第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「社会を、地球を、未来を豊かに。」という企業理念に基づき、配電・制御機器の総合メーカーとして築いてきた伝統のもと、事業活動を通じた社会課題の解決により、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。

 1.暮らしの安心(Comfortable)

電気の安定供給を通じて、人々の快適な生活と環境の保全に貢献する。

 2.環境への配慮(Eco-Friendly)

温室効果ガス排出量の削減や省エネルギー化、省資源化に取り組み、脱炭素社会の実現に向けた製品・ソリューションを提供する。

 3.従業員の幸福(Engagement)

従業員一人一人の多様な働き方を尊重し、安全で健康的な職場環境を整備することで、自社から社会への活力を生み出す。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社は本年3月12日に創立100周年を迎えました。「さぁ 挑もう つくろう かえていこう」をスローガンに掲げ、次の100年もグループ全体で挑戦し続ける姿勢を打ち出すとともに、新たに価値創造プロセスを策定いたしました。価値創造プロセスとは、当社グループが持つ強みや経営資本を事業活動に投入することで、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を図り、そこから新たな経営資本を獲得する一連のサイクルをイメージ化したものです。

 当社グループとしましては、100周年記念スローガンや価値創造プロセスを具現化すべく、あくなき挑戦を続けてまいります。

 なお、価値創造プロセスにつきましては、当社ウェブサイトにアクセスのうえ、ご確認ください。

 URL:https://www.togami-elec.co.jp/sustainability/management.php

 

(3)会社の経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の国内外の経済動向につきましては、米国の関税政策や中国経済の停滞、ロシア・ウクライナ問題の長期化や中東情勢の悪化などを背景に、原材料やエネルギー価格の高止まり、サプライチェーンや為替動向の不安定な状況などが当面続くものと予測しております。また、国内の労働市場では、雇用環境の改善や少子化の影響により、人件費の高騰や人手不足の状況が一段と進むものと思われます。

 このような事業環境のもと、当社グループの今後の見通しとしましては、主力の産業用配電機器事業におきましては、引き続き一定の需要が見込まれるものの、プラスチック成形加工や金属加工の分野では、自動車や建設機械等の業界の動きに大きく左右されるため、不透明な状況が続くものと考えております。

 以上のような状況を踏まえ、当社グループでは、中期経営計画を基本としたうえで、販売価格の適正化や人財の確保などを行うとともに、以下の重点課題に取り組んでまいります。

① 既存事業の高収益化

 当社グループの生産方式であるTPW(Togamigroup Production Way)を推進し、主力製品を中心にさらなるコストダウンや生産体制の最適化を図ります。製品開発におきましても、設計ツールやノウハウを徹底活用し、効率化と迅速化を図ります。また、直接部門・間接部門を問わず、AIの導入やDX推進に取り組むことにより、業務効率化と品質を高めてまいります。

② 新規事業の創出、海外展開の加速

 次の100年に向けて、常に社会から必要とされ、信頼される企業グループであり続けるために、新たな分野に挑戦してまいります。具体的には、新規事業の創出や魅力発信に取り組むとともに、GX推進を意識した製品開発の技術確立や、米国市場を中心とした海外展開を加速してまいります。

③ 人的資本の強化

 既存事業の高収益化、新規事業の創出、海外展開の加速といった様々な経営課題を解決していくのは人財との考え方に基づき、人的資本強化のため、行動力・成長力・創造力・基礎力・共有力の5つの力を身につけた自律した人財の育成を継続し、併せて、従業員の幸福度を高めるための様々な環境整備に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、「社会を、地球を、未来を豊かに。」という企業理念に基づき、社会と共に発展する企業としての責任を自覚し、人々の快適な生活と環境の保全に貢献することで、サステナブルな社会の実現を目指してまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

 当社グループは、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上に向けて、定例の取締役会及び必要に応じた臨時取締役会を行い、重要事項の審議、決定を行っております。また、取締役会を補完する機関として、執行役員等によって組織される運営会を設置しております。運営会は週単位で開催しており、迅速な意思決定及び経営の透明性を高めております。

 加えて、当社は、女性のキャリア開発、コミュニケーション等の課題解決には、教育、制度、風土の再構築が重要であり、また、様々な従業員の意見を取り入れていくことも必要であると考えております。

 そこで、課題解決及び組織活性化を目指すための組織としてダイバーシティ推進プロジェクトを設置しております。

 プロジェクトの体制としましては、統括、事務局を中心として、その配下に当社における推進テーマを協議する20代・30代の従業員を中心とした推進協議会を設置しております。

 なお、その他の推進テーマについては、統括、事務局にて推進内容を協議の上、適宜、発足をさせてまいります。

 

(2)戦略

①人財育成方針

 「社会を、地球を、未来を豊かに。」の企業理念に基づき、企業が社会の一員であることを十分に認識し、社会にとって有用な存在であり続けるためには、人間力と実務力を持った従業員が必要と考えています。企業理念実現のためにも、戸上電機グループ従業員が行動力・成長力・創造力・基礎力・共有力の5つの力を身につけた自律した人財に成長できるように支援します。

 取り組みとして、専門分野の区分及び階層に応じて、基本の習得と経験(OJT)を融合しつつ、必要かつ効果的なタイミングで教育プログラム(OFF-JT)を実践します。

 また、従業員が自発的行動により自身の価値を向上できるよう、自己啓発を推奨していきます。

 

②社内環境整備方針

 時代の変化とともに、従業員と会社が継続して成長できるよう、多様性を尊重し、いきいきと働くことのできる環境を築くとともに、仕事と生活の調和のとれた働き方を推進していきます。

 ⅰ従業員の安全確保と心身の健康増進に取り組み、風通しの良い健全な環境を整える

 ⅱワークライフバランスを重視し、業務の効率化を図り、公平で働きやすい環境づくりと制度構築に取り組む

 ⅲ従業員の多様性を尊重し受容するとともに、一人ひとりが能力を最大限発揮できるように平等な機会の提供を行う

 

 人財育成方針及び社内環境整備方針に則り、人財戦略の3つの柱として「強化すべき領域に関する人財育成」「多様な人財の活躍」「いきいきと働きやすい環境づくり」を策定し、それぞれにKPI(重要業績評価指標)を設定し、進捗状況を管理します。

 a.強化すべき領域に関する人財育成

  イ.コア技術の更なる強化・発展させることのできる人財の確保と育成

  ロ.海外市場の拡大に向けた人財の確保

  ハ.AI導入及びDX推進に向けた人財の育成

 

 b.多様な人財の活躍

  イ.女性活躍に繋がる安定した女性従業員の採用確保

  ロ.障がい者雇用推進のための環境づくり

 

 c.いきいきと働きやすい環境づくり

  イ.従業員の幸福度調査による組織課題の明確化と施策実行

  ロ.仕事と家庭の両立に向けた、男性従業員の育児休業等取得率の向上

  ハ.いきいきと働きやすい環境整備に向けた労働時間の適正化推進

  ニ.職場の安全衛生環境の更なる向上

 

 

(3)リスク管理

 当社グループは、サステナビリティに関するリスクを全社的な重要リスクの一つと位置付けており、リスクマネジメント基本規定に基づき、サステナビリティ課題を含むリスクを認識した場合は、各部門長が速やかに運営会に報告し、運営会で適切な対策をとる体制を構築しております。なお、当社の事業継続や戦略に影響を及ぼす要因など、サステナビリティ課題を含む事業へのリスクにつきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した人財戦略の3つの柱について、次の指標を用いておりま

す。

 なお、現時点においては、法律や制度が異なる在外子会社を含めて連結目標を一体的に管理することが困難であ

ることから、当社及び国内グループ会社を対象としております。

指標

目標

2024年度実績

女性従業員の採用比率

2030年度までに35.0

32.4

障がい者雇用比率

2030年度までに2.7

1.5

男性従業員の育児休業等取得率

2030年度までに80以上

66.7

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)設備投資の実施について

 設備投資は中期経営計画及び毎年の設備投資計画により計画的に実施しておりますが、業界の技術動向や需給バランスの変化などにより、大規模な更新を余儀なくされる可能性があります。今後も計画的に機械設備の更新を実施していきますが、前述のように大規模な更新を余儀なくされた場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特定セグメントへの依存について

 当社グループの産業用配電機器事業は売上高、利益ともに高い比率を占めております。これは、当社グループが配電用自動開閉器及び配電システムの専門メーカーとして、長い歴史と高い技術力を持つためであります。今後、当社グループの予想を超えて主要顧客による設備投資抑制が行われた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)価格競争について

 当社グループは高品質の配電用機器を送り出すリーディングメーカーでありますが、常に当社にとって適正な利益を得るための価格設定ができるとは限りません。今後、これまで以上に価格競争が激化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)原材料等の調達リスクについて

 当社グループの製品に使用される原材料等については、国内外から日々安定的かつ適正価格にて調達できるよう努めております。しかし、災害や地政学的リスクなどにより急激な価格上昇や納期の遅延により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法的規制について

 当社グループの営業活動は租税、特許、労働、環境、為替その他の法的規制を受けております。今後、これらの規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)クレームの危険性について

 当社及び当社グループの一部はISO9001:2015を取得しており、徹底した品質管理体制のもとで各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品に欠陥がなく、将来にクレームを発生させないという保証はありません。また、当社製品を構成する部品のうち社外から調達するものも多くあります。これらの品質確認につきましてはメーカーから提出される検査データをもとに抜き取り検査を行い、品質に問題がないことを確認しておりますが、もし、その中の一部に不良品が混入されていた場合、誤って製品に組み込まれる可能性があります。その場合、市場に出荷された後、当該の製品が限定できなければ当該同一ロット分の回収を余儀なくされる可能性があります。なお、製造物責任賠償につきましては保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なクレームや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコスト発生や当社グループに対する評価に影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)海外拠点の治安悪化について

 当社グループは生産、販売の両面においてグローバル化を推進しておりますが、当該地域の治安が今後も安定的に保証されるとは言い切れません。当該地域の治安が著しく悪化した場合は生産コストの増加や売上機会の減少につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)自然災害等の発生について

 当社グループの主要拠点である佐賀県佐賀市は、風水害の発生が比較的多い地域です。また、日本列島全体が地震多発地帯であることから、今後、大規模な地震が発生することも皆無とは言い切れません。これらに加え、その他自然災害の発生や、感染症の流行、地政学的リスクにより、当社グループの生産設備や生産材の調達、物流ルートの確保に支障をきたすなど、一時的に商品の生産や販売が停止し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)業績の季節変動について

 当社グループの主要顧客の決算月は3月に集中しており、顧客の予算執行は年度末に集中する傾向があることなどから、当社グループの売上高も3月に増加する傾向があります。期末月に売上計上する案件については、顧客側で生じる要因により期ずれが生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報セキュリティについて

 当社グループは、情報セキュリティを取り巻く環境の変化に対応するため、情報セキュリティに対して積極的に取り組んでおりますが、コンピューターウイルスへの感染やハッキングの被害、ネットワーク機器の障害や紛失、盗難などにより情報流出、業務停止などの事態が発生する可能性があります。近年、これらの脅威は増大しており、不測の事態により情報システムの長期間停止などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループは、業務効率化やコスト削減等を目的として、販売管理、生産管理、在庫管理を一元的に管理するための統合基幹業務システムへの移行を進め、2024年5月より順次稼働を開始しました。

 これにより、滞留在庫の発生等へのリスク低減や経営分析機能の強化、経営効率化を図っております。

 

(11)中長期的な担い手不足について

 当社グループは、長い歴史の中で培った技術・技能を次世代に伝承してまいりますが、新入社員の減少及び離職者の増加などにより技能伝承がうまく進まない場合、生産・開発力が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用や所得環境の改善により緩やかな回復基調で推移いたしましたが、原材料・エネルギー価格の高止まりや中国経済の停滞、米国の通商政策など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況のもと、当社グループにおきましては、DX推進等による生産性や品質の向上、トラック運送業務の一部自社運用、販売価格の適正化などに取り組んでまいりました。

 その結果、電磁開閉器の売上は減少したものの、配電用自動開閉器や配電盤及びシステム機器の需要が好調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は27,648百万円(前期比3.4%増)となりました。

 損益面につきましては、売上高の増加や一部製品において材料コストの上昇に伴う価格改定を実施したことにより、営業利益は3,369百万円(同25.1%増)、経常利益は3,590百万円(同18.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は2,393百万円(同14.5%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 産業用配電機器事業

 産業用配電機器事業の売上高は23,263百万円(同5.6%増)となりました。製品区分別の詳細は以下のとおりとなります。

 

(電子制御器)

 電磁開閉器につきましては、一部の海外向け需要が減少したことが影響し、売上減となりました。

 電力会社向け配電自動化用子局につきましては、一部の電力会社において次世代型への更新や配電設備強化の動きが継続したことにより、売上増となりました。

 その結果、電子制御器全体の売上高は6,112百万円(同2.3%増)となりました。

 

(配電用自動開閉器)

 主力製品である波及事故防止機器(通称SOG開閉器)につきましては、継続的に回復してきた需要に加え、各種コストアップに伴う適正価格への転換に伴い、売上増となりました。

 電力会社向け配電用自動開閉器につきましては、次世代型への更新需要の拡大や配電設備の取付工事の推進などにより、売上増となりました。

 その結果、配電用自動開閉器全体の売上高は13,225百万円(同8.5%増)となりました。

 

(配電盤及びシステム機器)

 配電盤につきましては、設備更新案件や定期メンテナンス等の需要により、売上増となりました。

 システム機器につきましては、排水処理施設に関する工事案件数の減少により、売上減となりました。

 その結果、配電盤及びシステム機器の売上高は3,925百万円(同1.9%増)となりました。

 

プラスチック成形加工事業

 樹脂成形分野における部品等につきましては、自動車業界の需要が増加したことから、売上高は3,025百万円(同1.1%増)となりました。

 

 

 金属加工事業

 金属加工における部品等につきましては、産業用機械の需要が減少したことから、売上高は1,216百万円(同26.7%減)となりました。

 

その他

 プラスチック成形加工事業に付随する金型加工やソフトウエア開発等につきましては、需要が増加したことから、売上高は143百万円(同138.8%増)となりました。

 

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は20,807百万円となり、前連結会計年度末に比べ39百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が589百万円増加したことによるものであります。固定資産は11,594百万円となり、前連結会計年度末に比べ963百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が1,107百万円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は32,402百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,003百万円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は6,539百万円となり、前連結会計年度末に比べ831百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が678百万円減少したことによるものであります。固定負債は3,209百万円となり、前連結会計年度末に比べ284百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が299百万円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は9,749百万円となり、前連結会計年度末に比べ547百万円減少いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は22,652百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,551百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が1,453百万円増加したことによるものであります。

 

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ530百万円増加し、当連結会計年度末には7,420百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は2,812百万円(前期は2,147百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上3,279百万円や法人税等の支払1,205百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,624百万円(前期は1,543百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,810百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は705百万円(前期は438百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払637百万円や自己株式の取得による支出401百万円によるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

産業用配電機器事業(千円)

23,089,881

5.4

プラスチック成形加工事業(千円)

3,025,558

1.1

金属加工事業(千円)

1,216,379

△26.7

その他(千円)

143,107

138.8

合計(千円)

27,474,926

3.3

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

産業用配電機器事業

23,721,182

6.9

4,753,275

10.7

プラスチック成形加工事業

3,023,236

0.5

54,803

△4.1

金属加工事業

1,209,681

△25.4

58,800

△10.2

その他

124,730

58.3

1,520

△92.4

合計

28,078,830

4.4

4,868,400

9.7

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

産業用配電機器事業(千円)

23,263,079

5.6

プラスチック成形加工事業(千円)

3,025,558

1.1

金属加工事業(千円)

1,216,379

△26.7

その他(千円)

143,107

138.8

合計(千円)

27,648,124

3.4

(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

中部電力パワーグリッド

3,380,357

12.7

3,052,657

11.0

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の認識及び分析・検討内容

 「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b.財政状態の認識及び分析・検討内容

 「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の購入費用のほか、製造経費、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資などによるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務の残高は766百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,420百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

  当社グループは、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産、負債の帳簿価額及び収益、費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループは、産業用配電機器事業、プラスチック成形加工事業、金属加工事業及びその他の各分野にわたり、以下のような研究開発の取り組みを進めております。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は134百万円となっております。

 

(1)産業用配電機器事業

①電子制御器

 電磁開閉器を主とした制御機器につきましては、環境負荷物質の削減要望に対応した新製品の開発を進めております。既存製品につきましては、製造システムや試験装置の自動化及び機種の統廃合による生産性の向上と更なる品質向上に取り組んでおります。

 電力会社向けの配電自動化用子局につきましては、配電系統管理の高度化に対応するため、通信機能及び各種の計測機能を向上させた製品を開発いたしました。

 今後も電力の動向を注視しつつ、お客様のニーズにマッチし、電力供給の安定化や効率化に貢献できる製品の開発に取り組んでまいります。

 その他、AIを用いた「微地絡・地絡原因特定システム(特許取得)」、映像・画像の変化により各種設備の状態監視ができる「カメラによる状態見える化システム」等をJapan DX Week 春 2025へ出展しました。世の中の様々なソリューションの解決に貢献できるよう、IoT機器やシステムの開発に取り組んでまいります。

 

②配電用自動開閉器

 当社の主力製品である波及事故防止機器(通称SOG開閉器)につきましては、価格競争力の強化と利益改善を目的に、継続的にコストダウンに取り組んでおります。

 電力会社向けの配電用自動開閉器につきましては、環境対応及び利益率改善を目的とした自動気中開閉器のシリーズ化並びにフルセンサー内蔵自動開閉器のラインナップ化に取り組んでおります。

 今後も、お客様のニーズにマッチした製品の開発に取り組んでまいります。

 米国向けリクローザーにつきましては、構成部品の見直しによる品質向上とコストダウンに取り組んでおります。

 

③配電盤及びシステム機器

 配電盤につきましては、お客様の要望に合わせた製品提案及びそれらを具現化するための応用製品の開発を進めております。

 今後も、市場ニーズに合わせて、開発に取り組んでまいります。

 

(2)プラスチック成形加工事業

 プラスチック成形加工事業の分野につきましては、主に自動車業界におけるお客様の要望に合わせた製品提案を進めております。今後も、市場ニーズに合わせて、製品の改良などに取り組んでまいります。

 

(3)金属加工事業

 金属加工事業の分野につきましては、主に産業用機械におけるお客様の要望に合わせた製品提案を進めております。今後も、市場ニーズに合わせて、製品の改良などに取り組んでまいります。

 

(4)その他

 その他の分野では、主に生産管理システム等の開発を行い、お客様の要望に合わせた提案を進めております。今後も、市場ニーズに合わせて、製品の改良などに取り組んでまいります。