第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「ミッション/ビジョン」「モットー」「三桜ウェイ」の3つを企業理念として制定しています。これは、グローバル三桜グループが、企業としての永続性を保つと同時に社会的責任を果たすためのもっとも基本的な理念、信条です。

 

1.ミッション/ビジョン

私たちのMission(使命)は、ものづくり企業として、製品の提供とグローバルな事業活動を通じて、ステークホルダーの「安全と安心」、「環境保全」のために力を尽くすことです。Missionを果たしていくために、「人を育て、システムを育て、技術を育て」、創意あるエキスパート集団になることを目指します。

グローバル三桜グループは、社員ひとりひとりを財産と捉え、社員と会社の双方が成長する企業風土を目指しています。本当に使える知識を得るために、自ら手を動かし工夫しながら実行する「手づくり」と「創意」を「人を育てる」の基本とし、社員が成長する環境と機会を作ります。ひとりひとりの社員の日々の活動の積重ねによって、製品や事業活動において世界一と誇れる要素を、グローバル三桜グループ内に蓄積していきます。このような活動によって、企業としての永続性と社会に対する責任を果たしていくことを追求していきます。

ミッション/ビジョンは、三桜の社会における存在意義、社会的使命を明確に掲げたものであり、私たちが進むべき方向を示したものです。

 

2.モットー

経営全領域にわたる絶えざる改革

モットーである「経営全領域にわたる絶えざる改革」は、1978年から実施された全社的な経営体質改善活動における基本理念であり、当社が常に意識している信条です。
 

3.三桜ウェイ

①. 新しい価値を生み出す

・Futurity

:未来を志向し、あるべき姿を構想する

・Flexibility

:既成概念に捉われず、柔軟に考える

・Humanity

:誠意があり、暖かく思いやりのある行動をする

②. 組織で力を出す

・責任感

:役割責任を認識し、キチンと最後までやり遂げる

・三桜マーケットイン

:相手を知り、相手の気持ちに応じたやり方で、目的を達成する

・自発・自律・迅速

:業務の本質を掴んで自発的・自律的に判断し、迅速に行動する

③. 高い志を持つ

・知識×意欲

:常に新しい知識を吸収して意欲的に業務に活かす

・手づくり

:自ら手を動かし体験することで学ぶ

・チャレンジ

:常に今より高い目標を設定し、達成への行動を通じて成長する

三桜ウェイは、当社グループ社員ひとりひとりが共有すべき価値観、行動指針であり、それぞれの個性や多様性を発揮するための根幹となるものです。

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、安定的な収益力の確保とグループ全体の業績向上のため、連結ベースの売上高、営業利益、経常利益、売上営業利益率等の経営指標の拡充を目標としております。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、米国、アジアで堅調な成長が続くほか、インドで高い成長率が続くとみられる一方、中国で成長の鈍化が見込まれ、欧州は基調としては緩やかな回復傾向で推移することが期待されるが、政策の影響等によっては景気が下振れするリスクがある等、引き続き不透明感を抱えた状況で推移するものと予想されます。

自動車業界におきましては、海外における自動車の生産が、インドや新興国での需要の拡大を背景に増加を続ける一方で、国内においては人口減少、高齢化といった構造的な問題から生産台数は減少傾向にあり、依然として厳しい事業環境が続くものと思われます。

このような情勢のなか、当社グループといたしましては、全作業工程の徹底的な検証により、品質保証体制を一層進めていくとともに、事業部制による構造改革を引き続き実施し、早期の収益改善を図ります。

また、更なる収益確保のため、当社および各子会社の企業体質の強化と新事業の創出に取り組んでまいります。今期減損損失を計上したガイガー オートモーティブ GmbHにつきましては、生産体制の見直しを進め、高付加価値製品の安定生産に取り組んでまいります。さらに、事業部の生産活動を支えるコーポレート系機能の改善によって、収益の拡大に向けて全社で取り組むことができる体制をつくり、社業の発展に邁進する所存でございます。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月19日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経済的状況

当社グループは 日本、北南米、欧州、中国、アジアと事業をグローバルに展開しております。そのため、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の変動により業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 為替レートの変動

当社グループの連結売上高に対する海外売上高の割合は、2018年3月期で75.6%、2019年3月期で75.6%を占めております。そのため、為替レートの変動は当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

連結財務諸表の作成において、海外各地域の売上、費用、資産等の各項目は円換算されているため、外貨建取引の円換算額は為替レートにより変動し、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

(3) 退職給付債務

当社グループの退職給付債務は、数理計算上で設定される割引率や年金資産の期待収益率等に基づいて算出されており、実際の結果に基づいて変更される可能性および年金資産の運用環境悪化等により数理計算上の差異が発生する可能性があります。これらの割引率、長期期待運用収益率等の低下および運用環境などの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 製品の欠陥

当社グループは、国内および海外各地域の工場で、世界的に認められた品質管理基準に従って製造を行っておりますが、将来に渡り全ての製品において欠陥やリコールが発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 原材料の市況

当社グループは、グループ外から原材料を調達しておりますが、原材料価格の変動等により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 地震等の災害による影響

当社グループは地震等の災害により生産設備が損傷、損失しないよう対策を講じております。しかし、その対応には限界があり、地震等の災害の発生により生産設備に重大な影響を及ぼし、生産能力が著しく低下する可能性があります。

(7) 国際的活動

当社グループは北南米、欧州、中国及びアジアにおいて、グローバルな生産、販売活動を展開しており、日本国外の占める割合は、年々、高まる傾向にあります。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・予期しない制度、法制又は規制の変更

・不利な政治的又は経済的要因の発生

・移転価格税制等の国際税務リスク

・ストライキ等の労働争議

・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響

・テロ、戦争、疾病、その他の要因による社会的又は経済的混乱

(8) 訴訟のリスク

当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、または事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、経営成績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社及び当社の米国子会社は、自動車部品に関する競争法違反行為により損害を蒙ったとして、カナダにおいて損害賠償等を求める集団訴訟等を提起されており、当該事項に関連して、罰金・損害賠償等の金銭的負担が生じる可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析、検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態及び経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用環境の改善による個人消費の持ち直しもあり、内需主導の緩やかな景気回復が続きました。

海外において、米国では、良好な雇用・所得環境を背景に高成長を維持しました。欧州においては、EU離脱問題など不確実性が高まるなか、ユーロ圏を中心に輸出環境の厳しさが増したことにより成長に減速傾向がみられました。中国では、インフラ投資の減速や米中貿易戦争の激化の影響により成長の鈍化が鮮明となり、アジアでは、設備投資や個人消費が底堅さを継続しました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は1,021億52百万円となり、前連結会計年度末に比べて35億15百万円減少しました。主な要因は現金及び預金の増加4億45百万円、仕掛品の増加7億21百万円、機械装置及び運搬具等の有形固定資産の減少36億93百万円及び投資有価証券の減少13億97百万円等であります。

負債合計は675億7百万円となり、前連結会計年度末に比べて79億46百万円増加しました。主な要因は支払手形及び買掛金の減少3億55百万円、電子記録債務の増加8億77百万円、短期借入金の増加75億78百万円、未払金の増加16億20百万円、長期借入金の減少24億37百万円、リース債務の増加8億81百万円等であります。

純資産は346億46百万円となり、前連結会計年度末に比べて114億61百万円減少しました。主な要因は為替換算調整勘定の減少13億29百万円、その他有価証券評価差額金の減少12億7百万円、非支配株主持分の増加4億25百万円及び利益剰余金の減少94億35百万円等であります。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、新規立上げや客先生産台数の増大により、アジア及び中国を中心に増収となったものの、人件費等固定費の上昇により、欧州及び中国で減益となりました。またメキシコでの減収により、北南米で減益となりました。この結果、売上高は1,404億56百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は20億67百万円(前年同期比51.9%減)と増収、減益となりました。また営業利益の減少に加え、前期と比べ為替レートが円高に推移したことにより為替差損が発生したため、経常利益は14億35百万円(前年同期比65.3%減)、減損損失の計上等により親会社株主に帰属する当期純損失は85億25百万円(前年同期は49億35百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)と減益となりました。

 

所在地別セグメントの業績は、以下のとおりであります。

(a)日本

売上高355億15百万円(前年同期比0.6%増)と増収となりました。営業利益は厚生年金基金の解散及び確定拠出企業年金制度への移行に伴う退職給付費用の減少により、12億99百万円(前年同期比439.6%増)と増益となりました。

 

(b)北南米

主にメキシコ国内の販売台数の減少に伴うメキシコ子会社の減収により、売上高は435億76百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益は14億93百万円(前年同期比42.8%減)と減収、減益となりました。

 

(c)欧州

排気ガス燃費試験法導入に伴う欧州自動車メーカーの乗用車販売台数の減少等により、売上高は235億20百万円(前年同期比0.6%減)と減少しました。減収に伴う減益に加え、新規立上げ関連費用の増加により、営業損失は32億30百万円(前年同期は10億20百万円の営業損失)となりました。

 

(d)中国

客先生産台数の増加や新規立上げによる売上増加により、売上高は153億57百万円(前年同期比9.4%増)と増収となりましたが、営業利益は人件費等の固定費の増加により72百万円(前年同期比80.2%減)と減益となりました。

 

(e)アジア

主にタイ子会社の日系メーカー向け売上が増加したことにより、売上高は224億88百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は23億5百万円(前年同期比12.4%増)と増収、増益となりました。

 

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動により54億14百万円増加、投資活動により83億8百万円減少、財務活動により38億14百万円増加等の結果、当連結会計年度末には155億5百万円(前連結会計年度末比4億45百万円の増加)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、税金等調整前当期純損失が66億52百万円(前年同期は109億52百万円の税金等調整前当期純利益)、減価償却費が59億99百万円(前年同期は58億46百万円)、減損損失が53億11百万円(前年同期は33億23百万円)、たな卸資産の増加による資金減が14億91百万円(前年同期は5億58百万円の資金減)、仕入債務の増加による資金増が11億99百万円(前年同期は3億66百万円の資金増)、未払金の増加による資金増が18億21百万円(前年同期は3億41百万円の資金増)、法人税等の支払による資金減が15億40百万円(前年同期は24億6百万円の資金減)あったこと等により、前年同期と比較して、32億3百万円減少して、54億14百万円となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動に使用された資金は、自動車部品事業を中心とした有形固定資産の取得による支出81億50百万円(前年同期は108億14百万円の支出)等により、前年同期と比較して22億1百万円減少して83億8百万円となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により得られた資金は、借入金の純増加による収入54億72百万円(前年同期は58億78百万円の収入)、配当金の支払による支出9億10百万円(前年同期は8億92百万円の支出)、非支配株主への配当金の支払による支出4億48百万円(前年同期は1億69百万円の支出)等により、前年同期と比較して、9億20百万円減少して、38億14百万円となりました。

生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

自 2018年4月1日

至 2019年3月31日

前年同期比(%)

日本(百万円)

35,415

100.5

北南米(百万円)

45,745

95.3

欧州(百万円)

22,476

83.6

中国(百万円)

16,489

119.8

アジア(百万円)

22,047

106.6

合計(百万円)

142,171

98.3

 (注)1.金額は販売金額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

36,160

101.3

2,831

129.5

北南米

45,729

93.9

3,745

92.8

欧州

22,405

94.8

7,434

101.5

中国

16,762

125.4

4,309

146.5

アジア

22,057

106.2

3,486

86.5

合計

143,112

100.7

21,805

106.3

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

自 2018年4月1日

至 2019年3月31日

前年同期比(%)

日本(百万円)

35,515

100.6

北南米(百万円)

43,576

96.6

欧州(百万円)

23,520

99.4

中国(百万円)

15,357

109.4

アジア(百万円)

22,488

109.2

合計(百万円)

140,456

101.2

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

自 2017年4月1日

至 2018年3月31日

当連結会計年度

自 2018年4月1日

至 2019年3月31日

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業株式会社

37,264

26.9

36,514

26.0

日産自動車株式会社

20,385

14.7

20,184

14.4

トヨタ自動車株式会社

15,982

11.5

16,865

12.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、退職給付に係る負債等は一定の前提条件による見積り計算によっております。これらは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載されております。

 

②当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は、アジア及び中国を中心とする自動車の生産及び販売の増加により、前連結会計年度に比べ17億32百万円増加し1,404億56百万円となりました。なおセグメント別売上高の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。

 営業利益は、メキシコでの減収により、北南米で減益になったことに加え、排気ガス燃費試験法導入に伴う売上の減少及び新規立上げ関連費用の増加により欧州の営業損失が拡大したことにより、前連結会計年度と比べ、22億30百万円減少し、20億67百万円となりました。なおセグメント別営業利益の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績に記載しております。

 営業外収益においては、前連結会計年度と比べ、36百万円減少し、5億41百万円となりました。

 営業外費用においては、前連結会計年度と比べ、4億38百万円増加し、11億72百万円となりました。

 この結果、経常利益は前連結会計年度と比べて27億5百万円減少し、14億35百万円となりました。

 特別損益においては、減損損失として53億11百万円を計上したことに加え、当社の米国及びメキシコ子会社にて発生した品質問題に関連して製品保証引当金繰入額14億31百万円を計上し、当社及び当社の米国の一部子会社に対する集団民事訴訟の和解金12億21百万円を特別損失に計上しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、85億25百万円となりました。

 

 売上高営業利益率の低下は経営環境によって生じた部分もありますが、販売価格の低減や構造改革の遅れから品質保証コストと異常費用が増大した状況が定常化し、定格出力としての利益額が減少した状態であると考えております。特に利益額の減少が著しい事業拠点においては営業損失が継続し、減損損失が発生いたしました。2020年3月期においては異常費用の中心である工程内不良やそれに纏わる費用の削減を実施し、不採算事業からの撤退や生産拠点の統廃合も視野に入れてまいります。また、本社のコーポレート部門の費用増加が利益を圧迫しているため、費用削減を図ります。

 従来の規模偏重の経営方針と社内教育の遅れにより付加価値生産性が低下したことや、売上成長を重視した経営方針により品質保証能力が低下したことも業績悪化の要因となっております。このことを踏まえ、自工程完結とコンカレントエンジニアリングの徹底を通じた工程内不良率の低減を図るべく、2019年度において定めた以下のグローバル事業方針のもと全員参加での付加価値生産性及び品質向上に努めてまいります。

 

 

 

■2019年度グローバル事業方針

1.「品質の三桜」というブランドを確立する。

2.5S、リーン生産方式を導入し、意思のある生産ラインをつくる。

3.知識とスキルを身につけ、一人ひとりが代わりの利かないプロフェッショナルになる。

4.規定を整備し、ディシプリンある組織をつくる。

 

b.財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a財政状態」に記載しております。

 

C.資本の財源及び資金の流動性について

(a)キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(b)資金需要及び財務政策

 当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払等であります。また当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、その資金の原資といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等により必要とする資金を調達しております。

 当連結会計年度末現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は358億78百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、155億5百万円となっております。

 

③経営目標の達成・進捗状況について

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の進捗状況は、次のとおりです。

 

指標

当連結会計年度

(業績予想)

当連結会計年度

(実績)

業績予想比(百万円)

売上高(百万円)

143,000

140,456

△2,544

営業利益(百万円)

5,300

2,067

△3,233

経常利益(百万円)

5,000

1,435

△3,565

親会社株主に帰属する当期純利益又は当期純損失(△)(百万円)

1,800

△8,525

△10,325

 

欧州事業における排気ガス燃費試験法導入に伴う欧州自動車メーカーの乗用車販売台数の減少及び新規立上げ関連費用の増加等による営業損失の拡大が響き、営業利益及び経常利益は全体として計画値を下回りました。また減損損失等の特別損失81億7百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は計画値を下回る結果となりました。

なお2020年3月期の通期連結業績予想は以下のとおりです。将来の見通しについては、当連結会計年度末において、入手可能な情報及び将来の業績に与える不確実要因に関しての仮定を前提としております。

 

通期連結業績予想
 売上高             145,000百万円  (対前期比   3.2%)
 営業利益             2,600百万円  (対前期比  25.8%)
 経常利益             2,000百万円  (対前期比  39.4%)
 親会社株主に帰属する当期純利益   600百万円  (対前期比    -%)

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社では企業理念に基づき、ステークホルダーの「安全と安心」「環境保全」のために力を尽くす事を研究開発活動の主要方針とし、環境負荷低減に繋がる高信頼性の新製品・新技術開発を推進しております。

軽量化自動車部品の開発においては、近年特に欧州の自動車メーカーを中心にフューエルインジェクションレール、燃料配管やフィラーパイプ、その他パワートレイン系・燃料系部品の樹脂化が加速しており、2013年10月に当社の子会社となったドイツのガイガー オートモーティブ GmbHと共に最新の技術を逸早く取り込み各国の市場に最適技術を展開する取り組みを継続しております。また、現行鉄製品の機能を損なう事なく、より軽量な樹脂やアルミニウムなどの材料に置き換えたり複合材料に切り替えたりする為に、強度や振動、流体挙動のコンピューター・シミュレーションの実施、各種評価・計測機器を拡充し、解析能力の強化にも注力しております。

省エネルギー新工法開発においては包括的なLCAの観点から生産工程におけるエネルギー使用量の大幅な削減を目指し、高効率・高信頼性・低コストな金属接合技術、より簡素で工数の少ない金属加工技術や樹脂成形技術を研究し製造ラインに取り入れております。

高付加価値の新製品開発に関しては、世界の自動車産業の傾向として、エンジンの燃焼効率向上、HEV/EV/PHEV/FCV の車種と生産数量の増加、プラットフォーム・アーキテクチャーの標準化と部品共通化が推進されており、また各国市場で進む環境規制に対応するためにも、当社では直噴エンジン用の高圧フューエルインジェクションレール、ディーゼルエンジン用超高圧燃料噴射管、インバーターやバッテリー周辺の熱交換製品、燃料配管の樹脂化、そしてエンジン冷却システム、EGRシステム等の複合部品の開発・量産を推進しています。

また、自動車の電動化の加速を見越して、次世代二次電池を初めとするパワー・マネジメント製品の開発に一層注力するとともに、新たに自動運転対応技術、エネルギー回生技術の開発にも着手し、当連結会計年度にSolid Power Inc.への出資を行いました。

これらの研究開発活動を加速させるために人財と開発体制の強化を進め世界各国での先進技術・先端開発情報を逸早く拾い上げ研究に反映させる体制を敷いています。

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は10億18百万円であり、セグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。

セグメントの名称

研究開発費(百万円)

日本

1,018

1,018