第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「Smart Solutions & Services for Your Manufacturing」をコーポレートスローガンとし、「優れた技術・サービスを提供することで、人々の豊かな暮らしの実現に貢献します」を経営理念としております。このコーポレートスローガン、経営理念のもと、半導体、FPD(Flat Panel Display)、電子部品、光学薄膜などの用途向けに製造装置の開発からサービスまでトータルソリューションを提供し、持続可能な社会ならびに人々の豊かな暮らしの実現に貢献できるようESG(環境、社会、ガバナンス)を重視した経営を行い、企業価値を高めることでステークホルダーの皆様の期待に応えてまいります。

また、長期ビジョン「芝浦ビジョン2033」では、2033年のありたい姿を「社会やお客様の将来課題とそこにある潜在的ニーズを把捉して能動的に提案・解決し、お客様と共に成長する企業」と定めました。グループ一丸となって「芝浦ビジョン2033」のありたい姿を目指して経営、事業に取り組み、次の成長へと繋げてまいります。

(2)経営戦略等

当社グループは、上記の経営方針ならびに長期ビジョンのもと、社会のデジタル化が一層進む中で半導体・FPD製造装置とそのサービスを通じた先端技術で社会に貢献できるよう取り組んでおります。SPE(Semiconductor Production Equipment)分野は引き続き、実績と強みのある次世代・先端半導体に対応した装置開発・販売を推進し、グローバルニッチトップ製品を核に更なる拡大を図ります。FPD分野は主要サプライヤとしてのポジションを堅持し、新型・次世代向け製品の開発・拡販に注力します。

(3)経営環境

当社グループの2023年度(2024年3月期)の事業環境は、一時的な設備投資の減速や、部品や部材の供給が引き続き不安定な状況となることが見込まれます。

中長期的な視点では、半導体業界においては今後もあらゆる産業や製品における需要を受け、ロジック/ファウンドリ向け、メモリ向け、パワーデバイス向け、及びウェーハ向けとも設備投資が順調に推移すると想定されます。また、FPD業界においては、コロナ禍における強い需要の反動から設備投資が落ち込み、より長期化する様相を呈していますが、その先は車載向けパネルの大型化や、IT製品向けOLEDパネルの大型化などの需要に向けた設備投資が期待されます。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループを取り巻く事業環境は、引き続き部品や部材の供給面における不安定な状況が懸念されるものの、様々な取り組みを行い事業への影響が最小限となるよう進めてまいります。

また、財務面に関しては引き続き利益率向上を図ってまいります。

長期ビジョン「芝浦ビジョン2033」のPhase1にあたる2023年度を初年度とする3年間の中期経営計画期間では、「持続的成長に向けた投資」により土台強化を進め、次の成長へとつなげてまいります。

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、収益力、資産効率、株主価値の向上を重視しております。

経営指標としては、ROS(売上高営業利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)の向上を目指してまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理)

当社では、サステナビリティを巡る課題への対応を当社の経営課題及び経営戦略の一つとして捉え、当社グループにおけるサステナビリティ基本方針を策定し、この方針に基づく活動を行っております。

この活動に当たっては、当社グループが取り組むべきマテリアリティ(重点課題)を特定した上、具体的な達成目標や施策を定めております。

 

<基本方針>

芝浦メカトロニクスグループは、事業を通じて、コーポレートスローガン、経営理念の考えを実践していくこと、ESGを重視した事業プロセスで、社会やステークホルダーの信頼に応えていくことが、わたしたちのサステナビリティの取組だと考えます。

わたしたちは、ものづくりを支える存在として、技術革新、社会の発展に貢献します。

そのために、わたしたちは常に考え、進化し続け、お客様に優れた技術・サービスを提供する企業であり続けます。また、わたしたちは、社会・ステークホルダーから信頼される企業であり続けます。

そのために、ESGを重視した事業活動を推進し、誠実で透明性の高い経営を続けます。

芝浦メカトロニクスグループは、このサステナビリティの取組により、人々の豊かな暮らしの実現を目指します。

 

<マテリアリティ>

・最先端技術の開発・提供でデジタル社会に貢献

・研究開発・製造プロセスで産業競争力の維持・向上に貢献

・環境調和型製品の開発・提供でグリーン社会に貢献

・品質・サービスで顧客の安定稼働・生産性に貢献

・気候変動への対応

・環境負荷の低減

・多様な人財が活躍できる環境作り

・サプライチェーンマネジメントの強化

・ガバナンスの強化

 

これら基本方針の策定、マテリアリティの特定並びに具体的達成目標及び施策等に関しては、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会において審議し、取締役会を経て決定しております。また、当委員会は、目標達成に向けた進捗状況等を監督し、取締役会へ報告を行うこととしております。

 

サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ委員会の下部機関であり、CRO(Chief Risk-Compliance Management Officer)を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会において、リスクマトリクスを用いた手法等により当社グループが対処すべきリスクを分析及び評価し、その対策を立案しております。サステナビリティ委員会は、これらの活動状況について、リスク・コンプライアンス委員会から報告を受けることにより、監督しております。

 

(人的資本・多様性に関する取組)

当社グループは、企業行動理念の中で、「人と人との繋がりを大切にしています。お客様、株主・投資家、従業員、お取引先、地域社会の方々とのコミュニケーションを通して、幸せな社会を築いていきたいと考えています。」という、人間性の尊重の理念を掲げております。この理念を実践するためには、会社の事業活動を推進する基盤であり財産である従業員一人一人が自己を高め、責任のある行動を実行することが必要不可欠であることから、人財育成方針及び社内環境整備方針として下記の方針を掲げ、それぞれ具体的取組を行っております。

 

<人財育成・社内環境整備方針>

従業員を会社の最大の資産として人財育成と多様な働き方を推進する。

・従業員のキャリア形成・自律的成長の促進と将来のキーマンの育成

・多様な人財が活躍できる各種制度及び環境の整備

・ダイバーシティの推進

 

<具体的な取組>

①教育による人財育成

当社グループでは、個々人の日常業務習得と同時に組織全体の職場開発につなげるOJTと、社内教育カリキュラムのほか、従業員それぞれが行う自己啓発を並行して行うことを人財育成、人財開発の基本としています。社内教育カリキュラムは新入社員教育、階層別教育、職能教育、及び課題対応教育の4つの柱で構成しております。

新たな取組として、従業員が自身の将来を描き、自律的な成長を支援することを目的とした「年代別キャリア研修」を導入することとし、当事業年度はその初回として「58歳キャリア研修」を実施し、27名が受講しました。

 

<2022年度教育受講状況>

連結会社

受講講座数

84講座

受講延べ人数

1,441人

受講延べ時間

6,765.5時間

 

②多様な働き方の推進

従業員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、従業員のワークライフバランスを推進するための取組を多面的に行っております。具体的にはフレックスタイム制度や昨今の新型コロナウイルス対策として在宅勤務を運用するなどの柔軟な勤務制度を整備しております。また、キャリア選択の拡充を図るために、当事業年度からは定年再雇用制度について選択できる業務レベル別の処遇コースを拡大し、当社で培った経験を長く当社で発揮できる制度のほか、社外への転職希望者に対する再就職支援プログラムを導入するなど、個々人のキャリアプランにも寄り添うようにしております。

 

③女性活躍の推進

当社グループは女性の活躍推進に関して、2033年度に管理職に占める女性の割合をグループ全体で10%以上にすることを目指しております。近年、女性の管理職登用は増加傾向にあり、2033年度目標達成に向けて優秀な人財を積極的に登用してまいります。また、育児休職期間を最大で子が3歳に到達する年度末まで取得可能とするほか、短時間勤務制度の運用など、仕事と家庭の両立も支援してまいります。

 

<女性活躍推進法に基づく行動計画>

連結会社

時期

管理職に占める女性の割合

2022年度

3.68%

2033年度の目標

10%

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防と発生時の対策に努力する所存であります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況、市況による影響

当社グループが販売する製造装置の需要は、その製造装置で生産される半導体・FPD等のエレクトロニクス製品の需給状況に影響を受け、特にエレクトロニクス製品が消費されている国・地域の経済状況の影響を受けております。従って北米、欧州、アジア、日本等の国・地域の景気後退と需要の縮小により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)海外販売に潜在するリスク

当社グループの海外売上高比率は約67%となっており、その大部分は引き続き中国、台湾、韓国でありますが、欧米や東南アジアなどの比率も高まっております。

従って、当社グループが海外市場で行う全ての販売活動に関連し、各国・地域の政治状況の急変、法律・規制や税制の変更、経済状況の急変、急激な為替変動・インフレーション等の価格変動、雇用の困難と人件費の急騰、地震・台風・洪水・感染症といった自然災害やテロ・戦争等の社会的混乱等のリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)価格競争による影響

当社グループの主要顧客であるエレクトロニクス業界は、各製品の価格競争も激しく製造装置への投資コストも抑制される傾向にあります。当社グループでは、SPE分野のグローバルニッチトップ製品や、FPD分野の新しいディスプレイ対応製品を中心に、技術的に進化した高精度、高品質の高付加価値製品をいち早く開発し市場に送り出すべく活動を実施しておりますが、今後競合メーカーや新規メーカーの参入状況によっては、競争が激化し当社グループの計画に相違が生じることが考えられます。さらに、部品や部材その他購入品の価格高騰による製品の原価上昇という結果をもたらす可能性があります。価格面での過度の競争は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)他社との提携によるリスク

当社グループでは、新規事業、事業拡大の一環として、経営資源を最適化し、相乗効果を引き出すため、他社とのコラボレーション、技術提携、合弁を実施していきます。当社グループでは、引き続きこのような活動を続けてまいりますが、当事者間で不一致が発生した場合、当初の計画どおりに業績を上げられず、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)品質に関するリスク

当社グループでは、ISO9001に基づいた品質保証体制のもと、最先端技術を新製品に搭載し、いち早く市場に投入することで、当社製品を多くの顧客に提供しております。しかし、当社製品が最先端技術を活用したものであることから未知の分野での技術が多く存在し、予期せぬ不具合が発生し事故につながることも考えられます。そのために当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)経営戦略遂行に関するリスク

当社グループでは、当社の製造装置の最終製品となるエレクトロニクス製品の市場の拡大と新技術の進歩に遅れることなく新製品を市場に投入し、安定した収益を上げることが最も重要と考えております。そのため、市場動向、技術動向等の調査を随時実施しますが、リスクのある事業でも先の成長性を見込んで事業遂行していくことがあります。競合の存在、開発投資額の増加、開発の遅れ、市場の急激な変化等により、その事業の経営計画に相違が生じることがあります。

(7)知的所有権に関するリスク

当社グループでは、当社製造装置について特許となりうるものに関しては、積極的に権利の獲得を目指すとともに、その製品に関する特許レビューを実施しております。しかしながら第三者から思わぬ特許侵害訴訟を提訴され損害を被るリスクがあります。

 

(8)サプライチェーンに関するリスク

当社グループでは、製品を製造するための部品や部材のほか、保守サービスに必要な部品、部材の調達を行っております。需給の逼迫や供給遅延・停止、価格高騰、その他当社を取り巻くサプライチェーンに生じた障害により、製造活動または保守サービス事業が停滞した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9)情報管理に関するリスク

当社グループは、事業遂行にあたり各種技術情報、顧客情報、個人情報を有しております。当社グループではこれらの情報についての全社管理体制として、情報セキュリティポリシーの制定と情報セキュリティ委員会にて情報管理強化に努めております。しかしながら、IT化の進展により膨大な情報が行き交う中、コンピュータウイルスの感染・サイバー攻撃等による不正アクセスや従業員の過誤等の不測の事態により、これらの情報が流出するリスクが存在します。流出した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10)人財確保に関するリスク

当社グループが事業の成長を持続するためには、市場の拡大と新技術の進歩に遅れることなく競争力のある新製品を市場に継続的に投入することが重要であり、そのための人財の確保や育成の継続が困難となる場合、開発力の低下や、技術・保守サポート力の低下など、競争力の低下を招くリスクがあります。競争力が低下した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11)環境保全に関するリスク

当社グループでは、全事業所・工場で環境マネジメントシステム(ISO14001)の認証を取得し、環境に配慮した活動を行っております。しかし、事業活動を行う上では環境負荷の高い物質も使用する場合もあり、昨今の環境法規制の新規規制及び法改正等により規制されることがあります。

また、地球温暖化防止を目的とした環境税の導入・CO2の排出規制等新たな法規制が発効され、経済的負担が増えることもあります。さらに現在は使用しておりませんが過去に使用した実績のある有機溶剤等が土壌中に残留していることがあり、土地を有効活用する場合、これらを適切に処理するための処分費用負担が生ずることがあります。

(12)大規模災害、感染症蔓延の影響

当社グループの国内製造拠点は神奈川県下と福井県小浜地区に所在しております。これらの地区において大規模災害が発生した場合には、設備の破損、物流機能の麻痺等が生じ、製造拠点の操業停止等により製造能力に重大な影響を被る可能性があります。また、今後何らかの感染症の蔓延により、製品の製造のほか、部品、部材の調達、営業を始めとする事業活動が停滞した場合、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(13)減損会計適用による影響

固定資産の減損会計適用に伴い、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。

(14)退職給付債務について

当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益に基づき算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、前提条件が変更された場合、または年金資産の運用利回りが低下した場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。割引率や運用利回りに変動が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(15)財務制限条項について

当社の借入金に係る契約のうち一部の契約には財務制限条項が付されており、特定の条項に抵触した場合には、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。当社が借入金について期限の利益を喪失した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループの事業環境は、スマートフォン、パソコン、テレビの需要減速を受け、半導体業界においてはメモリ向けを中心に一部設備投資に見直しの動きがあり、FPD(Flat Panel Display)業界においては全般的に調整傾向となりました。その一方で、半導体業界においてIoT、5G、AIなどの需要は引き続き底堅く、ロジック/ファウンドリ向け、パワーデバイス向け、及びウェーハ向けなどの設備投資がいずれも堅調に推移しました。

このような環境の中、当連結会計年度の業績は以下のとおりです。

売上高は、前年度に比べ半導体分野では増加、FPD分野では減少し、全体では61,001百万円(前年同期比23.8%増)となりました。

利益面では、半導体前工程の売上増加と利益率の改善により営業利益が10,906百万円(前年同期比115.9%増)、経常利益が10,514百万円(前年同期比115.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は9,198百万円(前年同期比208.3%増)となりましたが、この中には繰延税金資産の追加計上による法人税等調整額(△は利益)△915百万円が含まれております。

なお、受注高は、半導体前工程が堅調に推移しました。FPD分野は全体的に低調に推移しました。この結果、当連結会計年度における受注高は76,779百万円(前年同期比8.3%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(ファインメカトロニクス部門)

売上高は、半導体前工程ではロジック/ファウンドリ向け装置、パワーデバイス向け装置、及びウェーハ向け装置がいずれも順調に推移し、前年度に比べ増加しました。一方、FPD前工程では前年度に比べ減少しました。この結果、部門全体では前年度に比べ増収となり、42,645百万円(前年同期比35.8%増)となりました。

セグメント利益は、半導体前工程での売上増加や、顧客評価が完了した貸出評価機などの売上計上も一部寄与し、利益率が大幅に改善したことから9,628百万円(前年同期比223.3%増)となりました。

なお、受注高は、半導体前工程が全体として堅調に推移しました。FPD前工程では全体として低調に推移しました。この結果、部門全体では前年度に比べ受注高が増加し、60,284百万円(前年同期比25.8%増)となりました。

(メカトロニクスシステム部門)

売上高は、半導体後工程では先端パッケージ向け装置は堅調に推移しましたが、全体では前年度に比べ減少しました。FPD後工程では前年度順調であった受注高を受け、テレビ、モニタ用途の大型パネル向け装置を中心に堅調に推移し、前年度に比べ増加しました。真空応用装置では電子部品向けや半導体分野向けが堅調に推移し、前年度に比べ増加しました。この結果、部門全体では前年度に比べ増収となり、14,113百万円(前年同期比2.2%増)となりました。

セグメント利益は、半導体後工程の売上減少により1,692百万円(前年同期比17.2%減)となりました。

なお、受注高は、半導体後工程では年度の後半から一部顧客の投資計画の見直しがあり、低調に推移しました。FPD後工程ではモニタ用パネル向け装置、車載用パネル向け装置で受注があったものの、全体として低調に推移しました。真空応用装置では電子部品向け、半導体分野向けを中心に順調に推移しました。この結果、部門全体では前年度に比べ受注高が減少し、12,246百万円(前年同期比33.6%減)となりました。

(流通機器システム部門)

新型コロナウイルス感染症拡大防止対策と社会経済活動の両立が進み、券売機、汎用機とも堅調に推移しました。この結果、売上高は2,379百万円(前年同期比8.9%増)、セグメント利益は107百万円(前年同期比103.6%増)となりました。

(不動産賃貸部門)

不動産賃貸収入は計画通り推移し、売上高は1,863百万円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益は493百万円(前年同期比6.6%減)となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ859百万円増加し27,160百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は4,572百万円(前年同期は8,297百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、前受金の増加等により資金が増加し、一方で売上債権の増加、棚卸資産の増加等により資金が減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は1,375百万円(前年同期は507百万円の減少)となりました。これは主に、固定資産の取得等により資金が減少したことによるものです。

なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、3,197百万円の増加(前年同期は7,790百万円の増加)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は2,436百万円(前年同期は1,205百万円の減少)となりました。これは主に、借入金の返済及び配当金の支払いにより資金が減少したことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 前年同期比(%)

ファインメカトロニクス(百万円)

24,503

136.0

メカトロニクスシステム(百万円)

15,223

111.5

流通機器システム(百万円)

1,677

109.9

合計(百万円)

41,403

124.7

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の金額によります。

2.不動産賃貸の生産高計上はありません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

ファインメカトロニクス

60,284

125.8

56,112

145.8

メカトロニクスシステム

12,246

66.4

8,607

82.2

流通機器システム

2,384

90.4

816

100.6

不動産賃貸

1,863

99.0

合計

76,779

108.3

65,536

131.7

 

ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 前年同期比(%)

ファインメカトロニクス(百万円)

42,645

135.8

メカトロニクスシステム(百万円)

14,113

102.2

流通機器システム(百万円)

2,379

108.9

不動産賃貸(百万円)

1,863

99.0

合計(百万円)

61,001

123.8

 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等

a 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ13,033百万円増加し81,887百万円となりました。これは主に、現金及び預金が859百万円、売掛金が1,368百万円、契約資産が5,605百万円、仕掛品が2,954百万円、繰延税金資産が1,049百万円増加したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ4,640百万円増加し48,880百万円となりました。これは主に、電子記録債務が876百万円、未払費用が838百万円、前受金が4,247百万円増加した一方で短期借入金が600百万円、1年内返済予定の長期借入金が800百万円減少したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ8,392百万円増加し33,007百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により9,198百万円増加したことによるものです。

b 経営成績

(売上高及び営業利益)

売上高は、前連結会計年度に比べ23.8%増収の61,001百万円となりました。国内向け売上高は、前連結会計年度に比べ25.3%増収の20,307百万円となり、国内売上高比率は33.3%となりました。一方、海外向け売上高は23.1%増収の40,694百万円となり、海外売上高比率は66.7%となりました。

なお、部門別連結売上高の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

売上原価は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ12.6%増加の36,570百万円となりました。売上原価率は、標準化の推進、リードタイム短縮などのコスト構造改革の実行や機種構成の変化などから、前連結会計年度に比べ6.0ポイント減少し59.9%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ15.0%増加の13,524百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度は10,906百万円の営業利益(前年同期比115.9%増)となりました。

(営業外損益及び経常利益)

営業外収益は、為替差益などにより前連結会計年度に比べ150百万円増加の403百万円となりました。

営業外費用は、デリバティブ評価損などにより前連結会計年度に比べ369百万円増加の795百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度は10,514百万円の経常利益(前年同期比115.6%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度は、売上高の増加及び売上原価率の改善等により9,198百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期比208.3%増)となりました。

また、1株当たり当期純利益は2,081.32円となりました。

ロ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営指標としてROS(売上高営業利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)の向上を目指しております。当連結会計年度の数値目標および経営成績、達成状況は下記のとおりです。

指標

前連結会計年度

(2022年3月期)

実績

当連結会計年度(2023年3月期)

目標

実績

差異

(実績-目標)

売上高

49,272

百万円

59,000

百万円

61,001

百万円

2,001

百万円

営業利益

5,050

百万円

10,000

百万円

10,906

百万円

906

百万円

親会社株主

に帰属する

当期純利益

2,983

百万円

7,500

百万円

9,198

百万円

1,698

百万円

ROS

(売上高

営業利益率)

10.3%

16.9%

17.9%

1.0ポイント

ROE

(自己資本

当期純利益率)

12.8%

26.8%

31.9%

5.1ポイント

(注)当連結会計年度の数値目標は、2023年2月8日開示の2023年3月期第3四半期決算短信及び2023年3月期第3四半期決算説明資料に記載している2022年度業績予想であります。

ROS(売上高営業利益率)は、半導体前工程の売上増加と利益率の改善により1.0ポイント増となりました。

ROE(自己資本当期純利益率)は、主に当期純利益の増加などにより5.1ポイント増となりました。

ハ.セグメント別の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

(ファインメカトロニクス部門)

当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比35.8%増の42,645百万円となりました。半導体前工程ではロジック/ファウンドリ向け装置、パワーデバイス向け装置、及びウェーハ向け装置がいずれも順調に推移して前年度に比べ売上高が増加した一方、FPD前工程では減少したことが主な背景であります。

セグメント利益は、前連結会計年度比223.3%増の9,628百万円となりました。増加の主な要因は、半導体前工程の売上高の増加や、顧客評価が完了した貸出評価機などの売上計上も一部寄与し、利益率が大幅に改善したことであります。

2023年度(2024年3月期)は、半導体前工程ではSiウェーハ製造向け枚葉式洗浄装置、ウェーハプロセス向け枚葉式リン酸エッチング装置など既存のグローバルニッチトップ製品群の更なる拡大を図るとともに、新しいグローバルニッチトップ製品の創出に向け開発を加速してまいります。

FPD前工程では新型・次世代向け製品の開発・拡販とともに、FPD前工程のコア技術を活かした製品であるインクジェット錠剤印刷装置の拡販を図ってまいります。

 

(メカトロニクスシステム部門)

当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比2.2%増の14,113百万円となりました。半導体後工程では、先端パッケージ向け装置は堅調に推移しましたが、全体では前年度に比べ売上高が減少しました。一方、FPD後工程では、前年度順調であった受注高を受け、テレビ、モニタ用途の大型パネル向け装置を中心に堅調に推移したこと、真空応用装置では、電子部品向けや半導体分野向けが堅調に推移したことが主な背景であります。

セグメント利益は、前連結会計年度比17.2%減の1,692百万円となりました。減少の主な要因は、半導体後工程の売上減少であります。

2023年度(2024年3月期)は、半導体後工程では引き続きモジュールプロセス向けの高精度フリップチップボンダの更なるシェア拡大を図ってまいります。また、高精度ボンダの技術と知見を活かしたμLEDディスプレイ向けの高精度μLEDボンダの拡販を図り、市場発展に貢献します。 FPD後工程では、各設備投資案件での確実な受注とともに車載向けなどで堅調な投資が期待される中型OLB装置のシェア拡大を図ってまいります。 また、μLEDディスプレイ向けの新規製品の開発を進め、高精度μLEDボンダとともに市場発展に貢献してまいります。

 

(流通機器システム部門)

当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比8.9%増の2,379百万円となりました。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策と社会経済活動の両立が進み、券売機、汎用機とも売上が堅調に推移したことが主な要因であります。

セグメント利益は、前連結会計年度比103.6%増の107百万円となりました。販売機種構成の変化が主な要因であります。

2023年度(2024年3月期)は、2024年に予定されている新紙幣発行に備えた紙幣識別装置の改修・機器入替を図ってまいります。

また、部品や部材の価格上昇による影響の抑制、リードタイム短縮などにより、利益率の改善を図ってまいります。

 

(不動産賃貸部門)

当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比1.0%減の1,863百万円、セグメント利益は、前連結会計年度比6.6%減の493百万円となりました。

 

なお、各セグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大等の影響により消費や企業の経済活動が停滞し、商談・受注の停滞、部品や部材の入荷の遅れや価格高騰、装置の出荷・現地立上作業の停滞などにより、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料、部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等であります。

当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金を調達しております。

金融機関からの借入のうち、短期借入は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入は主に資金の長期的な安定化を確保することを目的とした資金調達であります。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,787百万円となっております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。

当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載および以下のとおりであります。

 

イ.貸倒引当金の計上基準

当社グループは、債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

前受金の受領及び信用状の利用等により信用リスクの管理を行っていますが、顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

ロ.棚卸資産の評価基準

当社グループは、製品、商品及び原材料は主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、半製品及び仕掛品は主として個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)を採用しております。

将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。

ハ.繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断しております。

将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。

ニ.固定資産の減損処理

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。

ホ.退職給付債務の算定

当社グループの退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づき算定されております。

将来の不確実な経済条件の変動等により割引率及び期待運用収益率等の見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。

へ.顧客との契約に基づき行う工事の総原価の見積り

当社グル-プは、顧客の契約に基づき他の用途に転用できない機械装置の製造及び据付工事契約について、一定の期間にわたり収益を認識しております。

将来の状況の変化によって総原価の見積りと実績が乖離した場合、損益に影響を与える可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

当社グループは、要素技術から製品の開発まで、積極的な研究開発活動を行なっております。

現在、研究開発は当社の研究開発部門と事業部の開発・設計部門及び連結子会社の技術部門が推進しております。当社グループの研究開発スタッフは約290名であります。

また、東芝グループ及びビジネスパートナーと連携・協力関係を強化の上、先進技術の研究開発と商品化を効率的に進めております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は3,114百万円であります。この中には、各セグメントに配分できない全社共通の要素技術開発費1,020百万円が含まれております。

各セグメント別の研究成果、研究開発費は次のとおりであります。

(1)ファインメカトロニクス

フラットパネル製造装置では、高精細・中小型パネル対応のウェットプロセス装置及びフレキシブルOLED向け真空焼成炉の開発等をあげることができます。半導体製造装置では、枚葉式窒化膜ウェットエッチング装置、ウェーハ洗浄装置、ケミカルドライエッチング装置、マスク用ウェット洗浄装置及びマスク用ドライエッチング装置の開発等をあげることができます。

研究開発費は1,181百万円であります。

(2)メカトロニクスシステム

液晶、OLEDモジュール組立装置では、車載用及び次世代ディスプレイ用OLB装置の開発を、半導体組立装置ではFO-WLP/PLP用、2.5Dパッケージ用、μLED用次世代高精度ボンディング装置の開発等をあげることができます。電子・真空機器分野では、電子部品向け対応スパッタリング装置の開発等をあげることができます。

研究開発費は760百万円であります。

(3)流通機器システム

券売機分野では、2024年に予定されている新紙幣発行への対応とキャッシュレス決済に対応した機種構成拡充の開発をあげることができます。

 研究開発費は152百万円であります。