当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、2022年度(当連結会計年度)末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 価値創造プロセスと重要課題(マテリアリティ)
当社は創業以来、社会インフラ分野を中心に様々な技術や製品・サービスを創出し、社会の持続的な発展に貢献してきました。現在、2030年のありたい姿・ビジョンとして『地球・社会・人に対する誠実さと共創力で、新しい社会づくりに挑む 〜サステナビリティ・パートナー〜』を掲げております。
時代が大きく変化し、新しい社会システムの構築が求められる中、これまで培ってきた技術や人・組織能力をはじめとする様々な資産をベースに、当社らしさが活かせる4つの注力領域において、「ニーズ課題把握」、「製品システム提供」、「アフターフォロー」に注力するとともに、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を通じてこれらの要素を組み合わせた「ソリューションデザイン」によって社会の課題を解決し、目指したい社会の実現に挑み続けていきます。その際に、特に取り組む必要がある重要課題(マテリアリティ)を6つ定め、中期経営計画の中でその解決に向けた施策を展開しております。

(2) 「中期経営計画2024」
ありたい姿・ビジョンの実現及び重要課題(マテリアリティ)の解決に向け、「中期経営計画2024」では、以下の3つの基本方針を掲げ、戦略実行・施策展開を進めております。
①基本方針1.質の高い成長の実現
■財務目標
「中期経営計画2024」では、目標の実現に向けて、以下の3つのテーマを掲げました。
2022年度においては、海外事業の収益を前年度比で大幅に改善させるとともに、EV新生産ラインの立ち上げ等の取組みを実施しました。引き続き、2023年度も海外事業や成長事業の収益向上を図りつつ、昨年度は苦戦を強いられてしまった社会システム事業の収益改善に集中して取り組んでまいります。そして、2024年度目標の達成に向けて取組みを加速させてまいります。
ⅰ 成長事業の飛躍
EV事業や再エネ関連事業等、将来のコアとなる事業の売上・収益力の向上
ⅱ 収益基盤の競争力強化
ソリューション・デザインによる価値提供などを通じたインフラ事業の競争力強化
ⅲ 海外事業の収益力向上
インド及びベトナム子会社、米国子会社に関する成長投資成果の早期創出と安定的な成長の実現
■4つの注力領域
「中期経営計画2024」では、事業活動を通じて目指したい社会づくりに主体的に挑む魅力的な企業でありたいという想いを実現するため、4つの注力領域とそれぞれの提供価値を定義しております。
②基本方針2.サステナビリティ経営の推進
これらの注力領域における事業拡大を確実にするため、「カーボンニュートラル」及び「ウェルビーイング」といった価値の提供に資する分野に経営資源を集中しながら、ありたい姿・ビジョンの実現に向けて取り組んでおります。
■カーボンニュートラルの実現(グリーン戦略)
当社グループでは、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向け、社内の脱炭素化及び脱炭素事業の拡大が必要不可欠と考え、中長期目標として第二次明電環境ビジョンを掲げ、各種の取組みを進めております。
ⅰ事業活動における社内の脱炭素化
社内脱炭素化の取組みとして、再生可能エネルギーの導入を積極的に進めております。2022年度において は各子会社の取組みとして、㈱甲府明電舎で事業活動における調達電力の一部を再生可能エネルギーに置き換えたことに加え、明電興産㈱の新社屋において同じく子会社である㈱エムウインズが運営する風力発電所由来の電力を調達するなど、事業活動のCO2フリー化を進めております。
また、環境に資する投資の促進を目的に、インターナルカーボンプライシング(内部炭素価格)の基準を、2023年度より従来の3,000円から15,000円に引き上げることを決めました。この他にも様々な取組みを推進しており、KPI(重要な業績評価の指標)として設定しているScope1、2削減率の2022年度実績は、当初計画を上回ることができました。
ⅱ脱炭素化事業の拡大
脱炭素化事業の拡大について、サプライヤとも協働しながら製品のグリーン化を進めるとともに、温室効果ガスを排除したエコタンク形遮断器やGX特高製品に代表される環境配慮型の製品の拡販に注力しており、着実に成果を上げております。
また2022年度においては、エコタンク形遮断器の販促訴求に係わるライフサイクル工程での「温室効果ガス(GHG)見える化」や「GHG削減活動」等が評価され、「令和4年度気候変動アクション環境大臣表彰」及び「第19回LCA日本フォーラム表彰奨励賞」を受賞することができました。
■ウェルビーイングの実現
当社の価値創造の源泉は人財であり、新しい社会づくりに挑み持続的に価値を提供するためには、事業に必要なスキル・経験を持つ人財を獲得・育成するとともに、その多様な人財がオープンで創造的な風土のもと、達成感・成長の実感を持つことが大切だと考えております。
・主な取組み
■2023年度の重点実施事項
グリーン戦略では、世の中の脱炭素化機運の更なる高まりも踏まえると取組みの一層の加速が必要であり、中長期目標の見直しも視野に入れて推進してまいります。また、人財育成施策の早期展開や、個人が会社で実現したいビジョンを組織で対話し具現化させるMyビジョン・Myチャレンジ活動の展開、明電みらいミーティングを通じた未来の取組みに関する対話、個々の挑戦を支援する仕組みを更に展開し、個人の持てる力を引き出すことで、価値創造に繋げてまいります。
③基本方針3.両利きの経営の推進
「両利きの経営の推進」では、当社の事業活動がイノベーションを通じて新しい社会づくりを加速させることを目指しております。その一環として、2022年度よりイノベーション担当役員をリーダーとする「MASTプロジェクト」※の取組みを進めております。
本プロジェクトでは、次の事業の柱の探索・立上げに向けた人財育成や風土醸成などの土台作りに取り組みつつ、既存事業に属さない新たな事業アイデアの社内公募とその支援及び他社との共創活動を推進しております。
※MASTプロジェクトの名称は、「(M)明電舎の(A)明日を(S)創造する(T)考える」の略であり、帆柱の意味も込めています。
④「中期経営計画2024」の先を見据えて
コロナ禍を経て世の中の正常化が進んでいく中、社会を支える企業として、古い価値観に縛られることなく、「新しい当たり前」を創り上げていくことが求められます。当社では「中期経営計画2024」の完遂と並行して、収益性・成長性といった要素とあわせて、社会的責任やお客様への供給責任などの果たすべき義務、環境負荷低減等の社会課題への貢献という観点で、事業ポートフォリオの再構築を進めてまいります。そして長期・中期・短期の時間軸で経営を推進するべく、未来のあるべき姿を見据えた長期ビジョンとしてこれを取りまとめ、株主のみなさまにお示しいたします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、2022年度(当連結会計年度)末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役 執行役員社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。
2022年度より、経営判断を行う場と進捗把握を行う場を切り離す目的で、前年まで設置していたESG推進委員会からサステナビリティ経営戦略会議とサステナビリティ経営推進会議の2階構造に体制を見直しております。同会議体での議論内容については、常務会・取締役会へ年2回、定期的に報告しております。
サステナビリティに関する役員報酬連動については現在関連部門にて対象指標の選定や評価割合の議論を進めております。

~両会議体における議題(2022年度)~
当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、内部統制推進部にて行っております。サステナビリティ全体に関するリスク管理については、サステナビリティ経営を推進するサステナビリティ推進部が中心となり関連部門とともにリスクの抽出を行っており、その内容については全社リスクの中に織り込んで、様々なリスクとともにマネジメントされております。リスク管理の詳細については、
当社グループは、持続可能な社会の実現と持続的な成長を目指し、2030年のありたい姿・ビジョンとして「地球・社会・人に対する誠実さと共創力で、新しい社会づくりに挑む 〜サステナビリティ・パートナー〜」を掲げております。目指したい3つの社会の実現、及び当社グループの持続的な成長を目指し、当社らしさを活かせる4つの注力領域を設定したうえで、価値創造プロセスを整理し、特に対処すべきマテリアリティ(重要課題)を6つ設定しております。マテリアリティの抽出については、経営企画本部が中心となり各事業グループや横断部門と意見交換を行ったうえ、サステナビリティ経営戦略会議・常務会・取締役会で議論を経て決定しております。

※マテリアリティに関する詳細な情報については、
2023年9月に当社ウェブサイト(https://meidensha.disclosure.site/ja/themes/129)にて公表予定の
書(明電舎レポート)2023年度版
当社グループにおけるマテリアリティのうち、①気候変動への対応、②人的資本については、特に企業経営に影響を与えると考えており、それぞれの項目にかかる当社グループの考え方及び取組みは、次のとおりであります。
①気候変動に対する取組み
<TCFD提言に基づく開示>
当社グループは長年、気候変動問題を重要課題として認識し、事業を通じて問題解決に取り組んでまいりました。2019年6月にTCFD提言への賛同を表明し、2020年よりTCFDのフレームワークに沿ったリスク・機会の検討を開始して、戦略への織り込みを進めております。
<ガバナンス>
先述のとおり、サステナビリティ全般について扱うサステナビリティ経営戦略会議及びサステナビリティ経営推進会議にて、脱炭素に向けた戦略策定などを検討しております。議論の内容については年2回サステナビリティ担当役員・サステナビリティ推進部より取締役会及び常務会へ報告を行っております。これと並行して、生産統括役員が委員長を務める「明電グループ環境委員会」にて、社内環境活動の進捗管理として、四半期ごとに社内課題の抽出や環境目標や実施計画、緊急事態発生時の対応等を審議し、環境経営の具体的な施策展開を推進・モニタリングしております。
<リスク管理>
先述のとおり、サステナビリティ全体に関するリスク管理については、サステナビリティ経営を推進するサステナビリティ推進部が中心となり関連部門とともにリスクの抽出を行っており、その内容についてはガバナンス本部が管理をする全社リスクの中に織り込んで、様々なリスクとともにマネジメントしております。気候変動に関するリスクについてもその中に含まれております。
<戦略>
気候変動に対するシナリオ分析
気候変動に対するシナリオ分析は、サステナビリティ推進部が関連部門と連携し、シナリオ分析の検討プロセスを4つに分けて、年次で分析・評価をしております。同時に事業に影響を及ぼす重要な要因を選定し、特定したリスクと機会、評価を事業戦略に反映しております。
■STEP1 シナリオ群の選択・具体化
TCFDが推奨するように、2℃シナリオ以下を含む複数の温度帯シナリオを選択し、分析を行っております。脱炭素シナリオ(RCP1.9)及び温暖化シナリオ(RCP4.5, RCP8.5)の2つのシナリオに基づき、IEAやIPCCなどの国際公表データや日本の政府機関が公表している数値データなどを用いつつ、5フォース分析などの経営フレームワークも活用し、各シナリオにおける2030年の世界観や具体的なシナリオを整理しております。


■STEP2 気候変動関連リスクに対する重要度評価
TCFD提言で例示されているリスク・機会を参考にしつつ、各シナリオの世界観をもとに、気候変動に伴うリスク・機会の因子 を整理しております。その上で当社にとっての機会・リスクを明確化しております。

■STEP3 事業インパクト評価
STEP1で整理したシナリオ別の世界観及び、STEP2で整理した機会・リスク項目を踏まえ、経営企画本部・経理・財務本部・ガバナンス本部・事業部門などの社内関係者が議論をして事業インパクトの評価を実施しております。その過程で2030年における「営業利益へのインパクト」、「事業発生の蓋然性」の2軸から特に事業への影響が大きい項目をスクリーニングし、それらの項目について詳細分析を実施しております。影響が大きい各項目は、シナリオ別に市場成長率などをもとに「成行値(対策織込み前の値)」を把握しました。一部仮定を置きながら定量的に試算し、計算が不可能な項目については定性的に整理しております。


■STEP4 対応策の検討
STEP3で算出した「成行値」をもとに、当社の置かれた状況を踏まえ、機会を掴む戦略、リスクを軽減するための施策を検討してまいりました。

<指標と目標>
当社は、気候変動に伴う変化を事業機会として捉えた戦略を展開しております。 事業面では、特にEV事業、再生可能エネルギー事業をより拡大し、脱炭素社会の構築に貢献してまいります。また社内のリスク低減のために、環境目標の中間段階である2030年度の温室効果ガス排出削減目標を上方修正した、第二次明電環境ビジョンを2021年度に発表しScope1,2,3の GHG削減目標を開示しております。なお、本目標はSBTイニシアチブの認証を取得しております。目標達成に向け、サプライヤーと連携を図り、取り組んでまいります。加えて2021年11月に中長期目標として、2040年RE100、2050年カーボンニュートラル達成を宣言しております。

※2030年度目標を含む第二次明電環境ビジョンはSBT(Science Based Targets)認定を取得しております。
~2030年までの削減計画内訳~

②人的資本に対する取組み
事業環境が急速に変化し、求められる価値や産業構造がシフトする中、当社グループもその変化に対応し、価値提供のあり方を見直していく必要があります。2030年の目指す姿の実現に向け、「メーカーとして長年培ってきた技術力を活かし、お客様に満足頂ける製品・システム・サービスを提供」 「世の中が抱える課題・ニーズを解決するソリューションの提供」を通じて新しい社会作りに挑むことを目指しており、そのためには絶えず事業変革を行いイノベーションを起こすこと、それらを実現する人財の獲得・育成が必要不可欠です。
また社会成熟に伴い人々の価値観が多様化し、幸せの形や働き方が変化している中、人財を人的資本として捉え、各々の能力(A)とモチベーション(M)を高め、すべての従業員が活躍できる機会・環境を整備する(O)ことで企業パフォーマンスを最大化することも必要です。このAMOフレームワークが当社グループの人的資本への考え方のベースにあります。
人的資本は当社の価値創造の源泉であり、対応の遅れは企業運営・事業継続に関わる重要リスクになるため、「人的資本への対応」をマテリアリティの1つとし、「経営課題を解決する人財育成」「個を尊重した組織への転換」を軸に取組みを進めております。

<経営課題を解決する人財育成(人財育成方針)>

当社グループの価値創造を支えてきたのは「研究開発・ものづくり・ICT等の経験・知見を持つ人財」であり、今後も社会に必要とされる存在になり続けるためには、こうした人財を獲得・育成し、製品競争力・保守メンテナンス力を強化し続けることが必要不可欠です(①)。また、世の中が抱える課題やニーズに対するソリューション提案を行うには「地球・社会・人に対して深い知見を持ち、主体的に新しい社会作りに取り組むことができるような自律的かつデジタル(DX)人財」の育成が必要になります(②)。そして多様な個を活かし・束ね、組織のパフォーマンスを最大化できるようなマネジメント層の育成も重要な要素になります(③)。
以上のような課題認識のもと、2022年に人事統括役員をリーダーとした組織横断の「人財タスクフォース」を立ち上げ、人財育成方針(コンセプト)作りや、具体的に必要となるスキルの整理を行っております。
■具体的取組み
以上を踏まえ、事業展開を支えるスキル(技術/技能/保守、ソリューション提案)を有した人財の獲得・育成が必要であり、以下のような様々な取組みを進めております。
ⅰ 採用
当社グループは、各部門の現状課題の解決・将来事業展開に必要な人財獲得を行っております。特に、技術・技能人財に関しては、実践的なニーズについては実践教育を受けている高専卒、探索寄りのニーズについては、より専門性の高い博士を中心に採用を進めております。また事業展開上必要な人財が不足する場合は、キャリア採用を進めつつ、並行してリスキリング・学び直しによる社内の人財活用も行っております。
また経営課題として、人財年齢構成のアンバランスの問題もあるため、事業状況・労務構成に応じてバランスを見ながら中途採用も進めております。

ⅱ 人財育成
以下の人財育成方針を掲げ、従業員として、社会人として、プロフェッショナルとして、従業員の様々な側面から成長を促すため多くの研修制度を実施しております。
●人財育成方針
「~自ら考え、行動できる、自律性を持った人財の育成を目指し、会社主導から手挙げ制の教育研修制度へシフト~」
1.人こそが価値創造の源泉 → 人財投資のプライオリティ向上・経営の柱へ
2.多様な個を踏まえた主体的な学び → 個性・得意を強みにしたプロフェッショナル集団へ
~全社研修体系~

●技術人財育成
従来から専門技術の習得と実務能力の向上のための技術研修を実施してまいりましたが、若手社員の技術力強化を目的として、2018年度より、技術系・事務系問わず明電舎の技術や製品を理解するために欠かせない電気に関する知識を学ぶ「電気基礎教育」を実施しております。2019年度からは「ICT教育」を追加し、DX実現に欠かせないICTの基礎教育・デザイン思考の教育にも取り組んでおります。2022年度は、具体的に以下のような強化を図りました。
①新入社員への体験型ICT教育(入門・基礎)を導入
②工場部門と連携し、電気基礎教育のための教科書を作成
③営業技術部門の若手社員を対象に交渉力教育を実施
また、技術員の早期育成や技術・技能の伝承を目的として、沼津事業所に開設した技術研修センター『Manabi-ya』では、ベテラン社員を中心とした講師陣による技術・技能教育、技術員の計画的な育成とレベル向上を図っております。特にメンテナンス技術者は、この技術研修センターで1年間学び、メンテナンスの技術力を習得しております。VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)を用いた体験型教育コンテンツも展開しており、安全や技術教育への活用を拡大しております。2022年度は風力発電設備(ナセル)コンテンツの新規製作など、VR・AR教育の充実を図りました。
●ソリューション/イノベーション人財育成
世の中・地域の社会課題・ニーズを捉え、外部パートナーと共創してソリューションを生み出していくには、ソリューション構築の知見・ノウハウ獲得及び、実践を伴った試行錯誤の経験が必要不可欠であると考えております。当社グループでは、ベンチャーキャピタルと連携したソリューション/イノベーションワークショップの開催や沼津市の学校と連携した地域ソリューションコンテンツの検討などを進め、ソリューション/イノベーション人財の育成を行っております。
●経営人財の計画的な育成
2019年度より、次世代を担う人財の計画的・戦略的な育成を目的とした新たな人財育成プログラム「キャリア・デベロップメント・マネジメント制度」を展開しております。
若手・中堅層から選抜・公募し、ビジネススクール(社会人大学院)への派遣や事業部・工場・部門を越えた他部門人財交流、海外現地法人や国内関係会社との人事交流、グループ外・行政機関への出向を通じた異文化交流などを実施することで、自分の専門分野や業務の枠を越えた、広い視野と高い視座を持って考え、行動できる人財の育成を目指しております。
また、次期経営人財の育成を目的とした選抜研修に若手社員のプログラムを新設し、若手社員のうちから計画的に経営人財の育成に取り組んでおります。

<個を尊重した組織への転換(社内環境整備方針)>
従業員のウェルビーイングを向上させ、企業としての中長期的な価値創造につなげていくためには、「個を尊重した組織への転換」が不可欠です。従業員の能力を高めるだけではなく、働くモチベーションを高め、多様なバックグラウンドを持つ従業員が活躍できる機会・環境を整備する事で、「個の力」を最大限発揮され、組織のパフォーマンスとして最大化することにつながると考えております。
■具体的取組み
毎年実施している従業員意識調査の中に、従業員エンゲージメント指標(eNPS)を組み込みKPIとして設定し、従業員が重視する要因を分析し、その上で重点施策を決定しております。当社の課題として、やりがい・キャリア形成・評価/報酬/昇格制度などの「モチベーション向上」、オープン・柔軟・挑戦志向を含む「すべての従業員が活躍できる風土・機会の醸成」を軸に取組みを進めております。

ⅰ モチベーション向上
●やりがい・自己実現
・明電みらいミーティング・Myビジョン・Myチャレンジ
コロナ禍で一時中断していた役員と従業員の対話を、2022年より「明電みらいミーティング」としてリニューアル・再開し、各事業所にて32回実施してまいりました。経営方針の1つである「サステナビリティ経営」の内容を知ることを通じて、各々の業務が企業戦略においてどのような意味を持っているのかを理解するとともに、あらためて自分がこれからどのようなことをして社会に価値を提供していくのか、を考えるきっかけづくりを進めてまいりました。
この取組みの続きとして、多様な個を尊重し、従業員一人ひとりの主体性とやりがいを引き出すことを目的に、自分のビジョンを見つめ直し、会社のビジョンと照らし合わせ、企業の中で何にチャレンジをしていくのかを言語化する取組み「Myビジョン・Myチャレンジ」を開始しております。2022年度は経営層のMyビジョン・Myチャレンジの言語化を行ってまいりました。
・キャリアデザイン
このように多様化する価値観の中、キャリア意識も受動型から自律型に変化してきております。当社グループはこれまでキャリア相談については、自部門における自己申告面談を通じて行ってきましたが、2022年度に「キャリア相談窓口」という専門相談窓口を設置することで、従業員一人ひとりが自分の力を更に発揮し活躍できるような支援を強化しております。
やりがい向上・自己実現をはじめとする従業員のモチベーション向上を企業として更に支援していくべく、2022年度に労使検討委員会を発足し、更なる検討を進めております。
ⅱ すべての従業員が活躍できる風土・機会の醸成
●誰もが活躍できる組織へ、DEIの推進(女性・外国人・障がい者活躍等)
企業間取引の「グローバル化」、仕事と私生活の両立、自己の能力が活かせる企業での就業等、就業者の「就業意識や価値観の多様化」や、女性の社会進出やシニアの労働力人口の増加等の「労働力の変化」といった社会の変化を背景に従業員すべてが多様であり、誰もが活躍できる組織に変わる必要があるという認識のもと、性別や国籍、育児など特定の属性ごとに存在する、活躍を阻む要因の解消にも力を入れ、公平な風土・環境の中、さまざまな能力を持った「人財」が個々の能力を最大限に発揮し、個人の成長と組織の発展がともにある企業を目指し活動しております。2023年度は、DEI全般に関する方針・施策の決定機関「DEIコミッティ」を設立し、更なるDEI推進に取り組みます。
・女性活躍
管理職における女性の更なる活躍に向け、階層別に段階的な対策を実施しております。新卒採用においては、女性採用率、事務系総合職50%の継続、及び技術系総合職20%の達成に向け、女性向けセミナーを開催しました。若手・中堅クラスにおいては、視野の広がりや経験値の向上を図るため、異業種への人材派遣を実施しております。また2022年度に、女性管理職をより計画的に育成するため、役員が個別の対象者をサポートする「サポーター役員制度」を導入しました。ディスカッションを通して、対象者自身のマインドを高め、行動変革につなげるとともに、所属部門に対し、能力の引き上げ方法や異動・配置変更等の助言を行うことで、的確な育成計画の策定と実行をしました。管理職クラスにおいては、外部機関におけるトップマネジメント研修による実力とスキル向上の機会を創出しております。
・外国人幹部育成
海外展開の更なる拡大に向け、ナショナルスタッフから現地法人社長への登用は必要不可欠と考えており、現地法人社長候補の育成に向け、各社の統括役員による定期的な幹部候補者面談を行い、経営マインド醸成を実施しております。併せて、コーチングプログラムを行い、幹部候補者のマネジメント能力向上も図りました。
・障がい者雇用
すべての人との「共生」を実現するため、障がい者雇用も積極的に行っております。障がい者雇用率(株式会社明電舎、明電ユニバーサルサービス株式会社、明電マスターパートナーズ株式会社の合計)は、2023年4月1日時点2.5%となり、法定雇用率2.3%を達成しております。
・その他の取組み
多様な人財の活躍できる環境づくりという観点から、障がい者雇用、男性育児休暇取得促進、性的マイノリティであるLGBTQへの理解促進も行っております。男性育児休暇取得促進については、社内ポスターによる啓発などの取組みにより取得率は70%となりました。また、LGBTQ理解促進のため、採用エントリーシートの性別欄の廃止、LGBTQ基礎教育の実施、当事者相談窓口の設置などを行い、評価指標「PRIDE指標2022(work with Pride主催)」において、最高評価のゴールドを取得しております。このような取組みの効果を測るため、従業員意識調査にてインクルージョンインデックス指標の取得を開始しております。
●挑戦を応援する風土
・個人起点の事業アイデアを育てるコンテスト「MEIANチャレンジ」
社内のイノベーション風土醸成と社会課題を起点とした新規事業テーマの創出を目的とし、社内アイデアコンテスト「第1回 MEIANチャレンジ」を開催しました。第1回の最終発表会では、オンライン参加を含め300名を超える従業員が参加し、出てきたアイデアに対して活発な意見交換が行われました。今後も引き続き、当社グループ従業員が考える「ありたい未来」を仲間とともに自由に発想し、当社の明日を変えるようなアイデアを募り、事業として形にできる場を提供してまいります。
・10%カルチャーの展開
2022年度より勤務時間の10%を本業以外のイノベーション活動に利用可能とする「10%カルチャー」の運用を開始しております。本制度の定着を通じて新たな挑戦・イノベーション活動への参画の土壌を作っております。
<指標・目標>
以上の取組みを踏まえ、当社グループでは以下のような項目について目標値を設定しております。2023年度には目標項目・目標値の見直しを行っていく予定です。
※同一労働の賃金に差はなく、提出会社の正社員のうち管理職における男女間賃金格差は、93.0%となります。
(4)指標・目標
以上の内容を踏まえ、当社グループでは「
当社グループでは、下図のとおりスリーラインモデルによるリスクマネジメント体制を構築しております。

【用語の説明】
なお、「リスクマネジメント委員会」と「グループ会社内部統制委員会」は、管理部門全般を管掌する当社取締役兼専務執行役員が委員長として統括しております。
第1ラインのCSAによる各部門の重要リスク情報は、事業グループ単位のリスクディスカッションを経て内部統制推進部に集約され、内部統制推進部は第2ラインのリスク情報と第2ラインのリスクコントロール状況を加味し、全社的に認識すべき重要リスクの一覧表を作成しております。

(3) 重要な事業リスク
上記の経営層による議論の結果、当社グループは、本有価証券報告書に記載している事業のうち、投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク事象は下記のとおりと考えており、発生可能性よりも影響度の大きさを優先して重要なリスク事象を抽出しておりますが、必ずしも重大な影響を及ぼすと判断できないものにつきましても積極的な情報開示の観点から記載しております。
これらのリスクの内容とシナリオ及び対応策につきましては、適宜取りまとめて下記(4)「重要な事業リスクの内容と対応策」に記述しております。


上記(3)のリスク事象に関するリスクシナリオと対応策は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(5) 危機管理(クライシスマネジメント)の体制
当社グループでは災害が現実に発生した場合に備えるため、BCP基本方針書を制定しており、その基本的な方針を次のとおりとしております。
①災害時においては、全従業員・家族・お客様の安全確保を最優先して対応する。
②社会インフラを支える企業としての社会的責任に鑑み、災害からの早期復旧・復興に貢献する。
③お客様及び当社事業への影響を最小限に留める。
また、災害に対する事業継続についての方針・施策を審議・決定する機関として、常務会メンバーで構成され、社長を委員長とするBCM委員会を設置しております。BCM委員会は内部統制推進部を事務局として年2回開催されており、委員会に属する推進会議や連絡会の場を通じてBCPの策定や維持・更新、対策の実施や点検・改善、取組みを浸透させるための教育・訓練を実施しております。

災害が現実に発生した場合には、社長を本部長とする全社災害対策本部が設置され、災害発生時の初動フェーズから復旧フェーズに至るまでチームごとに分担を決めて対応する仕組みになっております。

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、コロナ禍からの正常化進展を背景として企業による投資の再開が進んだことに加え、社会インフラに関連する設備の更新デマンドが高い水準で維持されるなど、需要面では強さが見られた一方、各種素材・部材価格の高騰や入手性の悪化、エネルギーコストの上昇といった要素により、収益性が圧迫される厳しい状況が続きました。
また、世界経済においては、新型コロナウイルスの収束傾向が早期に確認されていった一方で、前期より顕在化している地政学リスクに起因した影響の継続に加え、欧米各国におけるインフレ進展に呼応した金融の引き締め、それに伴う企業業績の先行き落ち込み観測、半導体市況の需給の緩みなどを背景に、将来にわたる不透明感が更に増す状況となりました。
このような中、当社グループは、「中期経営計画2024」で掲げた方針に基づき、環境に資する事業・製品への注力、海外事業における収益基盤の強化及びサステナビリティ経営の進展に向けた各種施策の展開といった動きを推し進めてまいりました。
当連結会計年度(以下「当期」)の経営成績は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当期の営業利益は8,539百万円となり前連結会計年度(以下「前期」)と比較し928百万円減少しております。
当期の営業外損益につきましては、営業外収益が1,768百万円、営業外費用が1,484百万円となりました。
営業外収益の主な内訳は、受取利息及び配当金738百万円であります。営業外費用の主な内訳は、支払利息823百万円であります。この結果、経常利益は8,823百万円となり前期と比較して1,382百万円減少し、売上高経常利益率は3.2%となっております。
当期の特別損益につきましては、特別利益が2,081百万円、特別損失が507百万円となりました。
特別利益の主な内訳は、投資有価証券売却益1,140百万円であり、特別損失の主な内訳は、減損損失381百万円であります。
この結果、税金等調整前当期純利益は10,397百万円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額合計で3,136百万円計上、及び非支配株主に帰属する当期純利益132百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は7,128百万円となっております。また、1株当たり当期純利益は157円13銭、自己資本利益率は6.8%となっております。
① 電力インフラ事業セグメント
売上高は前期比15.6%増の60,470百万円、営業損失は前期比1,384百万円改善の515百万円となりました。海外を主体とする変電事業につきましては、シンガポールやドイツにおける需要の回復や米国製造法人の稼働本格化、環境対応製品の需要増により、増収増益となりました。また、国内主体の電力エネルギー事業につきましては、各種部材の長納期化に伴う影響が強く発現したことなどから、減収減益となりました。
② 社会システム事業セグメント
売上高は前期比4.6%減の90,392百万円、営業利益は前期比3,707百万円悪化の2,396百万円となりました。電鉄事業におきましては、国内を中心に設備需要の回復が見られたことから、増収増益となりました。一方、社会システム事業及び水インフラ事業におきましては、好調であった前期からの反動減に加え、各種部材の長納期化に伴う出荷の遅れや素材・部材価格の高騰によるコスト増加が影響し、減収減益となりました。
③ 産業電子モビリティ事業セグメント
売上高は前期比22.4%増の78,133百万円、営業利益は前期比1,931百万円改善の1,683百万円となりました。
環境保護気運の高まりなどを背景に電動フォークリフト用電装品の需要が拡大した電動力ソリューション事業や納入車種が増加したEV事業は増収増益となりました。また、受注環境の厳しさが継続するモビリティT&S事業は、減収となったものの、事業骨格の見直し効果により増益となりました。一方、電子機器事業は、年度後半の需要の変調に伴う生産調整や部材価格高騰の影響により、増収ながら減益となりました。
④ フィールドエンジニアリング事業セグメント
売上高は前期比0.4%増の39,709百万円となった一方、営業利益は676百万円悪化の5,260百万円となりました。
保守サービスに関する堅調な需要を背景にわずかに増収したものの、プロダクトミックスの変化や各種部材価格の高騰による影響などから、減益となりました。
⑤ 不動産事業セグメント
売上高は前期比0.7%増の3,230百万円、営業利益は167百万円改善の1,321百万円となりました。
⑥ その他
報告セグメントに含まれない事業におきまして、売上高は前期比1.6%減の16,617百万円となった一方、一部の子会社で収益性が向上したことなどから、営業利益は127百万円改善の231百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」)比16,491百万円(5.7%)増加し、307,390百万円となりました。
流動資産は、棚卸資産の増加及び受取手形、売掛金及び契約資産の増加により、前期末比16,456百万円(9.6%)増加の187,751百万円となりました。
固定資産は、設備投資による建設仮勘定の増加により、前期末比35百万円(0.0%)増加の119,639百万円となりました。
負債合計は、コマーシャル・ペーパーの増加及び短期借入金の増加により、前期末比11,032百万円(5.9%)増加して196,509百万円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び為替換算調整勘定の増加により、前期末比5,459百万円(5.2%)増加して110,881百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末と同じく35.1%となりました。
当期末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前期末に比べ862百万円増加し、14,116百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は13,742百万円(前年同期は11,389百万円の獲得)となりました。
主な収入は、税金等調整前当期純利益10,397百万円、減価償却費10,382百万円であり、主な支出は、棚卸資産の増加額6,698百万円、法人税等の支払額2,512百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は10,506百万円(前年同期は7,503百万円の使用)となりました。
主な支出は、有形及び無形固定資産の取得による支出12,395百万円によるものであり、主な収入は、投資有価証券の売却による収入1,462百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,685百万円(前年同期は4,266百万円の使用)となりました。
主な支出は、社債の償還による支出5,000百万円、短期借入金の返済による支出4,066百万円、配当金の支払額2,405百万円であり、主な収入は、コマーシャル・ペーパーの発行による収入6,000百万円、長期借入れによる収入4,731百万円あります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当連結会計年度における資金調達は、主として借入金及びコマーシャル・ペーパーをもって行いました。調達においては、長期・短期のバランスと安定性を考慮し、長期の借入も実施しております。
その結果、借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の残高は、前期比2,042百万円増の50,509百万円となりました。
また、コミットメントラインは前期と同額の40,000百万円を維持しました。
当社グループでは、「中期経営計画2024」で掲げた、「質の高い成長」「サステナビリティ経営の推進」「両利きの経営の推進」という3つの基本方針に基づき、再生エネルギーやEV等の環境に資する事業拡大、海外事業の収益力強化及び気候変動への対応に向けた各種施策を推し進めております。2022年度におきましては、海外事業の収益を前年比で大幅に改善させたとともに、「GX特高変電製品」や「スマート保安」の市場投入等の成長事業の拡大に向けた取組みを着実に実施してきました。引き続き、2023年度も海外事業や成長事業の収益向上を図りつつ、昨年度に苦戦を強いられてまいりました社会インフラ関連事業の収益改善に集中して取り組み、2024年度目標の達成に向けて取組みを加速してまいります。
2022年度の投資につきましては、設備投資12,347百万円、研究開発10,257百万円を実施しました。当期の設備投資においては、成長投資関連の中国EV生産用第2ライン構築等により、前期比16億円増となりました。2023年度は、環境対応製品の生産強化に向けた成長投資等を実施するとともに、更なる企業価値向上に向けたDX推進のための投資を実施してまいります。研究開発におきましては、カーボンニュートラルなどのサステナブルな社会づくりに資するテーマに、全体の約59%にあたる6,018百万円を投じました。今後も両利きの経営を支える研究開発という方針のもと、脱SF6や車の電動化などに向けた開発を進めてまいります。
財務指標につきましては、記録的な受注高を背景に当初計画比・前期比ともに増収となったものの、資材高騰・部材長納期化の影響が利益を圧迫し、いずれも減益となりました。一方で資本効率化を進めたことにより、ROEは前年度と同程度になりました。
コロナ禍を経て、世の中の正常化が進んでいく中、社会インフラを支える企業として古い価値観に縛られることなく「新しい当たり前」を創り上げていくことが求められております。「中期経営計画2024」の完遂に向けて、社会的責任やお客様への供給責任などの果たすべき義務、そして環境負荷低減等の社会貢献を果たしていくとともに、資本効率を重視した経営を展開することで、中計最終年度の目標達成に向けて事業を推し進めてまいります。
2022当初計画と実績及び「中期経営計画2024」最終年度目標
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
①固定資産の減損及び投融資の評価
当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産について、見積耐用年数にわたり、主として定率法又は定額法により償却しております。これらの有形固定資産及び無形固定資産について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の判定を行っております。減損が生じていると判断した場合、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を、減損損失として計上しております。
回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定においては、見積り将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間価値及び資産固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いて算出しております。
なお、一部の子会社の買収時に発生したのれんの価値算定においては、過去実績、収益と費用の予測、将来の市場の成長度合、経営者により承認された事業計画の実現可能性度合、適切な市場における比較対象等の前提条件を使用しております。また、割引率の算定にあたっては、独立した外部の評価機関を利用しております。
2023年3月31日時点における評価において、連結財務諸表では一部の子会社で事業用資産の減損損失を381百万円計上しており、個別財務諸表では当社のインド子会社MEIDEN T&D (INDIA) LIMITEDの株式の評価損を3,077百万円計上しております。
これらの前提条件の見積りに関する評価は合理的であると判断しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により回収可能価額の評価に関する見積りが変化した場合には、更に減損損失の計上が必要となる可能性があります。
また、会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
②繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の見込みにより、回収可能と判断した部分につきましては評価性引当額を認識しておらず、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、過去実績、将来の課税所得及びタックス・プランニング等を考慮し、慎重に検討しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
③受注損失引当金
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、翌連結会計年度以降の損失発生見込額を計上しております。実際の発生原価が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
④製品保証引当金
当社グループは、納入した製品の無償補修費用の支出に備えるため、無償補修費用を個別に見積り算出した額を計上しております。実際の補修費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
⑤退職給付に係る負債
従業員の退職給付債務及び費用は、割引率、昇給率、退職率、死亡率、長期期待運用収益率等の前提条件を用いた年金数理計算により見積られます。特に割引率及び長期期待運用収益率は、退職給付債務及び費用を決定する上で重要な前提条件であります。
割引率は、測定日時点における従業員への給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた優良債券の利回りに基づき決定しております。長期期待運用収益率は、債券及び株式等の投資対象資産グループ別の長期期待運用収益の加重平均に基づき決定しております。
当社グループは、年金数理計算上用いられる前提条件と方法は適切であると判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件の変更がある場合には、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。
なお、割引率及び長期期待運用収益率がそれぞれ0.5%変動した場合の連結財務諸表への影響は以下のとおりであります。
⑥工事契約に係る収益認識
工事契約に係る収益のうち、一定の期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。履行義務の充足に係る進捗率の見積りの方法は、主として発生原価に基づくインプット法によっております。
工事契約に係る収益認識は、工事原価総額の見積りにより収益及び損益の額に影響を与えます。工事原価総額の見積りは当初は実行予算によって行っております。実行予算作成時には、作成時点で入手可能な情報に基づいた仕様や材料価格について仮定を設定し、作業効率等を勘案して各工事毎に詳細に積み上げることによって工事原価総額を見積ります。着工後は、プロジェクト毎に実際の発生原価と対比して適時・適切に工事原価総額の見直しを行っております。
工事原価総額の見積りに用いられる前提は適切であると判断しておりますが、想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、工事契約に係る収益及び費用の修正が必要となる可能性があります。
また、会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、連結売上高の3.8%にあたる、
「中期経営計画2024」では、「サステナビリティ経営を支える研究開発」を基本方針として定め、その中核を担うカーボンニュートラルとウェルビーイングの実現に注力した研究開発を進めております。中期経営計画2年目となる2022年度は、カーボンニュートラルの実現に向けて、温暖化係数の高いSF6ガスの不使用を目指した真空技術応用製品の開発や、車の電動化の加速度的な進展に対処するためのEV駆動ユニットのラインアップ拡充に向けた開発を継続して行いました。ウェルビーイングに資する取組みとしては、便利で快適な生活の基盤となる半導体分野において、半導体製造装置向け電源装置や真空コンデンサ(VC)のカスタム開発を行い、お客様の多様な要望に対応しました。イノベーションを通じて新しい社会づくりを加速させるため、環境・社会の課題を解決するための固有技術の獲得及び新規事業を創出しうる研究開発・事業開発体制の構築、強化を進めてまいりました。今後もこれらを継続するとともに、事業の付加価値を向上させるべく、ビジネスモデルの変革に必要なDXの推進を図ってまいります。
なお、これらの取組みを中心としたカーボンニュートラルとウェルビーイングの実現に資する研究開発費用は、総額の59%にあたる6,018百万円です。