第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、利益を伴った成長により財務体質の強化と株主への安定配当を同時に達成し、成長し続けるシンフォニアグループを実現することを基本方針としております。株主、顧客、取引先、従業員及び、社会全てのステークホルダーに満足いただくために、経済環境が変化しても安定収益を確保して成長し続けることで、更なる企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)中長期的な経営戦略

 当社グループは、2018年度を計画初年度とする3ヵ年のグループ中期経営計画「SINFONIA ABC 2020」を策定し、取組を進めております。

 

 〔中期経営計画の概要〕

 新たな100年の1歩として、強固な収益性、健全な財務体質確立に向けた土台作りと先進技術を活用した技術開発力の更なる強化に取り組み、将来にわたって成長し続ける企業を目指します。

 

Ⅰ.中期経営計画基本方針

 将来にわたり成長し続けるための強固な企業体質の確立と、常に新しい技術にチャレンジする風土を発展させるための技術開発力の更なる強化を目指して、以下の4項目に重点的に取り組んでまいります。

 

 ①中核事業の売上高拡大

航空宇宙事業・モーションコントロール機器事業・クリーン搬送機器事業・振動機器事業とエンジニアリング事業を中核5事業とし、リソースを重点的に配分してまいります。

 ②海外事業拡大

拠点の拡充を進めてきた中国・ASEANを中心として、2020年度海外売上高比率30%以上を目指します。

 ③積極的な開発投資

再生医療及び自動車関連事業を中心として積極的な開発投資を行います。

 ④積極的な生産力増強投資

引き続き旺盛な需要が見込まれる半導体・自動車・FA関連分野の製品群生産力増強に向け、積極的な設備投資を行います。

 

Ⅱ.中期経営計画目標

 当社グループは、より効率的な経営の実現と財務体質強化のために「売上高営業利益率」、「ROA」、「純資産比率」を経営指標とし、その達成に努めてまいります。

 本中期経営計画においては、強固な収益基盤を確立し、2020年度営業利益率9%以上の達成を目指します。

 

 

2018年度実績

2019年度予想

2020年度目標

売上高

941億円

980億円

1,100億円

営業利益率

6.6%

6.6%

9%以上

ROA

4.4%

4.4%

6%以上

純資産比率

41.3%

43.4%

45%以上

 

※ROA=親会社株主に帰属する当期純利益/総資産(当期末)

 

(3)対処すべき課題

 2019年度の当社グループを取り巻く経営環境は、海外においては、米国景気は着実な回復が続くとみられます。中国の景気は減速傾向が見込まれるものの、各種政策による下支えが期待されます。東南アジア諸国は引き続き輸出の減速が見込まれますが、個人消費を中心とした内需により景気は底堅く推移するとみられます。

 国内においては、公共投資は緩やかに増加するとみられます。民間設備投資は、投資意欲の低下等による減速懸念がありますが、人手不足に伴う省人化ニーズにより底堅く推移することが予測されます。しかしながら、通商問題や海外経済の動向等の不確実性には留意する必要があり、依然として先行きは不透明な状況です。

 このような経営環境の下で当社グループといたしましては、スピーディな新製品開発や、既存製品のシステム化による売上高拡大を目指してまいります。また、強固な収益基盤の確立に向け、生産力増強や生産リードタイムの短縮につながる設備の導入・更新を行うことにより、利益拡大や利益率向上を目指してまいります。さらに、新基幹システムの本格稼働により、業務の効率化と生産性の向上を図ってまいります。海外の事業拡大に向けては、当社子会社であるシンフォニアテクノロジー(タイ)㈱のエンジニアリング力強化や、シンフォニアマイクロテック(ベトナム)㈲における生産力増強などを推進してまいります。

 当社グループは、中期経営計画「SINFONIA ABC 2020」の下、新規顧客開拓に向け、常にAggressiveな姿勢で挑み、人財育成など企業としてのBasicな取組を行い、Creativeな発想で新製品創出や先進技術を活用した新技術開発を推し進め、全社一丸となって目標の達成に向けて邁進してまいります。

 今後さらに成長し続ける企業グループとして株主の皆様、顧客の皆様から評価していただけますよう、引き続きグループの総力を結集し、努力を重ねてまいる所存でございます。

 

(4)株式会社の支配に関する基本方針

1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると当社取締役会は考えております。上場会社である当社の株式については自由な取引が認められており、当社取締役会は、当社に対し下記3.2)①において定義している大規模買付行為が行われた場合に、これを受け入れるか否かの最終的な判断については、その時点における株主の皆様に委ねられるべきであると考えております。

 しかしながら、大規模買付行為には、その目的等から見て①企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、②株主に株券等の売却を事実上強要するおそれがあるもの、③対象会社の取締役会や株主が株券等の大規模買付行為の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、④対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 当社は、当社の企業価値の源泉は、①多岐にわたる製品を、機械・電気・制御の開発・生産から販売まで行う一貫体制、②創業以来培われた豊富な経験とノウハウに裏づけされた高度な技術力、③ステークホルダーとの間で長年にわたり築き上げてきた信頼関係、④事業組織間での人材、固有技術、製造技術等のシナジーを積み重ねていく企業風土、⑤組織、人材のシナジーを引き出す経営と従業員の信頼関係にあると考えており、当社株券等の大規模買付行為を行う者がこのような当社の企業価値の源泉を理解した上で、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益は毀損されることになります。また、下記3.2)②において定義している大規模買付者により大規模買付行為がなされる場合に、株主の皆様がこれに応じるか否かを決定するに際しては、大規模買付者から、事前に、株主の皆様の判断のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報が提供される必要があると考えており、かかる情報が明らかにされないまま大規模買付行為が強行される場合には、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益は毀損される可能性が極めて高いと考えております。

 当社としては、このような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模買付行為に対しては必要かつ相当な対抗手段を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えております。

 

2.基本方針の実現に資する特別な取組の内容の概要

1)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に向けた取組について

(1)当社の企業理念及び企業価値の源泉について

 当社は、「企業理念」を制定し、企業価値とその源泉となる競争力向上に取り組んでおります。その「企業理念」は次のとおりです。

『「一歩先を行く技術」「地球を大切にする心」「思いやりのある行動」私たちはこの3つを大切に人から宇宙まで豊かな暮らしと社会の発展に貢献します。』

 当社は、1917年の創業以来、電磁応用力技術と精密機構技術を基盤に幅広い分野に事業領域を拡げ、現在では、航空機用電子機器、カラープリンタ、電磁クラッチ、半導体ウェーハ搬送機器、社会インフラ電気設備等の多様な製品をお客様に提供しております。

 当社の企業価値の確保・向上を目指す上で、企業価値の源泉は、以下に掲げる要素にあるものと考えております。

 ①官公庁から半導体メーカーや写真関連メーカーまで多岐にわたるお客様のニーズを捉えた製品を、電子機器、精密機械、制御・ソフトの開発・生産から販売まで行う一貫体制

 ②創業以来培われた豊富な経験とノウハウに裏づけされた高度な技術力

 ③株主の皆様はもちろん、お客様・取引先・地域関係者等のステークホルダーとの間で長年にわたり築き上げてきた信頼関係

 ④個々の事業組織間での人材の支援や保有技術の相互利用、生産現場での技能協力等のシナジーを積み重ねていく企業風土

 ⑤当社の企業風土と歴史的背景を深く理解し、最大限の効果を引き出す経営と従業員の信頼関係

 

(2)当社の今後の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に向けた取組について

 当社は、2018年より3ヵ年の中期経営計画「SINFONIA ABC 2020」を策定し、事業活動に取り組んでおります。将来にわたり成長し続けるための強固な企業体質の確立と、常に新しい技術にチャレンジする風土を発展させるための技術開発力のさらなる強化を目指して、以下の4項目に重点的に取り組んでまいります。

①中核事業の売上高拡大

 航空宇宙事業・モーションコントロール機器事業・クリーン搬送機器事業・振動機器事業とエンジニアリング事業を中核5事業とし、リソースを重点的に配分してまいります。

②海外事業拡大

 拠点の拡充を進めてきた中国・ASEANを中心として、2020年度海外売上高比率30%以上を目指します。

③積極的な開発投資

 再生医療及び自動車関連事業を中心として積極的な開発投資を行います。

④積極的な生産力増強投資

 引き続き旺盛な需要が見込まれる半導体・自動車・FA関連分野の製品群生産力増強に向け、積極的な設備投資を行います。

 また、従来より当社グループの企業価値の確保・向上を図るための重要事項と位置付けている、電子機器、精密機械、制御・ソフトの設計・開発に関わる高度な技術や溶接・加工等の製造技術・技能の伝承・強化についても、今後とも引き続き推進してまいります。

 このように、当社は、今後も企業価値=業績向上を続けていくため、機械やデータに置き換えることができない技能や組織間のシナジーの重要性を大切にする企業風土を醸成するとともに、これを深く理解する経営と従業員との信頼のさらなる強化に取り組んでまいります。

 

 

2)企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の基盤となる仕組み - コーポレートガバナンスの整備

 当社は、経営目標を達成する過程においても、各ステークホルダーとのより良好な関係にも配慮すべきであると考えており、かかる目的達成のために、各ステークホルダーの皆様のご理解とご支援をいただくこと、及び法令・定款の遵守と高い倫理観の醸成を命題として、コンプライアンス体制の整備に取り組み、企業価値の確保・向上と経営チェック機能の充実を共に図ることを目指しております。

 具体的な施策としては、執行役員制度を採用し、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離することにより、業務執行機能や意思決定・監督機能を強化するとともに、外部からの経営チェック・助言により適切な経営に資するため、弁護士など外部の専門家から適宜アドバイスを受けるほか、独立性のある社外取締役2名及び社外監査役3名を選任し、5名全員を㈱東京証券取引所の定めに基づく独立委員として同取引所に届け出ております。また、コンプライアンスに対する社内の意識強化と問題の未然防止に資するため、全社コンプライアンスの担当役員を任命し、関係会社の代表や外部有識者も加えたコンプライアンス委員会の設置を行っております。さらに内部統制システムについて、その体制を整え、継続的な運用と評価・改善を図っております。

 なお、コーポレートガバナンス・コードへの対応を含めた当社のコーポレートガバナンス体制は、㈱東京証券取引所に提出している「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」に記載しております。

 

3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための 取組(本対応方針)

 当社は、上記1.に記載した当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組として、当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の更新に関する議案を2017年6月29日開催の第93回定時株主総会に諮り、承認されました(更新後の対応方針を、以下「本対応方針」といいます。)。本対応方針の目的及び概要は以下のとおりであります。

1)本対応方針の目的

 本対応方針への更新は、上記1.に記載した基本方針に沿って、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させる目的をもって行われたものであります。

 当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。当社取締役会は、金融商品取引法及び関連政省令の改正等の動向を注視しつつ、また、昨今の買収防衛策に関する議論の進展等を踏まえ、このような不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するためには、当社株券等に対して大規模買付行為が行われた場合に、株主の皆様がこれを受け入れるか否かの最終的な判断を行ったり、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な時間及び情報を確保するとともに、当社取締役会が株主の皆様のために大規模買付者と協議・交渉等を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するための枠組みが引き続き必要不可欠であると判断いたしました。

 そこで、当社取締役会は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組の一環として、本対応方針への更新を行うことを決定いたしました。

 

2)本対応方針の概要

 ①対象となる大規模買付行為

 本対応方針においては、次の(ⅰ)または(ⅱ)に該当する行為(ただし、当社取締役会が予め承認したものを除きます。以下「大規模買付行為」といいます。)がなされ、またはなされようとする場合には、本対応方針に基づく対抗措置が発動されることがあります。

(ⅰ)当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合の合計が20%以上となる買付け

(ⅱ)当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け

 

 ②本対応方針に係る手続

 本対応方針は、当社の株券等の大規模買付行為を行おうとし、または現に行っている者(以下「大規模買付者」といいます。)が現れた場合に、当該大規模買付者に対し、事前に当該大規模買付行為に関する情報の提供を求め、当社が、当該大規模買付行為についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、大規模買付者との交渉等を行うための手続を定めるものであります。なお、大規模買付者には、本対応方針に係る手続を遵守していただくこととし、大規模買付者は、本対応方針に係る手続の開始後、(ⅰ)当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(原則として60日間。以下「取締役会評価期間」といいます。)が終了するまでの間、及び(ⅱ)取締役会評価期間終了後であっても、対抗措置の発動の可否を問うための株主の総体的意思を確認する総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)が招集された場合には、株主意思確認総会において対抗措置の発動に関する決議がなされるまでの間、大規模買付行為を実行してはならないものとしております。

 

 ③対抗措置の発動

 大規模買付者が、本対応方針において定められた手続(以下「大規模買付ルール」といいます。)に従うことなく大規模買付行為を行う場合、または、大規模買付者による大規模買付行為が当社の企業価値もしくは株主の皆様の共同の利益を著しく損なうおそれがある場合には、当社は、原則として、当該大規模買付者その他一定の者による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該大規模買付者その他一定の者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を、当社を除く全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以下に規定されます。)により割り当てることがあります。なお、当社は、この場合において、大規模買付者が有する本新株予約権の取得の対価として金銭を交付することは想定しておりません。

 

 ④取締役会の恣意的判断を排するための独立委員会、株主意思確認総会の利用

 本対応方針においては、本対応方針の運用ないし対抗措置の発動等に関する当社取締役会の恣意的判断を排し、その判断の合理性及び公正性を担保することを目的として、独立委員会規程に従い、(i)当社社外取締役、(ⅱ)当社社外監査役、または(ⅲ)社外の有識者(弁護士、税理士、公認会計士、学識経験者、投資銀行業務に精通する者もしくは他社の取締役もしくは執行役として経験のある社外者等)で、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会(以下「独立委員会」といいます。)の客観的な判断を経ることとしております。当社取締役会は、大規模買付者が現れた場合、独立委員会へ適時に情報を提供し、独立委員会は、大規模買付者及び当社取締役会が株主の皆様の共同の利益を損なう行動を取っていないかを含め、公正な手続が行われているかについての検証を行うものといたします。また、当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会による勧告を最大限尊重するものといたします。これに加えて、独立委員会が株主意思確認総会の招集を勧告した場合には、当社取締役会は、株主意思確認総会を招集し、対抗措置の発動に関する議案を付議することにより株主の皆様のご意思を確認するか否かについて、独立委員会の勧告を最大限尊重するものといたします。さらに、こうした手続の過程について、株主の皆様に適時に情報を開示することにより、その透明性を確保することとしております。

 

 ⑤本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得

 仮に、本対応方針に従って本新株予約権の無償割当てがなされた場合で、大規模買付者その他一定の者以外の株主の皆様による本新株予約権の行使がなされた時、または当社による本新株予約権の取得と引換えに、大規模買付者その他一定の者以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された時には、当該大規模買付者その他一定の者の有する当社株式の議決権割合は、一定程度希釈化される可能性があります。

 

 

3)本対応方針の有効期間、廃止及び変更について

 本対応方針の有効期間は、2017年6月に開催の第93回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する当社定時株主総会の終結の時までといたします。なお、本対応方針の有効期間の満了前であっても、(ⅰ)当社株主総会において本対応方針を廃止もしくは変更する旨の議案が承認された場合、または(ⅱ)当社取締役会において本対応方針を廃止もしくは変更する旨の決議が行われた場合には、本対応方針はその時点で廃止または変更されるものといたします。

 

 なお、本対応方針の詳細につきましては、2017年4月24日付当社プレスリリース「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の更新について」をご覧ください。(当社ホームページhttp://www.sinfo-t.jp)

 

4.上記2.の取組についての当社取締役会の判断

 当社は、継続的な企業価値の向上こそが株主の皆様の共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の向上を目的に、上記2.の取組を行っておりますが、これらの取組の実施を通じて、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうおそれのある当社株券等の大規模買付行為は困難になるものと考えられ、これらの取組は、上記1.の基本方針に資するものであると考えております。

 したがいまして、上記2.の取組は、上記1.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

5.上記3.の取組についての当社取締役会の判断

 本対応方針への更新は、上記1.の基本方針に沿って、当社株券等に対して大規模買付行為が行われた場合に、株主の皆様がこれを受け入れるか否かの最終的な判断を行ったり、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な時間及び情報を確保するとともに、当社取締役会が株主の皆様のために大規模買付者と協議・交渉等を行うこと等を可能とし、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止することにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって行われたものであります。

 また、下記(1)から(5)までのとおり、本対応方針は、株主意思を重視するものであること、買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること、合理的かつ客観的な対抗措置発動要件が設定されていること、取締役会の判断の合理性及び公正性を担保するため独立委員会が設置されていること、デッドハンド型・スローハンド型買収防衛策ではないこと等から、本対応方針の運用ないし対抗措置の発動に関する取締役会の判断の合理性及び公正性が担保されているものであって、当社の役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

(1)株主意思を重視するものであること

 本対応方針は、本対応方針の是非につき、株主の皆様のご意思を確認するため、2017年6月29日開催の第93回定時株主総会において、本対応方針への更新に関する議案が諮られ、承認されたものであります。

 また、上記3.3)に記載のとおり、有効期間の満了前であっても、(ⅰ)当社株主総会において本対応方針を廃止もしくは変更する旨の議案が承認された場合、または(ⅱ)当社株主総会において選任された取締役によって構成される当社取締役会において本対応方針を廃止もしくは変更する旨の決議が行われた場合には、本対応方針はその時点で廃止または変更されます。また、独立委員会が株主意思確認総会の招集を勧告した場合には、当社取締役会は、独立委員会による勧告を最大限尊重して、また、独立委員会から対抗措置の発動の勧告がなされたものの当社取締役会が必要と判断した場合には、対抗措置の発動に関する議案を株主意思確認総会に付議することがあり、これにより株主の皆様のご意思を直接確認することができることとしております。

 

(2)買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること等

 本対応方針は、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を完全に充足しております。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他昨今の買収防衛策に関する議論等を踏まえた内容となっております。さらに本対応方針は、㈱東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則等の趣旨に合致するものであります。

 

 

(3)合理的かつ客観的な対抗措置発動要件の設定

 本対応方針は、合理的かつ客観的な要件が充足されない限りは、対抗措置が発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されております。

 

(4)独立委員会の設置

 当社は、本対応方針において、大規模買付ルールに従って一連の手続が進行されたか否か、及び、大規模買付ルールが遵守された場合に当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、または向上させるために必要かつ相当と考えられる一定の対抗措置を発動するか否か、株主意思確認総会を招集するか否かについての取締役会の判断の合理性及び公正性を担保するため、またその他本対応方針の運用ないし対抗措置の発動等に関する取締役会の判断の合理性及び公正性を確保するために、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置しております。

 かかる独立委員会の勧告を最大限尊重して当社取締役会が判断を行うことにより、当社取締役会による恣意的な本対応方針の運用ないし対抗措置の発動を防止するための仕組みが確保されております。

 

(5)デッドハンド型・スローハンド型買収防衛策ではないこと

 上記3.3)に記載のとおり、本対応方針は、本対応方針の有効期間の満了前であっても、当社株主総会で選任された取締役で構成された取締役会により、いつでも廃止することができるものとされております。したがいまして、本対応方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する当社定時株主総会の終結の時までとなっており、毎年の当社定時株主総会で取締役会の構成員の交代を一度に行うことができるため、本対応方針は、対抗措置の発動を阻止するのに時間を要するスローハンド型買収防衛策でもありません。

 

 以上のとおり、上記3.の取組は上記1.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)業績の変動リスク

 当社グループは、モーション機器事業、パワーエレクトロニクス機器事業及びサポート&エンジニアリング事業にわたって、製品の開発、生産、販売、サービスに至る幅広い事業活動を展開しております(各事業における主要製品につきましては、「第5経理の状況 (セグメント情報等)」参照)。従って、当社グループの業績は、多岐にわたる変動要因の影響を受ける可能性があります。その要因の主たるものは以下のとおりです。

①公共・社会インフラ及び防衛関連の需要の影響

 当社グループは、事業構造として公共・社会インフラ及び防衛関連の構成比率が高い水準であるため、官公庁需要の減少や、参入企業の増加により価格競争が激化する場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

②経済状況の影響

 当社グループが製造、販売する製品は、国内外の幅広い分野に採用されていることから、国内及び海外諸地域経済状況の影響を受けております。従って、国内、アジア、北米及びその他の地域の景気後退と需要減少が起こった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③顧客のニーズの影響

 当社グループは、半導体産業、自動車産業、精密機械産業、電子部品産業等の技術革新が早く、かつ需要動向に対応して生産計画の変更を行う顧客と取引を行っております。従って、当社が顧客の要求する新たな技術・製品を提供できなかったり、顧客の生産計画が大幅に変動した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④競合による影響

 当社グループが製造、販売する製品の大半が他社と競合しております。当社グループを取り巻く事業環境は一層厳しくなっており、他社との価格競争や顧客からの価格引下げ要求も厳しくなってきており、当社グループ製品の販売価格の下落や販売量の減少が生じた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑤原材料価格の上昇

 当社製品の原材料費、購入部品費、製品の輸送に関する運送費は変動いたします。当社グループは、設計の標準化や生産性の向上によりコストダウンに努め、また販売価格の見直しにも努めておりますが、原材料価格の上昇を吸収できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑥製品の品質に関わるリスク

 当社グループは、適正な品質保証基準に沿って各種製品の製造を行っておりますが、万一、リコールや製造物責任に関わる製品の不具合等が発生した場合には、多額のコストの発生、顧客の信頼喪失により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑦海外生産に関わるリスク

 当社グループは、今後も激化が予想される他社との競争に勝つため、海外での生産の拡充を進めております。従って、当社の生産拠点がある国や地域で、政治的混乱や経済変動、法規制等の変化により海外での生産に支障をきたした場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業の再編等に関わるリスク

 当社グループは、事業拡大のため、企業買収、資本参加等を実施することがありますが、対象会社と当社グループ事業との統合効果や効率的な経営が進まない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)保有資産に関するリスク

 当社グループが保有する土地、有価証券等の資産につき時価の変動があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)金利の変動のリスク

 当社グループは、キャッシュ・フローの創出により有利子負債の削減を推進しておりますが、今後大幅な金利上昇が発生した場合、支払利息の負担の増加により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(5)退職給付債務の変動リスク

 退職給付債務につきましては、数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。これらの前提条件には、割引率等の重要な見積が含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって認識されるため、将来認識される費用及び計上される債務に影響を与える可能性があります。

 

(6)知的財産に関するリスク

 当社グループでは、知的財産権の重要性を認識し、その保護や他社の有する知的財産に注意を払っております。しかし、当社グループの保護が十分でなかったり、違法に侵害された場合、及び、他方他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、高額な損害賠償等の責任の負担が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)災害等のリスク

 当社グループの国内生産拠点は、東海地震等の将来発生が予測される東海地区に集中しております。従って、地震、火災とともに風水害に備えて建屋の点検や補強等により損害を最小限にするための整備を行っております。しかし、予想を超える大規模な災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 なお、上記以外に現時点では合理的に予測できない事象の発生により、経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a 経営成績

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、海外においては、米国は個人消費や設備投資が増加し、景気回復が継続いたしました。中国の景気は設備投資や個人消費に弱さがみられる等減速傾向で推移し、東南アジア諸国は輸出が伸び悩みましたが、内需を中心に景気は堅調に推移いたしました。

 国内においては、公共投資は減少傾向で推移し、民間設備投資は人手不足に伴う省人化ニーズは底堅いものの、企業収益の低下等により力強さを欠いたことから、景気回復の動きに足踏みがみられました。また、通商問題や中国の景気減速の影響を受け、当連結会計年度後半より先行きの不透明感が続きました。

 このような景況の下で当社グループといたしましては、中期経営計画「SINFONIA ABC 2020」を策定し、当連結会計年度より取組をスタートいたしました。当連結会計年度においては、新規顧客の獲得に向け、積極的な技術提案活動を行うとともに、既存製品のシステム化による高付加価値化を推し進めてまいりました。さらに、海外における受注拡大を目指し、現地企業とのパートナーシップを強化してまいりました。また、生産性向上の取組につきましては、自動生産設備による自動車制振装置の増産体制を整えるとともに、受注が好調な繊維業界向けモータの生産力増強や、需要の増加に対応するためのクリーン搬送機器工場の拡張に着手する等、積極的な設備投資を行ってまいりました。次世代ビジネスの創出に向けては、再生医療分野において神戸医療産業都市推進機構とiPS細胞や幹細胞の大量培養・品質管理を自動化する装置の共同開発をスタートさせました。また、農業分野においては、豊橋技術科学大学の有する研究開発力を活用した産学共同研究を進めてまいりました。

 その結果、受注高は953億89百万円(前連結会計年度比3.7%減)、売上高は941億56百万円(同4.2%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は62億37百万円(同12.3%減)、経常利益は62億98百万円(同10.4%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は46億35百万円(同11.8%減)となりました。

 

 セグメント別の状況は次のとおりであります。

 

[モーション機器事業]

 航空宇宙部門で大型案件が減少したことと、モーションコントロール機器部門での電磁クラッチ・ブレーキが低調だったこと等により、受注高は392億24百万円(前連結会計年度比4.8%減)となりましたが、モーションコントロール機器部門での産業用機器等の需要拡大が継続したこと等により、売上高は379億84百万円(同2.1%増)となりました。また、損益面につきましては、航空宇宙部門での新規案件の費用増等により、営業利益は13億40百万円(同31.8%減)となりました。

 

[パワーエレクトロニクス機器事業]

 大型案件の減少による社会インフラシステム部門、及び半導体業界の設備投資需要が急減速したクリーン搬送機器部門での受注減等により、受注高は364億22百万円(前連結会計年度比10.2%減)となりましたが、電子部品業界向けパーツフィーダが好調だった振動機・パーツフィーダ部門での増勢が続いたこと等により、売上高は373億30百万円(同3.2%増)となりました。また、損益面につきましては、社会インフラシステム部門での工事費の増加等により、営業利益は33億83百万円(同22.1%減)となりました。

 

[サポート&エンジニアリング事業]

 設備工事の増加等により、受注高は197億41百万円(前連結会計年度比14.3%増)、売上高は188億41百万円(同11.3%増)となりました。また、損益面につきましては、営業利益は15億44百万円(同85.5%増)となりました。

 

 

b 財政状態

 当連結会計年度末の総資産の額は1,061億20百万円となり、前連結会計年度末より9億54百万円増加いたしました。これは、主としてたな卸資産が23億54百万円増加したこと、投資有価証券が19億34百万円減少したこと等によるものであります。

 負債総額は、623億24百万円となり、前連結会計年度末より18億93百万円減少いたしました。これは、主として借入金が10億82百万円、退職給付に係る負債が8億14百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 純資産につきましては、437億95百万円となり、前連結会計年度末より28億48百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が35億94百万円増加したこと、その他有価証券評価差額金が13億66百万円減少したこと等によるものであります。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7億62百万円減少し、当連結会計年度末には56億43百万円となりました。

 各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、53億85百万円となりました。これは、たな卸資産の増加23億70百万円、法人税等の支払20億47百万円等がありましたが、税金等調整前当期純利益61億98百万円の計上、減価償却費22億26百万円の計上等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少額は、38億87百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出22億87百万円、無形固定資産の取得による支出14億71百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少額は、22億76百万円となりました。これは、短期借入金及び長期借入金の純減少(調達から返済を差し引いた金額)10億81百万円及び配当金の支払10億35百万円等によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

モーション機器

40,003

+6.4

パワーエレクトロニクス機器

38,722

+2.3

サポート&エンジニアリング

18,928

+13.2

合計

97,654

+5.9

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

モーション機器

39,224

△4.8

26,996

+4.8

パワーエレクトロニクス機器

36,422

△10.2

21,218

△4.1

サポート&エンジニアリング

19,741

+14.3

7,558

+13.5

合計

95,389

△3.7

55,773

+2.3

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

モーション機器

37,984

+2.1

パワーエレクトロニクス機器

37,330

+3.2

サポート&エンジニアリング

18,841

+11.3

合計

94,156

+4.2

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するに当たり、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りは、その性質上判断及び入手し得る情報に基づいて行うので、実際の結果がそれらの見積りと相違する場合があります。

 当社は、連結財務諸表を作成するに当たり、受注損失引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性及び退職給付債務等の計算の基礎に関する事項について、特に重要な見積りを行っております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a 経営成績」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、開発投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保しております。

 運転資金は、短期、長期ともに金融機関からの借入を基本としております。また、短期の資金を安定的かつ機動的に確保するため、取引銀行21行と総額100億円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高50億円、借入未実行残高50億円)。

 なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は221億81百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は56億43百万円となっております。

 

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

 当社グループは、2018年度を計画初年度とする3ヵ年のグループ中期経営計画「SINFONIA ABC 2020」を策定し、新たな100年の1歩として、強固な収益性、健全な財務体質確立に向けた土台作りと先進技術を活用した技術開発力の更なる強化に取り組み、将来にわたって成長し続ける企業を目指します。経営計画の達成・進捗状況を客観的に判断するために、計画初年度である2018年度では、収益性を示す指標として「売上高営業利益率」を8.2%、資産の効率的な活用を示す指標として「ROA」を4.9%、財務体質の健全性を示す指標として「純資産比率」を41.1%と目標設定し、その達成に努めてまいりました。

 中期経営計画「SINFONIA ABC 2020」の2018年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。

 売上高は計画比8億円減(0.9%減)の941億円となり、目標には至りませんでしたが、初年度としてはほぼ計画通り進捗いたしました。売上高営業利益率は、一部の新規案件の費用増や工事費増加の影響等により、計画比1.6ポイント減の6.6%となりました。

 ROAは、利益率の減少があったものの有利子負債返済等による総資産の圧縮もあり、ほぼ計画通りの4.4%(計画比0.5ポイント減)となりました。純資産比率は、利益剰余金を着実に積み上げてきたことや有利子負債残高を221億円に圧縮したこと等により、初の40%台に到達し、目標を上回る0.2ポイント増の41.3%となりました。計画初年度より、資産活用の効率化、及び財務体質の改善をほぼ計画通り進めることができました。

 引き続き、更なる収益性の向上や財務面の改善に取り組んでまいります。

指標

2018年度(計画)

2018年度(実績)

2018年度(計画比)

売上高

950億円

941億円

8億円減(0.9%減)

営業利益率

8.2%

6.6%

1.6ポイント減

ROA

4.9%

4.4%

0.5ポイント減

純資産比率

41.1%

41.3%

0.2ポイント増

(注)「ROA」= 親会社株主に帰属する当期純利益/総資産(当期末)

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

技術提携契約

(提出会社)

 当社が締結している重要な技術導入契約及び技術供与契約は次のとおりであります。

 

(イ)技術導入契約

 

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

Honeywell International Inc.

米国

航空機用電圧調整機、発電機等

特許実施権の許与及び技術情報の提供

自1955年10月

至2021年12月

Hamilton Sundstrand Corporation, Collins Aerospace

米国

航空機用プログラマブルアーマメント・コントロール・システム

技術情報の提供

自1986年5月

至2019年9月

航空機用アビオニクスクーリングモニターユニット

技術情報の提供

自1986年5月

至2019年9月

Safran Electrical & Power UK Ltd.

英国

航空機用発電機システム

技術情報の提供

自1986年1月

至2020年3月

GOODRICH CORPORATION, Collins Aerospace

米国

航空機用カーゴレスキューウインチ

技術情報の提供

自1969年9月

至2019年12月

航空機用レスキューホイストシステム

技術情報の提供

自1989年3月

至2019年12月

Breeze-Eastern LLC

米国

航空機用メッセンジャー・ホイスト

技術情報の提供

自1989年2月

至2021年6月

GE Aviation Systems LLC

米国

航空機用データ・トランスファ・イクイップメント

技術情報の提供

自1997年3月

至2027年12月

(注) 上記契約に基づく対価は各相手会社により相違いたしますが、売上高の5%~10%であります。

 

(ロ)技術供与契約

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、主として当社が基盤技術、要素技術の研究をはじめとして各分野にわたる新製品の開発及び現有商品の改良を行っております。

 当年度は、新中期経営計画「SINFONIA ABC 2020」の基本方針である「先進技術を活用した技術開発力の更なる強化」を目指して、常に新しい技術にチャレンジする精神を更に発展・強化させ、既存のモータ、モータドライブ及びシステム制御のコア技術に関する研究開発に加え、計測・制御技術との融合による新技術の開発に努めてまいりました。

 また、グループ保有技術を積極的に活用し、コア技術を融合することで、開発のスピードアップ、開発品質向上を図ると共に、既存技術(モータ、発電機、インバータ等のパワーエレクトロニクス及びドライブ制御技術等)、解析技術(構造解析、熱解析、流体解析、EMC)の底上げを行い、既存の事業範囲はもとより、次世代ビジネスの創出として、新たな成長領域(再生医療、自動車、農業分野)での事業分野の拡大に努めてまいりました。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、2,620百万円であります。

 当連結会計年度の主な開発成果は、下記のとおりであります。

 

(1)モーション機器事業

 モーション機器事業としては、航空分野では二酸化炭素(CO2)排出削減のため、航空機の電動化の開発が進む見込みで、従来から製品化しているサーボモータシステムを応用し、民間航空機への搭載を目標とした小型モータや電動アクチュエータ、発電機など電装品の製品開発や試作開発を行っております。

 モーションコントロール分野では、小型・省エネタイプの超小型電磁ブレーキの開発に取り組んでおります。業界最小・最薄級で、従来品と比較し体積比で45%の小型化を実現し、医療支援ロボットや飛行ロボット(ドローン)、義手、電子部品実装機などへの展開を期待しております。

 自動車関連分野では、電動化や燃費向上に向けた車載電装品の開発に取り組んでおります。アクティブマスダンパーでは、加速時のエンジン振動を抑えることで、振動や騒音を低減することを実現しました。本開発により走行性能の向上に貢献できると期待しております。

 プリンタ分野では、デジタルフォト、アミューズメント、各種産業用途向けの技術開発を継続しております。アミューズメント用途では、カードゲームやシールプリント業界のニーズにお応えする装置開発だけでなく、消耗品の開発を行い市場競争力の向上に努めてまいります。

 モーション機器事業の研究開発費の金額は、1,019百万円であります。

 

(2)パワーエレクトロニクス機器事業

 パワーエレクトロニクス機器事業としては、社会インフラシステム分野では、浄水場(上水道)や処理場(下水道)のインフラ施設の老朽化が進んでいるとともに、これらの維持管理員の高齢化が進み、若手担当者への維持管理ノウハウの継承が難しい状況にあります。これらの課題解消のため、運転支援機能や教育研修機能、予防保全機能を持った監視制御システムを開発いたしました。開発した新機能についてお客様へ積極的に提案を行い受注拡大に繋げていきます。

 産業インフラシステム分野では、新エネルギー関連市場を狙った特殊モータ(深海、水素等)の開発に取り組んでおります。また、金属の真空溶解装置にアトマイズ機能を付加することにより、3Dプリンタの造形材料である金属微粉末の製造装置を開発、初号機を納入いたしました。今後の受注拡大が期待されます。

 自動車試験装置分野では、EV、ハイブリッド車に関する動力試験装置の開発を進めております。多様な試験を効率よく実施する必要があり、装置の更なる大容量化及び評価対象機器小型化への対応が求められてくることを予想し、駆動モータなどはより一層の高速化、小径化、高応答化に対する技術開発を進めてまいります。

 振動機分野では、パーツフィーダ用途で自動排出個数制御機能を搭載した新型コントローラを開発いたしました。事前に設定した排出数と、センサーの検出個数を比較し自動補正する制御をリアルタイムに行うことで常に安定した部品供給を実現しました。お客様のニーズに対応できると期待しております。

 クリーン搬送機器分野では、シールド、N2パージ機構や真空リニア搬送機器の開発に注力しており、N2パージ搭載EFEMの次世代プロセスへの本格採用を積極的に働きかけてまいります。また、お客様のニーズに応えるため技術開発を継続いたします。

 コントローラ事業分野では、人手不足が進む農業における労働集約的な作業の自動化を担うため、ICT、画像処理・人工知能(AI)、ロボット技術を利用した装置の開発に取り組んでおります。今後も自動化の需要は高まるものと期待しており、技術開発を進めてまいります。

 パワーエレクトロニクス機器事業の研究開発費の金額は、1,545百万円であります。

 

(3)サポート&エンジニアリング事業

 サポート&エンジニアリング事業としては、情報機器分野では近年さらに需要が高まりつつあるインバウンド向け決済ソリューションの強化を計画しています。すでに対応しているクレジット決済に加え電子マネー、QRコードに対応し今後は、決済会社との連携を深化させWEB決済などの新たなソリューションを提供しシェア拡大を目指します。

 炉・ヒータ分野では、自社製のビレットヒータ用電源装置の開発・製品化を行いました。これにより柔軟な温度制御ができるようになり、お客様の高い品質要求を実現する事による受注拡大を図ります。

 産業電機分野では、設備稼働状況の監視を行う監視装置の開発を進めています。遠隔支援操作システムとの併用によるサービス業務の向上を図り、保守・点検業務の拡大へつなげていきます。

 サポート&エンジニアリング事業の研究開発費の金額は54百万円です。