当社は、経営基本方針として「積極経営」「技術錬磨」「人間尊重」を掲げております。この基本方針のもと、電力機器事業では、信頼性の高い製品を提供することにより、電力事業の一端を担い、電力の安定供給に寄与しております。また、回転機事業では、小型モータおよびモータ応用製品ならびに電子機器等の分野において高性能で高品質な製品を開発することにより、社会生活の向上に貢献しております。
当社グループを取巻く事業環境は、半導体市場の減速や空調市場の需要一巡などにより厳しさを増していますが、中長期的には電動車の普及加速や再生可能エネルギーの導入促進、デジタル投資の増加により、車載空調圧縮機用モータや配電系統高度化機器、パッケージ基板用コアなどの需要の伸びが期待されます。当社グループとしましては、引き続きQCD向上による一層の競争力強化に努めるとともに、これらの分野への投資を継続することで、持続的な事業の成長を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、「よい物を創る、よい人を創る、よい関係を創る、価値ある会社」の経営理念のもと、持続的な成長実現のため、ESGを重視した経営に取り組んでおります。
当社は、環境の変化に素早く的確に対応することが株主の皆様をはじめとする社会全体からの信頼を獲得する鍵であると認識し、経営判断における意思決定の迅速化と透明性を確保すべく、以下の基本的な考え方に基づき、コーポレート・ガバナンスの充実・強化に努めております。
1.株主の権利を尊重し、株主の実質的な平等性の確保に努める。
2.ステークホルダーとの適切な協働を図る。
3.会社情報を適切に開示し透明性を確保する。
4.取締役会による実効性のある経営および業務執行の監督を行う。
5.株主との間で建設的な対話を行う。
<体制図>

(2)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
①人材育成の推進
経営戦略の実現のためには、当社社員の一人一人の成長を促す仕組みづくりが不可欠です。OJT、研修、自己啓発を3本の柱として、人材の育成を推進しています。OJTは、主に目標管理制度・メンター制度による職場教育に取り組んでいます。研修は新入社員研修を始めとした階層別研修、業務に必要なテーマ研修など、必要に応じて受講できるものとしています。自己啓発は、通信教育の受講料や公的資格の受験料などの支援をしています。

②働きやすい職場環境づくりの推進人材育成の推進
ワークライフバランスの推進に向け、ノー残業デーの設定、育児短時間フレックスタイム制の導入など働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。毎週水曜日は定時退社日と定め、定時での退社を促しています。女性社員の育児休業取得率は100%を維持し、男性社員の育児休業取得率は64%と近年、増加傾向にあります。
③健康経営
社員が心身ともに健康で、活き活きと働ける職場を目指し健康経営を推進しています。その一環として、2017年にトレーニングジムを開設し、さらに2021年には音楽室を開設しました。
さらに、産業医・看護師が連携しながら、社員への面談などを実施し、フィジカルヘルス、メンタルヘルスの両面で不調者の早期発見、保健指導を行っております。
当社は、事業運営に関する様々なリスクに対して的確に対応するため、リスク管理規程を定めております。経営に重大な影響を与えるリスクについては、経営計画の策定および重要な意思決定にあたり各部門が把握・評価し、取締役会および常務会において審議または報告を行っております。具体的には、リスク管理規程に従い各部門は、年2回定期的にリスクを把握・評価し、リスク対策の状況を管理部門に報告するとともに、リスク対策を反映した業務計画を策定し、業務を遂行しております。
また、災害による損失の軽減をはかるため災害対策規程を定め、経営に与える影響を最小限となるようしております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業は、変圧器およびその他周辺機器からなる電力機器、小型モータおよびモータ応用製品ならびに電子機器等からなる回転機の製造・販売を主な内容としております。
電力機器事業では電力会社、回転機事業では電機および機械メーカ等の顧客を中心に販売をしており、両事業とも特定の顧客に対する販売依存度が高い傾向にあります。今後、電力会社における設備投資等の動向や電機メーカの内製化推進などの市場環境の変化は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、製造、販売、部品供給などグループ会社間の協業に加え、各社の独自事業によりグループ経営を行っております。連結子会社の業績が大きく変動した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの主力製品は、銅、油などの基礎素材を使用しております。また、部材の一部を海外より調達しております。原油価格や為替レートなどの変動により、これらの材料価格が上昇した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、中国をはじめとする東南アジア地域やアフリカ地域において活動を推進しております。これらの地域において、経済・政情の悪化、法律・規則の変更、労使関係の悪化等が、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、継続的に新製品の開発に取組むとともに、既存製品の高品質化および製造原価の低減等に努めております。しかしながら、競合他社との競争が激化した場合には、当社グループ製品の優位性の低下や販売価格の下落等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、原材料等を複数の仕入先から調達する方針を採っておりますが、調達する原材料等によっては、特定の仕入先に依存している原材料等があります。このため、これら仕入先に不測の事態等が生じ、原材料等の供給が途絶えた場合には、当社グループの生産活動に支障が生じ、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、品質管理および技術関係部署を中心に品質の維持向上に努めております。しかしながら、瑕疵担保責任や製造物責任につながるような製品の欠陥が生じた場合には、多額のコスト発生、ブランドイメージの低下等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、技術や営業に関する機密情報に対して様々な情報セキュリティ対策を講じております。しかしながら、不測の事故または事件等により機密情報の外部流出等の問題が生じた場合には、社会的信用の低下や損害賠償請求等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、他社と差別化できる技術の蓄積に努めており、自社が保有する技術等については知的財産権の取得による保護を図るとともに、他社の知的財産権に対する侵害がないよう管理を行っております。しかしながら、当社グループが認識していない知的財産権の存在によって第三者から訴訟等の法的措置が提起された場合には、その結果によっては当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、既存事業の競争力強化および新製品対応のため、設備投資を行っております。しかしながら、将来、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下し、投資額の回収が見込めない場合には、減損損失の発生により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、震災等の緊急事態に備え、事業継続のための体制を整備しております。しかしながら、想定を著しく上回る大規模な自然災害等が発生した場合には、設備の損壊、原材料等の調達困難等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症に関しては、当社グループは不要不急の出張自粛、時差出勤、Web会議による対面会議の縮小等により感染拡大防止対策を徹底しております。しかしながら、当社グループ従業員の感染による操業停止あるいは原材料調達先での操業停止等により生産に大きな影響が生じた場合、または感染症の世界的拡大により当社製品需要が大きく変動した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな持ち直しの動きが続いているものの、ウクライナ紛争の長期化や為替相場の急激な変動などにより、先行きの不透明感が続いています。当社グループにおきましては、電力機器関連では電力自由化を背景とした送配電会社のコスト削減により、厳しい受注環境が続いております。一方、回転機関連では電動車の市場拡大やデジタルインフラへの投資拡大を受けて、車載空調圧縮機用モータやパッケージ基板用コアなどの需要が総じて好調に推移しました。
こうした状況下、当社グループは「中期経営計画2023 ~確かな技術で未来をひらく~ 変革と挑戦」のもと、持続的な成長実現に向けた取組みを進めました。電力機器事業では工場リニューアルやTPSかいぜん活動による生産性向上に努めるとともに、水力発電システム製品の顧客開拓、次世代デジタル制御機器の開発など新製品・新事業への挑戦に取組みました。回転機事業では車載空調圧縮機用モータやパッケージ基板用コアの生産能力増強を進めるとともに、代替調達先の確保や新規調達先の開拓などサプライチェーンの強靭化に努めてきました。
連結業績につきましては、回転機事業が上期に好調であったことにより、前連結会計年度比で増収増益となりました。売上高は21.1%増の1,142億8千6百万円、営業利益は12.6%増の75億4百万円、経常利益は10.4%増の87億9千3百万円となりました。また、特別損失として海外関連会社の出資金等評価損3億3千8百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は7.0%増の59億5千4百万円となりました。
セグメント別の業績につきましては、以下のとおりです。
<電力機器事業>
売上高は前連結会計年度比10.5%増の313億9千7百万円、セグメント利益は前連結会計年度比10.5%減の26億5千万円となりました。売上高は、プラント工事と配電線用自動電圧調整器(中型変圧器)が前連結会計年度を下回りましたが、小型変圧器と大型変圧器が好調であったことにより、増収となりました。セグメント利益は、基礎資材の価格高騰や半導体部品不足による生産減などの影響を受け、減益となりました。
<回転機事業>
売上高は前連結会計年度比25.6%増の828億8千9百万円、セグメント利益は前連結会計年度比22.4%増の67億1千8百万円となりました。第4四半期に入り一部の半導体メーカや建物空調メーカの在庫調整の影響を受けましたが、上期に車載・建物空調圧縮機用モータやパッケージ基板用コアが大きく伸びたことにより、増収増益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(※)中部電力グループの販売高には、中部電力㈱、中部電力パワーグリッド㈱、中部電力ミライズ㈱の金額を記載しております。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ130億7千4百万円増加し1,233億7千8百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ104億8千万円増加し846億6千万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加37億9千5百万円、売上債権の増加38億5千5百万円、棚卸資産の増加29億1千3百万円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ25億9千4百万円増加し387億1千8百万円となりました。これは主に、有形固定資産の増加27億1千8百万円、投資その他の資産の減少1億3千2百万円によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べ80億6千8百万円増加し548億6千5百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ25億5千2百万円増加し395億8千万円となりました。これは主に、電子記録債務の増加9億6百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加14億3千4百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ55億1千6百万円増加し152億8千4百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加50億1千1百万円、リース債務の増加8億3千6百万円によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比べ50億5百万円増加し685億1千3百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加42億4千5百万円、為替換算調整勘定の増加6億5千6百万円によるものであります。
自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ2.0%減少し54.4%となりました。
電力機器事業の総資産は303億7千2百万円(前連結会計年度末287億7千万円)となり、前連結会計年度末と比べ16億1百万円増加しました。
回転機事業の総資産は757億6千2百万円(前連結会計年度末652億9百万円)となり、前連結会計年度末と比べ105億5千3百万円増加しました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ37億9千5百万円増加し、202億5千万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、52億1千6百万円(前年同期4百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益84億9千4百万円、減価償却費44億7千3百万円、仕入債務の増加額11億1千3百万円などの資金の増加と売上債権の増加額33億8千1百万円、棚卸資産の増加額26億3千5百万円、法人税等の支払額27億6百万円などの資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、66億7百万円(前年同期8億4千5百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出67億4千8百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、50億4千4百万円(前年同期3億6千4百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入70億7千万円、配当金の支払額17億6百万円などによるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり資本的支出を行う予定であります。また、資本の財源については自己資金及び金融機関の借入金でまかなう予定であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループが連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループは、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産、貸倒引当金、退職給付に係る負債などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社は、2022年度の研究開発方針として「新製品・新事業への挑戦」と「既存事業の競争力強化」を掲げ、研究開発を推進いたしました。
当連結会計年度における研究開発の総額は
セグメントごとの研究開発活動の内容及び成果は次のとおりであります。
電力機器事業では、変圧器、制御機器、電力システムの各分野に注力いたしました。
当連結会計年度に市場投入した製品は「水車発電機用制御装置」などがあります。
推進中の製品開発は、「電圧平衡化機能付き無効電力補償装置(A2-STATCOM)」、「ユニット型デジタル監視制御システム」、「信号線条変圧器盤」などがあります。
回転機事業では、車載空調用、介護機器の各分野に注力いたしました。当連結会計年度に市場投入した製品は「車載空調用ハーメティックモータ」、「中国VOC規制に適合したワニスのハーメティックモータへの適用」などがあります。
推進中の製品開発は「建物空調・車載空調用ハーメティックモータ」、「電動ベッド駆動用アクチエータ」、「冷凍・冷蔵ショーケース用インバータ」などがあります。