第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

ダイヘングループは、「信頼と創造」を経営理念に掲げ、常にマーケット・インに根差した製品とサービスを提供することでお客様の「信頼」にお応えし、絶えず新技術、新製品を開発して新たな価値の「創造」に努めることを基本方針としております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

お客様に喜んでいただき、世の中のお役に立つダイヘン独自の製品価値の創出を最重点課題と位置付け、2012年度から2020年度までの9年間を3期に分け、「DAIHEN Value計画」に取り組んでおります。

2020年度を最終年度として進めております中期経営計画(2018~2020年度)では、「DAIHEN Value計画」の総仕上げとして、変圧器や溶接機といった既存製品群の枠組みを超え、未来志向で発展性のある新ドメインでの「ならでは開発」を推進すると同時に単品ビジネスからシステム志向のビジネスへの転換を図り、新たな顧客価値を創出し続ける「開発型の企業」としての体質の確立に向けて取り組んでまいります。

開発強化に必要な資金を内部から生み出す目的で取り組む「ロスカット活動」につきましては、新たな製品設計思想に基づく生産自動化の追求とRPA(Robotic Process Automation)を活用した間接業務の自動化推進により単純作業の撲滅を目指すとともに、これらの取り組みの成果を拡大すべく、グループワイドで拠点間の役割分担も見直し、コスト最適化を目指してまいります。

また、お客様に製品価値を認めていただき安心してご利用いただくため、ビフォアからアフターまで全てのプロセスに亘る独自の“Dサービス”の確立を目指し、営業・サービス一体で「セールスエンジニアリング力の強化」に取り組んでまいります。

 

                           <2020年度中期経営計画>

 

                ■ 基本目標(2020年度)

                   ・売  上  高               1,800億円以上

                   ・営業利益率                    8%以上

                   ・R  O  E                    10%以上

                   ・開発費率 (注)                 5%以上

                   ・連結配当性向(3年平均利益)    30%

 

                ■ 基本方針

                   1.ダイヘンならではの製品価値の創出

                       - 新ドメインでのならでは開発・システム志向のビジネス展開推進 -

                   2.ロスカット活動の推進

                       - グループワイドでの“コスト最適化” -

                   3.“セールスエンジニアリング力”の強化

 

  (注)  連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく特許料などの開発関連費用を含む。

 

 

(3) 対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済活動の停滞や米中関係の悪化などの環境変化により、2020年度での中期経営計画の基本目標達成は厳しい状況にあります。しかしながら、中期経営計画の基本方針に沿った事業の強化は着実に進んでおり、2019年度は厳しい事業環境下でも前連結会計年度比1.1%の増収、8.3%の営業増益を確保することが出来ました。今後もダイヘン独自の製品価値創出を最重点課題として、脱炭素社会の実現、自然災害に強い都市インフラの整備、労働力不足の解消などの社会的課題の解決に資する製品の開発・市場投入に注力してまいります。また、その開発資金を捻出する「ロスカット活動」では、生産性向上・コスト水準の引き下げを実現すると共に、生み出される社員の余力を営業・サービスの強化へ振り向けることを指向しており、「ならでは開発」と「ロスカット活動」の両輪をより速く回転させることで、財務基盤の強化、企業価値の向上に努めてまいります。

なお、各事業セグメントの主な課題への取り組み状況は以下のとおりであります

 

・電力機器事業

脱炭素社会の実現や自然災害に強い都市インフラの整備が求められる中、電線地中化対応機器などの配電網の強化に貢献する機器や、災害時の非常用電源確保に資するエネルギーマネジメントシステム関連製品、電気自動車に手間なく急速充電できるワイヤレス充電システムなどの開発・市場投入に取り組んでおります。

 

・溶接メカトロ事業

世界各地で労働力不足の問題が進む中、工場全体の自動化ニーズに応えるべく、ハンドリングロボットやAI搬送ロボットの品揃え拡充とアーク溶接の前後工程で必要な各種アプリケーションへの対応力強化を推進しております。また、電気自動車の軽量化に不可欠な異材接合については、適用材・接合範囲の拡大に取り組んでおります。

 

・半導体関連機器事業

次世代高速通信規格5GやIoT、AI、自動運転などの普及に不可欠な半導体製造プロセスの微細化、高効率化、省エネルギー化に役立つ高周波電源システムなどの開発、市場投入に取り組んでおります。

 

(4) 新型コロナウイルス感染症の事業への影響について

現時点で各生産拠点は稼働しており生産面での影響は軽微ですが、グローバルでの営業活動やサプライチェーンへの影響、経済活動停滞に伴う需要動向など、先行きが不透明な状況であります。当社といたしましては、在宅勤務やオンライン会議の活用、通勤途上での感染リスク軽減策の実施など、状況に応じた感染防止策をとりながら事業を継続してまいります。

なお、各事業セグメントの今後の需要に対する現在の認識は以下のとおりであります。

 

・電力機器事業

景気悪化に伴う受配電設備などの投資抑制、工事の中断・延期による需要減少が懸念されますが、公共性が高い送配電網の設備投資などは一定程度維持されるものと想定しております。

 

・溶接メカトロ事業

世界的な自動車・建設・造船関連の設備投資の減速に伴う需要減少が懸念されます。しかし、移動制限の解除や企業の生産活動の再開により、徐々に設備投資水準は回復に向かうものと想定しております。

 

・半導体関連機器事業

スマートフォンや車載半導体などの需要停滞に起因する半導体関連投資の減速が懸念されますが、一方で、感染拡大防止を目的とした在宅勤務や在宅学習などの普及によるパソコン・サーバーの需要増加が見込まれ、半導体製造装置の投資は堅調に推移するものと想定しております。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 需要動向について

各事業における需要については、電力機器事業では国内・東南アジアでの送配電設備の更新・強化や国内でのビル・工場の新設や高経年化設備の更新、溶接メカトロ事業では国内外の自動車・建設・造船業界などの設備投資、半導体関連機器事業では半導体製造装置の設備投資などが主なものであり、これらの急激な変動が生じた場合には、売上高をはじめとした経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 販売及び仕入価格の変動について

市場競争の激化に伴う販売価格の下落や銅などの素材価格の高騰が懸念されますが、これらの状況が著しく進展した場合には、売上高や利益率に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、輸出取引の為替変動リスクに対しましては、海外生産拠点からの製品仕入やコストダウンを目的とした海外調達の拡大にも積極的に取り組むことで、外貨建債権債務のポジション調整によるリスクの軽減を図っております。また、外貨建債権債務につきましては、売上と仕入で相殺されるものを除き、常時為替予約によって、リスクヘッジを行っております。しかしながら、急激な為替相場の変動が生じた場合には、経営成績、財政状態が変動する可能性があります。

 

(3) 海外事業について

2020年3月期における連結売上高の海外売上高比率は22.0%となっておりますが、今後も販売拡大が期待できる海外での事業展開に注力してまいりますため、海外売上高のウェイトは、より高い水準で推移すると想定しております。海外事業につきましては主に現地法人を通じて取り組んでおりますが、市場の成長性に不透明な要素があることに加え、政治又は法環境の変化など予期せぬ事象により、事業の遂行に問題が生じた場合には、経営成績、財政状態が変動する可能性があります。

 

(4) 保有資産価値の変動について

当社グループは事業用の資産として様々な有形・無形の固定資産を保有しておりますが、今後の経営環境変化に伴ってこれらの資産の収益性が著しく低下した場合には、経営成績、財政状態に影響を与える可能性があります。

また、事業運営上、多数の会社の株式などに出資又は投資しているほか、年金資産においても一部を株式で運用しております。株式市場の動向悪化、又は出資先の財政状態の悪化により、保有有価証券の減損や年金資産の運用成績悪化が生じた場合には、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 金利変動リスクについて

2020年3月末現在の連結有利子負債(長短借入金の合計金額)残高は324億4千8百万円となっております。固定金利での長期安定資金の確保に努める一方、グループ全体の資金運用の効率化と資金管理の集中化及び在庫圧縮などによる有利子負債削減など、金利変動リスクを可能な限り回避するための様々な手段を講じておりますが、変動金利借入利息、借換時における資金調達に関しては金利情勢の影響を受けるため、急激な金利変動が生じた際には、経営成績、財政状態が変動する可能性があります。

 

 

(6) 大規模災害などについて

当社ではリスク事象に備え危機対策規程や事業継続計画を策定しておりますが、グループの生産、販売拠点において想定を超える地震、洪水などの大規模災害が発生した場合には、生産設備の損壊、原材料・部品の調達停止、物流販売機能の麻痺などにより、生産拠点の操業停止などが生じ、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、パンデミック、紛争、テロなど事業活動に障害が生じる場合も同様であります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 新型コロナウイルス感染症の事業への影響について」に記載のとおりであります。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度のダイヘングループの業績は、年度後半には半導体関連投資が回復基調に転じましたが、上半期までの停滞の影響が大きく、売上高は1,450億4千4百万円(前連結会計年度比1.1%増)と前連結会計年度に比べ微増に留まりました。利益面におきましては、生産工程の自動化や間接業務効率化などの「ロスカット活動」によるコスト低減効果により、営業利益は90億6千5百万円(前連結会計年度比6億9千6百万円増)と前連結会計年度に比べ8.3%の増益となりました。また、経常利益は93億5千6百万円(前連結会計年度比6億3千8百万円増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、66億7千2百万円(前連結会計年度比5億6百万円増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

a 電力機器事業

配電網強化に伴う投資が堅調に推移したことに加え、海外市場におきましてもタイ発電公社向け50万V級変圧器納入により大形変圧器の販売が増加いたしました。その結果、売上高は688億1千2百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。また、売上高の増加に加えて銅価格が前連結会計年度に比べ低下したこともあり、営業利益は62億3千4百万円(前連結会計年度比24億3千7百万円増)、営業利益率は9.1%(前連結会計年度比3.3ポイント増)となりました。

 

b 溶接メカトロ事業

国内での自動車関連投資が堅調に推移したことに加え、欧州での事業強化の成果もあり、売上高は453億2千4百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。しかしながら、米中貿易摩擦に伴う中国市場での競争激化の影響を受け、営業利益は40億1千1百万円(前連結会計年度比4億8千3百万円減)、営業利益率は8.8%(前連結会計年度比1.3ポイント減)となりました。

 

c 半導体関連機器事業

年度後半には、次世代高速通信規格5G商用化の進展に伴い半導体関連投資が回復基調となり、受注高は338億7千2百万円(前連結会計年度比26.6%増)となりましたが、上半期までの投資停滞局面の影響が大きく、売上高は307億8千万円(前連結会計年度比8.5%減)、営業利益は32億7千1百万円(前連結会計年度比6億8千1百万円減)、営業利益率は10.6%(前連結会計年度比1.1ポイント減)となりました。

 

d その他

売上高は2億円、営業利益は6千3百万円となり、前連結会計年度からの大きな変動はありません。

 

なお、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度の業績への影響は軽微でした。翌連結会計年度以降における各事業セグメントに与える影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 新型コロナウイルス感染症の事業への影響について」に記載のとおりであります。

 

 

生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

電力機器事業

60,739

105.2

溶接メカトロ事業

28,311

100.8

半導体関連機器事業

16,302

76.1

その他

合計

105,352

98.2

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

電力機器事業

68,124

100.2

33,067

98.0

溶接メカトロ事業

44,366

97.0

3,855

81.3

半導体関連機器事業

33,872

126.6

10,273

143.1

その他

200

100.6

合計

146,563

104.2

47,196

103.3

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

電力機器事業

68,812

105.9

溶接メカトロ事業

45,324

101.5

半導体関連機器事業

30,780

91.5

その他

200

100.6

小計

145,117

101.1

消去

△73

 

合計

145,044

101.1

 

(注) 1  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度の関西電力㈱については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東京エレクトロン宮城㈱

20,721

14.4

20,243

14.0

関西電力㈱

15,722

10.8

 

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、たな卸資産の減少に加え、株価下落の影響などによる投資有価証券の減少もあり、1,623億2千7百万円(前連結会計年度末比52億4千7百万円減)となりました。

負債合計は、借入金の減少などにより769億8千3百万円(前連結会計年度末比78億8千8百万円減)となりました。

純資産合計は、その他有価証券評価差額金や退職給付に係る調整累計額が減少する一方、利益剰余金の増加により853億4千4百万円(前連結会計年度末比26億4千万円増)となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の46.2%から3.1ポイント増加して49.3%となりました。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

a 電力機器事業

売上債権やたな卸資産の減少などにより、電力機器事業の資産は643億4千4百万円(前連結会計年度末比43億9千3百万円減)となりました。

 

b 溶接メカトロ事業

主に新規連結に伴う資産の増加により、溶接メカトロ事業の資産は500億8千7百万円(前連結会計年度末比12億4千8百万円増)となりました。

 

c 半導体関連機器事業

売上債権が増加する一方、たな卸資産の減少により、半導体関連機器事業の資産は252億9百万円(前連結会計年度末比20億7千2百万円減)となりました。

 

d その他

その他の事業の総資産は13億8百万円となり、前連結会計年度末からの大きな変動はありません。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、24億2千7百万円増加し、148億3千万円となりました。

 

a 営業活動によるキャッシュ・フロー

税金等調整前当期純利益等により、170億5千7百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べると、たな卸資産の減少等により、149億7千5百万円の増加となりました。

 

b 投資活動によるキャッシュ・フロー

有形固定資産の取得等により43億1千8百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べると、有形固定資産の取得の減少等により、30億3千9百万円の増加となりました。

 

c 財務活動によるキャッシュ・フロー

借入金の減少等により107億2百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べると、151億3千6百万円の減少となりました。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、設備投資資金などであります。これらの必要資金は、継続的な利益の蓄積などによる内部資金により賄うことを基本としております。

資金の流動性確保のため、コミットメントライン契約を締結するなど安定的な資金の確保に努める一方、当社及び国内連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより各社の余剰資金を当社へ集中し、資金効率の向上を図っております。

なお、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度の資金繰りへの影響は軽微でした。引き続き業績への影響や資金調達環境の変化に対して注視してまいります。

 

(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2020年度中期経営計画の基本目標として下記の数値を掲げております。

2019年度においては半導体関連投資の停滞の影響を受け、2020年度においても新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済活動の停滞や米中関係の悪化などの環境変化により、中期経営計画の基本目標の達成は厳しい状況にありますが、引き続き「ロスカット活動」による生産性向上・コスト水準の引き下げを実現し、社会的課題の解決に資する「ダイヘンならではの製品価値」を創出するための開発投資に振り向けていくことにより、各事業の強化、業績の向上に努め、2021年度以降での目標達成を目指してまいります。

 

 

2020年度
中計目標

2019年度
実  績

売  上  高

1,800億円以上

1,450億円

営業利益率

8%以上

6.3%

R  O  E

10%以上

8.5%

開発費率 (注)

5%以上

4.8%

連結配当性向
(3年平均利益)

30%

32.2%

 

  (注)  連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく
特許料などの開発関連費用を含む。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、当連結会計年度末現在で入手可能な情報をもとに見積りを行っております。

 

a 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額等を考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。

将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。

 

 

b 退職給付債務及び退職給付費用

退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

c たな卸資産

当社グループは、たな卸資産の評価において原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しており、たな卸資産について過去の滞留期間ごとの在庫の販売実績や廃却実績をもとに簿価切下げを行っております。実際の将来需要又は市場状況が当社グループによる見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社は、ダイヘン独自の価値(DAIHEN Value)を持つ製品の創出・市場投入に向け、グループ内の開発部門と相互に連携をとりながら、お客様や大学などの研究機関との共同研究も積極的に行い、技術シーズの蓄積と製品化を進めております。

当連結会計年度の研究開発費は5,237百万円で、セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりであります。

 

<電力機器事業>

超小型EVを用いた次世代モビリティサービスの実証実験を自治体との協業で実施するなど、ワイヤレス充電技術の実用化を進めるほか、離島における再生エネルギーの主力電源化技術や特高変電所の大幅なコンパクト化を実現する「特高変電パッケージ」の開発に取り組みました。

当連結会計年度における電力機器事業の研究開発費は1,994百万円となりました。

 

<溶接メカトロ事業>

自動車の軽量化に必要なアルミと鋼板などの異材接合を実現するレーザ・アークハイブリッドシステムの実用化・適用範囲拡大や、IoTによる遠隔サービスや教示レス運用を実現するロボット制御システムの開発、圧倒的な高品質溶接を実現する「シンクロフィード溶接システム」のラインアップ拡充を進めました。また、大阪大学接合科学研究所内に「ダイヘン溶接・接合協働研究所」を設立し、溶接・接合分野における研究開発体制の強化を図りました。

当連結会計年度における溶接メカトロ事業の研究開発費は1,259百万円となりました。

 

<半導体関連機器事業>

次世代の半導体製造プロセスにおいて必要とされる多層・微細加工を小型かつ省電力で実現する高周波電源システムの開発に取り組むとともに、高速搬送・高効率・低コスト・低環境負荷を実現するウエハ搬送用ロボットの開発を進めました。

当連結会計年度における半導体関連機器事業の研究開発費は1,984百万円となりました。