文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
ダイヘングループは、「信頼と創造」を経営理念に掲げ、常にマーケット・インに根差した製品とサービスを提供することでお客様の「信頼」にお応えし、絶えず新技術、新製品を開発して新たな価値の「創造」に努めることを基本方針としております。
お客様に喜んでいただき、世の中のお役に立つダイヘン独自の製品価値の創出を最重点課題と位置付け、2012年度から2020年度までの9年間を3期に分け、「DAIHEN Value計画」に取り組んでおります。
2020年度を最終年度として進めております中期経営計画(2018~2020年度)では、「DAIHEN Value計画」の総仕上げとして、変圧器や溶接機といった既存製品群の枠組みを超え、未来志向で発展性のある新ドメインでの「ならでは開発」を推進すると同時に単品ビジネスからシステム志向のビジネスへの転換を図り、新たな顧客価値を創出し続ける「開発型の企業」としての体質の確立に向けて取り組んでまいります。
開発強化に必要な資金を内部から生み出す目的で取り組む「ロスカット活動」につきましては、新たな製品設計思想に基づく生産自動化の追求とRPA(Robotic Process Automation)を活用した間接業務の自動化推進により単純作業の撲滅を目指すとともに、これらの取り組みの成果を拡大すべく、グループワイドで拠点間の役割分担も見直し、コスト最適化を目指してまいります。
また、お客様に製品価値を認めていただき安心してご利用いただくため、ビフォアからアフターまで全てのプロセスに亘る独自の“D-サービス”の確立を目指し、営業・サービス一体で「セールスエンジニアリング力の強化」に取り組んでまいります。
<2020年度中期経営計画>
■ 基本目標(2020年度)
・売 上 高 1,800億円以上
・営業利益率 8%以上
・R O E 10%以上
・開発費率 (注) 5%以上
・連結配当性向(3年平均利益) 30%
■ 基本方針
1.ダイヘンならではの製品価値の創出
- 新ドメインでのならでは開発・システム志向のビジネス展開推進 -
2.ロスカット活動の推進
- グループワイドでの“コスト最適化” -
3.“セールスエンジニアリング力”の強化
(注) 連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく特許料などの開発関連費用を含む。
半導体関連投資の再開時期や米中貿易摩擦の動向など不透明感はありますが、引き続き「ロスカット活動」による生産性向上・コスト水準の引き下げを実現し、社会的課題の解決に資する「ダイヘンならではの製品価値」を創出するための開発投資に振り向けていくことにより、各事業の強化、業績の向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境について
国内の電力会社や自動車産業、半導体製造装置関連をはじめとする企業の設備投資動向の影響などにより、当社グループの業績が変動する可能性があります。
また、市場競争の激化に伴う販売価格の下落や素材の価格高騰などが懸念されますが、これらの状況が著しく進展した場合においては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
その他、当社グループでは積極的な海外事業の展開に取り組んでおりますが、市場の成長性に不透明な要素があることに加え、政治又は法環境の変化など予期せぬ事象により、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。その結果によって当社グループの業績が変動する可能性があります。
(2) 為替変動リスクについて
当社グループの2019年3月期における連結売上高の海外売上高比率は22.7%となっておりますが、今後もマーケットの拡大が期待できる中国やアジア新興国など海外での事業展開に注力してまいりますため、海外売上高のウェイトは、より高い水準で推移すると想定しております。一方で、海外生産拠点からの製品仕入やコストダウンを目的とした海外調達の拡大にも積極的に取り組むことで、外貨建債権債務のポジション調整による為替変動リスクの軽減を図っております。また、外貨建債権債務につきましては、売上と仕入で相殺されるものを除き、常時為替予約によって、リスクヘッジを行っております。しかしながら、急激な為替相場の変動が生じた場合、当社グループの業績が変動する可能性があります。
(3) 金利変動リスクについて
2019年3月末現在の連結有利子負債(長短借入金の合計金額)残高は397億8千4百万円となっております。固定金利での長期安定資金の確保に努める一方、グループ全体の資金運用の効率化と資金管理の集中化及び在庫圧縮などによる有利子負債削減など、金利変動リスクを可能な限り回避するための様々な手段を講じておりますが、変動金利借入利息、借換時における資金調達に関しては金利情勢の影響を受けるため、急激な金利変動が生じた際には、当社グループの業績が変動する可能性があります。
(4) 保有有価証券の時価下落リスクについて
当社グループは事業運営上、多数の会社の株式などに出資又は投資しております。株式市場の動向悪化、又は出資先の財政状態の悪化により、保有有価証券の減損リスクがあります。
(5) 退職給付債務について
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される損益に影響を及ぼします。また、年金資産には退職給付信託として上場有価証券を信託しているため、株価の変動を受けやすく、年金資産運用の結果による損益のブレにより、当社グループの年金資産は増減しております。株価の下落、一層の割引率の低下や年金資産運用利回りの悪化は、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 減損会計について
当社グループは多額の固定資産を保有しており、今後の地価動向及び当社グループの収益状況によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) 大規模災害について
当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水などの大規模災害が発生した場合には、生産設備の損壊、原材料・部品の調達停止、物流販売機能の麻痺などにより、生産拠点の操業停止などが生じ、当社グループの業績が変動する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度のダイヘングループを取り巻く経営環境は、前連結会計年度より拡大基調で推移しておりました半導体関連投資の先送り傾向が顕著になりましたことなどから、受注高は1,407億1千2百万円(前連結会計年度比7.2%減)、売上高につきましても1,434億5千7百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。
利益面におきましては、耐震対策工事に伴う経費増加や素材価格上昇の影響もあり、営業利益は83億6千9百万円(前連結会計年度比16億8千5百万円減)、経常利益は87億1千7百万円(前連結会計年度比15億2千7百万円減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、61億6千6百万円(前連結会計年度比6億6千4百万円減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
エネルギーマネジメント関連ビジネスの進展もあり、受注高は680億1千7百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりましたが、東南アジアでの民間需要の減少により、売上高は650億7百万円(前連結会計年度比1.7%減)となりました。また、国内生産拠点での工場建替えに伴う減価償却費増加や銅価格上昇等の影響により、営業利益は37億9千6百万円(前連結会計年度比4億2千1百万円減)、営業利益率は5.8%(前連結会計年度比0.6ポイント減)となりました。
中国市場の減速感は強まりましたが、日本国内の建設関連投資や東南アジア・欧州での自動車関連投資が堅調に推移する中、ロボットシステムの生産能力増強並びに、最新の設備を備えた中部テクニカルセンターの新設や国内外での顧客巡回サービス強化などによる顧客サポート力向上に努めてまいりました。その結果、受注高は457億4千6百万円(前連結会計年度比5.9%増)、売上高は446億3千3百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。営業利益は、コストダウンの効果もあり、44億9千4百万円(前連結会計年度比11億3千2百万円増)、営業利益率は10.1%(前連結会計年度比2.5ポイント増)となりました。
データセンター関連投資の先送りや半導体メモリーの価格低下に伴い半導体製造装置の投資が調整局面となりましたことから、受注高は267億4千8百万円(前連結会計年度比37.5%減)、売上高は336億5千万円(前連結会計年度比13.0%減)となり、利益面におきましては、売上高減少の影響に加えこれまでに実施した増産対応投資に伴うコスト増加もあり、営業利益は39億5千2百万円(前連結会計年度比24億6千5百万円減)、営業利益率は11.7%(前連結会計年度比4.9ポイント減)となりました。
売上高は1億9千9百万円、営業利益は7千7百万円となり、前連結会計年度からの大きな変動はありません。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の資産合計は、たな卸資産が増加する一方、現金及び預金や受取手形及び売掛金の減少に加え、株価下落の影響などによる投資有価証券の減少もあり、1,675億7千5百万円(前連結会計年度末比2億2千8百万円減)となりました。
負債合計は、借入金が増加する一方、支払手形及び買掛金や賞与引当金の減少により848億7千1百万円(前連結会計年度末比8億2千4百万円減)となりました。
純資産合計は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定が減少する一方、利益剰余金の増加により827億3百万円(前連結会計年度末比5億9千6百万円増)となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の45.7%から0.5ポイント増加して46.2%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
売上債権やたな卸資産の増加などにより、電力機器事業の資産は687億3千8百万円(前連結会計年度末比23億6百万円増)となりました。
中部テクニカルセンターの建設に伴う有形固定資産の増加などにより、溶接メカトロ事業の資産は488億3千8百万円(前連結会計年度末比12億5千3百万円増)となりました。
売上債権が減少する一方、たな卸資産の増加や検査設備増強などに伴う有形固定資産の増加により、半導体関連機器事業の資産は272億8千1百万円(前連結会計年度末比6億5千6百万円増)となりました。
その他の事業の総資産は12億1千5百万円となり、前連結会計年度末からの大きな変動はありません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、12億6千7百万円減少し、124億3百万円となりました。
税金等調整前当期純利益などにより、20億8千1百万円の資金の増加となりましたが、前連結会計年度に比べると、仕入債務の減少などにより、38億6千1百万円の減少となりました。
有形固定資産の取得などにより73億5千8百万円の資金の減少となりましたが、前連結会計年度に比べると、有形固定資産の売却による収入の増加などにより、6億4千8百万円の増加となりました。
借入金の増加などにより44億3千4百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べると、27億5千5百万円の増加となりました。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、設備投資資金などであります。これらの必要資金は、継続的な利益の蓄積などによる内部資金により賄うことを基本としております。
資金の流動性確保のため、コミットメントライン契約を締結するなど安定的な資金の確保に努める一方、当社及び国内連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより各社の余剰資金を当社へ集中し、資金効率の向上を図っております。
当連結会計年度におきましては、ロボットシステム生産工場の増築、テクニカルセンターの建設、生産自動化関連投資などを実施し、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差引いたフリー・キャッシュ・フローが52億7千6百万円の支出超過となったため、金融機関から必要資金を調達いたしました。
当社グループは、2020年度中期経営計画の基本目標として下記の数値を掲げております。
2018年度においては、半導体関連投資の先送り傾向が顕著になりましたことや素材価格上昇などの影響がありましたが、引き続き「ロスカット活動」による生産性向上・コスト水準の引き下げを実現し、社会的課題の解決に資する「ダイヘンならではの製品価値」を創出するための開発投資に振り向けていくことにより、各事業の強化、業績の向上に努めてまいります。
(注) 連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく
特許料などの開発関連費用を含む。
該当事項はありません。
当社グループは、ダイヘン独自の価値(DAIHEN Value)を持つ製品の創出・市場投入に向け、グループ内の開発部門が相互に連携をとりながら、お客様や大学などの研究機関との共同研究も積極的に行い、技術シーズの蓄積と製品化を進めております。
当連結会計年度の研究開発費は
<電力機器事業>
無電柱化進展が予想される中、コンパクト・低コストな地中化対応機器の開発に取り組むとともに、EV(電気自動車)/PHEV(プラグインハイブリッド車)の充放電スタンドと蓄電池設備を一体化することで大規模災害時に長時間に亘り安定した電力供給を可能とする“V2X”非常用電源システムなどのEMS関連製品の開発を進めました。
当連結会計年度における電力機器事業の研究開発費は
<溶接メカトロ事業>
CO2排出量削減を目的とした自動車軽量化の実現に必要なアルミと鋼板等の異材接合技術の開発や、厚板溶接の作業効率を飛躍的に向上させる高能率アーク溶接システム「D-Arc」のラインアップ拡充に取り組むとともに、工場全体の自動化に貢献するAGV(無人搬送台車)用ワイヤレス給電システムの小型化や、システムビジネス拡大を目的としたハンドリングロボットのラインアップ拡充に取り組みました。
当連結会計年度における溶接メカトロ事業の研究開発費は
<半導体関連機器事業>
高周波電源システムの小型化・省電力化、次世代の半導体製造プロセスで必要とされる高速整合機能の開発に取り組むとともに、半導体の薄型化・高効率化を実現する最新のパッケージング技術であるFOPLP(Fan-Out Panel Level Package)に対応した低振動の搬送用ロボットの開発を進めました。
当連結会計年度における半導体関連機器事業の研究開発費は