文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、“Global Energy Solution Leader”となることをビジョンに掲げ、エネルギー・ソリューションの技術を通じて、エネルギー・ソリューション分野を中心に、新しい価値創造を国内外に発信し続け、持続的に成長していくことを目指します。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2022年3月期の厳しい業績を踏まえ、短期~中期的には事業ポートフォリオ管理の強化による収益性改善に努めます。具体的には、国内においてはスマートメーターを中核としつつ、その計測技術を活用したエネルギーマネジメント関連製品・サービスの業績拡大を目指します。海外においては、スマートメーター等のハードウェアを中心とした売上構成から、スマートメーターと上位系システムを組み合わせたソリューション事業の比率を高めることにより、利益率の向上を目指すと同時に、部材の調達リスクやコスト上昇リスクを軽減していきます。
また、中期~長期的には、持続可能な社会構築の世界的な流れを受けて、脱炭素化の加速への早急な対応が求められるなか、エネルギー関連の様々なソリューション・サービスの提供により、社会の脱炭素化に貢献します。
なお、当社グループは、次の重点戦略を掲げ、中期経営計画の連結計数目標、経営指標の達成を目指します。
a.中期経営計画の重点戦略
① スマートメーターを活用した付加価値創出とエネルギー・ソリューションの拡大
国内においては、次世代スマートメーターの開発や最適な生産体制の構築を進めるとともに、新たな付加価値創出へ向けて取り組みます。
② コアとなる新製品・新事業の創出
様々なパートナーと連携し、技術開発やマーケティングの強化を図るとともに、当社グループの強みや経営資源を活かした新規事業の創出を推進します。脱炭素化やGX(グリーン・トランスフォーメーション)化をワンストップで提供するソリューションビジネスに注力し、持続可能な社会と環境の実現に貢献します。
③ 利益を重視したグローバル成長
当社グループは、オセアニア、英国を中心とした欧州、アジアや中東などの新興国において次の施策を実行し、より利益を重視した取り組みを強化します。
・ ソリューションビジネスの拡大による利益率の向上及び部材の調達リスクやコスト上昇リスクを軽減
・ 次世代ハードウェア、ソフトウェア開発の加速
・ サプライチェーンマネジメントの強化
④ グループ経営基盤の強化
当社は、以下の施策により経営基盤を強化します
・ 人材育成・活用の強化
・ グループリスク管理の強化
・ 財務体質の強化及び経営資源の最適な配分
・ サステナビリティ活動の推進
b.中期経営計画の連結計数目標
(単位:百万円)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)需要変動のリスク
当社グループの製品需要は、地域の政治・経済状況や政策の影響により変動する可能性があります。また、当社グループの売上高の過半を主要顧客が占めているため、顧客の業績、戦略及び設備投資計画などにより需要が変動するリスクがあります。
当社グループの主力製品であるスマートメーターは、国内では計量法で検定有効期間(使用可能期間)が10年と定められており、海外においても一定の使用期間後に取替えが必要となっております。そのため、取替え時期には需要が増大し、その後一定期間は需要が減少するサイクルを周期的に繰り返す傾向にあります。
当社グループは国内全域に加えてオセアニア、欧州、その他新興国などで事業拡大を進めているほか、新製品投入や機能追加などによる需要喚起や新規顧客の開拓にも取り組み、需要変動影響の分散を図っておりますが、需要が著しく変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)価格競争のリスク
当社グループの主力製品であるスマートメーターは、国内外で有力企業と競合しており、価格は重要な競争要因となっております。当社グループは価格競争に陥らないように品質、安全性、付加価値などが評価される市場を選択すると共に、製品・サービスの継続的改良に努めておりますが、価格競争を完全に回避することは困難であるため、価格が大幅に下落した場合、又は想定を下回る価格で大量に販売した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)サプライチェーンに関するリスク
a 部材の調達リスク
当社グループは、主力製品であるスマートメーターの機能・品質の向上や原価低減を目的に仕様変更を継続的に行っているため、部材調達においては顧客からの発注予測、調達のリードタイムに加えて、製品の仕様変更時期も考慮しながら、タイムリーな発注と適正な在庫水準の維持に努めております。
しかしながら、需給逼迫などにより必要な部材をタイムリーに調達できない場合、当社グループの生産活動に支障をきたす可能性があります。当該リスクは、世界的な半導体不足により現時点で顕在化しております。また、顧客の方針変更に伴う需要予測の減少などにより、不用になった部材が滞留する可能性があります。これらにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b コスト上昇リスク
当社グループは適切な価格での部材購入に努めておりますが、需給状況などにより半導体や金属など価格上昇が生じており、今後さらに上昇するリスクがあります。また、原油価格の上昇やコンテナ不足などにより、物流コストが上昇するリスクがあります。これらのコスト上昇を製品価格に十分に転嫁できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外事業のリスク
当社グループはオセアニア、欧州、その他新興国などを中心に海外事業を展開しており、2022年3月期の連結売上高に占める海外比率は約40%となっております。海外事業を中長期的な成長の柱と位置付け、当社役員が海外持株会社の役員を兼任しているほか、海外の経営情報やリスク情報は適時に当社へ共有される体制としております。また、外注を含めた生産拠点を複数国へ分散することによる、カントリーリスクの低減に取り組んでおります。
しかしながら、海外においては政治・経済情勢や紛争・テロ等の地政学的リスク、法令・制度に関する不確実性が国内に比して高いことから、市場の急激な変化やプロジェクトの遅延などによって事業が想定通りに進展しない場合、生産・出荷面で遅延が生じた場合など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)事業戦略に係るリスク
当社グループは持続的成長を目指して、国内外でソリューション事業の拡大に取り組んでおります。
しかし、様々な業種・分野の事業者が参入する領域で競争優位性を確立・維持することは容易ではなく、安定した収益を生み出すまでにはある程度時間を要すると見ております。また、結果的に期待したような成果が得られない場合、戦略の見直しが必要になり、当社グループの収益性が低下する可能性があります。
(6)製品・サービスの品質に関するリスク
当社グループは所定の品質管理水準に基づいて製品を自社生産又は外注しており、瑕疵・欠陥のある製品が市場に流出することのないように厳格な品質管理体制を構築しております。しかし、将来に渡って品質問題が発生しない保証はなく、製品の回収、交換、損害賠償などの事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)研究開発のリスク
当社グループは、国内外でソリューション事業の拡大へ向けた研究開発を強化しております。しかしながら、当事業分野は常に新たなテクノロジーが創出されるため、研究開発面で十分かつタイムリーに市場のニーズに対応しきれない可能性があります。また、一般的にソリューション事業の分野においては、知的財産権の侵害リスクが高まります。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替レートの変動によるリスク
当社グループの海外事業においては、為替レートの変動により在外子会社の収益や資産等が変動する可能性があります。為替変動の影響を軽減するために先物為替予約を行っておりますが、急激な為替レートの変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)サステナビリティに係るリスク
当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応はリスクの減少や収益機会につながる重要な経営課題であると認識しており、サステナビリティ推進委員会のもと、各課題へ取り組んでおります。
しかしながら、これらのリスクへの対応が遅れる場合は、当社グループの中長期的な業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害等によるリスク
当社グループは国内外で事業展開していますが、各国における大規模な地震や台風等の自然災害、火災等の事故災害、疫病の発生・蔓延等により、顧客からの注文が遅延したり、生産・出荷を長期間停止せざるを得ないような事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大等により、依然として先行き不透明な状況が続いています。
このような状況の中、当社グループは、国内において2025年度から予定されている次世代スマートメーターの導入や、海外でのソリューション・サービスの拡大などへ向けて、中期経営計画の重点戦略である「スマートメーターを活用した付加価値創出とエネルギー・ソリューションの拡大」、「コアとなる新製品・新事業の創出」、「利益を重視したグローバル成長」、「グループ経営基盤の強化」を推進しています。
国内計測制御事業については、スマートメーターが減収となったことに加え、前年度に一定量を出荷した賃貸物件向けスマートロックの減収等により、売上高は前年度比4.5%減の46,006百万円となりました。利益面においては、前述の減収に加えて原材料費の高騰等により利益率が低下し、営業利益は前年度比60.9%減の1,225百万円となりました。
海外計測制御事業については、オセアニア向け及び英国向けの出荷は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年度と比較して増加しました。一方で、前年度の業績に貢献したイラク・クルド自治政府向けの売上は需要の一巡により減少しました。これらにより、売上高は前年度比10.1%増の30,068百万円、営業利益は58百万円(前年度は467百万円の損失)となりました。
製造装置事業については、新型コロナウイルス感染症の影響による受注の減少等により売上高は前年度比27.9%減の692百万円、営業利益は282百万円の損失(前年度は264百万円の損失)となりました。
不動産事業については、売上高は前年度比0.1%増の553百万円、営業利益は前年度比0.2%増の271百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は76,184百万円と前年度比71百万円(0.1%)の減収、営業利益は1,277百万円と前年度比1,407百万円(52.4%)の減益、経常利益は1,189百万円と前年度比1,698百万円(58.8%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は658百万円の損失(前年度は482百万円の利益)となりました。
なお、当期から報告セグメントの変更を行っており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
<連結業績>
(単位:百万円)
当連結会計年度における生産実績、受注状況(見込み生産を行っているものを除く)及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a生産実績
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
b受注状況
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 海外計測制御事業については見込生産を主体としているため、記載を省略しております。
c販売実績
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当連結会計年度末における総資産は、受取手形及び売掛金が450百万円減少しましたが、棚卸資産が450百万円、建設仮勘定が412百万円それぞれ増加したこと等により、前年度末と比較して233百万円増加し、91,222百万円となりました。
負債は、流動負債のその他が514百万円、支払手形及び買掛金・電子記録債務が386百万円増加したこと等により、前年度末と比較して1,509百万円増加し、33,610百万円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定が451百万円増加しましたが、利益剰余金が1,648百万円減少したこと等により、前年度末と比較して1,276百万円減少し、57,611百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前年度末に比べ680百万円増加して15,335百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,114百万円、減価償却費2,536百万円、売上債権の減少額1,240百万円、棚卸資産の減少額353百万円等の資金増加要因が、法人税等の支払額1,343百万円等の資金減少要因を上回ったことにより4,422百万円の資金増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2,444百万円等の資金減少要因により1,219百万円の資金減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、海外での長・短期借入金の純減少額568百万円、非支配株主も含めた配当金の支払額1,639百万円、自己株式の取得による支出406百万円等の資金減少要因により2,934百万円の資金減少となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
*2020年3月期は営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」の「4 会計方針に関する事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②経営成績の分析
2022年3月期は、世界的な電子部材の調達難の影響により、国内計測制御事業、海外計測制御事業ともに、売上高、営業利益が期初計画を下回りました。
また、国内計測制御事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、エネルギーマネジメント関連製品・サービスや賃貸物件向けスマートロックなどが厳しく推移しました。さらに、期初計画で見込んでいた海外連結子会社の売却益の計上が次期となったため、当期純利益が期初計画を大幅に下回りました。
製造装置事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響による受注の減少により、売上高、営業利益が期初計画を下回りましたが、不動産事業においては高い稼働率を維持したことにより、期初の計画線上で推移しました。
これらの結果、下表のとおりの連結経営成績となりました。
(単位:百万円)
以上のように、当連結会計年度において、売上高は世界的な電子部材の調達難の影響により、期初計画を下回りました。利益面においても、減収に加えて原材料費の高騰により期初計画を下回りました。このような状況下、グループとして販売費及び一般管理費を抑制しつつ、グループの中期的な成長へ向けた取り組みを推進しました。なお、2023年3月期以降は、国内でのスマートメーターの新たな付加価値創出や、脱炭素化やGX化をワンストップで提供するソリューションビジネスへの注力、海外でのソリューション・サービスの拡大など、中期的な成長へ向けて取り組みます。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動に必要な資金について、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としつつ、債権回収までに資金が必要な時は銀行借入等による資金調達によって流動性を保持しています。当社グループは中期的な企業価値向上へ向けて、スマートメーター事業や、ソリューション事業の付加価値向上を目的とした開発に資金を投じてまいります。
当社と連結グループ会社間は、グループファイナンスにより資金融通を行うことで、グループ内資金の有効活用を図り、資金効率の向上に努めております。一方で、資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率やROEへの影響度等、総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。
経営資源については、成長へ向けた投資を進める一方、株主還元の強化に活用します。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は株主資本の効率化を重視しており、ROE(自己資本当期純利益率)の持続的な向上を目指しています。2022年5月に公表しました2023-27年3月期の中期経営計画の目標は、下表のとおりです。
特に記載すべき事項はありません。
当社グループは、事業環境や顧客需要の変化に迅速に対応すべく、フレキシブルな人材活用、研究開発投資を行い、新製品・サービスの開発・改良を進めています。当連結会計年度に当社グループが支出した研究開発費の総額は
研究開発活動は主に国内計測制御事業及び海外計測制御事業セグメントにおいて行っております。
国内計測制御事業においては、スマートメーター事業では、ニーズに対応した各種製品の研究・開発をグループ会社と連携して進めており、製品ラインアップを広げつつ、新技術対応等、競争力向上に向けた研究開発に取り組みました。また、ソリューション事業では、エネルギー需給の効率化や省人化に貢献するため、ビル・商業施設を対象としたエネルギーマネジメントサービスおよび集中検針システムなどの機器・システム・サーバ環境の開発に取り組みました。
海外計測制御事業においては、シンガポールを中心に開発拠点を設けており、主にスマートメーター、上位系システムを含むソフトウェア等の開発を行いました。
セグメントごとの研究開発費の金額は以下のとおりであります。
国内計測制御事業
海外計測制御事業
製造装置事業
不動産事業 ―百万円
合計