当連結会計年度におけるわが国経済は、良好な企業収益を背景に雇用・所得環境が改善し、設備投資が持ち直すなど、緩やかな回復基調にありましたが、中国経済の減速や株価の下落などにより、先行き不透明感が強まってまいりました。
当社グループの経営環境は、電力機器分野では概ね堅調でしたが、回転機分野では中国顧客企業の生産調整の長期化や輸入部材コストの高止まりなどにより、厳しい状況が続きました。
このような状況の下、当社グループは、中期経営計画「Transform & Actuate 変化と行動 フェーズⅢ」の目標達成に向け、海外生産品の国内シフト、VE・CDなどの原価低減策や一般市場向け製品の販売拡大などに注力してまいりました。また、配電系統高度化製品の開発推進、産業用中型変圧器専用ラインの増強、人材育成センターの設置など、事業基盤の強化に取り組んでまいりました。
連結業績につきましては、売上面では回転機事業の低調により減収となりましたが、利益面では原価低減策の効果などにより、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに前連結会計年度並みの結果となりました。売上高は前連結会計年度に比べ12.2%減の720億6千5百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ1.3%増の47億3千2百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ5.6%増の28億8千万円となりました。なお、セグメント別の販売状況につきましては、次のとおりです。
(販売の状況)
電力機器事業の売上高は、前連結会計年度とほぼ同額の312億3千3百万円となりました。制御機器、自動電圧調整機器、一般市場向けトップランナー変圧器が太陽光発電の普及を背景に堅調に増加しましたが、柱上変圧器、プラント工事が減少したことにより、前連結会計年度並みの結果となりました。
回転機事業の売上高は、前連結会計年度に比べ19.7%減の408億3千2百万円となりました。
シャッター機器は増加しましたが、ハーメティックモータがエアコンメーカの在庫調整の影響を受け大幅に減少しました。また、介護用機器、プリント配線板も前期を下回る結果となりました。
(新製品・新事業への取り組み状況等)
電力機器事業においては、電力会社向けではSTATCOM(自励式無効電力補償装置)、逆潮流監視盤などの制御機器やSVR、TVRなどの自動電圧調整機器など、配電系統高度化製品の拡充を推進してまいりました。一般市場向けではトップランナー変圧器の生産能力増強やパワコン製品の拡充などに取り組んでまいりました。
回転機事業では、ハーメティックモータとインバータの中国顧客開拓や車載用モータの拡充に努めるとともに、介護用機器の改良、粉体機器の機能拡大、畜舎用換気扇の高効率化、各種アクチエータの製品化に向けた取り組みを進めてまいりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ2千万円増加し、154億2千8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、77億8千3百万円(前年同期48億4千7百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益46億7千4百万円、減価償却費23億8千3百万円、売上債権の減少額36億2千9百万円などの資金の増加と仕入債務の減少額15億3千6百万円、法人税等の支払額19億4千9百万円などの資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、45億8千8百万円(前年同期41億8千9百万円の支出)となりました。これは主に、有価証券の増加額14億9千6百万円、有形固定資産の取得による支出26億8千5百万円などの資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、30億7千3百万円(前年同期8億1千5百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入13億円などの資金の増加と短期借入金の減少額3億1千6百万円、長期借入金の返済による支出33億9百万円、配当金の支払額5億7千7百万円などの資金の減少によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
電力機器 | 29,205 | 2.7 |
回転機 | 37,263 | △19.5 |
合計 | 66,469 | △11.0 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
電力機器 | 31,107 | △1.5 | 1,690 | △6.9 |
回転機 | 40,307 | △20.6 | 2,375 | △18.1 |
合計 | 71,414 | △13.3 | 4,065 | △13.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
電力機器 | 31,233 | 0.0 |
回転機 | 40,832 | △19.7 |
合計 | 72,065 | △12.2 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
中部電力㈱ | 19,354 | 23.6 | 19,137 | 26.6 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後につきましては、電力機器事業では電力自由化や発送電分離などにより、さらなる競争激化が進むと懸念されます。また、回転機事業においては、中国市場の成長鈍化、顧客の内製化問題などがあり、当社グループを取り巻く経営環境は先行き不透明でかつ厳しい状況になるものと予想されます。
こうした中、当社グループは、中期経営計画2018「確かな技術で未来をひらく」で掲げた製品分野戦略と経営基盤強化戦略を着実に実施することにより、持続的成長を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定顧客への依存
当社グループの事業は、変圧器およびその他周辺機器からなる電力機器、小型モータおよびモータ応用製品ならびに電子機器等からなる回転機の製造・販売を主な内容としております。
電力機器事業では電力会社、回転機事業では電機および機械メーカ等の顧客を中心に販売をしており、両事業とも特定の顧客に対する販売依存度が高い傾向にあります。今後、電力会社における設備投資等の動向や電機メーカの海外生産の見直しによる市場環境の変化は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(2) 子会社の業績動向
当社グループは、各社の独自事業に加え、製造、販売、部品供給などグループ会社間の協業によりグループ経営を行っております。連結子会社の業績が大きく変動した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(3) 材料価格等の上昇
当社グループは、生産拠点の最適化、原価低減を目的に海外子会社での生産および海外部材の調達活動を推進しております。素材価格の高騰や為替レートの変動により材料価格が高騰した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 海外事業
当社グループは、中国をはじめとする東南アジア地域において事業を推進しております。これらの地域において、経済・政情の悪化、法律・規則の変更、労使関係の悪化等が、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社グループは、顧客ニーズと将来の製品・技術動向を見据え、多岐にわたる分野において研究開発に取り組んでおります。
当社においては、平成27年度の開発方針として、「品質の向上」と「製品競争力の強化」を掲げ、研究開発を推進いたしました。
また、再生可能エネルギー普及の拡大、電力システム改革の進展、海外電力インフラ需要の増加、高齢化社会の進展などの市場動向を踏まえ、太陽光発電用設備、配電線自動電圧調整器(SVR)、配電システムの高度化、介護関連機器などを重点開発項目として取り組んでまいりました。
グループ会社においても、それぞれの事業に対応した研究開発を進めており、当連結会計年度における研究開発費の総額は10億1千9百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動の内容及び成果は次のとおりであります。
当事業では、変圧器、制御・通信の各分野に注力しました。
今年度に市場投入した製品は、「無効電力補償装置(STATCOM)」「高度遠隔制御対応型 自動電圧調整器(SVR)」「第二世代デジタル配電盤用保護・制御ユニット」などがあります。
推進中の製品開発は、「20kV級海外向けSVR」「デジタル通信対応型配電自動化子局」などがあります。
当事業では、介護機器、産業機器の各分野に注力しました。
今年度に市場投入した製品は、「昇降便座用電動アクチエータ」「車載用インバータ駆動モジュール」などがあります。
推進中の製品開発は、「昇降用電動アクチエータ」「120cm畜舎用換気扇」などがあります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、見積りが必要な事項については過去の実績等を踏まえて合理的な基準に基づき算定しております。
当連結会計年度における売上高は720億6千5百万円となり、前連結会計年度に比べ100億1千9百万円(12.2%)の減少となりました。セグメント別では、電力機器事業は制御機器や自動電圧調整機器、一般市場向けトップランナー変圧器が堅調に増加しましたが、柱上変圧器やプラント工事が減少したことにより、312億3千3百万円と、前連結会計年度並みの結果となりました。回転機事業は、シャッター機器は増加しましたが、ハーメティックモータが中国顧客企業の生産調整の影響を受け大幅に減少したことにより、408億3千2百万円と前連結会計年度に比べ100億2千3百万円(19.7%)の減少となりました。
利益面につきましては、回転機事業の低調により減収となりましたが、原価低減策の効果などにより、経常利益は47億3千2百万円と前連結会計年度に比べ5千8百万円(1.3%)の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、28億8千万円となり、前連結会計年度に比べ1億5千2百万円(5.6%)の増加となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、第2事業の状況4事業等のリスクに記載のとおりであります。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ29億7千万円減少し849億7百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ34億5千7百万円減少し596億3千3百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少40億6千2百万円、棚卸資産の減少9億5百万円、有価証券の増加14億9千7百万円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ4億8千6百万円増加し252億7千3百万円となりました。これは主に、有形固定資産の増加5億4千8百万円、投資その他の資産の減少6千2百万円によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べ40億1千9百万円減少し403億6千5百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ43億4千5百万円減少し260億5千3百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少16億8千5百万円、短期借入金の減少3億1千6百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少15億1千5百万円、未払費用の減少3億6千6百万円、未払法人税等の減少3億1千5百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ3億2千6百万円増加し143億1千1百万円となりました。これは主に、長期借入金の減少4億9千4百万円、退職給付に係る負債の増加8億2百万円によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比べ10億4千8百万円増加し445億4千1百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加22億6千3百万円、退職給付に係る調整累計額の減少5億3千5百万円、為替換算調整勘定の減少4億3千5百万円によるものであります。
自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ2.9ポイント増加し51.8%となりました。
当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性については、第2事業の状況1業績等の概要(2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。
当社グループの経営者の問題認識と今後の方針については、第2事業の状況3対処すべき課題に記載のとおりであります。