第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、経営基本方針として「積極経営」「技術錬磨」「人間尊重」を掲げております。この基本方針のもと、電力機器事業では、信頼性の高い製品を提供することにより、電力事業の一端を担い、電力の安定供給に寄与しております。回転機事業では、建物・車載空調モータ及びモータ応用機器等の分野において高性能で高品質な製品を開発することにより、社会生活の向上に貢献しております。また、プリント基板事業では、両面・多層基板等の一般基板からパッケージ基板用コアまで、プリント基板の製造・販売により、デジタル社会の実現に貢献しております。

(2) 中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき課題

当社グループを取巻く事業環境は、米国における関税政策に伴う各国との貿易摩擦によるサプライチェーンの混乱や世界経済の停滞などが予想されるものの、中長期的には、脱炭素化やDXの進展を背景に、再生可能エネルギー関連機器の需要増、電動車やヒートポンプ式空調の市場拡大、デジタル投資の拡大が見込まれます。当社グループとしましては、中期経営計画2028に掲げた「新製品・新事業の発掘・育成」「ものづくり力の強化」「経営基盤の強化」により、これらの成長分野の需要を取り込み、サプライチェーンの最適化に取り組むことで、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

当社グループは、持続可能な社会の実現に向け、2050年のありたい姿として「ものづくりを通じて、豊かな暮らしと持続可能な社会づくりに貢献する企業集団」を掲げ経営に取り組んでおります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

当社は、環境の変化に素早く的確に対応することが株主の皆様をはじめとする社会全体からの信頼を獲得する鍵であると認識し、経営判断における意思決定の迅速化と透明性を確保すべく、以下の基本的な考え方に基づき、コーポレート・ガバナンスの充実・強化に努めております。

1.株主の権利を尊重し、株主の実質的な平等性の確保に努める。

2.ステークホルダーとの適切な協働を図る。

3.会社情報を適切に開示し透明性を確保する。

4.取締役会による実効性のある経営及び業務執行の監督を行う。

5.株主との間で建設的な対話を行う。

<体制図>


 

 

(2) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

①人材育成の推進

経営戦略の実現のためには、当社社員の一人一人の成長を促す仕組みづくりが不可欠です。OJT、研修、自己啓発を3本の柱として、人材の育成を推進しています。OJTは、主に目標管理制度・メンター制度による職場教育に取り組んでいます。研修は新入社員研修を始めとした階層別研修、業務に必要なテーマ研修など、必要に応じて受講できるものとしています。自己啓発は、通信教育の受講料や公的資格の受験料などの支援をしています。


②働きやすい職場環境づくりの推進人材育成の推進

ワークライフバランスの推進に向け、ノー残業デーの設定、育児短時間フレックスタイム制の導入など働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。毎週水曜日は定時退社日と定め、定時での退社を促しています。女性社員の育児休業取得率は100%を維持し、男性社員の育児休業取得率は76.5%と近年、増加傾向にあります。

 

育児休業取得者

本人または配偶者が出産

取得率

女性

2人

2人

100.0%

男性

13人

17人

76.5%

 

③健康経営

社員が心身ともに健康で、活き活きと働ける職場を目指し健康経営を推進しています。その一環として、2017年にトレーニングジムを開設し、さらに2021年には音楽室を開設しました。

さらに、産業医・看護師が連携しながら、社員への面談などを実施し、フィジカルヘルス、メンタルヘルスの両面で不調者の早期発見、保健指導を行っております。

(3) リスク管理

当社グループは、サステナビリティ全体に関するリスク管理については、ESG推進会議及び環境マネジメントシステムを運用する環境推進委員会が中心となり、関連部門と共にリスクの抽出を行っております。

また、事業運営に関する様々なリスクに対して的確に対応するため、リスク管理規程を定めております。経営に重大な影響を与えるリスクについては、経営計画の策定及び重要な意思決定にあたり各部門が把握・評価し、取締役会及び常務会において審議または報告を行っております。具体的には、リスク管理規程に従い各部門は、年2回定期的にリスクを把握・評価し、リスク対策の状況を管理部門に報告するとともに、リスク対策を反映した業務計画を策定し、業務を遂行しております。また、災害による損失の軽減をはかるため災害対策規程を定め、経営に与える影響を最小限となるようしております。

 

(4)気候変動への対応

当社グループは、気候変動や貧困などの社会的課題が顕在化している中、「よい物を創る、よい人を創る、よい関係を創る、価値ある会社」の中期経営理念のもと、ステークホルダーの皆様へ多様な価値を提供し、持続可能な社会の実現を目指していきます。環境に関する重要課題(マテリアリティ)として「カーボンニュートラルの実現」「循環型社会への貢献」と定め取り組んでいきます。また、TCFD提言に沿ったリスク・機会の検討を開始し、戦略への取組みを進めております。

当社グループは、政府目標に沿って、2050年カーボンニュートラルを目指すこととし、2030年CO2排出量(Scope1+2)の2013年度比46%削減を実現する目標を立て、脱炭素に貢献する製品の開発及び販売拡大、エネルギーのCO2フリー化等の施策を実行してまいります。

①ガバナンス

ESG推進会議を設置し、カーボンニュートラルの実現及び循環型社会への貢献を重要課題と位置付け、これらの課題に対する取り組み方針や目標(KPI)などを検討しております。ESG推進会議は、四半期ごとに実施され、管理担当役員が目標(KPI)に対する進捗状況を確認しております。また、年1回、管理担当役員・ESG推進会議事務局より、常務会へ報告を行っております。

②リスク管理

気候変動リスク及び機会について当社グループは、事業運営における課題やステークホルダーからの要求及び期待並びに事業運営における環境側面の影響評価などにより特定します。これらについて、経営に及ぼす影響を総合的に判断し、優先度を勘案し、各種課題に取り組んでおります。また、当社グループの事業活動に影響する気候変動を含めた世界経済の動向、製品市場動向、環境関連法規制の変化及び環境経営に関する要求の高まりなどの外部要因や、脱炭素に貢献する製品とサービスの開発及び販売状況、QCD(品質・コスト・納期)とPSMC(生産性・安全性・士気・環境)の追及などの内部要因の両側面から課題を抽出し、グループ全体で課題解決に向けて取り組んでおります。

③戦略

当社グループは、循環型モノづくりへの取組みとして生産活動等における廃棄物発生量の削減、脱炭素化に貢献する製品の開発及び販売拡大、カーボンニュートラルの実現に向けてエネルギーのCO2フリー化、環境負荷低減に寄与する調達活動等サプライヤーを含めた事業活動全般にわたり、環境課題への取り組みを推進しております。

気候変動による影響は、高品質の電気を安定供給するための電力機器及び快適な生活をサポートする回転機をコア事業とする当社グループにとって、リスクになると共に新たなビジネスの機会にもなると捉えております。

④指標と目標

当社グループは、気候変動に伴う変化を機会として捉え、事業を展開しております。電力機器事業では、バイオガス発電システム、小水力発電システム、太陽光発電システム、自動電圧調整器(SVR、TVR、STATCOM)、植物油入変圧器、トップランナー変圧器及び乾式バランサ等を、回転機事業では、車載空調モータの販売を拡大し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。また、カーボンニュートラルの実現に向けて、中期目標として2030年度の温室効果ガス排出削減を2013年度排出量に対して46%削減とし、長期目標として2050年に実質排出量0として諸施策を進めております。中長期目標については、主な取組目標として当社ホームページで開示しております。

 

主な取り組みと目標

主な取り組み

目標

2024年度

2030年度

2050年度

脱炭素化に貢献する製品の開発及び販売拡大

67%増

(2020年度比)

2倍

(2020年度比)

4倍

(2020年度比)

エネルギーのCO2フリー化

CO2排出量30%以上削減

(2013年度比)

CO2排出量46%削減

(2013年度比)

実質排出量ゼロ

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 特定顧客への依存

当社グループの事業は、変圧器、制御機器及び電力・産業システム等からなる電力機器、建物・車載空調モータ及びモータ応用機器等からなる回転機、一般基板及びパッケージ基板用コアからなるプリント基板の製造・販売を主な内容としております。

電力機器事業では一般送配電事業者、回転機事業では電機及び機械メーカ、プリント基板事業では半導体パッケージメーカ等の顧客を中心に販売をしており、いずれの事業とも特定の顧客に対する販売依存度が高い傾向にあります。今後、一般送配電事業者における設備投資等の動向、電機・機械メーカや半導体パッケージメーカのサプライチェーン見直しなどの市場環境の変化は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては特定顧客の経営状況や設備投資計画等の情報を常時収集して販売・生産計画を随時更新するとともに、原価低減による競争力強化及び特定顧客以外への販路開拓・売上拡大等を進めております。

(2) 子会社の業績動向

当社グループは、製造、販売、部品供給などグループ会社間の協業に加え、各社の独自事業によりグループ経営を行っております。連結子会社の業績が大きく変動した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては最適なグループ運営体制を検討していくとともに、グループガバナンス体制の強化により経営状況の把握やグループ会社との連携、経営課題の解決に努め、グループとしての成長を目指しております。

(3) 材料価格等の上昇

当社グループの主力製品は、銅、鉄、油などの基礎素材を使用しております。また、部材の一部を海外より調達しております。基礎素材価格や為替レートなどの変動により、これらの材料価格が上昇した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては市況に応じた発注量の管理や複数調達先の確保、販売価格への反映等によりリスク低減に努めております。

(4) 海外事業

当社グループは、中国をはじめとする東南アジア地域やアフリカ地域において活動を推進しております。これらの地域において、経済・政情の悪化、法律・規則の変更、労使関係の悪化等が、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては海外拠点や活動地域における政治経済の状況、国際情勢や紛争・自然災害等の情報などを収集し、それらに応じた迅速な対応によりリスク低減に努めております。

(5) 技術開発

当社グループは、継続的に新製品の開発に取組むとともに、既存製品の高品質化及び製造原価の低減等に努めております。しかしながら、開発遅れにより市場投入の機会を逸した場合や競合他社が新たな技術・製品を開発した場合には、当社グループ製品の優位性の低下や販売価格の下落等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては市場環境の変化を踏まえた研究開発計画を立案し、定期的な進捗管理を行うとともに、必要に応じて他者と連携することで、当社グループの競争力向上に努めております。

(6) 特定仕入先への依存

当社グループは、原材料等を複数の仕入先から調達する方針を採っておりますが、調達する原材料等によっては、特定の仕入先に依存している原材料等があります。このため、これら仕入先に不測の事態等が生じ、原材料等の供給が途絶えた場合には、当社グループの生産活動に支障が生じ、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては代替先・代替品の採用及び調達リスクの可視化と調達リスクの高い部品の在庫量引上げなどによりリスクの低減を行っております。

(7) 製品の欠陥

当社グループは、品質管理及び技術関係部署を中心に品質の維持向上に努めております。しかしながら、瑕疵担保責任や製造物責任につながるような製品の欠陥が生じた場合には、多額のコスト発生、ブランドイメージの低下等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては品質意識・知識の向上、業務のプロセス遵守・改善、設計レビューの実施、品質会議等での真因追求と再発防止策の実施といった品質管理体制の強化を進めております。

(8) 情報セキュリティ

当社グループは、技術や営業に関する機密情報に対して様々な情報セキュリティ対策を講じております。しかしながら、不測の事故または事件等により機密情報の外部流出等の問題が生じた場合には、社会的信用の低下や損害賠償請求等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについてはアクセス監視やコンピュータウィルス対策等の各種セキュリティ対策の実施、社員・役員への教育・訓練の実施などによりリスクの低減に努めております。

 

(9) 知的財産権

当社グループは、他社と差別化できる技術の蓄積に努めており、自社が保有する技術等については知的財産権の取得による保護を図るとともに、他社の知的財産権に対する侵害がないよう管理を行っております。しかしながら、当社グループが認識していない知的財産権の存在によって第三者から訴訟等の法的措置が提起された場合には、その結果によっては当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては当社グループの知的財産権の管理及び国内外における他者の知的財産権の調査などによりリスクの低減に努めております。

(10) 固定資産の減損

当社グループは、既存事業の競争力強化及び新製品対応のため、設備投資を行っております。しかしながら、将来、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下し、投資額の回収が見込めない場合には、減損損失の発生により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては設備投資時に事業計画の妥当性、回収の実現性を審査の上、意思決定を行うとともに、設備投資後も主管部署による定期的なモニタリングを行うことで、兆候の把握とリスク低減に向けた対応を行っております。

(11) 自然災害・感染症等

当社グループは、震災等の緊急事態に備え、事業継続のための体制を整備しております。しかしながら、想定を著しく上回る大規模な自然災害等が発生した場合には、設備の損壊、原材料等の調達困難等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、新たな感染症の発生による操業停止あるいは原材料調達先での操業停止等により生産に大きな影響が生じた場合、または世界的感染拡大により当社製品需要が大きく変動した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

当リスクについては、大規模自然災害時の生産・販売への影響を最小限に抑えるため、防災訓練の実施、計画的な防災対策の実施、代替生産・調達先候補の検討、事業継続計画(BCP)の定期更新などを進めております。また、感染症に対しては「感染症リスク管理ガイドライン」を制定し、予防策と発生時の対応を定めることでリスクの低減に努めております。

(12) コンプライアンス

当社グループは、国内外の法令その他社会規範を遵守して事業を行っておりますが、それらに反する事象が発生した場合、法的制裁や社会的信用の失墜、事業活動の制限などにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当リスクについては、コンプライアンス全体を統括する組織として、社長を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置するとともに、社員行動規範である「コンプライアンス10箇条」を定め、法令、社内規程及び企業倫理の遵守を図っております。また、内部通報窓口「ヘルプライン」の設置やグループコンプライアンス教育の実施など、コンプライアンス違反事象の未然防止・早期改善に努めております。なお、2024年10月に当社社員の不正行為が発覚しました。当社は、この不正行為が発生したことを厳粛に受け止め、今後、このような不正行為が再発することがないよう、内部管理体制の一層の強化に取り組むとともに、コンプライアンス意識の更なる向上を図ってまいります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復が続いているものの、中国不動産市場の低迷継続や米国政権の通商政策などにより先行きへの不透明感が高まりました。当社グループにおきましては、電力機器分野では需要が堅調でしたが、回転機分野では空調市場や工作機械市場が緩やかな回復にとどまりました。また、プリント基板分野では生成AI関連の需要が好調な一方、既存のデータセンター向けサーバの需要が低迷するなど、半導体市場の回復はまだら模様となりました。

こうした状況の中、当社グループは「中期経営計画2028」の1年目として、「新製品・新事業の発掘・育成」「ものづくり力の強化」「経営基盤の強化」の基本方針の下、高効率な空調モータや水力発電システムなどの脱炭素に貢献する製品の開発・販売拡大、パッケージ基板用コアの新工場の本格稼働、新統合基幹システムの導入などに取り組んでまいりました。

連結業績につきましては、電力機器事業とプリント基板事業の好調により、売上高は前期比8.7%増の1,202億7千万円、営業利益は22.8%増の86億6千5百万円、経常利益は12.2%増の93億2千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は12.6%増の66億8千4百万円となりました。

セグメント別の業績につきましては、以下のとおりです。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。変更内容は、従来回転機事業に属していたプリント基板事業を分離しております。当期の比較・分析は、この変更後の区分に基づいています。

<電力機器事業>

売上高は前期比12.3%増の377億5千7百万円、セグメント利益は前期比15.3%増の44億8千2百万円となりました。小型・中型変圧器が送配電会社向け、一般産業向けともに堅調であったことに加え、海外プラント工事の大型件名が完工したことなどにより、増収増益となりました。

<回転機事業>

売上高は前期比4.9%増の574億6千1百万円、セグメント利益は前期比104.0%増の21億6千5百万円となりました。売上高は、建物空調モータの受注が回復してきたものの、車載空調モータの需要減速により緩やかな回復にとどまりました。利益面では、生産性向上など原価低減に加え、受注が回復してきたことで、大幅な増益となりました。

<プリント基板事業>

売上高は前期比12.5%増の251億8千万円、セグメント利益は前期比4.4%増の40億9千4百万円となりました。新工場(新潟県新発田工場)の稼働開始により固定費負担が増加したものの、受注が好調を維持したことで、増収増益となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

電力機器

35,062

11.7

回転機

52,245

11.2

プリント基板

25,013

15.1

合計

112,322

12.2

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

電力機器

38,168

13.1

2,805

18.1

回転機

57,687

5.5

638

76.5

プリント基板

26,326

22.2

3,380

55.4

合計

122,182

11.1

6,824

38.9

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

電力機器

37,737

12.4

回転機

57,410

4.9

プリント基板

25,121

12.6

合計

120,270

8.7

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

中部電力グループ(※)

14,247

12.9

13,935

11.6

 

(※)中部電力グループの販売高には、中部電力㈱、中部電力パワーグリッド㈱、中部電力ミライズ㈱の金額を記載しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ75億2百万円増加し1,418億4千9百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べ26億3千8百万円増加し893億7百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加18億7千8百万円、売上債権の増加25億8千5百万円、有価証券の減少20億円によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べ48億6千3百万円増加し525億4千2百万円となりました。これは主に、有形固定資産の増加51億1千5百万円、投資その他の資産の減少2億3千7百万円によるものであります。

負債合計は、前連結会計年度末と比べ9億2千4百万円増加し607億4千5百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べ13億7千5百万円増加し424億3千4百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金の増加17億5千3百万円によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べ4億5千1百万円減少し183億1千1百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債の減少7億7千3百万円によるものであります。

純資産合計は、前連結会計年度末と比べ65億7千7百万円増加し811億3百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加51億7千2百万円、為替換算調整勘定の増加12億9千3百万円によるものであります。

自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ1.5%増加し55.9%となりました。

電力機器事業の総資産は307億8千5百万円(前連結会計年度末309億9千5百万円)となり、前連結会計年度末と比べ2億9百万円減少しました。

回転機事業の総資産は519億5千5百万円(前連結会計年度末492億3千4百万円)となり、前連結会計年度末と比べ27億2千1百万円増加しました。

プリント基板事業の総資産は397億5千7百万円(前連結会計年度末339億6千8百万円)となり、前連結会計年度末と比べ57億8千8百万円増加しました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ17億1千8百万円増加し、273億3千3百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、112億2千4百万円(前年同期138億4千万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益93億8千7百万円、減価償却費59億1千2百万円などの資金の増加と売上債権の増加額15億6千4百万円、法人税等の支払額23億1千3百万円などの資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、68億8千1百万円(前年同期94億円)となりました。これは主に、有価証券売却による収入20億円、有形固定資産の取得による支出85億3千4百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は、30億4千2百万円(前年同期7億2千6百万円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の返済19億2千万円、配当金の支払額15億1千3百万円などによるものであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり資本的支出を行う予定であります。また、資本の財源については自己資金及び金融機関の借入金でまかなう予定であります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループが連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

当社グループは、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産、貸倒引当金、退職給付に係る負債などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社は、2024年度の研究開発方針として「新製品・新事業の発掘・育成」を掲げ、研究開発を推進いたしました。

当連結会計年度における研究開発の総額は1,346百万円であります。グループ会社全体で、顧客ニーズと将来の製品技術動向を見据え、多岐にわたる分野で研究開発に取り組んでまいりました。具体的には、脱炭素ビジネス分野では植物油入り変圧器の適用範囲拡大、再生処理絶縁油の配電機器修理への適用、送配電設備の高度化・デジタル化分野では自動電圧調整器や配電システム高度化製品、蓄電池システムの開発などであります。

セグメントごとの研究開発活動の内容及び成果は次のとおりであります。

電力機器事業では、変圧器、制御機器、電力システムの各分野に注力いたしました。

当連結会計年度に開発し、今後市場投入する予定の製品は「77kV 10MVA パームヤシ油入LRT」、「変圧器保護ユニット(デジタル式比率電流差動継電器を実装)」、「改良型 真空遮断器」などがあります。

推進中の製品開発は、「第三次基準トップランナー変圧器」、「菜種油入り変圧器」、「再生処理絶縁油入柱上変圧器」、「自動電圧平衡化装置」、「配電自動化正拠点システム(リプレース)」などがあります。

回転機事業では、空調用ハーメティックモータ、介護機器、インバータの各分野に注力いたしました。

当連結会計年度に市場投入した製品は「建物空調・車載空調用ハーメティックモータ」、「冷凍・冷蔵ショーケース用インバータ」などがあります。

推進中の製品開発は、「建物空調・車載空調用ハーメティックモータ」、「電動ベッド駆動用アクチエータ」、「業務用冷蔵庫インバータ」などがあります。

プリント基板事業では、半導体パッケージ、産業機器の各分野に注力いたしました。

当連結会計年度に市場投入した製品は「高周波向け多層基板」、「14層基板」などがあります。

推進中の製品開発は、「部品内蔵コア」、「ビルドアップコア」、「溶着積層6層基板」、「高周波向けビルドアップ基板」などがあります。