第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「ミッション/ビジョン」「モットー」「三桜ウェイ」の3つを企業理念として制定しています。これは、グローバル三桜グループが、企業としての永続性を保つと同時に社会的責任を果たすためのもっとも基本的な理念、信条です。

 

1.ミッション/ビジョン

私たちのMission(使命)は、ものづくり企業として、製品の提供とグローバルな事業活動を通じて、ステークホルダーの「安全と安心」、「環境保全」のために力を尽くすことです。Missionを果たしていくために、「人を育て、システムを育て、技術を育て」、創意あるエキスパート集団になることを目指します。

グローバル三桜グループは、社員ひとりひとりを財産と捉え、社員と会社の双方が成長する企業風土を目指しています。本当に使える知識を得るために、自ら手を動かし工夫しながら実行する「手づくり」と「創意」を「人を育てる」の基本とし、社員が成長する環境と機会を作ります。ひとりひとりの社員の日々の活動の積重ねによって、製品や事業活動において世界一と誇れる要素を、グローバル三桜グループ内に蓄積していきます。このような活動によって、企業としての永続性と社会に対する責任を果たしていくことを追求していきます。

ミッション/ビジョンは、三桜の社会における存在意義、社会的使命を明確に掲げたものであり、私たちが進むべき方向を示したものです。

 

2.モットー

経営全領域にわたる絶えざる改革

モットーである「経営全領域にわたる絶えざる改革」は、1978年から実施された全社的な経営体質改善活動における基本理念であり、当社が常に意識している信条です。
 

3.三桜ウェイ

①. 新しい価値を生み出す

・Futurity

:未来を志向し、あるべき姿を構想する

・Flexibility

:既成概念に捉われず、柔軟に考える

・Humanity

:誠意があり、暖かく思いやりのある行動をする

②. 組織で力を出す

・責任感

:役割責任を認識し、キチンと最後までやり遂げる

・三桜マーケットイン

:相手を知り、相手の気持ちに応じたやり方で、目的を達成する

・自発・自律・迅速

:業務の本質を掴んで自発的・自律的に判断し、迅速に行動する

③. 高い志を持つ

・知識×意欲

:常に新しい知識を吸収して意欲的に業務に活かす

・手づくり

:自ら手を動かし体験することで学ぶ

・チャレンジ

:常に今より高い目標を設定し、達成への行動を通じて成長する

三桜ウェイは、当社グループ社員ひとりひとりが共有すべき価値観、行動指針であり、それぞれの個性や多様性を発揮するための根幹となるものです。

(2) 経営環境

自動車業界におきましては、中国、米国では昨年に引き続き景気の低迷により需要が減少しており、近年好調であったインドや新興国についても成長に陰りが見られます。国内においては、消費増税に連動した自動車税優遇措置等もありましたが、販売台数は減少傾向にあります。COVID-19の感染拡大は、世界の自動車の生産にも大きな影響を及ぼすことが予想され、今後も厳しい状況が予想されます。

 

(3) 経営戦略

 当連結会計年度においては、足元の既存事業について徹底した収益改善活動を進めることにより構造改革を進めることのできた1年となりました。一方で、環境問題など社会課題への対応や、CASEとよばれるコネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化などの技術革新の進行により自動車産業は100年に一度の大変革の時代を迎えております。この様な経営環境の中、当社は新事業創出を中期的な成長領域と位置づけ、既存事業の供給能力の見直し・経営全領域に渡るスリム化を課題と捉えております。来年度以降の中期経営計画の策定はCOVID-19の影響と外部環境を踏まえ議論してまいります。今後の戦略及び大きな方向性としては、以下の視点を経営の中核に位置付け、株主価値の最大化を図ります。

 

・新事業開発の強化

 既存のビジネスに近い冷却配管用のアルミ・樹脂の複合材の更なる活用に加え全個体電池や熱電発電素子など、新規事業開始の基盤固めを行ってまいります。研究開発と連携して魅力ある研究開発型のベンチャーや異業種への投資を含め経営資源の配分にメリハリを付けながら積極的な展開を目指してまいります。

 

・顧客満足

 当社の製品は重要保安部品に位置付けられるものである以上、不具合ゼロを目指すべく、コンカレント・エンジニアリングやフロントローディング、商品企画決裁など立上げ段階での問題解決をさらに浸透させます。

 

・新工法及び新システムの開発

 包括的なLCAの観点から生産工程におけるエネルギー使用量の大幅な削減を目指し、高効率・高信頼性・低コストな金属接合技術を研究し加工方法の内製化や3Dプリンターの活用や多様な材料を接合する技術、自動化やIoTへの投資を通じ物作りの高度化を図ります。また調達のソーシングの方法等の効率化及び合理化によりリターンが期待できるシステムへの開発を進めてまいります。

 

・グローバル経営及びガバナンスの強化

 近年の業績悪化を受け、重要子会社のマネジメント体制の刷新、次世代リーダーシップの育成、海外現地法人の自立化、組織構造の見直し、不採算部門の統廃合を図り、全体的には構造改革が進んだ1年となりました。また、2020年株主総会後、取締役8名中社外取締役が4名を占める態勢を整えました。執行サイドでは意思決定の迅速化が進む一方、取締役会では主として戦略を議論することで世界の急速な変化に対応できる迅速な経営上の意思決定や経営陣の適切なリスクテイクを促進します。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

米中の通商問題動向、経済成長率の減速、地政学リスクの高まりに加え、COVID-19感染拡大による世界的な景気への影響により近年好調に推移したアジア諸国についても急激に景気の陰りが見られ、世界の自動車生産にも大きな影響を及ぼす事が予想されます。このような環境、需要の変化は現在でも続いており、この状況が今後どのように推移するかは不透明な状況です。今後、当社の想定を超える事業環境の変化が継続または悪化した場合、財務状況、キャッシュ・フローが悪影響を受け、財務安全性も低下する可能性があります。当社グループといたしましては、これらの今後予想されるCOVID-19の感染拡大に伴う自動車事業の落ち込みへの対応を最優先課題として、キャッシュ管理、仕入れ、製造、品質、在庫、人件費、社員の健康・安全衛生面等の全ての側面を正しくモニタリングし、コントロールするための新たな経営ガイドラインを策定し、運用を行っております。

今後不確実性が増す世界に向けて、経営のスリム化、生産性の向上、事業の多角化を行う事で経営基盤の安定化を図ります。経営方針のモットーである「経営全領域にわたる絶えざる改革」に基づき間接系も含めた全業務工程の徹底的な検証により、各プロセスの高速化・全体最適化を行うことで、困難な状況下においてもキャッシュを確保できる基盤作りを行ってまいります。また、自動車業界に軸足を置き収益力を蓄えつつ、新事業の創出をグループの中長期的な成長領域として位置づけ、イノベーションを興すエクセレントカンパニーへ向け経営資源の配分にメリハリを付けながら積極的な展開を目指してまいります。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、安定的な収益力の確保とグループ全体の業績向上のため、連結ベースの売上高、営業利益、経常利益、売上営業利益率等の経営指標の拡充を目標としております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済的状況

当社グループは 日本、北南米、欧州、中国、アジアと事業をグローバルに展開しております。そのため、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の変動により業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動

当社グループの連結売上高に対する海外売上高の割合は、2019年3月期で75.6%、2020年3月期で76.1%を占めており、売上高、営業利益、資産等の中には、現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面ではマイナスに、円安局面ではプラスに当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では状況に応じ為替予約等のヘッジオペレーションを行っております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損等に影響を及ぼし、営業外損益が変動する可能性があります。

 

(3) 退職給付債務

当社グループの退職給付債務は、数理計算上で設定される割引率や年金資産の期待収益率等に基づいて算出されており、実際の結果に基づいて変更される可能性および年金資産の運用環境悪化等により数理計算上の差異が発生する可能性があります。これらの割引率、長期期待運用収益率等の低下および運用環境などの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製品の欠陥

当社グループは、国内および海外各地域の工場で、世界的に認められた品質管理基準に従って製造を行っておりますが、将来に渡り全ての製品において欠陥やリコールが発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については保険を付保しておりますが、大規模なリコール等につながる製品の欠陥によっては多額の追加コストが発生する可能性があり、製造物責任賠償保険が最終的に負担する賠償額を充分カバーできるという保証はなく、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社のメキシコ子会社が過去に製造した自動車用部品に関連し、当該部品を組み込んだ自動車の品質問題が発生しており、当社のメキシコ子会社が得意先から費用の負担を求められております。これらについて、合理的に見積りが可能な費用負担見込額を製品保証引当金として計上しておりますが、今後の交渉状況等によっては当社の連結業績に影響が生じる可能性があります。当社の製品は重要保安部品に位置付けられ、リスクが顕在化した場合には重要な影響が発生しうることを強く認識し、APQPの仕組みの大幅な見直し・改善等を通じて上記含む重要な品質問題の再発防止を図るための仕組みの整備及び運用を図っております。

 

(5) 原材料の市況

当社グループは、グループ外から原材料を調達しておりますが、原材料価格の変動等により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 地震等の災害による影響

当社グループは地震等の災害により生産設備が損傷、損失しないよう対策を講じております。しかし、その対応には限界があり、地震等の災害の発生により生産設備に重大な影響を及ぼし、生産能力が著しく低下する可能性があります。

 

(7) 国際的活動

当社グループは北南米、欧州、中国及びアジアにおいて、グローバルな生産、販売活動を展開しており、日本国外の占める割合は、年々、高まる傾向にあります。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・予期しない制度、法制又は規制の変更

・不利な政治的又は経済的要因の発生

・移転価格税制等の国際税務リスク

・ストライキ等の労働争議

・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響

・テロ、戦争、疾病、その他の要因による社会的又は経済的混乱

 

なお新型コロナウイルスの感染拡大による影響が既に一部において発生しております。今後新型コロナウイルス感染症の拡大が継続する場合には、当社グループが販売活動を行っている顧客およびその地域の感染状況により当社の販売は大きな影響を受ける可能性があります。また当社グループ従業員の感染や生産地域の感染状況により、従業員の自宅待機などに必要な期間が発生し、材料等調達先や物流面の問題により生産継続が出来なくなる可能性があります。当社グループでは、緊急対策本部を設置し、経営トップが定期的にWeb会議による工場及び地域の状況確認・情報収集、事業及び生産継続のための要員・設備・資金の維持管理等を行っております。また感染拡大防止と事業継続の体制維持の観点から、従業員等の健康・安全確保のため、対応要領を作成・周知し、部門によっては原則在宅勤務とし、出社が必要な際もオフピーク出勤や車通勤を推奨し、感染リスクの低減に向けた諸施策を実施しております。

 

(8) 訴訟のリスク

当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、または事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、経営成績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社及び当社の米国子会社は、自動車部品に関する競争法違反行為により損害を蒙ったとして、カナダにおいて損害賠償等を求める集団訴訟等を提起されており、当該事項に関連して、罰金・損害賠償等の金銭的負担が生じる可能性があります。

 

(9) 事業投資のリスク

当社グループは、投資判断時に想定していなかった水準で、市場環境や経営環境が悪化し、事業計画との乖離等により期待されるキャッシュ・フローが創出できない場合、有形固定資産の減損処理などにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社が保有する関係会社株式や当社連結子会社への貸付金の評価などに影響を及ぼす可能性があり、当社の財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、地域別に設置したR.O.Cが各現法の業績管理状況をモニタリングし、経営会議等で当社グループ各社の投資等の意思決定含む、今後の方向性や業績改善のための対策を検討しています。また中長期目線の事業の方向性については、取締役会運用基準に則り、取締役会にて審議・決議を行っています。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析、検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態及び経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当期の当社グループを取り巻く経済環境は、米中貿易紛争の長期化により中国経済の成長が鈍化するとともに、欧州をはじめ各国の輸出環境が悪化し、またBrexit問題や、欧州・インド等での環境規制強化の影響もあり、景気の減速が明らかになりつつあります。

国内経済は、企業収益に陰りが見られるほか、インバウンド消費の一服や消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が全国的な広がりを見せ始めました。輸出入の低迷など、短期間で大きな影響が出ており、将来への不安感も急激に増しております。さらには、COVID-19の世界的な拡大に伴い、世界の各エリア・地域における外出規制や物流の停滞などによる実体経済への影響が深刻化しています。これらへの対応として、当社グループでは従業員の安全を最優先にテレワークなどを推進し、各国政府の要請に応じた形での対応を図っています。生産においては、中国エリアで一時的に稼働を停止したものの、春節以降、順次再開を進めました。一方、米州、欧州、アジアの一部の現地法人では稼働が停止した状況が継続しました。なお、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりましたが、COVID-19による業績への影響は限定的でした。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は945億98百万円となり、前連結会計年度末に比べて75億54百万円減少しました。主な要因は受取手形及び売掛金の減少10億55百万円、仕掛品の減少41億80百万円、原材料及び貯蔵品の減少7億39百万円、機械装置及び運搬具等の有形固定資産の増加3億69百万円及び投資有価証券の減少23億5百万円等であります。

負債合計は606億26百万円となり、前連結会計年度末に比べて68億81百万円減少しました。主な要因は支払手形及び買掛金の減少13億68百万円、電子記録債務の減少6億81百万円、短期借入金の減少74億9百万円、未払金の減少17億54百万円、長期借入金の増加47億91百万円等であります。

純資産は339億72百万円となり、前連結会計年度末に比べて6億73百万円減少しました。主な要因はその他有価証券評価差額金の減少16億39百万円、利益剰余金の増加14億49百万円等であります。

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は1,427億7百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は54億52百万円(前年同期比163.8%増)となりました。中国や米国での新規量産品の立ち上がりが寄与したことに加えて、日本国内、欧州を中心に品質ロスや固定費削減に努めたことにより、全体で増収・増益となりました。また経常利益についても、営業利益の増益により47億25百万円(前年同期比229.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、所有不動産売却に伴う特別利益もあり、21億77百万円(前年同期は85億25百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

 

セグメントの業績は、以下のとおりであります。

(a)日本

売上高は350億12百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は27億62百万円(前年同期比112.5%増)となりました。生産効率の向上、品質ロスや物流費の低減、固定費削減等を行い収益力強化に努めました。

(b)北南米

売上高は413億18百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は9億88百万円(前年同期比33.8%減)となりました。メキシコ工場等で現地の景況悪化の影響を受けたほか、輸入コスト増加や為替変動等により原材料費が増加し、減収減益となりました。

(c)欧州

売上高は261億49百万円(前年同期比11.2%増)、営業損失は7億39百万円(前年同期は32億30百万円の営業損失)となりました。新規品の立ち上がりにより売上増収となり、コスト面でも物流費や品質コストを抑制したことに加え、ドイツ子会社において不採算製品についての販売価格の見直しや人件費を中心に固定費削減を行った効果が徐々に現れており、損失額は減少しました。

(d)中国

売上高は189億8百万円(前年同期比23.1%増)、営業利益は8億8百万円(前年同期比1,018.1%増)となりました。新規品の立ち上がり、固定費の抑制等が寄与して増収増益となりました。

(e)アジア

売上高は213億20百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は18億75百万円(前年同期比18.6%減)となりました。インドにおいて環境規制の強化や金融情勢の影響を受けたほか、タイ、韓国においても景気減速の影響を受けました。

 

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動により88億67百万円増加、投資活動により43億60百万円減少、財務活動により42億46百万円減少等の結果、159億17百万円(前連結会計年度末比4億12百万円の増加)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、税金等調整前当期純利益が53億72百万円(前年同期は66億52百万円の税金等調整前当期純損失)、減価償却費が52億96百万円(前年同期は59億99百万円)、減損損失が8億42百万円(前年同期は53億11百万円)、たな卸資産の減少による資金増が43億14百万円(前年同期は14億91百万円の資金減)、仕入債務の減少による資金減が18億86百万円(前年同期は11億99百万円の資金増)、未払金の減少による資金減が4億73百万円(前年同期は18億21百万円の資金増)、法人税等の支払による資金減が15億55百万円(前年同期は15億40百万円の資金減)、訴訟関連損失の支払による資金減が12億21百万円があったこと等により、前年同期と比較して34億53百万円増加し、88億67百万円となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動に使用された資金は、自動車部品事業を中心とした有形固定資産の取得による支出74億62百万円(前年同期は81億50百万円の支出)がある一方、有形固定資産の売却による収入32億29百万円(前年同期は2億29百万円の収入)があったことにより、前年同期と比較して39億48百万円減少して43億60百万円となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用された資金は、借入金の純減少による支払23億7百万円(前年同期は54億72百万円の収入)、配当金の支払による支出7億28百万円(前年同期は9億10百万円の支出)、非支配株主への配当金の支払による支出9億8百万円(前年同期は4億48百万円の支出)等により、42億46百万円となりました(前年同期は38億14百万円の収入)。

生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

自 2019年4月1日

至 2020年3月31日

前年同期比(%)

日本(百万円)

35,262

99.6

北南米(百万円)

43,067

94.1

欧州(百万円)

23,276

103.6

中国(百万円)

18,789

113.9

アジア(百万円)

21,390

97.0

合計(百万円)

141,783

99.7

 (注)1.金額は販売金額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

34,277

94.8

2,100

74.2

北南米

43,295

94.7

3,614

96.5

欧州

23,459

104.7

4,411

59.3

中国

19,606

117.0

5,260

122.1

アジア

21,048

95.4

2,608

74.8

合計

141,685

99.0

17,994

82.5

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

自 2019年4月1日

至 2020年3月31日

前年同期比(%)

日本(百万円)

35,012

98.6

北南米(百万円)

41,318

94.8

欧州(百万円)

26,149

111.2

中国(百万円)

18,908

123.1

アジア(百万円)

21,320

94.8

合計(百万円)

142,707

101.6

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

自 2018年4月1日

至 2019年3月31日

当連結会計年度

自 2019年4月1日

至 2020年3月31日

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業株式会社

36,514

26.0

35,508

24.9

日産自動車株式会社

20,184

14.4

18,631

13.1

トヨタ自動車株式会社

16,865

12.0

16,176

11.3

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

 前連結会計年度においては、販売価格の低減や構造改革の遅れから品質保証コストと異常費用が増大した状況が定常化し、規模拡大に伴い増加したコーポレート費用の増加が利益を圧迫したことにより、売上高営業利益率が低下いたしました。この状況を踏まえ、当連結会計年度においては異常費用の中心である工程内不良やそれに纏わる費用の削減を徹底的に実施し、利益を圧迫していた本社のコーポレート部門の人件費等の固定費の削減を図りました。

また海外拠点においても前連結会計年度において多額の減損損失を計上したドイツ子会社等の欧州生産拠点について、不採算製品についての販売価格の見直し、材料・部材購入費や製造経費の抑制等によるコストダウンと生産効率の向上、人員削減を含む固定費の削減といった徹底した収益改善策を実施し、その一環として、当該ドイツ子会社の間接部門を対象とする人員削減を実行いたしました。これらの結果、売上高は、1,427億7百万円の前年同期比1.6%の微増にとどまるも、営業利益は54億52百万円と前年同期比163.8%の大幅な増加となりました。なお米州、欧州、中国及びアジアにおける多くの海外子会社が12月決算のため、COVID-19による当期の業績への影響は限定的でした。

セグメント別売上高及び営業利益の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。

 営業外収益においては、前連結会計年度と比べ、3億12百万円増加し、8億53百万円となりました。

 営業外費用においては、前連結会計年度と比べ、4億7百万円増加し、15億79百万円となりました。

 この結果、経常利益は前連結会計年度と比べて32億90百万円増加し、47億25百万円となりました。

 特別損益においては、一部の国内拠点と海外拠点について減損損失として8億42百万円を計上しましたが、前連結会計年度から特別損失が大幅に減少したことに加え、国内の不動産の売却等に伴う固定資産売却益20億3百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、21億77百万円となりました。

 

 

 

 

b.財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a財政状態」に記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

b.資金需要及び財務政策

 当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払等であります。また当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、その資金の原資といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等により必要とする資金を調達しております。

 当連結会計年度末現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は332億66百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、159億17百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、退職給付に係る負債等は一定の前提条件による見積り計算によっております。これらは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載されております。

 なお新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、当社及び一部の現地法人においては2020年4月以降工場の稼働停止や減産による売上高の減少等の影響が発生しております。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は、得意先からの受注情報及び業界市場予測等の外部情報を踏まえ、翌連結会計年度後半から徐々に収束に向かい、同年度末には概ね過年度の水準にまで回復するものと想定しています。この一定の仮定のもと、会計上の見積りに影響を与えると想定される固定資産の減損損失及び繰延税金資産の回収可能性等について評価を実施しております。

 

 

④経営目標の達成・進捗状況について

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の進捗状況は、次のとおりです。

 

指標

当連結会計年度

(業績予想)

当連結会計年度

(実績)

業績予想比

売上高(百万円)

143,000

142,707

△293

営業利益(百万円)

5,300

5,452

152

経常利益(百万円)

4,800

4,725

△75

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

2,800

2,177

△623

売上高営業利益率(%)

3.7

3.8

0.1

 

米州、アジアで受注に陰りがみえ売上減となりましたが、欧州、中国の新規立上げに伴う増収が補い、売上高は全体で計画比0.2%の微減に止まりました。一方営業利益は日本及び欧州における生産性改善等による採算性向上及び中国の新環境規制に適合する部品の需要増による利益改善により計画値を上回りました。

経常利益は各国通貨に対し円高が進行したことに伴う為替差損の増加が営業利益の増加を上回り全体として計画値をわずかに下回りました。また減損損失等の特別損失13億57百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は計画値を下回る結果となりました。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社では企業理念に基づき、ステークホルダーの「安全と安心」「環境保全」のために力を尽くす事を研究開発活動の主要方針とし、環境負荷低減に繋がる高信頼性の新製品・新技術開発を推進しております。

軽量化自動車部品の開発においては、近年特に欧州の自動車メーカーを中心にフューエルインジェクションレール、燃料配管やフィラーパイプ、その他パワートレイン系・燃料系部品の樹脂化が加速しており、2013年10月に当社の子会社となったドイツのガイガー オートモーティブ GmbHと共に最新の技術を逸早く取り込み各国の市場に最適技術を展開する取り組みを継続しております。また、現行鉄製品の機能を損なう事なく、より軽量な樹脂やアルミニウムなどの材料に置き換えたり複合材料に切り替えたりする為に、強度や振動、流体挙動のコンピューター・シミュレーションの実施、各種評価・計測機器を拡充し、解析能力の強化にも注力しております。

省エネルギー新工法開発においては包括的なLCAの観点から生産工程におけるエネルギー使用量の大幅な削減を目指し、高効率・高信頼性・低コストな金属接合技術、より簡素で工数の少ない金属加工技術や樹脂成形技術を研究し製造ラインに取り入れております。

自動車のCASE対応においては次世代二次電池を始めとするパワー・マネジメント製品の開発に一層注力するとともに、新たに自動運転対応技術、エネルギー回生技術の開発にも着手しています。次世代二次電池においては2018年度には米Solid Power Inc.への出資を行いました。また、2019年には東京工業大学と共同開発を進めてきた新型熱電発電素子の連続発電にも成功しています。

これらの研究開発活動を加速させるために人財と開発体制の強化を進め世界各国での先進技術・先端開発情報を逸早く拾い上げ研究に反映させる体制を敷いています。

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は11億22百万円であり、セグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。

セグメントの名称

研究開発費(百万円)

日本

1,122

1,122