第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当期の当社グループを取り巻く経済環境は、国内においては、雇用情勢が改善し、個人消費に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調が続きました。海外においては、米国は景気回復が続き、欧州は緩やかな回復基調が継続する一方で、英国のEU離脱決定や米国大統領選挙後の政治情勢の影響等により、先行きの不透明感が増しました。中国は成長率の低下傾向に持ち直しの動きがみられ、アジアでは総じて緩やかな景気回復が続いております。

自動車業界におきましては、中国、インドおよび欧州における自動車需要の増大等により、全体的に生産台数が増加しました。国内においても、新型車効果等により堅調に推移し、生産台数は前年を上回りました。

このような環境のなか、当社グループの主力製品である自動車・輸送用機器用配管製品ならびに自動車用樹脂製品は、海外における自動車生産の増加傾向が堅調に推移したことにより、前期と比べて生産が増加いたしました。

当期の経営成績は、売上高は1,337億94百万円(前期比0.1%減)、営業利益は欧州セグメントの減益が大きく影響したことにより60億4百万円(前期比6.8%減)と減益となりました。また、為替差損の減少により、経常利益は53億89百万円(前期比22.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億74百万円(前期は7億24百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

所在地別セグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

①日本

日本事業の売上高は、前年同期比0.6%増の349億54百万円とほぼ前年同期並みとなりました。営業利益は他セグメントへの売上の増加等により、13億48百万円(前年同期比53.9%増)となりました。

②北南米

為替換算による影響等による売上減少により、売上高は451億11百万円(前年同期比4.1%減)となりました。営業利益は北米における自動車販売台数の拡大には陰りが見えるものの、当社客先における生産・販売台数の増加等により39億85百万円(前年同期比19.3%増)と増益となりました。

③欧州

為替換算による影響等による売上減少により、売上高は233億45百万円(前年同期比2.5%減)となりました。また営業利益は、ドイツ子会社における新規立上り品の生産混乱により人件費・外注費がかさみ11億93百万円の営業損失(前年は56百万円の営業利益)となりました。

④中国

客先生産・販売台数の増加や新規立上りによる売上増加等により、売上高は123億25百万円(前年同期比8.7%増)と増収となりました。営業利益は新規立ち上がりに伴う固定費の増加及び品質関連費用の増加等により3億25百万円(前年同期比43.3%減)と減益となりました。

⑤アジア

タイにおいて前期に立上った新規受注製品の生産・販売が順調に増加したほか、インドネシアにおける低価格・低燃費車向け減税に伴う客先生産・販売台数の増加により、売上高は180億59百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は14億82百万円(前年同期比30.2%増)と増収、増益となりました。

 

 

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動により103億83百万円増加、投資活動により85億86百万円減少、財務活動により22億19百万円減少等の結果、当連結会計年度末には119億24百万円(前連結会計年度末比10億91百万円の減少)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、税金等調整前当期純利益が34億73百万円(前年同期は16億11百万円)、減価償却費が53億52百万円(前年同期は63億2百万円)、仕入債務の増加による資金増が14億34百万円(前年同期は3億18百万円の収入)あったこと等により、前年同期と比較して、13億24百万円減少して、103億83百万円となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動に使用された資金は、有形固定資産の取得による支出86億78百万円(前年同期は84億75百万円の支出)等により、前年同期と比較して3億51百万円増加して85億86百万円となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動に使用された資金は、借入金の純減少による支出12億67百万円(前年同期は13億43百万円の収入)、配当金の支払による支出8億73百万円(前年同期は8億55百万円の支出)等により、22億19百万円となりました(前年同期は12億82百万円の支出)。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日

前年同期比(%)

日本(百万円)

34,975

102.2

北南米(百万円)

45,946

101.2

欧州(百万円)

26,364

114.6

中国(百万円)

12,603

115.4

アジア(百万円)

18,078

113.2

合計(百万円)

137,965

106.5

 (注)1.金額は販売金額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

34,673

103.0

1,800

86.5

北南米

47,358

89.4

3,876

88.3

欧州

23,657

101.4

7,895

138.6

中国

12,580

83.2

2,926

97.4

アジア

16,973

98.3

3,884

78.4

合計

135,241

95.0

20,382

101.3

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日

前年同期比(%)

日本(百万円)

34,954

100.6

北南米(百万円)

45,111

95.9

欧州(百万円)

23,345

97.5

中国(百万円)

12,325

108.7

アジア(百万円)

18,059

106.8

合計(百万円)

133,794

99.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日

当連結会計年度

自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業株式会社

36,717

27.4

36,896

27.6

日産自動車株式会社

19,133

14.3

18,934

14.2

トヨタ自動車株式会社

13,026

9.7

14,432

10.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の見通しにつきましては、海外においては、米国では景気の回復が続いているほか、欧州・中国でも持ち直しの動きが見られ、全体としては回復していくものと思われます。国内においても、雇用・所得環境の改善が続く中で、海外経済の緩やかな回復を背景に、輸出や生産面での持ち直しが見られ、緩やかな回復基調が続くことが期待されます。

自動車業界におきましては、海外における自動車の生産が、景気の回復と需要の拡大を背景に増加を続ける一方で、国内においてはエコカー減税の厳格化や軽自動車税増税の影響等により生産台数の大きな伸びは期待できず、依然として厳しい事業環境が続くものと思われます。

このような情勢のなか、当社グループといたしましては、グローバル製造拠点網を最大限に活用し、引き続きお客様への製品の安定供給に取り組んでまいります。

一昨年より進めております事業部制への移行の最終段階として、各事業部への権限委譲を進め、成果責任を明確にすることで意思決定の迅速化を行います。また、世界22ヵ国に広がるグローバル拠点を、各事業部が直接コントロールできる体制を作ることで、生産効率および業務効率の向上を図り、グローバルサプライヤーとしての競争力の更なる強化を推進してまいります。

さらに、将来の当社グループの基盤を支える新事業・新技術の創出に取り組み、人財育成とシステムづくりを継続して推進することにより、社業の発展に邁進する所存でございます。

 

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月21日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経済的状況

当社グループは 日本、北南米、欧州、中国、アジアと事業をグローバルに展開しております。そのため、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の変動により業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 為替レートの変動

当社グループの連結売上高に対する海外売上高の割合は、平成28年3月期で75.0%、平成29年3月期で75.0%を占めております。そのため、為替レートの変動は当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

連結財務諸表の作成において、海外各地域の売上、費用、資産等の各項目は円換算されているため、外貨建取引の円換算額は為替レートにより変動し、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

(3) 退職給付債務

当社グループの退職給付債務は、数理計算上で設定される割引率や年金資産の期待収益率等に基づいて算出されており、実際の結果に基づいて変更される可能性および年金資産の運用環境悪化等により数理計算上の差異が発生する可能性があります。これらの割引率、長期期待運用収益率等の低下および運用環境などの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 製品の欠陥

当社グループは、国内および海外各地域の工場で、世界的に認められた品質管理基準に従って製造を行っておりますが、将来に渡り全ての製品において欠陥やリコールが発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 原材料の市況

当社グループは、グループ外から原材料を調達しておりますが、原材料価格の変動等により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 地震等の災害による影響

当社グループは地震等の災害により生産設備が損傷、損失しないよう対策を講じております。しかし、その対応には限界があり、地震等の災害の発生により生産設備に重大な影響を及ぼし、生産能力が著しく低下する可能性があります。

 

 

(7) 国際的活動

当社グループは北南米、欧州、中国及びアジアにおいて、グローバルな生産、販売活動を展開しており、日本国外の占める割合は、年々、高まる傾向にあります。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・予期しない制度、法制又は規制の変更

・不利な政治的又は経済的要因の発生

・移転価格税制等の国際税務リスク

・ストライキ等の労働争議

・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響

・テロ、戦争、疾病、その他の要因による社会的又は経済的混乱

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社では企業理念に基づき、ステークホルダーの「安全と安心」「環境保全」のために力を尽くす事を研究開発活動の主要方針とし、環境負荷低減に繋がる高信頼性の新製品・新技術開発を推進しております。

軽量化自動車部品の開発においては、近年特に欧州の自動車メーカーを中心にフューエルインジェクションレール、燃料配管やフィラーパイプ、その他パワートレイン系・燃料系部品の樹脂化が加速しており、最新の技術動向を掴む為にドイツの樹脂成型メーカー ガイガー オートモーティブ GmbHを2013年10月に買収し、欧州に樹脂製品の営業・開発拠点を設立しました。欧州、日本の2つの軸を持ち技術開発のベースを世界に広げる事により、最新の技術を逸早く取り込み各国の市場に最適技術を展開する事が可能となりました。また、現行の鉄製品を、機能を損なう事なくより軽量な樹脂やアルミニウムなどの材料に置き換える為に、強度や振動、流体の挙動のコンピューター・シミュレーションの実施、各種評価・計測機器を拡充し、解析能力の強化にも注力しております。

省エネルギー新工法開発においては包括的なLCAの観点から生産工程におけるエネルギー使用量の大幅な削減を目指し、高効率・高信頼性・低コストな金属接合技術、より簡素で工数の少ない金属加工技術や樹脂成形技術を研究し製造ラインに取り入れております。

高付加価値の新製品開発に関しては、世界の自動車産業の傾向として、エンジンのダウンサイジングと燃焼効率の向上、HEV/EV/PHEV/FCV の車種と生産数量の増加、プラットフォーム・アーキテクチャーの標準化と部品共通化が推進されており、また各国市場で進む環境規制に対応するためにも、当社では直噴エンジン用の高圧フューエルインジェクションレール、ディーゼルエンジン用超高圧燃料噴射管、インバーターやバッテリー周辺の熱交換製品、燃料配管の樹脂化、そしてエンジン冷却システム、EGRシステム等の複合部品の開発・量産を推進しました。また、自動車の電動化の加速を見越して、次世代二次電池を初めとするパワー・マネジメント製品の開発に一層注力するとともに、新たに自動運転対応技術、エネルギー回生技術の開発にも着手しています。

これらの研究開発活動を加速させるために人財と開発体制の強化を進めています。国内外の産学連携活動は3年前と比較して5倍に増加し、さらなる拡大を続け世界各国での先進技術・先端開発情報を逸早く拾い上げ研究に反映させる体制を敷いています。

当連結会計年度の研究開発費の総額は29億36百万円であり、セグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。

 セグメントの名称

 研究開発費(百万円)

 日本

2,936

 計

2,936

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、退職給付に係る負債等は一定の前提条件による見積り計算によっております。これらは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載されております。

 

 

(2)財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は1,042億19百万円となり、前連結会計年度末に比べて14百万円減少しました。主な要因は現金及び預金の減少10億91百万円、売上債権の増加6億96百万円、電子記録債権の増加1億43百万円、投資有価証券の増加16億16百万円及び繰延税金資産(固定)の減少8億75百万円等であります。

負債合計は686億38百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億7百万円減少しました。主な要因は支払手形及び買掛金の増加2億56百万円、電子記録債務の増加5億38百万円、未払法人税等の増加3億45百万円、製品保証引当金の増加6億91百万円、長期借入金の減少20億42百万円及び退職給付に係る負債の減少11億53百万円等であります。

純資産は355億81百万円となり、前連結会計年度末に比べて4億93百万円増加しました。主な要因は為替換算調整勘定の減少27億65百万円、退職給付に係る調整累計額の増加16億19百万円、その他有価証券評価差額金の増加10億80百万円、非支配株主持分の増加3億58百万円及び利益剰余金の増加2億円等であります。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、投資活動により85億86百万円、財務活動により22億19百万円減少する一方、営業活動により103億83百万円増加した結果、当連結会計年度末には119億24百万円(前連結会計年度末比10億91百万円減)となりました。

 <キャッシュ・フロー指標>

 

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

 至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

 至 平成29年3月31日)

自 己 資 本 比 率

31.8%

31.9%

時価ベースの自己資本比率

21.5%

29.1%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

2.2

2.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ

24.3

26.6

    (注) 自己資本比率:自己資本/総資産
     時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
     キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
     インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
     ※いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
     ※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・
      フローを使用し、有利子負債は借入金を対象としています。

 上記の他、各キャッシュフローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

(4)経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は、国内における自動車の生産及び販売の減少の影響を大きく受け、前連結会計年度に比べ1億74百万円(0.1%減少)減収の1,337億94百万円となりました。

 営業利益は、売上高の減少及び販売費及び一般管理費の増加により、前連結会計年度と比べ、6.8%減少し、60億4百万円となりました。

 営業外収益においては、前連結会計年度と比べ、65百万円増加し、3億70百万円となりました。

 営業外費用においては、前連結会計年度と比べ、13億72百万円減少し、9億85百万円となりました。

 この結果、経常利益は前連結会計年度と比べて22.8%増加し、53億89百万円となりました。

 特別損益においては、減損損失として11億21百万円を特別損失に計上したことにより、19億16百万円の損失を計上しています。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、10億74百万円となりました。