第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のダイヘングループを取り巻く経営環境は、年度後半には中国経済の減速や円高の進展により厳しい状況となりましたが、先進諸国の緩やかな経済成長や国内を中心とした堅調な設備投資により、全体としては底堅く推移いたしました。

このような状況の下、中期経営計画“DAIHEN Value 2017”に基づき、世界初・業界初の機能を備えた「ダイヘンならでは製品」の創出・市場投入に取り組んでまいりました。

その結果、受注高は1,349億3千9百万円となり前連結会計年度に比べ5.9%の増加、売上高につきましても1,311億9千7百万円と前連結会計年度に比べ7.5%の増加となりました。利益面におきましては、売上高の増加と「ロスカット活動」による生産性向上・コスト水準の引き下げの成果の拡大により、営業利益は93億2千9百万円と前連結会計年度に比べ9億1千3百万円増加し、経常利益は92億3千1百万円と前連結会計年度に比べ2億4千1百万円増加いたしました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、中国電機製造株式会社の子会社化に伴い負ののれん発生益を計上したこともあり、72億2千万円と前連結会計年度に比べ14億1千2百万円の増加となりました。

セグメント別の状況につきましては、以下のとおりであります。

電力機器事業では、国内工場での省エネ・高効率化のニーズが高まる中、蓄電池システム内蔵型太陽光発電パッケージなどのFEMS関連製品の充実に努める一方、国産初の超高圧変圧器用大容量真空バルブ式負荷時タップ切換器などの開発に取り組みました。また、柱上変圧器等の需要が堅調に推移したことや中国電機製造株式会社を連結対象に加えたこともあり、電力機器事業全体の受注高は764億8千2百万円(前連結会計年度比19.0%増)、売上高は709億2千5百万円(前連結会計年度比16.2%増)となり、営業利益は67億9千2百万円(前連結会計年度比17億8千9百万円増)となりました。

溶接メカトロ事業では、厚板溶接の作業効率を飛躍的に向上させる世界初の新溶接プロセスなど競争力強化につながる開発に取り組む一方、工場全体の効率化ニーズにお応えする総合FAメーカとして、各種ロボットアプリケーションの充実やAGV(自動搬送台車)向け高効率ワイヤレス給電システムの開発・市場投入に取り組みました。しかしながら、中国経済減速の影響と円高の進展により、受注高は415億2千5百万円(前連結会計年度比10.0%減)、売上高は428億2千5百万円(前連結会計年度比5.8%減)となり、営業利益は47億8千3百万円(前連結会計年度比6億2千2百万円減)となりました。

半導体関連機器事業では、中国での大型パネル関連投資やスマートフォンの高機能化に伴う半導体製造装置関連投資が高水準で推移する中、医療・薬品業界向けクリーン搬送ロボットなど新分野開拓のための開発を進めました。受注高につきましては167億2千9百万円(前連結会計年度比0.3%増)、売上高は172億7千4百万円(前連結会計年度比13.2%増)となり、営業利益は14億円(前連結会計年度比2億6百万円増)となりました。

また、その他の売上高は2億2百万円、営業利益は7千5百万円となり、前連結会計年度からの大きな変動はありません。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、8億7千8百万円増加し、119億5千7百万円となりました。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

税金等調整前当期純利益等により、53億1千7百万円の資金の増加となりましたが、前連結会計年度に比べると、仕入債務の減少等により、49億2千9百万円の減少となりました。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

有形固定資産の取得等により58億4千6百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べると、19億6千4百万円の減少となりました。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

短期借入金の増加等により16億9千6百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べると、57億1千7百万円の増加となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電力機器事業

62,467

121.4

溶接メカトロ事業

27,374

95.6

半導体関連機器事業

9,887

119.8

その他

合計

99,729

112.9

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電力機器事業

76,482

119.0

26,959

126.0

溶接メカトロ事業

41,525

90.0

4,691

78.7

半導体関連機器事業

16,729

100.3

3,633

86.9

その他

202

65.3

合計

134,939

105.9

35,284

111.9

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電力機器事業

70,925

116.2

溶接メカトロ事業

42,825

94.2

半導体関連機器事業

17,274

113.2

その他

202

65.3

小計

131,227

107.5

消去

△30

 

合計

131,197

107.5

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

ダイヘングループは、お客様に喜んでいただき、世の中のお役に立つ「ダイヘンならではの製品価値」を創出することを最重点課題と位置付け、2012年度から2020年度までの9年間を3期に分け、「開発中計」に取り組んでおります。

第Ⅰ期にあたる前中期経営計画(2012~2014年度)では、保有する技術を磨き上げることでダントツ性能を備えた製品を多数開発・市場投入いたしました。2017年度を最終年度として進めております中期経営計画(2015~2017年度)は、「開発中計」の第Ⅱ期として、世の中にない“初”の製品開発を推進し、“創造価値”を備えた製品を創出すべく取り組みを進めております。

また、開発強化に必要な資金を内部から生み出す目的で取り組む「ロスカット活動」につきましては、第Ⅰ期において、「一気通貫生産方式」を軸とした業務の“整流化”による大幅なコストダウンを実現いたしましたが、第Ⅱ期では、間接業務における単純繰返し作業の縮減、生産部門での自動化・外作化を推進することで“Cut in Half(単純作業時間の半減)”を目指して活動いたしております。

 

                        <2017年度中期経営計画>

 

                   ■ 基本目標(2017年度)

                      ・売  上  高    1,500億円以上

                      ・営業利益率         8%以上

                      ・R  O  E         10%以上

 

                   ■ 基本方針

                      1.ダイヘンならではの製品価値の創出

                           - “改善価値”から“創造価値”へ -

                      2.ロスカット活動の推進

                           - 業務の“整流化”から“Cut in Half(単純作業時間の半減)”へ -

 

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境について

国内の電力会社や自動車産業をはじめとする企業の設備投資動向及びシリコンサイクルの浮き沈みによる半導体関連の設備投資動向の影響などにより、当社グループの業績が変動する可能性があります。

また、市場競争の激化に伴う販売価格の下落や素材の価格高騰などが懸念されますが、これらの状況が著しく進展した場合においては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

その他、当社グループでは積極的な海外事業の展開に取り組んでおりますが、市場の成長性に不透明な要素があることに加え、政治又は法環境の変化など予期せぬ事象により、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。その結果によって当社グループの業績が変動する可能性があります。

 

 

(2) 為替変動リスクについて

当社グループの平成28年3月期における連結売上高の海外売上高比率は21.0%となっておりますが、今後もマーケットの拡大が期待できる中国やアジア新興国など海外での事業展開に注力してまいりますため、海外売上高のウェイトは、より高い水準で推移すると想定しております。一方で、海外生産拠点からの製品仕入やコストダウンを目的とした海外調達の拡大にも積極的に取り組むことで、外貨建債権債務のポジション調整による為替変動リスクの軽減を図っております。また、外貨建債権債務につきましては、売上と仕入で相殺されるものを除き、常時為替予約によって、リスクヘッジを行っております。しかしながら、急激な為替相場の変動が生じた場合、当社グループの業績が変動する可能性があります。

 

(3) 金利変動リスクについて

平成28年3月末現在の連結有利子負債(長短借入金の合計金額)残高は269億9千6百万円となっております。固定金利での長期安定資金の確保に努める一方、グループ全体の資金運用の効率化と資金管理の集中化及び在庫圧縮などによる有利子負債削減など、金利変動リスクを可能な限り回避するための様々な手段を講じておりますが、変動金利借入利息、借換時における資金調達に関しては金利情勢の影響を受けるため、急激な金利変動が生じた際には、当社グループの業績が変動する可能性があります。

 

(4) 保有有価証券の時価下落リスクについて

当社グループは事業運営上、多数の会社の株式などに出資又は投資しております。株式市場の動向悪化、又は出資先の財政状態の悪化により、保有有価証券の減損リスクがあります。

 

(5) 退職給付債務について

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される損益に影響を及ぼします。また、年金資産には退職給付信託として上場有価証券を信託しているため、株価の変動を受けやすく、年金資産運用の結果による損益のブレにより、当社グループの年金資産は増減しております。株価の下落、一層の割引率の低下や年金資産運用利回りの悪化は、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 減損会計について

当社グループは多額の固定資産を保有しており、今後の地価動向及び当社グループの収益状況によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 大規模災害について

当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水などの大規模災害が発生した場合には、生産設備の損壊、原材料・部品の調達停止、物流販売機能の麻痺などにより、生産拠点の操業停止などが生じ、当社グループの業績が変動する可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 外国へ技術供与しているもの

 

契約の相手先

契約年月

内容

期限

Toshiba Transmission & Distribution
Systems (India) Pvt.Ltd.
(インド)

(注)1

平成16年3月

大形変圧器の製造に関する技術

平成29年8月

 

(注) 1  Toshiba Transmission & Distribution Systems (India) Pvt.Ltd.は、平成25年12月27日付で、Vijai  Electricals Ltd.より地位の譲渡を受けております。

2  上記契約に基づき、一定額のロイヤリティーを受け取っております。

 

(2) 中国電機製造株式会社の株式取得

当社は、平成27年7月1日開催の取締役会において、中国電機製造株式会社の発行済株式の60%を取得する株式譲渡契約締結について決議し、同日付で中国電力株式会社との間で株式譲渡契約を締結いたしました。

詳細は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)  連結財務諸表  注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。

 

 

6 【研究開発活動】

ダイヘングループは、お客様の真のニーズに合致し、かつ独自性の高い「ダイヘンならではの製品(DAIHEN Value 製品)」の創出・市場投入に向け、グループ内の開発部門が相互に連携をとりながら、お客様や大学などの研究機関との共同研究も積極的に行い、技術シーズの蓄積と製品化への応用を進めております。

当連結会計年度の研究開発費は51億7千7百万円で、セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりであります。

 

<電力機器事業>

電力機器事業では、国内工場での省エネ・高効率化のニーズが高まる中、蓄電池システム内蔵型太陽光発電パッケージなどのFEMS関連製品の充実に努める一方、国産初の超高圧変圧器用大容量真空バルブ式負荷時タップ切換器などの開発に取り組みました。

その結果、電力機器事業における研究開発費は24億8千1百万円となりました。

 

<溶接メカトロ事業>

溶接メカトロ事業では、厚板溶接の作業効率を飛躍的に向上させる世界初の新溶接プロセスなど競争力強化につながる開発に取り組む一方、工場全体の効率化ニーズにお応えする総合FAメーカとして、各種ロボットアプリケーションの充実やAGV(自動搬送台車)向け高効率ワイヤレス給電システムの開発・市場投入に取り組みました。

その結果、溶接メカトロ事業における研究開発費は12億1千7百万円となりました。

 

<半導体関連機器事業>

半導体関連機器事業では、中国での大型パネル関連投資やスマートフォンの高機能化に伴う半導体製造装置関連投資が高水準で推移する中、医療・薬品業界向けクリーン搬送ロボットなど新分野開拓のための開発を進めました。

その結果、半導体関連機器事業における研究開発費は14億7千8百万円となりました。

 

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び流動性

当連結会計年度末の総資産は1,387億8千4百万円で、前連結会計年度末に比べ62億8千万円増加しました。そのうち、流動資産は843億8千万円で、前連結会計年度末に比べ38億2千万円の増加となりました。これは「受取手形及び売掛金」の増加が主な要因であります。固定資産は544億3百万円で、前連結会計年度末に比べ24億5千9百万円の増加となりました。これは主に中国電機製造株式会社の新規連結により、同社保有分の土地などを合算したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債の合計は683億8百万円で、前連結会計年度末に比べ12億6百万円増加しておりますが、これは「短期借入金」の増加が主な要因であります。なお、流動負債は465億9千1百万円で、前連結会計年度末に比べ25億8千8百万円の増加、固定負債は217億1千7百万円で、13億8千1百万円の減少となりました。

流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は377億8千9百万円で、前連結会計年度に比べ12億3千1百万円増加しております。

自己資本は655億2千5百万円で、前連結会計年度末に比べ23億6千4百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の積み上げなどによる「利益剰余金」の増加によるものであります。また、自己資本に「非支配株主持分」を加えた純資産は704億7千6百万円で、前連結会計年度末に比べ50億7千3百万円の増加となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.5ポイント減少の47.2%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べ3.8%増加の513円63銭となりました。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ7.5%増加し、1,311億9千7百万円となりました。売上高の増加に伴い売上原価は前連結会計年度に比べ7.5%の増加となり、売上原価の売上高に対する比率は前連結会計年度と同水準の66.6%となりました。販売費及び一般管理費につきましても同様に、前連結会計年度に比べ6.5%の増加となり、売上高に対する比率は0.2ポイント改善の26.3%となりました。その結果、営業利益は93億2千9百万円で、前連結会計年度に比べ10.9%の増益となりました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた営業外損益は、主に持分法による投資利益の減少と為替差損の発生により前連結会計年度に比べ6億7千2百万円の減少となり、経常利益につきましては前連結会計年度に比べ2.7%増益の92億3千1百万円となりました。

特別損益では、中国電機製造株式会社の新規連結に伴い、負ののれん発生益14億5千4百万円を計上いたしましたこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては前連結会計年度に比べ24.3%増益の72億2千万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ8億7千8百万円(7.9%)増加し、119億5千7百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、53億1千7百万円の収入となりました。税金等調整前当期純利益の増加がありましたものの、仕入債務の減少額による資金の減少影響等により前連結会計年度に比べ49億2千9百万円の収入の減少となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、58億4千6百万円の支出となりました。有形固定資産の取得や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得等により前連結会計年度に比べ19億6千4百万円の支出の増加となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、16億9千6百万円の収入となりました。短期借入金の増加等により、前連結会計年度に比べ57億1千7百万円の収入の増加となりました。