第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調を続けておりますが、中国経済の成長鈍化や米国の新政権の政策動向などにより、依然として先行き不透明な状況が続きました。 

当社グループの経営環境につきましては、配電系統高度化関連製品の需要が好調であったことや、ハーメティックモータ、プリント配線板の需要が下期から回復してきたことなどにより、総じて良好に推移しました。

このような環境の中、当社グループは平成28年度から平成30年度までの中期経営計画2018「確かな技術で未来をひらく」をスタートさせ、製品・事業の拡大と経営基盤の強化への取り組みを推進してまいりました。製品・事業の拡大では、中大型変圧器の生産力強化、国内生産シフトや生産性向上活動による原価低減、自動電圧調整器などの販売促進などを行ってまいりました。経営基盤の強化では、人事諸制度の改正、基礎技術・新技術の拡充、業務情報の見える化などに取り組んでまいりました。

以上の結果、連結業績につきましては、電力機器事業が好調に推移したことを受けて、増収増益となりました。売上高は前連結会計年度に比べ3.9%増の748億8千3百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ52.8%増の72億3千1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ83.8%増の52億9千3百万円となりました。

セグメント別の状況につきましては、つぎのとおりです。

(販売の状況)

電力機器事業の売上高は、前連結会計年度と比べ8.3%増の338億2千8百万円となりました。小型変圧器が減少しましたが、制御機器や自動電圧調整器が前連結会計年度から引き続き堅調に推移したことに加え、大型変圧器が大幅に増加したことにより、前連結会計年度を上回る結果となりました。

回転機事業の売上高は、前連結会計年度と比べ0.5%増の410億5千4百万円となりました。住設機器が前連結会計年度を下回りましたが、ハーメティックモータ、プリント配線板が下期に入り持ち直してきたことにより、前連結会計年度並みの結果となりました。

(新製品・新事業への取り組み状況等)

電力機器事業では、再生可能エネルギーの普及拡大や電力システム改革の進行に伴う市場動向を見据え、バイオガス発電システムや新型の自動電圧調整器などを重点開発項目として取り組んでまいりました。また、TVR(三相不平衡対応型自動電圧調整器)やSTATCOM(自励式無効電力補償装置)の販売に注力してまいりました。

回転機事業では、今後の需要拡大が期待されるアクチエータ、インバータの拡充に努めてまいりました。アクチエータについては、入浴支援装置用や昇降用の製品化などを進めてまいりました。インバータについては、各種エアコン用のインバータモジュールの製品化などに取り組んでまいりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ2億2千2百万円減少し、152億5百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、59億6千8百万円(前年同期77億8千3百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益71億8千6百万円、減価償却費24億1千1百万円、仕入債務の増加額7億4千6百万円などの資金の増加と、退職給付に係る負債の減少額16億9千7百万円、売上債権の増加額30億5千1百万円などの資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、19億8百万円(前年同期45億8千8百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18億6千4百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は、39億5千2百万円(前年同期30億7千3百万円)となりました。これは主に、長期借入れによる収入18億5千万円などの資金の増加と、短期借入金の返済による支出19億5千4百万円、長期借入金の返済による支出26億4千9百万円、配当金の支払額6億7千3百万円などによるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電力機器

31,375

7.4

回転機

38,587

3.6

合計

69,963

5.3

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電力機器

33,875

8.9

1,736

2.8

回転機

41,379

2.7

2,700

13.7

合計

75,255

5.4

4,437

9.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電力機器

33,828

8.3

回転機

41,054

0.5

合計

74,883

3.9

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

中部電力㈱

19,137

26.6

22,061

29.5

 

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、経営基本方針として「積極経営」「技術錬磨」「人間尊重」を掲げております。この基本方針のもと、電力機器事業では、信頼性の高い製品を提供することにより、電力事業の一端を担い、電力の安定供給に寄与しております。また、回転機事業では、小型モータおよびモータ応用製品ならびに電子機器等の分野において高性能で高品質な製品を開発することにより、社会生活の向上に貢献しております。

(2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社は、平成28年度から平成30年度までの中期経営計画2018「確かな技術で未来をひらく」を策定し、活動を開始しました。この計画では、「確かな技術で未来に向けた製品・サービスを創り出し、成長し続ける電機メーカ」をスローガンに、製品の競争力強化、新製品・新事業の創出、海外事業の推進、技術力の強化、組織力・人材力の強化に取り組み、経営目標の達成を目指してまいります。

なお、中期経営計画の最終年度にあたる平成30年度の数値目標を、連結売上高800億円、経常利益45億円、個別売上高400億円、経常利益30億円としております。

今後につきましては、電力機器事業では配電系統高度化関連製品の需要が期待されますが、電力システム改革を背景に電力会社の設備投資・経費の抑制が進むと予想されます。また、回転機事業では中国市場の成長鈍化に伴う受注競争の激化や顧客の内製化推進が懸念されております。このように、当社グループを取り巻く経営環境は、先行き不透明かつ厳しくなるものと思われます。

こうした環境変化に対応すべく、当社グループは、中期経営計画で掲げた製品分野戦略と経営基盤強化戦略を着実に推進し、持続的成長を目指してまいります。この度、その一環として、一般市場向け製品の販売拡大を目的に、当社は販売子会社である愛電商事株式会社を平成29年10月に吸収合併することといたしました。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 特定顧客への依存

当社グループの事業は、変圧器およびその他周辺機器からなる電力機器、小型モータおよびモータ応用製品ならびに電子機器等からなる回転機の製造・販売を主な内容としております。

電力機器事業では電力会社、回転機事業では電機および機械メーカ等の顧客を中心に販売をしており、両事業とも特定の顧客に対する販売依存度が高い傾向にあります。今後、電力会社における設備投資等の動向や電機メーカの内製化推進などの市場環境の変化は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(2) 子会社の業績動向

当社グループは、各社の独自事業に加え、製造、販売、部品供給などグループ会社間の協業によりグループ経営を行っております。連結子会社の業績が大きく変動した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(3) 材料価格等の上昇

当社グループの主力製品は、銅、油などの基礎素材を使用しております。また、部材の一部を海外より調達しております。原油価格や為替レートなどの変動により、これらの材料価格が上昇した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(4) 海外事業

当社グループは、中国をはじめとする東南アジア地域やアフリカ地域において活動を推進しております。これらの地域において、経済・政情の悪化、法律・規則の変更、労使関係の悪化等が、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成29年4月28日開催の取締役会において、平成29年10月1日付で当社を存続会社、連結子会社愛電商事㈱を消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の重要な後発事象に記載しております。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、顧客ニーズと将来の製品・技術動向を見据え、多岐にわたる分野において研究開発に取り組んでおります。

当社においては、平成28年度の開発方針として、「製品競争力の強化」と「新製品・新事業の創出」を掲げ、研究開発を推進いたしました。

また、再生可能エネルギー普及の拡大、電力システム改革の進展、海外電力インフラ需要の増加、高齢化社会の進展などの市場動向を踏まえ、バイオガス発電用設備、自動電圧調整器、配電システムの高度化、介護関連機器などを重点開発項目として取り組んでまいりました。

グループ会社においても、それぞれの事業に対応した研究開発を進めており、当連結会計年度における研究開発費の総額は9億9千9百万円であります。

セグメントごとの研究開発活動の内容及び成果は次のとおりであります。

(1) 電力機器

当事業では、変圧器、制御・通信、電力変換の各分野に注力しました。

当連結会計年度に市場投入した製品は、「新型移動式変電所」「パームヤシ油入変圧器」「三相不平衡対応型 自動電圧調整器(TVR)」「ユニット交換対応型LR制御ユニット」などがあります。

推進中の製品開発は、「バイオガス発電システム」「次世代自動電圧調整器(SVR)」「特高保護継電装置」などがあります。

(2) 回転機

当事業では、介護機器、産業機器の各分野に注力しました。

当連結会計年度に市場投入した製品は、「入浴支援装置用アクチエータ」「昇降用アクチエータ」「高効率畜舎用換気扇」などがあります。

推進中の製品開発は、「エアコン用インバータモジュール」などがあります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、見積りが必要な事項については過去の実績等を踏まえて合理的な基準に基づき算定しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は748億8千3百万円となり、前連結会計年度に比べ28億1千7百万円(3.9%)の増加となりました。セグメント別では、電力機器事業は小型変圧器が減少しましたが、制御機器や自動電圧調整器が前連結会計年度から引き続き堅調に推移したことに加え、大型変圧器が大幅に増加したことにより、338億2千8百万円と、前連結会計年度に比べ25億9千5百万円(8.3%)の増加となりました。回転機事業は、住設機器が前連結会計年度を下回りましたが、ハーメティックモータ、プリント配線板が下期に入り持ち直してきたことにより、410億5千4百万円と前連結会計年度並みの結果となりました。
 利益面につきましては、電力機器事業が好調に推移したことを受けて、経常利益は72億3千1百万円と前連結会計年度に比べ24億9千8百万円(52.8%)の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、52億9千3百万円となり、前連結会計年度に比べ24億1千3百万円(83.8%)の増加となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2事業の状況4事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ18億2千万円増加し867億2千8百万円となりました。
 流動資産は、前連結会計年度末と比べ22億9千4百万円増加し619億2千7百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の増加15億7千2百万円、電子記録債権の増加10億8千5百万円、棚卸資産の減少4億2千8百万円によるものであります。
 固定資産は、前連結会計年度末と比べ4億7千3百万円減少し248億円となりました。これは主に、有形固定資産の減少11億3千9百万円、投資その他の資産の増加6億9千6百万円によるものであります。
 負債合計は、前連結会計年度末と比べ21億2千1百万円減少し382億4千3百万円となりました。
 流動負債は、前連結会計年度末と比べ9千4百万円増加し261億4千8百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少39億2千1百万円、電子記録債務の増加46億7千万円、短期借入金の減少19億5千4百万円、未払費用の増加9億9千6百万円によるものであります。
 固定負債は、前連結会計年度末と比べ22億1千5百万円減少し120億9千5百万円となりました。これは主に、長期借入金の減少3億4千3百万円、退職給付に係る負債の減少18億1千4百万円によるものであります。
 純資産合計は、前連結会計年度末と比べ39億4千2百万円増加し484億8千4百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加46億1千9百万円、為替換算調整勘定の減少7億6百万円によるものであります。
 自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ3.4ポイント増加し55.2%となりました。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性については、「第2事業の状況1業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営者の問題認識と今後の方針については、「第2事業の状況3経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおりであります。