当社は、経営基本方針として「積極経営」「技術錬磨」「人間尊重」を掲げております。この基本方針のもと、電力機器事業では、信頼性の高い製品を提供することにより、電力事業の一端を担い、電力の安定供給に寄与しております。また、回転機事業では、小型モータおよびモータ応用製品ならびに電子機器等の分野において高性能で高品質な製品を開発することにより、社会生活の向上に貢献しております。
当社グループを取巻く経営環境におきましては、電力機器事業では電力会社において配電系統高度化が進む一方で、設備の延命化やリユースなど託送コスト低減に向けた動きが強まることが予想されます。回転機事業では次世代自動車やAI・IoTの利用拡大を背景に車載用モータやプリント配線板の需要拡大が期待されますが、新型コロナウィルスの感染影響の長期化による需要低迷が懸念されます。
こうした中、当社は2020年4月にハーメティックモータの製造・販売を行っている子会社のアイチエレック株式会社を合併し、運営体制を電力カンパニーとモータカンパニーからなる社内カンパニー制といたしました。また、7月にはモータ関連の製造子会社である白鳥アイチエレック株式会社と恵那愛知電機株式会社を合併することといたしました。この体制の下、効率的な事業運営とモータ事業の開発・生産・品質の一層強化を図り、中期経営計画の目標達成を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業は、変圧器およびその他周辺機器からなる電力機器、小型モータおよびモータ応用製品ならびに電子機器等からなる回転機の製造・販売を主な内容としております。
電力機器事業では電力会社、回転機事業では電機および機械メーカ等の顧客を中心に販売をしており、両事業とも特定の顧客に対する販売依存度が高い傾向にあります。今後、電力会社における設備投資等の動向や電機メーカの内製化推進などの市場環境の変化は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、製造、販売、部品供給などグループ会社間の協業に加え、各社の独自事業によりグループ経営を行っております。連結子会社の業績が大きく変動した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの主力製品は、銅、油などの基礎素材を使用しております。また、部材の一部を海外より調達しております。原油価格や為替レートなどの変動により、これらの材料価格が上昇した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、中国をはじめとする東南アジア地域やアフリカ地域において活動を推進しております。これらの地域において、経済・政情の悪化、法律・規則の変更、労使関係の悪化等が、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、継続的に新製品の開発に取組むとともに、既存製品の高品質化および製造原価の低減等に努めております。しかしながら、競合他社との競争が激化した場合には、当社グループ製品の優位性の低下や販売価格の下落等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、原材料等を複数の仕入先から調達する方針を採っておりますが、調達する原材料等によっては、特定の仕入先に依存している原材料等があります。このため、これら仕入先に不測の事態等が生じ、原材料等の供給が途絶えた場合には、当社グループの生産活動に支障が生じ、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、品質管理および技術関係部署を中心に品質の維持向上に努めております。しかしながら、瑕疵担保責任や製造物責任につながるような製品の欠陥が生じた場合には、多額のコスト発生、ブランドイメージの低下等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、技術や営業に関する機密情報に対して様々な情報セキュリティ対策を講じております。しかしながら、不測の事故または事件等により機密情報の外部流出等の問題が生じた場合には、社会的信用の低下や損害賠償請求等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、他社と差別化できる技術の蓄積に努めており、自社が保有する技術等については知的財産権の取得による保護を図るとともに、他社の知的財産権に対する侵害がないよう管理を行っております。しかしながら、当社グループが認識していない知的財産権の存在によって第三者から訴訟等の法的措置が提起された場合には、その結果によっては当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、既存事業の競争力強化および新製品対応のため、設備投資を行っております。しかしながら、将来、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下し、投資額の回収が見込めない場合には、減損損失の発生により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、震災等の緊急事態に備え、事業継続のための体制を整備しております。しかしながら、想定を著しく上回る大規模な自然災害等が発生した場合には、設備の損壊、原材料等の調達困難等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症に関しては、当社グループは不要不急の出張自粛、時差出勤、WEB会議による対面会議の縮小等により感染拡大防止対策を徹底しております。しかしながら、当社グループ従業員の感染による操業停止あるいは原材料調達先での操業停止等により生産に大きな影響が生じた場合、または感染症の世界的拡大により当社製品需要が大きく変動した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続いていたものの、米中貿易摩擦の長期化や消費税引上げの影響を受け、力強さを欠く状況で推移しました。また、当連結会計年度末にかけては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、個人消費や生産を中心に急速に悪化しました。
当社グループの経営環境につきましては、電力機器事業では再生可能エネルギーの普及拡大を背景に配電系統高度化機器の需要が堅調でしたが、PCB含有変圧器の取替特需が終了したことや価格競争が激化したことにより、厳しい状況となりました。回転機事業では、中国経済の減速で電機・電子業界が生産調整を行った影響を受けて、プリント配線板などの需要が低調に推移しました。
このような環境下、当社グループは「中期経営計画2023 確かな技術で未来をひらく~変革と挑戦~」の1年目として、既存製品の収益確保と将来の成長に向けた基盤づくりを進めてきました。電力機器事業では、配電系統高度化機器の開発・市場投入を進めるとともに、トップランナー変圧器など一般産業向け製品の拡販に注力してまいりました。また、小型変圧器工場のリニューアル、TPSかいぜん活動や温水ボイラーの内製化など、生産力強化に向けた取組みを進めてまいりました。回転機事業では、車載用ハーメティックモータとパッケージコアの生産ライン増強に取組むとともに、各種モータやアクチエータなどの顧客開拓に努めてまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、柱上変圧器やプリント配線板の売上が落ち込んだことにより、前期比で減収減益となりました。売上高は前期比6.3%減の750億3千万円、営業利益は前期比33.9%減の28億1百万円、経常利益は前期比31.9%減の33億6百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比12.0%減の27億3千5百万円となりました。
セグメント別の業績につきましては、以下のとおりです。
<電力機器事業>
売上高は前期比14.6%減の250億3千万円、セグメント利益は前期比41.9%減の23億9千万円となりました。配電線用自動電圧調整器や一般産業向けトップランナー変圧器が好調でしたが、柱上変圧器とプラント工事の売上が前期を大幅に下回りました。
<回転機事業>
売上高は前期比1.4%減の499億9千9百万円、セグメント利益は前期比15.2%増の19億1千7百万円となりました。売上につきましては、プリント配線板が前期を下回る状況が続きました。セグメント利益につきましては、売上高が減少しましたが、販売構成の変化や材料費のコストダウンなどにより、前連結会計年度を上回る結果となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ14億7千1百万円減少し886億8千5百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ31億6千6百万円減少し617億1千9百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少19億1千2百万円、受取手形及び売掛金の増加1億3千1百万円、電子記録債権の増加3億6千1百万円、棚卸資産の減少1億6千6百万円、有価証券の減少16億円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ16億9千5百万円増加し269億6千6百万円となりました。これは主に、有形固定資産の増加16億6千5百万円、無形固定資産の増加1億5千4百万円によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べ21億9千1百万円減少し342億8千9百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ27億3千5百万円減少し257億8千3百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少35億3千4百万円、電子記録債務の増加18億4千9百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少12億7千5百万円、未払法人税等の減少2億5百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ5億4千4百万円増加し85億6百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加6億8千7百万円、退職給付に係る負債の減少1億1千2百万円によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比べ7億2千万円増加し543億9千5百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加18億8千1百万円、その他有価証券評価差額金の減少4億5千2百万円、為替換算調整勘定の減少3億6千万円、非支配株主持分の減少3億3千4百万円によるものであります。
自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ2.2%増加し60.1%となりました。
電力機器事業の総資産は233億1千9百万円(前年同期244億9千万円)となり、前連結会計年度末と比べ11億7千万円減少となりました。
回転機事業の総資産は493億3千3百万円(前年同期498億7百万円)となり、前連結会計年度末と比べ4億7千3百万円減少となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ18億1千2百万円減少し、158億6千4百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、20億4千1百万円(前年同期66億6千7百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益33億7千5百万円、減価償却費25億1百万円などの資金の増加と、売上債権の増加額7億5千5百万円、仕入債務の減少額15億3千5百万円、法人税等の支払額10億7千7百万円などの資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、20億4千9百万円(前年同期3億7千5百万円の資金の増加)となりました。これは主に、有価証券の売却による収入16億円、有形固定資産の取得による支出32億7千1百万円、子会社出資金の追加取得による支出4億5千8百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、17億5百万円(前年同期14億1千3百万円)となりました。これは主に、長期借入れによる収入14億円の資金の増加と、長期借入金の返済による支出19億8千8百万円、配当金の支払額8億5千4百万円などによるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり資本的支出を行う予定であります。また、資本の財源については自己資金及び金融機関の借入金でまかなう予定であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループが連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループは、固定資産の減損、繰延税金資産、貸倒引当金、退職給付に係る負債などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。
当社は、2019年5月17日開催の取締役会において、2020年4月1日付で当社を存続会社、連結子会社アイチエレック㈱を消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の重要な後発事象に記載しております。
当社グループは、顧客ニーズと将来の製品・技術動向を見据え、多岐にわたる分野において研究開発に取り組んでおります。
当社においては、2019年度の研究開発方針として、「製品の競争力強化」と「新製品・新事業の創出」を掲げ、研究開発を推進いたしました。
また、再生可能エネルギー普及の拡大、電力システム改革の進展、海外電力インフラ需要の増加、産業向け機器の高機能化などの市場動向を踏まえ、バイオガス発電用設備、自動電圧調整器や配電システムの高度化、産業機器関連などを重点開発項目として注力してまいりました。
グループ会社においても、それぞれの事業に対応した研究開発を進めており、当連結会計年度における研究開発の総額は
セグメントごとの研究開発活動の内容及び成果は次のとおりであります。
電力機器事業では、変圧器、制御・通信、電力変換の各分野に注力いたしました。
当連結会計年度に市場投入した製品は、「110kV級トラック型国内最大容量移動用変圧器車」「高性能自励式無効電力補償装置(A²-STATCOM)」「誘導発電機用コンバータ」などがあります。推進中の製品開発は、「サーバ集中型第6世代配電線自動化親局」「改良型7.2kV真空遮断器」などがあります。
回転機事業では、産業機器、介護機器の各分野に注力いたしました。
当連結会計年度に市場投入した製品は、「新型畜舎用換気扇」「微粉体乾燥機」があります。推進中の製品開発は、「在宅ベッド用昇降ユニット」「循環ポンプ用ブラシレスDCモータ」などがあります。