第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、伝統的経営理念である「三者の得」(当社製品によって「使う人、売る人、造る人」の各々が利益を享受すること)を踏まえ、安全・安心なパワーソースの提供を通じて豊かな社会造りに貢献することを経営理念としております。

この理念のもと、常に技術革新に向けてチャレンジし続け、透明かつ公正な企業活動を通じて世界中で信頼される企業を目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

目標とする経営指標は、企業価値と事業効率の向上を図るため、中期的には(中期経営計画「Denyo2020」の期間中)、自己資本当期純利益率(ROE)7%以上、売上高経常利益率11%以上としますが、長期的には、ROE8%以上、売上高経常利益率12%以上を目指しております。なお、当連結会計年度における経営指標は、ROE5.9%、売上高経常利益率8.3%でありました。

この目標の達成に向けて、今後も引き続き原価低減活動を推進すると共に、生産性を高めるための設備投資などに取り組んでまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループの経営戦略は、グループの安定的な成長とバランスのとれた事業構造を確立することであり、パワーソースのパイオニアとしての信頼と販売ネットワークを駆使し、高品質パワーソースのグローバルNo1ブランドを目指すと共に、発電機製造のノウハウを最大限に発揮できる周辺事業の拡充や新規事業への参入等に注力してまいります。

そのために、品質・機能・価格・サービスのすべてにおいて、お客様の立場に立って製品を開発すると共に、顧客サポートの充実を最重要目標として、グローバル化とグループ力の結束と強化に取り組み、連結経営体制の構築を進めてまいります。

2018年度より取り組んでおります中期経営計画「Denyo2020」に基づき、国内においては、可搬形発電機、溶接機のトップシェアを堅持しつつ、非常用発電機をはじめとする定置形発電機のシェア拡大を目指してまいります。海外においては、拡大が見込まれるレンタル市場向け発電機の販売に注力すると共に定置形発電機市場への本格的な参入に向け生産販売体制の構築を推進してまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

今後の経営環境は、国際競争の激化や市場構造の変化により厳しさを増すものと予想されますが、当社グループは、景気や市場の跛行性に左右されにくい企業体質を目指し、グループ各社の生産性向上等により収益基盤の強化に努めてまいります。

国内市場では、主力の建設関連分野は、インフラ老朽化対策や都市再開発工事など建設需要が相応に存在しますが、今後、東京五輪関連工事のピークアウトや公共投資の減少などにより縮小傾向になることを否定できません。こうした状況の下、当社グループは、来期で2年目を迎える3ヵ年の中期経営計画「Denyo2020」の各種施策に引き続き取り組んでまいります。

 

[中期経営計画 Denyo2020の概要]

1.中期経営計画基本方針

建設関連分野における高品質パワーソースのトップランナーとしての地位を堅持しつつ、建設関連以外及び海外向けの比率を高め、環境変化に強い収益構造を実現する。

2.事業戦略

(1)国内市場戦略

建設関連分野では、営業体制の見直しや、顧客ニーズを踏まえた新製品開発を着実に推進し、シェア確保を図る。

建設関連以外の分野では、子会社であるニシハツ株式会社との連携強化を通じたグループ営業体制の見直しと、総合提案型営業強化による定置形発電機のシェア拡大を目指す。

(2)海外市場戦略

可搬形発電機について、アジアにおいては、今後拡大が見込まれるレンタル市場を含め積極的に対応する。アジア・その他地域(欧州、中近東等)を含め、販売力・サービス力強化を推進する。米州は現地代理店との連携を強化し拡販する。

定置形発電機について、本格的な参入に向け、ターゲット市場が求める仕様を確認し、アジア・中近東地域における生産販売体制の確立を図る。

溶接機について、ターゲット市場が求める製品ラインアップ充実、メンテナンス性の高い製品の開発に注力する。

(3)経営基盤の強化

市場ニーズを的確に捉え、競争力のある製品開発を迅速に行う。国内外定置形発電機への対応を強化する

最適地生産を一層推進し、高品質製品の供給・原価低減・納期短縮を図る。

教育体制の一層の拡充、特にグローバル人材の育成に注力する。

 

株式会社の支配に関する基本方針について

(1) 基本方針の内容

当社は、当社の株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えます。従って、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することが可能な数の株式を取得する買付提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご意思に委ねられるべきものと考えます。また、当社は、大量取得行為であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。

しかし、株式の大量取得行為の中には、①買収の目的や買収後の経営方針等に鑑み、企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、②株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、③対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることにならないものも存在します。

当社は、このような不適切な株式の大量取得行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な手段を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

(2) 基本方針の実現に資する取組み

①当社の企業価値の源泉について

当社は、1948年の創立以来、野外におけるパワーソースのパイオニアとして、エンジン発電機、エンジン溶接機、エンジンコンプレッサをはじめ多くの製品を開発・製造・販売してきており、エンジン発電機、エンジン溶接機における国内市場占有率はそれぞれ現在約65%、55%に達するに至るなど、主要製品において高い市場占有率を有し、数多くのユーザーの方に当社製品をご利用いただいております。これは、従前の地位や技術力に甘んじることなく、常に開拓心と創造力をもって技術革新を図ることを基本理念として、新たな研究開発にも果敢に挑戦し、積極的に新規のオリジナル製品を開発してきた結果であると考えております。このような当社の研究開発活動・技術開発力及びその結果である当社の各種製品に対する顧客の皆様の信頼にこそ当社の企業価値の源泉があると考えております。

②企業価値向上のための取組み

当社グループは、「創造力と不断の技術革新を通じて、高品質パワーソースのグローバルNO1ブランドを目指します。」との経営ビジョンを掲げ、国内外において、既存事業の拡充・効率化及び新たな市場の開拓を目指した事業展開を行っております。

当社グループは、その主要な事業領域を、建設関連事業、産業機器事業及び新規事業の3領域とし、それぞれにおいて、海外市場・新規市場の開拓に注力し、特に、建設需要に依存することとなる建設向け製品にとどまらず、非常用発電機をはじめとする建設向け以外の製品の開発・販売促進に努めることにより、需要創造型の経営への転換を図っております。そのため、引き続き、新技術の研究から製品の開発に至るまで、積極的な研究開発を進めております。

また、収益性の高いグループ体制を構築するべく、生産体制及び国際的な原料調達の更なる効率化を進めると共に、国内・海外工場への合理化投資を行っております。

さらに、当社グループは、柔軟な組織運営を行うと同時に、各役職員の権限及び責任の所在を明確化することを通じて、当社グループ全体の組織運営を活性化し、かつ、これと並行して当社グループの国際的な事業展開を支えるに足る人材の育成を進めることにより、当社グループが新規市場に事業を拡大していくための素地となる、活力ある企業風土を構築することを目指しております。

③コーポレート・ガバナンスの取組みについて

当社の取締役会は、社外取締役2名を含む9名の取締役で構成されておりますが、各事業年度における取締役の責任を明確化し、経営環境の変化に迅速に対応できる機動的な経営体制を確立すると共に、取締役の選任及び解任について株主の皆様の意思を適時に反映することができるようにすることを目的として、取締役の任期を1年としております。

また、当社は、経営の監督と業務の執行を分離し、事業環境の変化への機動的対応と、意思決定のスピード化を図るべく、執行役員制度を導入しております。また、取締役会の意思決定を支援し、会社経営及び業務執行に関する重要事項を審議するために、取締役、監査役及び執行役員が出席する経営会議を設置しております。さらに、グループ経営を円滑に進めるため、当社グループ各社の社長が出席するグループ経営会議を設置しております。

当社は監査役制度を採用し、有価証券報告書提出日現在、4名の監査役のうち2名を社外監査役とし、当社の経営の適法性、公正性及び透明性を確保しております。また、当社は社外取締役2名及び社外監査役2名を独立役員に指定して東京証券取引所に届け出ており、一般投資家の保護を図っております。

さらに、当社は、内部統制の手段として、社内規程等の整備を図り、業務遂行に際しての適正な管理を行うとともに、社長直属の監査室を設け、社内の業務監査を実施しております。また、監査室による監査に際して、常勤監査役が同行することにより、監査役と監査室の連携を図っております。

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、上記に記載した基本方針に沿って、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を導入しており、2018年6月28日開催の第70回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいて更新しております。

本プランは、当社株式の大量取得行為が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保すると共に買付等を行う者(以下「買付者等」といいます。)との協議・交渉等の機会を確保すること等により、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。

本プランは、(i)当社株式の大量買付を行う者は、買付行為を開始する前に、当社取締役会に対して十分な情報を提供すべきこと、及び、(ii)当該情報提供の後、当社取締役会による検討・代替案の提示等のため必要な一定の期間が経過するまで買付行為を開始しないことを主たる内容とするものであり、本プランに定める手続が遵守されない場合その他一定の場合には、新株予約権の無償割当てによる対抗措置が発動されることがあります。

当社取締役会は、検討期間内において買付者等から提供された情報・資料に基づき、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の観点から、必要に応じて独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタント等その他の専門家を含みます。)の助言を得ながら、買付者等の買付等の内容の評価・検討等を行います。また、当社取締役会は、必要があれば、買付等の内容を改善させるため、当該買付者等と協議・交渉等を行い、さらに、株主の皆様に対して適切な情報開示を行います。これらの当社取締役会による検討と並行して、独立性の高い社外取締役及び社外監査役から構成される独立委員会に対して、新株予約権の無償割当て実施の是非について諮問し、勧告を受けることになります。

本プランの詳細につきましては、2018年5月10日付当社プレスリリース「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご覧ください。(当社ウェブサイト http://www.denyo.co.jp/)

(4) 上記の各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

上記(2)に記載した企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの取組みといった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものであります。

また、本プランは、上記(3)に記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として導入されたものであり、上記基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主総会において株主の皆様のご承認をいただいた上で導入されたものであること、その内容として合理的な客観的要件が設定されていること、有効期間が約年と定められた上に、株主総会又は取締役会により何時でも廃止できるとされていることなどにより、その公正性、客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値・株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)為替変動の影響について

当社グループは海外で事業を展開すると共に世界各国に製品を輸出しており、為替変動の影響を受けます。このため、海外からの部品調達及び一部為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、当該リスクを完全に回避できる保証はなく、今後、海外事業を拡大していく上で、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。

(2)主力販売先が建設関連市場であることについて

当社グループの製品は、販売店を経由して販売しておりますため、すべてのユーザーを把握することは困難ですが、建設工事に関連した業界向けに販売されているものが多数を占めていると推測されます。

このため、公共投資抑制等の外部要因により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)法的規制等について

当社グループの主力製品であるエンジン発電機等の販売に当たっては、国内においては、電気用品安全法及び電気事業法等の規制を受けます。また、このほかにも地方自治体によって制定された条例(騒音に関する規制など)を遵守する必要があります。海外においても、当社グループが販売する製品に対して世界各国で定める安全や環境に係る規制を受けます。

このため、新たな法的規制の内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)製造物責任について

当社グループの製品・サービスは、万全を期して顧客へ提供しておりますが、万一の故障によって顧客に損失をもたらす可能性があります。また、製造物責任については保険を付しておりますが、賠償の全てをカバーできる保証はなく、その損失額によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)原材料価格の変動について

原油や鋼板などの原材料価格が急激に高騰した場合、製造コストの削減、製品価格への転嫁などで対応できない可能性があります。

このため、原材料価格の上昇は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に、雇用や所得環境の改善が続くなど緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、世界経済は、米国の保護主義的な通商政策や中国経済の減速などにより先行き不透明感が高まりましたが、米国経済は緩やかな拡大基調が続き、アジア経済も全体としては底堅く推移いたしました。

当社グループを取り巻く事業環境は、国内においては、首都圏の再開発工事やオリンピック関連工事、災害復旧工事など建設需要が堅調に推移いたしました。海外においては、米国市場の需要が高水準で推移いたしましたが、アジア市場及び中近東市場は、本格的な回復には至りませんでした。

このような状況の中、当社グループといたしましては、新製品の投入や販売キャンペーンの実施など拡販に努めるとともに、原価低減活動を進めてまいりました結果、売上高555億54百万円(前連結会計年度比10.7%増)、営業利益42億1百万円(同7.7%増)、経常利益45億92百万円(同9.7%増)親会社株主に帰属する当期純利益31億66百万円(同14.7%増)となりました。

 

製品区分別売上高の概況は次のとおりです。

発電機関連では、国内向けは、主に工事現場などで使用される可搬形発電機の出荷が全般的に増加し、更に、防災対策用の発電機も堅調に推移いたしました。海外向けは、アジア及び中近東向けが低調に推移いたしましたが、米国向けが大幅に増加しましたことから、売上高436億60百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。

溶接機関連では、国内向けが、堅調な建築需要を背景に、小型溶接機やTIG溶接機の出荷が堅調に推移し、米国向けも増加しましたことから、売上高51億15百万円(同4.0%増)となりました。

コンプレッサ関連では、米国向け出荷が増加しましたが、国内向けモータコンプレッサが低調に推移いたしましたことから、売上高10億59百万円(同2.2%減)となりました。

その他は、高所作業車や部品売上などの増加により、売上高57億19百万円(同3.5%増)となりました。

 

セグメント別概況は次のとおりです。

(日本)

日本では、国内向けは、堅調な建設需要を背景に、主力のレンタル会社を中心に可搬形発電機の出荷が好調に推移し、また、米国向けも発電機や溶接機の輸出が増加しましたことから、売上高407億10百万円(前連結会計年度比7.4%増)、営業利益24億45百万円(同9.4%増)となりました。

 

(アメリカ)

アメリカは、好調な景気を背景に、主力のレンタル市場向けに発電機の出荷が増加しましたことから、売上高108億93百万円(同34.9%増)となりました。一方で、原材料価格の上昇などにより、営業利益7億55百万円(同3.4%減)となりました。

 

(アジア)

アジアは、前年好調であった香港のインフラ整備工事向け発電機の需要が減少しましたことから、売上高33億13百万円(同14.1%減)となりました。一方で、日本や米国工場向けに部品を供給しているベトナム工場などの原価率改善もあり、営業利益6億20百万円(同62.7%増)となりました。

 

(欧州)

欧州は、本年1月から始まった新しい排出ガス規制開始前の駆け込み需要により、発電機の出荷が増加しましたことから、売上高6億36百万円(同92.6%増)、営業利益28百万円(同303.7%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、740億85百万円で前連結会計年度末に比較して18億75百万円増加しました。

当連結会計年度末における流動資産は、498億49百万円で前連結会計年度末に比較して35億11百万円増加しました。これは主に現金及び預金の増加13億18百万円、受取手形及び売掛金の増加12億74百万円及び原材料及び貯蔵品の増加18億40百万円等によるものであります。当連結会計年度末における固定資産は、242億36百万円で前連結会計年度末に比較して16億36百万円減少しました。これは主に保有株式の売却や時価の評価替え等による投資有価証券の減少17億17百万円等によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、177億94百万円で前連結会計年度末に比較して17億17百万円増加しました。

当連結会計年度末における流動負債は、146億24百万円で前連結会計年度末に比較して23億4百万円増加しました。これは主に支払手形及び買掛金の増加18億88百万円及び短期借入金の増加2億21百万円等によるものであります。当連結会計年度末における固定負債は、31億70百万円で前連結会計年度末に比較して5億86百万円減少しました。これは主に繰延税金負債の減少5億54百万円等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、562億90百万円で前連結会計年度末に比較して1億57百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上31億66百万円及びその他有価証券評価差額金の減少11億53百万円、配当金の支払9億94百万円及び自己株式の取得5億1百万円等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、主に税金等調整前当期純利益が45億97百万円計上されたこと等により、前連結会計年度末に比べ24億58百万円増加し、当連結会計年度末には161億70百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は40億85百万円(前連結会計年度比7億69百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益45億97百万円の計上や減価償却費11億32百万円の計上、売上債権の増加13億71百万円、仕入債務の増加19億72百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1億64百万円(同9億56百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出14億88百万円や定期預金の純増減額11億12百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は13億15百万円(同5億77百万円増)となりました。これは主に自己株式の取得による支出5億1百万円や配当金の支払9億94百万円等によるものであります。

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前期比(%)

日本(百万円)

36,189

6.4

アメリカ(百万円)

11,165

38.0

アジア(百万円)

1,090

54.4

合計(百万円)

48,445

13.1

 (注) 1.セグメント間で行った外注加工に係る生産実績については、最終製品化した会社が属するセグメントに含めております。

 2.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前期比(%)

日本(百万円)

40,710

7.4

アメリカ(百万円)

10,893

34.9

アジア(百万円)

3,313

△14.1

欧州(百万円)

636

92.6

合計(百万円)

55,554

10.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

マルチクイップ インク

8,077

16.1

10,893

19.6

3.金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者は適切と考える会計方針を選択・適用し、また、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づいて会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、将来の不確実性があるため、見積りとは異なる場合がございます。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度における経営成績は、国内においては、首都圏の再開発工事やオリンピック関連工事、災害復旧工事など国内の建設需要が堅調に推移し、海外においても米国市場の需要が高水準で推移したため、売上高は前連結会計年度比で5,372百万円増加しました。原材料価格の上昇により、原価率が若干上昇したものの、売上増加に伴い営業利益は前連結会計年度比で299百万円増加しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に営業利益の増加を反映して、前連結会計年度比で404百万円増加しました。

当社グループが目標とする主な経営指標の当連結会計年度における達成状況につきましては、原価低減活動など収益性の向上に努めたものの、当連結会計年度では自己資本当期純利益率(ROE)5.9%(長期的目標:8%以上)、売上高経常利益率8.3%(長期的目標:12%以上)となりました。

当社グループといたしましては、中期経営計画 「Denyo2020」に基づき各種施策を着実に実行し、建設関連分野における高品質パワーソースのトップランナーとしての地位を堅持しつつ、建設関連以外及び海外向けの比率を高め、環境変化に強い収益構造を実現し、目標の達成を目指してまいります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、先行き不透明な経済環境下で財務体質の安定性を保つことが重要であると考え、今後の事業展開に必要十分な資金流動性を確保しつつ、強固な財務体質を維持することを基本方針としております。当連結会計年度におきましても、この方針に従い、流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。

資本の財源としましては、主に手元資金及び金融機関からの借入れなどで資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する場合、連結ベースの資金の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。なお、当社は、資金調達の機動性及び安定性を高められることから、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。

当社グループは、翌連結会計年度において総額約19億円の生産設備の拡充及び効率化投資を計画しておりますが、手許資金及び営業活動により創出が見込まれる資金で少なくとも翌連結会計年度の事業用必要資金を十分賄えると予想しております。

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に開拓心と創造力をもって技術革新を図ることを基本理念として、新技術の研究から製品の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。

 当社グループにおける研究開発活動は、日本に所在する当社の開発部門が中心となり、国内外のグループ各社と密接な連携のもとに取組んでおります。研究開発スタッフは、グループ全体で97名従事しており、魅力的な製品開発に日々励んでおります。

 当連結会計年度における研究開発費は588百万円で、当連結会計年度末の当社が所有している産業財産権は、国内外合計で499件となっております。