置換計画の先送りが一部に生じていることから、受注及び売上に影響が出ております。
受注高は、JR向けは増加したものの、民鉄向け、中国向け、及び海外(中国以外)向けが減少したことから、前期比26.8%減の188億18百万円となりました。
売上高は、JR向けは増加したものの、民鉄向け、中国向け、及び海外(中国以外)向けが減少したことから、前期比11.3%減の215億28百万円となりました。
セグメント利益は、原価管理や工程管理の強化に取り組んだものの、売上高や子会社利益の減少により、前期比10.6%減の22億11百万円となりました。
<産業事業>
新型コロナウイルス感染症の影響により、設備新設・更新の先送りが見られたことに加え、顧客と接する活動の制約もあり、受注及び売上に影響が出ております。
受注高は、試験機向けが前期並みを確保したものの、加工機向けが減少したことから、前期比5.4%減の105億97百万円となりました。
売上高は、主に試験機向け及び電源向けが減少したことから、前期比19.1%減の105億41百万円となりました。
セグメント利益は、原価管理の強化に努めたものの、売上高減少の影響等により、前期比28.8%減の7億18百万円となりました。
<情報機器事業>
受注高は、新型コロナウイルス感染症の影響に加えて、前期の消費税率改定に伴うソフトウエア改修需要の反動減等により、前期比60.7%減の6億33百万円となりました。
売上高は、受注高と同様の事由により、前期比39.8%減の10億67百万円となりました。
セグメント利益は、売上高が減少したことから、前期比41.9%減の2億67百万円となりました。
(注)報告セグメント別の売上高については、「外部顧客への売上高」であり、「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含みません。
②財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計については、現金及び預金の増加6億70百万円がありましたが、売上債権の減少15億54百万円、投資有価証券の減少16億2百万円などがあり、前連結会計年度末より31億98百万円減少し519億67百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計については、仕入債務の減少17億27百万円、借入金の減少7億7百万円などがあり、前連結会計年度末より30億23百万円減少し279億58百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計については、利益剰余金の増加7億9百万円がありましたが、その他有価証券評価差額金の減少9億24百万円などがあり、前連結会計年度末より1億74百万円減少し240億8百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より6億70百万円増加し39億64百万円となりました。各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは売上債権の減少などにより17億76百万円の増加(前期は21億48百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得などにより1億55百万円の減少(前期は41百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは借入金の返済などにより9億71百万円の減少(前期は11億26百万円の減少)となりました。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)
生産、受注及び販売の実績
(注) 金額は販売価格により、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
(注) 金額は販売価格により、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載のとおりです。
また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第2 事業の状況 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (3) 経営環境、優先的に対処すべき課題」に記載のとおりです。
②資本の源泉および資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資です。
当社グループの資本の源泉および資金の流動性については、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、営業活動によるキャッシュ・フローおよび内部資金の活用と各事業年度における事業計画の資金計画に基づいて設定した枠内で適時適切に必要な資金を取引金融機関より調達しています。取引金融機関とは当座貸越契約を締結しており、資金流動性を確保しつつ、効率的かつ機動的な資金調達を可能としております。
また、当社グループは国内連結子会社5社との間でCPS(キャッシュ・プーリング・システム)を導入しており、各社における余剰資金と借入金の一元管理を行うことで資金効率の向上を図っています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当する事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っております。
なお、研究開発費は、総額で
当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。
(1) 交通事業部門
① 三次元的な台車挙動を考慮した空転再粘着制御の開発
鉄道車両の粘着空転現象に対する台車のダイナミクスの影響を解明するため、三次元モデルの構築を行い、空転再粘着時のトルク引き下げによる車空転誤検知や、トルク引き下げ不足による連続的な空転の発生による再粘着失敗といった現象を再現できました。特に台車軸ばね減衰が低い場合はトルク引下係数の最適な値の選定が重要であることが確認されました。
② 制御ユニットを高機能化した車両用VVVF装置の開発
インバータ制御は従来と同じ速度センサレスベクトル制御であり、制御ユニットを高機能化して処理速度を従来の約3倍とし、大容量メモリを搭載した。これにより,空転・滑走時の高速な再粘着制御や、高精度のモニタデータ記録、長時間の動態記録などを可能としました。
③ 海外向けADD付き集電装置の開発
国内向けパンタグラフをベースに緊急降下機能(ADD:Automatic Dropping Device)付き空気上昇式パンタグラフを開発しました。小型・軽量化および保守の軽減を目的としたシングルアーム形であり、動作方式は空気上昇・ばね下降方式とし、高速走行(設計最高速度160km/h)に対応するためオイルダンパを装備しています。
(2) 産業事業部門
① インタイヤハウスダイナモの開発
自動車のタイヤハウス内に設置が可能なインタイヤハウスダイナモを、シャーシダイナモへの適用に向けて検討を進めています。
インタイヤハウスダイナモの量産化に向け、部品の内製化、組立作業性向上のための見直しを実施しました。さらに、インタイヤハウスダイナモを車両に取付/取外しする際の作業性向上について検討しました。
② EV/HEVシステム試験用スレンダー形高速モータの開発
電気自動車やハイブリッド車の多軸の駆動システム試験用モータを開発中です。これは、開発済みの20000回転/分のダイナモ用モータをベースに、モータのフレームを小径にし、一部フレームを切欠き構造に変更するモータです。このモータにより、実際に車載された状態と同様の構成を再現して試験することが可能となります。
形状や巻線の見直しにより、開発済みダイナモ用モータよりも効率が向上し、小型化の実現に目途が付き、製品化に向けて進めています。
③ 690V大容量モータ/インバータの開発
海外や国内の加工機システムの大容量化により増加している690V電源に対応したモータおよびインバータの開発を進めています。
モータについては、現行の400V電源の誘導モータをベースとし、690V化したモータを開発しました。ラインナップ含め、製品化に向けて進めています。
インバータおよびその電源となるコンバータについては、試作機の評価試験を進めております。
(3) 情報機器事業部門
① 駅務機器の共通データ、共通プログラムの開発
各種駅務機器の運賃算出処理に必要な運賃データ(駅、運賃など)と運賃計算プログラムを一元化した共通データ、共通プログラムが完成しました。機器ごとの範囲で作成していた運賃データと運賃計算プログラムを共通化することにより、運賃改定の改修コストの削減が見込めるとともに品質向上も期待できます。また、これら共通データ・共通プログラムをサーバに搭載することでシンクライアント化も可能となります。
(4) 事業開発部
① IoT端末の開発と機能拡充
クラウドについて、これまでの自社クラウドに加えて、大手クラウドサービスである、Amazon Web Service、Microsoft Azure、Alibaba Cloudとの接続が可能となりメニューの拡充を実施しました。
IoT端末は、5G対応次世代端末の開発に着手、時代の変化とともに、求められる機能に対応しつつ、IORemoterⅡから次世代機へと、信頼性を高めより堅牢な端末を提供できる開発を進めています。
② 分散電源
産業事業部門と共同で、すでに製品化している系統連系インバータVF66Gに、分散電源に対する系統連系規定に対応したソフト開発を行いました。
③ EDM海外生産対応
中国に設立した合弁会社「中稀東洋永磁電機有限公司」にて量産する永久磁石型同期電動機CTEDMのシリーズ化に向け、研究所、産業事業部門と生産をサポートしています。中国の規格への対応や、現地生産設備に適した部品設計への見直しなどを行い、IP55対応1500回転仕様の3機種が先行リリースされました(19型18.5kW、27型45kW、31型90kW)。
シリーズ予定である7.5kW~200kWの生産に向け、産業事業部門と対応を進めています。
(5) 研究所
① 鋳物歯車箱の自動バリ取装置の開発
鉄道車両用のギア装置を収納する鋳物歯車箱は多品種少量生産であるため人手によってバリ取作業が行われています。本開発では、人の目の役目をする3次元センサーを導入し、ロボットアームによるバリ取の自動化を行いました。さらに3次元センサーの情報をもとにロボットティーチングを行うユーザーインターフェイスを開発し、多品種少量品に対するロボットティーチングの効率化を図りました。
② 高速Ethernet通信による同期運転システムの開発
複数の電動機を機械的に連結することなく同期させて運転するシステムにおいて、それらの電動機を駆動する各インバータ間の通信をEthernet使用の高速オープンネットワークで実現しました。これにより、従来の光ファイバやツイストケーブルによる配線をLANケーブル1本にすることができ、省配線、工数減となり、低コスト化が期待できます。また、処理周期短縮化も図ることができ、同期精度向上も期待できます。