第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

ダイヘングループは、「信頼と創造」を経営理念に掲げ、常にマーケット・インに根差した製品とサービスを提供することでお客様の「信頼」にお応えし、絶えず新技術、新製品を開発して新たな価値の「創造」に努めることを基本方針としております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

これまで取り組んでまいりました開発重視の経営を更に強化し、当社固有の技術とIoT、AI等の多様な最先端技術を融合したイノベーションによって社会課題の解決に貢献し、次世代の柱となる新製品・新事業を継続的に創造する「研究開発型企業」を目指しております。

開発面におきましては、脱炭素社会実現への貢献や少子高齢化に伴う労働力不足などの社会的課題はもとより、モノづくりに携わる様々な立場の人々がそれぞれに抱える固有の課題を解決するために最適な機器・システムの開発に注力することで、経済的価値と社会的価値の両立を目指しております。また、開発強化に必要な資金を内部から生み出す目的で取り組む「ロスカット活動」につきましては、モジュール設計を取り入れた究極の自動化や全社的な業務フロー見直しによる上流データや外部データのリアルタイム活用による間接業務の効率化等を推進してまいります。

営業面におきましては、EV向け充電システムや再生可能エネルギー発電事業者向けEMSなど新たな事業領域での新商材の販売拡大をスピーディーかつ強力に推進するため、最適なパートナーとの関係構築や販売網の整備を進めるとともに、新商材に適した販売手法の検討・導入を進めてまいります。

また、ベンチャー精神と信念を持って開発やビジネスを進める人材が次々と出てくるような自由闊達で活気にあふれる風土づくりによる組織・人材の活性化や、全てのステークホルダーの期待に応え信頼を獲得し企業価値の向上につなげるために、リスクとコストのバランスを考慮し優先順位を付けた全社最適型のリスク管理体制の構築に取り組んでまいります。

なお、具体的な目標等につきましては、現在策定中の次期中期計画において確定次第、開示する予定です。

 

 

(3) 対処すべき課題

中期計画の基本方針に沿った事業の強化は着実に進んでおり、2020年度は厳しい事業環境下でも前連結会計年度比0.1%の増収、34.4%の営業増益を確保することが出来ました。今後もダイヘン独自の製品価値創出を最重点課題として、脱炭素社会の実現、自然災害に強い都市インフラの整備、労働力不足の解消などの社会的課題の解決に資する製品の開発・市場投入に注力してまいります。また、「ロスカット活動」による生産性向上・コスト水準の引き下げを実現し、社会課題の解決に資する開発投資に重点的に振り向けていくことにより財務基盤の強化、企業価値の向上に努めてまいります。

なお、各事業セグメントの主な課題への取り組み状況は以下のとおりであります。

 

・電力機器事業

脱炭素社会の実現や自然災害に強い都市インフラの整備が求められる中、再生可能エネルギーの導入拡大に資する各種エネルギー・マネジメント・システムや、災害時の非常用電源確保に資するV2Xシステム、電気自動車の普及に貢献するワイヤレス充電システムなどの開発・市場投入に取り組んでおります。

 

・溶接メカトロ事業

世界各地で労働力不足の問題が進む中、工場全体の自動化ニーズに応えるべく、ハンドリングロボットやAI搬送ロボットの品揃え拡充とアーク溶接の前後工程で必要な各種アプリケーションへの対応力強化を推進しております。また、電気自動車の軽量化に不可欠な異材接合については、適用材・接合範囲の拡大に取り組んでおります。

 

・半導体関連機器事業

次世代高速通信規格5GやIoT、AI、自動運転などの普及に不可欠な半導体製造プロセスの微細化、高効率化、省エネルギー化に役立つ高周波電源システムなどの開発、市場投入に取り組んでおります。

 

(4) 新型コロナウイルス感染症の事業への影響について

企業の設備投資は徐々に回復しつつありますが、感染力が強い変異株の拡がりなどにより依然として先行き不透明な状況が続いております。当社といたしましては、在宅勤務やオンライン会議の活用、通勤途上での感染リスク軽減策の実施など、引き続き状況に応じた感染防止策を徹底し事業活動を継続してまいります。

なお、各事業セグメントの今後の需要に対する現在の認識は以下のとおりであります。

 

・電力機器事業

新型コロナウイルス感染拡大に伴う工事の中断・延期による需要減少の影響が一部ありますが、公共性が高い送配電網の設備投資などは一定程度維持されるものと想定しております。

 

・溶接メカトロ事業

影響の長期化により自動車・建設・造船関連などの設備投資需要の停滞が懸念されます。しかし、中国など一部地域では需要回復が鮮明となっており、その他の地域においても徐々に設備投資水準は回復に向かうものと想定しております。

 

・半導体関連機器事業

感染拡大防止を目的とした在宅勤務や在宅学習などの普及によるパソコン・サーバの需要増加に加え、スマートフォンや車載半導体の需要増加が見込まれ、半導体製造装置の投資は堅調に推移するものと想定しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 需要動向について

各事業における需要については、電力機器事業では国内・東南アジアでの送配電設備の更新・強化や国内でのビル・工場の新設や高経年化設備の更新、溶接メカトロ事業では国内外の自動車・建設・造船業界などの設備投資、半導体関連機器事業では半導体製造装置の設備投資などが主なものであり、これらの急激な変動が生じた場合には、売上高をはじめとした経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 販売及び仕入価格の変動について

市場競争の激化に伴う販売価格の下落や銅などの素材価格の高騰が懸念されますが、これらの状況が著しく進展した場合には、売上高や利益率に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、輸出取引の為替変動リスクに対しましては、海外生産拠点からの製品仕入やコストダウンを目的とした海外調達の拡大にも積極的に取り組むことで、外貨建債権債務のポジション調整によるリスクの軽減を図っております。また、外貨建債権債務につきましては、売上と仕入で相殺されるものを除き、常時為替予約によって、リスクヘッジを行っております。しかしながら、急激な為替相場の変動が生じた場合には、経営成績、財政状態が変動する可能性があります。

 

(3) 海外事業について

2021年3月期における連結売上高の海外売上高比率は20.9%となっておりますが、今後も販売拡大が期待できる海外での事業展開に注力してまいりますため、海外売上高のウェイトは、より高い水準で推移すると想定しております。海外事業につきましては主に現地法人を通じて取り組んでおりますが、市場の成長性に不透明な要素があることに加え、政治又は法環境の変化など予期せぬ事象により、事業の遂行に問題が生じた場合には、経営成績、財政状態が変動する可能性があります。

 

(4) 保有資産価値の変動について

当社グループは事業用の資産として様々な有形・無形の固定資産を保有しておりますが、今後の経営環境変化に伴ってこれらの資産の収益性が著しく低下した場合には、経営成績、財政状態に影響を与える可能性があります。

また、事業運営上、多数の会社の株式などに出資又は投資しているほか、年金資産においても一部を株式で運用しております。株式市場の動向悪化、又は出資先の財政状態の悪化により、保有有価証券の減損や年金資産の運用成績悪化が生じた場合には、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 金利変動リスクについて

2021年3月末現在の連結有利子負債(長短借入金の合計金額)残高は293億3千9百万円となっております。固定金利での長期安定資金の確保に努める一方、グループ全体の資金運用の効率化と資金管理の集中化及び在庫圧縮などによる有利子負債削減など、金利変動リスクを可能な限り回避するための様々な手段を講じておりますが、変動金利借入利息、借換時における資金調達に関しては金利情勢の影響を受けるため、急激な金利変動が生じた際には、経営成績、財政状態が変動する可能性があります。

 

 

(6) 大規模災害などについて

当社ではリスク事象に備え危機対策規程や事業継続計画を策定しておりますが、グループの生産、販売拠点において想定を超える地震、洪水などの大規模災害が発生した場合には、生産設備の損壊、原材料・部品の調達停止、物流販売機能の麻痺などにより、生産拠点の操業停止などが生じ、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、パンデミック、紛争、テロなど事業活動に障害が生じる場合も同様であります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 新型コロナウイルス感染症の事業への影響について」に記載のとおりであります。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度のダイヘングループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により厳しい状況となりましたが、半導体関連投資が堅調に推移したことに加え、年度後半には自動車関連の設備投資も回復傾向となりました。その結果、売上高は1,451億4千4百万円(前連結会計年度比0.1%増)と前連結会計年度に比べ微増となり、利益面におきましては、「ロスカット活動」による材料費低減や生産性向上の成果拡大により、営業利益は121億8千3百万円(前連結会計年度比31億1千7百万円増)となりました。また、経常利益は、持分法適用会社での土地売却益の計上もあり137億6千2百万円(前連結会計年度比44億6百万円増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、94億1千1百万円(前連結会計年度比27億3千9百万円増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

a 電力機器事業

国内での配電機器の更新需要は底堅く推移しましたが、コロナ禍の影響による東南アジアでの大形変圧器の据付工事先送りなどにより、売上高は658億4千2百万円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。営業利益につきましては、コスト削減などにより67億4千9百万円(前連結会計年度比5億1千5百万円増)となり、営業利益率は10.3%(前連結会計年度比1.2ポイント増)となりました。

 

b 溶接メカトロ事業

中国では経済の正常化がいち早く進み産業用ロボットの需要が増加いたしました。また、その他の地域でも期末にかけて自動車関連投資が回復傾向となりました。しかしながら、年度前半での設備投資停滞の影響が大きく、売上高は421億7百万円(前連結会計年度比7.1%減)となり、営業利益は38億1千2百万円(前連結会計年度比1億9千8百万円減)、営業利益率は9.1%(前連結会計年度比0.3ポイント増)となりました。

 

c 半導体関連機器事業

次世代通信規格5Gのインフラ整備に伴い様々な半導体関連投資が堅調に推移いたしました結果、売上高は370億2千7百万円(前連結会計年度比20.3%増)となり、営業利益は61億8千1百万円(前連結会計年度比29億9百万円増)、営業利益率は16.7%(前連結会計年度比6.1ポイント増)となりました。

 

d その他

売上高は1億9千7百万円、営業利益は6千8百万円となり、前連結会計年度からの大きな変動はありません。

 

なお、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度の業績への影響は軽微でした。翌連結会計年度以降における各事業セグメントに与える影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 新型コロナウイルス感染症の事業への影響について」に記載のとおりであります。

 

 

生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

電力機器事業

57,132

94.1

溶接メカトロ事業

28,600

101.0

半導体関連機器事業

18,974

116.4

その他

合計

104,706

99.4

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

電力機器事業

66,450

97.5

33,676

101.8

溶接メカトロ事業

43,073

97.1

4,852

125.9

半導体関連機器事業

37,927

112.0

11,173

108.8

その他

197

98.4

合計

147,650

100.7

49,702

105.3

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

電力機器事業

65,842

95.7

溶接メカトロ事業

42,107

92.9

半導体関連機器事業

37,027

120.3

その他

197

98.4

小計

145,175

100.0

消去

△30

 

合計

145,144

100.1

 

(注) 1  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
なお、関西電力㈱については、同一企業集団に属する関西電力送配電㈱への販売高を集約して記載しております。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東京エレクトロン宮城㈱

20,243

14.0

25,840

17.8

関西電力㈱

15,722

10.8

17,810

12.3

 

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、現金及び預金の増加に加え、株式相場の上昇に伴う投資有価証券の増加もあり、1,751億3千2百万円(前連結会計年度末比128億4百万円増)となりました。

負債合計は、借入金が減少する一方、支払手形及び買掛金や繰延税金負債の増加などにより782億1千1百万円(前連結会計年度末比12億2千8百万円増)となりました。

純資産合計は、利益剰余金の増加に加え、その他有価証券評価差額金や退職給付に係る調整累計額の増加もあり、969億2千1百万円(前連結会計年度末比115億7千6百万円増)となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の49.3%から2.8ポイント増加して52.1%となりました。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

a 電力機器事業

売上債権の増加などにより、電力機器事業の資産は667億2千1百万円(前連結会計年度末比23億7千6百万円増)となりました。

 

b 溶接メカトロ事業

売上債権の増加に加え、関連会社株式の増加もあり、溶接メカトロ事業の資産は536億1千3百万円(前連結会計年度末比35億2千6百万円増)となりました。

 

c 半導体関連機器事業

売上債権の減少などにより、半導体関連機器事業の資産は251億7千5百万円(前連結会計年度末比3千3百万円減)となりました。

 

d その他

その他の事業の総資産は12億8千万円となり、前連結会計年度末からの大きな変動はありません。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、42億4千万円増加し、190億7千1百万円となりました。

 

a 営業活動によるキャッシュ・フロー

税金等調整前当期純利益等により、139億3千7百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べると、売上債権の増加やたな卸資産の減少額の縮小等により、31億1千9百万円の減少となりました。

 

b 投資活動によるキャッシュ・フロー

有形固定資産の取得等により、38億9千9百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べると、子会社出資金の払込による支出の減少等により、4億1千8百万円の増加となりました。

 

c 財務活動によるキャッシュ・フロー

長期借入金の返済による支出等により、55億7千6百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べると、短期借入金の減少額の縮小等により、51億2千6百万円の増加となりました。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、設備投資資金などであります。これらの必要資金は、継続的な利益の蓄積などによる内部資金により賄うことを基本としております。

資金の流動性確保のため、コミットメントライン契約を締結するなど安定的な資金の確保に努める一方、当社及び国内連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより各社の余剰資金を当社へ集中し、資金効率の向上を図っております。

なお、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度の資金繰りへの影響は軽微でした。引き続き業績への影響や資金調達環境の変化に対して注視してまいります。

 

(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済活動の停滞や米中関係の悪化などの環境変化により、中期計画の基本目標のうち売上高は未達となりましたが、その他の項目に関しましては「ロスカット活動」による生産性向上・コスト水準の引き下げにより目標を達成いたしました。引き続き「ロスカット活動」を推進し、社会課題の解決に資する開発投資に重点的に振り向けていくことにより、各事業の強化、業績の向上に努めてまいる所存でございます。

 

2020年度中期計画の目標と実績

 

2020年度
中計目標

2020年度
実  績

売  上  高

1,800億円以上

1,451億円

営業利益率

8%以上

8.4%

R  O  E

10%以上

11.0%

開発費率 (注)

5%以上

5%

連結配当性向
(3年平均利益)

30%

30%

 

  (注)  連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく
特許料などの開発関連費用を含む。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、当連結会計年度末現在で入手可能な情報をもとに見積りを行っております。

 

a 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額等を考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。

将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。

 

 

b 退職給付債務及び退職給付費用

退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

c たな卸資産

当社グループは、たな卸資産の評価において原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しており、たな卸資産について過去の滞留期間ごとの在庫の販売実績や廃却実績をもとに簿価切下げを行っております。実際の将来需要又は市場状況が当社グループによる見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社は、ダイヘン独自の価値(DAIHEN Value)を持つ製品の創出・市場投入に向け、グループ内の開発部門と相互に連携をとりながら、お客様や大学などの研究機関との共同研究も積極的に行い、技術シーズの蓄積と製品化を進めております。

当連結会計年度の研究開発費は5,397百万円で、セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりであります。

 

<電力機器事業>

平時での電力消費のピーク抑制や災害時の非常用電源確保に役立つ“V2Xシステム”やスマートコミュニティーやVPP構築に役立つエネルギー・マネージメント・システムなどの再生可能エネルギーの導入拡大に資する開発に取り組みました。また、電気自動車の急速充電器を管理する国際標準通信プロトコル“OCPP”に対応したEV向け急速充電器を開発することに加え、バス会社等との協業でEVバスの実証実験を行うなどEV普及を見据えた充電インフラ機器の開発を推進しました。

当連結会計年度における電力機器事業の研究開発費は2,003百万円となりました。

 

<溶接メカトロ事業>

世界各地で労働力不足が深刻化する中、初めてのロボット導入の障壁を取り払い、様々なユーザに自動化ソリューションを提供するため、直感的にロボット作業をプログラミングできる「ジョイステック・ペンダント “JoyPEN”」を開発するほか、当社サービスセンターのベテランサービス員がお客様の工場で稼働するロボットの状態やパラメータを確認しダイレクト操作する“リモートメンテナンスサービス”を可能とするロボットコントローラの開発に取り組みました。

当連結会計年度における溶接メカトロ事業の研究開発費は1,383百万円となりました。

 

<半導体関連機器事業>

5G通信の普及とDX・テレワークの推進に伴う情報通信量の増加や、自動運転やIoT対応機器の範囲拡大が進む中、半導体製造プロセスにおいて必要とされる多層・微細加工を小型かつ省電力で実現する高周波電源システムの開発に取り組むとともに、世界最速・高精度・低振動を実現するウエハ搬送用ロボットの開発を進めました。

当連結会計年度における半導体関連機器事業の研究開発費は2,011百万円となりました。