当連結会計年度(以下、「当期」)におけるわが国の経済は、輸出・生産面では新興国経済の減速の影響がみられるものの、堅調な企業業績や設備投資、雇用情勢が下支えとなり、緩やかな景気回復基調を持続しました。一方で世界経済は、原油価格の下落、中国経済の減速や、米国の利上げ等の影響により、依然として先行きが不透明な状況が続くと思われます。
〔連結業績〕
このような中、当社グループは今年度からスタートした中期経営計画「V120」の施策を着実に進め、「国内事業の収益基盤の強化」と「海外事業の成長拡大」を両立することで、更なる企業価値の拡大を目指してまいりました。
その結果、当社グループの連結業績は、売上高が前連結会計年度(以下、「前期」)比3.1%増の237,404百万円、営業利益が前期比5.2%増の10,517百万円、経常利益が前期比0.9%増の10,595百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比1.4%増の6,962百万円となりました。
各事業分野における営業活動の状況は次のとおりであります。売上高につきましては、セグメント間の取引を含んでおります。
なお、当社は、平成27年4月1日より、従来の「社会システム事業分野」を「社会インフラ事業分野」に、「エンジニアリング事業分野」を「保守・サービス事業分野」にセグメント名称を変更いたしました。当該変更はセグメント名称変更であり、セグメント情報に影響を与える変更はありません。
売上高は前期比0.3%減の140,585百万円、営業利益は一部製品の不具合による費用の増加等により24.2%減の3,971百万円となりました。
電力・社会システム事業関連は国内の電力会社の設備更新、及び中小水力発電設備などの需要の増加、また、日系企業の海外生産拠点向け変電・配電設備の増加はありましたが、再生可能エネルギー買取価格の下落等による太陽光発電製品の減少などにより前期比で減収となりました。
電鉄システム事業関連は、マレーシア、タイ、シンガポールなど東南アジア諸国向け電鉄プロジェクトの売上が堅調に推移し、前期比で増収となりました。
水・環境事業関連は、国内の大型下水処理場向け電気設備の更新案件や浄水場の維持管理業務が堅調に推移し、前期比で増収となりました。
堅調な民間設備投資を反映し、売上高は前期比10.2%増の61,090百万円、営業利益は前期比33.3%増の4,030百万円となりました。
モータ・インバータ事業関連は、エレベータ用などの一般産業用は前期と同水準でしたが、三菱自動車工業株式会社様のPHEVに搭載されているモータ・インバータの需要が堅調に推移し、前期比で増収となりました。
電子機器事業関連は真空コンデンサ、パルス電源などを中心に堅調に推移し、増収となりました。
動力計測・搬送事業関連は、自動車メーカーなどの先進技術や更なる性能向上に向けた研究開発設備投資の増加や生産ラインの更なる合理化・省力化のための搬送機器の堅調な需要等により、前期比で増収となりました。
メンテナンス需要の増加、及び機器製造から保守・点検、維持管理や運転管理までを行う施設全体のワンストップサービスの実施により、売上高は前期比4.1%増の31,007百万円、営業利益は14.6%増の2,921百万円となりました。
業務・商業ビルThinkPark Tower(東京都品川区大崎)を中心とする保有不動産の賃貸事業を行っており、売上高は前期同水準の3,386百万円、営業利益は1,280百万円となりました。
電気化学計測機器や電気絶縁材料の製造・販売、従業員の福利厚生サービス、物品販売など、報告セグメントに含まれない事業につきましては、売上高は前期比3.7%減の19,712百万円、営業利益は30.2%増の493百万円となりました。
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前期末に比べ5,766百万円増加し、14,438百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は22,597百万円(前連結会計年度は11,165百万円の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益10,358百万円、減価償却費8,574百万円、売上債権の減少額2,762百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額2,926百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は10,530百万円(前連結会計年度は8,772百万円の使用)となりました。
これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出8,970百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,989百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5,847百万円(前連結会計年度は5,282百万円の使用)となりました。
支出の主な内訳は、コマーシャル・ペーパーの償還による支出5,000百万円、配当金の支払額2,491百万円であり、収入の主な内訳は、短期借入金の純増減額1,085百万円であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
社会インフラ事業 | 128,467 | 101.4 |
産業システム事業 | 55,253 | 114.6 |
保守・サービス事業 | 30,118 | 106.4 |
不動産事業 | - | - |
その他 | 14,991 | 82.7 |
合計 | 228,831 | 103.4 |
(注) 1.セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
2.上記その他は、報告セグメントに属さない生産部門等であり、主に工事・購入品であります。
3.金額は販売価格であり、消費税等を含んでおりません。
4.上記金額は、提出会社セグメント間の内部取引高が含まれており、外部売上に対応する金額ではありません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
社会インフラ事業 | 144,894 | 100.1 | 144,926 | 106.3 |
産業システム事業 | 58,578 | 111.2 | 24,029 | 109.3 |
保守・サービス事業 | 30,580 | 104.7 | 5,095 | 110.3 |
不動産事業 | 3,123 | 103.2 | 248 | 100.1 |
その他 | 10,570 | 91.8 | 1,884 | 113.7 |
合計 | 247,747 | 102.7 | 176,180 | 106.9 |
(注) 1.セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
2.金額は販売価格であり、消費税等を含んでおりません。
3.当連結会計年度より受注残高の集計方法を変更しており、前年同期比につきましては前年同期の数値を変更後の集計方法に基づいた数値で比較しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
社会インフラ事業 | 137,303 | 99.5 |
産業システム事業 | 56,528 | 115.3 |
保守・サービス事業 | 30,104 | 104.1 |
不動産事業 | 3,123 | 103.2 |
その他 | 10,343 | 91.0 |
合計 | 237,404 | 103.1 |
(注) 1.セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
2.金額は販売価格であり、消費税等を含んでおりません。
■当社グループを取り巻く環境と課題の認識
国内市場につきましては、人口減少や国・地方の財政難などにより、電力、水処理などの公共インフラの新規需要の減少、延命化、省エネルギー需要の高まりなど、市場の課題やニーズの変化への対応が求められます。
一方、足元では、2020年東京オリンピック・パラリンピック関連などの都市部のインフラ整備、民間製造業や公共部門における設備の老朽化対策、電力システム改革に伴う需要の高まりが見込まれます。
海外市場につきましては、依然として不透明な状況が続くと想定されますが、中・長期的には、アジアを中心とする新興国経済は、TPPやASEAN経済共同体(AEC)の発足などにより、成長・発展が続くと予想され、電力会社・民間製造業・鉄道・上下水道などのインフラ需要も拡大基調にあります。
■基本方針
こうした状況に鑑み、当社グループは、中期経営計画「V120」(平成27~29年度)を掲げ、重電コア製品の「製品競争力の強化」に注力することで、「国内事業の収益基盤強化」「海外事業の成長拡大」を実現し、更なる企業価値の拡大を目指すことを基本方針としております。
◎国内事業の収益基盤強化
社会インフラ事業分野につきましては、電力会社向けなどの設備老朽化に伴う更新需要を着実に捉えるとともに、新規需要の減少が見込まれる上・下水処理場をはじめとする公共インフラ関連においては、ビジネスモデルの変革による収益基盤の強化に取り組んでおります。また、ICT・IoTやワンストップサービスを活用したソリューション提案力の強化を図ることで、お客様への提供価値の拡大に努めてまいります。
産業システム事業分野につきましては、PHEV・EV用モータ・インバータに続く、特長製品のラインアップ拡充や用途開拓に取り組むとともに、自動車メーカーのモデルベース開発を支援する解析・評価システムなどのソリューション提案力の強化により、事業領域の拡大を図ってまいります。
◎海外事業の成長拡大
アジアを中心とする新興国の社会インフラに広く参入することで、「国の成長」の歩みに合わせて事業を展開してまいります。中期経営計画「V120」では、当社グループが多くの実績を有する東南アジア、中東、更には成長市場であるインドにおいて、民間製造業や電鉄の新規プロジェクトへの参画、電力会社への参入に注力いたします。
現地拠点の再編、保守サービスの体制整備、現地企業との新たなパートナーシップ構築など、事業体制の強化に取り組むとともに、継続的な成長投資を実行してまいります。
また、為替や契約、品質などのリスクを最小化するために、地域統括会社の管理体制の整備、技術員の増強を推進してまいります。
◎製品競争力の強化
開発面につきましては、発電、変電・配電、モータ・インバータなど、当社グループのコア製品群である重電製品の価格・性能・品質、独自性などの製品競争力強化に注力し、新製品開発の成果も出ております。今後も、更なる特長製品の創出に向けて、基盤技術強化に注力してまいります。
生産面につきましては、CADの更新をはじめとする、ICT・IoTを活用した生産システムの構築や最適なサプライチェーンの構築を図ってまいります。
更には、製品とシステムの連携強化による相乗効果を発揮することで、国内・海外で、持続的な成長・発展を実現してまいります。
■重点施策
◎新たなパートナーシップの構築
当社グループ内のリソースによる競争力強化を推進するとともに、異業種や大学・研究機関、海外企業などとの「パートナーシップ」を戦略的に構築し、当社グループの強みと社外のリソース・知見を組み合わせることで、技術力、販路・商流、生産機能などのより効率的な拡大・強化を図ってまいります。
国内ではイームル工業株式会社との連携強化による中小水力発電事業の強化や、オルガノ株式会社との連携強化による公共上下水道施設全体としてのソリューション提案力の強化を図ってまいります。
海外では、避雷器事業の販路拡大、現地生産機能獲得のため、ドイツの避雷器製造販売会社TRIDELTA社の株式を100%取得いたしました。また、インドの変圧器製造・販売会社Prime Meiden Ltd.とともに、インド及びインド以西地区の事業拡大に注力しております。更には、シンガポール公益事業庁(PUB)との工業排水処理の共同実証試験をはじめとする、公的機関とのパートナーシップも推進してまいります。
◎人財の育成
「すべての事業戦略を支える基盤は人財にある」との認識に立ち、教育体系の整備、女性の活躍の場の拡大をはじめとするダイバーシティの推進など、適切な処遇・制度運用を図るとともに、モチベーションを最大限に発揮するための取組みを継続してまいります。
また、グローバルな人財獲得、育成のために、シンガポールとタイに研修センターを設立し、現地従業員の技術力向上を推進しております。更には、海外現地従業員の積極的な役職登用など、グループ内の人財最適配置、登用を進めてまいります。
◎CSRの取組み
当社グループは、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメントを経営の基盤として位置付けております。
コーポレートガバナンスについては、執行役員制に基づく業務執行機能と取締役会の意思決定・監督機能の実効性向上に資する取組みや、IR(インベスター・リレーションズ)活動等を通じた株主をはじめとするステークホルダーへの適切な情報開示を実行することにより、更なる経営の効率性や公正性の向上に努めてまいります。
また、コンプライアンスの徹底やリスクマネジメントの体制整備を行い、それらを土台に、環境経営、品質・安全の向上、地域社会への貢献といったCSRの取組みを着実に展開してまいります。
◎強固な財務体質の構築
収益性改善による自己資本の充実、資産効率化によるキャッシュ創出力の向上、資金調達の多様化による財務安定性の確保に向けて、財務目標を設定し、グループを挙げて目標達成に向けた体質強化に取り組みます。
[社会インフラ事業分野]
電力・社会システム事業関連につきましては、電力会社の設備更新や電力システム改革に伴うコスト削減や運用・保守の合理化など、電力会社の課題やニーズに対応する製品やサービスを拡充してまいります。また、中小水力発電事業をはじめとする再生可能エネルギー関連など、今後の成長が見込まれる領域への取組みを引き続き強化してまいります。海外では、アジア新興国の電力会社への参入を図るとともに、日系企業を中心とした民間製造業向けの販売・サービス体制を強化してまいります。
水・環境システム事業関連につきましては、ICT・IoTやワンストップサービスを活用したソリューション提案力の強化、設備の長寿命化、省エネルギーなどのニーズへの対応力を強化いたします。また、戦略的パートナーシップも活用し、プラント設計から機械設備も含めた運転・維持管理までの総合的な対応力を強化することで、官民連携事業(PPP)などの新たな事業展開に取り組んでまいります。更には、特長製品であるセラミック平膜の海外拡販にも注力してまいります。
電鉄システム事業関連につきましては、国内においては、回生電力装置、架線検測装置の拡販を目指してまいります。海外においては、現在アジア・中東において、複数の大型プロジェクトを手掛けております。今後も引き続き大きな需要が見込まれるため、プロジェクト管理の仕組み・体制を強化し、更なる事業の拡大と採算性向上を図ってまいります。
[産業システム事業分野]
PHEV・EV用モータ・インバータ事業関連につきましては、継続的な基盤技術開発、製品開発による、更なる高効率・小型化を実現することで製品競争力を強化し、拡販を図ってまいります。
電動力応用事業関連につきましては、特長ある新製品として、高速モータ、トランスレス高圧インバータを開発いたしました。今後も、PHEV・EV用モータ・インバータで培った基盤技術や量産技術を活かし、エレベータ用、フォークリフト用のモータ・インバータなど、特長製品の競争力強化と拡販に注力してまいります。
動力計測システム事業関連では、自動車のモデルベース開発へのソリューション提案力を強化してまいります。試験システムの性能向上により、実験車両評価の高度化を通して、自動車開発の期間短縮、品質向上に貢献いたします。「V120」では、ダイナモメータの加振性能向上を図り、自動車開発プロセスにおけるシステムインテグレータへの飛躍を目指してまいります。
[保守・サービス事業分野]
国内につきましては、保守サービスの領域を従来の電気設備中心から機械設備に拡大させるとともに、機器製造から保守・点検、運転・維持管理までを行う施設全体のワンストップサービスの強化を進めております。また、ICT・IoTを活用した保守サービスの合理化を進めてまいります。これらにより、国内公共施設の維持管理・運営のアウトソーシングやインフラの長寿命化などの新たなニーズを捉え、収益力の向上に努めてまいります。
海外においても、日系企業を中心とした民間製造業向けの当社グループの納入実績の増加に伴い、保守サービス体制の整備、強化を推進してまいります。
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
1.基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主のみなさまの共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量取得であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量取得の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量取得の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社グループの企業価値の源泉は、主に、①グループ全体で創業以来培ってきた豊富な技術蓄積と「ものづくり力」、特に、環境対応製品を生み出す技術開発力、②高品質かつ豊富な製品ラインアップと品質保証体制、③お客様ニーズに応じたシステムエンジニアリング力、④充実した保守サービス体制、⑤お客様や、取引先及び従業員との安定的かつ強固な信頼関係の5点に集約することができ、当社グループはこれらを相互に連繋させることにより、安定的な事業活動を展開しております。当社株式の大量取得を行う者が、これらの当社の企業価値の源泉を理解したうえで、それを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量取得を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
2.基本方針実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社グループでは今後も着実に事業を展開していくため、中期経営計画「V120」を推進しております。「製品力で新しい「未来」を創造する」をスローガンに掲げ、①国内事業の収益基盤強化、②海外事業の成長拡大、③製品競争力の強化の3つの基本方針を基に展開しております。
(「V120」の詳細につきましては、当社の平成27年5月13日付プレスリリースをご参照ください。)
また、当社では平成15年6月より執行役員制を導入し、経営の意思決定及び監督機能と業務執行機能とを分離し、業務執行の迅速化を図り、効率的な経営を進めるとともに、取締役会を重要な戦略的意思決定を行う場として活性化し、その機能強化を図っております。また、現時点における取締役10名のうち2名を社外取締役とすることで、経営の透明性を確保し、取締役会による業務執行に対する監督機能を充実させ、コーポレート・ガバナンスを強化しております。
3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
当社は、平成23年6月24日開催の当社第147期定時株主総会の決議に基づき更新しました「当社株式の大量取得行為に関する対応策」(買収防衛策)につきまして、平成26年5月12日開催の取締役会及び平成26年6月27日開催の当社第150期定時株主総会の各決議に基づき、その内容を一部改定したうえで更新いたしました。(以下、更新後の買収防衛策を「本プラン」といいます。)
本プランによる、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的内容の概要は、次のとおりであります。
当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式の大量取得を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する当社株式の大量取得を抑止するために、当社株式に対する大量取得が行われる際に、当社取締役会が株主のみなさまに代替案を提案したり、あるいは株主のみなさまがかかる大量取得に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のみなさまのために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。
本プランは、以下の①もしくは②に該当する行為又はこれに類似する行為(これらの提案を含みます。)(当社取締役会が本プランを適用しない旨別途決定したものを除くものとし、以下「買付等」といいます。)がなされる場合を適用対象とします。
①当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得
②当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等
所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
買付等を行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)には、予め本プランに定められる手続に従っていただくこととし、本プランに従い当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施に関する決議を行い、又は当社株主総会において本新株予約権の無償割当ての実施に係る議案が否決されるまでの間、買付等を実行してはならないものとします。
買付者等は、買付等の開始又は実行に先立ち、法的拘束力のある意向表明書、及び買付等の内容の検討に必要な所定の情報等を記載した買付説明書を、当社取締役会に対して提出していただきます。また、独立委員会は、当社取締役会に対しても、買付等の内容に対する意見や代替案(もしあれば)等の情報を提供するよう要求することができます。
独立委員会は、当該買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉等を行い、かかる検討等の結果、当該買付等が本プランに定める手続を遵守しない買付等である場合又は当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある場合等であって、かつ本プランに定める新株予約権の無償割当てを実施することに相当性が存し、本プラン所定の発動事由に該当すると判断した場合には、当社取締役会に対して、買付者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権の無償割当てを実施することを勧告します。他方、独立委員会は、買付者等による買付等が本プラン所定の発動事由に該当しないと判断した場合には、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てを実施すべきでない旨の勧告を行います。
また、独立委員会は、買付等について、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがある場合、その理由を付して、株主総会を開催し買付者等の買付等に関する株主意思の確認を行うこと等を勧告することもできるものとします。
当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重して新株予約権の無償割当ての実施又は不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。
本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買付者等以外の株主のみなさまに当社株式が交付された場合には、1個の新株予約権につき、原則として1株の当社株式が発行されることから、買付者等の有する当社の議決権割合は、最大50%まで希釈化される可能性があります。本プランの有効期間は、原則として、平成26年6月27日開催の第150期定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとされております。
4.具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画「V120」及びコーポレート・ガバナンスの強化等の各施策は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは、当社株式に対する買付等がなされた際に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランにつきましては、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性の原則)を充足していること、第150期定時株主総会において株主のみなさまの承認を得て更新されており、有効期間が約3年間と定められていること、本プランの発動の是非について株主のみなさまの意思の確認がなされることがあること、また当社の株主総会又は取締役会によりいつでも本プランを廃止できるとされていること等、株主のみなさまの意思を重視するものとなっております。また、これらに加え、当社経営陣から独立した弁護士・会計士等の専門家、社外有識者から構成される独立委員会が設置され、本プランの発動等に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で第三者専門家等を利用し助言を受けることができるとされていることにより、その判断の公平性・客観性が担保されており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが事業活動を行っている日本、アジア、アメリカ、その他の市場において、景気後退により民間設備投資が減少した場合、また、公共事業の削減が行われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、日本国内のほか諸外国に製造・販売拠点等を有しております。各市場においては、下記のような各国の法律・規制等の変更により、完全には回避することが困難なリスクが存在しており、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・輸入規制や関税率の引き上げ等
・各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更等
・地域的な雇用環境の変化、労働関連法令の改正等
当社グループは、アジアとアメリカを中心とする海外市場における事業の拡大を図っております。海外事業においては、それぞれの国や地域において、テロの発生及び政情悪化、商習慣の相違等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、海外事業の拡大をはかっており、為替相場の変動リスクを軽減させるための施策を実行しておりますが、急激な為替相場の変動が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
原材料の価格が高騰した際に、製品価格に反映することが困難な場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの借入金は、平成28年3月末時点で47,845百万円(総資産の18.8%)であり、今後の市場金利の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
有価証券等の金融資産を保有しているため、時価の変動により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 品質問題
当社グループでは、製造・販売する製品について品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めております。また、製造物賠償責任については必要な保険に加入しております。しかしながら、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報漏洩
当社グループの保有する個人情報や当社グループの技術・営業等の事業に関する機密情報等については社内規程の整備やその徹底を通じて万全を期しておりますが、コンピューターウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、社外に漏洩した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動に関連して、様々な事由により、当社グループに対して訴訟その他の請求が提起される可能性があり、その内容によっては当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各拠点で防災対策を実施しておりますが、拠点のいずれかが大規模災害により被災し、稼働が困難になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業用の資産や企業買収の際に生じるのれんなど様々な有形・無形固定資産や繰延税金資産等を計上しております。これらの資産については、今後の業績計画との乖離や時価の下落等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの年金資産の運用利回りが低下した場合、退職給付債務を計算する前提となる基礎率に変更がある場合、及び退職給付制度の変更がある場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、ドイツの持株会社TRIDELTA GmbHから、その傘下の避雷器製造販売会社であるTRIDELTA Überspannungsableiter GmbH (トリデルタ・ウバーシュパヌングスアップライター有限会社)を買収することで合意し、平成27年6月8日付で持分譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。
当社グループでは、中期経営計画「V120」に掲げる製品競争力の強化を実現するために、構造・熱流体・電磁界などの解析技術や、絶縁材料を含む材料技術などの製品を支える基盤技術力の向上に取り組んでおります。特に重電コア製品である「発電機」・「スイッチギヤ」・「変圧器」・「モータ・インバータ」の開発に重点的に取り組み、新製品創出や既存製品の改良・原価低減を行いました。
当連結会計年度の研究開発費は、連結売上高の4.2%にあたる9,970百万円でした。各事業分野別の研究開発費は、社会インフラ事業分野で4,535百万円、産業システム分野で2,243百万円、保守・サービス事業分野で180百万円、その他事業分野で44百万円でした。また、研究開発本部等で実施している全社共通の研究開発費は2,966百万円でした。
当連結会計年度の主な研究開発の取り組みは次のとおりです。
スイッチギヤにつきましては、真空インタラプタを適用した世界初の145kV-ガス絶縁開閉装置(V-GIS)を開発し、初号機をASEAN地区に納入し運転を開始いたしました。今後は、新しい電極材料や全体構造の改良を継続し、V-GISの適応領域を拡大することでシリーズ化を図ります。
変圧器につきましては、絶縁油に植物油を採用した環境に優しい変圧器のラインアップ強化として154kV以上の高電圧・大容量に対応した技術開発に取り組んでおり、材料面から改良を加えることで製品の長寿命化を目指しております。
電気自動車関連につきましては、競争力強化のために、モータ・インバータの更なる小型化、高効率、低コストに向けた開発を推進しております。
モータにつきましては、小型化・高効率を実現した高速モータ(250kW-20,000回転/分)を開発いたしました。このモータは曝気用ブロアやコンプレッサなどに適用可能で、海外も視野に入れた新たな市場開拓に貢献できるように、更なる高速・大容量製品の開発を進めてまいります。
インバータにつきましては、当社独自の回路方式で世界最小容積・最高効率となるトランスレス高圧インバータの製品開発を行いました。今後はラインアップの拡充を行ってまいります。
基盤技術力の向上におきましては、開発プロセスの革新・改善を目的に大規模解析用コンピュータを駆使した開発手法を確立いたしました。発電機につきましては、製品全体の熱の流れを解析することで装置内の温度分布を可視化し冷却効率を向上させ、製品の小型化・低コスト化を実現いたしました。今後は、この手法を他の製品開発に適用するとともに、モデルベース開発を実現するための高度な解析技術の開発に注力してまいります。
さらに、当社グループの事業や製品の付加価値向上を目的に、電力・中小水力発電・上下水道などの諸設備の保守・点検・維持管理や運転管理を行う、ICT・IoTを活用したワンストップサービスの仕組みづくりを行っております。これにより、お客様設備の運転データ収集・解析を行い、既設設備の稼働率向上や故障の予兆検知を実現することでお客様へ最適運用プランを提案することを目指しております。また、水・環境事業分野で確立したクラウド技術を応用し、国内初の変圧器のオンライン余寿命診断監視システムの開発を完了いたしました。今後は、他のインフラ設備に対してもその技術を応用したビジネス展開を推進してまいります。
当連結会計年度末(以下、「当期末」)の総資産は、前連結会計年度末(以下、「前期末」)比494百万円(0.2%)減少し、255,024百万円となりました。
流動資産は現金及び預金の増加により、前期末比1,679百万円(1.1%)増加の148,757百万円となりました。
固定資産は、保有する上場株式の市場価値下落に伴い投資有価証券の評価額が減少し、前期末比2,173百万円(2.0%)減少の106,267百万円となりました。
当期末の負債の合計は、前期末比1,860百万円(1.0%)減少して186,253百万円となりました。
流動負債は、短期借入金の増加により、前期末比8,478百万円(7.4%)増加し、123,157百万円となりました。
固定負債は、長期借入金の減少により、前期末比10,338百万円(14.1%)減少し、63,095百万円となりました。
当期末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により、前期末比1,366百万円(2.0%)増加して68,771百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末の25.9%から26.5%となりました。
事業の売上高の概況につきましては、第2「事業の状況」に記載しております。当連結会計年度(以下「当期」)の営業利益は10,517百万円となり前連結会計年度(以下「前期」)と比較し520百万円増加しております。
当期の金融収支(受取利息配当金から支払利息、手形売却損を差し引いた純額)は、45百万円の費用計上となりました。前期の金融収支が158百万円の費用計上であるため、費用計上が112百万円減少しております。この結果、経常利益は10,595百万円となり前期と比較して92百万円増加し、売上高経常利益率は4.5%となっております。
当期の特別損益につきましては、特別利益が472百万円、特別損失が708百万円となりました。特別利益の主な内訳は、投資有価証券売却益366百万円であります。特別損失の主な内訳は、関係会社投融資等損失588百万円及び投資有価証券評価損60百万円であります。
この結果、税金等調整前当期純利益は10,358百万円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は6,962百万円となっております。また、1株当たり当期純利益は30円68銭、自己資本利益率は10.4%となっております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、第2「事業の状況」に記載しております。