(1) 業績
当期の当社グループを取り巻く経済環境は、米国は内需の増加を牽引役に、緩やかな景気拡大が続いており堅調さを維持しました。欧州も緩やかな景気回復が継続しました。日本は雇用・所得環境の改善が続くなか、政府の経済政策の効果もあり、緩やかな回復基調となりました。アジアは、中国の景気減速もありその影響を受け東南アジアでは経済が伸び悩みました。
自動車業界における自動車の生産は、米州、欧州、アジアにおける需要拡大により全体的に生産台数が増加しました。その一方で、日本においては、輸出が緩やかな回復傾向にあるものの、生産台数は前年を下回りました。
このような環境のなか、当社グループの主力製品である自動車・輸送用機器用配管製品ならびに自動車用樹脂製品は、海外における自動車生産の増加傾向が堅調に推移したことにより、前期と比べて生産が増加いたしました。
当期の経営成績は、売上高は1,300億8百万円(前年同期比△0.5%減)となりました。また、利益につきましては、欧州における新規立上り費用の増加および為替差損等により、営業利益は52億50百万円(前年同期比△10.1%減)、経常利益は42億55百万円(前年同期比△16.9%減)となりました。また、当社および当社子会社保有の固定資産に対する減損損失等を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失6億18百万円(前年同期は15億77百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)とやむなきに至りました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 日本
国内における自動車の生産および販売の減少の影響を大きく受け、売上高は347億43百万円(前年同期比9.0%減)、営業利益は8億76百万円(前年同期比59.6%減)と減収減益となりました。
② 北南米
自動車需要の回復および新規受注による生産性の向上により、売上高は455億15百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は26億93百万円(前年同期比44.6%増)となりました。
③ 欧州
為替換算の影響等により、売上高は229億87百万円(前年同期比6.0%減)となりました。また、ガイガーオートモーティブ社における新規立上り費用の増加等により、1億13百万円の営業損失(前年同期は6億6百万円の営業利益)となりました。
④ 中国
新工場の本格稼働による直噴フューエルインジェクションレール製品の日本向け出荷の拡大等により、売上高は108億35百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は4億36百万円(前年同期比479.3%増)と増収増益となりました。
⑤ アジア
売上高は159億26百万円(前年同期比0.9%増)とほぼ前年並みとなりましたが、インドネシアにおける売上の減少及びインドにおける固定費の増加等により、営業利益は8億74百万円(前年同期比38.8%減)と減益となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、投資活動により79億55百万円、財務活動により11億83百万円減少する一方、営業活動により111億52百万円増加した結果、当連結会計年度末には130億15百万円(前連結会計年度末比14億88百万円増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が16億15百万円(前期は49億9百万円)、減価償却費が60億83百万円(前期は58億9百万円)、退職給付に係る負債の増加による資金増が19億45百万円(前期は11億51百万円の資金増)、売上債権の増加による資金減が1億98百万円(前期は14億44百万円の資金減)、仕入債務の増加による資金増が2億28百万円(前期は13億75百万円の資金増)などにより、前期と比較して、10億40百万円増加して、111億52百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出82億2百万円(前期は80億38百万円の支出)などにより、前年同期と比較して、8億44百万円減少して、79億55百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用されたキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出16億42百万円、配当金の支払による支出8億55百万円(前期は8億37百万円の支出)、短期借入金の増加による収入14億42百万円(前期は42億80百万円の収入)などにより、前年同期と比較して、31億67百万円増加して、11億83百万円の支出となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
34,216 |
90.6 |
|
北南米(百万円) |
45,392 |
107.7 |
|
欧州(百万円) |
23,014 |
94.1 |
|
中国(百万円) |
10,919 |
103.8 |
|
アジア(百万円) |
15,971 |
101.0 |
|
合計(百万円) |
129,513 |
99.1 |
(注)1.金額は販売金額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
33,651 |
90.6 |
2,082 |
66.2 |
|
北南米 |
52,983 |
124.6 |
4,389 |
102.2 |
|
欧州 |
23,335 |
95.6 |
5,698 |
101.0 |
|
中国 |
15,113 |
147.5 |
3,005 |
230.3 |
|
アジア |
17,269 |
99.4 |
4,952 |
112.2 |
|
合計 |
142,351 |
108.1 |
20,126 |
107.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.中国セグメントの増加は、主として新工場の稼働によるものです。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
34,743 |
91.0 |
|
北南米(百万円) |
45,515 |
108.7 |
|
欧州(百万円) |
22,987 |
94.0 |
|
中国(百万円) |
10,835 |
104.7 |
|
アジア(百万円) |
15,926 |
100.1 |
|
合計(百万円) |
130,008 |
99.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日 |
当連結会計年度 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
本田技研工業株式会社 |
36,602 |
28.0 |
35,458 |
27.3 |
|
日産自動車株式会社 |
18,292 |
14.0 |
18,384 |
14.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の見通しにつきましては、米国および欧州はやや回復基調で推移するものの、中国経済の減速の影響などにより成長はより緩やかなものになると思われます。日本における個人消費は弱含みが続いており、金融市場は円高・株安に振れるなど再び不安定な動きとなっております。
自動車業界におきましては、海外における自動車の生産は、需要の拡大を背景に増加傾向が続く一方で、日本においては、自動車生産台数は引き続き減少傾向にあり、厳しい事業環境が続くものと思われます。
このような情勢のなか、当社グループといたしましては、全作業工程の徹底的な検証により、工程内不良の削減を一層進めていくとともに、事業部制による構造改革を引き続き実施して早期の収益改善を図ります。また、さらなる収益確保のため、当社及び各子会社の企業体質の強化と新事業の創出に取り組んでまいります。
今期減損損失を計上した日本およびロシアにつきましては、生産体制の見直しを進めてまいります。インドでは、昨年9月に完全子会社としたSTIサンオーインディア プライベート リミテッド社を中心に、生産効率および業務効率の向上に取り組んでまいります。また、通貨安に伴い収益が悪化したブラジルにつきましては、部品および生産設備の現地生産・現地調達に取り組み、為替の影響を受けにくい事業構造への転換を図ってまいります。
さらに、売り上げおよび収益の拡大に向け、グローバルネットワークを活かして海外自動車メーカーとの取引拡大にグループ全体で取り組み、社業の発展に邁進する所存でございます。
当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経済的状況
当社グループは 日本、北南米、欧州、中国、アジアと事業をグローバルに展開しております。そのため、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の変動により業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替レートの変動
当社グループの連結売上高に対する海外売上高の割合は、平成27年3月期で70.8%、平成28年3月期で74.2%を占めております。そのため、為替レートの変動は当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。
連結財務諸表の作成において、海外各地域の売上、費用、資産等の各項目は円換算されているため、外貨建取引の円換算額は為替レートにより変動し、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。
(3) 退職給付債務
当社グループの退職給付債務は、数理計算上で設定される割引率や年金資産の期待収益率等に基づいて算出されており、実際の結果に基づいて変更される可能性および年金資産の運用環境悪化等により数理計算上の差異が発生する可能性があります。これらの割引率、長期期待運用収益率等の低下および運用環境などの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 製品の欠陥
当社グループは、国内および海外各地域の工場で、世界的に認められた品質管理基準に従って製造を行っておりますが、将来に渡り全ての製品において欠陥やリコールが発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社及び連結子会社が過去に製造した自動車用部品に関連し、得意先において当該部品を組み込んだ約9万台の自動車について市場回収処置(リコール)が行われております。これにより、当社及び連結子会社において補修費用が発生する可能性がありますが、現時点では、連結財務諸表に与える影響額を合理的に見積もることが困難であるため費用計上しておりません。
(5) 原材料の市況
当社グループは、グループ外から原材料を調達しておりますが、原材料価格の変動等により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 地震等の災害による影響
当社グループは地震等の災害により生産設備が損傷、損失しないよう対策を講じております。しかし、その対応には限界があり、地震等の災害の発生により生産設備に重大な影響を及ぼし、生産能力が著しく低下する可能性があります。
(7) 国際的活動
当社グループは北南米、欧州、中国及びアジアにおいて、グローバルな生産、販売活動を展開しており、日本国外の占める割合は、年々、高まる傾向にあります。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・予期しない制度、法制又は規制の変更
・不利な政治的又は経済的要因の発生
・移転価格税制等の国際税務リスク
・ストライキ等の労働争議
・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響
・テロ、戦争、疾病、その他の要因による社会的又は経済的混乱
該当事項はありません。
当社では企業理念に基づき、ステークホルダーの「安全と安心」「環境保全」のために力を尽くす事を研究開発活動の主要方針とし、環境負荷低減に繋がる高信頼性の新製品・新技術開発を推進しております。2010年度より、世界の情勢や産業動向を考慮し、新たな視点から中長期開発計画(GOAL15)を策定し取り組んできました。特に環境負荷低減の為の軽量化自動車部品の開発、省エネルギー新工法開発、長期的視点に立った高付加価値創出と新規製品分野に参入する為の製品・技術開発、の計30テーマを推進して参りました。また、2015年度は10年後の2025年を見据えた新規中長期研究テーマを選出し、情報収集及び研究の基盤づくりを進めてきました。
軽量化自動車部品の開発に於いては、近年特に欧州の自動車メーカーを中心にフューエルインジェクションレール、燃料配管やフィラーパイプ、その他パワートレイン系・燃料系部品の樹脂化が加速しており、最新の技術動向を掴む為にドイツの樹脂成型メーカー Geiger Automotiveを2013年10月に買収し、欧州に樹脂製品の営業・開発拠点を設立しました。欧州、日本の2つの軸を持ち技術開発のベースを世界に広げる事により、最新の技術を逸早く取り込み各国の市場に最適技術を展開する事が可能となりました。また、現行の鉄製品を、機能を損なう事なくより軽量な樹脂やアルミニウムなどの材料に置き換える為に、強度や振動、流体の挙動のコンピューター・シミュレーション、各種評価・計測機器を拡充し、解析能力の強化にも注力しております。
省エネルギー新工法開発に於いては包括的なLCAの観点から生産工程におけるエネルギー使用量の大幅な削減を目指し、高効率・高信頼性・低コストの金属接合技術、より簡素で工数の少ない金属加工技術や樹脂成形技術を研究し製造ラインに取り入れております。これらの新工法を導入するに当っては、国内外の大学・研究機関との提携・共同開発を推進し、開発リードタイムとコストの低減、継続的な外部知の導入に努めております。
高付加価値の新製品開発に関しては、世界の自動車産業の傾向として、エンジンのダウンサイジングと燃焼効率の向上、HEV/EV/PHEV/FCV の車種と生産数量の増加、プラットフォーム・アーキテクチャーの標準化と部品共通化が推進されており、また各国市場で進む環境規制に対応する為にも、当社では直噴エンジン用の高圧フューエルインジェクションレール、ディーゼルエンジン用超高圧燃料噴射管、インバーターやバッテリー周辺の熱交換製品、燃料配管の樹脂化、そしてエンジン冷却システム、EGRシステム、等の複合部品の開発・量産を促進しました。また、より長期的視点に立った革新的な技術の開発、例えば次世代のパワーデバイスや蓄エネルギーシステムなどに関しても継続して研究を進めています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は29億78百万円であり、セグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
研究開発費(百万円) |
|
日本 |
2,978 |
|
計 |
2,978 |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、退職給付に係る負債等は一定の前提条件による見積り計算によっております。これらは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載されております。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は1,042億14百万円となり、前連結会計年度末に比べて45億31百万円減少しました。主な要因は有形固定資産の減少43億56百万円、無形固定資産の減少6億18百万円等であります。
負債合計は691億45百万円となり、前連結会計年度末に比べて37億57百万円増加しました。主な要因は退職給付に係る負債の増加48億29百万円、電子記録債務の増加35億96百万円、支払手形及び買掛金の減少45億36百万円等であります。
純資産は350億69百万円となり、前連結会計年度末に比べて82億89百万円減少しました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純損失6億18百万円、配当金支払による減少8億55百万円、その他有価証券評価差額金の減少10億65百万円、為替換算調整勘定の減少13億36百万円、退職給付に係る調整累計額の減少29億4百万円、非支配株主持分の減少11億41百万円等によるものです。
(3)キャッシュフローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、投資活動により79億55百万円、財務活動により11億83百万円減少する一方、営業活動により111億52百万円増加した結果、当連結会計年度末には130億15百万円(前連結会計年度末比14億88百万円増)となりました。
<キャッシュフロー指標>
|
|
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
自 己 資 本 比 率 |
37.1% |
31.8% |
|
時価ベースの自己資本比率 |
29.0% |
21.5% |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
2.4 |
2.2 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
16.6 |
24.3 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・
フローを使用し、有利子負債は借入金を対象としています。
上記の他、各キャッシュフローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュフロー」に記載しております。
(4)経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、国内における自動車の生産及び販売の減少の影響を大きく受け、前連結会計年度に比べ6億20百万円(△0.5%)減収の1,300億8百万円となりました。
営業利益は、売上高の減少及び売上原価の増加により、前連結会計年度と比べ、10.1%減少し、52億50百万円となりました。
営業外収益においては、前連結会計年度と比べ、54百万円減少し、2億98百万円となりました。
営業外費用においては、前連結会計年度と比べ、2億25百万円増加し、12億93百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度と比べて16.9%減少し、42億55百万円となりました。
特別損益においては、減損損失として23億6百万円を特別損失に計上したことにより、26億39百万円の損失を計上しています。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、6億18百万円となりました。