当社は、経営基本方針として「積極経営」「技術錬磨」「人間尊重」を掲げております。この基本方針のもと、電力機器事業では、信頼性の高い製品を提供することにより、電力事業の一端を担い、電力の安定供給に寄与しております。また、回転機事業では、小型モータおよびモータ応用製品ならびに電子機器等の分野において高性能で高品質な製品を開発することにより、社会生活の向上に貢献しております。
当社は、平成28年度から平成30年度までの中期経営計画2018「確かな技術で未来をひらく」を策定し、活動を開始しました。この計画では、「確かな技術で未来に向けた製品・サービスを創り出し、成長し続ける電機メーカ」をスローガンに、製品の競争力強化、新製品・新事業の創出、海外事業の推進、技術力の強化、組織力・人材力の強化に取り組み、経営目標の達成を目指してまいります。
なお、中期経営計画の最終年度にあたる平成30年度の数値目標を、連結売上高800億円、経常利益45億円、個別売上高400億円、経常利益30億円としております。
今後の経営環境につきましては、電力機器事業では、電力システム改革の進行に伴う電力会社の設備投資抑制が予想されます。また、回転機事業では、次世代自動車の普及に伴う車載用モータの需要拡大などが期待されますが、競合他社との競争激化や顧客の内製化進行による受注の減少が懸念されます。
当社グループは、今後予想される経営環境の変化に対処すべく、中期経営計画2018「確かな技術で未来をひらく」で掲げた製品分野戦略と経営基盤強化戦略を着実に実行し、事業の維持・拡大を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業は、変圧器およびその他周辺機器からなる電力機器、小型モータおよびモータ応用製品ならびに電子機器等からなる回転機の製造・販売を主な内容としております。
電力機器事業では電力会社、回転機事業では電機および機械メーカ等の顧客を中心に販売をしており、両事業とも特定の顧客に対する販売依存度が高い傾向にあります。今後、電力会社における設備投資等の動向や電機メーカの内製化推進などの市場環境の変化は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、製造、販売、部品供給などグループ会社間の協業に加え、各社の独自事業によりグループ経営を行っております。連結子会社の業績が大きく変動した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの主力製品は、銅、油などの基礎素材を使用しております。また、部材の一部を海外より調達しております。原油価格や為替レートなどの変動により、これらの材料価格が上昇した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、中国をはじめとする東南アジア地域やアフリカ地域において活動を推進しております。これらの地域において、経済・政情の悪化、法律・規則の変更、労使関係の悪化等が、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に設備投資の増加傾向や雇用・所得環境の改善が続き、ゆるやかな回復基調となりましたが、海外の不安定な政治動向や地政学的リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループの経営環境は、電力機器事業において、一般向け変圧器の価格競争が厳しさを増しましたが、主要取引先である電力会社向け製品の需要は底固く推移しました。また、回転機事業において、中国における製造業の回復などを背景にハーメティックモータやプリント配線板の需要が伸長しました。
このような環境の中、創立75周年を迎えた当期は、中期経営計画2018「確かな技術で未来をひらく」のもと、事業・製品の拡大と経営基盤の強化への取り組みを進めてまいりました。事業・製品の拡大では、配電系統高度化関連製品や車載用モータの拡販に注力するとともに、アクチエータやバイオガス発電システムなどの新製品の開発を進めてまいりました。また、昨年10月に当社は販売子会社である愛電商事㈱を吸収合併し、一般向け製品の販売体制の見直しを行いました。経営基盤の強化では、連結ベースでの原価管理の強化、世代別研修の充実化および保有技術の文書化管理システムの整備などに取り組んできました。
以上の結果、連結業績につきましては、回転機事業が堅調に推移しましたが、電力機器事業が減収減益となったことから、売上高は782億3千2百万円(前期比4.5%増)、営業利益は51億3千5百万円(前期比24.1%減)、経常利益は50億7千3百万円(前期比29.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は33億5千1百万円(前期比36.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
電力機器事業では、小型変圧器や海外プラント工事が好調でしたが、前期高水準であった制御機器と中大型変圧器の売上減少の影響が大きく、事業全体としては減収減益となりました。売上高は315億6千3百万円(前期比6.7%減)、セグメント利益(営業利益)は50億6千2百万円(前期比27.0%減)となりました。
回転機事業では、介護用機器の売上が減少しましたが、ハーメティックモータとプリント配線板が前期下期から引き続き好調に推移しました。その結果、売上高は466億6千8百万円(前期比13.7%増)、セグメント利益(営業利益)は17億2千3百万円(前期比19.3%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
電力機器 |
29,553 |
△5.8 |
|
回転機 |
44,344 |
14.9 |
|
合計 |
73,897 |
5.6 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
電力機器 |
31,277 |
△7.7 |
1,450 |
△16.5 |
|
回転機 |
47,770 |
15.4 |
3,801 |
40.8 |
|
合計 |
79,047 |
5.0 |
5,252 |
18.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
電力機器 |
31,563 |
△6.7 |
|
回転機 |
46,668 |
13.7 |
|
合計 |
78,232 |
4.5 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
中部電力㈱ |
22,061 |
29.5 |
19,004 |
24.3 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ19億6千6百万円増加し886億9千4百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ24億7千2百万円増加し644億円となりました。これは主に、現金及び預金の減少25億5千1百万円、受取手形及び売掛金の増加15億6千4百万円、電子記録債権の増加22億5千3百万円、棚卸資産の増加10億5千7百万円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ5億5百万円減少し242億9千4百万円となりました。これは主に、有形固定資産の減少5億8千万円、投資その他の資産の増加8千3百万円によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べ9億2千6百万円減少し373億1千7百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ15億9千3百万円増加し277億4千1百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加31億7千5百万円、電子記録債務の減少3億3千万円、短期借入金の減少7億3千9百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加5億8千8百万円、未払費用の増加2億1千1百万円、未払法人税等の減少14億7百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ25億1千9百万円減少し95億7千5百万円となりました。これは主に、長期借入金の減少11億7千4百万円、退職給付に係る負債の減少13億5百万円によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比べ28億9千3百万円増加し513億7千7百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加19億7千2百万円、その他有価証券評価差額金の増加2億7百万円、為替換算調整勘定の増加2億5千万円によるものであります。
自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ2.1ポイント増加し57.3%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
電力機器事業の総資産は259億1千3百万円(前年同期261億9千万円)となり、前連結会計年度末と比べ2億7千7百万円減少となりました。
回転機事業の総資産は452億1百万円(前年同期415億4千6百万円)となり、前連結会計年度末と比べ36億5千4百万円増加となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ29億9千6百万円減少し、122億8百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動による資金の増加は、18億6千8百万円(前年同期59億6千8百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益47億7千2百万円、減価償却費23億8千8百万円、仕入債務の増加額28億5百万円などの資金の増加と、退職給付に係る負債の減少額12億3千6百万円、売上債権の増加額33億4千3百万円、たな卸資産の増加額9億8千1百万円、法人税等の支払額28億1百万円などの資金の減少によるものであります。
投資活動による資金の減少は、24億9千2百万円(前年同期19億8百万円)となりました。これは主に、定期預金の増加額4億4千5百万円、有形固定資産の取得による支出19億2千6百万円などによるものであります。
財務活動による資金の減少は、24億6千4百万円(前年同期39億5千2百万円)となりました。これは主に、長期借入れによる収入11億円などの資金の増加と、短期借入金の返済による支出7億3千9百万円、長期借入金の返済による支出16億8千6百万円、配当金の支払額9億9千6百万円などによるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり資本的支出を行う予定であります。また、資本の財源については自己資金でまかなう予定であります。
当社は、平成29年4月28日開催の取締役会において、連結子会社愛電商事㈱を吸収合併することを決議の上、同日付で合併契約を締結し、平成29年10月1日に吸収合併しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
当社グループは、顧客ニーズと将来の製品・技術動向を見据え、多岐にわたる分野において研究開発に取り組んでおります。
当社においては、平成29年度の開発方針として、「製品の競争力強化」と「新製品・新事業の創出」を掲げ、研究開発を推進いたしました。
また、再生可能エネルギー普及の拡大、電力システム改革の進展、海外電力インフラ需要の増加、高齢化社会の進展などの市場動向を踏まえ、バイオガス発電用設備、自動電圧調整器や配電システムの高度化、介護関連機器などを重点開発項目として注力してまいりました。
グループ会社においても、それぞれの事業に対応した研究開発を進めており、当連結会計年度における研究開発の総額は10億9千6百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動の内容及び成果は次のとおりであります。
電力機器事業では、変圧器、制御・通信、電力変換の各分野に注力いたしました。
当連結会計年度に市場投入した製品は、「電気炉用変圧器」「一次変電所対応型特高監視制御装置」「バイオガス発電システム」などがあります。推進中の製品開発は、「次世代自動電圧調整器(SVR)」「第三世代デジタル配電盤」などがあります。
回転機事業では、介護機器、産業機器の各分野に注力いたしました。
当連結会計年度に市場投入した製品は、「空調機用インバータモジュール」「作業デスク用電動昇降駆動システム」などがあります。推進中の製品開発は、「介護リフト用昇降ユニット」「温水ボイラー」などがあります。